JP2017011153A - 波長制御光学部材、発光装置及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐光性を維持しつつも蛍光色素の発光特性を向上させる波長制御光学部材、発光装置及び照明器具を提供する。【解決手段】波長制御光学部材(10)は、マトリックス樹脂(1)と、マトリックス樹脂の内部に分散する、有機蛍光色素(2)及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)とを備える。発光装置は、発光素子と、発光素子が発する光を波長変換する波長変換部材と、上述の波長制御光学部材とを備える。照明器具は、上述の発光装置を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、波長制御光学部材、発光装置及び照明器具に関する。詳細には本発明は、含有する有機蛍光色素の発光特性を向上させる波長制御光学部材、発光装置及び照明器具に関する。
従来、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの高明度化及び高コントラスト化のため、色素を溶解した樹脂組成物を用いることが提案されている。また、植物の収穫量および品質の向上のため、農業用ハウスに用いられる農業用フィルムに蛍光色素を混合することによって、紫外線を光合成に有用な光に変換する試みがなされている。しかし、色素は耐光性が悪いことが知られている。つまり、光エネルギーによって酸素が励起されて一重項酸素になり、この一重項酸素が色素を酸化・分解して退色するため、耐光性が不十分となる。
そのため、従来、熱可塑性樹脂と、蛍光色素などの波長変換材料と、特定のジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル(II)とを含む樹脂組成物からなる単層フィルムを備えた波長変換フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。そして、当該ジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル(II)は、一重項酸素をトラップして不活性化する一重項酸素クエンチャーであることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の波長変換フィルムにおいて、一重項酸素クエンチャーであるジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル(II)は、蛍光色素の励起波長領域に吸収ピークを有する。そのため、このような一重項酸素クエンチャーを使用した場合、蛍光色素の励起エネルギーが減少し、蛍光色素の発光特性に影響を与える恐れがあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、耐光性を維持しつつも蛍光色素の発光特性を向上させる波長制御光学部材、発光装置及び照明器具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る波長制御光学部材は、マトリックス樹脂を備える。さらに波長制御光学部材は、マトリックス樹脂の内部に分散する、有機蛍光色素及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を備える。
一重項酸素クエンチャーとしての[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、有機蛍光色素の励起エネルギーを吸収し難いため、有機蛍光色素の発光効率の低下を抑制することが可能となる。また、当該一重項酸素クエンチャーは、一重項酸素をトラップして不活性化するため、有機蛍光色素の耐光性を向上させることが可能となる。
以下、本実施形態に係る波長制御光学部材、発光装置及び照明器具について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態で引用する図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[波長制御光学部材]
本実施形態の波長制御光学部材10は、図1に示すように、マトリックス樹脂1と、マトリックス樹脂1の内部に分散する有機蛍光色素2とを備えている。さらに波長制御光学部材10は一重項酸素クエンチャーを含有し、当該一重項酸素クエンチャーは空気中の酸素が光のエネルギーにより活性化して生成した一重項酸素をトラップし、一重項酸素を不活性化する。このような波長制御光学部材10は、後述する発光素子及び蛍光体から出射された光の一部を吸収し、所望のピーク波長を有する光を発光する作用を有する。このような波長制御光学部材10を用いることにより、例えば、放射光が照射される紙面の白色度を高め、視認性を向上させることが可能となる。
本実施形態の波長制御光学部材10は、図1に示すように、マトリックス樹脂1と、マトリックス樹脂1の内部に分散する有機蛍光色素2とを備えている。さらに波長制御光学部材10は一重項酸素クエンチャーを含有し、当該一重項酸素クエンチャーは空気中の酸素が光のエネルギーにより活性化して生成した一重項酸素をトラップし、一重項酸素を不活性化する。このような波長制御光学部材10は、後述する発光素子及び蛍光体から出射された光の一部を吸収し、所望のピーク波長を有する光を発光する作用を有する。このような波長制御光学部材10を用いることにより、例えば、放射光が照射される紙面の白色度を高め、視認性を向上させることが可能となる。
そして、本実施形態の波長制御光学部材10では、一重項酸素クエンチャーとして、化学式1に示す[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を用いている。化学式1の一重項酸素クエンチャーは、有機蛍光色素の励起波長領域に主な吸収ピークを有さないため、有機蛍光色素の励起エネルギーの減少を抑制し、有機蛍光色素の発光特性を維持することが可能となる。
図2では、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、従来のカルバミン酸ニッケル、有機蛍光色素をそれぞれマトリックス樹脂に分散させた場合の透過スペクトルを示す。なお、カルバミン酸ニッケルとしては、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)を用いた。有機蛍光色素としては、図3に示すペリレン系蛍光色素である4,10−ジシアノ−3,9−ペリレンジカルボン酸ジイソブチルを用いた。また、マトリックス樹脂としてはアクリル系樹脂を用いた。なお、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)及びカルバミン酸ニッケルの濃度は10000ppmとした。
