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JP2017002245A - 活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物 Download PDF

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JP2017002245A
JP2017002245A JP2015120183A JP2015120183A JP2017002245A JP 2017002245 A JP2017002245 A JP 2017002245A JP 2015120183 A JP2015120183 A JP 2015120183A JP 2015120183 A JP2015120183 A JP 2015120183A JP 2017002245 A JP2017002245 A JP 2017002245A
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meth
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JP2015120183A
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佐内 康之
Yasuyuki Sanai
康之 佐内
祐子 大田
Yuko Ota
祐子 大田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

【課題】組成物の製造が容易であり、得られる硬化膜が、ソフトフィール性及び密着性に優れ、さらには爪による引掻きによっても傷がつかないという耐擦傷性にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物の提供。【解決手段】ポリエーテルジ(メタ)アクリレート(A1)を必須成分として含むエチレン性不飽和基を有する化合物(A)及びガラス転移温度が−100℃〜30℃である微粒子状の高分子フィラー(B)を含有する活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、その硬化膜は、特に「ソフトフィール」と呼ばれるしっとり感を備え、かつ基材に対する密着性や耐擦傷性に優れるため塗料等のコーティング用途に好ましく使用することができ、これら技術分野に属する。
尚、本明細書においては、アクリレート又は/及びメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(メタ)アクリル酸と表し、アクリロイル基又は/及びメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表す。
従来、金属、ガラス及びプラスチック等の種々の基材に対しては、基材表面を保護したり、美観や意匠性を付与する目的で、塗料組成物を使用して基材上に保護膜を形成する手法が用いられる。特に、プラスチック基材は、軽量であり、耐衝撃性及び易成形性等に優れているが、表面が傷つきやすく硬度が低いため、そのまま使用すると外観を著しく損なうという欠点がある。このため、プラスチック基材の表面を塗料組成物で塗装し、いわゆるハードコート処理して、耐擦傷性を付与し表面硬度を向上することが求められる。
従来、プラスチック基材の表面硬度を改善する方法として、硬化膜の硬度に優れる脂環式骨格を有する(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型組成物が知られている(特許文献1、2)。脂環式骨格を有する(メタ)アクリレートはガラス転移点(Tg)が高く、硬度良好であることが多いが、活性エネルギー線硬化時の応力が大きいため基材に対する密着性が得られにくい傾向がある。又、特許文献1及び2ではプラスチック基材に対する密着性は実施例において開示されていない。
又、特許文献2の方法では、あらかじめ熱重合開始剤を用いて反応性高分子を製造するが、この時に用いる熱重合開始剤が残存していると、活性エネルギー線硬化型組成物の保存中に重合により硬化してしまうおそれがあり、十分な安定性を有しているとは言えない。
一方、硬化時の応力が少なく、密着性や耐カール性が良好な活性エネルギー線硬化型コーティング剤として、環状エーテルの光カチオン重合を利用したものが知られている(特許文献3)。この方法では、(メタ)アクリレートの光ラジカル重合を用いたコーティング剤と比べ、密着性や耐カール性が良好であることが実施例において開示されている。
ところが、カチオン重合は作業雰囲気下の湿度が硬化性に大きく影響することが知られている。特にハードコートでは薄膜で塗工することが多いため、湿度の影響が出やすく、梅雨や夏場には所望の硬化性やコーティングとしての性能が得られないおそれがある。
湿度の影響を受けにくく、密着性が良好な活性エネルギー線硬化型コーティング剤として、4−(メタ)アクリロイルモルホリンと水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレートを組み合わせる方法が知られている(特許文献4)。4−(メタ)アクリロイルモルホリンを用いることで良好な密着性が得られているが、この方法では硬化時の収縮が大きく、耐カール性良好なものとすることはできない。
又、最近では単に「硬い塗膜」ではなく、硬化膜に十分な耐擦傷性を備えているのみではなく、見た目の高級感、ソフト感が求められるようになってきている。特に化粧品容器及び携帯電話等では塗膜を備えたこれら物品を触った時に、硬く光沢のある触感ではなく、しっとりとしたソフト感があり、適度に光沢を抑えた塗膜のほうが高級感が得られることから、従来のハードコートとは異なる特徴を備えたコーティング材料が求められるようになってきている。
この様な「ソフトフィール」となる硬化膜の形成方法としては、沸点が120〜180℃である溶剤とポリイソシアネートとポリオールとを含む下塗り塗料を塗工し、室温で溶剤を揮発させながら塗膜層を発泡させた後に、有機ビーズ層を含む上塗り塗料を塗工し、加熱硬化させる方法が知られている(特許文献5)。
しかしこの方法では、下塗りと上塗りの二層塗工が必要であるため、プロセスが煩雑であり、かつ上塗り塗料は加熱硬化に時間がかかるため、十分な生産性を有しているとは言えない。
生産性が改善された組成物として、ウレタン(メタ)アクリレートと合成樹脂フィラーとからなる活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている(特許文献6)。
当該組成物によれば、活性エネルギー線を照射して硬化させるという簡便な方法により、得られた硬化膜がしっとりとしたソフトな指触感のあるものとすることができる。
しかし、化粧品用容器や携帯電話等、モデルチェンジのサイクルが早く、長期にわたる耐久性が要求されないような用途においては、さらに簡便に取り扱える塗料が好ましく、より低コストの組成物が求められている。
特開2003−268263号公報 特開2013−49802号公報 特開2007−284613号公報 特開2012−111943号公報 特開2009−131821号公報 特開2014−122338号公報
本発明者らの検討結果によると、特許文献6の様なウレタン(メタ)アクリレートと合成樹脂フィラーを含む組成物では、これらを配合しようとすると、ウレタン(メタ)アクリレートが高粘度であるため、合成樹脂フィラーを均一に分散させることが困難であり、合成樹脂フィラーが凝集しやすく、局所的に合成樹脂フィラー濃度が高いところと低いところが発生することで硬化膜の美観を損ね、高級感が得られにくいという問題を有するものであった。
有機溶剤等で組成物を希釈することでこの問題は解決できるが、粘度を下げるためには多量の有機溶剤が必要となるため、有機溶剤を除去するための乾燥時間が長くなり工程が長くなるため経済性を損ない、加熱に弱いプラスチック基材では変形してしまったり、さらには溶剤の揮発に伴う膜厚低下が避けられず、硬化膜の高級感を損なうなどといった問題があった。
