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JP2017082124A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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JP2017082124A
JP2017082124A JP2015212846A JP2015212846A JP2017082124A JP 2017082124 A JP2017082124 A JP 2017082124A JP 2015212846 A JP2015212846 A JP 2015212846A JP 2015212846 A JP2015212846 A JP 2015212846A JP 2017082124 A JP2017082124 A JP 2017082124A
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epoxy
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JP2015212846A
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郁恵 小林
Ikue Kobayashi
郁恵 小林
大西 美奈
Mina Onishi
美奈 大西
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

【課題】ポットライフが長く、注型温度領域で速硬化性かつ成型性に優れ、低臭気であり、さらに、高い電気絶縁性を付与することができる注型成形用のエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、絶縁性および接着性に優れるため、電子機器類、塗料や接着剤、土木建材、自動車や飛行機等の幅広い分野で用いられている。エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系硬化剤、ジアミン系硬化剤、シアネート系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が用いられている。これらの中でも、絶縁性を高めるためには酸無水物系硬化剤が有効である。この酸無水物系硬化剤は、モールド変圧器、絶縁機器の開閉装置、管路気中送電装置、その他の電気機器の絶縁支持または電気部材間の絶縁スペーサ、ブッシング等の絶縁部材の部品に用いられている。
近年、ニーズの高度化に伴い、より高い機能を有するエポキシ樹脂が求められている。特に、作業効率化の観点から、注型温度域(110℃〜180℃)での速硬化性が大きな課題となっており、これに対応可能なエポキシ樹脂素材の出現が強く求められている。
以上の理由から、生産性向上による低コスト化の観点から、注型絶縁樹脂であるエポキシ樹脂の速硬化、短時間硬化、および、より低温での硬化を達成するという課題は極めて重要なことである。そこで、エポキシ樹脂構造を変えずに硬化速度を速める樹脂組成物の検討が進められている。
反応性の高い硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂とアルカノールアミン化合物と、1分子中にアミン基を2個以上有するアミン化合物と、を含有するエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)や、微粉末状イミダゾール化合物組成物と、エポキシ樹脂と、を含有するエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特許文献1には、エポキシ樹脂組成物は、全温度域で硬化速度が速く、低温硬化性も発現することが記載されている。また、特許文献2には、エポキシ樹脂組成物は、140℃付近で劇的に硬化速度が速くなり、1分程度で硬化すること、酸無水物系硬化剤を併用することができることが記載されている。
しかしながら、高電圧機器用途等では、エポキシ樹脂組成物を110℃(注型温度)に加熱された注型成形用金型に注入するのに数分から数十分の時間を要するため、作業時間の自由度が非常に低く、ポットライフ(可使時間)が短いという課題があった。また、特許文献2のエポキシ樹脂組成物は、110℃で急激に反応が進行するため、内部発熱が大きく、成型物にヒケやボイドといった形状異常が発生しやすくなるという課題があった。
反応速度の面のみに注目すると、特許文献1、2のように、硬化剤として、第一級アミン、第二級アミンあるいはイミダゾール化合物、メルカプタン化合物を用いて、硬化速度を速めたり、常温硬化性を発現させたりすることは可能である。しかしながら、これらの硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、吸湿により電気絶縁性が低下するため、接着剤、土木建材等の用途には用いることができるものの、絶縁部材には適していない。
酸無水物系硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の速硬化を図る方法としては、例えば、硬化促進剤に有機リン化合物を組み合わせる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3のエポキシ樹脂組成物は、高速で硬化させた場合の硬化性が十分ではないこと、有機リン化合物は、通常、常温で結晶固体であり混合時に加熱を要する等の作業性に劣ること、また、脱型時における樹脂の剛性が十分でなく、寸法精度が低下する場合があること等の課題があった。
酸無水物系硬化剤とポリチオールとを組み合わせたエポキシ樹脂組成物としては、例えば、メルカプト基(SH基)を少なくとも2個有する1級チオール化合物を、0.5質量%〜10質量%含有するエポキシ樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4には、課題として、エポキシ樹脂組成物の透明性と金属部材に対する高い接着性が記載されているものの、硬化速度については何ら記載されていない。また、特許文献4のエポキシ樹脂組成物は、エステル型の1級チオール化合物を含むため、ポットライフが短く、かつ臭気が強いため作業性に問題があった。
特開2007−246601号公報 特開2010−180162号公報 国際公開第2007/125759号 特許第5224734号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポットライフが長く、注型温度領域で速硬化性かつ成型性に優れ、低臭気であり、さらに、高い電気絶縁性を付与することができる注型成形用のエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂と酸無水物に、分岐型多官能チオール化合物を添加してなるエポキシ樹脂組成物は、ポットライフを長くしつつ、硬化時間の短縮および硬化温度の低下の少なくともいずれか一方を達成し、さらに低臭気であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]に記載のエポキシ樹脂組成物に関する。
