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JP2017002331A - 溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法 - Google Patents

溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法 Download PDF

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JP2017002331A JP2015113937A JP2015113937A JP2017002331A JP 2017002331 A JP2017002331 A JP 2017002331A JP 2015113937 A JP2015113937 A JP 2015113937A JP 2015113937 A JP2015113937 A JP 2015113937A JP 2017002331 A JP2017002331 A JP 2017002331A
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Hirotada Arai
宏忠 新井
貴光 中須賀
Takamitsu Nakasuga
貴光 中須賀
慶太 大内
Keita Ouchi
慶太 大内
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Abstract

【課題】 溶銑脱りん処理の際に、スラグ中の酸素ポテンシャルを高位に保ち、脱りん効率を向上させる。
【解決手段】本発明の固体酸素源の供給方法は、転炉型の溶銑処理容器2内に装入された溶銑1に対して、上吹酸素ランス3から気体酸素源を溶銑中に吹き込みつつ脱りん処理を行う際には、上吹酸素ランス3に、気体酸素源を供給する主系統のガス供給管6と、固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給すると共に主系統のガス供給管6とは隔離状態で配備された副系統のガス供給管7とを予め設けておき、上吹酸素ランス3から固体酸素源を供給する際には、上吹酸素ランス3に対する気体用ノズル8の傾斜角度、上吹酸素ランス3に対する固酸素源供給用ノズル4の傾斜角度、及び質量中位径が、所望の関係を満足するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶銑の脱りん処理を実施する際、溶銑内に固体酸素源を供給し、脱りん効率を向上させることができる溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法に関するものである。
一般に、高炉から出銑された溶銑中にはP、Sなどの不純物が含まれている。高炉から出銑した溶銑は転炉で脱炭されて鋼とされるが、近年ではコストダウンおよび品質要求の厳格化に対応するため、転炉での脱炭処理の前に脱りん・脱硫等の溶銑予備処理工程を設けるケースが一般的となっている。
このような溶銑予備処理工程の一つとして溶銑の脱りん処理を行う際には、転炉型の溶銑処理容器内に上吹酸素ランスを差し込み、容器内に装入された溶銑に対して上吹酸素ランスの先端から気体酸素源(酸素ガス)を溶銑浴面に噴射・供給し、また、炉口上方から、焼石灰、酸化鉄源(FeO)を含む焼結鉱、ミルスケール、鉄鉱石等を供給することで、SiやPなどの不純物を酸化し、溶銑中からこれらの不純物をスラグとして除去する脱りん処理が行われている。
しかしながら、微細な固体酸素源、例えば集塵ダストといったものは、微細であるがために搬送過程におけるハンドリングが困難である。また、集塵ガス流れとともに炉外に排出されるため、発塵の問題や投入歩留が悪いことから積極的には利用されてこなかった。そこで、従来は使用できなかった微細な固体酸素源を酸素ノズルとは別系統から搬送用ガスとともに炉内に吹き付けることで炉内に供給する技術がある。
