以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。なお、この明細書において、「前」とは電動作業車両の前進方向を、「後」とは後進方向を、「左右」とはそれぞれ、前進方向に向かって「左右」を、「上下」とはそれぞれ、電動作業車両の「上下」方向を意味するものとする。図1には、この発明の電動作業車両の一例としての、電動ローンモアの平面図を、図2には、その側面図を示す。
電動ローンモア(電動作業車両)10は、シャーシ(車体フレーム)11と、該シャーシ11の前側下方に一対の前タイヤ12、後側下方に一対の後タイヤ(駆動輪)13などを備える。また、前タイヤ12と後タイヤ13との間には、モアデッキユニットMUを備える。
モアデッキユニットMUは、モアデッキ14と、2つのモアモータ(作業モータ)15,15と、芝を刈るためのモアブレード(作業部)などで構成される。モアデッキ14の後部の側面は、刈った芝を後方に排出するために開放されている。モアブレードは、モアデッキ14の内側に、左右に2つ並べて備える。この2つのモアブレードは、それぞれモアモータ15,15によって回動駆動する。
シャーシ11の上には、本体カバー20を被せる。本体カバー20は、シャーシ11全体を覆うものである。後タイヤ13のやや前方で本体カバー20上には、運転席21を着脱自在に設ける。運転席21の左右側方には、電動ローンモア10の走行操作をするための走行操作レバー22,22をそれぞれ備える。
なお、電動ローンモア10は、芝刈りに加えて、走行も電動モータによってまかなうものであり、一対の後タイヤ13,13の内側にそれぞれ走行モータ16,16を備える。この走行モータ16,16によって後タイヤ13,13をそれぞれ単独で駆動させる(なお、後タイヤ13,13のホイール内にそれぞれインホイールモータを備えてもよい)。
前述の2つのモアモータ15および2つの走行モータ16の電力は、バッテリー25から供給される。バッテリー25は、機体の後部に備える。詳しくは、バッテリー25は、後タイヤ13,13のアクスル間で、かつ、シャーシ11の後端に着脱自在に配置される。このバッテリー25には、4つの従動式車輪を備え、バッテリー25を取り外して作業者が押したり引いたりして移動させることができるように構成されている。なお、バッテリー25にはカバーを備え、カバーの蓋を開けると給電口が露出する。
運転席21の下方には、後述する制御部を備える。この制御部は、電動ローンモア10の走行モータ16の回転方向および回転速度を制御する。制御部は、走行モータ16の制御に加えて、モアモータ15の回転制御、さらにバッテリー25の微小な電圧の変動を補正する役割も担っている。また、制御部には、後述する自律走行プログラムも格納されている。
なお、モアモータ15の回転数は、走行モータ16の回転数と連動するように制御される。すなわち、走行スピードを速めると、モアブレードの回転数も速まり、走行スピードを落とすと、モアブレードの回転数も遅くなる。
前タイヤ12,12はそれぞれ、シャフトを介して前タイヤブラケット17に回転自在に取り付けられている(すなわち、前タイヤ12は前タイヤブラケット17に対して従動回転する)。前タイヤブラケット17は門型形状に形成され、天面部の中央には貫通孔を設ける。貫通孔にはボルトを上向きに貫通させ、円筒状の前タイヤポスト18内にて固定する。これによって、前タイヤブラケット17は、前タイヤポスト18に対して回転自在となる。
左右の前タイヤポスト18の側面は、それぞれフロントフレーム19の端部に固定する。フロントフレーム19は両側端が円弧状に形成されている。
走行操作レバー22は傾動可能に設けられ、運転者がこれを前に倒すと走行モータ16が前進方向に回転する。一方、走行操作レバー22が後に倒されると走行モータ16は後進方向に回転する。さらに、走行操作レバー22の傾動度合いによって走行モータ16の回転速度が変化する。すなわち、走行操作レバー22を大きく前(後)に倒すと、走行モータ16が前進(後進)方向により早く回転し、走行操作レバー22を小さく前(後)に倒すと、走行モータ16が前進(後進)方向にゆっくりと回転する。運転者は、走行操作レバー22,22を前後に適宜操作することで、直後進、左右折、旋回などを行うことができる。なお、走行操作レバー22は、本体カバー20の内方に位置する支持機構と、本体カバー20の外方に位置する運転者が握るレバー部とから構成される。レバー部は、支持機構に着脱自在に取り付けられる。
