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JP2017019716A - 焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結体をカプセル容器ごと切断しても、焼結体に欠けや亀裂が発生するのを抑制することができ、カプセル容器から容易に取り出すことができる焼結体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る焼結体の製造方法は、金属カプセル容器に原料を充填し密封して加圧焼結処理を行った後、金属カプセル容器ごと切断して切断物を得る工程と;切断物の外殻を剥離して焼結体を得る工程とを含み、前記切断物を得る工程において、前記金属カプセル容器と前記焼結体との間に、離型剤が介在している。本発明に係る焼結体の製造方法において、好ましくは加圧焼結処理が熱間等方加圧処理であり、切断がマルチワイヤーソーを用いて行われる。【選択図】なし

Description

本発明は、焼結体の製造方法に関する。
従来、液晶表示装置、薄膜エレクトロルミネッセンス表示装置、有機EL表示装置などにおいて、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のチャネル層に用いられる半導体膜としては、主にアモルファスシリコン膜が使用されている。近年、金属複合酸化物からなる酸化物半導体膜は、アモルファスシリコン膜よりもキャリア移動度が高いという利点を有しており、注目を集めている。
このような酸化物半導体膜の原料となる酸化物焼結体(例えば、スパッタリングターゲット用などの酸化物焼結体)は、例えば、カプセル熱間等方加圧焼結処理(カプセルHIP処理)によって得られる(例えば特許文献1)。カプセルHIP処理は、原料が真空封止されたカプセル容器内に閉じ込められているため、原料の揮散が抑制される。その結果、得られる酸化物焼結体と原料との間で組成がほとんど変わらず、相対密度および相対密度に関連する物性(単相化率、電気導電性、機械的強度、熱伝導率など)に優れた酸化物焼結体を得ることができる。
カプセルHIP処理後、通常、カプセルの除去を行った後、セラミックス焼結体を取り出す。しかし、カプセル容器と焼結体とが固着してしまい、焼結体をカプセル容器から取り出すのが困難であり、多大なる労力とコストが必要である。また、無理に取り出そうとすると、焼結体に亀裂が生じたり、欠けが生じたりしやすくなる。このような現象は、セラミックの焼結体と金属製のカプセル容器との組合せにおいて顕著である。このように亀裂が生じた焼結体を、スライスするのは困難であり、切断中に亀裂部分が広がり、焼結体が割れてしまうこともある。
特開2003−267790号公報
本発明の課題は、焼結体をカプセル容器ごと切断しても、焼結体に欠けや亀裂が発生するのを抑制することができ、カプセル容器から容易に取り出すことができる焼結体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)金属カプセル容器に原料を充填し密封して加圧焼結処理を行った後、金属カプセル容器ごと切断して切断物を得る工程と;切断物の外殻を剥離して焼結体を得る工程とを含み、切断物を得る工程において、金属カプセル容器と前記焼結体との間に、離型剤が介在している焼結体の製造方法。
(2)切断がマルチワイヤーソーを用いて行われる上記(1)に記載の製造方法。
(3)加圧焼結処理が熱間等方加圧処理である上記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)マルチワイヤーソーのワイヤー走行速度が200〜1000m/分である上記(2)または(3)に記載の製造方法。
(5)金属カプセルが、0.1〜0.35mm/分の速度で前記マルチワイヤーソーに押し付けられる上記(2)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)金属カプセル容器が0.8〜6mmの壁厚を有する(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)焼結体がセラミックスである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)焼結体がスパッタリングターゲットの材料である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、焼結体をカプセル容器ごと切断しても、焼結体に欠けや亀裂が発生するのを抑制することができ、カプセル容器から容易に取り出すことができる焼結体の製造方法が提供される。本発明は、特に大型の平板形状セラミックス焼結体を、同時に複数枚製造する上で好適である。このようにして得られた焼結体は、例えば、スパッタリングターゲットの材料などとして好適に使用される。
図1(A)〜(D)は、原料が充填された金属カプセル容器を加圧焼結処理に供し、処理後、金属カプセル容器ごと切断して焼結体を取り出すまでを示す説明図である。 マルチワイヤーソーの一例を示す説明図である。