例えば、特許文献1には、副原料粉体を上吹酸素ランス又は/及び粉体供給専用ランスから溶銑に供給する技術が開示されている。この特許文献1の副原料粉体は塩基性造滓材、酸化鉄源及びマンガン源などであり、これらの粉体は粒径150μm以下のものを60%以上、粒径500μm以上のものを1〜20%含み、かつ粒径が150〜500μmのものの重量比が45%以下に粒度調整されている。また、塩基性造滓材は酸素ガスに同伴させて酸素ガス噴出用ノズルから供給され、酸化鉄源やマンガン源は酸素ガス噴出用ノズルとは別のノズルから搬送用ガス(非酸化性ガス)と一緒に溶銑に向かって供給される。なお、特許文献1の技術では、搬送用ガスは湯面到達時に最大流速が40〜200m/sとなるように噴射されるものとなっている。
また、特許文献2には、酸素含有ガス並びに粉体状の精錬剤を上吹酸素ランスから溶銑に吹き付けて溶銑を酸化精錬する転炉吹錬方法が開示されている。この特許文献2の転炉吹錬方法では、ラバールノズル形状の6個以上の主孔と、該主孔でその周囲を囲まれた中央(軸心部位置)に配置された粉体吹き込み用ノズルとを備えた上吹きランス(上吹酸素ランス)が用いられている。
この特許文献2の上吹きランスは、主孔の平均傾角が13°以上とされており、また隣り合った主孔の平均干渉率は30〜60%の範囲内とされていて、理想的な超音速ジェットが得られるものでありながら、精錬剤の吹き込みを行ってもノズルの損耗が少なくなるような設計がなされている。特許文献2では、このような上吹きランスを用いることにより、精錬剤の散逸を抑制して反応領域である火点へ粉体状の精錬剤を効率的に添加することができるとされている。
さらに、特許文献3には、転炉型の溶銑処理容器内の溶銑に対して、CaO源を主体とする精錬剤を添加し、上吹酸素ランスから溶銑の浴面に気体酸素源の吹き付けを行う脱りん処理方法が開示されている。この特許文献3の上吹酸素ランスは、粉粒状の精錬剤と粉粒状の固体酸素源との2つを溶銑浴面に吹き付けられるようになっていて、気体酸素源の吹き付けにより溶銑浴面に生じる火点に、精錬剤の一部を気体酸素源をキャリアガスとして吹き付け可能となっている。
また、特許文献3の技術では、気体酸素の供給系統とは異なる供給系統を通じて供給されるキャリアガスにより、火点近傍の浴面位置に、粉粒状の固体酸素源が吹き付けられる。このように特許文献3の脱りん処理方法では固体酸素源を火点近傍に供給することで、上吹酸素ランスからの気体酸素源の供給速度を1.5〜5.0Nm3/min/溶銑tonとして、脱りん処理後のスラグ塩基度[%CaO/%SiO2]を1.0以上2.5未満とすることができるとされている。
さらに、特許文献4、5にも、固体酸素源をスラグではなく溶銑に供給することで脱りん効率を高める方法が開示されている。
特開平11−256217号公報 特許第4901132号公報 特許第5181520号公報 特開2001−131629号公報 特許第4513340号公報
上述した特許文献1〜特許文献5の精錬方法はいずれも、酸素ガスなどの気体酸素源と同様に、粉粒状の固体酸素源を溶銑へ直接供給するものとなっている。この点で、特許文献1〜特許文献3は固体酸素源を気体酸素源を補助する酸素源として用いるに留まっており、固体酸素源を気体酸素源と同じように溶銑中のSi、Mn、Pの酸化のために供給しているにすぎない。つまり、これらの特許文献はいずれも溶銑脱りん処理を最も効率良く促進するために、固体酸素源に関する最適な装入条件や処理条件を提示するものとはなっていない。
溶銑の脱りん処理は、溶銑の浴面に浮遊するスラグと溶銑の界面で、溶銑中のりんと酸素とが反応を起こして進行するものであり、スラグ中の酸素ポテンシャルを高くすることが重要となる。なお、このスラグと溶銑の界面でりんと反応を起こす酸素とは具体的にはFeOのことであり、「スラグ中の酸素ポテンシャルを高くする」とは「スラグ中のFeOの濃度を高める」ことに他ならない。それゆえ、スラグと溶銑の界面でのFeOの濃度を高く維持するのが好ましいが、このスラグ中のFeOは溶銑中のSi、Mn、C、Pの酸化にも消費されるため、脱りん処理が進むにつれてFeOは消費されて量が減ってしまう。そのため、FeOを新たに固体酸素源などの形で補充し、酸素ポテンシャルを常に高位に保つことが有効である。
