JP2017089490A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献3に示すように、渦巻状の壁体の途中で段部を設けて高さを変化させ、高さ方向の圧縮も加えた三次元的な圧縮を行うスクロール圧縮機が知られている。このような三次元的な圧縮を行うスクロール圧縮機は、渦巻状壁体の高さを変化させない二次元的な圧縮に比べて、設計容積比(設計圧力比)を大きくすることが可能である。
一方、二条スクロールは、渦巻状壁体の内側と外側の位相差が90°であるために、段部の軌跡円(180°)とは一致せず、圧縮室が形成困難になるという根本的問題が存在していた。なお、この点は、図8〜図13を用いて後に説明する。
すなわち、本発明にかかるスクロール圧縮機は、端板の一側面に立設された渦巻状の第一壁体および第二壁体からなる二条の壁体を有し、定位置に固定された固定スクロールと、端板の一側面に立設された渦巻状の第三壁体および第四壁体からなる二条の壁体を有し、前記第一壁体及び前記第二壁体に対して前記第三壁体及び前記第四壁体が噛み合わされた状態で自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、前記第一壁体及び前記第二壁体は、互いの渦巻き中心を共通にして180°回転させた点対称位置に配置され、前記第三壁体及び前記第四壁体は、それぞれ、前記第一壁体及び前記第二壁体と同一形状とされ、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとは、互いに90°の位相差をもって噛み合わされ、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールのそれぞれは、流体を吸入して締め切る各前記壁体の外周側の巻き終わり位置に対応する前記端板側の底部が外周側よりも中央側で高さが高くなる底部側段部を有し、かつ、該底部側段部に噛み合う各前記壁体の高さ方向における先端が外周側よりも中央側で低くなる壁体側段部を有することを特徴とする。
本実施形態のスクロール圧縮機は、気体(流体)の圧縮を行うものであり特に限定されるものではないが、例えばエンジンに取り付けられる過給機の圧縮機として用いられる場合には燃焼用空気の圧縮を行い、蒸気圧縮式冷凍機の圧縮機として用いられる場合には冷媒の圧縮を行うものである。
端板6の中央には、圧縮後の気体を外部へ吐出する吐出ポート5が形成されている。
したがって、第三壁体10は、第一壁体3と同様に、巻き始め10a、巻き終わり10b、壁体側段部10c及び底部側段部10dを備えている。第四壁体11も、第二壁体4と同様に、巻き始め11a、巻き終わり11b、壁体側段部11c及び底部側段部11dを備えている。また、第一壁体3と第二壁体4との位置関係と同様に、第四壁体11は、第三壁体10の渦巻き中心O2と同じ渦巻き中心を有し、第三壁体10を渦巻き中心O2回りに180°回転させた点対称位置に配置されている。
図3の状態は、固定スクロール1の第一壁体3の壁体側段部3cと旋回スクロール2の第三壁体10の底部側段部10dとが噛合い開始点A1で噛み合ってシールを開始し、第三壁体10の巻き終わり10bにて気体を吸入して締め切った吸入締切時の状態を示している。すなわち、旋回スクロール2の底部側段部10dが第三壁体10の巻き終わり10bに対応する位置に設けられているので、吸入締切時に、壁体側段部3cと底部側段部10dとの噛み合い、閉じた圧縮空間を形成するようになっている。(以下、壁体側段部3cと底部側段部10dとの噛合い部を「噛合い段部A」という。)
噛合い段部Aと噛合い段部Bとの設置角は、上述した通り渦巻き中心O1,O2周りに90°とされている。そして、噛合い段部Aのシール可能範囲は、半円形(180°)の横断面を有する底部側段部10dに対して壁体側段部3cが噛み合う角度範囲なので、180°となる。同様に、噛合い段部Bのシール可能範囲は、半円形(180°)の横断面を有する底部側段部4dに対して壁体側段部10cが噛み合う角度範囲なので、180°となる。
そうすると、吸入締切角に到達したときは、噛合い段部Aでのシールが終了しているが、圧縮空間S1を形成する噛合い開始点A1(図3参照)は噛合い段部Aを通過した直後であり、噛合い段部Aでのシール状態には影響を受けない。その後の90°の旋回角の間は、噛合い段部Bのシールが継続しているので圧縮空間S1は漏れなく維持される。そして、圧縮空間S1の噛合い位置が噛合い段部Bの設置角を通過した後は、上述の通り、圧縮空間S1の領域には噛合い段部は存在しないので、漏れの無い圧縮が継続される。
したがって、図7に示すように、固定スクロール1と旋回スクロール2とは、吸入締切時から気体の漏れが発生することなく順次圧縮できるようになっている。同図では、(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)→(g)→(h)→(a)の順に圧縮が行われる。図3に示した状態が図7(e)に対応し、図5に示した状態が図7(g)に対応する。
図8は、第3壁部10の底部側段部10d’が第3壁部10の巻き終わり10bに設けられておらず、巻き終わり10bから中央側に90°以上進んだ位置にある場合、すなわち、噛合い段部A’が吸入締切位置から中央側に90°以上進んだ位置にある場合である。このような場合、図8に示すように第3壁部10の巻き終わり10bにおいて吸入締切を行っても、噛合い段部A’ではシール可能な角度範囲を過ぎた位置となりシールが行われていない。具体的には、図9に示されているように、噛合い段部A’では、シール開始点A1からシール終了点A2までの角度範囲を過ぎた位置に壁体側段部3c’が位置しているので、隙間Gから気体が漏れる。このため、図8にて矢印F1で示すように、噛合い段部A’の隙間から気体が圧縮空間S1’から漏れて隣の部屋へと流れ込み、この隣の部屋は吸入吸込が完了していないため、矢印F2で示すように、外部へと気体が漏れ出てしまう。