本発明に係る焼結体の製造方法は、下記の切断工程と剥離工程とを含む。以下、図1(A)〜(D)を参照して、本発明に係る焼結体の製造方法を説明する。図1(A)〜(D)は、原料が充填され密封された金属カプセル容器を加圧焼結処理に供し、処理後、金属カプセル容器ごと切断して焼結体を取り出すまでを示す説明図である。
切断工程:金属カプセル容器に原料を充填し密封して加圧焼結処理を行った後、金属カプセル容器ごと切断して切断物を得る工程。
剥離工程:切断物の外殻を剥離して焼結体を得る工程。
(切断工程)
加圧焼結処理に供される原料は特に限定されないが、加圧焼結処理に供される原料がセラミックス材料(酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ガラスなど)であると、本発明の効果が発揮されやすい。加圧焼結処理後、例えば、In−Ga−Zn系複合酸化物(IGZO)焼結体、チタンドープ酸化亜鉛(TZO)焼結体、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)焼結体、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)焼結体、スズドープ酸化インジウム(ITO)焼結体、酸化インジウム−酸化亜鉛焼結体(IZO)、酸化亜鉛−酸化錫焼結体(ZTO)、酸化錫−酸化ガリウム焼結体(GTO)、酸化インジウム−酸化ガリウム焼結体(IGO)、酸化亜鉛−酸化ガリウム焼結体、アルミナ焼結体、ジルコニア焼結体、酸化チタン焼結体、酸化ニオブ焼結体、酸化タンタル焼結体、酸化ハフニウム焼結体、酸化タングステン焼結体、酸化クロム焼結体、酸化バナジウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、炭化ケイ素焼結体、酸化チタン焼結体、炭化チタン焼結体、窒化ケイ素焼結体、窒化チタン焼結体、窒化タンタル焼結体、窒化ニオブ焼結体、窒化バナジウム焼結体、窒化ジルコニウム焼結体、窒化ハフニウム焼結体、炭化タンタル焼結体、窒化ハフニウム焼結体、炭化ハフニウム焼結体、炭化ニオブ焼結体、炭化モリブデン焼結体、炭化クロム焼結体、炭化チタン焼結体、ホウ化チタン焼結体、ホウ化ジルコニウム焼結体、ホウ化タンタル焼結体、ホウ化クロム焼結体、ホウ化モリブデン焼結体、ホウ化タングステン焼結体、ホウ化ランタン焼結体、ホウ化ハフニウム焼結体、チタン酸鉛(PT)焼結体、ジルコン酸鉛(PZ)焼結体、チタン酸・ジルコン酸鉛(PZT)焼結体、ジルコン酸・チタン酸鉛ランタン(PLZT)焼結体、石英ガラス、低熱膨張ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラスなどが得られる原料が挙げられる。焼結体を金属カプセル容器ごと切断すると、加圧焼結処理により金属カプセル容器内に蓄積していた応力が、一気に開放される。金属カプセル容器や焼結体に向かって開放されるため、焼結体に欠けや亀裂が生じやすい。焼結体が、脆性が高いセラミックス材料(特に、酸化物セラミックス、ガラス材など)の場合、切断時の応力開放が原因による欠けや亀裂の発生が顕著である。したがって、セラミックス材料を製造する際に、本発明の製造方法を採用すると、本発明の効果が顕著に発揮される。
加圧焼結処理としては、通常、カプセル熱間等方加圧処理(カプセルHIP処理)が挙げられる。加圧焼結処理について、カプセルHIP処理を例に挙げて説明する。カプセルHIP処理は、原料が真空封止されたカプセル容器内に閉じ込められている。すなわち、閉鎖空間内に原料が充填されて処理が行われるため、ホットプレスのような加圧焼結と異なり、原料の揮散が抑制される。その結果、得られる焼結体と原料との間で組成がほとんど変わらず、相対密度の高い焼結体を得ることができる。焼結体の相対密度を高めると、その化合物に応じた物性(単相化率、電気導電性、機械的強度、熱伝導率など)を高めることができる点でも、カプセルHIP処理は、加圧焼結処理として好ましい。
図1(A)に示すように、カプセルHIP処理に用いられる金属カプセル容器1は、原料を十分に真空封止ができ、カプセルHIP処理の焼結温度にて充分変形するが破裂するおそれがない材料で形成されている。このような材料としては、例えば、鉄、軟鋼、ステンレス、チタン、アルミニウム、タンタル、ニオブ、銅、ニッケルなどが挙げられる。比較的低温(約1000℃以下)でカプセルHIP処理が行われる場合、通常、銅、ニッケルまたはアルミニウム製のカプセル容器が使用される。1000〜1350℃程度で処理が行われる場合、通常、鉄またはステンレス製のカプセル容器が使用される。比較的高温(約1350℃以上)で処理が行われる場合、通常、タンタルまたはニオブ製のカプセル容器が使用される。処理温度にもよるが、アルミニウム、鉄またはステンレス製のカプセル容器が、コスト面で好ましい。