そして、運転席21の右側の右フェンダー20FRには、不図示の操作系のボタンなどを備える。例えば、モアデッキ14内の2つのモアブレードの回転をON、OFFする芝刈スイッチや、モアデッキ14の高さ調節ボタンなどを設ける。芝刈スイッチはリミット型のスイッチで、運転者が指で押下するとONとなり、再度押下するとOFFとなる。また、右フェンダー20FRには、後述する自律走行時に用いるユニットと制御部とを電気的に接続するカプラを備える。カプラは、接続口が上方を向く状態で固定されている。また、この接続口は、カバーによって覆われている。運転席21の左側の左フェンダー20FLには、カップフォルダや小物を置くためのトレイなどを備える。
なお、符号24は、モアデッキ14を昇降するためのデッキ昇降ペダルである。デッキ昇降ペダル24は、ペダル部とアーム部とから構成される。運転者が足をかけて踏み込むペダル部は、アーム部の一端に着脱自在に固定される。アーム部の他端は、モアデッキ14を昇降する昇降機構に連結される。デッキ昇降ペダル24を右足で操作しながら、上述の高さ調節ボタンを押すことで、モアデッキ14の高さを調節することができる。
運転席21の前方には、運転者が乗車時や乗降時に足を載せるためのステップSTを備える。ステップSTは、シャーシの形状に追随するように形成された本体カバー20の平坦面状の部分である。そして、ステップSTの両側には、一段高くなった左右側部LS,RSを連続して備える。この左右側部LS,RSは、後述するシャーシ11の左右段部11L,11Rに追随するように形成される。
図3には、バッテリー25とシャーシ(機体)11との取り付けの詳細を示す。バッテリー25にはその両側面に回動部29を備え、その両側の回動部29を連結するようにハンドル(把持部)30を取り付ける。そして、回動部29には係止ピン29Aを抜き差し自在に取り付ける。一方、シャーシ11の両側の後端には、それぞれブラケット49を取り付ける。このブラケット49には、係止ピン29Aを貫通させるための貫通孔を形成する。係止ピン29Aを一旦、回動部29から抜き、ブラケット49の貫通孔と回動部29の貫通孔とを合わせる。そして、係止ピン29Aを差し込んでシャーシ11の後端にバッテリー25を取り付ける(したがって、バッテリー25はシャーシ11に対して着脱自在である)。
図4にはシャーシ11の斜視図を示す。シャーシ11は、略矩形の金属板の両側を折り曲げて形成される。シャーシ11の左右11L,11Rはともに断面視で略門型に折り曲げられて形成される。シャーシ11上には箱型フレーム40を取り付ける。この箱型フレーム40内には、制御部、モアモータ15および走行モータ16のドライバやその他の電装品類を収納する。
シャーシ11の後端付近には、走行モータ16,16の一端を取り付け、走行モータ16にはミッションケースを介してそれぞれ後タイヤ13を取り付ける。シャーシ11の左右前端にはボルトBT1によってブラケット(フロント連結部)31,31を固設する。ブラケット31の先端はフロントフレーム19と溶接などで連結される。
図5は、モアデッキユニットMUの構成を説明するための図である。2つのモアモータ15,15は、モアデッキ14の上面に取り付けられる。2つのモアモータ15,15の出力軸15A,15Aの先端には、それぞれモアブレード45L,45Rが取り付けられている。