図2に示すように、カルバミン酸ニッケルは約300nm〜500nmで透過率が低下している。また、ペリレン系蛍光色素である4,10−ジシアノ−3,9−ペリレンジカルボン酸ジイソブチルは、図3に示すようにペリレン骨格を有しており、約370nm〜500nmで透過率が低下している。つまり、カルバミン酸ニッケル及び当該ペリレン系蛍光色素は、約370nm〜470nmの波長範囲で透過スペクトルが重複している。そのため、ペリレン系蛍光色素の励起エネルギーがカルバミン酸ニッケルにより吸収されてしまい、ペリレン系蛍光色素の発光効率が低下する恐れがあった。
これに対し、図2に示すように、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、ペリレン系蛍光色素の吸収領域である約370nm〜500nmで透過率の低下が生じていない。また、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、可視光領域で透過率の低下が殆ど生じていない。そのため、一重項酸素クエンチャーとして[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を用いたとしても、ペリレン系蛍光色素の励起エネルギーが吸収され難く、発光効率の低下を抑制することができる。また、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、一重項酸素をトラップして不活性化するため、有機蛍光色素の耐光性を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る有機蛍光色素2としては、有機化合物からなり、蛍光を発する色素を使用することができる。また、有機蛍光色素2としては、共役系π電子を有する有機化合物からなり、蛍光を発する色素を使用することがより好ましい。さらに有機蛍光色素2としては、400nm〜650nmの範囲内に最大吸収波長を有するものがより好ましい。有機蛍光色素2は、ペリレン系、クマリン系、ピリジン系、イミダゾール系、オキサジアゾール系、オキサジン系、DCJTB系、及びローダミン系からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
ペリレン系蛍光色素としては、例えばC.I. Solvent Green 5(緑色)、C.I. Solvent Orange 55(橙色)、C.I. Solvent Red 135, 179、C.I. Pigment Red 123, 149, 166, 178, 179, 190, 194, 224(赤色)、C.I. Pigment Violet 29(紫色)、及びC.I. Pigment Black 31, 32(黒色)などが挙げられる。
クマリン系蛍光色素としては、例えば3−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、3−チエノイル−7−メトキシクマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−7−メトキシクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)クマリン、3−シンナモイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−カルボキシ−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−カルボキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−10−(ベンゾチアゾイル)−11−オキソ−1H,5H,11H,−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン、3,3’−カルボニルビス(5,7−)ジメトキシ−3,3’−ビスクマリン、3−(2’−ベンズイミダゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベンズオキサゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(5’−フェニルチアジアゾイル−2’)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベンズチアゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−7−ジエチルアミノ)クマリンなどが挙げられる。
ピリジン系蛍光色素としては、例えば、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル〕ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)などが挙げられる。オキサジアゾール系蛍光色素としては、例えば、2−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。オキサジン系蛍光色素としては、例えば、3−nitrophenoxazine、3,7−dinitrophenoxazineなどが挙げられる。
DCJTB系蛍光色素としては、例えば、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピランなどが挙げられる。ローダミン系蛍光色素としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などが挙げられる。
なお、上述の有機蛍光色素は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