[1](A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[2]前記(C)分岐型多官能チオール化合物が、下記一般式(1)で表わされる基を含む[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2017082124
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方は炭素原子数1〜10のアルキル基である。mは0〜2の整数である。)
[3]前記(C)分岐型多官能チオール化合物が、下記一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸と、アルコール類とのエステルである[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2017082124
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方は炭素原子数1〜10のアルキル基である。mは0〜2の整数である。)
[4]前記(C)分岐型多官能チオール化合物は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンおよびトリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)からなる群から選択される少なくとも1つである[1]〜[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5]前記(B)酸無水物の配合量は、酸無水物基1個をカルボキシル基2個と換算したとき、前記(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基の数に対するカルボキシル基の数の比が0.3以上2.0以下となる量である[1]〜[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[6]前記(C)分岐型多官能チオール化合物の配合量は、前記(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と前記(B)酸無水物の総量100質量部に対して、1.0質量部以上30質量部以下である[1]〜[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[7]前記(D)硬化促進剤の配合量は、前記成分(A)、前記成分(B)および前記成分(C)の総量100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
本発明によれば、ポットライフが長く、注型温度領域で速硬化性かつ成型性に優れ、低臭気で、かつ高い電気絶縁性を与えることができるため、塗料、接着剤、土木建材はもちろん、電気信頼性が必要な電気製品にも使用でき、様々な産業分野に適用可能となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなる。
なお、以下、(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物を成分(A)、(B)酸無水物を成分(B)、(C)分岐型多官能チオール化合物を成分(C)、(D)硬化促進剤を成分(D)と言う。
<成分(A)>
本発明における成分(A)としては、エポキシ基を2つ以上有していれば特に限定されず、例えば、水酸基を複数有するフェノールから得られる芳香族グルシジルエーテル、水酸基を複数有するアルコールから得られる脂肪族グリシジルエーテル、アミンから得られるグリシジルアミン、カルボキシル基を複数有するカルボン酸から得られるグリシジルエステル、オキジラン環を有するエポキシ樹脂、市販の多価エポキシ化合物等が挙げられる。
芳香族グリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールDのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノールから得られるジグリシジルエーテル、フェノールやアルキルフェノール等から得られるノボラックのポリグリシジルエーテル、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、ヒドロキノンのジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシフェニルのジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシー3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルのジグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルと2官能イソシアネートを反応させて得られるオキサゾリン骨格を有するジグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂肪族グリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングルコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、グリセリンのジあるいはトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジあるいはトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ドデカヒドロビスフェノールAのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルアミンとしては、例えば、テトラグリシジルアミンフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等が挙げられる。
グリシジルエステルとしては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
オキジラン環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジペンテンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、ジシクロペンタジエンジオキシド、4−ビニルシクロヘキセンジオキシドのオリゴマー等が挙げられる。