金属カプセル容器1の寸法は特に限定されず、所望の焼結体の寸法に応じて適宜設定され、金属カプセル容器1の形状は、カプセルHIP処理の際に等方的に加圧されやすい形状であればよい。このような形状としては、例えば図1(A)に示すように円柱状であってもよく、四角柱状(直方体状および立方体状)などであってもよい。切断前の焼結体は、好ましくは200〜1000mm程度の直径(四角柱状の場合は対角線)を有し、好ましくは200〜500mm程度の高さを有している。金属カプセル容器1は焼結反応が進むにつれて収縮するため(図1(B)の金属カプセル容器1')、金属カプセル容器1内部の寸法は、所望の焼結体の寸法の1.1〜1.4倍程度であればよい。
金属カプセル容器1の壁厚は、特に限定されない。例えば、金属カプセル容器1が容易に軟化して変形することができ、焼結反応が進行するにつれて、焼結体に追随して収縮しやすい点で、0.8〜6mm程度が好ましく、1.5〜5mm程度がより好ましい。さらに、壁厚がこのような厚みであれば、後述の剥離工程において焼結体をより容易に取り出すことができる。
このような金属カプセル容器1に、原料が40%以上の充填率となるように充填されるのが好ましい。この場合、カプセルHIP処理における金属カプセル容器1の収縮率を60%以下とすることができ、金属カプセル容器1が破壊されずに焼結反応が進行し、原料が揮発するのを抑制することができる。その結果、得られる焼結体と原料との間で組成がほとんど変わらず、相対密度の高い焼結体を得ることができる。金属カプセル容器1への原料の充填率は、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上である。金属カプセル容器1の収縮率は下記の式で算出される。
収縮率(%)=[1−(処理後の容器の内容積/処理前の容器の内容積)]×100
原料を粉末状態で充填する場合、充填率は下記の式で算出される。
充填率(%)=(原料粉末のタップ密度/焼結体の理論密度)×100
一方、原料粉末を、例えば一軸プレスやCIP(冷間静水等方圧プレス)などにより加圧成型して成型体として用いてもよい。この場合の充填率は、下記の式で算出される。なお、成型体の充填密度は「成型体の質量/カプセル容器の内容積」で算出される。
充填率(%)=(成型体の充填密度/焼結体の理論密度)×100
原料を金属カプセル容器1内に充填した後、通常、カプセル容器を加熱(100〜600℃程度)し、例えば加圧成型の際に用いたバインダーなどを除去する。その後カプセル容器を封止してカプセルHIP処理が行われる。加熱しながら、金属カプセル容器1内の圧力が1.33×10-2Pa以下となるまで減圧し、減圧後、金属カプセル容器1を封止してカプセルHIP処理を行ってもよい。
原料を金属カプセル容器1内に充填した後、通常、カプセル容器を加熱(100〜600℃程度)し、例えば加圧成型の際に用いたバインダーなどを除去する。その後カプセル容器を封止してカプセルHIP処理が行われる。加熱しながら、金属カプセル容器1内の圧力が1.33×10-2Pa以下となるまで減圧し、減圧後、金属カプセル容器1を封止してカプセルHIP処理を行ってもよい。
次いで、封止された金属カプセル容器1をHIP装置内に配置し、高温高圧のガスを圧力媒体として用い、金属カプセル容器1自体に圧力Pを加えて、金属カプセル容器1内における焼結反応を進行させる。圧力媒体として用いられるガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガスが挙げられる。カプセル容器に加えられる圧力は50MPa以上が好ましく、処理時間は1時間以上が好ましい。処理温度は、通常、1000〜1400℃であり、好ましくは1100〜1300℃である。
さらに、カプセル容器に原料を充填する際に、金属カプセル容器1と原料との間に離型剤を介在させる。その後、カプセルHIP処理を行うことにより、金属カプセル容器1と焼結体との間に離型剤を介在させることができる。離型剤が、金属カプセル容器1と焼結体との間に介在することによって、切断工程において焼結体に掛かる応力を緩和し、欠けや亀裂の発生を抑制することができ、後述の剥離工程において焼結体から金属カプセル容器を剥離する際に、剥離しやすくなる。離型剤は、カプセルHIP処理温度(通常、900〜1400℃程度)および圧力(50〜300MPa)条件下において焼結せず、ガスも発生せず、金属カプセル容器1および被焼結材料と反応しないものであれば、特に限定されない。
このような離型剤としては、一般に難焼結性セラミックスと称される材料が挙げられる。但し、金属炭化物および金属ホウ化物は、原料および焼結体と反応するおそれがあるため、難焼結性セラミックスの中でも、金属窒化物および金属酸化物が好ましい。金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化マグネシウム、あるいはこれらの金属酸化物の複合体などが挙げられる。
本実施形態に使用される離型剤は、例えば、粉末またはボール状の形態を有している。離型剤が粉末またはボール状であると、離型剤の間に空間を形成しやすく、カプセル容器ごと焼結体を切断する際に生じる圧縮応力を緩衝し、欠けや亀裂の発生を抑制しやすい。離型剤が粉末の形態の場合、中空粒子、多孔質粒子でも好適に用いることが出来る。離型剤の平均粒子径は、特に限定されないが、離型剤をより焼結しにくくするために、比表面積が小さい粒子が好ましい。
