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JP2017001963A - エポキシフラン化合物、その製造方法、エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物 - Google Patents

エポキシフラン化合物、その製造方法、エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物 Download PDF

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JP2017001963A
JP2017001963A JP2015114173A JP2015114173A JP2017001963A JP 2017001963 A JP2017001963 A JP 2017001963A JP 2015114173 A JP2015114173 A JP 2015114173A JP 2015114173 A JP2015114173 A JP 2015114173A JP 2017001963 A JP2017001963 A JP 2017001963A
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江口 勇司
Yuji Eguchi
勇司 江口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】再生可能資源を原料として製造することができ、フラン環骨格及びエポキシ基を有し、該エポキシ基により硬化させることが可能なエポキシフラン化合物であって、硬化時の着色を抑制することができるエポキシフラン化合物、及びその製造方法を提供する。また、本発明は、前記エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物。前記エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びそれを硬化させた硬化物。下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物の製造方法。(式(1)中、R1はフラン環を含む有機基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシフラン化合物、その製造方法、エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、機械強度、耐熱性、耐薬品性、及び接着性等に優れ、また、硬化収縮等も少ないことから様々な分野で広く使用されており、エポキシ樹脂は、多くの場合、石油由来の原料から製造されている。
一方、近年、石油資源の枯渇が懸念されていることから、植物等の再生可能資源を利用した樹脂の製造が検討されている。例えば、フラン樹脂は、植物由来のフラン又はフラン誘導体とアルデヒド類とを、酸触媒の存在下で反応させて得ることができ(例えば、特許文献1)、フラン樹脂を含む樹脂組成物は、耐酸性及び耐アルカリ性に優れることから、鋼管ライニング、目地セメント、及びFRP等の積層体や、複合材のマトリックス樹脂として各種産業分野において使用されている。
特開2013−234286号公報
前述のとおり、フラン樹脂は植物等の再生可能資源を原料とすることができる点でエポキシ樹脂よりも優れているが、通常フラン樹脂は濃い褐色に着色しており、その硬化物はほぼ黒色となることから、着色が好ましくない用途においてエポキシ樹脂に劣るという問題があった。また、フラン樹脂の硬化物は、一般的に硬くて脆いため、機械強度や伸張性の向上が望まれている。
本発明は、前記問題を鑑みてなされたものであり、再生可能資源を原料として製造することができ、フラン環骨格及びエポキシ基を有し、該エポキシ基により硬化させることが可能なエポキシフラン化合物であって、硬化時の着色を抑制することができるエポキシフラン化合物、及びその製造方法を提供する。また、本発明は、前記エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物を提供する。
本発明者は、鋭意検討の結果、特定の構造を有するエポキシフラン化合物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物。

(式(1)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
[2]前記[1]に記載のエポキシフラン化合物を含む硬化性組成物。
[3]前記[2]に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物。
[4]下記式(2)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物と、下記式(3)で表されるアリルグリシジルエーテル化合物とを反応させることにより下記式(4)で表されるアリルフラン化合物を得た後、前記式(4)で表されるアリルフラン化合物のアリル基をエポキシ化することにより下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物を得る、エポキシフラン化合物の製造方法。

(式(1)、式(2)及び式(4)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
本発明によれば、再生可能資源を原料として製造することができ、フラン環骨格及びエポキシ基を有し、該エポキシ基により硬化させることが可能なエポキシフラン化合物であって、硬化時の着色を抑制することができるエポキシフラン化合物、及びその製造方法を提供することができる。また、本発明は、前記エポキシフラン化合物を含む硬化性組成物、及びその硬化物を提供することができる。
[エポキシフラン化合物]
本発明のエポキシフラン化合物は、下記式(1)で表される化合物である。

(式(1)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
式(1)中のRはフラン環を含む有機基である。前記フラン環を含む有機基に特に制限はなく、例えば、下記式(a1)〜(a4)で表される有機基を用いることができる。