本発明者らは、組成物の製造が容易であり、得られる硬化膜が、ソフトフィール性及び密着性に優れ、さらには爪による引掻きによっても傷がつかないという耐擦傷性にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物を見出すため鋭意検討を行った。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリエーテルジ(メタ)アクリレート及び微粒子状の高分子フィラーを含む活性エネルギー線硬化型組成物が、ソフトフィール性、基材密着材、爪による引掻きによっても傷がつきにくく、さらには使用する有機溶剤の量が少なくて済むために、乾燥時間が短くても良く、膜厚低下がないために高級感のある硬化膜が容易に得られることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、主成分であるポリエーテルジ(メタ)アクリレートが低粘度であるため、微粒子状の高分子フィラーとの分散性に優れハンドリング性が良好であり、又、有機溶剤の量が少なくて済むために、乾燥時間が短くても良く、膜厚低下がなく、さらに得られる硬化膜が、ソフトフィール、密着性及び耐擦傷性に優れたものとなる。
本発明は、ポリエーテルジ(メタ)アクリレート(A1)〔以下、「(A1)成分」という〕を必須成分として含むエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下、「(A)成分」という〕及びガラス転移温度が−100℃〜30℃である微粒子状の高分子フィラー〔以下、「(B)成分」という〕を含む活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
以下、必須成分である(A)成分、(B)成分、その他の成分、使用方法等について説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、活性エネルギー線を照射することにより硬化する化合物である。そして、(A)成分は、(A1)成分であるポリエーテルジ(メタ)アクリレートを必須成分として含むものである。
(A)成分は、(A1)成分を必須成分とするものであるが、必要に応じて、ポリエステル(メタ)アクリレート〔以下、「(A2)成分」という〕及び(A1)及び(A2)成分以外の一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下、「(A3)成分」という〕を含んでいても良い。
(A)成分の粘度としては、(B)成分と混合するときに、高粘度でさらには糸引き等があると分散が困難となるため、低粘度であることが好ましい。
(A)成分の粘度としては、具体的には室温(25℃)における粘度として、5〜5,000mPa・sが好ましく、より好ましくは10〜2,000mPa・sである。(A)成分の粘度を好ましい範囲とすることで、一般的なウレタン(メタ)アクリレートの粘度よりも数桁低く、ハンドリングに優れるうえ、(B)成分の分散が容易となる。
本発明における粘度とは、25℃においてE型粘度計で測定した値を意味する。
以下、(A1)、(A2)及び(A3)成分について説明する。
1)(A1)成分
(A1)成分は、ポリエーテルジ(メタ)アクリレートである。
(A1)成分におけるエーテル構造としては、アルキレンオキサイド単位を有する化合物である。アルキレンオキサイド単位としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイドが好ましく、これらの中でも(A)成分の硬化性に優れることからエチレンオキサイドがより好ましい。
(A1)成分におけるアルキレンオキサイド単位の繰り返しとしては、低粘度であり、かつ組成物の硬化物が良好なソフトフィール性となることから、3〜15が好ましく、4〜12がより好ましい。アルキレンオキサイド単位の繰り返し数を3以上にすることで、得られる硬化膜が硬くなりすぎることを防止し、良好なソフトフィール性を得ることができる。又、当該繰り返し数を15以下とすることで、ソフトフィール性を維持しつつ、爪による引掻きに対する耐擦傷性に優れるものとすることができる。
(A1)成分の粘度としては、(B)成分と混合するときに、高粘度でさらには糸引き等があると分散が困難となるため、低粘度であることが好ましい。
(A1)成分の粘度としては、具体的には5〜100mPa・sが好ましく、より好ましくは10〜80mPa・sである。(A1)成分の粘度を好ましい範囲とすることで、一般的なウレタン(メタ)アクリレートの粘度よりも数桁低く、ハンドリングに優れるうえ、(B)成分の分散が容易となる。
(A)成分は、(A1)成分を必須成分とするものであるが、(A2)成分又は/及び(A3)成分を配合する場合における(A1)成分の割合としては、(A)成分の合計部数を100重量部としたときに、50〜98重量部を含むことが好ましく、さらに好ましくは60〜95重量部である。
(A1)成分を50重量部以上とすることで、硬化膜に良好なソフトフィール性を付与することができ、98重量部以下とすることで、硬化膜が柔らかくなりすぎることを防止し、耐擦傷性に優れるものとすることができる。
2)(A2)成分
(A2)成分は、ポリエステル(メタ)アクリレートである。
(A2)成分としては、多価アルコールと、二価カルボン酸又はその無水物酸(以下、単に「二価カルボン酸(無水物)」という)と、(メタ)アクリル酸との反応物〔以下、(A2-1)成分」という〕が、並びにポリエステルポリオール及び(メタ)アクリル酸との反応物〔以下、(A2-2)成分」という〕が挙げられ、(A2-1)成分が好ましい。
以下、(A2-1)成分及び(A2-2)成分について説明する。
(1)(A2-1)成分
(A2-1)成分は、多価アルコールと、二価カルボン酸(無水物)と、(メタ)アクリル酸との反応物である。
以下、原料化合物及び製造方法について説明する。
(a)多価アルコール
多価アルコールとしては、2価以上のアルコールであれば種々の化合物を使用することができる。
2価のアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;水素化ビスフェノールA、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール及び2,7−デカリングリコール等の脂環式ジオール等;パラキシレングリコール等の芳香族ジオール等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、これら化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用することができる。アルキレンオキサイドの好ましい具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
本発明において、アルキレンオキサイドを有する多価アルコールを用いる場合、多価アルコールの水酸基1当量当たりに付加されるアルキレンオキサイドは20モル以下が好ましく、多価アルコール1モル当たりに付加されるアルキレンオキサイドの全量は40モル以下が好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数を、多価アルコールの水酸基1当量当たり20モル以下、又は多価アルコール1モル当たり40モル以下にすることにより、得られる(メタ)アクリレートの粘度上昇を抑制し、硬化物の耐水性に優れるものとすることができる。
多価アルコールとしては、前記した化合物の中でも、アルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートが好ましい。
(b)二価カルボン酸(無水物)
二価カルボン酸(無水物)は、1分子当たり2個のカルボキシル基を有する有機酸又はその酸無水物であればよい。