マトリックス樹脂1は、有機蛍光色素2及び一重項酸素クエンチャー3を安定的に分散させ、さらに380nm〜780nmの可視光領域において高い光線透過率を有する樹脂を用いることができる。そのため、マトリックス樹脂1は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、及びスチレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体を主成分として重合させたものであり、(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体を含んでいてもよい。アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーを重合してなる樹脂を用いることができる。このようなアクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートも挙げられる。また、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートも挙げられる。ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートも挙げられる。なお、アクリル系モノマーは一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば二価フェノールと、ホスゲン又は炭酸ジエステル化合物とを反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネート重合体、及びこれらの共重合体である芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。また、ポリカーボネート系樹脂としては、二酸化炭素とエポキシドとの共重合体によって得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂も挙げられる。さらにポリカーボネート系樹脂としては、これらを共重合した芳香族−脂肪族ポリカーボネートも挙げられる。また、アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸等の直鎖状脂肪族二価カルボン酸等も、ポリカーボネート系樹脂の共重合モノマーとして挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂は、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する樹脂である。シクロオレフィン系樹脂としては、エチレンとノルボルネンの付加共重合体や、エチレンとテトラシクロドデセンの付加共重合体などが挙げられる。
エポキシ系樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上含むプレポリマーを硬化剤で硬化した樹脂である。エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることができる。また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂(トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルヒダントイン等)を用いることもできる。さらに、これらのエポキシ樹脂を種々の材料で変性させた変性エポキシ樹脂等も使用することができる。また、これらのエポキシ樹脂の臭素化物、塩素化物等のハロゲン化物も用いることができる。
エポキシ系樹脂を硬化させるための硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば、如何なる化合物を用いることができる。公知のエポキシ硬化剤を適宜用いることができるが、特にアミノ基、酸無水物基、ヒドロキシフェニル基を有する化合物が適している。例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、有機酸ヒドラジット、アミンイミド、脂肪族アミン、芳香族アミン、3級アミン、ポリアミンの塩、マイクロカプセル型硬化剤、イミダゾール型硬化剤、酸無水物、フェノールノボラック等が挙げられる。硬化剤は、これらのうちの一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記の硬化剤と併用して各種の硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、第三級アミン系硬化促進剤、尿素誘導体系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ジアザビシクロウンデセン(DBU)系硬化促進剤を挙げることができる。また、有機りん系硬化促進剤(例えば、ホスフィン系硬化促進剤等)、オニウム塩系硬化促進剤(例えば、ホスホニウム塩系硬化促進剤、スルホニウム塩系硬化促進剤、アンモニウム塩系硬化促進剤等)を挙げることができる。さらに金属キレート系硬化促進剤、酸及び金属塩系硬化促進剤等も挙げることができる。
シリコーン系樹脂は、シロキサン結合からなる直鎖状高分子が架橋することで三次元網状構造となっている樹脂である。シリコーン系樹脂としては、側鎖が例えばメチル基で構成されるジメチル系シリコーンや、一部分が芳香族系分子に置換されている芳香族系シリコーンがある。本実施形態では、シリコーン系樹脂として特に好ましいのは芳香族系シリコーンである。
なお、シリコーン系樹脂は、アルコキシシランを加水分解した後に脱水縮合させて得られる縮合物からなるものであってもよい。アルコキシシランの具体例としては、例えば、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシランが挙げられる。メチルジエチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシランも挙げられる。また、メチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシランも挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランも挙げられる。N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランも挙げられる。メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、N−β−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランも挙げられる。トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシランも挙げられる。なお、アルコキシシランの加水分解縮合物は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル−スチレン共重合体としては、(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体を主成分として重合したものである。また、アクリル−スチレン共重合体は、(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体と共重合可能な他の単量体を含んでいてもよい。