市販の多価エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、三菱化学社製のjER(登録商標)828、1001、801、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、カージュラE10P;大日本インキ化学工業社製のエピクロン(登録商標)830、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820;ADEKA社製のEP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EPU6、EPR4023、EPR1309、EP49−20;ナガセケムテックス社製デナコールEX411、EX314、EX201、EX212、EX252、EX111、EX146、EX721等が挙げられる。これらの多価エポキシ化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(A)の配合量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)の総量100質量部に対して、30質量部以上90質量部以下であることが好ましく、40質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
成分(A)の配合量が30質量部以上であれば、硬化が進みやすく、短時間で硬化する。一方、成分(A)の配合量が90質量部以下であれば、酸無水物に特有の物性が得られ、かつ硬化が進みやすくなる。
<成分(B)>
本発明における成分(B)は、カルボン酸無水物であり、より具体的には、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能なカルボン酸無水物を1個以上有する化合物である。成分(B)は、成分(A)(2個以上のエポキシ基を有する化合物)の硬化剤として作用する。
本発明における成分(B)としては、脂環式構造を有する酸無水物、フタル酸無水物のような芳香環を有するが脂環式構造を持たない酸無水物、無水コハク酸のような芳香環、脂環式構造のいずれも持たない酸無水物等が挙げられる。これらの中でも、低粘度な液状で取扱い易く、また硬化物の耐熱性や機械的物性の観点から、脂環式構造を有する酸無水物が好ましい。さらに、脂環式構造を有する酸無水物の中でも、シクロアルカン環またはシクロアルケン環を有する酸無水物が好ましい。
このような脂環式構造を有する酸無水物としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸ジアンヒドリド、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、メチル無水ナジック酸、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジアンヒドリド、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフランー3−イル)−3−メチル−1,2,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(B)の配合量は、酸無水物基1個をカルボキシル基2個と換算したとき、成分(A)のエポキシ基の数に対するカルボキシル基の数の比が0.3以上2.0以下となる量であることが好ましく、0.5以上1.5以下となる量であることがより好ましい。
成分(B)の配合量が、成分(A)のエポキシ基の数に対するカルボキシル基の数の比が0.3以上となる量であれば、硬化物は物性が優れる。一方、成分(B)の配合量が、成分(A)のエポキシ基の数に対するカルボキシル基の数の比が2.0以下となる量であれば、ポットライフが長くなる。
なお、酸無水物基の1個は、カルボキシル基が2個として計算する。
<成分(C)>
成分(C)は、分岐型多官能チオール化合物であり、つまり、メルカプト基を2個以上有し、かつ全てのメルカプト基が第二級炭素原子または第三級炭素原子に結合している化合物である。すなわち、成分(C)は、全てのメルカプト基に対してα位の炭素原子に置換基が結合したメルカプト基含有基を有し、かつメルカプト基を2個以上有しているということである。置換基の少なくとも1つは、アルキル基であることが好ましい。
メルカプト基に対してα位の炭素原子に置換基が結合しているということは、メルカプト基のα位の炭素が2個または3個の炭素原子と結合していることを意味する。置換基の少なくとも1つがアルキル基であるとは、メルカプト基に対してα位の炭素原子に結合した基のうち主鎖以外の基の少なくとも1つがアルキル基であることを意味する。ここで、主鎖とは、α位の炭素原子に結合した、メルカプト基および水素原子以外の構造部位のうち最も長鎖の構造部位を言う。
メルカプト基含有基としては、下記一般式(1)で示される基が好ましい。
Figure 2017082124
上記一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方はアルキル基である。すなわち、RおよびRがともに水素原子となることはない。なお、RおよびRがともにアルキル基の場合は、両者は同じであっても異なっていてもよい。
およびRが表す炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましい。
mは0〜2の整数であり、0または1であることが好ましい。
このように、成分(C)は、全てのメルカプト基が第二級炭素原子または第三級炭素原子に結合している化合物であるため、ポットライフが長くかつ臭気が少なく、取扱い性が優位になる。これに対して、単官能化合物あるいは1級チオール化合物の場合は、臭気が強いため、取扱い性が非常に劣る。
成分(C)としては、下記一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体構造を有する化合物がより好ましい。
Figure 2017082124
成分(C)は、下記一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸と、アルコール類とのエステルであることがさらに好ましい。
Figure 2017082124
上記一般式(2)および上記一般式(3)におけるR、Rおよびmの定義は、上記一般式(1)におけるこれらの定義と同様である。
アルコール類としては、多官能アルコールが好ましい。多官能アルコールを用いることにより、エステル化反応後の化合物を多官能チオール化合物とすることができる。
多官能アルコールとしては、例えば、アルキレングリコール(ただし、アルキレン基の炭素原子数は2〜10が好ましく、その炭素鎖は枝分かれしていてもよい。)、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール等が挙げられる。
多官能アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール等のアルキレン主鎖の炭素数が2のアルキレングリコール、およびトリメチロールプロパンペンタエリスリトールが好ましい。
上記一般式(2)におけるメルカプト基含有カルボン酸としては、例えば、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトブタン酸、2−メルカプトイソブタン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸、2−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト吉草酸、3−メルカプト−4−メチル吉草酸等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされるメルカプト基含有基を2個以上有し、かつ全てのメルカプト基が第二級炭素原子または第三級炭素原子に結合している化合物としては、例えば、以下のエステル結合構造を含む化合物が挙げられる。