具体的化合物としては、例えばコハク酸、具体的化合物としては、たとえばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸及びエンドヘット酸、並びにこれら化合物の無水物等が挙げられる。
二価カルボン酸(無水物)としては、二価カルボン酸無水物が好ましく、さらに、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物及びヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましい。
(c)反応割合
(A2-1)成分における、多価アルコール、二価カルボン酸(無水物)及び(メタ)アクリル酸の反応割合としては目的に応じて適宜設定すれば良い。
(A2-1)成分としては、低分子量体から高分子量体の様々な化合物を使用することができるが、低分子量体を使用することが好ましい。
低分子量体を製造する場合において、好ましくは下記反応下記式〔1〕を満たすことが好ましい。
1.1≦A/B かつ 0.5≦C/(TA−2B)〔1〕
但し、式〔1〕における記号は、下記を意味する。
A:多価アルコールのモル数、B:二価カルボン酸(無水物)のモル数、C:(メタ)アクリル酸のモル数、T:多価アルコールの価数
上記モル比A/Bを1.1以上とすることで、反応物の分子量が大きくなり過ぎることを防止し、低粘度の(メタ)アクリレートを得ることができる。モル比A/Bの上限は5以下とすることが好ましく、これにより多価アルコール及び(メタ)アクリル酸の2成分からなる反応生成物の割合を少なくすることができ、3成分の反応物である(メタ)アクリレートに起因する、優れた硬化物の特性を維持することができる。モル比A/Bは4以下であることがより好ましい。
モル比A/Bは1.1〜2.2が好ましく、さらに1.5〜2.0がより好ましい。
上記当量比C/(TA−2B)を0.5以上とすることで、得られる(メタ)アクリレート含有組成物から得られる硬化性を優れるものとすることができる。当量比C/(TA−2B)の上限は2以下とすることが好ましく、これにより反応物中に未反応の(メタ)アクリル酸を少なくすることができ、経済的であるうえ、又組成物の性状、硬化特性、得られる硬化物の物性等に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
当量比C/(TA−2B)は0.9〜1.5が好ましく、さらに1.0〜1.5がより好ましい。
各原料の比率を上記条件〔1〕の下で反応させれば、低粘度の低分子量体である(A2)成分を容易に得ることができ、500〜3000の数平均分子量を有するものが好ましい。
さらに、(A2)成分としては、多価アルコールと二価カルボン酸(無水物)との繰り返しが1〜50である化合物が好ましい。
当該繰り返しは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す)により得られる分子量分布を示すピークの各溶出時間から算出される。検量線から換算される各溶出時間に対応する分子量を、構成成分である、多価アルコール、二価カルボン酸(無水物)及び末端に付加した(メタ)アクリル酸の分子量で割り付けることにより、繰り返し数を算出する測定により定めることができる。
(d)製造方法
上記各原料を反応させる順序について特に制限はなく、例えば多価アルコールと二価カルボン酸(無水物)とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させたり、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを反応させた後、二価カルボン酸(無水物)を反応させたりする2段反応、或いは各原料を一挙に1段で反応させる方法がある。
2段反応は、分子量分布が狭く、低粘度の(A2)成分を高収率で得ることができる点で好ましく、一方1段反応は、工程が少ないため安価に目的物を得ることができる点で好ましい。又、2段反応の内、反応制御が容易なため、多価アルコールと二価カルボン酸(無水物)とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させる方法が最も好ましい。
(A2-1)成分の製造においては、本発明に用いる各原料のモル比及び当量比に関する上記の条件を満足させればよく、反応温度及び反応時間については特に制限がない。
多価アルコールと二価カルボン酸(無水物)とのエステル化反応は、好ましくは50〜300℃、特に好ましくは70〜250℃の温度で行い、(メタ)アクリル酸を反応させる際には、(メタ)アクリル酸の重合を抑制するために、エステル化反応よりやや低温で行うことが好ましく、一般的には約50〜130℃、特に好ましくは約65〜110℃の温度において行なうことができる。一段反応の場合の好ましい反応温度は、(メタ)アクリル酸を反応させるときの温度である。エステル化反応の進行状況は、反応系から留出する水の量で判断することができ、所定の量の水が留出したならば反応を終了すれば良い。
エステル化反応においては酸触媒を使用する。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸及びフッ化ホウ酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸、並びに強酸性カチオン型イオン交換樹脂等が挙げられる。
酸触媒の割合としては、二価カルボン酸(無水物)及び/又は(メタ)アクリル酸の酸成分に対して、好ましくは0.1〜20モル%、特に好ましくは1〜7モル%の濃度で存在させる。
エステル化反応では、原料の(メタ)アクリル酸や得られた(メタ)アクリレートの重合を抑制するため、重合禁止剤の存在下で行なうことが好ましくい。
重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、t−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−ニトロソジフェニルアミン及び銅塩等が挙げられる。
又、重合を抑制する他の効果的な方法として、酸素含有気体の雰囲気下で反応したり、酸素含有気体を反応液中に導入しながら反応する方法がある。
又、エステル化反応においては、生成する水を共沸脱水する目的で有機溶剤を使用することが好ましい。
好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレン等の塩素系炭化水素化合物、並びにメチルエチルケトン等のケトン等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、ポリオール、二価カルボン酸(無水物)及び(メタ)アクリル酸の合計量に対して10〜75重量%となる割合、より好ましくは15〜55重量%となる割合が好ましい。
(2)(A2-2)成分
(A2-2)成分は、ポリエステルポリオール及び(メタ)アクリル酸との反応物である。
前記(A2-1)成分では、多価アルコール、二価カルボン酸(無水物)及び(メタ)アクリル酸を同時に反応させるのに対して、(A2-2)成分では原料として既に製造してある高分子量体のポリエステルポリオールを使用する点が異なる。
(A2-2)成分原料のポリエステルポリオールは、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物から製造されるものである。
多価アルコールとしては、前記したものと同様の化合物が挙げられる。
多価カルボン酸又はその無水物としては、二価カルボン酸(無水物)が好ましく、前記と同様の化合物が挙げられる。
(A2-2)成分は、ポリエステルポリオール及び(メタ)アクリル酸の反応により得られる化合物であるが、前記と同様の製造方法に従い製造することができる。
(3)含有割合
(A2)成分の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部中に、2〜50重量%含むことが好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