アクリル−スチレン共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルメタアクリレート共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。また、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体も挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を主成分として重合させたものである。スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレンが挙げられる。また、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンも挙げられる。これらのスチレン系単量体は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、上述のマトリックス樹脂1を構成する樹脂は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の波長制御光学部材10は、必要に応じて、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一種を含有してもよい。これらを含有することにより、有機蛍光色素2の劣化を抑制し、長期に亘り高い発光効率を維持することが可能となる。
酸化防止剤としては、有機蛍光色素2の自動酸化を抑制できるものであれば特に限定されない。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。特にフェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤が好ましく、アミン系酸化防止剤の中では特にヒンダードアミンが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。また、フェノール系酸化防止剤としては、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル)]メタンなども挙げられる。アミン系酸化防止剤としては、アデカスタブ(登録商標)LA−77、LA−57,LA−52、LA−62,LA−63、LA−67,LA−68(株式会社ADEKA製)などが挙げられる。また、アミン系酸化防止剤としては、TINUVIN(登録商標)123、TINUVIN144、TINUVIN622、TINUVIN765、TINUVIN944(BASF社製)なども挙げられる。
紫外線吸収剤としては、280nm〜400nmの波長範囲の透過率が低い特性を有するものであれば、特に限定されない。紫外線吸収剤はとしては、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ビス[ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。また、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等も挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン等が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。ヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤としては、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル等が挙げられる。
なお、上述の酸化防止剤及び紫外線吸収剤は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
このように、本実施形態に係る波長制御光学部材10は、マトリックス樹脂1と、マトリックス樹脂1の内部に分散する、有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)とを備える。[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、有機蛍光色素2の励起波長領域に吸収ピークを示さない。そのため、一重項酸素クエンチャーとして[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を用いたとしても、有機蛍光色素2の励起エネルギーが吸収され難く、発光効率の低下を抑制することができる。また、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は、一重項酸素をトラップして不活性化するため、有機蛍光色素2の耐光性を向上させることが可能となる。
[波長制御光学部材の製造方法]
次に、波長制御光学部材の製造方法について説明する。本実施形態に係る波長制御光学部材の製造方法は、マトリックス樹脂1に有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を分散させることができれば特に限定されない。
次に、波長制御光学部材の製造方法について説明する。本実施形態に係る波長制御光学部材の製造方法は、マトリックス樹脂1に有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を分散させることができれば特に限定されない。
具体的には、まず上述の有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を溶媒に分散させた後、当該分散液にマトリックス樹脂を溶解する。その後、当該分散液を基板に塗布し、溶媒を除去することにより、波長制御光学部材を得ることができる。基板に対する分散液の塗布方法は特に限定されないが、例えばスプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法等が利用できる。また、溶媒を除去する際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどを使用してもよい。
分散液を塗布する基板としては透明基板を使用することができ、例えばソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板を使用することができる。また、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板も使用することができる。