エステル結合構造を含む化合物としては、例えば、フタル酸ジ(1−メルカプトエチルエステル)、フタル酸ジ(2−メルカプトプロピルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトイソブチルエステル)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ジエチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトバレレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
これらの中でも、臭気、粘度等の取り扱い性の観点から、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンおよびトリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)からなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。
成分(C)の分子量は特に限定されないが、本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度の観点から、200〜1,000であることが好ましく、300〜800であることがより好ましい。
成分(C)は、市販品として容易に入手することもできる。成分(C)の市販品として入手可能な、分子中にメルカプト基含有基を2個以上有する2級チオール化合物としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(商品名:カレンズMT BD1、昭和電工社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(商品名:カレンズMT PE1、昭和電工社製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:カレンズMT NR1、昭和電工社製)、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)(商品名TPMB、昭和電工社製)等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(C)の配合量は、成分(A)と成分(B)の総量100質量部に対して、1.0質量部以上30質量部以下であることが好ましく、3質量部以上12質量部以下であることがより好ましい。
成分(C)の配合量が1.0質量部以上であれば、速硬化性が期待できる。一方、成分(C)の配合量が30質量部以下であれば、ポットライフが長くなる。
<成分(D)>
本発明における成分(D)は、反応活性開始温度が所定の条件を満たし、酸無水物の硬化を促進する化合物を硬化促進剤として用いることができる。
成分(D)としては、特に限定されないが、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アミン系硬化促進剤としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(以下、「DBU」と略記する。)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン(以下、「DBN」と略記する。)等のアミン化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
グアニジン系硬化促進剤としては、特に限定されないが、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されないが、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ)−3−フェノキシプロピル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ホスホニウム系硬化促進剤としては、特に限定されないが、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムイオダイド、テトラブチルホスホニウムイオダイド、ブチルトリフェニルホスホニウムイオダイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラブチルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラブチルボレート、テトラフェニルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムアセテート、ブチルトリフェニルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド等が挙げられる。これらの中でも、反応性と透明性の観点から、テトラブチルホスホニウムブロマイド、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムイオダイド、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムイオダイド、またはテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが好ましく、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムブロマイドがより好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化促進剤としては、チタンやコバルトのような遷移金属を含む化合物も用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(D)の配合量は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総量100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
成分(D)の配合量が0.05質量部以上あれば、速硬化性が期待できる。一方、成分(D)の配合量が20質量部以下であれば、ポットライフが長くなり、作業性に影響を及ぼさない。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法としては、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を混合、分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。
(イ)各成分をガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の適当な容器中にて、撹拌棒、へら等により混練する。
(口)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)をダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)をプラネタリーミキサーにより混練する。