(式(a1)〜(a3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは互いに連結し、環構造を形成してもよい。また、式(a3)及び式(a4)中、Rは、それぞれ独立に、水酸基を有してもよい炭素数2〜6のアルキレン基を示し、nは1〜1000を示す。なお、分子内に複数のR、R及びRがある場合には、それぞれ互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。式(a1)〜(a4)中、*は結合位置を示す。)
前記式(a2)及び式(a3)におけるR及びRが示す炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、及びsec−ブチル基が挙げられる。また、R及びRが連結して環構造を形成する場合のR及びRの合計炭素数は2〜8であり、具体的な環構造としてはシクロペンタン、及びシクロヘキサン等が挙げられる。
前記R及びRは、製造容易性の観点から、それぞれ独立に炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記式(a3)及び式(a4)におけるRとしては、エチレン基、メチルエチレン基(プロピレン基)、トリメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、メチルトリメチレン基、ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、及びヘキサメチレン基等のアルキレン基、及び2−ヒドロキシトリメチレン基等の水酸基を1つ有するアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、Rとしては、水酸基を1つ有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。
前記式(a3)及び式(a4)におけるnは、1〜500が好ましく、1〜300がより好ましい。また、nの数は、その用途により好適な範囲が異なり、例えば、本発明のエポキシフラン化合物が後述する樹脂(重合体)と共に使用され、架橋剤として作用する場合には、重合体と反応しやすいように1〜50が好ましく、1〜20がより好ましい。また、後述する硬化剤と共に使用され、硬化性樹脂の主剤として使用される場合には、エポキシフラン化合物の反応性と硬化物の物性のいずれをも良好にするために、nは1〜500が好ましく、2〜300がより好ましい。
なお、前記式(a3)で表される有機基を含む化合物は、例えば、ビスフランジカルボン酸化合物と、ジオール化合物等の多価アルコール化合物とを公知の方法で反応させることにより得ることができる。使用することができるジオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等の炭素数1〜6の各種ジオールが挙げられる。
また、前記式(a4)で表される有機基を含む化合物は、例えば、フランジカルボン酸化合物と、前記ジオール化合物等の多価アルコール化合物とを公知の方法で反応させることにより得ることができる。
本発明のエポキシフラン化合物においては、フラン環を1個又は2個有する有機基が好ましく、前記式(a1)及び式(a2)で表される有機基が好ましい。
[エポキシフラン化合物の製造方法]
下記式(1)で表される本発明のエポキシフラン化合物の製造方法は、下記式(2)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物と、下記式(3)で表されるアリルグリシジルエーテル化合物とを反応させることにより下記式(4)で表されるアリルフラン化合物を得た後、前記式(4)で表されるアリルフラン化合物のアリル基をエポキシ化する製造方法である。

(式(1)、式(2)及び式(4)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
本発明の製造方法においては、エピハロヒドリン等のハロゲン含有化合物を使用することなく製造することができるため、環境に対する負荷を抑えることができる。また、エピハロヒドリン等のハロゲン含有化合物を用いた場合のように連鎖的に反応が進行することがないため、目的とする分子量を有する化合物を高純度で得ることができる。更にエピハロヒドリン等のハロゲン含有化合物を用いた場合、副反応に起因して目的とする化合物中にハロゲン原子が残存する場合があるが、本発明ではハロゲン含有化合物を用いずに反応を行うことができるため、実質的にハロゲン原子を含有しない化合物を得ることができる。
本発明の製造方法においては、まず、前記式(2)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物(以下、「フラン環含有ジカルボン酸化合物」ともいう)と、前記式(3)で表されるアリルグリシジルエーテル化合物(以下、「アリルグリシジルエーテル化合物」ともいう)とを反応させることにより前記式(4)で表されるアリルフラン化合物(以下、「アリルフラン化合物」ともいう)を得る。
なお、前記式(2)中のRは、前記式(1)におけるRと同義であり、その好ましい態様は前記式(1)におけるRと同じである。したがって、前記式(2)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物としては、下記式(b1)〜(b4)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物が好ましい。