(A2)成分の含有割合が2重量%以上にすることで、硬化膜を表面硬度及び耐擦傷性に優れるものとすることができる。50重量部以下とすることで、硬化膜が硬くなりすぎることを防止し、しっとり感を付与することができる。
(A2)成分は、硬化過程における架橋反応により硬化膜の耐擦傷性を向上させるだけではなく、ウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレートのような他のアクリルオリゴマーと比べて表面硬化速度がやや遅いことから、硬化膜最表面の硬度を内部硬度よりもわずかに下げることにより、硬化膜のソフトフィール性をより良好にする効果がある。
3)(A3)成分
(A3)成分は、前記(A1)及び(A2)成分以外の一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(A3)成分としては、前記(A1)及び(A2)成分以外の化合物で、一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物あれば種々の化合物を使用することができる。
具体的には、1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「単官能不飽和化合物」という)、及び2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「多官能不飽和化合物」という)を挙げることができる。
(1)単官能不飽和化合物
単官能不飽和化合物の例としては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「単官能(メタ)アクリレート」という)、及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルアミド化合物(以下、「単官能(メタ)アクリルアミド」という)等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する単官能(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基を有する単官能(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシ(メタ)アクリレート及びp−クミルフェノールエチレン(メタ)アクリレート等の芳香族単官能(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロリルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のマレイミド基を有する単官能(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロイルモルホリン;
エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルキルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート;
3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有単官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、具体的には、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;並びに
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジヘキシル(メタ)アクリルアミドのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(2)多官能不飽和化合物
多官能不飽和化合物の例としては、2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「2官能(メタ)アクリレート」という)、及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「3官能以上(メタ)アクリレート」という)等を挙げることができる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のジオールジ(メタ)アクリレート;
グリセリンのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのジ(メタ)アクリレート等のポリオールのジ(メタ)アクリレート;
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート
イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート;並びに
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。この場合アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイド等を挙げることができる。
このほかに、ビスフェノール骨格や、ポリエーテル骨格、ポリアルキレン骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート等も用いることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとして、具体的には、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ、テトラ、ペンタ又はヘキサペンタ(メタ)アクリレート等のポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
これらポリオールアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等;並びに
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。この場合アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイド等を挙げることができる。
このほかに、ノボラック骨格を有する多官能エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A3)成分としては、親水性基を有する化合物が、基材への密着性をさらに向上させるために好ましい。
親水性基として水酸基を有する化合物である場合、水酸基含有単官能(メタ)アクリレート及び水酸基含有(メタ)アクリルアミドが好ましい。
水酸基含有単官能(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリルアミドとしては、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
親水性基として酸性基を有する化合物である場合の例としては、(メタ)アクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート及びフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基含有化合物、リン酸と(メタ)アクリル酸とのエステル化物等のリン酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A3)成分が、親水性基として酸性基を有する化合物である場合の割合としては、硬化性成分合計量中に0.0001〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜5重量%である。
(A3)成分としては、このほかにアルキレンオキサイド単位を有する多官能(メタ)アクリレートが、しっとり感を損なうことなく耐擦傷性をさらに向上させることができるため好ましい。
