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JP2017031329A - ポリエステルの製造方法およびそれからなるポリエステル - Google Patents

ポリエステルの製造方法およびそれからなるポリエステル Download PDF

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JP2017031329A
JP2017031329A JP2015152782A JP2015152782A JP2017031329A JP 2017031329 A JP2017031329 A JP 2017031329A JP 2015152782 A JP2015152782 A JP 2015152782A JP 2015152782 A JP2015152782 A JP 2015152782A JP 2017031329 A JP2017031329 A JP 2017031329A
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安彦 友成
Yasuhiko Tomonari
安彦 友成
新太郎 光永
Shintaro Mitsunaga
新太郎 光永
鈴木 智博
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
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Teijin Ltd
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】高い重合反応速度が得られ、高い重合度と優れた色相と耐熱性とを有するポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含む脂環族多価アルコールとを重合触媒と熱安定剤の存在下で重縮合反応させてポリエステルを製造する方法において、重合触媒が特定の化学構造を有する化合物と特定の化学構造を有する芳香族多価カルボン酸等とを反応させて得られるチタン化合物を含み、熱安定剤が特定の化学構造を有するリン化合物を含み、チタン化合物由来のチタン原子の含有量がポリエステルに対して1〜200質量ppmであり、かつポリエステルにおけるリン化合物由来のリン原子とチタン化合物由来のチタン原子の含有量の質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である。
【選択図】なし

Description

本発明はテレフタル酸由来の構造単位と脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含むポリエステルの効率的な製造方法に関するものである。すなわち、詳しくは脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含む脂環族多価アルコールを用い、重合触媒として特定の化学構造のチタン化合物、特定の化学構造のリン化合物の組合せを使用することにより重縮合反応の速度を高め、高融点、高重合度で色相の良好なポリエステルを製造する方法に関する。本手法では脂環族アルコールの使用量を抑制できることから、経済的にも有利である。
テレフタル酸由来の構造単位と脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含むポリエステルたとえばポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)は、その脂環構造の存在によって優れた機械的強度、化学的安定性、電気的特性、柔軟性、成形性を有する。これらの特徴によって、その成形品は、電気・電子部品、自動車部品、フィルム等のエンジニアリングプラスチックとして幅広い用途が期待されている。また、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)などの脂環骨格含有ポリエステルは、他のポリエステルと比較してエステル基濃度や密度からは予想できないほど融点が高く、耐候性や耐熱性に優れる。それにより、近年では、例えばLEDの反射板材料として照明・ディスプレイ用途等への展開など、大きな市場への用途開発が期待される。
PCTに代表される脂環骨格含有ポリエステルの製造方法は、主にテレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、脂環骨格を有するジアルコールとを原料として直接エステル化またはその低重合体を生成させる工程と続いてこの反応生成物を重合触媒存在下、減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させる工程とを含む。
特に重縮合反応工程において、反応に使用する重合触媒や熱安定剤の種類によって重合反応速度および得られるポリエステルの品質が大きく左右される。一般に、ポリエステルの重合触媒として、例えばアンチモン化合物を用いることが知られているが、従来公知のアンチモン化合物は、重合活性が十分ではなく、高分子量のポリエステルを得ることは困難であった。一方、チタン化合物は、重合活性に優れた重合触媒である。しかしながら、副反応(分解反応)によって、得られるポリエステルの末端COOH基濃度の増大や末端ビニル基の増大が起こりやすかった。また、工業的生産速度が得られる程度の量を使用した場合には、上記副反応によって、得られるポリエステルの色相が悪化するだけでなく、主鎖の切断や解重合が生じて高分子量のポリエステルを得ることが困難であった。しかも、これらの方法で得られるポリエステルは、熱安定性が悪いので、溶融成形時に分子量の低下や末端COOH基の増大が生じ、そのため成形品の力学特性や耐加水分解性が低下するという問題がった。
一方で、副反応を抑制するため、熱安定剤としてリン化合物を添加する方法が知られている。しかしながら、この方法によると、着色は防止しうるものの、リン化合物によって重合触媒であるチタン化合物の重合活性を低下させることになり、結果として重合活性が十分発現されず、高分子量のポリエステルを得ることが困難であった。
これらの課題に対して、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の場合において、得られるポリエステルの耐加水分解性や熱安定性、色相を改良するための方法がいくつか提案されている。例えば、触媒であるチタン化合物の配位子を特定構造としたり(例えば、特許文献1参照。)、熱安定剤であるリン化合物を特定構造としたりすることにより(例えば、特許文献2参照。)、重合中の副反応(分解反応)を抑制し、色相の良好なポリエステルを得る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、いずれも重合度の向上効果が十分でなく、高分子量のポリエステルを製造することは困難であった。さらに、これらの重合触媒、熱安定剤の効果については、特にPETの製造方法に関するものであり、重合反応性が異なるPCT等の脂環骨格含有ポリエステルについては何ら効果が開示されていない。
また、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合において、次亜リン酸塩等を用いる製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法によると、得られるポリエステルの耐加水分解性、熱安定性、色相をある程度改良できるものの、重合速度の低下を生じる。更に、重合性を高めるために重合温度を高くすると、逆に副反応(分解反応)が進行し、結果として得られるポリエステルの重合度の低下や末端COOH基の増大が引き起こされる。
また、耐加水分解性や熱安定性、更には色相を改良するために、ヒンダードフェノール系化合物やホスホン酸のエステルを重合中に添加する方法も提案されている(例えば、特許文献4および特許文献5参照。)。これらの方法によると、耐加水分解性、熱安定性、色相をある程度改良できるとしても、溶融重合における反応速度の低下を招き、生産性を低下させるという問題があった。また、得られるポリエステルの耐加水分解性、熱安定性、色相等の点で必ずしも十分満足できるものではなかった。
また、得られるポリエステルの重合度を高める方策としては、従来より固相重合が行われている。固相重合は、得られるポリエステルの融点以下の温度で、不活性ガスの気流下あるいは真空下、固体状態で脱アルコールをさせながら重縮合させるものである。
特公昭59−046258号公報 特開昭53−106751号公報 特公昭57−085818号公報 特開昭51−142097号公報 特開昭51−142098号公報
しかしながら、固相重合は、溶融重合とは異なるプロセスを必要とする上、重縮合反応で生成する脂環族ジアルコールは、エチレングリコールよりも沸点が高い。そのため、重縮合反応で生成する脂環族ジアルコールを反応系外へ排出するためには、蒸気圧の観点から反応温度が足りず、殆ど重合反応は進まないか、または極端に反応が遅いため、製造効率が低いという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであって、重縮合反応中に反応槽から溜出する脂環族ジアルコールの量を低減することによって溜出系の閉塞を軽減し、かつ色相改良のためにチタン量を少なくしても重合活性を損なわないので、重合反応速度を高めることができ、高い重合度と優れた色相と耐熱性とを有するポリエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレートの副反応(分解反応)を抑制し、かつ効率的に高分子量化することで得られたポリエステルの重合度が高く、高融点で色相が良好なポリエステルの製造方法を提供できることを見出し、本発明を解決した。即ち、具体的には本発明は以下に示すポリエステルの製造方法、および当該方法により得られたポリエステルに関する。