波長制御光学部材は、次のような方法でも製造することができる。まず、上述の有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を溶媒に分散させた後、当該分散液にマトリックス樹脂の前駆体を溶解する。その際、必要に応じて重合開始剤を添加する。その後、当該分散液を基板に塗布し、マトリックス樹脂の前駆体を重合し硬化することにより、波長制御光学部材を得ることができる。なお、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合には加熱により、活性エネルギー線硬化性樹脂の場合には活性エネルギー線(電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、γ線等)により、硬化を行うことができる。
なお、上述の分散液には、マトリックス樹脂、並びに有機蛍光色素2及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)以外にも、その他の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば上述の酸化防止剤及び紫外線吸収剤に加え、可塑剤、重合安定剤、蛍光増白剤、磁性粉、帯電防止剤、難燃剤などを挙げることができる。
このように、本実施形態の波長制御光学部材は公知の膜形成法により作製できる。そのため、本実施形態の波長制御光学部材は安価に作製することが可能である。
[発光装置]
次に、本実施形態に係る発光装置について説明する。本実施形態に係る発光装置は、発光素子と、発光素子が発する光を波長変換する波長変換部材と、上述の波長制御光学部材とを備える。
次に、本実施形態に係る発光装置について説明する。本実施形態に係る発光装置は、発光素子と、発光素子が発する光を波長変換する波長変換部材と、上述の波長制御光学部材とを備える。
図4は、発光装置の一例としてのLEDモジュール11(Light-emitting diodeモジュール)を示す。LEDモジュール11は、回路基板12に、発光素子としてのLED素子13が実装されている。そして、このLED素子13が波長変換部材14により覆われている。
LED素子13は、例えば380nm〜500nmの範囲内に主な発光ピークを有し、青色の光を出射する青色LED素子や紫色の光を出射する紫色LED素子を用いることができる。このようなLED素子13としては、例えば窒化ガリウム系のLED素子が挙げられる。
波長変換部材14は、シリコーン樹脂等の透光性材料内に、例えば青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体及び赤色蛍光体の少なくとも一種類以上の蛍光体15を含有している。青色蛍光体は、LED素子13の出射光により励起され、青色光を出射する。緑色蛍光体及び黄色蛍光体もLED素子13の出射光により励起され、それぞれ緑色光及び黄色光を出射する。
青色蛍光体は470nm〜500nmの波長域に発光ピークを持ち、緑色蛍光体は500nm〜540nmの波長域に発光ピークを持ち、黄色蛍光体は545nm〜595nmの波長域に発光ピークを持つものである。青色蛍光体としては、例えばBaMgAl10O17:Eu2+、CaMgSi2O6:Eu2+、Ba3MgSi2O8:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+などが挙げられる。緑色蛍光体としては、例えば(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+、Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu2+、Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu2+,Mn2+が挙げられる。黄色蛍光体としては、例えば(Sr,Ba)2SiO4:Eu2+、(Y,Gd)3Al5O12:Ce3+、α−Ca−SiAlON:Eu2+が挙げられる。
赤色蛍光体は、LED素子13や、緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも一方の出射光により励起され、赤色光を出射する。赤色蛍光体は、600nm〜650nmの波長域に発光ピークを持つものである。赤色蛍光体としては、例えばSr2Si5N8:Eu2+、CaAlSiN3:Eu2+、SrAlSi4N7:Eu2+、CaS:Eu2+、La2O2S:Eu3+、Y3Mg2(AlO4)(SiO4)2:Ce3+が挙げられる。
LEDモジュール11の出射面側には、LED素子13や蛍光体15から出射された光の一部を吸収し、所望のピーク波長を有する光を発光する波長制御光学部材10が配置されている。このような波長制御光学部材10を用いることにより、例えば視認性を向上させることが可能となる。
[照明器具]
次に、本実施形態に係る照明器具について説明する。本実施形態の照明器具は、上述の発光装置を備えている。
次に、本実施形態に係る照明器具について説明する。本実施形態の照明器具は、上述の発光装置を備えている。
図5では、照明器具の一例として、LEDモジュール11を備えたデスクスタンド20を示す。図5に示すように、デスクスタンド20は、略円板状のベース21上に照明本体22が取り付けられている。照明本体22はアーム23を有し、アーム23の先端側の灯具30にはLEDモジュール11を備える。照明本体22にはスイッチ22aが設けられ、このスイッチ22aをオン・オフ操作することでLEDモジュール11の点灯状態が変更されるようになっている。
図6(a)に示すように、灯具30は、略円筒状のベース部31と、光源ユニット32と、配向制御部33と、上述の波長制御光学部材からなるフィルタ34と、カバー35とを備える。光源ユニット32は、図6(b)に示すようにLEDモジュール11を備える。配向制御部33は、光源ユニット32の光を所望の配光に制御するために用いられるものであり、本実施形態ではレンズを備えている。ただし、配向制御部33としては、レンズの他に、照明装置の構成によって反射板や導光板を有していてもよい。
なお、フィルタ34と配向制御部33は、一体構成としてもよい。その一例として、例えば図6(c)に示すように、配向制御部33を構成する透明樹脂部34aの表面にコーティングを施して、フィルタ34として作用するコーティング部34bを形成してもよい。
本実施形態の照明器具は、有機蛍光色素の発光特性及び耐久性が高い波長制御光学部材を用いている。そのため、長期に亘り所望の分光特性を得ることが可能となる。つまり、本実施形態の照明器具は、例えば放射光が照射される紙面の白色度を高め、視認性を向上させることが可能となる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[初期蛍光特性評価]