ここで、図5(a)のモアデッキユニットMUの底面図に示すように、モアデッキ14の内側には、左右のモアブレード45L,45Rを隣接して備える。また、モアブレード(一方のモアブレード)45Lは、モアブレード(他方のモアブレード)45Rのやや斜め前方となるように配置している(モアブレード45Rをモアブレード45Lのやや斜め前方となるように配置してもよい)。2つのモアブレード45R,45Lの先端は、回転軌跡TR,TLを描き、この回転軌跡TR,TL間には、わずかな隙間がある。また、モアブレード45Lの回転軌跡TLとモアブレード45Rの回転軌跡TRとは背面視にて所定の距離だけ重なるように配置される。したがって、モアブレード45Rの回転軌跡TRの右側端部とモアブレード45Lの回転軌跡TLの左側端部との間の幅W1の領域の芝を刈ることができる。
モアデッキ14の裏面側で、電動ローンモア10の前進方向Fで、さらに、モアブレード45R,45Lの回転軌跡TR,TLの外側には、一定の距離をもって一対の案内板46R,46Lを設け、それぞれ溶接などによってモアデッキ14に固定する。
案内板46R、案内板46Lはモアデッキ14内でモアブレード45R,45Lが回転することで形成される風Wの流れを所望の方向に案内するためのものであり、この例では、モアデッキ14の略後方に向けて風Wが形成されることを補助するために設けられるものである。ちなみに、底面視においてモアブレード45Rは時計回りに回転し、モアブレード45Lは反時計回りに回転する。
また、モアデッキ14後部には、後部案内板47R,47Lを溶接などによってモアデッキ14に固定する。後部案内板47R,47Lを設けることで、モアデッキ14内に形成される合成風WSの流れをいっそう正確に案内することができる。なお、合成風WSは、モアブレード45Lが形成する風Wと、モアブレード45Rが形成する風Wとが合成されたもので、モアデッキ14の後方に向かう風である。
作業者は、上述の構成の電動ローンモア10に乗車し、走行操作レバー22などを操作することで、乗車走行で芝刈り作業を行うことが可能である。
次に、この電動ローンモア10を自律走行させる方法について説明する。電動ローンモア10を自律走行させる場合、図6に示すように、運転席21、デッキ昇降ペダル24のペダル部および走行操作レバー22のレバー部を取り外す。図7に示すように、右フェンダー20FRには、カバー60が配置される。カバー60は、ヒンジ61を介して回動自在に取り付けられている。カバーの下方には、接続口が上方を向く状態でカプラ62を備える。つまり、カバー60は、カプラ62の接続口を覆っている。カプラ62は、ケーブルを介して後述する制御部と接続している。このカバー60を開き、カプラ62の接続口を露出させる。
そして、図8および図9に示すように、カウルカバー70を上方から本体カバー20に取り付ける。カウルカバー70は、前方のフランジ部71および後方のフランジ部72をボルトBT2で固定して本体カバー20に取り付ける。カウルカバー70は、本体カバー20の運転席21の取り付け部およびその前方を上方から覆うものであり、ステップST、左右側部LS,RS、右フェンダー20FRに設けた操作系のボタン、左フェンダー20FLのトレイ、走行操作レバー22の取り付け部などを上方から覆う。
図10〜図13には、カウルカバー70の詳細を示す。カウルカバー70の上面には、前後方向の中央部のやや後方に、内方(下方)に突出する凹部73を備える。凹部73は、底部を有する筒状形状であり、内方(下方)に向けて縮径している。凹部73の底部は平坦面であり、この底部には貫通穴を設ける。また、カウルカバー70の上面には、前後方向の中央部のやや後方の左右両側に、外方(上方)に突出する凸部74,74を備える。凸部74は、天部を有する筒状形状であり、外方(上方)に向けて縮径している。凸部74の天部は平坦面であり、この天部には貫通穴を設ける。
凹部73の底部の上面には、上部が上方に突出した半球面状の収容部材75を取り付ける。収容部材75内には、後述する自律走行時に使用する通信ユニット80を収納する。通信ユニット80と接続するケーブル81は、凹部73の底部の貫通穴を貫通し、カウルカバー70の内方に配置されている。ケーブル81は、カウルカバー70の内側面に沿って配索され、カプラ63に接続する。ケーブル81は、不図示のテープなどの支持部材でカウルカバー70の内側面に取り付けることによって配索されるが、配索の構成は特に限定されるものではない。カプラ63は、取り付け部材64を介してカウルカバー70の内側面に固定される。カプラ63の接続口は下方を向いている。カプラ63は、上述のカプラ62と接続するものである。そして、カプラ62とカプラ63とが接続することにより、それぞれのカプラ62,63に接続されたケーブルを電気的に接続するものである。
