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JP2017071168A - ボードの製造方法 - Google Patents

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内藤 茂樹
Shigeki Naito
茂樹 内藤
佳男 植山
Yoshio Ueyama
佳男 植山
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Abstract

【課題】多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、母材である木質小片の強度低下を抑制でき、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることが可能なボードの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のボードの製造方法は、以下の工程(A)〜(C)を含むことを特徴としている:(A)木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる工程;(B)前記硫酸塩が分散された前記木質小片の集合体に、多価カルボン酸および糖類を分散させる工程;および、(C)前記硫酸塩と、前記多価カルボン酸および糖類とが分散された前記木質小片の集合体を熱圧成形することによって、前記木質小片が接着された前記ボードを得る工程。【選択図】なし

Description

本発明は、ボードの製造方法に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題に対する関心が高まるにつれ、プラスチック分野においては石油由来の材料に代替するものとして、低エミッションかつカーボンニュートラルな植物由来の分解物を重合して得られる樹脂に注目が集まってきている。中でも、植物由来の分解物の一種である乳酸を重合して得られたポリ乳酸は、結晶性を有し、他の植物由来樹脂と比較して物性の高い樹脂の一つであり、大量生産も可能で生産コストも比較的低く有用なものである。しかし、ポリ乳酸は熱可塑性樹脂であり、汎用の石油由来の熱可塑性樹脂(PE、PP、ABS等)と比較すると、耐熱性と機械的特性が低いために、広く普及するには至っていない。また、ポリ乳酸は石油系の熱硬化性樹脂接着剤を代替できるほどの物性を有していない。
元来、木質用接着剤としては、バイオマス由来が中心でカゼインや大豆グルー、ニカワ等が用いられていたが、物性等が劣るため、ユリア、メラミン、フェノール等の石油由来熱硬化性樹脂接着剤に置き換わっていった。これらの接着剤により、木質小片が接着され、合板、パーティクルボード、繊維板等のボードが製造されている。
一般の木質用接着剤(ユリア系、メラミン系、フェノール系)は石油由来であり、ホルムアルデヒドを硬化剤としている。これら木質用接着剤は有機溶剤の放散を抑えるため、水性であることが接着剤としての要件となっている。これらの接着剤はホルムアルデヒドの放散が問題となっており、低減策が施されているが、完全にホルムアルデヒドの放散を抑制することはできていない。ホルムアルデヒドを放散しない石油由来のイソシアネート系の接着剤も開発されているが、水分との反応や金属との結合等が課題となっており広くは普及していない。
一方、木材や樹皮等に含まれるポリフェノール類であるタンニンやリグニンは、製材やパルプ利用において廃棄物となるため、これを有効利用しようという試みが古くからなされてきた。例えば、タンニンやリグニンは化学構造がフェノール樹脂に類似していることから、フェノール樹脂と同様にタンニンやリグニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させて接着剤として用いることが検討されてきた(特許文献1参照)。さらに、フェノール樹脂のメチロール基とタンニンやリグニンとの反応を期待して、フェノール樹脂にタンニンやリグニンを添加し、タンニンやリグニンをフェノール樹脂の高分子骨格の中に取り込む検討もなされてきた(非特許文献1、2参照)。
タンニンやリグニンを有効利用しようという他の試みとして、タンニンやリグニンのフェノール性水酸基とポリイソシアネートを反応させてウレタン樹脂とすること等が検討されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、タンニンやリグニン等を、ホルムアルデヒドを用いて反応させる場合、残留したホルムアルデヒドや加水分解によって発生したホルムアルデヒドが放散されるという問題がある。また、タンニンやリグニンの反応性が従来のフェノール樹脂よりも低いため、物性と生産性が劣り、前記の技術は広く実用化されていないのが現状である。
こうしたなか、多価カルボン酸および糖類を主成分とした接着剤を用いて木質小片のボードを製造することが提案されている(特許文献2〜4参照)。特許文献3では、さらにパラトルエンスルホン酸を触媒として添加することが提案されている。
特許第3796604号公報 国際公開第2010/001988号 特開2012−214687号公報 特開2014−51568号公報
「木質新素材ハンドブック」技報堂出版p.361 「ウッドケミカルスの新展開」シーエムシー出版p.225(2007)
しかしながら、特許文献2〜4の接着剤は、例えば床材に用いられた場合に、吸水厚さ膨潤率等の物性が備えられているとは言い難く、実用に耐え得る耐水性等の物性を達成するには長い成形時間と高い成形温度、成分の最適化が必要であると考えられた。
特許文献3ではパラトルエンスルホン酸を触媒として添加することで反応性の改善を図っているが、酸性が強いため、母材の木質小片の種類等によっては脆くなり、強度が低下する懸念がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、母材である木質小片の強度低下を抑制でき、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることが可能なボードの製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のボードの製造方法は、以下の工程(A)〜(C)を含むことを特徴としている:
(A)木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる工程;
(B)前記硫酸塩が分散された前記木質小片の集合体に、多価カルボン酸および糖類を分散させる工程;および、
(C)前記硫酸塩と、前記多価カルボン酸および糖類とが分散された前記木質小片の集合体を熱圧成形することによって、前記木質小片が接着された前記ボードを得る工程。