アルキレンオキサイド単位としては、エチレンオキサイド、ジエチレンオキサイド、トリエチレンオキサイド、さらに繰り返しが長いポリエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジプロピレンオキサイド、トリプロピレンオキサイド、さらに繰り返しが長いポリプロピレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、ポリ(テトラメチレンオキサイド)等が挙げられる。
当該化合物の具体例としては、前記した通りであり、それらの中でも、ペンタエリエスリトールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリエスリトールアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
(A3)成分の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部中に、0〜30重量%含むことが好ましく、より好ましくは2〜15重量%である。
この割合とすることで、基材への密着性を向上させることができる。
2.(B)成分
(B)成分は、ガラス転移温度(以下、「Tg」という)が−100℃〜30℃である微粒子状の高分子フィラーである。
(B)成分は、組成物に配合することにより、硬化膜にしっとり感を付与することができる。(A)成分のみでも柔軟な、いわゆるソフトな硬化膜を得ることはできるが、指で触った時に抵抗が少ないためにしっとりとした触感を得ることができない。(B)成分を併用することで、ソフトかつしっとりとした触感を得ることができる。
硬化膜に優れた触感を得るためには、(B)成分のTgは−100℃〜30℃とする必要がある。−100℃に満たないものは、一般的な入手が困難であるうえ、指で触った時の抵抗がほとんどなく、ソフトではあってもしっとりした手触り感は得られなくなる。一方、Tgが30℃を超えるものは、硬化膜が十分なソフト感を得ることができず、硬い触感となってしまう。
本発明においてTgとは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した値を意味する。
(B)成分における高分子としては、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリウレア、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン及びポリプロピレン等種々のものを用いることができる。
これら高分子の中でも、前記したTg範囲のものを容易に得ることができるため、ポリウレタン及びポリ(メタ)アクリレートが好ましく、硬化膜がしっとり感により優れるため、ポリウレタンがより好ましい。
(B)成分は微粒子であり、その平均粒径としては1〜15μmであることが好ましく、より好ましくは4〜12μmである。平均粒径が1μm以上とすることで、硬化膜が硬くすべすべした触感となることを防止し、硬化膜にしっとり感を付与することができる。一方、15μm以下とすることで、硬化膜がざらざらとした触感になったり、ざらざらとなることで爪により引掻いたときに抵抗が大きくなることにより傷がつき易くなることを防止することができる。
本発明における平均粒径とは、レーザー回折法により波長680nmで測定した値を意味する。
(B)成分は市販品を使用することができる。
(B)成分においてポリウレタン系高分子フィラーとしては、根上工業(株)製アートパールPシリーズ、アートパールJBシリーズ、アートパールCシリーズ、アートパールUシリーズ、アートパールAKシリーズ、アートパールCEシリーズ、アートパールHIシリーズ等が挙げられる。これらの中でも、C−800、C−600、P−600T、P−800T、JB−600T、JB−800T、AK−800TR、MM−120T等が挙げられる。
(B)成分の割合としては、(A)成分の合計部数100重量部に対して、(B)成分が10〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは25〜100重量部である。(B)成分の割合を10重量部以上とすることで、硬化膜にしっとり感を付与することができる上、硬化膜の光沢が高くなりすぎることを防止し、見た目が高級感を有するものとすることができる。一方、200重量部以下とすることで、硬化膜表面のざらつきが強くなりすぎことを防止し、耐擦傷性に優れるものとすることができる。
3.活性エネルギー線硬化型組成物
本発明の組成物の製造方法としては、(A)及び(B)成分を撹拌・混合すれば良く、(A)成分と後記するその他の成分を混合した後、当該混合物に(B)成分を添加した後、撹拌・混する方法が、(B)成分を組成物全体に分散できるため好ましい。
組成物の粘度は目的に応じて適宜設定すれば良く、100〜20,000mPa・sが好ましい。
本発明の組成物は、前記(A)及び(B)成分を必須とするものであるが、必要に応じて種々の成分を配合することができる。
好ましいその他の成分としては、光重合開始剤〔以下、「(C)成分」という〕、及び有機溶剤〔以下、「(D)成分」という〕
以下、(C)及び(D)成分について説明する。
1)(C)成分
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物であり、紫外線、可視光線及び電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる。
電子線硬化型組成物として使用する場合は、(C)成分(光重合開始剤)を含有させず、電子線により硬化させることも可能である。
本発明の組成物は、硬化の容易性やコストの観点から、(C)成分を更に含有することが好ましい。
本発明における(C)成分としては、種々の公知の光重合開始剤を使用することができる。
又、(C)成分としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
(C)成分の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;
メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸の2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル及びオキシフェニル酢酸の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;
2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)〕−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びに
カンファーキノン等が挙げられる。
これらの中でも、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及び、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく挙げられ、アセトフェノン系化合物が特に好ましく挙げられる。
(C)成分は、1種のみを使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.5〜7重量部であることがより好ましく、1〜5重量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、組成物の硬化性に優れ、又、得られる硬化膜の耐擦傷性に優れる。
2)(D)成分
本発明の組成物は、組成物の塗布性や取扱い性の観点から、(D)成分である有機溶剤を更に含有することができる。
本発明の硬化性成分である(A)成分は比較的低粘度でありハンドリング性が良好であることから、(D)成分を加えなくても(B)成分と容易に混合できることが多いが、(B)成分の使用部数が多い場合等には(D)成分をさらに用いることが好ましい。
本発明における有機溶剤としては、種々の公知の有機溶剤を使用することができる。