凸部74,74の天部の上面には、非常停止手段である非常停止部82,82をそれぞれ備える。非常停止部82は、押しボタン式のスイッチであり、ボタンを押下することで、電動ローンモア10を強制的に停止させることができる。なお、非常停止部82は、電動ローンモア10を強制的に停止させることができればよく、その形式は押しボタン式のスイッチによるものに限定されない。非常停止部82と接続するケーブル83は、凸部74の天部の貫通穴を貫通し、カウルカバー70の内方に配置されている。ケーブル83は、カウルカバー70の内側面に沿って配索され、上述のカプラ63に接続する。ケーブル83は、不図示のテープなどの支持部材でカウルカバー70の内側面に取り付けることによって配索されるが、配索の構成は特に限定されるものではない。
また、カウルカバー70の左右の側面の底部には、把持部76,76を設ける。把持部76は、内方に突出する凹部である。把持部76は、カウルカバー70の底部から上方に向けて、作業者の手が入る程度の大きさである。なお、把持部76の形状は、上述の形状に限定されるものではなく、作業者が手を入れ、カウルカバー70を支持することができる形状であればよい。
作業者は、カウルカバー70を着脱する際、左右の把持部76に手を挿入し、この把持部76を持つことで、カウルカバー70を支持することができ、カウルカバー70の着脱を容易に行える。
上述のように、カウルカバー70、通信ユニット80、非常停止部82は、電動ローンモア10に着脱可能な一つのユニットとして構成されている。このような構成とするとことで、複数の部品を1つにまとめて外観を向上させることができる。また、電動ローンモア10が、自律走行状態であることを周囲へ明示告知することが容易にできる。ここで、電動ローンモアの外観が自律走行時と乗車走行時とで同じ場合には、電動ローンモアが異常走行しているのか、自律走行しているのかを周囲から判断することが難しい。したがって、自律走行状態であることを周囲へ明示告知することで、周囲への安全性を向上することが可能である。
図14には、カウルカバー70取り付け時のカプラ62とカプラ63との接続を示す。カプラ62とカプラ63は、互いに接続することにより、それぞれのカプラ62,63に接続したケーブルを電気的に接続するものである。つまり、カプラ62とカプラ63は、後述する制御部に接続するケーブル84と、通信ユニット80に接続するケーブル81および非常停止部82に接続するケーブル83とを電気的に接続するものである。
カプラ62は、取り付け部材65を介して本体カバー20の内側面に固定される。カプラ62の接続口は上方を向いている。このカプラ62の接続口に対応する位置の本体カバー20には、貫通穴が設けられている。したがって、本体カバー20の外方からカプラ62の接続口が露出する状態で、カプラ62は本体カバー20に取り付けられている。なお、カプラ62の接続を行わない場合は、カバー60を閉じ、カプラ62の接続口が外方に露出することを防止する。
カプラ63は、取り付け部材64を介してカウルカバー70の内側面に固定される。カプラ63の接続口は下方を向いている。また、カプラ62とカプラ63は、カウルカバー70を本体カバー20に取り付けるのに対応して、カプラ62とカプラ63とが接続する位置にそれぞれ配設されている。つまり、カウルカバー70を本体カバー20に上方から取り付ける際、その取り付けに対応して、カプラ62とカプラ63とが接続する。したがって、カウルカバー70の着脱と、カプラ62とカプラ63の接続および切断とを同時に行えるため、電動ローンモア10の組立性が向上し、電動ローンモア10の自律走行への移行が容易となり、作業時間を短縮することが可能である。また、一対のカプラを接続することで、複数の部材(通信ユニットおよび非常停止部)を制御部に電気的に接続することができ、部品点数を減らせるとともに、組立作業性が向上する。