(実施例1−1)
まず、1質量部の緑色ペリレン系蛍光色素と一重項酸素クエンチャーとを1000質量部のトルエンに溶解して攪拌することにより、混合溶液を調製した。次に、当該混合溶液に2000質量部のアクリル系樹脂に投入し、超音波を照射しながら攪拌することで、蛍光色素分散液を調製した。そして、調製した蛍光色素分散液をスライドガラス板上にバーコーターで塗布して加熱・乾燥することにより、本例の試験サンプルを作製した。なお、緑色ペリレン系蛍光色素は、図3に示す構造を有するBASF社製Lumogen F Yellow083を使用した。一重項酸素クエンチャーは、シプロ化成株式会社製SEESORB(登録商標)612NH([2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II))を使用した。また、アクリル系樹脂は、DIC株式会社製WAL578を使用した。
(実施例1−1)
まず、1質量部の緑色ペリレン系蛍光色素と一重項酸素クエンチャーとを1000質量部のトルエンに溶解して攪拌することにより、混合溶液を調製した。次に、当該混合溶液に2000質量部のアクリル系樹脂に投入し、超音波を照射しながら攪拌することで、蛍光色素分散液を調製した。そして、調製した蛍光色素分散液をスライドガラス板上にバーコーターで塗布して加熱・乾燥することにより、本例の試験サンプルを作製した。なお、緑色ペリレン系蛍光色素は、図3に示す構造を有するBASF社製Lumogen F Yellow083を使用した。一重項酸素クエンチャーは、シプロ化成株式会社製SEESORB(登録商標)612NH([2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II))を使用した。また、アクリル系樹脂は、DIC株式会社製WAL578を使用した。
試験サンプルは、一重項酸素クエンチャーの含有量が1000ppm、10000ppmの二種類を作製した。
(比較例1−1)
一重項酸素クエンチャーとして和光純薬工業株式会社製ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)を使用した以外は実施例1−1と同様にして、本例の試験サンプルを作製した。なお、試験サンプルは、一重項酸素クエンチャーの含有量が1000ppm、2000ppm、5000ppm、10000ppmの四種類を作製した。
一重項酸素クエンチャーとして和光純薬工業株式会社製ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)を使用した以外は実施例1−1と同様にして、本例の試験サンプルを作製した。なお、試験サンプルは、一重項酸素クエンチャーの含有量が1000ppm、2000ppm、5000ppm、10000ppmの四種類を作製した。
(評価)
蛍光分光光度計(日本分光株式会社製FP6500)を用いて、実施例1−1及び比較例1−1で得られた試験サンプルにおける、蛍光色素の最大発光波長(ピーク波長)の発光強度を測定した。発光強度の測定結果を図7に示す。なお、図7では、一重項酸素クエンチャーを含有しない試験サンプルに対する、発光強度の測定結果も合わせて示す。
蛍光分光光度計(日本分光株式会社製FP6500)を用いて、実施例1−1及び比較例1−1で得られた試験サンプルにおける、蛍光色素の最大発光波長(ピーク波長)の発光強度を測定した。発光強度の測定結果を図7に示す。なお、図7では、一重項酸素クエンチャーを含有しない試験サンプルに対する、発光強度の測定結果も合わせて示す。
図7より、実施例1−1の試験サンプルでは、一重項酸素クエンチャーの含有量が増加しても発光強度が低下しないことが分かる。つまり、蛍光色素の励起波長領域と[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)の吸収波長領域が重複しないため、蛍光色素の発光効率が低下し難いことが分かる。
これに対し、比較例1−1の試験サンプルでは、一重項酸素クエンチャーの含有量が増加するにつれて発光強度が低下することが分かる。つまり、蛍光色素の励起波長領域とカルバミン酸ニッケルの吸収波長領域が重複するため、カルバミン酸ニッケルの濃度が増加するにつれて蛍光色素の励起エネルギーが減少し、蛍光色素の発光効率が低下することが分かる。
[耐久評価]
(実施例2−1)
まず、1質量部の緑色ペリレン系蛍光色素と1質量部の一重項酸素クエンチャーとを1000質量部のトルエンに溶解して攪拌することにより、混合溶液を調製した。次に、当該混合溶液に2000質量部のアクリル系樹脂に投入し、超音波を照射しながら攪拌することで、蛍光色素分散液を調製した。そして、調製した蛍光色素分散液をスライドガラス板上にバーコーターで塗布して加熱・乾燥することにより、本例の試験サンプルを作製した。なお、緑色ペリレン系蛍光色素、一重項酸素クエンチャー及びアクリル系樹脂は、実施例1−1と同じものを使用した。
(実施例2−1)
まず、1質量部の緑色ペリレン系蛍光色素と1質量部の一重項酸素クエンチャーとを1000質量部のトルエンに溶解して攪拌することにより、混合溶液を調製した。次に、当該混合溶液に2000質量部のアクリル系樹脂に投入し、超音波を照射しながら攪拌することで、蛍光色素分散液を調製した。そして、調製した蛍光色素分散液をスライドガラス板上にバーコーターで塗布して加熱・乾燥することにより、本例の試験サンプルを作製した。なお、緑色ペリレン系蛍光色素、一重項酸素クエンチャー及びアクリル系樹脂は、実施例1−1と同じものを使用した。
(比較例2−1)
一重項酸素クエンチャーを使用しなかったこと以外は実施例2−1と同様にして、本例の試験サンプルを作製した。
一重項酸素クエンチャーを使用しなかったこと以外は実施例2−1と同様にして、本例の試験サンプルを作製した。
(評価)
実施例2−1及び比較例2−1の試験サンプルを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザー(登録商標)試験機を用いて3日間劣化させた。さらに、蛍光分光光度計(日本分光株式会社製FP6500)にて、劣化前と劣化後の試験サンプルの最大発光波長(ピーク波長)の発光強度を測定した。そして、蛍光色素の最大発光波長における初期発光強度(劣化試験前の発光強度、I0)及び劣化試験後の発光強度(I1)より、以下の式1から維持率を算出した。実施例及び比較例の維持率の結果を図8に示す。
[数1]
発光維持率(%)=[劣化試験後の発光強度(I1)]/[劣化試験前の発光強度(I0)]×100