[1] テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(以下、多価カルボン酸成分という。但し、多価カルボン酸成分全体のモル数を100モル%とする。)と、脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含む脂環族多価アルコールとを重合触媒と熱安定剤の存在下で重縮合反応させてポリエステルを製造する方法であって、前記重合触媒が、下記式(I)で表される化合物と、下記式(II)で表される芳香族多価カルボン酸およびその無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物を含み、
Figure 2017031329
(上記式(I)中のR,R,RおよびRはアルキル基である。)
Figure 2017031329
(上記式(II)中のnは2〜4の整数である。)
前記熱安定剤が、下記式(III)で表されるリン化合物を含み、
Figure 2017031329
[上記式(III)中、R,RおよびRは、同一または異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または−CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、前記ポリエステルに対して1〜200質量ppmであり、かつ前記ポリエステルにおける、前記リン化合物に由来するリン原子の含有量(P)と、前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量(Ti)の質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、ポリエステルの製造方法。
[2] 前記多価カルボン酸成分は、前記多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を含み、前記脂環族多価アルコールは、前記多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上の前記脂環骨格を有するジアルコールと、5〜35モル%の前記エチレングリコールとを含む、[1]記載のポリエステルの製造方法。
[3] 前記多価カルボン酸成分と前記脂環族多価アルコールとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、エステル化物を得る第1の工程と、前記重合触媒と前記熱安定剤の存在下で、前記エステル化物を重縮合反応させて、ポリエステルを得る第2の工程と、を含む、[1]または[2]に記載のポリエステルの製造方法。
[4] 前記重合触媒は、前記第1の工程で添加する、[3]に記載のポリエステルの製造方法。
[5] 前記熱安定剤は、前記第1の工程または第2の工程で添加する[3]または[4]に記載のポリエステルの製造方法。
[6] 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
[7] 前記ポリエステルは、前記多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、前記多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含む、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
[8] 前記ポリエステルの、固有粘度が0.50〜1.00dL/gであり、かつ測色色差計による測定される色相Col−b値が5.0以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
[9] テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位およびエチレングリコール由来の構造単位を含む脂環族多価アルコール由来の構造単位とを含むポリエステルであって、一般式(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸およびその無水物よりなる群より選ばれた少なくとも1種の酸化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物と、
Figure 2017031329
(上記式(I)中のR,R,RおよびRはアルキル基である。)
Figure 2017031329
(上記式(II)中のnは2〜4の整数である。)
一般式(III)で表されるリン化合物を含む、ポリエステル。
Figure 2017031329
[上記式(III)中、R,RおよびRは、同一または異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または−CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
[10] 前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が前記ポリエステルに対して1〜200質量ppmであり、かつ前記ポリエステルに対する前記リン化合物に由来するリン原子の含有量(P)と前記チタン原子の含有量(Ti)との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である[9]に記載のポリエステル。
[11] 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含む、[9]または[10]に記載のポリエステル。
[12] 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[9]または[10]に記載のポリエステル。
[13] 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含む、[9]〜[11]のいずれか1項に記載のポリエステル。
[14] 固有粘度が0.5〜1.0dL/gであり、かつ測色色差計により測定された色相Col−b値が5.0以下である、[9]〜[13]のいずれか1項に記載のポリエステル。
本発明の製造方法によって得られるポリエステルは、重縮合反応中に併発する副反応(分解反応)が抑制され、重合反応速度を高めうるため、重合度が高く、色相に優れたポリエステルを効率的に重合することが可能になる。さらに、反応時に使用する1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環骨格を有するジアルコールの仕込み量を最小化でき経済的にも優れた製造方法でポリエステルを提供できることから例えばLEDの反射板材料として照明・ディスプレイ用途への展開が大いに期待される。
本発明者らは、脂環骨格を有するジアルコール由来の構成単位を含むポリエステルの製造方法において、重合触媒として特定の化学構造を有するチタン化合物と、熱安定剤として特定の化学構造を有するリン化合物とを組み合わせることで、チタン化合物を少なくしても重合活性が損なわれず、重合反応速度を高めうることを見出した。
さらに本発明者らは、脂環骨格を有するジアルコールに「エチレングリコール」をさらに組み合わせることで、重合反応速度をさらに高めることができることを見出した。その理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
脂環骨格を有するポリエステルは、例えば脂環骨格を有するジアルコールと多価カルボン酸エステルとをエステル交換反応してエステル化物を得た後;該エステル化物を、重合触媒の存在下で重縮合反応させて得られる。エステル化物の重縮合反応を促進させるためには、重縮合反応によって生成する脂環骨格を有するジアルコールや未反応の脂環骨格を有するジアルコールを系外へスムーズに排出させる必要がある。しかしながら、脂環骨格を有するジアルコールは沸点が高いため、重縮合反応時の温度ではスムーズに排出されず、溜出系の閉塞を生じやすい。これに対して、脂環骨格を有するジアルコールに「エチレングリコール」を組み合わせることで、重縮合反応で生成する脂環骨格を有するジアルコールの量を少なくすることができる。それにより、重縮合反応で生成するアルコールをスムーズに系外へ排出し、溜出系の閉塞を抑制できるので、重合反応速度を高めることができる。
このように、チタン化合物の量を少なくしても重合活性を損なわず、かつ重縮合反応中の溜出系の閉塞を軽減できるので、重合反応速度を顕著に高めることができる。その結果、生成するポリエステルが熱に曝される時間を短くすることができるので、高い重合度を有し、かつ良好な色相を有するポリエステルを得ることができる。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
本発明のポリエステルとは、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(以下、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を、多価カルボン酸成分ともいう。但し、多価カルボン酸成分の総モル数を100モル%とする。)と、脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含む脂環族多価アルコールとを、重合触媒と熱安定剤の存在下で重縮合させて得られるポリエステルである。まず、本発明のポリエステルの製造方法に用いられる、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、脂環族多価アルコール、重合触媒および熱安定剤について説明する。
<多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体>
本発明のポリエステルの製造方法において用いる多価カルボン酸成分において、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体の含有量は、95モル%以上であることが好ましく、97モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上が更により好ましい。テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体の含有量を95モル%以上とすることで、高融点のポリエステルを製造することができる。ただし、多価カルボン酸成分の総モル数を100モル%とする。