例えば、比表面積を小さくするため離型剤の平均粒子径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、好ましくは100μm以下である。また離型剤の平均粒子径が10μm未満である場合は、造粒処理をして凝集粒子とし、平均粒子径を大きく(比表面積を小さく)してもよい。離型剤がこのような平均粒子径であると、焼結処理中において低密度の状態を維持しやすいため、切断時の圧縮応力を干渉しやすく、欠けや亀裂の発生を抑制しやすい。
原料とカプセル容器との間に介在させる離型剤の厚みは、カプセル容器の大きさ(所望の焼結体の大きさ)などに応じて適宜設定され、好ましくは1〜10mm程度である。
図1(B)に示すように、カプセルHIP処理の後の金属カプセル容器1'は処理前の金属カプセル1と比べて収縮している。カプセルHIP処理後、通常は冷却して、金属カプセル容器1'ごと切断する(図1(C))。切断手段としては、例えば、ワイヤーソー、薄きり盤、内周スライサー、バンドソー、マルチブレードソー、ダイアソーなどが挙げられる。切断面が滑らか(高精度)になる点で、ワイヤーソーが好ましい。以下、ワイヤーソーについて説明する。
ワイヤーソーとは、ピアノ線などのワイヤーを少なくとも2個のローラーに巻き掛けて走行させ、被削物(ワーク材)をワイヤーに押し付けて、ワイヤーでワーク材を削るようにして切断する装置である。ワイヤーソーには、「固定砥粒方式」および「遊離砥粒方式」の2種の切断方式が存在する。「固定砥粒方式」とは、砥粒(例えば、ダイヤモンド、SiCなど)を予め付着させたワイヤーを用いて、ワーク材を切断する方式である。一方、「遊離砥粒方式」とは、走行しているワイヤーに砥粒を含むスラリーを塗布しながら、ワーク材を切断する方式である。現在では、「遊離砥粒方式」が主流であるが、本発明の
製造方法では、いずれの方式を採用してもよい。
砥粒としては、上記のように天然ダイヤモンド、人造ダイヤモンド、SiC、窒化ホウ素、炭化ホウ素、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、形状が安定し硬度が高い人造ダイヤモンドが好ましく、ワイヤーが高速で走行し高温となる環境では、高温で安定な窒化ホウ素や炭化ケイ素が好ましい。砥粒の平均粒子径は特に限定されないが、通常10〜30μm程度である。「遊離砥粒方式」の場合、砥粒を含むスラリーを使用するが、砥粒を分散させる液体としては、クーラントとして作用する液体(切削剤)が好ましい。このような切削剤としては、例えば、油性切削油、水溶性切削油、水などが挙げられる。
ワイヤーの材質は、通常、ステンレス、炭素鋼などである。ワイヤーの直径は、好ましくは50〜300μm程度であり、ワーク材(本発明では、カプセルHIP処理後の焼結体を含むカプセル容器)の大きさや切断する厚みに応じて適宜設定される。
ワイヤーソーとしては、好ましくはマルチワイヤーソーが使用される。マルチワイヤーソーは、ワイヤーがローラーに所定の間隔で2周以上巻き掛けされており、一度の切断作業で、ワーク材を複数切り分けることができる。このようにマルチワイヤーソーは、一度の切断作業で複数切り分けるため、切断時における焼結体に掛かる応力を複数に分散し、他切断方法よりも焼結体への負担を軽減することができる。その結果、欠けや亀裂の発生をより抑制することが可能である。
以下、マルチワイヤーソーを用い、遊離砥粒方式を採用した切断方法を説明する。所定間隔で、ワイヤーがローラーに30〜50周巻き掛けられたマルチワイヤーソーを準備する。ローラーは通常2〜4個使用される。ワイヤーが走行中にずれないように、通常、ローラーには所定間隔で溝が形成されており、ワイヤーがその溝に嵌められている。ワイヤー間の幅(溝のピッチ)が、切断されたワーク材の厚みとなる。溝のピッチは、通常0.5〜10mm程度である。ローラーに巻き掛けられたワイヤーの張力が大きすぎると、ワイヤーが強くワーク材に押付けられ、ワイヤーが偏芯し、ローラーが偏磨耗するため加工精度が低下することがある。ワイヤーの張力が小さすぎると、大きくたわみ、装置への接触やワイヤーの断裂することがある。そのため、ローラーやワイヤーにかかる負荷とワーク材にかかる負荷とを考慮すると、60〜80Nが好ましい。また、切断を安定して継続させるためには、ワイヤーのたわみ量は20mm以下であることが好ましい。
ワイヤーの走行速度は特に限定されず、通常200〜1000m/分程度である。ワイヤーは、砥粒を含むスラリーが塗布されながら走行する。砥粒を含むスラリーは、切削剤1Lに対して砥粒が通常1〜1.5kgの割合で分散されている。砥粒を含むスラリーは、マルチワイヤーソーの運転中、ワイヤーに常に噴霧され、ワイヤーに塗布されない大部分のスラリーは回収され再度噴霧される。運転中、スラリーはこのように循環しており、
その循環量は1分間に10〜100L程度である。
