JP2017002189A - 変性ジエン系重合体組成物、サイドウォール用ゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスを高度に保ちつつ、転がり抵抗特性に優れる変性ジエン系重合体組成物を提供する。【解決手段】本発明は、110℃において測定されるムーニー緩和率、変性率、及び重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が所定の範囲内である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を含むゴム成分と、特定のゴム状重合体(ロ)と、シリカ系無機充填剤とを含む変性ジエン系重合体組成物に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、変性ジエン系重合体組成物、サイドウォール用ゴム組成物、及びタイヤに関する。
近年、二酸化炭素排出量の抑制等、環境に対する配慮が社会的要請となっており、自動車に対する低燃費化への要望が高まってきている。タイヤが地面と接するトレッド部分のヒステリシスロスは、タイヤ全体の転がり抵抗の50〜60%を占めていることから、従来、トレッド部分のヒステリシスロスを低減することができるゴム材料の開発が行われている。
このようなゴム材料に用いられる、ゴム状重合体、カーボンブラック、及びシリカ等が開発され、また、これらを含む配合技術の改良等によって、トレッド部分のヒステリシスロスは大きく低下してきており、タイヤの転がり抵抗も大きく低減されつつある。
しかしながら、タイヤの転がり抵抗を更に低下させるために、トレッド部分のみでヒステリシスロスを低下させようとした場合、耐摩耗性や湿潤路面でのグリップ性能などの他の性能が低下することから、トレッド部分のみの改良には限界がある。そのため、トレッド部分以外の部位、例えばサイドウォール部分のヒステリシスロスを低下させて、タイヤの転がり抵抗を低減させることも提案されている。
タイヤのサイドウォールには、カット性を向上させる目的で、ブタジエンゴム等の共役ジエン系共重合体を配合したゴム組成物を使用することが一般的である。
例えば、特許文献1には、ネオジウム系触媒を用いて重合されたブタジエンゴム30〜60重量%と、他のジエン系ゴム70〜40重量%とからなるゴム成分100重量部に対し、特定のシリカを10〜40重量部と、特定のカーボンブラックを10〜30重量部含有してなる、タイヤサイドウォール用ゴム組成物が記載されている。
特許文献2には、特定の式で表される化合物により変性されたブタジエンゴム及び希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムの合計含有量が5〜95質量%であるゴム成分を含有するサイドウォール用ゴム組成物が記載されている。
また、特許文献3には、(A)アニオン重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を重合することによって、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系重合体の重合活性末端に、シリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する化合物を反応させてなる変性共役ジエン系重合体を20質量%以上含有するゴム成分30〜70質量部、及び(B)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、ポリイソプレンから選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体70〜30質量部からなるゴム組成物と、(C)シリカ系無機充填剤を含むサイドウォール用ゴム組成物が記載されている。
しかしながら、サイドウォールにおいて、転がり抵抗特性を改善するために、例えば、シリカ等の補強剤の配合量を減じる方法を試みたところ、ゴム組成物の形状が安定せず、押し出し加工性が悪化する傾向があることが分かった。一方、押し出し加工性の悪化を抑制するために、固体のレジンを配合する方法を試みたところ、転がり抵抗特性が悪化する傾向があることが分かった。このように、転がり抵抗特性と押し出し加工性は相反する関係にあるが、上記特許文献1〜3に記載の方法においてもこれら特性の両立が不十分であり、更なる改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスを高度に保ちつつ、転がり抵抗特性に優れる変性ジエン系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至った。本発明は以下のとおりである。
1. (イ)110℃において測定されるムーニー緩和率が0.45以下であり、変性率が75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を含む、ゴム成分(イ)を30〜70質量部と、
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。
2. (イ)110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)、及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を含む、ゴム成分(イ)を30〜70質量部と、
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び前記片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の合計含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び前記片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の合計含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。
3. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、少なくとも1つの末端に窒素原子を有し、窒素含有アルコキシシラン置換基を中心とする星形高分子構造を有する、上記1又は2に記載の変性ジエン系重合体組成物。
4. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められる第一の数平均分子量に対する、GPC−光散乱法測定により求められる第二の数平均分子量の比が、1.00以上である、上記1〜3のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
5. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められる第一の重量平均分子量に対する、GPC−光散乱法測定により求められる第二の重量平均分子量の比が、1.00以上である、上記1〜4のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
6. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、前記第一の数平均分子量が、200,000以上2,000,000以下であり、前記第一の数平均分子量に対する前記第一の重量平均分子量の比が、1.90以上3.50以下である、上記1〜5のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
7. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、下記一般式(A)又は(B)で示される、上記1〜6のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
8. 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、
分子内に少なくとも1つ窒素原子を持つ有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、
前記共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により、変性させる変性工程と、
を有する製造方法から得られるものである、上記1〜7のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
分子内に少なくとも1つ窒素原子を持つ有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、
前記共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により、変性させる変性工程と、
を有する製造方法から得られるものである、上記1〜7のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
9. 前記変性剤が、下記一般式(1)〜(3)のうち少なくとも一つで表される変性剤を含む、上記8に記載の変性ジエン系重合体組成物。
10. 前記変性剤は、前記式(1)で表され、mは2でありかつnは3である変性剤、又は、前記式(2)で表され、m、n、及びlは全て3である変性剤である、上記9に記載の変性ジエン系重合体組成物。
11. 前記有機リチウム化合物は、下記一般式(14)〜(17)のいずれか一つで表される有機リチウム化合物を含む、上記8〜10のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
12. 前記片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体の重合活性末端に、シリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する変性剤を反応させて得られる片末端変性共役ジエン系共重合体である、上記2〜11のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
13. 前記ゴム成分(イ)及び前記ゴム状重合体(ロ)の合計100質量部に対し、前記(ハ)シリカ系無機充填剤を0.5〜300質量部含む、上記1〜12のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
14. 前記ゴム成分(イ)及び前記ゴム状重合体(ロ)の合計100質量部に対し、更に(二)カーボンブラックを0.5〜100質量部含む、上記1〜13のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
15. タイヤのサイドウォール用ゴム組成物である、上記1〜14のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物。
16. 上記1〜15のいずれかに記載の変性ジエン系重合体組成物の架橋物を含む、タイヤ。
本発明によれば、転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスを高度に保ちつつ、転がり抵抗特性に優れる、変性ジエン系重合体組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、(イ)特定の変性共役ジエン系重合体を特定量含有するゴム成分(イ)、(ロ)特定のゴム状重合体(ロ)、及び(ハ)シリカ系無機充填剤を含む。
<<(イ)ゴム成分>>
本実施形態において、変性ジエン系重合体組成物はゴム成分(イ)を含む。ゴム成分(イ)は、110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)(以下、単に「両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)」又は「成分(イ1)」と記載することもある)を含む。本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれるゴム成分(イ)は、下記第1の態様及び第2の態様のうち少なくとも一方に該当する。
本実施形態において、変性ジエン系重合体組成物はゴム成分(イ)を含む。ゴム成分(イ)は、110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)(以下、単に「両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)」又は「成分(イ1)」と記載することもある)を含む。本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれるゴム成分(イ)は、下記第1の態様及び第2の態様のうち少なくとも一方に該当する。
本実施形態の第1の態様において、ゴム成分(イ)は、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)をゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上含む。本実施形態の第1の態様は、特に転がり抵抗性に優れる。
また、本実施形態の第2の態様において、ゴム成分(イ)は、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)に加え、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)(以下、単に「片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)」又は「成分(イ2)」と記載することもある)を含み、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)と片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)とを合計で20質量%以上含む。本実施形態の第2の態様は、特に、加硫物とするときの押し出し加工性に優れる。
本実施形態においては、ゴム成分(イ)が上記第1の態様及び第2の態様のうち少なくとも一方に該当すればよい。なお、本明細書において、態様を特に明記していない記載については、第1の態様及び第2の態様のいずれにも適用するものとする。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(イ)を30〜70質量部と後述するゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部含む。ゴム成分(イ)が30〜70質量部であると、押し出し加工特性、及び耐カット性が向上する。転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスの観点から、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の含有量は、それぞれ、40〜60質量部及び、60〜40質量部であることが好ましい。以下、各成分について説明する。
<両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)>
本実施形態において、ゴム成分(イ)は、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を含む。両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である。
本実施形態において、ゴム成分(イ)は、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を含む。両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である。
本実施形態の第1の態様においては、転がり抵抗特性、及び押出し加工性の観点から、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の含有量は、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、20質量%以上であればよく、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。また、本実施形態の第2の態様においては、転がり抵抗特性、及び押出し加工性の観点から、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び後述する片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の合計含有量は、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、20質量%以上であればよく、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の110℃におけるムーニー緩和率(以下、温度の条件を省略して、単に「MSR」、又は「ムーニー緩和率」ともいう。)は、0.45以下であればよく、0.42以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.38以下であることがさらに好ましく、0.35以下であることがよりさらに好ましい。また、ムーニー緩和率の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよく、0.15以上であることが好ましい。ムーニー緩和率が0.45以下であることに起因して、転がり抵抗特性が発現されると考えられる。MSRは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
MSRは、その変性共役ジエン系重合体の分子量及び分岐数の指標となる。例えば、MSRが減少するにつれて、変性共役ジエン系重合体の分子量及び分岐数(例えば、星形高分子の分岐数(以下、「星形高分子の腕数」ともいう。))が増加する傾向にある。後述するムーニー粘度が等しい変性共役ジエン系重合体を比較する場合には、変性共役ジエン系重合体の分岐が多いほどMSRが小さくなるため、この場合のMSRは、分岐度の指標として用いることができる。
ムーニー緩和率を0.45以下とするためには、例えば、変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量を70万以上かつ分岐度を3以上にするか、又は変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量を65万以上かつ分岐度を4以上にすれば、0.45以下となる傾向にある。また、ムーニー緩和率を0.40以下とするためには、例えば、変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量を75万以上かつ分岐度を3以上にするか、又は変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量を70万以上かつ分岐度を4以上にすれば、0.40以下となる傾向にある。さらに、分岐度は、例えば、変性剤の官能基数、変性剤の添加量、又はメタレーションの進行度等によって制御することができる。
本実施形態において、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、加硫物とする際の加工性と加硫物としたときの耐摩耗性との観点から、110℃で測定されるムーニー粘度(以下、温度の条件を省略して、単に「ムーニー粘度」ともいう。)が、100以上200以下であることが好ましく、110以上180以下であることがより好ましく、120以上160以下であることがさらに好ましい。ムーニー粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の変性の指標である変性率は、75質量%以上であればよく、78質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、88質量%以上であることがよりさらに好ましく、90質量%以上であることがさらにより好ましい。ここで、「変性率」とは、対象とする共役ジエン重合体のうち、特定官能基を有する重合体の割合(質量%)のことをいう。例えば、「変性率」は、対象とする共役ジエン重合体のうち、重合開始末端に窒素原子を有する重合体、及び/又は後述する式(1)、(2)、若しくは(3)で表される変性剤により変性されている変性共役ジエン系重合体の割合(質量%)で表される。
本実施形態において、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ムーニー緩和率は0.45以下であり、かつ変性率が75質量%以上であればよく、より好ましくは、ムーニー緩和率が0.45以下であり、かつ変性率が78質量%以上であり、さらに好ましくは、ムーニー緩和率が0.44以下であり、かつ変性率が80質量%以上であり、よりさらに好ましくは、ムーニー緩和率が0.43以下であり、かつ変性率が85質量%以上であり、さらにより好ましくは、ムーニー緩和率が0.42以下であり、かつ変性率が88質量%以上であり、特に好ましくは、ムーニー緩和率が0.40以下であり、かつ変性率が90質量%以上である。
ムーニー緩和率が0.45以下であり、かつ変性率が75質量%以上である変性共役ジエン系重合体を得るためには、例えば、変性開始剤、すなわち分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、重合後にさらに特定の分岐率を与える変性剤を用いて変性することが好ましい。この際、分子内に少なくとも1つ窒素原子を持つ有機リチウム化合物を重合開始剤として用いると連鎖移動反応が促進されることから、特定以上の変性率と特定以下のMSRを同時に達成するためには、重合条件を制御することが好ましい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の変性率を75質量%以上とするためには、変性剤の添加量及び反応によって制御することができる傾向にあり、例えば、後述する分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用いて重合することが好ましい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、少なくとも1つの末端に窒素原子を有し、窒素含有アルコキシシラン置換基を中心とする星形高分子構造を有することが好ましい。少なくとも1つの末端に窒素原子を有するためには、例えば、後述する製造方法に記載する重合工程において、重合開始剤に窒素を含有するものを用いることにより、達成することができる傾向にある。また、窒素含有アルコキシシラン置換基は、変性剤由来の構造であることが好ましい。本明細書でいう「星形高分子構造」とは、1つの分岐点から線状分子鎖(腕)が複数結合している構造である。また、ここでいう一つの分岐点は、少なくとも窒素原子を含む線状分子鎖と、アルコキシシラン基を含む線状分子鎖とに結合していることが好ましい。