多価カルボン酸としては、具体的には、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上用いるが、他の芳香族ジカルボン酸として、具体的にはイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を用いることができる。または、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が含まれる。これらは2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。好ましくはイソフタル酸である。これらの芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の代わりにこれらの化合物のエステル形成性誘導体を用いてもよい。また、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とは、その多価カルボン酸の炭素数1〜6個のジアルキルエステル、その多価カルボン酸の炭素数6〜10個のジアリールエステル、またはその多価カルボン酸の酸ハライドを表す。より好ましくは多価カルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステルもしくはジフェニルエステルである。
多価カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体は、それ以外にトリメリット酸等の3官能以上のカルボン酸成分を少量更に含んでいてもよい。また乳酸、グリコール酸等のヒドロキシカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体等を少量更に含んでいてもよい。
多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体における、テレフタル酸以外の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の含有量は、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることが好ましい。
<脂環族多価アルコール>
本発明のポリエステルの製造方法において用いる脂環族多価アルコールは、脂環骨格を有するジアルコールを主成分として含む。脂環骨格を有するジアルコールは、脂環骨格部分の炭素数が4〜8のジアルコールであり、その具体例としては、1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロブタンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,5−シクロオクタンジオール、1,5−シクロオクタンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が含まれる。これらは2種以上を混合してもよく、目的に応じて任意に選ぶことができるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
用いる脂環族多価アルコールにおける脂環骨格を有するジアルコールの含有量は、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。脂環骨格を有するジアルコールの含有量を50モル%以上とすることで、優れた色相を有するポリエステルを製造することができる。ただし、脂環族多価アルコールの総モル数を100モル%とする。
脂環骨格を有するジアルコールの好ましいトランス/シス型のモル比(Trans/Cis比率)は、100/0〜60/40であり、更に好ましくは80/20〜65/35である。ジアルコールのトランス型の比率が多いほど、得られるポリエステルの融点が高くなり、かつ結晶化速度も向上する。
本発明のポリエステルの製造方法において用いる脂環骨格を有するジアルコールの量は、上記の多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上であることが好ましく、110〜200モル%であることがより好ましい。95モル%未満であると、高固有粘度のポリエステルを得ることができず、200モル%を超えると過剰量の原料を使用する事になり不経済である場合がある。また原料等の一部に熱分解反応が起こり、色相の劣るポリエステルしか得られない場合があり好ましくない。用いる脂環骨格を有するジアルコールの量は、多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、好ましくは125〜147モル%、より好ましくは129〜145モル%、更により好ましくは132〜143モル%である。
脂環族多価アルコールは、重縮合反応時における溜出系の閉塞を低減する観点から、脂環骨格を有するジアルコール以外にエチレングリコールをさらに含むことが必要である。用いる脂環族多価アルコールにおけるエチレングリコールの含有量は、50モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることが更に好ましく、5モル%以下であることが特に好ましい。脂環骨格を有するジアルコールとエチレングリコールの仕込みモル比率は、脂環骨格を有するジアルコール/エチレングリコール=50/50〜99/1であることが好ましく、70/30〜97/3であることがより好ましく、80/20〜97/3であることが更に好ましい。
本発明のポリエステルの製造方法において用いるエチレングリコールの量は、上記の多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して4.0〜35.0モル%であることが好ましい。4.0モル%未満であると、目的とする重縮合速度の促進効果を得ることができず、35.0モル%を超えると、多価カルボン酸成分に対してエチレングリコールが1.50モル%を超えて共重合されたポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートが得られる場合があり、共重合によりポリエステルの耐熱性(融点)や色相(Col−b値)が低下する場合があり、好ましくない。用いるエチレングリコールの量は、多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、好ましくは4.5〜25.0モル%、より好ましくは6.0〜21.0モル%、更に好ましくは7.0〜18.0モル%である。上記のような範囲で脂環骨格を有するジアルコールとエチレングリコールを用いることで、エチレングリコール由来の構造単位の含有量が、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して0.05〜1.50モル%、好ましくは0.06〜1.40モル%、更により好ましくは0.07〜1.30モル%、特により好ましくは0.08〜1.0モル%であるポリエステルを得ることができる。
脂環族多価アルコールは、前述の通り、脂環骨格を有するジアルコール以外にエチレングリコールを用いることが必要である。本発明では、脂環族多価アルコールとしては、脂環骨格を有するジアルコールとエチレングリコールとを用いるが、本発明の効果を損なわない範囲において、これら以外の他のジアルコールを更に用いてもよい。他のジアルコールは、1,4−ブタンジオール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチレングリコール、1,6−ヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ポリ(オキシ)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのアルキレングリコールが含まれる。これらは1種または2種以上を組み合わせてもよく、目的により任意に選ぶことができる。
本発明における脂環族多価アルコールは、上述のように、脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含むが、これらのジアルコール以外にグリセリンなどの3官能以上の多価アルコールを少量更に含んでもよい。また、3官能以上の多価アルコールは、多価カルボン酸またはその誘導体との反応中に開環反応を伴って開環して水酸基を生成するエポキシ化合物などを少量更に含んでいてもよい。
多価カルボン酸成分と脂環族多価アルコールの好ましい1つの態様は、多価カルボン酸成分が、多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上のテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を含み、かつ脂環族多価アルコールが、多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上の脂環骨格を有するジアルコールと、5〜35モル%のエチレングリコールとを含む態様である。
より好ましい態様の1つは、得られるポリエステルは、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上のテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含む態様である。より好ましくは得られるポリエステルは、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して5モル%以下、更により好ましくは1〜4モル%のイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を更に含む態様であることである。
<重合触媒>
また、本発明のポリエステルの製造方法において重合触媒として用いられる重合触媒としては、通常のポリエステルで用いられているようなジブチルスズジアセタートのようなスズ(Sn)化合物、三酸化アンチモンのようなアンチモン(Sb)化合物、テトラ−n−ブトキシチタンのようなチタン(Ti)化合物、二酸化ゲルマニウムのようなゲルマニウム(Ge)化合物等を挙げることができるが、安全性や反応性の観点からチタン化合物を用いることが好ましい。