ところが、上述した特許文献1〜3では、固体酸素源にFeOを用いていなかったり、FeOを固体酸素源に用いていても固体酸素源をスラグではなく溶銑に直接吹き込む構成となっていたりして、固体酸素源をスラグ表面あるいはスラグ中に供給してスラグの酸素ポテンシャルを高位に維持することは全く考慮されておらず、固体酸素源の反応促進を高める最適な処理条件とはなっていない。当然、気体酸素源とは異なる固体酸素源をスラグに供給する際の条件には、最適の条件が存在している。例えば粉粒状の固体酸素源をどの程度の粒度で供給するかといった供給条件は、溶銑に直接供給される気体酸素源とは別に設定される必要がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、溶銑の脱りん処理の際に、スラグの表面あるいはスラグ中に固体酸素源を直接供給することで、スラグ中の酸素ポテンシャルを高位に保つことができ、溶銑とスラグのりん分配を増加させて脱りん能を向上させることができる溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法は、転炉型の溶銑処理容器内に装入された溶銑に対して、上吹酸素ランスから気体酸素源を吹き込みつつ溶銑の脱りん処理を行うにおいては、前記上吹酸素ランスに、前記気体酸素源を供給する主系統のガス供給管と、前記主系統のガス供給管とは隔離状態で配備され且つ固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給する副系統のガス供給管とを予め設けておき、前記上吹酸素ランスから前記固体酸素源を供給するに際しては、質量中位径D50が式(1)を満足する前記固体酸素源を、前記副系統のガス供給管から前記溶銑処理容器内へ供給することを特徴とする。
本発明の溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法によれば、溶銑脱りん処理の際に、スラグ表面あるいはスラグ中に固体酸素源を効果的に供給することで、スラグ中の酸素ポテンシャルを高位に保つことができ、溶銑とスラグのりん分配を増加させて脱りん能を向上させることができる。
本発明の固体酸素源の供給方法が行われる転炉型の溶銑処理容器を示す模式図である。 上吹酸素ランスの正面断面図である。 上吹酸素ランスの先端を下方から見た図である。 式(1)の左辺と、脱りん処理後のりん濃度との関係をまとめた図である。
以下、本発明の「溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法」の実施形態を、図を参照して説明する。
まず、本発明の固体酸素源の供給方法が行われる「溶銑の脱りん処理」について簡単に説明する。
一般的に、製鋼工程においては、高炉から出銑した溶銑1に対して、りんや硫黄などの不純物を酸化して除去する溶銑予備処理が行われる。次に、溶銑予備処理された溶銑に対して、転炉で脱炭を行った後、さらに、取鍋などで二次精錬が行われる。このようにして溶銑予備処理〜二次精錬を通して溶銑を成分調整することで、所望とされる成分の鋼が製造されている。このような溶銑の処理工程のうち、溶銑予備処理で行われる脱りん処理は、溶銑処理容器2に脱りん材として、焼石灰、酸化鉄(焼結鉱、ミルスケール、鉄鉱石等)を炉頂から供給すると共に酸素ガスを吹き込み、吹き込まれた酸素ガスと酸化鉄でりんを酸化させてスラグに移行させ、そのスラグを排出する。
具体的には、図1に示すように、上述した溶銑1の脱りん処理は、高炉から出銑された溶銑1を転炉型の溶銑処理容器2に装入し、装入された溶銑1に酸素ガスや副原料を供給するものとなっている。この転炉型の溶銑処理容器2は、上方に向かって開口した有底円筒状の容器であり、溶銑の高温に耐えられるように耐火物などを用いて形成されている。溶銑の脱りん処理においては、この溶銑処理容器2の開口から上吹酸素ランス3を挿入し、上吹酸素ランス3の先端に設けられたノズルから気体酸素源(酸素ガス)を溶銑1側に向けて噴射するものとなっている。
つまり、図2Aに示すように、上吹酸素ランス3の先端(下端)には、ランス内を搬送されてきた気体酸素源を、容器2内の溶銑1に向かって噴射するノズル(気体用ノズル8)が形成されている。本実施形態の気体酸素源としては、純酸素ガスを採用している。また、溶銑処理容器2の底部には、容器内の溶銑1に対して不活性ガスなどを供給する羽口5が形成されている。