本実施形態において、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の第一の数平均分子量(Mn)に対する第一の重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、1.90以上であればよく、加硫物の物性の観点から、好ましくは、1.90以上3.50以下であり、より好ましくは1.93以上3.50以下であり、さらに好ましくは1.93以上3.40以下であり、よりさらに好ましくは1.95以上2.7以下であり、特に好ましくは1.95以上2.5以下である。また、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の第一の数平均分子量(Mn)が200,000以上2,000,000以下であり、かつ(Mw/Mn)が1.90以上3.50以下であることがより好ましい。ここで、第一の数平均分子量(Mn)及び第一の重量平均分子量(Mw)とは、それぞれ、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により求められるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量のことをいう。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、性能と加工特性とのバランスの観点から、第一の数平均分子量(Mn)が200,000以上2,000,000以下であることが好ましく、250,000以上1,500,000以下であることがより好ましく、300,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。第一の数平均分子量(Mn)が200,000以上であることで、加硫物としたときの強度を一層向上させることができる傾向にあり、1,000,000以下であることで、加工性を一層向上させることができる傾向にある。また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、性能と加工性のバランスの観点から、第一の重量平均分子量(Mw)が400,000以上4,000,000以下であることが好ましく、500,000以上3,000,000以下であることがより好ましく、600,000以上2,000,000以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により求められるポリスチレン換算の第一の数平均分子量(Mn)に対するGPC−光散乱法測定により求められる第二の数平均分子量(Mn−i)の比(Mn−i/Mn)が、1.00以上であることが好ましく、1.20以上であることがより好ましく、1.30以上であることがさらに好ましい。
第一の数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、得られるポリスチレン換算の数平均分子量であり、相対分子量である。相対分子量は、測定する高分子の回転半径に影響を受ける。一方、第二の数平均分子量は、GPC−光散乱法測定により測定される数平均分子量(Mn−i)であり、絶対分子量である。絶対分子量は、高分子の回転半径に影響を受けない。よって、第一の数平均分子量に対する第二の数平均分子量(Mn−i/Mn)は、高分子の分岐構造と分子量の指標となる。すなわち、(Mn−i/Mn)が1.00以上である場合、分子量が高く、分岐構造を有している構造であることになる。(Mn−i/Mn)の上限は特にないが、3.00以下であることが好ましい。
(Mn−i/Mn)が1.00以上であることで、得られる変性共役ジエン系重合体の星形高分子由来の分岐度が向上する傾向にある。(Mn−i/Mn)が1.00以上である変性共役ジエン系重合体を得るためには、例えば、3以上の分岐を有し、かつ、第一の数平均分子量が30万以上である変性共役ジエン系重合体とすることで得られる傾向にあり、さらには、4以上の分岐を有し、かつ、第一の数平均分子量が32万以上である変性共役ジエン系重合体とすることが好ましい。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により求められるポリスチレン換算の第一の重量平均分子量(Mw)に対するGPC−光散乱法測定により求められる第二の重量平均分子量(Mw−i)の比(Mw−i/Mw)が、1.00以上であることが好ましく、1.02以上であることがより好ましく、1.05以上であることがさらに好ましい。
第一の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、得られるポリスチレン換算の重量平均分子量であり、相対分子量である。相対分子量は、測定する高分子の回転半径に影響を受ける。一方、第二の重量平均分子量(Mw−i)は、GPC−光散乱法測定により、得られる重量平均分子量は絶対分子量である。絶対分子量は、高分子の回転半径に影響を受けない。よって、第一の重量平均分子量に対する第二の重量平均分子量(Mw−i/Mw)は、高分子の分岐構造と分子量の指標となる。すなわち、(Mw−i/Mw)が1.00以上である場合は、分子量が高く、分岐構造を有している構造であることになる。(Mw−i/Mw)の上限は特にないが、2.00以下であることが好ましい。
(Mw−i/Mw)が1.00以上であることで、得られる変性共役ジエン系重合体の変性率が向上する傾向にある。(Mw−i/Mw)が1.00以上である変性共役ジエン系重合体を得るためには、例えば、3以上の分岐を有し、かつ、第一の重量平均分子量(Mw)を60万以上である変性共役ジエン系重合体とすることで得られる傾向にある。ゲル浸透クロマトグラフィー測定及びGPC−光散乱法測定は、後述する実施例に記載の方法により行うことができる。
本実施形態において、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、下記一般式(A)及び/又は(B)で表される、両末端変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
式(A)で表される両末端変性共役ジエン系重合体において、R25と結合しているSi原子を分岐点として、その分岐点は、線状分子鎖(腕)である、R25、(OR21)3-a-b、R22 b、及び(Polym)aと結合しているから、式(A)で表される両末端変性共役ジエン系重合体は、上述した「星形高分子構造」を有するものに該当する。
式(B)で表される両末端変性共役ジエン系重合体において、R34と結合しているSi原子を分岐点として、その分岐点は、線状分子鎖(腕)である、R34、(OR28)3-a-b、R29 b、及び(Polym)aと結合しているから、式(B)で表される両末端変性共役ジエン系重合体は、上述した「星形高分子構造」を有するものに該当する。
式(A)及び式(B)中の(Polym)は、それぞれ独立して、共役ジエン化合物を重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することで得られる共役ジエン系重合体鎖を表し、少なくともその一つの末端が、上記一般式(4)〜(7)から選ばれる少なくとも一つで表される官能基を有する。(Polym)を構成する共役ジエン系重合体は、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合して得られる共役ジエン系重合体であることが好ましい。共役ジエン系重合体については、その製造方法の説明とともに詳細を後述する。
式(A)において、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を表すことがより好ましい。R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を表すことが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基を表すことがより好ましい。R27は、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。また、R21〜R24が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。また、R25及びR26が表すものとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。R27が表すものとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
式(A)において、(Polym)を構成する共役ジエン系重合体鎖部分の数平均分子量は、特に制限されないが、各々独立に、250,000以上1,500,000以下であることが好ましく、350,000以上900,000以下であることがより好ましい。
式(B)において、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を表すことがより好ましい。R34、R35、R36は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を表すことが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基を表すことがより好ましい。また、R28〜R33が表すものとしては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。また、R34及びR35が表すものとしては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。
式(B)において、(Polym)を構成する共役ジエン系重合体鎖部分の数平均分子量は、特に制限されないが、各々独立に、250,000以上1,500,000以下であることが好ましく、350,000以上900,000以下であることがより好ましい。
式(4)において、R10及びR11のうち少なくとも一方がアルキル基の場合には、該アルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。R10及びR11のうち少なくとも一方が表すものがシクロアルキル基の場合には、該シクロアルキル基は、炭素数5〜7のシクロアルキル基であることが好ましい。R10及びR11のうち少なくとも一方がアラルキル基の場合には、該アラルキル基は、炭素数6〜8のアラルキル基であることが好ましい。R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R10及びR11は、結合して炭素数5〜7のアルキレン基を表すことが好ましい。また、R10及びR11が表す基としては、以下のものに限定されないが、それぞれ独立に、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくはブチル基、イソブチル基である。R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R10及びR11が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が挙げられ、好ましくは、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基である。
式(5)において、R12及びR13のうち少なくとも一方がアルキル基のとき、該アルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくは、ブチル基、イソブチル基である。R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R12及びR13が結合して表す基としては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が挙げられ、好ましくは、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基である。
式(5)において、R14は、炭素数1〜8のアルキレン基を表すことが好ましい。R14としては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が挙げられ、好ましくは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。
式(6)において、R15及びR16としては、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましい。該アルキル基としては、それぞれ独立に、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基である。
式(7)において、R17は、炭素数4〜6のアルキレン基を表すことが好ましい。R18は、炭素数1〜4のアルキル基を表すことが好ましい。また、R17としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基が挙げられ、好ましくは、ペンチレン基、へキシレン基である。R18が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基である。
<両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれる、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、
分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程(以下、単に「重合工程」ともいう)と、
該共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により変性させる変性工程(以下、単に「変性工程」ともいう)と、
を有するのが好ましい。両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を構成する共役ジエン系重合体は、単一の共役ジエン化合物の単独重合体、異なる種類の共役ジエン化合物の重合体すなわち共重合体、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である。以下、重合工程及び変性工程について説明する。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれる、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、
分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程(以下、単に「重合工程」ともいう)と、
該共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により変性させる変性工程(以下、単に「変性工程」ともいう)と、
を有するのが好ましい。両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を構成する共役ジエン系重合体は、単一の共役ジエン化合物の単独重合体、異なる種類の共役ジエン化合物の重合体すなわち共重合体、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である。以下、重合工程及び変性工程について説明する。
〔重合工程〕
成分(イ1)を製造するための重合工程においては、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用いるのが好ましく、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る。
成分(イ1)を製造するための重合工程においては、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用いるのが好ましく、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る。
(重合開始剤)
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を製造するための重合開始剤は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物、又は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いることができる。重合開始剤系は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておいてもよいし、後述する重合又は共重合を行うための反応器中に供給し、重合又は共重合と同時、もしくはその前に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウムとを反応させてもよい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を製造するための重合開始剤は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物、又は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いることができる。重合開始剤系は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておいてもよいし、後述する重合又は共重合を行うための反応器中に供給し、重合又は共重合と同時、もしくはその前に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウムとを反応させてもよい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造における重合開始剤系に用いる、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物としては、下記一般式(24)〜(26)で表される化合物を用いることができる。
式(24)において、R10及びR11が表すものとして、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、3−フェニル−1−プロピル基、イソブチル基、デシル基、ヘプチル基、フェニル基が挙げられる。式(24)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジへプチルアミン、ジへキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ−2−エチルへキシルアミン、ジデシルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルベンジルアミン、メチルフェネチルアミンが挙げられる。式(24)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。式(24)で表される化合物は、後述する変性ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ジブチルアミン、ジへキシルアミンが好ましく、より好ましくはジブチルアミンである。
R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(24)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジンが挙げられる。式(24)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。式(24)で表される化合物は、後述する変性ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、後述する変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくはピペリジンである。
式(25)において、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキレン基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表すことである。式(25)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−クロロ−ジメチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジエチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジプロピルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘプチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘキシルプロパン−1−アミン、3−クロロロプロピル−エチルヘキサン−1−アミン、3−クロロ−ジデシルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルブタン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、ベンジル−3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルフェネチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−メチルフェネチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロプロピル)アザシクロオクタン、6−(3−クロロプロピル)−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(3−クロロプロピル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1−(3−ブロモプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−ヨードプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロブチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロペンチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロヘキシル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロデシル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。式(25)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。式(25)で表される化合物は、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンである。