なお、カプラ62とカプラ63は、それぞれのカプラ62,63に接続するケーブル同士を電気的に接続するものであればよく、その形式は限定されるものではない。また、カプラ62とカプラ63の配設構成は、上述のように、カウルカバー70の取り付けと、カプラ62とカプラ63の接続とを同時に行える構成に限定されるものではない。例えば、カプラ63はカウルカバー70に固定せず、カプラ62とカプラ63を接続した後、カウルカバー70の取り付ける構成としてもよい。
また、カウルカバー70の形状は、上述の形状に限定されるものではない。カウルカバー70の形状は、上述の通信ユニット80や非常停止部82などを取り付けることができ、一つのユニットとして電動ローンモア10に着脱可能な形状であればよい。例えば、本体カバー20の運転席21の取り付け部と左右のフェンダー20FR,FLを上方から覆うとともに、ステップSTや左右側部LS,RSは覆わないカバーとしてもよい。
次に、自律走行による芝刈り作業について説明する。自律走行による芝刈り作業は、図15に示すように、複数のGPS衛星を用いた自律走行システムにて無人で行う。
自律走行システムは、電動ローンモア10に加えて、電動ローンモア10と通信可能な操作端末120、複数のGPS衛星130,130にて構成される。
電動ローンモア10は、CPUやRAMやROM等を備える制御手段としての制御部110、警報部111、着脱検出部112などを備える。また、電動ローンモア10には、GPS受信部101や通信部102などを備える通信ユニット80、非常停止手段としての非常停止部82などから構成される着脱ユニット(カウルカバー70、通信ユニット80、非常停止部82)100が取り付けられている。通信ユニット80および非常停止部82は、カプラ62,63を介して制御部110にケーブル接続されている。
GPS衛星130からの電波信号は、GPS受信部101で受信し、ケーブルを介して制御部110に送信される。制御部110には、自律走行プログラムを格納する。通信手段である通信部102は、外部からの電波信号を受信したり、外部へ電波信号を送信する。操作端末120からの電波信号は、通信部102で受信し、ケーブルを介して制御部110に送信される。
着脱検出部112は、着脱ユニット100の電動ローンモア10への装着を検出するものである。
本体センサ113は、自律走行時の、自律走行プログラムの処理状況、走行モータ16およびモアモータ15の作動状況など、電動ローンモア10の各種の情報を検出するものである。
本体センサ113が異常を検出したとき(すなわち、自律走行で作業が不可能となったとき)は、警報手段である警報部111によって、周囲に異常を知らせる。警報部111は、周囲に異常を知らせることが可能なものであればよく、例えば、警報音発生装置やランプ点滅装置などである。
制御部110には、警報部111、着脱検出部112、本体センサ113、走行モータ16、モアモータ15などが接続されている。走行モータ16、モアモータ15、警報部111などは、制御部110の制御下で動作する。
操作端末120は、CPUやRAMやROM等を備える制御手段としての制御部121、通信手段としての通信部122、操作部123、表示部124などを備える。
通信手段である通信部122は、外部からの電波信号を受信したり、外部へ電波信号を送信する。この通信部122と電動ローンモア10に装着された着脱ユニット100の通信部102とによって、操作端末120と電動ローンモア10とを通信可能とする。
操作部123は、後述する自律走行の設定や、GPSの初期設定、遠隔操作などを行うためのインターフェースであり、制御部121にケーブル接続されている。
表示部124は、制御部121にケーブル接続されており、操作部123により入力された各種設定などを表示する。