ワイヤーは一方向に移動するものがあるが、ワイヤーは、好ましくは往復運動している。例えば、800〜1200mm進んで、750〜1150mm戻るような往復運動である。往復運動させることによって、ワイヤーに塗布された砥粒がワーク材を削り、最終的に切断される。ワーク材は、ワイヤーに0.1〜0.5mm/分程度、好ましくは0.1〜0.35mm/分程度の速度で押し付けられる。このような速度で押し付けることによって、0.1〜0.5mm/分程度、好ましくは0.1〜0.35mm/分程度の速度でワーク材が削られる。
図2にマルチワイヤーソーの一例を示す。図2に示すマルチワイヤーソーは、4つのローラー4とワイヤー5とを備える。ワイヤー5は1本のワイヤーであり、4つのローラー4に巻き掛けられている。ワイヤー5は矢印Xのように往復運動する。ワイヤー5を往復運動させながら、被削物(ワーク材)6を、矢印Y方向に動かしてワイヤー5と接触させる。ワイヤー5とワーク材6とが接触する部分には、図示していないが、運転中、砥粒を含むスラリーが塗布されている。ワイヤー5の往復運動によって、砥粒がワーク材6を削るようにして切断する。
このように、加圧焼結処理後の金属カプセル容器1'を、所望の厚みおよび枚数に切断することによって切断物2が得られる。切断する厚みおよび枚数は、金属カプセル容器1の大きさ、得られる焼結体の用途などを考慮して適宜設定されるが、通常はプレート状に切断される。
(剥離工程)
剥離工程では、得られた切断物2の外殻1'aを剥離して焼結体3を得る。剥離方法は特に限定されない。例えば、外殻1'a(金属カプセル容器1'の一部)に切れ目を入れて裂けば、焼結体3と外殻1'aとを分離することができる。切断物は、金属カプセル容器の上面および底面の切断物2'とそれ以外の切断物2とに分けられ、通常、切断物2から得られる焼結体3が後述のスパッタリングターゲットなどとして使用される。
切断した後に焼結体3を取り出す場合、切断前に取り出す場合ほど強い力を負荷する必要がない。したがって、焼結体3を容易に取り出すことができ、亀裂や欠けの発生も抑制される。
このようにして得られた焼結体3は、亀裂や欠けが抑制されており、切断面も滑らか(高精度)で凹凸が少ない。この焼結体3は、例えば、スパッタリングターゲットとして好適に使用される。焼結体3を加工して、スパッタリングターゲットを製造する方法は特に限定されず、公知の方法が採用される。例えば、焼結体3を所望の形状および寸法に加工し、外周面および上下面を研削することによってスパッタリングターゲットが得られる。スパッタリングターゲットの表面粗さ(Ra)は、5μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
通常、スパッタリングターゲットは、さらに、銅やチタンなどからなるバッキングプレートやバッキングチューブに、インジウム系合金などをボンディングメタルとして、貼り合わせた形態で用いられる。
スパッタリングターゲットは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられる。このようにして得られたスパッタリングターゲットは、成膜時の異常放電が発生しにくく、安定的に成膜することができる。なお、このような成膜の際に用いる固形材料のことを「タブレット」と称する場合もあるが、本明細書においてはこれらを含め「スパッタリングターゲット」と称することとする。
スパッタリング方式としては、DCスパッタ法、ACスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、エレクトロンビーム蒸着法およびイオンプレーティング法が挙げられ、好ましくはDCスパッタ法である。DCスパッタ法の場合、スパッタリング時のチャンバー内の圧力は、通常0.1〜2.0MPaであり、好ましくは0.3〜0.8MPaである。DCスパッタ法の場合、スパッタ時におけるターゲット面の単位面積当たりの投入電力は、通常0.5〜6.0W/cm2であり、好ましくは1.0〜5.0W/cm2である。スパッタ時のキャリアーガスとしては、酸素、ヘリウム、アルゴン、キセノンおよびクリプトンが挙げられ、好ましくはアルゴンと酸素の混合ガスである。アルゴンと酸素の混合ガス中のアルゴン:酸素の比(Ar:O2)は、通常99.5:0.5〜80:20、好ましくは99.5:0.5〜90:10である。基板としては、ガラス、樹脂(PET、PESなど)などが挙げられる。スパッタ時の成膜温度(薄膜を形成する基板の温度)は、通常25〜450℃、好ましくは30〜250℃、より好ましくは35〜150℃である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
酸化インジウム粉末(稀産金属(株)製、タップ密度:1.62g/cm3、平均粒子径:0.56μm)、酸化ガリウム粉末(ヤマナカヒューテック(株)製、タップ密度が1.39g/cm3、平均粒子径:約1.5μm)、および酸化亜鉛粉末(ハクスイテック(株)製、タップ密度:1.02g/cm3、平均粒子径:約1.5μm)を、インジウム元素とガリウム元素と亜鉛元素との原子数比(In:Ga:Zn)が1:1:1となるように秤量した。次いで、スーパーミキサーにて3000rpmで1時間、乾式混合を行い、混合粉末を得た。