式(25)において、R14が下記式(28)〜(30)のいずれか一つの繰り返し単位を有する共役ジエン系化合物に基づく二価の基を表す場合は、Xは、水素原子を表す。
上記のXが水素原子を表す場合に、式(25)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジオクチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−(ジ−2−エチルへキシル)−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジデシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルベンジル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−メチルフェネチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、(N,N−ジへプチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、1−(2−ブテニル)アザシクロオクタン、6−(2−ブテニル)1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(2−ブテニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、(2−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、(3−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。式(25)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。式(25)で表される化合物は、後述する変性ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジブチル−2−ブテニル1−アミン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジンである。
式(26)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジプロピル−o−トルイジン、N,N−ジプロピル−m−トルイジン、N,N−ジプロピル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−o−トルイジン、N,N−ジブチル−m−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン、o−ピペリジノトルエン、p−ピペリジノトルエン、o−ピロリジノトルエン、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミン、N,N−ジメチルキシリジン、N,N−ジエチルキシリジン、N,N−ジプロピルキシリジン、N,N−ジメチルメシジン、N,N−ジエチルメシジン、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセンが挙げられる。式(26)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。式(26)で表される化合物は、後述する変性ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジンが好ましい。
重合開始剤系に含まれ、上記分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と反応させる有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウムが挙げられる。
本実施形態において、重合開始剤としての有機リチウム化合物は、変性率向上と省燃費性能向上の観点から、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有し、アニオン重合の重合開始剤として用いることが可能なものであり、下記一般式(14)〜(17)のうち少なくとも一つで表される有機リチウム化合物を含むことが好ましい。有機リチウム化合物は一種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
式(14)において、R10及びR11が表すものとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。式(14)で表される化合物としては、エチルプロピルアミノリチウム、エチルブチルアミノリチウム、エチルベンジルアミノリチウム、メチルフェネチルアミノリチウム等が挙げられる。R10及びR11は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。溶媒への可溶性、後述する変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、式(14)で表される化合物としては、ジブチルアミノリチウム、ジへキシルアミノリチウムが好ましく、より好ましくはジブチルアミノリチウムである。
式(14)において、R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(14)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジノリチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤の溶媒への可溶性、後述する変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び連鎖移動反応の抑制の観点から、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジノリチウム又はヘキサメチレンイミノリチウムであり、さらに好ましくはピペリジノリチウムである。
式(15)において、R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数4〜20の共役ジエン系化合物に基づく二価の基を表す。該共役ジエン系化合物に基づく二価の基は、下記式(18)〜(20)からなる群から選ばれる少なくとも一つで表される繰り返し単位を有する基を表すことが好ましい。
式(15)において、R14がアルキレン基を表す場合、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキレン基を表すことが好ましく、炭素数3〜10のアルキレン基を表すことがより好ましい。また、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジエチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジプロピルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジペンチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジヘキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジオクチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルへキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジデシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルプロピルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルブチルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルベンジルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(メチルフェネチルアミノ)−プロピル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−ブチル)リチウム、(5−(ジブチルアミノ)−ペンチル)リチウム、(6−(ジブチルアミノ)−ヘキシル)リチウム、(10−(ジブチルアミノ)−デシル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウムがより好ましい。
式(15)において、R14が式(18)〜(20)で表される繰り返し単位を有する共役ジエン系化合物に基づく二価の基を表す場合、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジオクチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジ−2−エチルへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジデシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルベンジルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(メチルフェネチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。開始剤としての反応性の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムである。
式(15)において、R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘプタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(オクタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(2−(ヘキサメチンレンイミニル)エチル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)ブチル)リチウム、(5−(ヘキサメチンレンイミニル)ペンチル)リチウム、(6−(ヘキサメチンレンイミニル)ヘキシル)リチウム、(10−(ヘキサメチンレンイミニル)デシル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘプタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(オクタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、後述する連鎖移動反応制御の観点から、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、さらに好ましくは(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウムである。
式(16)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−p−トルイジノリチウム、o−ピペリジノトルエノリチウム、p−ピペリジノトルエノリチウム、o−ピロリジノトルエノリチウム、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミノリチウム、N,N−ジメチルキシリジノリチウム、N,N−ジエチルキシリジノリチウム、N,N−ジプロピルキシリジノリチウム、N,N−ジメチルメシジノリチウム、N,N−ジエチルメシジノリチウム、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセノリチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合活性の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウムがより好ましい。
式(17)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、2−(2−メチルピペリジニル)−1−エチルリチウム(例えば、FMC社製の商品名「AI−250」)が挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
重合工程前に、予め分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を調製しておいてもよく、その方法は既知のあらゆる方法で調製される。
式(14)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、例えば、式(24)で表される化合物と有機リチウム化合物とを、炭化水素溶媒中で反応させることによって得られる。上記の炭化水素溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の適切な溶媒を選択すればよい。反応温度は0℃以上80℃以下が好ましく、生産性の観点から5.0℃以上70℃以下が好ましく、7.0℃以上50℃以下がさらに好ましい。式(24)で表される化合物と反応させる有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウムが挙げられる。
式(15)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、例えば、式(25)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を調製し、これに下記式(C)で表される、ジハロゲン化アルキルを反応させ、さらに有機リチウム化合物を反応させることで得られる。
式(C)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−10−クロロデカン、1−ブロモ−3−ヨードプロパン、1−ブロモ−4−ヨードブタン、1−ブロモ−5−ヨードペンタン、1−ブロモ−6−ヨードヘキサン、1−ブロモ−10−ヨードデカン、1−クロロ−3−ヨードプロパン、1−クロロ−4−ヨードブタン、1−クロロ−5−ヨードペンタン、1−クロロ−6−ヨードヘキサン、1−クロロ−10−ヨードデカンが挙げられる。式(C)で表される化合物は、反応性及び安全性の観点から、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−10−クロロデカンが好ましく、より好ましくは1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサンである。
式(25)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて、リチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、式(24)で表される化合物と有機リチウム化合物とを反応させるときの温度と同様である。得られたリチウムアミド化合物と式(C)で表される化合物とを反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物と有機リチウム化合物とを反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、式(24)で表される化合物と反応させる有機リチウム化合物と同様のものを用いることができる。
式(16)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、例えば、式(26)で表される化合物と、有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を調製し、これと上記式(C)で表される、ジハロゲン化アルキルを反応させ、さらに有機リチウム化合物を反応させることで得られる。
式(26)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて、リチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、式(24)で表される化合物と有機リチウム化合物とを反応させるときの温度と同様である。リチウムアミド化合物に式(C)で表される化合物を反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物と有機リチウム化合物とを反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。有機リチウム化合物としては、式(24)で表される化合物と反応させる有機リチウム化合物と同様のものを用いることができる。
式(15)中、R14が式(18)〜(20)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくも一種を有する共役ジエン系化合物に基づく二価の基である場合、好ましくは、以下のステップ(I)〜(IV)を順に含む方法により合成される。
(I)式(25)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を合成する。
(II)炭化水素溶媒中、得られたリチウムアミド化合物と、ブタジエン又はイソプレンとを反応させる。
(III)アルコールを加えてリチウムを失活させ、上記ステップ(II)により得られた生成物を減圧蒸留する。
(IV)上記ステップ(III)により蒸留して得られた生成物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させる。
(I)式(25)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を合成する。
(II)炭化水素溶媒中、得られたリチウムアミド化合物と、ブタジエン又はイソプレンとを反応させる。
(III)アルコールを加えてリチウムを失活させ、上記ステップ(II)により得られた生成物を減圧蒸留する。
(IV)上記ステップ(III)により蒸留して得られた生成物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させる。
式(25)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いてリチウムアミドを調製する、ステップ(I)の反応温度は式(24)で表される化合物と有機リチウム化合物とを反応させるときの温度と同様である。上記ステップ(III)におけるアルコールは一般的なものが使用できるが、低分子量のものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、より好ましくはエタノールである。ステップ(IV)の反応温度は、0℃以上80℃以下であり、好ましくは10℃以上70℃以下である。有機リチウム化合物としては、式(24)で表される化合物と反応させる有機リチウム化合物と同様のものを用いることができる。
(極性化合物)
上記分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の調製の際には、系内に極性化合物を添加してもよい。生成の促進及び炭化水素溶媒への可溶化が図れる傾向にある。極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテルが挙げられる。
上記分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の調製の際には、系内に極性化合物を添加してもよい。生成の促進及び炭化水素溶媒への可溶化が図れる傾向にある。極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテルが挙げられる。
3級モノアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタールが挙げられる。
3級ジアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノペンタン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ジピペリジノペンタン、ジピペリジノエタンが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテルが挙げられる。
環状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)ブタン、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパンが挙げられる。
極性化合物の中でも、3級モノアミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン;3級ジアミンであるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンが好ましい。極性化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機リチウム化合物を調製する際に極性化合物を添加する場合は、調製するときに用いられる溶媒に対し30質量ppm以上50,000質量ppm以下の範囲内で添加することが好ましく、200質量ppm以上20,000質量ppm以下の範囲内で添加することがより好ましい。反応促進及び溶媒への可溶化の効果を十分に発現するためには、30質量ppm以上の添加が好ましく、後の重合工程でのミクロ構造調整の自由度を確保すること及び重合後の溶媒を回収し、精製する工程における重合溶媒との分離を考慮すると、50,000質量ppm以下で添加することが好ましい。
変性前の共役ジエン系重合体は、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いて、又は少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン化合物を重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる。