なお、操作部123は、キーボードやスイッチ、レバー、押しボタン、ダイアルなどオペレータが入力操作可能であればよく、その形式は限定されない。さらに、操作部123と表示部124をタッチパネルとし、一体化してもよい。また、操作部123によって、電動ローンモア10を遠隔操作できる構成としてもよい。
このような構成の自律走行システムにおいて、ある時刻に発信されたGPS衛星130からの電波信号は、電動ローンモア10に装着された着脱ユニット100のGPS受信部101により受信され、カプラ62,63を介して制御部110に送信される。
制御部110では、GPS受信部101で受信された複数のGPS衛星130からの電波信号情報に基づき、電動ローンモア10の位置計算を行う。上記の計算は、制御部110に格納された自律走行プログラムにより行われる。
このように構成することにより、芝刈り作業エリアにおける電動ローンモア10の位置を測定することができる。
本体センサ113は、電動ローンモア10の走行速度、3次元的な姿勢、走行モータ16およびモアモータ15の回転数など、自律走行にて芝刈り作業させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類の総称である。
より具体的には、左右の走行モータ16,16の回転数センサ、左右のモアモータ15,15の回転数センサ、車両方位センサ、車両傾斜センサなどである(例えば、3次元的な姿勢を検知し、電動ローンモア10が走行上不安定な姿勢となったときは、これを制御部110にて走行速度を遅くしたりすることもできる)。これら本体センサ113からの検知信号は、制御部110に送信される。
本体センサ113からの検知信号、および複数のGPS衛星130からの電波信号によって算出する電動ローンモア10の位置情報に基づき、制御部110内に格納された自律走行プログラムによって、電動ローンモア10の走行モータ16の回転、モアモータ15の回転を制御する。また、電動ローンモア10の走行速度が遅くなる(走行モータ16の回転数が小さくなる)と、モアモータ15の回転数を小さくするように制御する。一方、電動ローンモア10の走行速度が速くなる(走行モータ16の回転数が大きくなる)と、モアモータ15の回転数を大きくするように制御する。このようにして、電動ローンモア10の走行速度に係らず、芝の刈り取り量を常に一定に制御している。
次に、電動ローンモア10の自律走行の手順を説明する。まず、操作端末120の通信部122によって、芝刈り作業エリアの位置情報および各地点での作業パターンなどの自律走行プログラムのパラメータを電動ローンモア10へ送信する。電動ローンモア10は、通信部102によってこのパラメータを受信し、制御部110に格納する。
操作端末120の操作部123における自律走行開始ボタンを押下することで、通信部122によって電動ローンモア10へ自律走行開始の電波信号を送信する。電動ローンモア10は、通信部102によってこの電波信号を受信し、回路をONにすることで始動する。
この際、電動ローンモア10の着脱検出部112によって、着脱ユニット100の電動ローンモア10への着脱を検出する。着脱ユニット100が電動ローンモア10に装着されている場合には、自律走行を開始する。着脱ユニット100が電動ローンモア10に装着されていない場合には、自律走行を開始しない。
このような構成にすることで、作業者の誤操作による自律走行の開始を防止でき、安全性を向上させることができる。
なお、着脱検出部112は、着脱ユニット100の電動ローンモア10への着脱を検出するものであればよく、例えば、カプラ62,63が接続されることによる通信ユニット80への通電によって検出するものであってもよい。また、着脱ユニット100の電動ローンモア10との接合部(本体カバー20とカウルカバー70との接合部等)に設けたセンサによって検出するものであってもよい。なお、これら2つの方法による検出によって、電動ローンモア10への着脱を検出するものであることが望ましい。