(式(b1)〜(b4)中、R、R、R及びnは、式(a1)〜(a4)におけるR、R、R及びnと同義である。)
前記フラン環含有ジカルボン酸化合物と前記アリルグリシジルエーテル化合物との反応における前記アリルグリシジルエーテル化合物の使用量は、十分に反応を進行させる観点及び製造コストを抑える観点から、前記フラン環含有ジカルボン酸化合物1モルに対して、1.9〜4モルが好ましく、2〜4モルがより好ましく、2〜3.5モルが更に好ましく、2〜3モルがより更に好ましい。
前記フラン環含有ジカルボン酸化合物と前記アリルグリシジルエーテル化合物とを反応させる際の温度は、反応を十分に進行させる観点から、25℃〜200℃が好ましく、40〜150℃がより好ましく、50〜100℃が更に好ましく、反応時間は、1〜24時間が好ましく、2〜20時間がより好ましく、3〜15時間が更に好ましい。
前記フラン環含有ジカルボン酸化合物と前記アリルグリシジルエーテル化合物との反応においては、触媒を用いて反応を行ってもよい。前記触媒としては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリオクチルアミン等の3級アミン、ピリジン、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、及び1−ベンジルイミダゾール等の芳香族アミンが挙げられる。
触媒の使用量は、前記フラン環含有ジカルボン酸化合物1モルに対して、好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.02〜0.8モル、更に好ましくは0.03〜0.6モルである。
前記フラン環含有ジカルボン酸化合物と前記アリルグリシジルエーテル化合物との反応においては溶媒を用いることが好ましい。
溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等のアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、及びジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、及びジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、及びクロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられる。これらの溶媒は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、アミド類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類及びこれらの混合溶媒が好ましく、アミド類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、及びこれらの混合溶媒がより好ましい。
前記溶媒の使用量は、フラン環含有ジカルボン酸化合物100質量部に対して、100〜1500質量部が好ましく、200〜1300質量部がより好ましく、300〜1100質量部が更に好ましい。
本発明においては、このようにして得られた前記アリルフラン化合物のアリル基をエポキシ化することにより前記式(1)で表されるエポキシフラン化合物を得ることができる。
前記アリルフラン化合物をエポキシ化する方法としては、例えば、前記アリルフラン化合物をエポキシ化剤の存在下で反応させる方法が挙げられる。
エポキシ化剤に特に制限はなく、例えば、過ギ酸、過酢酸、メタクロロ過安息香酸、及びトリフルオロ過酢酸等の有機過酸や過酸化水素を用いることができる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化剤の使用量は、アリルフラン化合物1モルに対して、2〜5モルが好ましく、2.1〜4.5モルがより好ましく、2.2〜4モルが更に好ましい。
エポキシ化反応を行うにあたっては触媒を使用することもでき、例えば、チタノシリカライト等のチタン系化合物、タングステン酸及びその塩、燐タングステン酸及びその塩等のタングステン含有化合物、モリブデン酸及びその塩、燐モリブデン酸及びその塩等のモリブデン含有化合物、ヘテロポリ酸、バナジウム含有化合物、レニウム含有化合物、コバルト含有化合物、砒素系化合物、硼素系化合物、アンチモン系化合物、及び遷移金属ポルフィリン錯体等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エポキシ化剤を希釈して安定に反応を行う観点から、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、前記エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、及びハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられる。なお、これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化反応における前記溶媒の使用量は、アリルフラン化合物100質量部に対して、300〜5000質量部が好ましく、500〜4500質量部がより好ましく、700〜4000質量部が更に好ましい。
エポキシ化反応を行う際の反応温度は、使用するエポキシ化剤の反応性によって適宜定めることができるが、例えば、0〜20℃とすることが好ましい。なお、反応を安定に行う観点から、アリルフラン化合物とエポキシ化剤とを混合する際は0〜20℃とし、反応を十分に進行させる観点から、混合後20〜60℃程度に昇温して反応を行うことが好ましい。