(D)成分としては、(A)成分を溶解するものが好ましく、(D)成分を含有する場合は、(A)成分及び(C)成分を溶解するものがより好ましい。
(D)成分の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル化合物;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン化合物;ジブチルエーテル等のエーテル化合物;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレングリコールモノエーテル化合物、ケトン化合物が好ましく、アルキレングリコールモノエーテル化合物がより好ましい。
(D)成分は、1種のみを使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、10〜1,000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましく、50〜300重量部であることがさらに好ましい。上記範囲であると、組成物を塗工に適当な粘度とすることができ、後記する公知の塗布方法で組成物を容易に塗布することができる。
3)その他の成分
本発明の組成物は、前記した(C)及び(D)成分以外のその他の成分をさらに含有していてもよい。
その他の成分としては、公知の添加剤を用いることができるが、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸性物質、無機粒子、酸化防止剤、シランカップリング剤、表面改質剤、ポリマー、酸発生剤、顔料、染料、粘着性付与剤、重合禁止剤等が挙げられる。
後記するその他の成分は、1種のみを使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤の具体例としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビスブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子等の紫外線を吸収する無機粒子等が挙げられる。
前記化合物の中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
紫外線吸収剤の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜2重量部であることがさらに好ましい。
<光安定剤>
光安定剤としては、公知の光安定剤を用いることができるが、中でも、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましく挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、BASF社製、TINUVIN 111FDL、TINUVIN123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜2重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることがさらに好ましい。
<酸性物質>
本発明の組成物は、プラスチック等の基材への密着材に優れるものであるが、酸性物質を添加することでさらに密着性を向上させることができる。
酸性物質としては、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光酸発生剤や、硫酸、硝酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸等が挙げられる。
これらの中でも、無機酸又は有機酸が好ましく、有機スルホン酸化合物がより好ましく、芳香族スルホン酸化合物がさらに好ましく、p−トルエンスルホン酸が特に好ましい。
酸性物質の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.0001〜5重量部であることが好ましく、0.0001〜1重量部であることがより好ましく、0.0005〜0.5重量部であることがさらに好ましい。上記範囲であると、基材との密着性により優れ、基材の腐蝕や他の成分の分解といった問題の発生を防ぐことができる。
<酸化防止剤>
本発明の組成物は、硬化膜の耐熱性や耐候性を良好にする目的で、酸化防止剤をさらに含有していてもよい。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、又は、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を好ましく挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が好ましく挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、例えば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。
酸化防止剤の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。上記態様であると、組成物の安定性に優れ、又、硬化性及び接着力が良好である。
<シランカップリング剤>
本発明の組成物は、基材との密着性をより良好にする目的で、シランカップリング剤をさらに含有していてもよい。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定はなく、公知のものを用いる事ができる。
シランカップリング剤の好ましい具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
又、前述したエチレン性不飽和基及びアルコキシシリル基を有する化合物を用いることもできる。
シランカップリング剤の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。上記範囲であると、基材との密着性により優れる。
<表面改質剤>
本発明の組成物は、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて耐擦傷性を高める目的等のため、表面改質剤を添加してもよい。
表面改質剤としては、表面調整剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、スベリ性付与剤、防汚性付与剤等が挙げられ、これら公知の表面改質剤を使用することができる。
それらのうち、シリコーン系表面改質剤及びフッ素系表面改質剤が好適に挙げられる。具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖とを有するシリコーン系ポリマー及びオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー、並びに、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するフッ素系ポリマー及びオリゴマー等が挙げられる。
又、滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中にエチレン性不飽和基、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する表面改質剤を使用してもよい。
表面改質剤の含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部であることが好ましい。上記範囲であると、塗膜の表面平滑性に優れる。
<ポリマー>
本発明の組成物は、得られる硬化膜の耐カール性をより改良する目的等で、(B)成分以外のポリマーをさらに含有していてもよい。
好適なポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸を共重合したポリマーの場合、グリシジル(メタ)アクリレートを付加させて(メタ)アクリロイル基をポリマー鎖に導入してもよい。