着脱検出部112は、着脱ユニット100の電動ローンモア10への装着を検出すると、制御部110内に格納されている自律走行プログラム、芝刈り作業エリアの位置情報および各地点での作業パターンなどのパラメータを基に、電動ローンモア10は、自律走行によって芝刈り作業を開始する。このとき、電動ローンモア10はGPS衛星130から定期的に電波を受信する。ここで、作業パターンは、電動ローンモア10の走行速度情報、モアデッキユニットMUの動作情報の動作情報である。
作業終了地点に到達すると、電動ローンモア10は自動的に自律走行を終了し、停車する。自律走行が終了したら、操作端末120の操作部123を操作し、自律走行開始時と同様に、電動ローンモア10へ自律走行終了の電波信号を送信し、回路をOFFにする。
ここで、着脱ユニット100は、非常停止手段である非常停止部82を備える。つまり、図8に示すように、カウルカバー70が装着された電動ローンモア10は、上面の左右両側に非常停止部82を備える。したがって、作業員は、電動ローンモア10に右側もしくは左側から近寄って非常停止部82であるボタンを押下して、自律走行中の電動ローンモア10を強制的に停止できる。
また、電動ローンモア10が自律走行中に異常事態、すなわち、何らかの原因で走行不能となったり、モアモータ15などが回転不能となったりしたときには、これらを本体センサ113が感知して、制御部110からの信号に基づいて警報部111を作動させて周囲に電動ローンモア10の異常を認識可能とする。
ここで、芝刈り作業における電動ローンモア10の自律走行経路と、各地点での作業パターンとは、複数通り作成することが可能である。作業効率の観点から、走行経路が最も短い経路を選択することが望ましい。ただし、芝刈り作業エリア内に障害物(看板・鉄塔脚など)が存在したり、芝刈り作業エリアの特定箇所が軟弱地盤であったり、あるいは電動ローンモア10が芝刈り作業エリアに進入できる地点が特定の場所に制約されるなど、種々の状況を考慮して決定されるようにしてもよい。
ここで、着脱ユニット100が備える、通信ユニット80および非常停止部82は、自律走行で作業を行う際に必要なものであって、乗車走行で作業を行う際には使用しないものである。乗車走行で作業を行う際は、着脱ユニット100を取り外す(カウルカバー70を取り外す)。したがって、乗車走行での作業時における電動ローンモア10の重量を軽減でき、作業効率が良なる。また、着脱ユニット100を複数の電動ローンモアに流用できるため、経済性がよい。なお、着脱ユニット100は、自律走行で作業を行う際に必要なものであって、乗車走行で作業を行う際には使用しないものを備える構成であればよく、警報部111、操作端末120の操作部123や表示部124などを備える構成であってもよい。
また、着脱ユニット100は、自律走行プログラムのパラメータなどを記憶する記憶手段である記憶部を備える構成であってもよい。このような構成にすることで、取り外した着脱ユニット100を持ち運び、任意の場所で着脱ユニット100の記憶部に自律走行プログラムのパラメータなどを記憶することができ、自律走行プログラムのパラメータなどの入力や変更が容易となる。
また、着脱ユニット100は、電動ローンモア10が備える制御部110とは別に制御部を備え、この制御部内に自律走行プログラムを格納する構成であってよい。このような構成にすることで、自律走行プログラムの変更が容易になるとともに、電動ローンモア10が備える制御部110の制御動作の負荷を軽減することが可能である。また、既存の電動ローンモアの構成を大きく変更することなく、この着脱ユニット100を取り付けることにより、自律走行を可能とすることができる。
また、電動ローンモア10もしくは着脱ユニット100が操作部123や表示部124を備える構成であってもよい。このような構成にすることで、操作端末120は不要となり、自律走行システムの構成が簡略化される。