本発明におけるエポキシ化反応は、アリルフラン化合物の両末端のアリル基の全てをエポキシ化してもよいが、一部がアリル基のまま残っていてもよい。アリル基の一部が残っているとエポキシフラン化合物を硬化させる際に、該アリル基をエポキシ基とは別の反応による硬化性の官能基として利用することができる。なお、前記式(4)におけるRが前記式(a1)であるアリルフラン化合物において、一方の末端のみをエポキシ化した場合には下記式(c1)で表される化合物が得られ、本発明の製造方法により製造された化合物中には下記式(c1)で表される化合物が含まれていてもよい。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、前記エポキシフラン化合物を含有するものであり、更にエポキシ硬化剤、及びフラン樹脂等の樹脂を含有してもよい。
硬化性組成物に用いることができるエポキシ硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化することが可能な公知の硬化剤を使用可能である。具体的なエポキシ硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メンタンジアミン、1,3‐ビスアミノメチルシクロヘキサン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン系硬化剤;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデシニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤;ダイマー又はトリマー酸とポリアミンの縮合物であるポリアミド樹脂類;三フッ化ホウ素−アミン錯体等のルイス酸類;ジシアンジアミド等のアミドアミン系硬化剤;フェノール又はその誘導体等が挙げられるが、これらの中では、イミダゾール系硬化剤が好ましい。
本発明の硬化性組成物がエポキシ硬化剤を含有する場合、本発明のエポキシフラン化合物が組成物の主剤を構成し、前記硬化剤によって架橋ないし硬化された硬化物を得ることができる。硬化性組成物中のエポキシ硬化剤の含有量は、エポキシフラン化合物のエポキシ当量にあわせて適宜調整すればよいが、エポキシフラン化合物100質量部に対して、例えば、1〜100質量部が好ましく、2〜50質量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、前述のとおり、フラン樹脂等の樹脂を含有してもよい。硬化性組成物に含まれていてもよい樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、重量平均分子量が300〜1,000,000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、例えば、ポリスチレン換算で、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
前記樹脂は、アミノ基、カルボキシル基、無水カルボキシル基、及びフェノール性水酸基等のエポキシ基と反応可能な反応性官能基を有してもよいが、有していなくてもよい。なお、前記樹脂が反応性官能基を有する場合、本発明のエポキシフラン化合物は前記樹脂と反応して架橋剤として作用する。
本発明の硬化性組成物が樹脂を含有する場合、前記エポキシフラン化合物100質量部に対する前記樹脂の含有量は、0.1〜200質量部が好ましく、0.5〜100質量部がより好ましく、1〜50質量部が更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、更に従来のエポキシ樹脂で使用される添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、充填材、可塑剤、顔料、及びカップリング剤等が挙げられる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、前記硬化性組成物を硬化させたものであり、硬化時の着色が少なく、優れた機械強度と伸張性を有するものである。本発明の硬化物は、前記硬化性組成物を、例えば、30〜200℃、好ましくは35〜150℃で加熱硬化させることにより得ることができる。
具体的な硬化方法としては、前記硬化性組成物を所定形状の容器又は金型に収容し、前記温度に調整された恒温槽、又は恒温水槽内で加熱することにより硬化させることができる。また、所定形状の容器又は金型内に前記温度に調整された熱風、又は熱水を循環させることにより硬化させることもできる。
また、本発明の硬化物は、前記硬化性組成物を繊維質基材に含浸させた含浸体を硬化させることにより、繊維質基材と共に複合硬化体とされた硬化物であってもよい。繊維質基材に含浸された硬化性組成物の硬化方法に特に制限はなく、例えば、含浸体を金型内に設置し、熱風であるいは熱板に挟み込んで加熱硬化する方法等が挙げられる。
また、繊維質基材としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、紙、綿、麻等からなる織物、不織布、チョップドストランドマット、及びロービングクロス等が挙げられる。
不織布の材料としては、例えばポリエステル、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン等が好ましい。また、可撓性を有し多孔質である、連続フィラメント又はステープルファイバーを備えたフェルト、マット、スパンボンド、ウェブ等も使用することができる。チョップドストランドマットとしては、例えばガラス繊維等のストランドを一定長さに切断し、マット状に分散させた後、熱可塑性樹脂等の粘接着剤を均一に付与して熱溶融し、ストランド同士を接着させてマットとしたもの等が好ましい。ロービングクロスとしては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、無機繊維、有機繊維、ウィスカー等の強化繊維からなるものが好ましい。