重合工程において、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておき、共役ジエン化合物の重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合を行う反応器に供給して重合反応を行ってもよい。あるいは、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウム化合物をスタテックミキサー又はインラインミキサーを用いて混合して重合開始剤系を調製してもよい。重合開始剤系は、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いる場合には、1種のみならず2種以上の混合物でもよい。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造における重合工程は、バッチ式、連続式のどちらの重合方式で重合してもよいが、高変性率、高分子量、及び高分岐の共役ジエン系重合体を安定的に生産する観点から、連続式で重合することが好ましく、1個の反応器又は2個以上の連結された反応器での連続式で重合することがより好ましい。このとき、変性率を75質量%以上、MSRを0.45以下にするためには、例えば、重合温度を45℃以上80℃以下、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。変性率を78質量%以上、MSRを0.45以下にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。変性率を80質量%以上、MSRを0.44以下にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。有機リチウム化合物のフィード組成が、炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。変性率を85質量%以上、MSRを0.43以下にするためには、重合温度を50℃以上78℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。変性率を88質量%以上、MSRを0.42以下にするためには、重合温度を55℃以上76℃以下、かつ、ソリッドコンテントを15.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0008mol/L以下にすることが好ましい。さらに好ましくは、後述する連鎖移動反応を適切に制御し、変性率を90質量%以上、MSRを0.40以下、すなわち高変性率、高分子量、及び高分岐を達成する観点から、連続式の重合であり、重合温度が60℃以上72℃以下であり、ソリッドコンテントが14.0質量%以下であり、有機リチウム化合物が連続的に添加され、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.00070mol/L以下であることが好ましい。
重合工程における反応は、連続式でもバッチ式でもよいが、生産効率の観点からは、共役ジエン化合物を含む単量体と、重合開始剤(重合開始剤系であってもよい)を重合槽に連続的に供給し、連続的に重合する連続式が好ましい。連続式の場合、重合に用いられる単量体、溶媒、重合開始剤(重合開始剤系であってもよい)はそれぞれ別々に重合槽にフィードしてもよいし、攪拌機を備えた混合槽を用いる方法、配管内でスタッティクミキサーやラインミキサーを使って連続的に混合する方法であってもよい。
有機リチウム化合物の安定性の観点から、重合に用いられる単量体及び重合開始剤は、炭化水素溶媒で希釈されていることが好ましい。単量体については、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。重合開始剤が有機リチウム化合物の場合は、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましく、0.0008mol/L以下であることがより好ましい。
重合工程において、高分子量ポリマーの安定生産の観点から、重合方式が連続式であり、かつ、有機リチウム化合物が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましい。
分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体となる重合を行う場合には、Makromol.chem 186.1335−1350(1985)に記載されている様に、重合開始剤系の分子内に少なくとも1つ窒素原子の影響により、連鎖移動反応が促進されることから、リビング活性末端が失活する傾向にあり、変性率を高めるためには、特定の製造条件が必要となる場合がある。上述したように、例えば、重合温度が高くなると、連鎖移動速度又は連鎖移動率が高くなり、得られる重合体の数平均分子量は減少し、分岐度は増加し、分子量分布は広くなり、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロック部分の数が低下又は無くなる傾向にあるため、MSRが減少する傾向にある。しかし、リビング活性末端の失活が促進されると推察され、製造条件を制御しない場合には、変性率は低下してしまう傾向にある。なお、バッチ式と連続式それぞれの重合法では、連続式の重合法がより連鎖移動反応を進行させる傾向にある。
重合温度は、アニオン重合が進行し、連鎖移動反応が制御され、芳香族ビニル化合物単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ない又は無い範囲であると好ましく、特に限定されないが、生産性の観点から、45℃以上であることが好ましく、連鎖移動反応を制御し、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、80℃以下であることがより好ましく、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないという観点から、50℃以上78℃以下がさらに好ましく、60℃以上75℃以下がよりさらに好ましい。
重合工程において、上述の連鎖移動反応制御の観点から、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物、並びに溶剤の総質量に対して、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物類等の含有量であるソリッドコンテント(「モノマー濃度」ともいう。)が、16質量%以下である方が好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは14%質量以下である。また、ソリッドコンテントの下限は特に制限されないが、12.5質量%以上であることが好ましい。
重合工程において、連鎖移動反応制御及び活性末端失活抑制の観点から、重合方式が連続式であり、重合温度が45℃以上80℃以下であり、かつ、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。
(共役ジエン系重合体)
本実施形態の両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を構成する共役ジエン系重合体(以下、単に「共役ジエン系重合体」と記載することもある)は、炭化水素溶媒中で、少なくとも共役ジエン化合物を重合して得られ、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合して得てもよい。共役ジエン系重合体は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤とし、連続重合法を用いたアニオン重合反応により成長して得られることが好ましい。特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることがより好ましい。これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
本実施形態の両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を構成する共役ジエン系重合体(以下、単に「共役ジエン系重合体」と記載することもある)は、炭化水素溶媒中で、少なくとも共役ジエン化合物を重合して得られ、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合して得てもよい。共役ジエン系重合体は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤とし、連続重合法を用いたアニオン重合反応により成長して得られることが好ましい。特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることがより好ましい。これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
(共役ジエン化合物)
共役ジエン系重合体を構成するために用いられる共役ジエン化合物としては、重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン系重合体を構成するために用いられる共役ジエン化合物としては、重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(芳香族ビニル化合物)
芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば以下のものに限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば以下のものに限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
(溶媒)
重合工程は、重合溶媒中で行うことが好ましい。重合溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒として、以下のものに限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
重合工程は、重合溶媒中で行うことが好ましい。重合溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒として、以下のものに限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及び重合溶媒は、それぞれ単独で、又はこれらの混合液を、予め重合反応に供する前に、不純物であるアレン類及びアセチレン類を、有機金属化合物を反応させ処理しておくこともできる。これにより、不純物による重合の阻害が防止でき、重合体の活性末端量が高濃度となり、よりシャープな分子量分布(Mw/Mn)を達成でき、さらには高い変性率が達成される傾向にあるため、好ましい。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物は、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる傾向にある。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。これらの極性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる傾向にある。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。また、本実施形態の共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定する。
共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、25モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、変性共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ランダム共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態においては、上述した製造方法により得られた共役ジエン系重合体を、不活性溶剤中でさらに水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換してもよい。その場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる傾向にある。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(単に、「水添率」ともいう。)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫ゴムとして用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、重合体中の共役ジエン部の水添率は3.0モル%以上70モル%以下であることが好ましく、5.0モル%以上65モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上60モル%以下であることがさらに好ましい。また、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であるであることがさらに好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
水素化の方法としては、特に限定されず、公知の方法が利用できる。好適な水素化の方法としては、水素化触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。水素化触媒としては、例えば、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒等の不均一系触媒;ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒が挙げられる。これら中でも、特にマイルドな水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。
水素化触媒の具体例としては、以下のものに限定されないが、例えば、(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体が挙げられる。さらに、水素化触媒として、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報、特開平8−109219号公報に記載された水素化触媒も挙げられる。好ましい水素化触媒としては、チタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。
共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性の反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、共役ジエン化合物の総量に対して、200質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることがさらに好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエンが挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレンが挙げられる。
ミクロ構造(上記変性共役ジエン系重合体中の各結合量)が上記範囲にあり、さらに共役ジエン系重合体のガラス転移温度が−45℃以上−15℃以下の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を構成する共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である場合、芳香族ビニル化合物の単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。
〔変性工程〕
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法は、上記重合工程により得られた共役ジエン系重合体を、変性率が75質量%以上となるように変性させる変性工程を含み、変性工程においては、共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により変性することが好ましい。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法は、上記重合工程により得られた共役ジエン系重合体を、変性率が75質量%以上となるように変性させる変性工程を含み、変性工程においては、共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により変性することが好ましい。
(変性剤)
変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタントリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタントリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
省燃費性能の観点から、変性剤は、下記一般式(1)〜(3)のうち少なくとも一つで表される変性剤を含むことが好ましい。変性剤は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
式(1)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、式(1)中、mが2を表し、かつ、nが3を表すものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
式(1)の変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。式(1)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、重合開始剤(重合開始剤系でもよい)を構成するアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加モル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率及び分子量と分岐構造を得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
式(2)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2−トリメトキシシリルエチル)アミン、トリス(4−トリメトキシシリルブチル)アミンが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、n、m、lが全て3を表すものであることが好ましい。好ましい具体例としては、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
式(2)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。式(2)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、上述した重合開始剤(重合開始剤系であってもよい)を構成するアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のモル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8倍以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。変性共役ジエン系重合体において十分な変性率及び分子量と分岐構造を得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
式(3)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(エチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(プロピルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(ブチルアミノ)プロピル)トリメトキシシランが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、n及びmがいずれも3であることが好ましい。好ましい具体例としては、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(エチルアミノ)プロピル)トリメトキシシランが挙げられる。
式(3)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。
変性剤は、高変性率、高分子量、及び高分岐と、加硫物としたとの省燃費性能、加工性、及び耐摩耗性との優れたバランスを有する変性共役ジエン系重合体を得る観点から、式(1)で表され、mは2かつnは3である変性剤、及び、式(2)で表され、m、n、及びlは全て3である変性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
式(3)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、重合開始剤(重合開始剤系であってもよい)のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加モル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8倍以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率及び分子量と分岐構造を得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
変性率向上の観点から、変性工程においては、共役ジエン化合物を含む単量体の含有量は、全単量体及び重合体の総量に対して、100質量ppm以上50000質量ppm以下含むことが好ましく、200質量ppm以上10000質量ppm以下であることがより好ましく、300質量ppm以上5000質量ppm以下であることがさらに好ましい。溶液中の共役ジエン化合物を含む単量体の含有量は後述する実施例記載の方法において測定することができる。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の製造方法においては、変性反応を行った後、重合体溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。中和剤としては、以下のもの限定されないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガスが挙げられる。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤としては、以下のものに限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