具体的には、本発明で触媒として用いるチタン化合物は、ポリエステル中に可溶なものであれば特に限定されず、ポリエステルの重合触媒として一般的なチタン化合物、例えば、酢酸チタンやテトラ−n−ブトキシチタンが挙げられる。これらの中でも、下記式(I)で表される化合物と、下記式(II)で表わされる芳香族多価カルボン酸および前記芳香族多価カルボン酸の無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物は、エステル交換触媒と重合触媒を兼用することができる等の観点から好ましい。ここで予め反応させるとは、ポリエステル製造工程において後述するエステル化反応またはエステル交換反応を行う第1の工程の前に反応させることを表す。
Figure 2017031329
(上記式(I)中のR,R,RおよびRはアルキル基である。)
Figure 2017031329
(上記式(II)中のnは2〜4の整数である。)
上記式(I)で表されるテトラアルコキサイドチタンとしては、R,R,RおよびRは、それぞれアルキル基であれば特に限定されず、その中でもテトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラノルマルプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラメトキシチタンが好ましい。
また、上記式(II)で表される芳香族多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリシン酸、ピロメリット酸が好ましい。なお、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸の代わりに、その芳香族多価カルボン酸の酸無水物を使用しても良い。上記チタン化合物と芳香族多価カルボン酸等とを反応させるには、適切な溶媒に芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを溶解し、これに上記のチタン化合物を滴下し、0〜200℃の温度で30分以上反応させれば良い。
上述のチタン化合物は、本発明のポリエステルの製造方法により得られるポリエステルにおいて、そのチタン化合物に由来するチタン原子が1〜200質量ppm含まれるように、ポリエステルの製造工程において添加することが好ましい。1質量ppm未満であると重縮合反応が進行しにくくなり、200質量ppmを超えると得られるポリエステルの色相および熱安定性が低下しやすくなるばかりか、溶融成形時の大幅な分子量低下(固有粘度低下)を生じてしまうために好ましくない場合がある。チタン原子は、得られるポリエステルにおいて18〜88質量ppm含まれていることが好ましく、30〜75質量ppmであることがより好ましく、40〜70質量ppmであることが更に好ましい。
このように、チタン化合物を重合触媒として使用した場合、安全性や反応性が改善されるが、チタン化合物を重合触媒として用いた場合、ポリエステルが黄色く着色されたり、溶融熱安定性が乏しかったりするといったチタン化合物特有の問題がある。そこで、チタン化合物による着色や溶融熱安定性を付与するために特定のリン化合物を熱安定剤として加える(特開2004−175837号公報参照)。これにより、ポリエステルの着色は抑えられ、かつ溶融熱安定性が付与される。
<熱安定剤>
本発明のポリエステルの製造方法において、上述した熱安定剤として用いられるリン化合物としては、下記一般式(III)により表されるリン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2017031329
[上記式中、R、R及びRは、同一または異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または―CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
ここで、前記一般式(III)により表されるリン化合物としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボブトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸若しくはカルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類またはジブチルエステル類から選ばれることが好ましい。より具体的にはトリメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート(ホスホノ酢酸トリエチル)、トリプロピルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジメチルエステル、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジエチルエステルが好ましく選択される。
一般式(III)により表されるリン化合物の添加量は、得られるポリエステルにおける、そのリン化合物に由来するリン原子の含有量が10〜80質量ppmとなるように、ポリエステルの製造工程において添加することが好ましい。リン原子は、得られるポリエステルに、好ましくは12〜70質量ppm、より好ましくは13〜60質量ppm含まれる。
本発明のポリエステルの製造方法においては、得られる上記ポリエステルにおいて前記リン化合物に由来するリン原子の含有量(P)と前記チタン原子の含有量(Ti)との質量比(P/Ti)が0.1以上5.0以下であることが好ましい。より好ましくはその質量比(P/Ti)が、0.15〜3.0、さらに好ましくは0.25〜1.0となる範囲である。一方、P/Tiの質量比が0.1以上の場合は、上記リン化合物の熱安定剤としての効果として後述する第2の工程(重縮合反応工程)におけるポリエステルの副反応(分解反応)を十分に抑制しうることから、高い重合度を有し、着色の少ないポリエステルが得られやすい。P/Tiの質量比が5.0以下であると、上記リン化合物の熱安定剤としての効果が飽和することなく、後述する第2の工程(重縮合反応工程)における上記チタン化合物の重合活性を低下させるおそれがなく、高い重合反応速度を維持しやすい。それにより、高い重合度を有し、着色の少ないポリエステルが得られやすい。一方、P/Tiの質量比が5.0を超えると重合触媒の触媒活性が低下し、重合反応速度が遅くなったり、十分に高い固有粘度を有するポリエステルを得ることができなかったり場合があり、P/Tiの質量比が0.1未満であると、得られるポリエステルの色相が悪く、色相Col−b値の大きなポリエステルとなる場合がある。
次に、前述の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、脂環族多価アルコール、重合触媒および熱安定剤を用いて本発明のポリエステルを製造する方法を、具体的に説明する。
<ポリエステルの製造工程>
本発明のポリエステルの製造方法において、前記多価カルボン酸成分と前記脂環族多価アルコールとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、エステル化物を得る第1の工程と、前記重合触媒と前記熱安定剤の存在下で、前記エステル化物を重縮合反応させて、ポリエステルを得る第2の工程を含むことが好ましい。以下詳細に説明する。
<第1の工程>
本発明の第1の工程においては、上記の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体をエステル化反応させる、あるいは重合触媒の具体例として上述した、予め反応させて得られた反応生成物である特定の化学構造を有するチタン化合物の存在下でエステル交換反応させることにより、低分子量のエステル化物を製造する工程である。
エステル化反応においては、多価カルボン酸自身が触媒作用を有するので、触媒が存在しなくてもエステル化反応が進行する場合がある。エステル化反応においては、0.2MPa以上の加圧下で行うことが好ましい。好ましくは0.25MPa以上の加圧下で実施することである。反応温度は、120〜300℃、好ましくは150〜270℃の範囲であり、反応が進行するにしたがって順次昇温して反応を進行させることが好ましい。エステル化反応が終了したかどうかは生成する水の流出がなくなることによって判断することができる。
エステル交換反応においては、上述したような特定の化学構造を有するチタン化合物を用いて、常圧下または0.05MPa以上の加圧下で行うことができる。このように、重合触媒は第1の工程で添加することが好ましい。反応温度は、エステル化反応と同じ温度範囲で反応が進行するに従って、順次昇温して反応を進行させることが好ましい。またエステル交換反応においては、上述した特定の化学構造を有するチタン化合物に加えて更に、上述した特定の化学構造を有するチタン化合物以外のチタン化合物、スズ、亜鉛、マンガンなどの有機酸塩やアルコラート等の公知のエステル化触媒またはエステル交換反応触媒を用いることもできる。エステル交換反応における好ましい反応温度、反応圧力は、エステル化反応の場合と同じである。エステル交換反応が終了したかどうかは、多価カルボン酸成分としてジカルボン酸ジエステル化合物を用いた場合には、対応する化学構造を有するヒドロキシ化合物の流出がなくなることによって判断することができる。
また、エステル化反応またはエステル交換反応を行う第1の工程においては、以下の工程1の条件を採用することもできる。
工程1:前記多価カルボン酸成分、エチレングリコールおよび脂環族多価アルコールを、エステル化反応させる工程またはチタン化合物を添加しエステル交換反応させる工程
<第2の工程>
第2の工程においては、第1の工程で製造した反応物に、熱安定剤の具体例として上述した一般式(III)で表されるリン化合物を添加してチタン化合物存在下、固有粘度が0.5〜1.0dL/gまで重縮合反応槽内で重縮合反応させる。この熱安定剤は第1の工程に対して添加することもできるので、前記熱安定剤は第1の工程または第2の工程で添加することができる。また、重縮合反応を行う第1の工程においては、以下の工程2の条件を採用することもできる。
工程2:工程1で製造した反応物にリン化合物を添加してチタン化合物存在下、固有粘度が0.5〜1.0dL/gまで重縮合反応槽内で重縮合反応させる工程