得られた混合粉末を電気炉((株)キタハマ製作所製)に入れ、大気雰囲気中で、昇温速度10℃/分で、室温から1400℃まで昇温した後、1400℃で12時間仮焼を行った。得られた粉末を乳鉢で軽く粉砕し、仮焼後の混合粉末を得た。
次いで、円柱形状を有するステンレス(SUS304)製のカプセル容器(外径406.4mm、内径397.4mm、容器内部の高さ300mm、壁厚4.5mm)に、高さが10mmとなるまで離型剤を押し詰めて入れた。離型剤として、アルミナ粉末(A−21、住友化学(株)製)を用いた。その後、カプセル容器に、厚さ0.1mmのステンレス箔製の円筒を立てて、カプセル容器の内壁と円筒の外壁との間(幅10mm)に、離型剤を押し詰めて入れた。次いで、得られた仮焼後の混合粉末を、円筒内に混合粉末の体積変化がなくなるまで振動を付与しながら、カプセル容器の上面から深さ10mmの高さまで充填した。仮焼後の混合粉末のタップ密度は4.32g/cm3であり、理論密度が6.379g/cm3であることから、充填率は67.7%であった。なお、In:Ga:Znが1:1:1であるInGaZnO4の理論密度は、JCPDSカード(JCPDSカード番号:381104)に記載されており、その理論密度(6.379g/cm3)を採用した。その後、充填した混合粉末の上に、高さが10mmとなるように離型剤を押し詰めて、円筒を除去した。
仮焼後の混合粉末を充填したカプセルの上蓋に排気管を溶接し、さらに上蓋とカプセル容器とを溶接した。カプセル容器の溶接部からのガス漏れの有無を確認するため、Heリーク検査を行った。漏れ量は1×10-6Torr・L/秒以下であった。550℃で7時間、カプセル容器内のガスを排気管から除去した後、排気管を閉じてカプセル容器を封止した。次いで、封止したカプセル容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に設置して、カプセルHIP処理を行った。処理は、アルゴンガス(純度99.9%)を圧力媒体として118MPa加圧条件下、1100℃で4時間行った。
処理後、室温まで冷却し、図2に示すようなマルチワイヤーソーを用いてカプセル容器ごと37枚に切断した。マルチワイヤーソーの運転条件は下記のとおりである。
ワイヤーの直径:0.15mm
ワイヤーの走行速度:1000m/分
ワイヤーの往復運動:1000mm進んで700mm戻る往復運動
ワイヤーの張力:75N
ワイヤー間の幅(溝のピッチ):6.6mm
ローラーの数:4個
砥粒:SiC(ナニワ研磨工業(株)製の#500(平均粒子径11.5μm))
切削剤:水溶性切削油(パレス化学(株)製のGL−106)
切削剤と砥粒との混合割合:切削剤1Lに対して砥粒1.5kg
砥粒を含むスラリーの循環量:1分間に100L
ワーク材の押し付け速度:0.1mm/分
切削速度:0.1mm/分
切断後、得られた37枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができた。焼結体には、僅かに欠けや亀裂が確認されたものの、問題のない程度であった。
(実施例2)
四角柱形状を有するステンレス(SUS304)製のカプセル容器(外観:縦295mm×横295mm×高さ308mm、内部:縦290mm×横290mm×高さ300mm、容器側壁厚2.5mm、容器上底部厚4mm)を用いた以外は、実施例1と同様の手順でカプセルHIP処理を行った。なお、ステンレス箔製の角筒を用い、実施例1と同様にして、カプセル容器の内部に、10mmの厚みとなるように離型剤を充填した。カプセルHIP処理後、実施例1と同様の手順でカプセル容器ごと37枚に切断した。切断後、得られた37枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができた。焼結体には、僅かに欠けや亀裂が確認されたものの、問題のない程度であった。
(実施例3)
金属インジウム((株)高純度化学研究所製、平均粒子径:45μm)、金属ガリウム((株)高純度化学研究所製、平均粒子径100μm)および金属亜鉛((株)高純度化学研究所製、平均粒子径7μm)を、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1となるように秤量した。秤量した金属を硝酸(濃度:70質量%)に投入し、金属粉末が存在しなくなるまで十分に溶解させた。なお、これらの金属の硝酸塩を十分に形成させるため、硝酸はこれらの金属に対して当量以上(過剰に)用いた。金属粉末を十分に溶解させた後、加熱濃縮によって硝酸塩を主成分とする結晶を析出させた。得られた結晶を粗粉砕して約300℃で加熱して、生成物粉末を得た。その後、フードミルを用いて微粉砕を行った。得られた非晶質複合金属酸化物粉末の平均粒子径は約39μmであり、BET比表面積は32.9m2/gであり、タップ密度は2.03g/cm3(相対密度:31.8%)であった。相対密度は下記の式を用いて算出した。
相対密度(%)=(粉末のタップ密度/複合金属酸化物の理論密度)×100