(二)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)をビーズミルにより混練する。
(ホ)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を3本ロールにより混練する。
(へ)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)をエクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を自転・公転ミキサーにより混練する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、用途に応じた粘度や操作性、硬化物特性等を付与するために、種々の添加剤を添加することができる。
例えば、各成分の充分な分散、塗布時の操作性および密着性等の向上、粘度調整を目的として、揮発性の溶剤を加えてもよい。
揮発性の溶剤としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、トルエン、シクロヘキサン、イソホロン、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ただし、環境負荷の面から、エポキシ樹脂組成物は無溶剤であることが好ましく、成分(C)として分岐型多官能チオール化合物を用いることにより、無溶剤化が可能である。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、目的に応じて、重合禁止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、防かび剤、帯電防止剤、磁性体、導電材料、抗菌・殺菌材料、多孔質吸着体、香料、顔料、染料等を添加してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を、基材上に塗布して塗布層を形成する場合、塗布(塗工)方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。塗布(塗工)方法としては、例えば、ナチュラルコーター、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレー、ディップ、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット等が挙げられる。
<硬化条件>
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化温度は、特に限定されない。本発明のエポキシ樹脂組成物は、注型温度域(110℃〜180℃)で硬化できる。
エポキシ樹脂組成物の硬化性を判断するには、フーリエ変換赤外分光分析(Thermo Scientific社製のFT−IR分光装置Nicolet iS10)を行い、エポキシ樹脂組成物の硬化前後のエポキシ基に特有の860cm−1の赤外吸収の吸光度のピーク高さを確認して、エポキシ樹脂組成物の硬化前のピーク高さを100とした場合の、硬化後のピーク高さの変化率を求める。エポキシ基の消失率が90%以上の場合、充分硬化したと判断する。本発明のエポキシ樹脂組成物の場合、成分(C)を含有することで短い時間、あるいは低い温度でもエポキシ基消失率が90%に達する。成分(C)を含まないエポキシ樹脂組成物の場合、硬化温度を上げてもエポキシ基消失率が90%に満たない。
本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなるため、ポットライフが長く、注型温度領域で速硬化性かつ成型性に優れ、低臭気で、かつ高い電気絶縁性を与えることができるエポキシ樹脂組成物を提供できる。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は、塗料、接着剤、土木建材はもちろん、電気信頼性が必要な電気製品にも使用でき、様々な産業分野に適用可能となる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[エポキシ樹脂組成物の調製]
実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を調製するために、以下の原料を用いた。
「成分(A)」
三菱化学社製、商品名「jER(商標登録)828」、分子量380、エポキシ当量190 エポキシ基数2
「成分(B)」
1)三菱化学社製、商品名「YH306」、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、分子量235、酸無水物基1
2)日立化成社製、商品名「HN−2000」3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、分子量166、酸無水物基1
3)日立化成社製、商品名「MHAC−P」メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、分子量178、酸無水物基1
「成分(C)」
以降、成分(C)以外のチオール化合物を、化合物(c)と称することがある。
1)昭和電工社製、商品名「カレンズMT(登録商標)PE−1」ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、エステル型2級構造、官能基数4
2)昭和電工社製、商品名「カレンズMT(登録商標)NR−1」1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、エステル型2級構造、官能基数3
「成分(C)以外のチオール化合物(c)」
3)SC有機化学社製、商品名「PEMP」ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート、エステル型1級構造、官能基数4
4)東レ社製、商品名「Capcure(登録商標)3−800」、エ−テル型1級構造、官能基数3
5)東レ社製、商品名「QE−340」、エーテル型1級構造、官能基数2
6)三菱化学社製、商品名「jER Cure(登録商標)QX−11」、ビスフェノールA型1級構造、官能基数2
「成分(D)」
アミキュアPN23J:アミンアダクト型エポキシ硬化促進剤(味の素ファインテクノ社製)
[実施例1(エポキシ樹脂組成物E−1)]
表1に示す種類の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を、表1に示す質量比で混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。具体的には、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を、容量150mLの密閉ポリ容器に入れ、シンキー社製の自転公転型撹拌機 あわとり練太郎ARE250を用いて、撹拌モード、回転速度2000rpmで3分間撹拌することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。