本実施形態に用いられる両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の加工性をより改善するために、必要に応じて、プロセスオイルを両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)に添加することができる。プロセスオイルを両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)に添加する方法としては、以下のものに限定されないが、プロセスオイルを重合体溶液に加え、混合して、油展重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。プロセスオイルとしては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点、並びにオイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、例えば、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)が挙げられる。プロセスオイルの添加量は、特に限定されないが、変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、10質量部以上60質量部が好ましく、15質量部以上37.5質量部以下がより好ましい。
〔脱溶媒工程〕
本実施形態の両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を、重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。その方法として、例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法が挙げられる。
本実施形態の両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を、重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。その方法として、例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法が挙げられる。
両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)>
本実施形態の第2の態様においては、変性ジエン系重合体組成物において、ゴム成分(イ)中、前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)とともに、ゲル浸透クロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.9以上である片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)(以下、単に「片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)」又は「成分(イ2)」と記載することもある。)を含み、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)と片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)との合計含有量が、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、20質量%以上である。ここで、「片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)」には、両末端変性共役ジエン系重合体は含まれないものとする。
本実施形態の第2の態様においては、変性ジエン系重合体組成物において、ゴム成分(イ)中、前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)とともに、ゲル浸透クロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.9以上である片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)(以下、単に「片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)」又は「成分(イ2)」と記載することもある。)を含み、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)と片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)との合計含有量が、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、20質量%以上である。ここで、「片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)」には、両末端変性共役ジエン系重合体は含まれないものとする。
本実施形態の第2の態様においては、ゴム成分(イ)が、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)と、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)とを含有し、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の合計含有量が、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、20質量%以上であればよく、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。また、本実施形態の第2の態様においては、ゴム成分(イ)として、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を含むが、両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の含有量は、ゴム成分(イ)の全質量を基準として、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
以下、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)について説明する。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を構成する共役ジエン系重合体を製造するために用いられる共役ジエン化合物としては、重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を構成する共役ジエン系重合体を製造するために用いられる芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態では、その効果を損なわない範囲で、上記した共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物以外の他の単量体を共重合させることもできる。かかる他の単量体としては、例えば、イソプロピル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ビニルシクロヘキサン等のオレフィン単量体、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン単量体等が挙げられる。このような共重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン−スチレン−イソプロピル(メタ)アクリレート共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−N−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−t−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−エチレン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−プロピレン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−イソブチレン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−1,4−ペンタジエン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−1,4−ヘキサジエン共重合体等が挙げられる。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を構成する共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックを「S」で表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックを「B」で表すと、S−Bで表される2型ブロック共重合体、S−B−Sで表される3型ブロック共重合体、S−B−S−Bで表される4型ブロック共重合体等が挙げられる。
上記において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、上記ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していてもよいし、テーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態においては、官能基を有する共役ジエン系重合体を、不活性溶剤中で更に水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換してもよい。その場合、耐熱性、耐候性が一層向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
より具体的には、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(すなわち「水添率」)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を加硫ゴムとして用いる場合には、加硫性の観点から、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。この場合、重合体中の共役ジエン部の水添率は3〜70モル%であることが好ましく、5〜65モル%であることがより好ましく、10〜60モル%であることが更に好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることが更に好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
水素化の方法としては、特に限定されず、公知の方法が利用できる。特に好適な水素化の方法としては、水素化触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。水素化触媒としては、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒等の不均一系触媒;ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒等が挙げられる。これらの中でも、特にマイルドな水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合を水素化する触媒の具体例としては、(a)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(b)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(c)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等が挙げられる。例えば、水素化触媒として特公昭42−008704号公報、特公昭43−006636号公報、特公昭63−004841号公報、特公平01−037970号公報、特公平01−053851号公報、特公平02−009041号公報、特開平08−109219号公報に記載された水素化触媒を使用することができる。上記の中でも好ましい水素化触媒としては、チタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を製造する際に重合開始剤として用いるアニオン重合開始剤は、重合開始剤として機能するものであれば特に限定されず、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等が挙げられる。
アニオン重合開始剤として用いられるアルカリ金属化合物としては、特に限定されないが、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、低分子化合物、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、有機基とリチウムの結合様式において炭素−リチウム結合からなる化合物、錫−リチウム結合からなる化合物等が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。これらの有機リチウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他のアルカリ金属化合物としては、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
アニオン重合開始剤として用いられるアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、例えば、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、上記したアルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
本実施形態において、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を構成する共役ジエン系重合体は、上述したアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤とし、アニオン重合反応により成長させて得られるものが好ましい。特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることがより好ましい。これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
重合様式としては、特に限定されないが、回分式、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、特に限定されないが、例えば、撹拌機付きの槽型、管型等のものを用いることができる。
通常、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を構成する共役ジエン系重合体の製造に用いる共役ジエン化合物(単量体)中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体を製造するための重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、更には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善効果等もある。
極性化合物としては、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、極性化合物の使用量は、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物は、共役ジエン系重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤(ビニル化剤)として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量といった芳香族ビニル化合物ブロック量の調整を行う調整剤として用いることができる。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合反応の途中に、共役ジエン化合物(1,3−ブタジエン等)の添加量の一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合温度は、アニオン重合が進行する温度であれば、特に限定されない。例えば、リビングアニオン重合の場合、通常、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。また、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐度をコントロールするためにジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれる片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50〜100質量%であることが好ましく、例えば、タイヤのサイドウォール用途に用いる場合、90〜100質量%であることがより好ましく、例えば、タイヤのトレッド用途に用いる場合、60〜80質量%であることがより好ましい。また、本実施形態の変性ジエン系重合体組成物に含まれる片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)中の結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性のバランスが更に優れ、耐摩耗性も満足する加硫物を得ることができる。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、これにより結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に従った方法により測定することができる。
また、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10〜75モル%であることが好ましく、25〜65モル%であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性のバランスが更に優れ、耐摩耗性も満足する加硫物を得ることができる。ここで、変性共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
ミクロ構造(上記の結合共役ジエン量、結合芳香族ビニル量及び共役ジエン結合単位中のビニル結合量)が上記範囲にあり、さらに共重合体のガラス転移温度が−45〜−15℃の範囲にあるときに、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性のバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。
共役ジエン系重合体が共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の製造方法は、上記のような方法で、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得た後、その活性末端と変性剤とを反応させる変性工程を含むことが好ましい。変性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリル基に結合したアルコキシ基が1個以上であり、2個以上の3級アミノ基を有する化合物、及びシリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する化合物などが挙げられ、これらのうち少なくとも何れか1つを含むことが好ましい。上記変性剤のなかでも、シリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する化合物がより好ましい。
変性剤で用いられる、「シリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する化合物」としては、例えば、下記式(31)、(32)、及び(33)が挙げられる。
一般式(31)で表される変性剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。これらの中でも、転がり抵抗特性の観点や、押し出し加工性の観点から、mが2、nが3であるものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンがより好ましい。
一般式(32)で表される変性剤としては、例えば、1,4−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,4−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,4−ビス[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]ピペラジン、1,3−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、1,3−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、1,3−ビス[3−(ジエメトキシエチルシリル)プロピル]イミダゾリジン、1,3−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサヒドロピリミジン、1,3−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサヒドロピリミジン、1,3−ビス[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン等が挙げられる。これらの中でも、転がり抵抗特性の観点や、押し出し加工性の観点から、p及びqが3であるものが好ましい。具体的には、1,4−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,4−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,3−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、1,3−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、1,3−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサヒドロピリミジン、1,3−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサヒドロピリミジン、1,3−ビス[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジンよりが好ましく、これらの中でも、1,4−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,4−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ピペラジンが更に好ましい。