本発明によれば、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、母材である木質小片の強度低下を抑制でき、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることが可能である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のボードの製造方法は、以下の工程(A)、(B)、(C)を含む。
工程(A)では、木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる。
工程(B)では、硫酸塩が分散された木質小片の集合体に、多価カルボン酸および糖類を分散させる。
工程(C)では、硫酸塩と、多価カルボン酸および糖類とが分散された木質小片の集合体を熱圧成形することによって、木質小片が接着されたボードを得る。
木質小片は水酸基を多く有しており、親水性が高く、上記工程(B)に使用される多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤との親和性が高い。また、この木質小片中の水酸基と多価カルボン酸とがエステル化反応することにより、接着性が向上する。さらに、多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤は、反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいない。そのため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。
本実施形態では、木質小片中の水酸基と多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒として、硫酸塩を用いている。硫酸塩のような比較的酸性の弱い塩を使用することで、母材の強度は維持される。しかし、酸性が弱いとエステル化反応の活性は低下してしまう。そこで本実施形態では、エステル化反応の触媒である硫酸塩を、接着剤を分散させる上記工程(B)よりも先に、あらかじめ上記工程(A)において母材である木質小片に分散させている。これにより、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進することができるため、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることが可能となる。
上記工程(A)において、木質小片は、草木等の木部、樹皮、種子、葉などから得られるものである。木質小片としては、例えば、木質ストランド、木質チップ、木質繊維、植物繊維、市場で入手可能な植物粉末(例えば、樹皮粉末)、リサイクル材等を粉砕して得られたチップ等が挙げられる。
このような木質小片を接着剤により接着した本実施形態のボードとしては、パーティクルボード、繊維ボード、MDF等が挙げられる。
上記工程(A)において使用される硫酸塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、硫酸アルミニウムが好ましい。硫酸アルミニウムを用いると、母材である木質小片の強度低下を抑制でき、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることが可能である。また比較的安価で、取扱いも容易で、かつ安定的に入手可能である。
木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる方法としては、硫酸塩の水分散液を用いる方法、硫酸塩の粉体を用いる方法等が挙げられる。なお、本明細書において硫酸塩の水分散液は、硫酸塩が水に溶解または均一に分散した液を意味する。
硫酸塩の水分散液を用いる方法は、例えば、硫酸塩の水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって行う。乾燥は、養生して気乾状態とすることが好ましい。また、硫酸塩の水分散液の濃度が5質量%以上であり、かつ硫酸塩の水分散液の配合量が、木質小片の集合体1質量部に対して1質量部以上であることが好ましい。ここで、木質小片の集合体は乾燥したものである。硫酸塩の水分散液の配合量がこの範囲内であると、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進し、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることができる。硫酸塩の水分散液と、木質小片の集合体とを混合する方法としては、硫酸塩の水分散液中に木質小片の集合体を含浸する方法、スプレー等で硫酸塩の水分散液を木質小片に散布する方法等が挙げられる。
硫酸塩の粉体を用いる方法では、硫酸塩の粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に硫酸塩を分散させることができる。硫酸塩の粉体と、木質小片の集合体との混合は、硫酸塩の粉体を木質小片の集合体に散布し、必要に応じて機械的に混合する方法等が挙げられる。また、硫酸塩の粉体の配合量が、木質小片の集合体100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましい。硫酸塩の粉体の配合量がこの範囲内であると、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進し、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることができる。
上記工程(B)において接着剤として使用される多価カルボン酸および糖類のうち、多価カルボン酸は、複数のカルボキシル基を有している化合物であれば、特に限定されない。多価カルボン酸は、文献によってはポリカルボン酸と表記される場合もある。
多価カルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタル酸(1,5−ペンタン二酸)、グルコン酸、グルタコン酸、ペンテン二酸等が挙げられる。多価カルボン酸としては、無水物も使用できる。
このうち、多価カルボン酸として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸等は、植物を原料として製造しているため、好ましく用いられる。植物を原料とした場合、化石資源の使用が抑制できるため、環境へ負担をかけずに接着剤を得ることができる。多価カルボン酸は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