混合が終了したら、密閉ポリ容器の蓋を開け、約20gを別の容器に移し、下記のような評価基準に基づいて、エポキシ樹脂組成物(1)のポットライフおよび臭気を評価した。結果を表1に示す。
[可使時間]
(評価基準)
エポキシ樹脂組成物を調製した後、室温23℃で放置し、15分以上増粘しない場合をA、15分以内に増粘する場合をBと評価した。
[におい]
(評価基準)
におわない、もしくは若干匂いがある場合をA、不快になる匂いがある場合をBと評価した。
次に、上記のようにして得られたエポキシ樹脂組成物(1)を、縦横100mm×100mm、膜厚3.2mmの離形処理したガラス板の上に、外型縦横100mm×100mm、内型縦横90mm×90mmで膜厚3mmのシリコンゴムの型を密着させた型の内に流し込み、所定の硬化条件で熱硬化して、エポキシ樹脂組成物(1)の硬化物を得た。得られた硬化物について、下記のような評価基準に基づいて、エポキシ樹脂組成物(1)の硬化物の型抜き性および硬化性を評価した。結果を表1に示す。
[型抜き性]
150℃、30分間の硬化条件において、注型型からエポキシ樹脂組成物(1)の硬化物の取り出しやすさを観察した。
(評価基準)
問題なく型抜きできる場合をA、型抜き性が悪く、型から硬化物を取りだすのが困難である場合をBと評価した。
[硬化性]
エポキシ樹脂組成物の硬化性を評価するために、FT−IR分光装置(Thermo Scientific社製Nicolet iS10)を用い、エポキシ樹脂組成物の硬化前後のエポキシ基特有の860cm−1の赤外吸収の吸光度のピーク高さを確認して、エポキシ樹脂組成物の硬化前のピーク高さを100とした場合の、硬化後のピーク高さの変化率を求めた。判断基準として、エポキシ基消失率が90%以上である場合を「充分硬化した」とした。エポキシ樹脂組成物の硬化条件は、表1に示す各条件とした。また、FTIR測定のサンプルの厚さを3mmとした。
[絶縁性]
[型抜き性]の評価で得たエポキシ樹脂組成物E−1の硬化物について、効果直後、高温高湿度条件(85℃・85%RH・1日間または3日間)の後の抵抗値を下記の条件にて測定した。
使用機器:微小電流測定装置R8340(ADVANTEC社製)
印加電圧:123.4V
判断基準として、高温高湿度条件の前後で抵抗値の乗数が15以上を保持し、変化しない場合を「絶縁性が高い」とした。
[実施例2〜9、比較例1〜6]
「エポキシ樹脂組成物E−2〜E−15の調製およびそれらの硬化物の製造」
各原料の種類および使用量を表1および表2に示すように変更した点以外は、実施例1と同様の操作を行って、エポキシ樹脂組成物E−2〜E−15およびそれらの硬化物を得た。なお、表1および表2における各原料の使用量は質量部を示す。
そして、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物E−2〜E−15およびそれらの硬化物を評価した。結果を表1および表2に示す。
Figure 2017082124
Figure 2017082124
表1に示すように、成分(C)として分岐型多官能チオール化合物を用いた実施例1〜9は、可使時間を保ちつつ、150℃・30分であっても、優れた型抜き性を示し、硬化条件が120℃・1時間、150℃・30分、150℃・60分、180℃・60分であっても、優れた硬化性を示した。また、エポキシ樹脂組成物のにおいにも問題なかった。
一方、表2に示すように、成分(C)を含まない比較例1および比較例2は、硬化性の値が90%に至らず、硬化性が劣るため型抜き性に問題があった。多官能でエステル型であっても1級構造の化合物(c)を含む比較例3は、硬化性が優れているものの、ポットライフが短く、かつにおいに問題があり、取扱いが困難であった。多官能であってもエステル型でなく、かつ分岐型ではない化合物(c)を含む比較例4〜6は、ポットライフは確保するものの、成分(C)を含まない比較例1および比較例2と同じ硬化性を示し、かつにおいにも問題があった。
なお、実施例1〜9は高温高湿度試験の前後で絶縁性を維持しており、酸無水物に特徴的な高抵抗という特性は、成分(C)を添加しても損なわれないことが確認された。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなるため、ポットライフが長く、注型温度領域で速硬化性かつ成型性に優れ、低臭気であり、さらに、高い電気絶縁性を付与することができるので、塗料、接着剤、土木建材はもちろん、電気信頼性が必要な電気製品にも使用でき、様々な産業分野で好適に用いられる。

Claims (7)

  1. (A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(B)酸無水物と、(C)分岐型多官能チオール化合物と、(D)硬化促進剤と、を少なくとも含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(C)分岐型多官能チオール化合物が、下記一般式(1)で表わされる基を含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2017082124
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方は炭素原子数1〜10のアルキル基である。mは0〜2の整数である。)
  3. 前記(C)分岐型多官能チオール化合物が、下記一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸と、アルコール類とのエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2017082124
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方は炭素原子数1〜10のアルキル基である。mは0〜2の整数である。)
  4. 前記(C)分岐型多官能チオール化合物は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンおよびトリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(B)酸無水物の配合量は、酸無水物基1個をカルボキシル基2個と換算したとき、前記(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基の数に対するカルボキシル基の数の比が0.3以上2.0以下となる量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記(C)分岐型多官能チオール化合物の配合量は、前記(A)2個以上のエポキシ基を有する化合物と前記(B)酸無水物の総量100質量部に対して、1.0質量部以上30質量部以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記(D)硬化促進剤の配合量は、前記成分(A)、前記成分(B)および前記成分(C)の総量100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
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