一般式(33)中、A3が一般式(a)で表される変性剤としては、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(トリメトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)プロピルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)プロピルアミン等が挙げられ、一般式(b)の場合、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2−トリエトキシシリルエチル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。これらの中でも、転がり抵抗特性の観点や、押し出し加工性の観点から、r、s、及びuが3であるものが好ましい。具体的には、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)プロピルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ブチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)フェニルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ベンジルアミン、ビス(トリメトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)メチルアミン、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)メチルアミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)プロピルアミン、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)プロピルアミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2−トリエトキシシリルエチル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミンがより好ましい。
変性剤として、シリル基に結合したアルコキシ基が1個以上であり、2個以上の3級アミノ基を有する化合物、及びシリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する化合物のうち、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが更により好ましい。尚、変性反応において、上述した変性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述した変性剤を、共役ジエン系重合体の活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、通常、0〜20℃で、30秒以上反応させることが好ましい。
上述した変性剤は、化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、重合開始剤のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加モル数の0.8〜3倍となる範囲であることが好ましく、1〜2.5倍となる範囲であることがより好ましく、1〜2倍となる範囲であることが更に好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率を得る観点から0.8倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から3倍以下とすることが好ましい。
本実施形態において、上記具体的な化合物として示されているように、式(31)〜(33)における「アルキル基」とは、一般に、CnH2n+2として表される炭化水素からHを除いた、1価の結合手を有する基を表し、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。「アルキレン基」とは、アルキル基からさらに、Hを除いた、2価の結合手を有する基を表す。「アルコキシ基」とは、アルキル基が酸素原子に結合した基を表す。式(31)〜(33)における「アリール基」とは、炭素数1〜20炭素原子が環状に配列した芳香族環を有する基を意味し、単環であっても、複数の環を有していてもよく、複数の環は縮合環であってもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフタレン基などが挙げられる。
本実施形態の効果をより優れたものにする観点から、官能基成分を有する重合体(式(31)、(32)、又は(33)で表される化合物により変性されている片末端変性共役ジエン系重合体)が、前記官能基成分を有する重合体と未変性の共役ジエン系重合体の合計量に対して好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは50質量%以上含有する重合体(すなわち変性率が該範囲である重合体)となるように、片末端変性共役ジエン系重合体を製造することが好ましい。官能基成分を有する重合体の定量方法としては、官能基含有の変性成分と非変性成分を分離できるクロマトグラフィーによって測定可能である。このクロマトグラフィーを用いた方法としては、官能基成分を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたGPCカラムを使用し、非吸着成分の内部標準を比較に用いて定量する方法が挙げられる。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の製造方法においては、変性反応を行った後、重合体溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
また、片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)は、重合後又は重合後の仕上げ工程におけるゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等が好ましい。
また、本実施形変性共役ジエン系重合体組成物の加工性を更に改善するために、必要に応じて、プロセスオイルを片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)に添加することができる。プロセスオイルを変性共役ジエン系重合体に添加する方法としては、特に限定されないが、プロセスオイルを重合体溶液に加え、混合して、油展重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。プロセスオイルとしては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点や、オイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)等が挙げられる。
プロセスオイルの添加量は、特に限定されないが、通常、変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜60質量部であり、20〜37.5質量部が好ましい。
片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を、重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等が挙げられる。
<他のゴム状重合体>
本実施形態において、ゴム成分(イ)は、本発明の特性を満たす範囲で、上記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)以外のゴム状重合体(以下、「他のゴム状重合体」と記載することもある)を含んでもよい。他のゴム状重合体としては、特に限定されないが、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である他のゴム状重合体、及び又は他の非変性ゴム状重合体(ジエン系重合体及び非ジエン系重合体を含む)が挙げられる。なお、ゴム成分(イ)として、(ロ)ゴム状重合体に属する重合体は含まないものとする。
本実施形態において、ゴム成分(イ)は、本発明の特性を満たす範囲で、上記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)以外のゴム状重合体(以下、「他のゴム状重合体」と記載することもある)を含んでもよい。他のゴム状重合体としては、特に限定されないが、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である他のゴム状重合体、及び又は他の非変性ゴム状重合体(ジエン系重合体及び非ジエン系重合体を含む)が挙げられる。なお、ゴム成分(イ)として、(ロ)ゴム状重合体に属する重合体は含まないものとする。
このような他のゴム状重合体としては、特に限定されず、例えば、上記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)以外の、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体等が挙げられる。
具体的には、ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。また、非ジエン系重合体としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α,β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
上述した各種ゴム状重合体は、上記変性共役ジエン系重合体以外の、水酸基等の極性を有する官能基を付与した変性ゴムであってもよい。またその重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,500,000であることがより好ましい。
<<(ロ)ゴム状重合体>>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(本明細書において、単に「成分(ロ)」又は「ゴム状重合体(ロ)」と記載することもある)を含む。本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(イ)30〜70質量部と成分(ロ)30〜70質量部とを含む。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(本明細書において、単に「成分(ロ)」又は「ゴム状重合体(ロ)」と記載することもある)を含む。本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(イ)30〜70質量部と成分(ロ)30〜70質量部とを含む。
天然ゴムは、ゴムノキの樹液に含まれるシス型のポリイソプレンを主成分とする物質であり、生体内での付加重合で生成したものである。視覚検査で国際規格のRSS1〜RSS5までの等級に格付け分別される。
ポリイソプレンゴムは、イソプレンを化学的に重合させたポリイソプレンである合成ゴムの一種である。ポリイソプレンゴムと天然ゴムのポリイソプレンにはいくらかの構造的違いがある。まずポリイソプレンゴムに含まれる合成ポリイソプレンでは、現在のところ100%シス体を得ることはできず、少量のトランス体が含まれている。また、天然ゴムには、ポリイソプレンの他に微量のタンパク質や脂肪酸を含むが、合成ポリイソプレンにはそのような不純物はない。ポリイソプレンゴムとしては、例えばJSR(株)製(商品名)JSR IR1220等が挙げられる。
ハイシスポリブタジエンゴムとは、例えばチタン、コバルト、及びニッケルに基づくチーグラー・ナッタ型の配位触媒を用いてか、あるいはアルキルリチウム化合物の存在下で、溶液重合によって製造されているポリブタジエンのうち、1,4−シス結合量が高いポリブタジエンをいい、例えば宇部興産(株)製UBEPOL(登録商標) BR等が挙げられる。
変性ジエン系重合体組成物中、ゴム成分(イ)の配合量が30〜70質量部であり、かつ、ゴム状重合体(ロ)の配合量が30〜70質量部であると、押し出し加工特性、及び耐カット性が更に向上する。転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスの観点から、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の配合量は、それぞれ、好ましくは40〜60質量部、及び60〜40質量部である。
<<(ハ)シリカ系無機充填剤>>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、(ハ)シリカ系無機充填剤(本明細書において、「成分(ハ)」とも記載する。)を含む。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、(ハ)シリカ系無機充填剤(本明細書において、「成分(ハ)」とも記載する。)を含む。
転がり抵抗特性を発現させる観点、押し出し加工性、及び耐カット性を実用的に十分なものとする観点から、シリカ系無機充填剤の配合量は、ゴム成分(イ)と、ゴム状重合体(ロ)との合計を100質量部として、好ましくは0.5〜300質量部、より好ましくは5〜200質量部、更に好ましくは20〜100質量部である。
シリカ系無機充填剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、SiO2又はSi3Alを構成単位として含む固体粒子が好ましく、SiO2又はSi3Alを構成単位の主成分とすることがより好ましい。ここで、「主成分とする」とは、シリカ系無機充填剤中に対象成分を50質量%以上含有することをいう。シリカ系無機充填剤は、SiO2又はSi3Alを好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有する。
シリカ系無機充填剤として、具体的には、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も用いることができる。これらの中でも、強度や耐摩耗性等の観点から、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等が挙げられる。これらの中でも、湿式シリカが好ましい。
乾式シリカとしては、例えば、精製された四塩化珪素を高温の炎の中で反応させて得られ、湿式に比べて純度が高く粒子が微細で水分が極めて低いものが挙げられ、一般に、シリコーンゴムの充填剤、樹脂の増粘剤、補強剤、あるいは粉体の流動化剤、セラミックスの原料として広く用いられる。
湿式シリカとしては、例えば、珪砂を原料とする珪酸ソーダを原料として、その水溶液を中和してシリカを析出し、ろ過・乾燥して得られる、外観上はふわふわとした軽い白色の粉末が挙げられ、一般に、合成ゴムの補強充填剤、農薬等液体の粉末化と固結防止、軽量紙の印刷インクの裏抜け防止、塗料、インクの増粘・たれ止め、断熱材、研磨剤に用いられる。
変性共役ジエン系重合体組成物において、より優れた転がり抵抗特性を得る観点から、シリカ系無機充填剤のBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、100〜300m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。
<<その他>>
<カーボンブラック>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の合計を100質量部として、シリカ系無機充填剤の他に、更にカーボンブラックを0.5〜100質量部含有することが好ましい。
<カーボンブラック>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の合計を100質量部として、シリカ系無機充填剤の他に、更にカーボンブラックを0.5〜100質量部含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えばSRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、窒素吸着比表面積は、押し出し成形性の観点、及び転がり抵抗特性の観点で、50m2/g以上、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの配合量は、転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスの観点から、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の合計を100質量部として、0.5〜100質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部が更に好ましい。
<金属酸化物、及び金属水酸化物>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、シリカ系無機充填剤やカーボンブラック以外に、金属酸化物や金属水酸化物を含有させてもよい。金属酸化物とは、化学式MxOy(Mは金属原子を表し、x及びyは、各々独立に、1〜6の整数を表す)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいい、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。また金属酸化物と金属酸化物以外の無機充填剤の混合物も用いることができる。金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、シリカ系無機充填剤やカーボンブラック以外に、金属酸化物や金属水酸化物を含有させてもよい。金属酸化物とは、化学式MxOy(Mは金属原子を表し、x及びyは、各々独立に、1〜6の整数を表す)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいい、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。また金属酸化物と金属酸化物以外の無機充填剤の混合物も用いることができる。金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
<シランカップリング剤>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、シランカップリング剤を含有させてもよい。シランカップリング剤は、ゴム成分、ゴム状重合体及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、両者の相互作用を緊密にする機能を有している。一般的には、硫黄結合部分とアルコキシシリル基、シラノール基部分を一分子中に有する化合物が用いられる。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、シランカップリング剤を含有させてもよい。シランカップリング剤は、ゴム成分、ゴム状重合体及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、両者の相互作用を緊密にする機能を有している。一般的には、硫黄結合部分とアルコキシシリル基、シラノール基部分を一分子中に有する化合物が用いられる。
シランカップリング剤は、以下に限定されるものではないが、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシランなどのメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、等が挙げられる。なかでも、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシランなどのメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィドが補強効果が高いために好ましい。これらのシランカップリング剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の合計を100質量部として、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部が更に好ましい。シランカップリング剤の配合量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる。
<ゴム用軟化剤>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤を含有させてもよい。ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体とともに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤を含有させてもよい。ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体とともに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量は、ゴム成分(イ)及びゴム状重合体(ロ)の合計100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜90質量部が更に好ましい。ゴム用軟化剤の配合量が多すぎると、ブリードアウトを生じやすく、組成物表面にベタツキを生ずるおそれがある。
<<変性ジエン系重合体組成物の製造方法>>
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物を製造する方法において、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(イ)、ゴム状重合体(ロ)、シリカ系無機充填剤(ハ)、所望により、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については特に限定されるものではない。例えばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。また、変性共役ジエン系重合体と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物を製造する方法において、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(イ)、ゴム状重合体(ロ)、シリカ系無機充填剤(ハ)、所望により、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については特に限定されるものではない。例えばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。また、変性共役ジエン系重合体と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