下記のような条件を採用するために、第2の工程は、第1の工程とは異なる反応槽で行うことが好ましく採用される。第1の工程がエステル化反応であった場合には、第2の工程における重縮合反応を開始する前に、重合触媒として、上記式(I)で表される化合物と上記式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはその無水物との反応生成物からなる群より選ばれた少なくとも1種のチタン化合物を、反応槽に添加する。その添加量は、得られるポリエステル中のそのチタン化合物に由来するチタン原子の含有量(Ti)が上述した範囲内となる量である。第1の工程がエステル交換反応であった場合には、既に第1の工程で得られた反応物に重合触媒でもあるチタン化合物が含まれているので、新たな重合触媒を添加することなく重縮合反応を行うことも可能である。一方、重縮合反応を促進するために、ポリエステルにおけるそのチタン化合物に由来するチタン原子の含有量が上述した範囲内にて、新たな重合触媒を添加してもよい。前記リン化合物は第1の工程の段階で添加しても、第2の工程の段階で添加してもよい。好ましくは第1の工程が終了し、第2の工程の最初の段階で添加することである。添加量については上述の通りである。さらに、第1の工程の段階ではエステル化反応であっても、エステル交換反応であっても、反応槽内は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
重縮合反応においては、重縮合反応槽の内部を減圧下の状態にし、最終的には得られるポリエステルの融点以上の温度にて重縮合反応を進める。この場合の重縮合反応条件は、最終内温が270℃以上、好ましくは280〜320℃、より好ましくは290〜310℃の温度下であることが特徴である。それは、本発明の方法における第1の工程の段階で得られる低分子量のエステル化物の融点が、選択する脂環族多価アルコールの種類によっても変わるが、通常のポリエチレンテレフタレートのエステル化物に比べ高くなっている場合が多いためである。反応槽内の圧力は、0.4kPa(3Torr)以下とすることが好ましい。所定の分子量(固有粘度)にまで上昇しているのをポリエステルの溶融粘度にて検知し、重縮合反応の終了時期を決めることができる。概ね、上記の固有粘度に達するまでに要する重縮合反応の時間としては、0.5〜5時間である。本発明のポリエステルの製造方法においては、重縮合反応の終了後、20分以内に反応槽から吐出し、チップ状にカッティングすることが好ましく採用することができる。カッター中のポリエステルの固有粘度の低下を抑制する観点からである。更に高い固有粘度のポリエステルを得たい場合には、固相重合を行うこともできる。
第2の工程においては、熱安定剤として、必要に応じて上記一般式(III)で表されるリン化合物以外のリン化合物を加えてもよい。例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステルおよび正リン酸、ポリリン酸等の他、フェニルホスホン酸、PEP-36、Irgafos 168、Sumilizer GP、PEP-8、P-PEQ、Irgamod 295、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を挙げることができる。
更に第2の工程では、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 245、Irgamod 3114、Sumilizer GS等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、Irgafstab FS 301FF等のアミン系安定剤、CDA-1、Benzotriazole、Iranox MD 1024、ナウガードXL-L等の金属補足剤のほか、1,3−ビス(4,5−ジヒドロー2−オキサゾリン)ベンゼン等の鎖伸長剤等を反応槽中にさらに添加してもよい。その他ポリエステルの特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤、例えば酸化防止剤、結晶核剤、難燃材剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤等を、反応系中にさらに添加してもよい。
<得られるポリエステルの組成、物性およびその他の事項>
本発明のポリエステルの製造方法で得られるポリエステルは、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位およびエチレングリコール由来の構造単位を含む脂環族多価アルコール由来の構造単位とを含む。
本発明のポリエステルの製造方法で得られるポリエステルは、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上のテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含むことが好ましく;多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上のテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含むことがより好ましい。さらに、本発明のポリエステルの製造方法で得られるポリエステルは、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して5モル%以下のイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位をさらに含むことが好ましく;多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して5モル%以下のエチレングリコールおよびジエチレングリコールの少なくとも一方由来の構造単位をさらに含むことが好ましい。なお、ジエチレングリコールは、重縮合反応で副次的に生成するものでありうる。
後述する実施例で示すように、上記テレフタル酸等由来の構造単位、イソフタル酸等由来の構造単位、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位、エチレングリコール由来の構造単位、およびジエチレングリコール由来の構造単位の含有量は、日本電子(株)製ECA−600を用いて、製造されたポリエステルの600MHzのH−NMRスペクトルを測定して求めることができる。測定条件の詳細は、後述の実施例に示す通りである。
さらに、得られたポリエステルにおいては、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数と脂環族多価アルコール由来の構造単位の総モル数は既知であり、通常、同じであるので、「ポリエステル鎖に組み込まれた脂環族多価アルコール由来の構造単位の総モル数に対する各ジアルコール由来の構造単位のモル数の比率」を算出することにより、「ポリエステル鎖に組み込まれた多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数に対する各ジアルコール由来の構造単位のモル数の比率」を算出することができる。
本発明により得られるポリエステルにおいて、エチレングリコール由来の構造単位の含有量は、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して0.05〜1.50モル%以内であることが好ましい。特にPCTの場合、エチレングリコールが共重合されることによりポリエステルの融点降下を引き起こすため、反射材としての耐熱性が不足するとともに、ペレットのCol−b値が高くなり、LED反射材として成形した際に反射率の低下も招く。ポリエステルにおけるエチレングリコール由来の構造単位の含有量は、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して、好ましくは0.06〜1.40モル%、より好ましくは0.07〜1.30モル%、更に好ましくは0.08〜1.0モル%である。
なお、エチレングリコール由来の構造単位の含有量をこの値の範囲にするためには、使用するエチレングリコールの使用量を全多価カルボン酸成分に対して4.0〜35.0モル%以内、好ましくは4.5〜25.0モル%以内、より好ましくは6.0〜21.0モル%以内、更に好ましくは7.0〜18.0モル%以内にすること、及び特定の重合触媒を使用することが好ましい。それにより、エチレングリコール由来の構造単位の含有量の範囲が上記範囲に制御されたポリエステルを得ることができる。
本発明のポリエステルの製造方法で得られるポリエステルは、残存する重合触媒に由来する前述の特定の化学構造を有するチタン化合物と、残存する熱安定剤に由来する前述の特定の化学構造を有するリン化合物とをさらに含みうる。特定の化学構造を有するチタン化合物に由来するチタン原子の含有量や、該チタン原子の含有量と特定の化学構造を有するリン化合物に由来するリン原子の含有量との質量比(P/Ti)は、それぞれ前述した通りである。ポリエステル中のチタン原子やリン原子の含有量は、蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)により測定することができる。
本発明により得られる第2の工程終了後のポリエステルの固有粘度は、機械的強度、成形性の点から0.50〜1.00dL/gが好ましく、0.65〜0.85dL/gの範囲であることがより好ましい。0.50dL/g未満では機械的強度に劣り、1.00dL/gを超える場合には流動性が低下して成形加工性に劣るので好ましくない。
なお、固有粘度をこの値の範囲にするためには、使用するエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込み量や重合反応時の撹拌機の撹拌トルクの数値を調整することによってこの固有粘度の値の範囲を達成することができる。本発明の製造方法においては、上述したような多価カルボン酸成分の量に対するエチレングリコールと脂環族ジアルコールの使用量、チタン化合物と芳香族多価カルボン酸等との生成物を重合触媒として所定量用いることによって、多価カルボン酸成分に対して、上記のエチレングリコールと脂環族ジアルコールの合計モル量分の脂環族ジアルコールを用いた場合に比べて重合反応速度を上げることができる。そして同時に得られるポリエステルは高い固有粘度であり、耐熱性と色相にも優れている。