上記工程(B)において接着剤として使用される多価カルボン酸および糖類のうち、糖類は、単糖および、単糖がグリコシド結合して構成された二糖、オリゴ糖、または多糖を意味する。単糖としては、例えば、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース、デオキシリボース等が挙げられる。二糖としては、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラクツロース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース、メリビウロース、ガラクトスクロース、ルチヌロース、プランテオビオース等が挙げられる。オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、スタキオース等が挙げられる。多糖としては、例えば、デンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン、セルロース等が挙げられる。糖類は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
上記工程(B)において使用される、多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤の配合量は、被着材である木質小片の種類、形状、表面性状、ボードの厚さなどにより適宜設定され、限定されない。配合量は既存の接着剤と同様に、少なすぎると接着力が低下するが、多すぎても接着層が厚くなりすぎて、界面接着性が低下する。多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤の配合量(水を除く)は、木質小片100質量部に対して5〜30質量部が好ましく、8〜25質量部がより好ましい。この範囲内であると、接着力と界面接着性をいずれも高めることができる。ここで、木質小片の集合体は乾燥したものである。
また、多価カルボン酸と糖類の合計を100質量部とした場合に、多価カルボン酸10〜90質量部、糖類90〜10質量部の比率が好ましく、多価カルボン酸20〜80質量部、糖類80〜20質量部の比率がより好ましい。この範囲内であると、高い接着性が得られる。
多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤は、増粘剤、反応促進剤など他の成分を含有していてもよい。反応促進剤としてはパラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
木質小片の集合体に多価カルボン酸および糖類を分散させる方法としては、多価カルボン酸および糖類の水分散液を用いる方法、多価カルボン酸および糖類の粉体を用いる方法等が挙げられる。なお、本明細書において多価カルボン酸および糖類の水分散液は、多価カルボン酸および糖類が水に溶解または均一に分散した液を意味する。
多価カルボン酸および糖類の水分散液を用いる方法では、例えば、多価カルボン酸および糖類の水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって行う。多価カルボン酸と糖類は水への溶解性が高く、水分散液とすることで、被着材である木質小片の集合体との混合が容易になる。また、有機溶媒を用いないことから、人体への安全性を高いものとすることができる。さらに、多価カルボン酸と糖類が相溶状態にあることで、多価カルボン酸と糖類の変性が促進され、高分子の硬化物を形成し、優れた接着性が発現する。水の配合量は、多価カルボン酸と糖類の合計100質量部に対して15〜500質量部が好ましく、25〜400質量部がより好ましい。この範囲内であると、均一な接着剤を得やすく、接着剤の過浸透が生じにくくなり、かつ接着剤の加熱硬化の際には蒸発により温度上昇が遅くなりにくく、硬化が十分となりやすい。多価カルボン酸および糖類の水分散液と、木質小片の集合体とを混合する方法としては、多価カルボン酸および糖類の水分散液中に木質小片の集合体を含浸する方法、スプレー等で多価カルボン酸および糖類の水分散液を木質小片に散布する方法等が挙げられる。
多価カルボン酸および糖類の粉体を用いる方法では、多価カルボン酸および糖類の粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に多価カルボン酸および糖類を分散させることができる。多価カルボン酸および糖類の粉体と、木質小片の集合体との混合は、多価カルボン酸および糖類の粉体を木質小片の集合体に散布し、必要に応じて機械的に混合する方法等が挙げられる。また、多価カルボン酸および糖類の粉体の量が、木質小片の集合体100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましい。これにより、これにより、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進し、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることができる。
上記工程(A)、(B)においては、次の態様が好ましい。
第1の態様では、上記工程(A)において、硫酸塩の水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる。その後、上記工程(B)において、多価カルボン酸および糖類の粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に多価カルボン酸および糖類を分散させる。
第2の態様では、上記工程(A)において、硫酸塩の粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる。その後、上記工程(B)において、多価カルボン酸および糖類の水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、木質小片の集合体に多価カルボン酸および糖類を分散させる。
これらの態様によれば、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進し、成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性等のボード物性を良好なものとすることができる。