一方、圧縮空間S1’に位置するもう一つの噛合い段部B’でも、シールが達成されていないので、さらに内側の圧縮空間S2’に連通することになり、矢印F3で示すように、圧縮空間S2’から圧縮空間S1’への漏れ流れが形成される。
このように、図8のように第三壁体10の巻き終わり10bで吸入締切を行ったとしても、噛合い段部A’及び噛合い段部B’から漏れ流れが生じ、気体を圧縮することができない。
図10には、図8の状態からさらに90°旋回が進んだ状態が示されている。同図から分かるように、噛合い段部B’ではシールが達成されているものの、噛合い段部A’では依然としてシールが達成されていないので漏れ流れが発生する。
比較例2は、比較例1よりも噛合い段部A”が吸入締切位置側に位置しており、吸入締切位置(巻き終わり10b)から90°以下の範囲に位置している場合である。
このような場合、図11に示すように第3壁部10の巻き終わり10bにおいて吸入締切を行っても、噛合い段部A”ではシール可能な角度範囲に到達する前の位置となりシールが行われていない。具体的には、図12に示されているように、噛合い段部A”では、シール開始点A1からシール終了点A2までの角度範囲に到達する前の位置に壁体側段部3c”が位置しているので、隙間Gから気体が漏れる。なお、符号10d”は、底部側段部を示す。このため、図11にて矢印F4で示すように、噛合い段部A”の隙間から気体が圧縮空間S1”から漏れて隣の部屋へと流れ込み、この隣の部屋は吸入吸込が完了していないため、矢印F5で示すように、外部へと気体が漏れ出てしまう。
一方、圧縮空間S1”に位置するもう一つの噛合い段部B”では、シールが達成されており、噛合い段部B”では漏れ流れは生じていない。
このように、図11のように巻き終わり10bで吸入締切を行ったとしても、噛合い段部A”から漏れ流れが生じ、気体を圧縮することができない。これは、実質的には、噛合い段部A”がシール開始点A1(図12等参照)に位置するまで吸入を締め切っても密閉した圧縮空間を形成することができないことを意味する。したがって、例えば図3に示した本実施形態のように、吸入締切時にシール開始点A1にて噛み合うように噛合い段部Aを位置させること、すなわち、壁体の巻き終わりに底部側段部を設けて噛合い段部Aを構成することが吸入締切時に密閉した圧縮空間を形成するための必須条件となる。
なお、図13には、図11の状態からさらに90°旋回が進んだ状態が示されている。同図から分かるように、噛合い段部B”ではシールが達成されているものの、噛合い段部A”を通過した後に密閉した圧縮空間S1”を形成することになるので、吸入容積の増大を図ることができない。
90°の位相差をもって噛み合わされた二条スクロールでは、流体を吸入して締め切る壁体3,4,10,11の巻き終わり位置に対応する底部に底部側段部3d,4d,10d,11dを設け、かつ、底部側段部3d,4d,10d,11dに噛み合う位置に壁体側段部3c,4c,10c,11cを設けると、吸入締め切り時に形成された圧縮室S1が開放されることなく全ての旋回角で圧縮室を維持しつつ圧縮できる。これにより、二条スクロールに対して壁体3,4,10,11の高さ方向の圧縮を加えた三次元的な圧縮を実現することができ、吸入容積の増大だけでなく設計容積比(設計圧力比)も増大することができる。
2 旋回スクロール
3 第一壁体
3a 巻き始め
3b 巻き終わり
3c 壁体側段部
3d 底部側段部
4 第二壁体
4a 巻き始め
4b 巻き終わり
4c 壁体側段部
4d 底部側段部
5 吐出ポート
6 端板(固定スクロール)
7 端板(旋回スクロール)
10 第三壁体
10a 巻き始め
10b 巻き終わり
10c 壁体側段部
10d 底部側段部
11 第四壁体
11a 巻き始め
11b 巻き終わり
11c 壁体側段部
11d 底部側段部
O1 渦巻き中心(固定スクロール)
O2 渦巻き中心(旋回スクロール)
Claims (1)
- 端板の一側面に立設された渦巻状の第一壁体および第二壁体からなる二条の壁体を有し、定位置に固定された固定スクロールと、
端板の一側面に立設された渦巻状の第三壁体および第四壁体からなる二条の壁体を有し、前記第一壁体及び前記第二壁体に対して前記第三壁体及び前記第四壁体が噛み合わされた状態で自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールと、
を備え、
前記第一壁体及び前記第二壁体は、互いの渦巻き中心を共通にして180°回転させた点対称位置に配置され、
前記第三壁体及び前記第四壁体は、それぞれ、前記第一壁体及び前記第二壁体と同一形状とされ、
前記固定スクロールと前記旋回スクロールとは、互いに90°の位相差をもって噛み合わされ、
前記固定スクロール及び前記旋回スクロールのそれぞれは、流体を吸入して締め切る各前記壁体の外周側の巻き終わり位置に対応する前記端板側の底部が外周側よりも中央側で高さが高くなる底部側段部を有し、かつ、該底部側段部に噛み合う各前記壁体の高さ方向における先端が外周側よりも中央側で低くなる壁体側段部を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
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2015
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