ポリマーの含有割合は、(A)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の耐カール性により優れる。
4.使用方法
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良い。
例えば、適用される基材に組成物を通常の塗装方法により塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法が挙げられる。活性エネルギー線の照射方法は、従来の硬化方法として知られている一般的な方法を採用すれば良い。
又、組成物に(D)成分(光重合開始剤)を併用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、プラスチック、木材、金属、無機材料及び紙等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ノルボルネン等の環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
木材としては、自然の木材及び合成木材等が挙げられる。
金属としては、鋼板、アルミ及びクロム等の金属、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化インジウムスズ(ITO)等の金属酸化物等が挙げられる。
無機材料としては、ガラス、モルタル、コンクリート及び石材等が挙げられる。
これらの中でも、プラスチック基材が特に好ましい。
本発明の組成物の基材への塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、バーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ディップコーター、ロールコーター、スピンコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
基材に対する組成物硬化膜の膜厚は、目的に応じて適宜設定すればよい。硬化膜の厚さとしては、使用する基材や製造した硬化膜を有する基材の用途に応じて選択すればよいが、1〜100μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
組成物が(D)成分(有機溶剤)を含む場合は、基材に塗工した後、加熱・乾燥させ、有機溶剤を蒸発させることが好ましい。
乾燥温度は、適用する基材が変形等の問題を生じない温度以下であれば特に限定されるものではない。好ましい加熱温度としては、40〜100℃である。乾燥時間は適用する基材及び加熱温度によって適宜設定すれば良く、好ましくは0.5〜3分である。
本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、電子線、紫外線及び可視光線が挙げられるが、紫外線又は可視光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線(UV)無電極ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜2,000mJ/cm2がより好ましい。
5.用途
本発明の組成物は種々の用途に使用可能であり、コーティング剤として好ましく使用することができる。
コーティング剤の具体例としては、プラスチックのハードコート、木工用塗料、モルタル及びスレート等のトップコート用塗料並びに電子回路を構成するプリント基板の防水塗料等が挙げられる。
コーティング剤の具体的な使用形態としては、口紅容器等の化粧品容器、携帯電話本体のコーティング及び自動車内装部材のコーティング等が挙げられる。
本発明の組成物の硬化膜は、ソフトフィール性に優れるため意匠性及び美観が要求される用途により好ましく使用することができ、化粧品容器及び携帯電話等のコーティング剤として好ましく使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
又、以下において、特に断りのない限り、「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味する。
1.製造例
1)製造例1〔(A2)成分の製造〕
還流管を設置した3Lの側管付き四口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸164部、トリメチロールプロパン235部、アクリル酸250部、p−トルエンスルホン酸20部、4−メトキシフェノール0.2部、トルエン780gを仕込み、含酸素ガス(酸素5容量%、窒素95容量%)をフラスコ内に吹き込みながら、反応液温度82〜97℃で加熱攪拌した。反応の進行に伴って、生成する水をディーンスターク管で系外に取出しながら、5時間の脱水エステル化反応を行った。
反応終了後に、トルエン1000gを加えて希釈した。20%水酸化ナトリウム水溶液600gを攪拌下に添加して十分に撹拌し、静置した後に下相を除去した。次に、撹拌下で有機相に蒸留水250gを添加して撹拌し、静置した後に下層を除去した。上層の有機相を減圧下に加熱してトルエンを留去した。
得られたアクリレートは630g(収率96%)、粘度は35000mPa・s(50℃)であった。以下、「PEA1」という。
PEA1を使用し、GPC(カラム:ウォーターズ社製 Styragel HR 4ETHF及びStyragel HR 1THF、溶離液:THF)を使用して得られた分子量分布を示すピークの各溶出時間を測定した。
検量線から換算される各溶出時間に対応する分子量を、構成成分であるトリメチロールプロパン、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び末端に付加したアクリル酸の分子量で割り付けることにより、繰り返し数を算出した結果、1〜48の繰り返しを含むものの混合物であった。
2.実施例1〜同5及び比較例1〜同4(組成物の調製)
後記表1及び表2に示す(A)成分について、E型粘度計により25℃における粘度を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
後記表1及び表2に示す各成分に関して、(B)成分以外の成分を室温にてを撹拌・混合したのちに、さらに(B)成分を追加添加、混合することで活性エネルギー線硬化型組成物を得た。
尚、比較例2においては、(D)成分(有機溶剤)を実施例と同様に50部配合した後に(B)成分を混合したが高粘度であり、(B)成分が凝集したため、(D)成分を100部配合せざるを得なかった。
得られた組成物について、25℃における粘度を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
3.評価方法
得られた組成物をドクターブレードを用い、三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂板アクリライトL #001に乾燥後の膜厚が20μmとなるよう塗工し、90℃の乾燥機にて3分乾燥させた。
尚、比較例2の組成物の場合は、乾燥が不十分であったため、合計で5分間乾燥した。
乾燥後に、コンベアを備えた高圧水銀ランプ〔アイグラフィックス(株)製H06−L 41〕を用いて、UV−A照度80W/cm、照射エネルギー800mJ/cm2で紫外線を照射した。
得られた硬化膜を使用し、以下の方法に従い評価した。それらの結果を表3に示す。
1)指触性(ソフトフィール性)
得られた硬化膜について、指で塗膜表面を擦った時の感触を評価し、以下の3水準で判定した。
◎:塗膜表面に適度な抵抗と弾力があり、しっとりとしたソフト感が感じられる。
○:やや塗膜表面の抵抗が少なくすべすべ感があるもの、十分なソフト感が感じられる。
×:全くソフト感が感じられない。
2)密着性
得られた硬化膜に、カッターナイフで縦横1mm間隔の切り込みを入れて、1mm×1mmの大きさの升目100個を形成し、この碁盤目上にニチバン(株)製#405のセロハンテープを貼り付けた後に強く剥がした。剥離後の残膜数により、以下の3水準で評価した。