得られた非晶質複合金属酸化物粉末を1200℃で12時間焼成して、複合金属酸化物粉末(InGaZnO4)を得た。得られた複合金属酸化物粉末のタップ密度は2.78g/cm3(相対密度:43.6%)であった。なお、InGaZnO4の理論密度は、JCPDSカード(JCPDSカード番号:381104)に記載されており、その理論密度(6.379g/cm3)を採用した。
次いで、得られた複合金属酸化物粉末を用いた以外は、実施例1と同様の手順でカプセルHIP処理を行い、カプセル容器ごと31枚に切断した。切断後、得られた31枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができた。焼結体には、僅かに欠けや亀裂が確認されたものの、問題の無い程度であった。
(実施例4)
酸化亜鉛粉末(ハクスイテック(株)製、タップ密度が1.39g/cm3、平均粒子径:約1.5μm)、炭化チタン粉末(TiC:日本新金属(株)製、純度99.9%、粒子径0.9〜1.5μm)を、亜鉛元素とチタン元素との原子数比がZn:Ti=96.5:3.5となるように秤量した。次いで、スーパーミキサーにて3000rpmで1分間、乾式混合を行い、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、不活性雰囲気(アルゴン雰囲気)中において昇温速度10℃/分で室温から1200℃まで昇温した後、1200℃で10時間仮焼を行った。得られた粉末を乳鉢で軽く粉砕し、仮焼後の混合粉末を得た。
次いで、得られた仮焼後の混合粉末を用いた以外は、実施例1と同様の手順で、円柱形状を有するステンレス(SUS304)製のカプセル容器に離型剤と混合粉末とを充填した。得られた仮焼後の混合粉末のタップ密度は2.94g/cm3であり、理論密度が5.6g/cm3であることから、充填率は52.5%であった。その後、実施例1と同様の手順で、カプセルHIP処理を行った。
カプセルHIP処理後、実施例1と同様の方法で、カプセル容器ごと33枚に切断した。切断後、得られた33枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができ、取り出した焼結体には欠けや亀裂は確認されなかった。
(実施例5)
実施例4で得られた仮焼後の混合粉末を用いた以外は、実施例2と同様の手順でカプセルHIP処理を行い、カプセル容器ごと33枚に切断した。切断後、得られた33枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができ、取り出した焼結体には欠けや亀裂は確認されなかった。
(実施例6)
実施例4で得られた仮焼後の混合粉末を用いた以外は、実施例2と同様の手順でカプセルHIP処理を行い、カプセル容器をバンドソー((株)コイデ製、NT−250)を用いて1枚ずつ切断し、合計33枚に切断した。切断後、得られた33枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができた。焼結体には、僅かに欠けや亀裂が確認されたものの、問題のない程度であった。
(実施例7)
実施例4で得られた仮焼後の混合粉末を用いた以外は、実施例2と同様の手順でカプセルHIP処理を行い、カプセル容器をダイヤモンドカッター((株)マルトー製、Million cutter 2)を用いて1枚ずつ切断し、合計33枚に切断した。切断後、得られた33枚の切断物の外殻に切れ目を入れ、外殻を裂くようにして剥離し、プレート状の焼結体を得た。焼結体は容易に取り出すことができた。焼結体には、僅かに欠けや亀裂が確認されたものの、問題のない程度であった。
(実施例8)
アルミナ粉末(住友化学(株)AA−03、一次粒子サイズ:0.3μm)を一軸プレスおよびCIP(冷間静水等方圧プレス)を行い、充填率55.7%の粉末を準備した。次いで、円柱形状を有するステンレス(SUS304)製のカプセル容器(外径89.1mm、内径84.9mm、容器内部の高さ60mm、壁厚2.1mm)に、高さが5mmとなるまで離型剤を押し込めて入れた。離型剤として、アルミナ粉末(A−21、住友化学(株)製)を用いた。その後、カプセル容器に、厚さ0.1mmのステンレス箔製の円筒を立てて、カプセル容器の内壁と円筒の外壁との間(幅5mm)に、離型剤を押し詰めて入れた。次いで、上記の準備したアルミナ粉末を、円筒内に体積変化がなくなるまで振動を付与しながら、カプセル容器の上面から深さ5mmの高さまで充填した。アルミナ粉末のタップ密度は2.20g/cm3であり、理論密度が3.95g/cm3であることから、充填率は55.7%であった。その後、充填したアルミナ粉末の上に、高さが5mmとなるように離型剤を押し詰めて、円筒を除去した。
アルミナ粉末を充填したカプセルの上蓋に排気管を溶接し、さらに上蓋とカプセル容器とを溶接した。カプセル容器の溶接部からのガス漏れの有無を確認するため、Heリーク検査を行った。漏れ量は1×10-6Torr・L/秒以下であった。550℃で7時間、カプセル容器内のガスを排気管から除去した後、排気管を閉じてカプセル容器を封止した。次いで、封止したカプセル容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に設置して、カプセルHIP処理を行った。処理は、アルゴンガス(純度99.9%)を圧力媒体として118MPa加圧条件下、1100℃で4時間行い、アルミナ焼結体を作製した。