また、自律走行で作業をする際、運転席21、デッキ昇降ペダル24のペダル部および走行操作レバー22のレバー部の取り外しを行わない構成としてもよい。例えば、運転席21は、上方に延設した背もたれ部を前方に折り畳みが可能な構成とする。走行操作レバー22のレバー部は、内側に折り畳みが可能な構成とする。そして、カウルカバー70は、ステップSTや左右側部LS,RSを覆わない形状とし、折り畳まれた運転席21や走行操作レバー22のレバー部をカウルカバーの内部に収容する構成としてもよい。このような構成にすることで、自律走行と乗車走行との切り換えが容易となり、作業効率を向上することが可能である。
なお、自律走行をする際には、乗車走行をする際に使用する運転席21や走行操作レバー22などがない構成とするのが望ましい。電動ローンモア10が、自律走行をするのか、乗車走行をするかの周囲からの識別が容易となり、周囲への安全性を向上することが可能である。
また、芝刈り作業を行うエリアに、GPS受信部、通信手段などを有する基準局ユニットを複数設置し、電動ローンモア10が基準局ユニットと通信する構成としてもよい。上述の構成では、GPS衛星130からの電波信号情報に基づき、電動ローンモア10の位置計算を行う構成である。電動ローンモア10の位置は、GPS衛星130と電動ローンモア10との位置関係によってのみ算出される。しかし、基準局ユニットを複数設置する構成にすることで、GPS衛星130と電動ローンモア10との位置関係、GPS衛星130と移動局ユニットとの位置関係、移動局ユニットと電動ローンモア10との位置関係によって、電動ローンモア10の位置が算出されるため、電動ローンモア10の位置をより正確に算出することができる。したがって、高精度で電動ローンモア10の自律走行による芝刈り作業を行うことが可能である。
また、電動ローンモア10の自律走行による芝刈り作業を開始する前に、電動ローンモア10によって作業エリア内をマッピングさせてもよい。電動ローンモア10もしくは着脱ユニット100がレーザスキャナを備える構成とし、作業エリア内をマッピング走行させ、レーザスキャナによって作業エリア内の地形情報を読取る。読取った地形情報を基に作業パターンを修正し、電動ローンモア10の自律走行による芝刈り作業を開始する。このような構成にすることで、高精度で電動ローンモア10の自律走行による芝刈り作業を行うことが可能である。
また、電動ローンモア10もしくは着脱ユニット100が赤外線センサを備える構成としてもよい。電動ローンモア10の自律走行時の際に、前方に向けて赤外線を照射するとともに反射する赤外線を検出する。このような構成にすることで、走行方向の前方にある障害物を検出することが可能となる。障害物と接触する前に、電動ローンモア10を停止させたり、障害物を回避するように走行させることができ、電動ローンモア10の故障などを防止することができる。
また、電動ローンモア10がモアデッキユニットMUを昇降させるためのモータを備える構成としてもよい。このような構成にすることで、モアデッキユニットMUが刈り取る芝の刈り取り高さを一定ではなく、複数の刈り取り高さに設定することができる。また、作業者によるモアデッキユニットMUの高さ調整が不要となるため、作業者の負荷が軽減されるとともに、芝刈り作業の効率が良くなる。
また、電動ローンモア10もしくは着脱ユニット100が周囲の状況を撮像するカメラを備える構成としてもよい。例えば、図11に示す収容部材75を透明な部材で構成し、この収容部材75内にカメラを備える。このような構成にすることで、撮像した映像を操作端末120に送信し、表示部124に表示させることが可能となり、離れた場所でも電動ローンモア10の周囲の状況が把握できる。また、収容部材75をカウルカバー70に取り付けることにより、通信ユニット80とカメラとを同時にカウルカバー70に取り付けることが可能であり、生産性が向上する。なお、上述の自律走行プログラムのパラメータなどを記憶する記憶手段である記憶部や、電動ローンモア10が備える制御部110とは別の制御部、レーザスキャナ、赤外線センサなどを着脱ユニット100に設ける際、収容部材75内に設ける構成としても同様の効果が得られる。
また、この発明は上述の例に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内であらゆる形態を取ることができる。