本発明により得られるポリエステルの色相、Col−b値は、5.2以下であることが好ましく、5.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることが更により好ましく、1.0以下であることが特に好ましい。特にPCTの場合、Col−b値が上記範囲内にあるときには、LED反射材として成形した際に反射率の低下が抑制される。ポリエステルのCol−b値は、日本電色工業(株)製の測色色差計ZE−2000を用いて測定することができる。
なお、Col−b値をこの値の範囲にするためには、例えば使用するエチレングリコールの使用量を全多価カルボン酸成分に対して4.0〜35.0モル%以内、好ましくは4.5〜25.0モル%以内、より好ましくは6.0〜21.0モル%以内、更に好ましくは7.0〜18.0モル%以内とし、かつ重合触媒である上記チタン化合物の添加量と、熱安定剤である上記リン化合物と重合触媒である上記チタン化合物の含有比(P/Ti質量比)とを上記の数値範囲にすることが好ましい。
本発明により得られるポリエステルの融点(Tm)は、280℃以上であることが好ましく、285〜300℃であることがより好ましい。融点が285℃以上であるポリエステルは良好な耐熱性を有するため、例えばLED用の反射材などに好適である。ポリエステルの融点は、示差走査熱量計を用いて、窒素気流下、10℃/分の昇温条件にて昇温させたときに現れる吸熱ピークの頂点の温度として測定されうる。試料の作製条件および測定条件の詳細は、後述の実施例に示す通りである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、得られたポリエステルの諸物性の測定は以下の方法により実施した。
1)1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis含有率
1,4−シクロヘキサンジメタノールの市販品サンプル0.15gをアセトニトリル5mlに溶解させたのち、0.45μmのメンブランフィルターで不要物を除去して液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS:(株)島津製作所製、LC−10)にて測定した。使用したカラムは同社製のULTRON VX−ODS 250L×4.6mmI.D.×2本、STR−ODS−II 150L×4.0mm I.D.で、使用温度は50℃とした。Trans/Cis含有率が68/32と、73/27の2種類を用いた。なお、ポリエステル中に組み込まれた1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis含有率においても、得られたポリエステルを水酸化ナトリウムなどのアルカリ化合物を溶解したエチレングリコール中で解重合した後、1,4−シクロヘキサンジメタノールを上記の方法で分析することにより評価することができる。その比率は、仕込み時の値とほぼ同じであった。
2)ポリエステル中の元素の含有量
本発明により得られたポリエステルのペレット状のサンプルを、アルミ板上で加熱溶融して試験成形体を作製した。この試験成形体(ポリエステル)中に残存するリン元素の量とチタン元素の量を、それぞれ蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いて測定した。P/Tiは、測定によって得られた残存Ti量と残存P量との比から求めた。
3)固有粘度(IV)測定
得られたポリエステルチップを、フェノール/テトラクロロエタン(1,1,2,2−テトラクロロエタン)=60/40(質量比)の混合溶媒に溶解させて溶液を調製した。得られた溶液の35℃における流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、下記式に当てはめて固有粘度を算出した。
[η]=ηSP/[C(1+KηSP)]
[η]:固有粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
K:定数(溶液濃度Cの異なるサンプル(3点以上)の比粘度ηSPを下記式に基づいて測定し、横軸に溶液濃度C、縦軸にηSP/Cをプロットしたときのグラフの直線の傾き)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:溶媒の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t0)/t0
4)重合反応速度
得られたポリエステルの固有粘度(dL/g)を、重縮合反応(真空反応に入った時点から重縮合反応終了まで)に要した時間(hr)で除して、重合反応速度((dL/g)/h)を求めた。重縮合反応は、常圧から0.4kPa(3Torr)まで60分かけて減圧し、同時に反応温度を295℃まで昇温し、それ以降は上記の重合温度(295℃)を維持しながら0.133kPa(1Torr)まで更に真空度を上げて行った。この操作の中で、真空反応に入った時点は、反応槽内の圧力を常圧から0.4kPaにまで減圧を開始し始めた時点とした。重縮合反応の終了時点は、撹拌機の撹拌トルクがそれ以上上昇しなくなる時点とした。
5)融点(Tm)測定
25℃で24時間減圧乾燥したポリエステルを10mg秤量し、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素気流下、20℃/分の昇温条件にて300℃まで加熱し溶融させたものを液体窒素中で急冷・固化させた。それにより、得られたポリエステルを示差走査熱量計にセットし、窒素気流下、10℃/分の昇温速度で330℃まで昇温させたときに現れる吸熱ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。
6)色相の評価(Col−b測定)
得られたポリエステルを円柱状にカッティングしペレットを得た。得られたペレットのCol−b値を、日本電色工業(株)製の測色色差計 ZE−2000を用いて測定した。Col−b値は、その値がプラス側に大きい程、黄色の度合が大きく、マイナス側に大きい程、青色の度合が大きいことを示す。
7)シクロヘキサンジメタノール(CHDM)由来の構造単位の含有量、エチレングリコール(EG)由来の構造単位の含有量、およびテレフタル酸(DMT)由来の構造単位の含有量の算出
本発明の製造方法により得られたポリエステル中のCHDM由来の構造単位の含有量およびEG由来の構造単位の含有量は、日本電子(株)製ECA−600を用いて600MHzのH−NMRスペクトルを測定し、エチレングリコール中のメチレン基を構成する水素原子(1分子あたり4個とする。)のピーク面積をA、1,4−シクロヘキサンジメタノール中のヒドロキシメチレン基を構成する水素原子(1分子あたり4個とする。)のピーク面積をB、ジエチレングリコール中のエーテル基の隣の炭素原子に結合しているメチレン基を構成する水素原子(1分子あたり4個とする。)のピーク面積をCとし、脂環族多価アルコール由来の構造単位に対する、エチレングリコール由来の構造単位の含有量を、下記式(1)により算出した。
[A/4]/([A/4]+[B/4]+[C/4])×100…(1)
そして、得られたポリエステルにおいては、事前のH−NMRスペクトルの解析結果より評価した繰返し単位の化学構造と重量等から、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数と脂環族多価アルコール由来の構造単位の総モル数とが同じであるので、上記のように「ポリエステル鎖中に組み込まれた脂環族多価アルコール由来の構造単位の総モル数に対するエチレングリコール由来の構造単位のモル数の比率」を算出することにより、「ポリエステル鎖中に組み込まれた多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数に対するエチレングリコール由来の構造単位のモル数の比率」を算出し、これを「エチレングリコール(EG)由来の構造単位の含有量」とした。
同様にして、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位の含有量は、[B/4]/([A/4]+[B/4]+[C/4])×100を算出し、「シクロヘキサンジメタノール(CHDM)由来の構造単位の含有量」とした。残りのジオール成分であると考えられるジエチレングリコール由来の構造単位の含有量は、100モル%からエチレングリコール由来の構造単位の含有量と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位の含有量を差し引いて算出し、「ジエチレングリコール(DEG)由来の構造単位の含有量」とした。
同様にして、得られたH−NMRスペクトルから、芳香族環に結合している水素原子に由来するピークに着目して、多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数に対する、各多価カルボン酸成分由来の構造単位の含有量を算出した。
[参考例1]
<重合触媒Aの調整>
エチレングリコール2.5質量部に無水トリメリット酸0.8質量部を溶解した後、チタンテトラブトキシド0.7質量部(無水トリメリット酸1モルに対して0.5モル)を滴下し、常圧下80℃に保持して60分間反応および熟成させた。その後、常温に冷却し、アセトン15質量部を加え、析出物をNo.5ろ紙で濾過し、100℃で2時間乾燥させた。それにより、トリメリット酸チタン化合物を得た。得られたトリメリット酸チタン化合物(重合触媒)のチタン含有量は11.5質量%であった。このようにして得られた化合物を以後チタン触媒Aと記す。
[実施例1]