◎:残膜升目数が90個以上、○:残膜升目数が80〜89個、×:残膜升目数が79個以下
3)耐擦傷性
得られた硬化膜について、爪で擦った後の硬化膜表面を目視で観察し、傷・凹みの有無を確認し、以下の3水準で評価した。
○:傷・凹みなし、△:傷はないが、わずかに塗膜に凹みが残る、×:明らかに傷が認められる
4)作業性
本発明の組成物は、(B)成分を配合すると粘度が大幅に上昇するため、(A)成分の粘度が低いほうが取扱いしやすく、(B)成分混合時に有機溶剤が不要であったり、有機溶剤を添加するとしても添加部数を少なくすることができる。
(A)成分の粘度が室温で10,000mPa・s以下のものを作業性○、10,000mPa・sを超えるものを作業性×と判定した。
Figure 2017002245
Figure 2017002245
表1及び表2における略号は、下記を意味する。表1及び表2中の括弧書きは、各成分の部数を意味する。
◆(A1)成分
・M−245:ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレングリコールの繰り返し数:9)、東亞合成(株)製アロニックスM−245、粘度(25℃):54mPa・s
・M−270:ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロピレングリコールの繰り返し数:12)、東亞合成(株)製アロニックスM−270、粘度(25℃):71mPa・s
・M−240:ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレングリコールの繰り返し数:4)、東亞合成(株)製アロニックスM−240、粘度(25℃):19mPa・s
◆(A3)成分
・EO−PETA:ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性(エチレンオキサイドの付加モル数:4)テトラアクリレート、東亞合成(株)製MT-3533
・M−1200:ポリエステル系ウレタンアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−1200
◆(B)成分
・JB−800T:ポリウレタン系ビーズ、根上工業(株)製JB−800T(Tg:−52℃、平均粒径:6μm)
・C−600:ポリウレタン系ビーズ、根上工業(株)製C−600(Tg:−13℃、平均粒径:10μm)
◆(B’)成分
・SE−006T:ポリメチルメタクリレート系架橋ビーズ、根上工業(株)製SE−006T(Tg:>100℃、平均粒径:6μm)
・SE−1:シリカビーズ、(株)トクヤマ製エクセリカ SE−1(平均粒径:1μm)
◆(C)成分
・HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製IRGACURE184
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製DAROCURTPO
◆その他の成分
・CER929:マイクロナイズドワックス添加剤 BYK社製 CERAFLOUR 929
Figure 2017002245
4.評価結果
実施例1〜同5の結果から明らかなように、本発明の組成物は、硬化膜のソフトフィール性、基材への密着性、耐擦傷性及び作業性のいずれにも優れるものであった。
これに対して、比較例1の組成物は、(A1)成分を含まないために硬化膜のソフトフィール性が不十分であるうえ、密着性も得られなかった。比較例2の組成物は(B)成分の代わりに、Tgが本発明の上限30℃をはるかに高い高分子フィラーを使用したものである。比較例2の組成物は、作業性に優れるものの、硬化膜がソフトフィール性を有しない上、高分子フィラーが硬いことにより、爪で引っ掻いたときの抵抗感が大きいために硬化膜の耐擦傷性が大きく低下してしまった。比較例3の組成物は、(A1)を含まず主成分をウレタンアクリレートとしたものである。比較例3の組成物は、ソフトフィール性、密着性及び耐擦傷性を付与でき、硬化膜としての性能は十分なものが得られるが、硬化性成分の粘度が高くなりすぎるために、前記した通り(D)成分(有機溶剤)を実施例の倍の量を配合しないと(B)成分を分散できず、又、乾燥に時間を要するため作業性が悪いものであった。比較例4の組成物は、(B)成分の代わりに無機フィラーを使用したものである。比較例4の組成物は、作業性に優れるものの、硬い無機粒子を使用しているために硬化膜がソフトフィール性を有しないうえ、さらには表面がざらざらした手触りとなり、爪で擦った時の抵抗が大きく、耐擦傷性が不良となってしまった。
本発明の活性エネルギー線硬型組成物は、コーティング剤として好適に使用可能であり、得られる硬化膜はソフトフィール性、密着性、耐擦傷性に優れるものであり、化粧品容器、スマートフォン、タブレット端末等の筐体用の塗料として好ましく使用できる。

Claims (12)

  1. ポリエーテルジ(メタ)アクリレート(A1)を必須成分として含むエチレン性不飽和基を有する化合物(A)及びガラス転移温度が−100℃〜30℃である微粒子状の高分子フィラー(B)を含有する活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記(A1)成分が、アルキレンオキサイド単位としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びテトラメチレンオキサイドのいずれかを含み、これらアルキレンオキサイド単位の繰り返し数が3〜15を有する化合物である請求項1記載の硬化型組成物。
  3. 前記(B)成分の平均粒径が1〜15μmである請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 前記(B)成分の高分子がポリウレタンである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 前記(A)成分が、さらにポリエステル(メタ)アクリレート(A2)を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 前記(A2)成分が、多価アルコールと、二価カルボン酸又はその無水物酸と、(メタ)アクリル酸との反応物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 前記(A)成分が、さらに(A1)及び(A2)成分以外の一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(A3)を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. (A)成分の合計100重量部に対して、(B)成分を10〜200重量部の割合で含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  9. さらに、光重合開始剤(C)を含有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
  10. さらに、有機溶剤(D)を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の組成物からなる活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の組成物からなるプラスチック用活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020515665A (ja) * 2017-03-28 2020-05-28 アルケマ フランス ソフトタッチコーティングの形成に有用な組成物
JP2022098710A (ja) * 2020-12-22 2022-07-04 Dic株式会社 容器用ニス組成物

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