上吹酸素ランス3から溶銑1内に吹き付けられた気体酸素源の酸素ガスと炉口上部から供給された酸化鉄源により、次の式(2)で示す反応式に従って、溶銑1中のりん(P)が脱りん材の酸化カルシウム(CaO)と反応して、リンとカルシウムのりん酸化物が形成される。このようにして形成されたりん酸化物をスラグSと一緒に排滓することで、溶銑1中のりんが取り除かれる。
なお、脱りん処理の初期段階では溶銑1中の珪素(Si)の酸化による脱珪反応が優先して起こるため、本発明の固体酸素源の供給方法は脱珪反応を含めた広い意味での脱りん反応を対象とする。つまり、本発明の固体酸素源の供給方法は、脱珪反応が主となるような脱りん処理の初期段階に固体酸素源を供給する場合も含むものとなっている。
ところで、上述した式(2)において、りん酸化物の生成を効率的に行うためには、左辺の酸素濃度を上げる、つまり酸素ポテンシャルを高位にすることが必要となる。この式(2)の反応はスラグSと溶銑の界面で行われるものであるため、「酸素ポテンシャルを高位にする」とはスラグSと溶銑界面の酸化鉄(FeO)の濃度を高くすることに他ならない。
ただ、このスラグS表面のFeOは、溶銑中の珪素(Si)、炭素(C)、りん(P)の酸化などに消費されるため、FeOが外部から供給されない限り脱りん処理が進行するにつれてFeOの濃度は徐々に減少する。
そのため、本発明の固体酸素源の供給方法は、上吹酸素ランス3に気体酸素源を供給する主系統のガス供給管6と、FeOなどの固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給すると共に主系統のガス供給管6とは隔離状態で配備された副系統のガス供給管7とを予め設けておき、副系統のガス供給管7を通じて搬送された固体酸素源のFeOを上吹酸素ランス3から溶銑1中のスラグSに直接供給するものとなっている。
そして、上吹酸素ランス3から固体酸素源を供給するに際しては、上吹酸素ランス3の中心軸に対して主系統のガス供給管6に設けられる気体用ノズル8の中心軸が為す角度α(deg)、及び上吹酸素ランス3の中心軸に対して副系統のガス供給管7に設けられる固酸素源供給用ノズル4の中心軸が為す角度β(deg)、及び質量中位径D50が、以下の式(1)の関係を満足するものとなっている。
次に、本発明の固体酸素源の供給方法で用いられる固体酸素源、この固体酸素源を供給する上吹酸素ランス3、及び上述した式(1)が成立する理由について詳しく説明する。
上述した溶銑1の脱りん処理で用いられる固体酸素源は、酸素を含む固体の化合物(酸化物)の微小な粉末である。具体的には、この固体酸素源には、平均粒径が0.1mm以下の粉塵ダスト(製鋼工程で生じる粉塵ダスト)が用いられている。
また、固体酸素源を搬送する搬送用ガスには、窒素ガスのような非酸化性のガス(還元性ガス、炭酸ガスあるいは希ガスのようなガス)が一般に用いられる。このように搬送用ガスに非酸化性ガスを用いるのは、搬送用ガスと固体酸素源とが配管内(副系統のガス供給管6内)で反応して酸素爆発を起こす心配がないためである。
上述した固体酸素源及び搬送用ガスは、気体酸素源を供給するものと同じ上吹酸素ランス3から溶銑(浴面に浮かぶスラグS)に供給される。つまり、本発明の上吹酸素ランス3は、気体酸素源と固体酸素源とを1本のランスから異なる対象に向かって供給するものとなっている。
図2Aは、上吹酸素ランス3の正面断面図を示したものであり、図2Bは、上吹酸素ランス3の先端面におけるノズル配置例(気体用ノズル8と固酸素源供給用ノズル4の配置例)を模式的に示したものである。
図2A及び図2Bに示すように、上吹酸素ランス3は、先端部は水冷銅、胴体部は耐火物で形成された筒状の部材であり、内部に設けられたそれぞれの供給管を通じて気体酸素源と固体酸素源とをそれぞれ供給できるようになっている。詳しくは、上吹酸素ランス3の内部には、気体酸素源を気体用ノズル8まで案内する主系統のガス供給管6と、固体酸素源を固酸素源供給用ノズル4まで案内する副系統のガス供給管7と、がそれぞれ配備されている。
上述した上吹酸素ランス3は、鉛直方向に沿うように軸心を向けるようにして、溶銑処理容器2内に挿し込まれており、溶銑の浴面から2.5〜4.0mの高さ、本実施形態の例では2.8mの高さに保持されている。
主系統のガス供給管6は、酸素ガスなどの気体酸素源を流通可能な管状の流路であり、上吹酸素ランス3の内部に上吹酸素ランス3の中心軸と略同じ方向に沿って形成されている。この主系統のガス供給管6の先端(下端)には、気体酸素源を溶銑1の浴面に向かって噴射する気体用ノズル8が配備されている。