このようにして得られたアルミナ焼結体を、マルチワイヤーソーを用いて実施例1と同様の方法でカプセル容器ごと切断することにより、欠けや亀裂の発生を抑制しながら、アルミナ焼結体を同時に複数枚切断することができ、かつカプセル容器から容易に取り出すことができる。
(比較例1)
円柱形状を有するステンレス(SUS304)製のカプセル容器(外径89.1mm、内径84.9mm、容器内部の高さ60mm、壁厚2.1mm)に、実施例3で得られた複合金属酸化物粉末を、円筒内に混合粉末の体積変化がなくなるまで振動を付与しながら充填した。混合粉末を充填する際に、離型剤は用いなかった。複合金属酸化物粉末のタップ密度は2.78g/cm3であり、理論密度が6.379g/cm3であることから、充填率は43.6%であった。
複合金属酸化物粉末を充填したカプセルの上蓋に排気管を溶接し、さらに上蓋とカプセル容器とを溶接した。カプセル容器の溶接部からのガス漏れの有無を確認するため、Heリーク検査を行った。漏れ量は1×10-6Torr・L/秒以下であった。550℃で7時間、カプセル容器内のガスを排気管から除去した後、排気管を閉じてカプセル容器を封止した。次いで、封止したカプセル容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に設置して、カプセルHIP処理を行った。処理は、アルゴンガス(純度99.9%)を圧力媒体として118MPa加圧条件下、1100℃で4時間行った。
処理後、室温まで冷却し、実施例7で用いたダイヤモンドカッターでカプセル容器を切断した。カプセル容器内の焼結体は割れてしまい、プレート状の焼結体を取り出すことができなかった。
(比較例2)
実施例4で得られた混合粉末を用いた以外は、比較例1と同様の手順でカプセルHIP処理を行った。処理後、室温まで冷却し、比較例1と同様の手順でカプセル容器を切断した。カプセル容器内の焼結体は割れてしまい、プレート状の焼結体を取り出すことができなかった。
(比較例3)
実施例4で得られた混合粉末を用いた以外は、比較例1と同様の手順でカプセルHIP処理を行った。処理後、室温まで冷却し、実施例6で用いたバンドソーでカプセル容器を切断した。カプセル容器内の焼結体は割れてしまい、プレート状の焼結体を取り出すことができなかった。
実施例1〜7に示すように、カプセル容器と焼結体との間に離型剤が介在していると、欠けや亀裂の発生が抑制された焼結体を容易に取り出すことができる。特に、切断手段としてマルチワイヤーソーを用いることによって、焼結体を同時に複数枚切断することができ、かつカプセルの剥離も容易に行うことができる。したがって、効率よくプレート状の焼結体を作製することができる。
一方、比較例1〜3に示すように、カプセル容器と焼結体との間に離型剤が介在していない場合、カプセル容器を切断すると、カプセル容器内の焼結体が割れてしまう。そのため、プレート状の焼結体を取り出すことができない。
1 加圧焼結処理前の金属カプセル容器
1’ 加圧焼結処理後の金属カプセル容器
1’a 外殻
2 切断物
2’ 金属カプセル容器の上面および底面の切断物
3 焼結体
4 ローラー
5 ワイヤー
6 被削物(ワーク材)
P 圧力

Claims (8)

  1. 金属カプセル容器に原料を充填し密封して加圧焼結処理を行った後、金属カプセル容器ごと切断して切断物を得る工程と、切断物の外殻を剥離して焼結体を得る工程と、を含み、
    前記切断物を得る工程において、前記金属カプセル容器と前記焼結体との間に、離型剤が介在している焼結体の製造方法。
  2. 前記切断がマルチワイヤーソーを用いて行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加圧焼結処理が熱間等方加圧処理である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記マルチワイヤーソーのワイヤー走行速度が200〜1000m/分である請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記金属カプセルが、0.1〜0.35mm/分の速度で前記マルチワイヤーソーに押し付けられる請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記金属カプセル容器が0.8〜6mmの壁厚を有する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記焼結体がセラミックスである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記焼結体がスパッタリングターゲットの材料である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
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