上記工程(C)では、熱圧成形における成形圧力、成形温度、成形時間等は、木質小片の種類、形状や表面性状、ボードの厚さ等により適宜設定されるが、成形温度は140〜230℃であることが好ましい。成形温度が230℃以下では、多価カルボン酸の揮発が急激に進行しにくく、また被着材である木質小片の劣化も進行しにくいため、ボードとしての物性が低下しにくい。また、成形温度が140℃以上であれば、反応速度が低下しにくく、硬化が十分となりやすい。より好ましい成形温度の上限値は、220℃以下であり、これにより、多価カルボン酸の揮発がより急激に進行しにくく、被着材である木質小片の劣化もより進行しにくい。より好ましい成形温度の下限値は、160℃以上であり、これにより、より反応速度が低下しにくく、硬化が十分となりやすい。このように、本実施形態によれば、140〜190℃の比較的低温でも硬化させることができ、かつ210〜230℃の高温であれば短時間で硬化させることができるものであり、低温〜高温(140℃〜230℃)の幅広い温度でボードの成形が可能である。低温で硬化させることができれば、高温の加熱加圧設備がない場合でも硬化させることができるという利点を有し、高温において短時間で硬化させることができれば、加工時間を短縮でき、加工コストを抑制することができるという利点を有する。
成形圧力は、0.5〜4MPa以下であることが好ましい。成形圧力が0.5MPa以上であれば、多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤と被着材の木質小片とを十分に圧着することができるため、ボードの強度を向上させやすい。成形圧力が4MPa以下であれば、成形圧力が大きすぎず、ボードの破壊が起こりにくい。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ジュートの靭皮繊維束(幅:1〜2cm、長さ:2〜4m)を切断機により長さ方向にカットした後、反毛機を用いて機械的に解繊処理した。これによって、平均繊維長が約55mmおよび平均繊維径が約150μmのジュートの植物繊維を得た。
得られた植物繊維80質量部に対し、10質量部の硫酸アルミニウム(和光純薬製)を、10倍の水と混合した水分散液を散布して供給した後、1日放置して養生すると共に、水分を乾燥させた。
次に、接着剤の成分を混合した後、植物繊維と接着剤を、ピン付きシリンダーを有する小型の混綿機に投入し、植物繊維と接着剤が均一になるように混合して混合物とした。
接着剤の各成分は以下のものを使用した。
粉体の多価カルボン酸:クエン酸(和光純薬製)
粉体の糖類:スクロース(和光純薬製)
次に、この混合物を、簡易フォーミング装置(型枠内寸:15cm角)を用いて、混合物を型枠に散布してマット状に形成した。
次に、この繊維マットを、小型熱圧プレス機を用いて、温度200℃、圧力20Kg/cm、時間5分の条件で熱圧成形し、15cm角サイズで、厚さ9mmの繊維ボードを得た。この繊維ボードの密度は約1000kg/mであった。
(実施例2)
得られた植物繊維75質量部に対し、5質量部の硫酸アルミニウムを供給したことと、多価カルボン酸と糖類の供給量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例1)
硫酸アルミニウムの水分散液を供給しなかった以外は、実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例2)
硫酸アルミニウムに代えて、酢酸カリウムの水分散液を供給した以外は、実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例3)
硫酸アルミニウムに代えて、酢酸ナトリウムの水分散液を供給した以外は、実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例4)
あらかじめ硫酸アルミニウムの水分散液を供給せずに、硫酸アルミニウムと、多価カルボン酸および糖類とを、これらの合計量の10倍の水と混合した水分散液を供給し、含浸したこと以外は、実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
[評価]
作製した繊維ボードについて、吸水厚さ膨張率を測定した。吸水厚さ膨張率の測定は、JIS A 5908:2003に準拠して測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2017071168
表1より、木質小片の集合体に事前に硫酸塩を分散させ、その後に多価カルボン酸および糖類を分散させた実施例1、2では、温度200℃、時間5分の条件で、耐水性を表す吸水厚さ膨張率に良好な結果が得られ、ボードとしての物性が優れていた。すなわち成形時間の短縮化と成形温度の低下を図りつつ、耐水性を良好なものとすることができた。

Claims (5)

  1. 以下の工程(A)〜(C)を含むことを特徴とするボードの製造方法:
    (A)木質小片の集合体に硫酸塩を分散させる工程;
    (B)前記硫酸塩が分散された前記木質小片の集合体に、多価カルボン酸および糖類を分散させる工程;および、
    (C)前記硫酸塩と、前記多価カルボン酸および糖類とが分散された前記木質小片の集合体を熱圧成形することによって、前記木質小片が接着された前記ボードを得る工程。
  2. 前記工程(A)において、前記硫酸塩の水分散液と、前記木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、前記木質小片の集合体に前記硫酸塩を分散させ、
    前記工程(B)において、前記多価カルボン酸および糖類の粉体と、前記木質小片の集合体とを混合することによって、前記木質小片の集合体に前記多価カルボン酸および糖類を分散させることを特徴とする請求項1に記載のボードの製造方法。
  3. 前記硫酸塩の水分散液の濃度が5質量%以上であり、かつ前記硫酸塩の水分散液の配合量が、前記木質小片の集合体1質量部に対して1質量部以上であることを特徴とする請求項2に記載のボードの製造方法。
  4. 前記工程(A)において、前記硫酸塩の粉体と、前記木質小片の集合体とを混合することによって、前記木質小片の集合体に前記硫酸塩を分散させ、
    前記工程(B)において、前記多価カルボン酸および糖類の水分散液と、前記木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、前記木質小片の集合体に前記多価カルボン酸および糖類を分散させることを特徴とする請求項1に記載のボードの製造方法。
  5. 前記硫酸塩が硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のボードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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