多価カルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチルエステル(DMT)を71.5質量部(全多価カルボン酸成分中100モル%)、ジオールとしてエチレングリコールを2.6質量部(全多価カルボン酸成分対比15モル%)、Trans/Cis比率が68/32の1,4−シクロヘキサンジメタノールを71.5質量部(全多価カルボン酸成分対比135モル%)加え(ジオール成分の総モル数が全多価カルボン酸成分に対し150モル%となるように添加した)、エステル交換反応触媒として参考例1で調製したチタン触媒Aをエステル交換反応触媒として用い、それを多価カルボン酸成分(DMT)のモル数に対して総量として34ミリモル%、すなわちポリエステル中の残存チタン元素量が表2に記載の量となるように加えた。得られた混合物を、180℃から260℃まで1時間かけて昇温し、更に260℃で2時間保持して常圧下でエステル交換反応を行った。
エステル交換反応終了後、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチルを多価カルボン酸成分のモル数に対して総量として17ミリモル%、すなわちポリエステル中の残存リン元素量が表2に記載の量となるように加えた。反応温度が270℃に到達した時点で反応生成物を重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は、以下の手順で行った。まず、常圧から0.4kPa(3Torr)まで60分かけて減圧し、同時に反応温度を295℃まで昇温した。それ以降は、上記の重合温度(295℃)を維持しながら0.133kPa(1Torr)まで更に真空度を上げて、上記の重合温度(295℃)、0.133kPa(1Torr)の状態を維持して重縮合反応を行った。所定の値まで撹拌トルクが到達した時点で重縮合反応を終了してポリエステルを20分以内に反応槽から抜き出して、残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、得られたポリエステルにおける、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例2]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例3]
テレフタル酸ジメチルエステルおよびイソフタル酸ジメチルエステルの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分あたり98モル%および2モル%に変更した以外は実施例2と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位98モル%、イソフタル酸由来の構造単位2モル%であった。
[実施例4]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比10モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比140モル%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例5]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は実施例4と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例6]
テレフタル酸ジメチルエステルおよびイソフタル酸ジメチルエステルの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分あたり98モル%および2モル%に変更した以外は実施例5と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位98モル%、イソフタル酸由来の構造単位2モル%であった。
[実施例7]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比5モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比145モル%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例8]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は実施例7と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例9]
テレフタル酸ジメチルエステルおよびイソフタル酸ジメチルエステルの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分あたり98モル%および2モル%に変更した以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位98モル%、イソフタル酸由来の構造単位2モル%であった。
[実施例10]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比20モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比130モル%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例11]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は実施例10と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例12]
テレフタル酸ジメチルエステルおよびイソフタル酸ジメチルエステルの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分あたり98モル%および2モル%に変更した以外は実施例11と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位98モル%、イソフタル酸由来の構造単位2モル%であった。
[実施例13]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比30モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比120モル%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[実施例14]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は実施例13と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例1]
エステル交換反応触媒に酢酸マンガン四水和物を、重合触媒に三酸化アンチモンを全多価カルボン酸成分のモル数に対して総量としてそれぞれ34ミリモル%、30ミリモル%添加した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例2]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比10モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比140モル%に変更した以外は比較例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例3]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比5モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比145モル%に変更した以外は比較例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例4]
重合触媒に二酸化ゲルマニウム化合物を全多価カルボン酸成分のモル数に対して総量として60ミリモル%添加した以外は比較例1と同様にして実験操作を行った。しかし、十分な固有粘度値を有するポリエステルを得ることはできなかった。得られたサンプルの残存金属量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。
[比較例5]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比10モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比140モル%に変更した以外は比較例4と同様にして実験操作を行った。しかし、十分な固有粘度値を有するポリエステルを得ることはできなかった。得られたサンプルの残存金属量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。
[比較例6]
エチレングリコールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比5モル%に変更し、1,4−シクロヘキサンジメタノールの仕込みモル比率を全多価カルボン酸成分対比145モル%に変更した以外は比較例4と同様にして実験操作を行った。しかし、十分な固有粘度値を有するポリエステルを得ることはできなかった。得られたサンプルの残存金属量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。
[比較例7]
エチレングリコールは使用せず1,4−シクロヘキサンジメタノールのみを全多価カルボン酸成分対比150モル%用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例8]
1,4−シクロヘキサンジメタノールのTrans/Cis比率を73/27に変更した以外は比較例7と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
[比較例9]