気体用ノズル8は、上吹酸素ランス3の先端面において、上吹酸素ランス3の軸心回りにほぼ均等な距離をあけて周方向に複数(本実施形態では5箇所)設けられており、複数のノズルから気体酸素源を浴面に対してガスを分散して吹き付けられるようになっている。これは気体用ノズル8から噴射した噴流が溶銑1の浴面に衝突する際の衝突面積を大きくして、単位面積当たりの気体酸素源の運動エネルギを減少させることで、スピッティングの発生を防止するとともに反応界面積を増大させるためである。複数のノズルから噴出したガスジェットはエジェクター効果によって互いに引き寄せられ一体化してしまうため、上述した主系統のガス供給管6(鉛直方向)に対して傾斜するように配備されている。また、この気体用ノズル8には気体酸素源を音速を超える速度(超音速)で溶銑に向かって噴射可能なラバールノズルが用いられている。このようなラバールノズルを気体用ノズル8に用いることで、気体酸素源(酸素ガス)を安定して溶銑1中に供給することが可能となる。
なお、気体用ノズル8と後述する固酸素源供給用ノズル4が隣接している場合、2つのノズルからの噴流が一体化してしまい、本願発明が意図する効果を奏しないようになるため、気体用ノズル8と固酸素源供給用ノズル4の出口の最近接距離は30mm以上離れていることが好ましい。
一方、上述した主系統のガス供給管6の内部には、さらに固体酸素源を案内する副系統のガス供給管7が主系統のガス供給管6から隔離した状態で配備されている。副系統のガス供給管7も、上吹酸素ランス3の内部に上吹酸素ランス3の中心軸と略同じ方向に沿って形成されている。この副系統のガス供給管7には、固体酸素源が搬送用ガスと一緒に流通している。
上述した副系統のガス供給管7の先端(下端)にも、気体用ノズル8と同様に固体酸素源を溶銑1の浴面に浮遊するスラグSに向かって噴射する固酸素源供給用ノズル4が配備されている。
また、上述した式(1)に用いられる固体酸素源の粒度は、酸素を含む固体化合物(酸化物)の粉末の粒度分布を示すものであり、質量中位径で50%となる粒度を示したものである。つまり、この固体酸素源の粒度を示すために用いられる質量中位径(質量累積頻度粒度:D50)は、JIS Z 8901(2006年)「試験用粒子の平均粒子径の測定方法」に規定されるように、「ある粒子径より大きい質量が、全粉体の質量の50%を占めるときの粒子径」となっており、本実施形態では[m]の単位で示されている。
つまり、本実施形態の質量中位径(D50)は、JIS Z 8901(2006年)に規定されるように、固体酸素源をその種類に応じてふるい分け法または沈降法によって分級した上で粒子径分布を求めるか、あるいは付属書に規定される顕微鏡を用いた方法によって粒子径分布を計測し、計測された粒子径分布に基づいて累積質量が全質量の50%となる中位径を求めたものとなっている。
本発明において、上述した式(1)の関係を満たしつつ精錬を行うのは、次のような理由からである。
すなわち、上述した気体酸素源を上吹酸素ランス3から溶銑1の浴面に供給すると、浴面に衝突した酸素ガスの勢いで溶銑1に浮遊したスラグSが掻き分けられ、気体酸素ガスが溶銑1の浴面に直接衝突する。この箇所は一般に「火点」と言われる部分である。この「火点」にはスラグSは存在していないが、「火点」を取り囲むように「火点」の周囲にはスラグSが浮遊状態で存在している。ここで、本発明では上述した式(2)の反応により脱りん処理が進行するため、固体酸素源のFeOを「火点」ではなく、「火点」の周囲に存在するスラグSに供給しなくてはならない。
ところが、質量中位径(D50)が小さ過ぎる場合は、固酸素源供給用ノズル4から吐出(噴射)された固体酸素源が集塵ガスの流れに乗って容器外に流れ出てしまうため、固体酸素源が確実にスラグSに供給されない場合がある。また、「火点」を外して固体酸素源を噴出させても、気体用ノズル8から噴射される気体酸素源に引き込まれて(エジェクター効果)、「火点」に固体酸素源が供給され、スラグSに供給される固体酸素源の量が不十分となる可能性もある。一方で、質量中位径(D50)が大きくなることで粒子が持つ慣性力が大きくなる。そのため、固酸素源供給用ノズル4から噴射された固体酸素源は慣性に従い、ガス流れに逆らって直進しやすくなる。つまり、スラグSに直接供給されやすくなる。