変性ジエン系重合体組成物として、非加硫の変性ジエン系重合体組成物を加硫剤により加硫処理を施した加硫ゴム組成物としてもよい。加硫剤としては、例えば有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物が使用できる。硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。加硫剤の使用量は、通常は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、通常120〜200℃、であり、好ましくは140〜180℃である。
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えばスルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を使用できる。加硫促進剤の使用量は、通常、上記ゴム成分(イ)及び上記ゴム状重合体(ロ)との合計100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。加硫助剤の使用量は、上記ゴム成分(イ)及び上記ゴム状重合体(ロ)との合計100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤や充填剤、さらに、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
本実施形態の変性ジエン系重合体組成物を用い、通常の方法でタイヤを製造することができる。例えば、本実施形態の変性ジエン系重合体組成物は、タイヤのサイドウォール用ゴム組成物であってもよい。即ち、上記変性ジエン系樹脂組成物を用いて、例えばサイドウォール等を作成し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成形機を使用して加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。変性ジエン系樹脂組成物の架橋物を含むタイヤとすることが好ましい。本実施形態の変性ジエン系樹脂組成物用いることにより、転がり抵抗特性、押し出し加工性、及び耐カット性のバランスに優れ、特に転がり抵抗特性に優れたタイヤを製造することができる。
以下の実施例及び比較例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、試料の分析は下記に示す方法により行った。
(1)(物性(1))結合スチレン量
試料として変性共役ジエン系重合体100mgをクロロホルムで100mLにメスアップして溶解し、測定サンプルとした。スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所製:UV−2450)。
試料として変性共役ジエン系重合体100mgをクロロホルムで100mLにメスアップして溶解し、測定サンプルとした。スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所製:UV−2450)。
(2)(物性(2))1,2−ビニル結合量
試料として変性共役ジエン系重合体50mgを10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。測定サンプルをセル内にいれ、溶液セルを作製した。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量を求めた(日本分光(株)製:FT−IR230)。
試料として変性共役ジエン系重合体50mgを10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。測定サンプルをセル内にいれ、溶液セルを作製した。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量を求めた(日本分光(株)製:FT−IR230)。
(3)(物性(3))重合体のムーニー粘度、及びムーニー緩和率
変性剤添加前の重合体、又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)及びISO289−4に準拠し、変性剤添加前の共役ジエン系重合体及び変性後の共役ジエン系重合体のムーニー粘度、並びに変性共役ジエン系重合体のムーニー緩和率を測定した。測定温度は110℃とした。また、プロセスオイルを用いて伸展した試料の場合には100℃で測定した。まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定し、その測定値をムーニー粘度(ML(1+4))とした。その後、変性共役ジエン系重合体を試料とした場合については、即座にローターの回転を停止させ、停止後1.6〜5秒間の0.1秒ごとのトルクをムーニー単位で記録し、トルクと時間(秒)を両対数プロットした際の直線の傾きを求め、その絶対値をムーニー緩和率(MSR)とした。
変性剤添加前の重合体、又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)及びISO289−4に準拠し、変性剤添加前の共役ジエン系重合体及び変性後の共役ジエン系重合体のムーニー粘度、並びに変性共役ジエン系重合体のムーニー緩和率を測定した。測定温度は110℃とした。また、プロセスオイルを用いて伸展した試料の場合には100℃で測定した。まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定し、その測定値をムーニー粘度(ML(1+4))とした。その後、変性共役ジエン系重合体を試料とした場合については、即座にローターの回転を停止させ、停止後1.6〜5秒間の0.1秒ごとのトルクをムーニー単位で記録し、トルクと時間(秒)を両対数プロットした際の直線の傾きを求め、その絶対値をムーニー緩和率(MSR)とした。
(4)(物性(4))変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)カラムに変性したジエン系重合体成分が吸着する特性を応用することにより、変性共役ジエン系重合体の変性率を測定した。試料としての変性共役ジエン系重合体、及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系ゲルカラムで測定したクロマトグラムの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定して、変性率を求めた。
シリカ系ゲルを充填剤としたゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)カラムに変性したジエン系重合体成分が吸着する特性を応用することにより、変性共役ジエン系重合体の変性率を測定した。試料としての変性共役ジエン系重合体、及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系ゲルカラムで測定したクロマトグラムの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定して、変性率を求めた。
・測定用試料の調製:
試料として変性共役ジエン系重合体10mg、及び標準ポリスチレン5mgを20mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、測定用試料とした。
試料として変性共役ジエン系重合体10mg、及び標準ポリスチレン5mgを20mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、測定用試料とした。
・ポリスチレン系ゲルカラムによるGPC測定条件:
THFを溶離液として用い、測定用試料200μLをGPC装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを連結して使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、東ソー製 HLC8020のRI検出器を用いて測定し、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムを得た。
THFを溶離液として用い、測定用試料200μLをGPC装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを連結して使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、東ソー製 HLC8020のRI検出器を用いて測定し、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムを得た。
・シリカ系ゲルカラムによるGPC測定条件:
THFを溶離液として用い、測定用試料200μLをGPC装置に注入して測定した。カラムは、デュポン社製:Zorbaxを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5mL/分の条件で、東ソー製 HLC8020のRI検出器を用いて測定し、シリカ系ゲルカラムで測定したクロマトグラムを得た。
THFを溶離液として用い、測定用試料200μLをGPC装置に注入して測定した。カラムは、デュポン社製:Zorbaxを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5mL/分の条件で、東ソー製 HLC8020のRI検出器を用いて測定し、シリカ系ゲルカラムで測定したクロマトグラムを得た。
・変性率の計算方法:
ポリスチレン系ゲルカラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料の面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
ポリスチレン系ゲルカラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料の面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
(5)(物性5)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結して用いた浸透GPC装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線により重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求め、重量平均分子量と数平均分子量の比から分子量分布の指標(Mw/Mn)を計算した。溶離液としてはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。
変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結して用いた浸透GPC装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線により重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求め、重量平均分子量と数平均分子量の比から分子量分布の指標(Mw/Mn)を計算した。溶離液としてはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。
カラムは、ガードカラム:東ソー TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを連結して使用した。オーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、東ソー製 HLC8020のRI検出器を用いて分子量の測定を行った。試料としての変性共役ジエン系重合体10mgをTHF20mLに溶解して測定用溶液とし、この測定用溶液200μLを装置に注入して測定した。
(6)(物性6)GPC−光散乱法測定による分子量(絶対分子量)
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC−光散乱測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、溶液粘度及び光散乱法に基づいて重量平均分子量(Mw−i)と数平均分子量(Mn−i)を求めた(これらは「絶対分子量」とも呼ばれる)。溶離液はテトラヒドロフランとトリエチルアミンの混合溶液(THF in TEA:トリエチルアミン5mLをテトラヒドロフラン1Lに混合させ調整した。)を使用した。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC−光散乱測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、溶液粘度及び光散乱法に基づいて重量平均分子量(Mw−i)と数平均分子量(Mn−i)を求めた(これらは「絶対分子量」とも呼ばれる)。溶離液はテトラヒドロフランとトリエチルアミンの混合溶液(THF in TEA:トリエチルアミン5mLをテトラヒドロフラン1Lに混合させ調整した。)を使用した。
カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn HHR−H」と、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」とを接続して使用した。オーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、GPC−光散乱測定装置(マルバーン社製の商品名「Viscotek TDAmax」)を用いた。試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定した。
(7)(物性7)ガラス転移温度(Tg)
変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度は、ISO 22768:2006に従い測定した。所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度は、ISO 22768:2006に従い測定した。所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
(8)変性反応時の単量体濃度
なお、表1中の「変性反応時の単量体濃度」とは、変性反応時の全単量体及び重合体の総量に対する、単量体の割合(質量ppm)のことをいう。変性反応時の単量体濃度は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、重合後に各種試料中に残存する単量体(芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物)の量を測定した。
なお、表1中の「変性反応時の単量体濃度」とは、変性反応時の全単量体及び重合体の総量に対する、単量体の割合(質量ppm)のことをいう。変性反応時の単量体濃度は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、重合後に各種試料中に残存する単量体(芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物)の量を測定した。
(9)(評価1)押し出し加工性
実施例及び比較例に示す方法で作成した未加硫ゴム組成物のロール通過後のゴムの肌(表面形状)について、パネラー5人が目視で観察し、パネラー一人当たり5点満点、総合25点満点で評価した。25点に近いほど押し出し加工性に優れることを示す。採点基準は、以下のようにして行った。
5点:排出物は大きな塊のみで、まとまりが非常に良い。
4点:排出物は殆どが大きな塊で、まとまりが良い。
3点:排出物に小さな塊がやや多く、まとまりがやや悪い。
2点:排出物は小さな塊が多く、まとまりが悪い。
1点:排出物が非常に小さく、まとまりが非常に悪い。
実施例及び比較例に示す方法で作成した未加硫ゴム組成物のロール通過後のゴムの肌(表面形状)について、パネラー5人が目視で観察し、パネラー一人当たり5点満点、総合25点満点で評価した。25点に近いほど押し出し加工性に優れることを示す。採点基準は、以下のようにして行った。
5点:排出物は大きな塊のみで、まとまりが非常に良い。
4点:排出物は殆どが大きな塊で、まとまりが良い。
3点:排出物に小さな塊がやや多く、まとまりがやや悪い。
2点:排出物は小さな塊が多く、まとまりが悪い。
1点:排出物が非常に小さく、まとまりが非常に悪い。
(10)(評価2)未加硫ゴム組成物のムーニー粘度
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準じて、試料としての未加硫ゴム組成物を、100℃で1分間予熱した後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後のムーニー粘度を測定した。比較例1の結果を100として、各々の測定値を指数化した。値が小さいほど加工性に優れることを示す。
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準じて、試料としての未加硫ゴム組成物を、100℃で1分間予熱した後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後のムーニー粘度を測定した。比較例1の結果を100として、各々の測定値を指数化した。値が小さいほど加工性に優れることを示す。
(11)(評価3)転がり抵抗特性
加硫ゴムシートを測定試料とし、TA・インストルメント社製の粘弾性試験機(ARES G−2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。比較例1を100として、各々の測定値を指数化した。50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを転がり抵抗特性(少燃費性)の指標とした。値が小さいほど転がり抵抗特性が良好であることを示す。
加硫ゴムシートを測定試料とし、TA・インストルメント社製の粘弾性試験機(ARES G−2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。比較例1を100として、各々の測定値を指数化した。50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを転がり抵抗特性(少燃費性)の指標とした。値が小さいほど転がり抵抗特性が良好であることを示す。
(12)(評価4)耐カット性
JIS−K−6252に準拠して測定し、比較例1をコントロール(「○」)として、これより優れる場合を「◎」、これと同等の場合を「〇」、比較例1より悪化した場合を「×」と評価した。
JIS−K−6252に準拠して測定し、比較例1をコントロール(「○」)として、これより優れる場合を「◎」、これと同等の場合を「〇」、比較例1より悪化した場合を「×」と評価した。
[製造例1]
内容積が10Lであり、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口を有し、頂部に出口を有し、攪拌機および温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを2基連結した。さらに、2基目の反応器出口下流にスタティックミキサーを1基連結した。
内容積が10Lであり、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口を有し、頂部に出口を有し、攪拌機および温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを2基連結した。さらに、2基目の反応器出口下流にスタティックミキサーを1基連結した。
予め水分等の不純物を除去した1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分で混合した。この混合溶液が1基目の反応器に入る直前で、不純物不活性化処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で供給しスタティックミキサーで混合した後、1基目の反応器の底部に連続的に供給した。更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤として、予め調整したリチウムアミドとしてピペリジノリチウム(「1−リチオピペリジン」ともいう。)とn−ブチルリチウムの混合溶液(ピペリジノリチウムとn−ブチルリチウムのモル比は0.75:0.25とした。以下、この重合開始剤としての混合溶液を「LA−1」ともいう。)を、0.180mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器内温を67℃に保持した。1基目反応器頂部より重合体溶液を連続的に抜き出し、2基目反応器の底部に連続的に供給し72℃で反応を継続し、さらに2基目の頂部よりスタティックミキサーへ供給した。2基目反応器出口より、変性剤添加前の共重合体溶液を少量抜き出し、酸化防止剤(BHT)をポリマー100gあたり、0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度を測定した結果、62であった。
次に、スタティックミキサー中に連続的に流れる共重合体溶液に表1に示す変性剤2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中、「AS−1」と略す。)を0.047mmol/分の速度で添加し、変性反応を実施した。スタティックミキサーから流出した重合体溶液に酸化防止剤(BHT)をポリマー100gあたり、0.2gとなるように連続的に添加し、変性反応を終了させ、その後溶媒を除去し、両末端変性共役ジエン系共重合体(以下、「変性SBR−A」ともいう)を得た。
変性SBR−Aを分析した結果、110℃のムーニー粘度は128、結合スチレン量は35質量%、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)は40モル%、変性率は92.1質量%であった。変性SBR−Aのその他の物性も併せて表1に示す。
[製造例2]
2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(「AS−1」)を、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中、「AS−2」と略す。)に変えて、その添加量を0.032mmol/分に変えた以外は、製造例1と同様にして、両末端変性共役ジエン系共重合体(以下「変性SBR−B」ともいう)を得た。変性SBR−Bの物性を表1に示す。
2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(「AS−1」)を、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中、「AS−2」と略す。)に変えて、その添加量を0.032mmol/分に変えた以外は、製造例1と同様にして、両末端変性共役ジエン系共重合体(以下「変性SBR−B」ともいう)を得た。変性SBR−Bの物性を表1に示す。
[製造例3]