実施例2−1及び比較例2−1の試験サンプルを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザー(登録商標)試験機を用いて3日間劣化させた。さらに、蛍光分光光度計(日本分光株式会社製FP6500)にて、劣化前と劣化後の試験サンプルの最大発光波長(ピーク波長)の発光強度を測定した。そして、蛍光色素の最大発光波長における初期発光強度(劣化試験前の発光強度、I0)及び劣化試験後の発光強度(I1)より、以下の式1から維持率を算出した。実施例及び比較例の維持率の結果を図8に示す。
[数1]
発光維持率(%)=[劣化試験後の発光強度(I1)]/[劣化試験前の発光強度(I0)]×100
図8に示すように、一重項酸素クエンチャーを含有しない比較例2−1は、1日目で維持率が20%未満となり、2日目で維持率が約0%となっている。
これに対し、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)を使用した実施例2−1では、1日目で維持率が40%程度であり、2日目で維持率が10%以上となっている。このことから、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)は一重項酸素クエンチャーとして効果的に作用し、蛍光色素の耐光性を向上させることが分かる。
以上、本実施形態を実施例及び比較例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 マトリックス樹脂
2 有機蛍光色素
3 一重項酸素クエンチャー
10 波長制御光学部材
11 LEDモジュール(発光装置)
13 LED素子(発光素子)
14 波長変換部材
2 有機蛍光色素
3 一重項酸素クエンチャー
10 波長制御光学部材
11 LEDモジュール(発光装置)
13 LED素子(発光素子)
14 波長変換部材
Claims (5)
- マトリックス樹脂と、
前記マトリックス樹脂の内部に分散する、有機蛍光色素及び[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)と、
を備える波長制御光学部材。 - 前記マトリックス樹脂は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、及びスチレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する請求項1に記載の波長制御光学部材。
- 前記有機蛍光色素は、ペリレン系、クマリン系、ピリジン系、イミダゾール系、オキサジアゾール系、オキサジン系、DCJTB系、及びローダミン系からなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の波長制御光学部材。
- 発光素子と、前記発光素子が発する光を波長変換する波長変換部材と、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の波長制御光学部材と、を備える発光装置。
- 請求項4に記載の発光装置を備える照明器具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015126483A JP2017011153A (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 波長制御光学部材、発光装置及び照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015126483A JP2017011153A (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 波長制御光学部材、発光装置及び照明器具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017011153A true JP2017011153A (ja) | 2017-01-12 |
Family
ID=57761762
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015126483A Withdrawn JP2017011153A (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 波長制御光学部材、発光装置及び照明器具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017011153A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10493175B2 (en) | 2017-09-28 | 2019-12-03 | Nichia Corporation | Method for manufacturing light-emitting device |
| US10800970B2 (en) | 2015-07-17 | 2020-10-13 | Toray Industries, Inc. | Color conversion composition, color conversion film and backlight unit, display and lighting device each comprising same |
-
2015
- 2015-06-24 JP JP2015126483A patent/JP2017011153A/ja not_active Withdrawn
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|---|---|---|---|---|
| US10800970B2 (en) | 2015-07-17 | 2020-10-13 | Toray Industries, Inc. | Color conversion composition, color conversion film and backlight unit, display and lighting device each comprising same |
| US10493175B2 (en) | 2017-09-28 | 2019-12-03 | Nichia Corporation | Method for manufacturing light-emitting device |
| US10806809B2 (en) | 2017-09-28 | 2020-10-20 | Nichia Corporation | Light-emitting device |
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