とはいえ、質量中位径(D50)が大き過ぎる場合は、固酸素源供給用ノズル4を用いなくても溶銑処理容器2の上側の炉口から投入可能となるので、本発明のように固酸素源供給用ノズル4を用いて固体酸素源を供給する必要がなくなる。つまり、固酸素源供給用ノズル4から噴射される固体酸素源には、スラグSに達するようにするため最適な粒度が存在する。
また、上吹酸素ランス3の中心軸に対する固酸素源供給用ノズル4の取り付け角度(上吹酸素ランス3の中心軸に対して固酸素源供給用ノズル4の中心軸が為す角度)と、上吹酸素ランス3の中心軸に対する気体用ノズル8の取り付け角度(上吹酸素ランス3の中心軸に対して気体用ノズル8の中心軸が為す角度)との差があまりない場合にも、酸素ガスの噴流に固体酸素源搬送用ガスの噴流が取り込まれ、固体酸素源搬送用ガス中の固体酸素源は「火点」に供給されるようになり、同様にりん分配が高位に維持され難くなる。
以上のことから、上吹酸素ランス3に対する固酸素源供給用ノズル4の取り付け角度(α)、上吹酸素ランス3に対する気体用ノズル8の取り付け角度(β)、固体酸素源の質量中位径(D50)と間の関係を整理したものが、上述した式(1)の関係式となる。
なお、固体酸素源の粒度分布を示す場合には、質量中位径(D50)のように質量を基準とするものだけでなく、個数や体積を基準とするものなどがある。このように本発明で固体酸素源の粒度分布を示すのに質量を基準とする質量中位径(D50)を用いているのは、固体酸素源の粒子が供給される際の慣性力などの影響を考慮したかったためである。例えば、同じ体積の粒子であっても、密度が異なれば質量は異なり、慣性力(質量×速度)も異なる。つまり、固体酸素源の慣性力などの影響を正確に評価するという観点からは、質量を基準とする質量中位径(D50)を、固体酸素源の粒度分布を示す指標として用いるのが好ましい。
それゆえ、上述した式(1)の関係を満足する本発明の固体酸素源の供給方法では、副系統のガス供給管7の先端に設けられた気体用ノズル8から吐出された固体酸素源は確実にスラグSに達し、供給された固体酸素源によってスラグS中のFeOの濃度を常に高濃度に維持することができる。そのため、従来の固体酸素源の供給方法のように、吹錬末期にスラグ中の酸素ポテンシャルが低下してしまうことがなく、スラグS中の酸素ポテンシャルを高位に維持しつつ脱りん能を維持することができる。それゆえ、本発明の固体酸素源の供給方法では、溶銑中からりんを十分に取り除くことが可能となるのである。
次に、実施例と比較例とを用いて、本発明の固体酸素源の供給方法が有する作用効果をさらに詳しく説明する。
実施例及び比較例は、250tの転炉を溶銑処理容器2として実際使用して、固体酸素源の粒度、気体用ノズル8及び固酸素源供給用ノズル4の取り付け角度α、βを変えつつ上述した溶銑処理容器2中で脱りん処理を行い、脱りん処理後のりん濃度を測定したものである。
具体的には、上述した実施例及び比較例は、脱珪処理を行った後、転炉型の溶銑処理容器2にて脱りん処理を行ったものであり、溶銑温度 、溶銑重量は、脱りん処理中に刻々と変化するものであるが、この実施形態では、溶銑の装入前に測定した値を用いた。また、溶銑深さは、転炉内の耐火物の損耗状況により変化するが、溶銑重量の平均値と、炉の容量とを用いて、一律2mとした。炉の容量は、当該転炉内の耐火物を施工したときの状態を基準とした。転炉に装入した溶銑(処理前の溶銑)は、高炉で出銑して高炉鋳床で脱珪処理を行うか、或いは、高炉で出銑して高炉鋳床では脱珪処理を行わなかったものを使用した。
溶銑1の深さが2mとなるように溶銑処理容器2に脱珪処理後の溶銑1を装入している。なお、必要に応じて、高炉の鋳床でも脱珪処理を行った。脱珪処理後の溶銑1を化学分析した所、これらの溶銑1には、[C]が4.2mass%〜4.6mass%、[Si]が0.28mass%〜0.45mass%、[Mn]が0.19mass%〜0.38mass%、[P]が0.110mass%〜0.125mass%が含まれていることが分かっている。