内容積10Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入り口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基目を変性反応器とした。
内容積10Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入り口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基目を変性反応器とした。
予め、水分等の不純物を除去した1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレン18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、次いで、不純物不活性化処理用のn−ブチルリチウムを、1基目反応器に入る直前にスタティックミキサーでさらに混合した後、1基目反応器の底部に連続的に0.087mmol/分で供給し、更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で供給し、また、重合開始剤として、n−ブチルリチウムを0.180mmol/分の速度で、1基目反応器底部へ供給し、反応器内の温度72℃、反応器出口の温度90℃となるように重合反応を継続させた。
2基目の変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤として2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中、「AS−1」と略す。)を0.047mmol/分の速度で2基目反応器の底部から添加し、変性(カップリング)反応を実施した。
2器目反応器の頂部から流出した重合体溶液に酸化防止剤(BHT)をポリマー100gあたり0.2gとなるように0.048g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了させた後、溶媒を除去し、変性共役ジエン重合体溶液を得た。更にこの変性共役ジエン系重合体溶液をドラムドライヤーで溶媒を除去し、片末端変性共役ジエン系共重合体(以下、「変性SBR−C」ともいう)を得た。変性SBR−Cの物性を表1に示す。
[材料]
後述する実施例1〜8及び比較例1では、以下の材料を使用した。
・両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)
・両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)
・片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)
・天然ゴム(#RSS3)
・ハイシスポリブタジエン(宇部興産(株)製、UBEPOL BR150)
・シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)製、ウルトラジル7000GR、窒素吸着比表面積:175m2/g)
・シランカップリング剤(エボニック デグサ ジャパン(株)製、Si69)
・カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH(N339))
・プロセスオイル(JX日鉱日石エネルギー(株)製、NC140)
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ステアリン酸
・ワックス(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤(N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・硫黄
・加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン)
後述する実施例1〜8及び比較例1では、以下の材料を使用した。
・両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)
・両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)
・片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)
・天然ゴム(#RSS3)
・ハイシスポリブタジエン(宇部興産(株)製、UBEPOL BR150)
・シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)製、ウルトラジル7000GR、窒素吸着比表面積:175m2/g)
・シランカップリング剤(エボニック デグサ ジャパン(株)製、Si69)
・カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH(N339))
・プロセスオイル(JX日鉱日石エネルギー(株)製、NC140)
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ステアリン酸
・ワックス(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤(N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・硫黄
・加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン)
[実施例1]
表2に示す配合に従い、以下の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴムシートを得た。温度制御装置を具備するニーダー(内容量0.5L)を使用し、第一段の混練りとして、充填率60%、ローター回転数50rpmの条件で、変性共役ジエン系重合体(変性SBR−A、及び変性SBR−B)、天然ゴム、シリカ、シランカップリング剤、及びプロセスオイルを4分混練した。このとき、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整して配合物を得た。
表2に示す配合に従い、以下の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴムシートを得た。温度制御装置を具備するニーダー(内容量0.5L)を使用し、第一段の混練りとして、充填率60%、ローター回転数50rpmの条件で、変性共役ジエン系重合体(変性SBR−A、及び変性SBR−B)、天然ゴム、シリカ、シランカップリング剤、及びプロセスオイルを4分混練した。このとき、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整して配合物を得た。
次に、第二段の混練りとして、上記で得た配合物を室温まで冷却後、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、及び老化防止剤を加え、上記ニーダーにて3分混練した。この場合も、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整した。
なお、排出温度は、混練後にニーダーから排出された各配合物の温度を測定することにより制御した。そして、ニーダーより排出された配合物を、すぐに10インチφオープンロールに6回通して、シート状の未加硫ゴム組成物を作成し、冷却した後、押し出し加工性を評価した。
更に、オーブンを用いて未加硫ゴム組成物を70℃×30分加温した後、第三段の混練として、70℃に設定した10インチφオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練し、未加硫ゴム組成物を得た。この未加硫ゴム組成物から一部を取り出して、押出し加工性及び未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。その後、未加硫ゴム組成物のもう一方の残りを160℃×20分間、加硫プレスにて加硫成形して、加硫ゴムシートを得た。加硫ゴムシートの転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例2]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ30質量部、30質量部、及び40質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ30質量部、30質量部、及び40質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例3]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ20質量部、20質量部、及び60質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ20質量部、20質量部、及び60質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例4]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ15質量部、15質量部、及び70質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」、及び「天然ゴム(#RSS3)」の配合量を、それぞれ15質量部、15質量部、及び70質量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例5]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに、製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を20質量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに、製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を20質量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例6]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」を28質量部用い、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を12質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」を28質量部用い、「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を12質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[実施例7]
「天然ゴム(#RSS3)」を30質量部とし、更に「ハイシスポリブタジエン(宇部興産(株)製、UBEPOL BR150)」を30質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「天然ゴム(#RSS3)」を30質量部とし、更に「ハイシスポリブタジエン(宇部興産(株)製、UBEPOL BR150)」を30質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
[比較例1]
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」及び「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに、製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を40質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−A)」及び「両末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−B)」の代わりに、製造例3で作成した「片末端変性共役ジエン系共重合体(変性SBR−C)」を40質量部用いる以外は、実施例3と同様にして、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを作製し、押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性を評価した。
表2に、実施例1〜7、及び比較例1の配合組成を示す。また、実施例1〜7、及び比較例1における押し出し加工性、ムーニー粘度、転がり抵抗特性、及び耐カット性の評価結果を表3に示す。
本発明によれば、押し出し加工性、転がり抵抗特性、及び耐カット性のバランスが高度に優れたサイドウォール用ゴム組成物を得ることができ、これを用いて転がり抵抗特性、及び耐カット性に優れたタイヤを得ることができる。
Claims (16)
- (イ)110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)を含む、ゴム成分(イ)を30〜70質量部と、
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)の含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。 - (イ)110℃において測定されるムーニー緩和率が、0.45以下であり、変性率が、75質量%以上であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)、及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.9以上である片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)を含む、ゴム成分(イ)を30〜70質量部と、
(ロ)天然ゴム、ハイシスポリブタジエンゴム、及びポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム状重合体(ロ)を30〜70質量部と、
(ハ)シリカ系無機充填剤と、を含み、
前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)及び前記片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)の合計含有量が、前記ゴム成分(イ)の全質量を基準として20質量%以上である、変性ジエン系重合体組成物。 - 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、少なくとも1つの末端に窒素原子を有し、窒素含有アルコキシシラン置換基を中心とする星形高分子構造を有する、請求項1又は2に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められる第一の数平均分子量に対する、GPC−光散乱法測定により求められる第二の数平均分子量の比が、1.00以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められる第一の重量平均分子量に対する、GPC−光散乱法測定により求められる第二の重量平均分子量の比が、1.00以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)は、前記第一の数平均分子量が、200,000以上2,000,000以下であり、前記第一の数平均分子量に対する前記第一の重量平均分子量の比が、1.90以上3.50以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、下記一般式(A)又は(B)で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
(式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を表し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を表し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を表し、(Polym)は、共役ジエン化合物を重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することで得られる共役ジエン系重合体鎖を表し、少なくともその一つの末端に、下記一般式(4)〜(7)から選ばれる少なくとも一つで表される官能基が結合している。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R34、R35、及びR36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を表し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を表し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を表し、(Polym)は、共役ジエン化合物を重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することで得られる共役ジエン系重合体鎖を表し、少なくともその一つの末端に、下記一般式(4)〜(7)から選ばれる少なくとも一つで表される官能基が結合している。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
(式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数4〜20の共役ジエン系化合物に基づく二価の基を表す。)
(式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、結合して炭素数5〜12のアルキレン基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
(式(7)中、R17は、炭素数が2〜12の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。) - 前記両末端変性共役ジエン系重合体(イ1)が、
分子内に少なくとも1つ窒素原子を持つ有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、
前記共役ジエン系重合体を、1分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上と3級アミノ基とを有する変性剤により、変性させる変性工程と、
を有する製造方法から得られるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。 - 前記変性剤が、下記一般式(1)〜(3)のうち少なくとも一つで表される変性剤を含む、請求項8に記載の変性ジエン系重合体組成物。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R6は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは、1又は2の整数を表し、nは、2又は3の整数を表す。(m+n)は、4以上の整数である。複数存在する場合のR1〜R4は、各々独立している。)
(式(2)中、R1〜R6は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R7〜R9は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、m、n、及びlは、各々独立して、1〜3の整数を表し、(m+n+l)は、4以上の整数を表す。複数存在する場合のR1〜R6は、各々独立している。)
(式(3)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5及びR6は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、m及びnは、各々独立して、1〜3の整数を表し、(m+n)は、4以上の整数を表し、R7は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭化水素基で置換されたシリル基を表す。複数存在する場合のR1〜R4は、各々独立している。) - 前記変性剤は、前記式(1)で表され、mは2でありかつnは3である変性剤、又は、前記式(2)で表され、m、n、及びlは全て3である変性剤である、請求項9に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記有機リチウム化合物は、下記一般式(14)〜(17)のいずれか一つで表される有機リチウム化合物を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
(式(14)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
(式(15)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数4〜20の共役ジエン系化合物に基づく二価の基を表す。)
(式(16)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、結合して炭素数5〜12のアルキレン基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
(式(17)中、R17は、炭素数が2〜10の炭化水素基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。) - 前記片末端変性共役ジエン系重合体(イ2)は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体の重合活性末端に、シリル基に結合したアルコキシ基の総数が4個以上であり、1つ以上の窒素原子を有する変性剤を反応させて得られる片末端変性共役ジエン系共重合体である、請求項2〜11のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記ゴム成分(イ)及び前記ゴム状重合体(ロ)の合計100質量部に対し、前記(ハ)シリカ系無機充填剤を0.5〜300質量部含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 前記ゴム成分(イ)及び前記ゴム状重合体(ロ)の合計100質量部に対し、更に(二)カーボンブラックを0.5〜100質量部含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- タイヤのサイドウォール用ゴム組成物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の変性ジエン系重合体組成物の架橋物を含む、タイヤ。
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