多価カルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチルエステルを100質量部、2価ジオールとしてエチレングリコールを64質量部(全多価カルボン酸成分対比200モル%)、エステル交換反応触媒として参考例1で調製したチタン触媒Aをエステル交換反応触媒として用い、それを多価カルボン酸成分(DMT)のモル数に対して総量として34ミリモル%を加えた。得られた混合物を、180℃から220℃まで1時間かけて昇温し、更に220℃で20分間保持して常圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチルを多価カルボン酸成分のモル数に対して総量として17ミリモル%加えて反応させた。反応温度が245℃に到達した時点で反応生成物を重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.133kPa(1Torr)まで50分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度285まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.133kPa(1Torr)の状態を維持して重縮合反応を行った。所定の値まで撹拌トルクが到達した時点で重縮合反応を終了してポリエステルを20分以内に反応槽から抜き出して、残存金属量、重合反応速度、融点、色相、CHDM由来の構造単位の含有量、EG由来の構造単位の含有量等を算出し、その結果を表1〜3に示した。なお、多価カルボン酸由来の構造単位の含有量は、テレフタル酸由来の構造単位100モル%であった。
Figure 2017031329
Figure 2017031329
Figure 2017031329
特定の化学構造を有するチタン化合物と特定の化学構造を有するリン化合物とを組み合わせ、かつ1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとを組み合わせた実施例1〜14では、高い重合反応速度が得られ、固有粘度が高く、かつ色相Col−b値も低いポリエステルが得られることが示される。
これに対して、特定の化学構造を有するチタン化合物と特定の化学構造を有するリン化合物とを組み合わせなかった比較例1〜3は、実施例1、4および7よりも重合反応速度が低く、得られるポリエステルの固有粘度や色相b値も劣ることが示される。また、エチレングリコールを用いなかった比較例7および8は、実施例1および2よりも重合反応速度が低く、得られるポリエステルの固有粘度や色相Col−b値も劣ることが示される。1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いなかった比較例9は、得られるポリエステルの融点が低いことが示される。
本発明の製造方法によって得られるポリエステルは、重縮合反応中に併発する副反応(分解反応)が抑制され、重合反応速度を高めることができるため、重合度が高く、色相に優れたポリエステルを効率的に重合することが可能になる。さらに、反応時に使用する1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環骨格を有するジアルコールの仕込み量を最小化でき経済的にも優れた製造方法でポリエステルを提供できることから、例えばLEDの反射板材料として照明・ディスプレイ用途への展開が大いに期待されるので、産業上の意義は極めて大きい。

Claims (14)

  1. テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(以下、多価カルボン酸成分という。但し、多価カルボン酸成分全体のモル数を100モル%とする。)と、
    脂環骨格を有するジアルコールおよびエチレングリコールを含む脂環族多価アルコールとを重合触媒と熱安定剤の存在下で重縮合反応させてポリエステルを製造する方法であって、
    前記重合触媒が、下記式(I)で表される化合物と、下記式(II)で表される芳香族多価カルボン酸およびその無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物を含み、
    Figure 2017031329
    (上記式(I)中のR,R,RおよびRはアルキル基である。)
    Figure 2017031329
    (上記式(II)中のnは2〜4の整数である。)
    前記熱安定剤が、下記式(III)で表されるリン化合物を含み、
    Figure 2017031329
    [上記式(III)中、R,RおよびRは、同一または異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または−CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
    前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、前記ポリエステルに対して1〜200質量ppmであり、かつ
    前記ポリエステルにおける、前記リン化合物に由来するリン原子の含有量(P)と、前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量(Ti)の質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、ポリエステルの製造方法。
  2. 前記多価カルボン酸成分は、前記多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を含み、
    前記脂環族多価アルコールは、前記多価カルボン酸成分の総モル数100モル%に対して、95モル%以上の前記脂環骨格を有するジアルコールと、5〜35モル%の前記エチレングリコールとを含む、請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  3. 前記多価カルボン酸成分と前記脂環族多価アルコールとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、エステル化物を得る第1の工程と、
    前記重合触媒と前記熱安定剤の存在下で、前記エステル化物を重縮合反応させて、ポリエステルを得る第2の工程と、
    を含む、請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 前記重合触媒は、前記第1の工程で添加する、請求項3に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 前記熱安定剤は、前記第1の工程または第2の工程で添加する、請求項3または4に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  7. 前記ポリエステルは、
    前記多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、
    前記多価カルボン酸成分由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  8. 前記ポリエステルの、固有粘度が0.50〜1.00dL/gであり、かつ測色色差計による測定される色相Col−b値が5.0以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  9. テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、
    脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位およびエチレングリコール由来の構造単位を含む脂環族多価アルコール由来の構造単位とを含むポリエステルであって、
    一般式(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸およびその無水物よりなる群より選ばれた少なくとも1種の酸化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物と、
    Figure 2017031329
    (上記式(I)中のR,R,RおよびRはアルキル基である。)
    Figure 2017031329
    (上記式(II)中のnは2〜4の整数である。)
    一般式(III)で表されるリン化合物を含む、ポリエステル。
    Figure 2017031329
    [上記式(III)中、R,RおよびRは、同一または異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−または−CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
  10. 前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、前記ポリエステルに対して1〜200質量ppmであり、かつ
    前記ポリエステルにおける前記リン化合物に由来するリン原子の含有量(P)と前記チタン原子の含有量(Ti)との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、請求項9記載のポリエステル。
  11. 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、
    前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含む、請求項9または10に記載のポリエステル。
  12. 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項9または10に記載のポリエステル。
  13. 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、
    前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の総モル数100モル%に対して95モル%以上の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構造単位とを含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載のポリエステル。
  14. 固有粘度が0.5〜1.0dL/gであり、かつ測色色差計により測定された色相Col−b値が5.0以下である、請求項9〜13のいずれか1項に記載のポリエステル。
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