また、脱りん処理に際しては、溶銑1に精錬剤(脱りん剤)として、焼石灰、ミルスケール、鉄鉱石などからなる副原料を、添加後の塩基度(CaO/SiO2)が1.80となるように溶銑処理容器2の炉上から添加した。具体的には、上述した溶銑264.9t〜265.2tに対して、焼石灰を2753〜4809kg、ミルスケールを1600〜5300kg、鉄鉱石を2000kgとなるように添加した。
さらに、脱りん処理の開始直後から3.5minまでは、脱珪反応を促進するために純酸素の気体酸素源を上吹酸素ランス3の気体用ノズル8から400Nm3/minで吹き込み、3.5min〜13minについては、脱りん反応を促進するために気体酸素源の吐出速度(上吹き酸素流量)を200Nm3/minに絞った。
さらにまた、固体酸素源として脱りん処理に用いた粉塵ダストは、質量中位径(D50)が2.3×10−6μmの「ダスト(微粉)」、質量中位径(D50)が3.4×10−5μmの「ダスト(粗粉)」、高炉原料のペレット製造に使用される鉄鉱石で質量中位径(D50)が2.5×10−4μmの「ペレットフィード」、さらには同じく高炉原料の焼結鉱製造に使用される鉄鉱石で質量中位径(D50)が5.0×10−4μmの「シンターフィード」を用いている。
上述した条件で精錬を行った結果を、表1に示す。
上述した表1に示す実施例及び比較例の結果を、横軸に「パラメータ:D50×(β−α)」、縦軸に「処理後[P]濃度:[P]」をとって整理すると、図3のグラフが得られる。
図3を見ると、脱りん処理後のりん濃度:[P]を0.025mass%以下とするには、パラメータ:D50×(β−α)を1.4×10-4以上とする必要があることがわかる。つまり、比較例の結果は、図3におけるパラメータ:D50×(β−α)が1.4×10-4より小さい範囲に、また実施例の結果は、図3におけるパラメータ:D50×(β−α)が1.4×10-4以上の範囲にのみ存在しており、実施例の結果と比較例の結果とが2つの領域に明確に類別されている。
以上のことから、上述した「D50×(β−α)」というパラメータを、1.4×10-4以上とすることで、脱りん処理後のりん濃度を0.025mass%以下に保持できると判断される。
なお、式(1)の関係は、気体用ノズル8と固酸素源供給用ノズル4の角度差が大きいほど、または固体酸素源の質量中位径(D50)が大きいほど、スラグS中のFeOの濃度を高濃度に維持して、脱りん処理を効率的に促進できることを示していると考えることもできる。
また、式(1)の関係を満足するβではあっても、βが以下の式(3)を満足しない場合は、スラグSに固体酸素源が直接供給されず、溶銑処理容器2の炉壁に衝突して炉壁耐火物が摩耗もしくは溶損する恐れがあるため好ましくない。
以上述べたように、溶銑の脱りん処理において、上吹酸素ランス3から固体酸素源を供給するに際し、式(1)の関係を満足することで、溶銑脱りん処理の際に、スラグS表面あるいはスラグS中に固体酸素源を効果的に供給することができ、スラグS中の酸素ポテンシャルを高位に保つことができ、溶銑とスラグSのりん分配を増加させて脱りん効率を向上させることが可能となる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 溶銑
2 溶銑処理容器
3 上吹酸素ランス
4 固酸素源供給用ノズル
5 羽口
6 主系統のガス供給管
7 副系統のガス供給管
8 気体酸素供給用ノズル
S スラグ

Claims (1)

  1. 転炉型の溶銑処理容器内に装入された溶銑に対して、上吹酸素ランスから気体酸素源を吹き込みつつ溶銑の脱りん処理を行うにおいては、
    前記上吹酸素ランスに、前記気体酸素源を供給する主系統のガス供給管と、前記主系統のガス供給管とは隔離状態で配備され且つ固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給する副系統のガス供給管とを予め設けておき、
    前記上吹酸素ランスから前記固体酸素源を供給するに際しては、質量中位径D50が式(1)を満足する前記固体酸素源を、前記副系統のガス供給管から前記溶銑処理容器内へ供給することを特徴とする溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法。
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