本発明のエポキシフラン化合物は、様々な分野で使用可能であり、電気分野、土木分野、建築分野、及び機械分野等で使用可能であり、例えば、鋼管ライニング材、目地セメント、接着剤、FRP、及びプリプレグ等に使用可能である。また、電子材料分野の積層板や絶縁基板にも使用可能である。
以上のように、本発明のエポキシフラン化合物は、フラン環を基本骨格に有するため、再生可能資源を利用して製造することが可能である。更に、エポキシフラン化合物から製造される硬化物は、硬化時の着色が少なく、機械強度、伸張性及び接着性等の物性に優れている。
実施例1
<アリルフラン化合物の合成>
下記式(I)に沿って反応を行うことによりアリルフラン化合物を得た。
具体的には、2,5−フランジカルボン酸100質量部、アリルグリシジルエーテル146質量部、及び触媒としてのベンジルトリエチルアンモニウムクロリド7質量部と、クロロホルム600質量部及びジメチルホルムアミド300質量部の混合溶媒とを混合し、70℃で9時間反応させた。
反応終了後、減圧下で溶媒を留去した後、クロロホルムを添加して希釈し、イオン交換水で有機相を3回洗浄した。水相を分離後、有機相に無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥させた。更に減圧下にて溶媒及び揮発分を留去することにより目的とするアリルフラン化合物を得た。得られたアリルフラン化合物は淡黄色の液状物であった。
重DMSO中でのH−NMR測定したところ、アリルグリシジルエーテルのエポキシ基に由来する特徴的なピーク(2.55ppm、2.72ppm、及び3.11ppm)が消失し、新たにエステル結合の生成に伴うピーク(4.22ppm及び4.31ppm)が観察された。
また、FT−IRの測定により、エステル結合に基づくピーク(1723cm−1)、アリル基に基づくピーク(1645cm−1、996cm−1、及び935cm−1)が観察された。
以上の結果より、目的のアリルフラン化合物が得られていることを確認した。
なお、H−NMR、FT−IRの測定条件は、以下のとおりであった。
H−NMRスペクトル測定〕
日本電子株式会社製NMR測定装置「ECX−400」を用い、重DMSOを溶媒とし、23℃で測定した。
〔FT−IR測定〕
スペクトロメータとして、ThermoElectron製「NICOLET380」を用いてATR法により測定した。
<エポキシフラン化合物の合成>
下記式(II)に沿って反応を行うことによりエポキシフラン化合物を得た。
実施例1で得られた化合物100質量部をクロロホルム3000質量部に溶解させた後、0℃に氷冷した。これに水を約30質量%含有するメタクロロ過安息香酸(mCPBA)152質量部を少しずつ添加し、添加終了後、室温(25℃)に戻して40時間反応させた。その後、5質量%亜硫酸ナトリウム溶液を用いて、ヨウ素でんぷん紙での反応がなくなるまで洗浄した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムを添加して脱水した後、溶媒を留去し、目的のエポキシフラン化合物を得た。得られたエポキシフラン化合物はほぼ無色の液状物であった。
重DMSO中でのH−NMR測定したところ、前記アリルフラン化合物において観察されたアリル基由来の特徴的なピーク(5.1〜5.3ppm及び5.8〜5.9ppm付近)がほぼ消失し、エポキシ基の生成に伴うピーク(2.54ppm付近、2.72ppm付近、及び3.10ppm付近)が観察された。
また、FT−IRにより測定を行ったところ、前記アリルフラン化合物において確認されたアリル基のピークが消失し、エステル結合に基づくピーク(1723cm−1)と共に、エポキシ基生成に基づくピーク(909cm−1及び851cm−1)が新たに観察された。
以上の結果より、目的とするエポキシフラン化合物が得られていることを確認した。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物。

    (式(1)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
  2. 前記式(1)におけるRが、下記式(a1)及び(a2)で表される置換基である、請求項1に記載のエポキシフラン化合物。

    (式(a2)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは互いに連結し、環構造を形成してもよい。式(a1)及び(a2)中、*は結合位置を示す。)
  3. 請求項1又は2に記載のエポキシフラン化合物を含む硬化性組成物。
  4. 請求項3に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物。
  5. 下記式(2)で表されるフラン環含有ジカルボン酸化合物と、下記式(3)で表されるアリルグリシジルエーテル化合物とを反応させることにより下記式(4)で表されるアリルフラン化合物を得た後、前記式(4)で表されるアリルフラン化合物のアリル基をエポキシ化することにより下記式(1)で表されるエポキシフラン化合物を得る、エポキシフラン化合物の製造方法。

    (式(1)、式(2)及び式(4)中、Rはフラン環を含む有機基を示す。)
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