JP2017069037A - X線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性の高いX線管装置を提供する。又は、安価なX線管装置を提供する。【解決手段】X線管装置は、X線管30と、ハウジング20と、絶縁油7と、レセプタクル400と、X線遮蔽部材60と、を備える。X線管30は、フィラメント37及び制御電極38を有した陰極36を含んでいる。レセプタクル400は、フィラメント端子403と、制御端子と、を有している。X線遮蔽部材60は、X線管30とレセプタクル400の底部との間に配置され、X線管30から上記底部に向かうX線を遮蔽する。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、X線管装置に関する。
一般に、X線管装置は、医療診断システムや工業診断システム等に用いられている。X線管装置は、X線を放射するX線管と、X線管を収容したハウジングと、ハウジング内に充填された絶縁油とを備えている。X線管は、電子を放出するフィラメント及び制御電極を有したカソード、フィラメントから放出された電子が衝突することによりX線を放出するアノード、並びにカソード及びアノードを収容した真空外囲器を有している。
ハウジングには、アノード用のレセプタクルと、カソード用のレセプタクルとがそれぞれ取付けられている。例えば、カソード用のレセプタクルは、フィラメント端子及びグリッド端子を有している。
フィラメントにはフィラメント回路が接続され、フィラメント回路はX線管の外側に引き出され、絶縁油中を通ってフィラメント端子に接続されている。グリッドにはグリッド回路が接続され、グリッド回路はX線管の外側に引き出され、絶縁油中を通ってグリッド端子に接続されている。
アノードには、高電圧電源からアノード給電高圧ケーブル及びアノード用のレセプタクルを介してアノード電圧が供給される。フィラメントには、高電圧電源のマイナス側からカソード給電高圧ケーブル、フィラメント端子及びフィラメント回路を介してフィラメント電圧が供給される。グリッドには、高電圧電源のマイナス側からカソード給電高圧ケーブル、グリッド端子及びグリッド回路を介してグリッド電圧が供給される。このため、上記カソード給電高圧ケーブルは、内部に互いに絶縁された2つの芯導線を含んでいる。なお、グリッドにはさらにバイアス電圧が給電されている。
ところで、上記グリッドとアノードとの間で放電が生じる場合がある。放電が生じた場合、グリッドに高電圧が誘起されるため、フィラメント(フィラメント回路)との間に大きな電位差が生じる。放電が生じた瞬間のグリッド及びフィラメント間の電位差は、最大で高圧電源電圧の約30%の値に達する。このため、カソード用のレセプタクル内のグリッド端子とフィラメント端子との間に絶縁破壊が生じてしまう恐れがある。特に、カソード用のリセプタクルが小型タイプの場合、グリッド端子とフィラメント端子間の距離が短いため、絶縁破壊が生じる危険性が高い。
カソード用のレセプタクルは、電気絶縁性を有する有底円筒形状の端子支持体を有している。端子支持体は、射出成形などで製作される。端子支持体には、グリッド端子及びフィラメント端子が取り付けられている。
制御端子及びフィラメント端子間の絶縁耐力を高める為に、グリッド端子とフィラメント端子との間に十分な距離を設けたり、高絶縁耐力の材料を使用したり、或いは、フィラメント回路及びグリッド回路間にバリスタやアレスタ等のサージアブソーバーを組み込むなどの手段で対策を講じることが考えられる。しかし、寸法的、経済的な制約或いはサージアブソーバーの耐久性、信頼性の低さから上記手段を採用することは、実用的には困難を極めるものである。信頼性の高いX線管装置を提供する為に、レセプタクル内でグリッド用端子及びフィラメント用端子間の絶縁破壊を安価でかつ確実に防止することが求められる。
本実施形態は、信頼性の高いX線管装置を提供する。又は、本実施形態は、安価なX線管装置を提供する。
本実施形態は、信頼性の高いX線管装置を提供する。又は、本実施形態は、安価なX線管装置を提供する。
一実施形態に係るX線管装置は、
電子が衝突することによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに衝突する電子を放出するフィラメント及び前記フィラメントから前記陽極ターゲットに向かう電子の軌道を取り囲んで設けられた制御電極を有した陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容した真空外囲器と、を含んだX線管と、
前記X線管を収容したハウジングと、
前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された絶縁油と、
底部を有する電気絶縁性の端子支持体と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメントにフィラメント電圧を供給するフィラメント端子と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメント端子に間隔を置いて位置し前記制御電極に制御電圧を供給する制御端子と、を有し、前記ハウジングに取付けられたレセプタクルと、
前記X線管と前記底部との間に配置され、前記X線管から前記底部に向かう前記X線を遮蔽するX線遮蔽部材と、を備えている。
電子が衝突することによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに衝突する電子を放出するフィラメント及び前記フィラメントから前記陽極ターゲットに向かう電子の軌道を取り囲んで設けられた制御電極を有した陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容した真空外囲器と、を含んだX線管と、
前記X線管を収容したハウジングと、
前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された絶縁油と、
底部を有する電気絶縁性の端子支持体と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメントにフィラメント電圧を供給するフィラメント端子と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメント端子に間隔を置いて位置し前記制御電極に制御電圧を供給する制御端子と、を有し、前記ハウジングに取付けられたレセプタクルと、
前記X線管と前記底部との間に配置され、前記X線管から前記底部に向かう前記X線を遮蔽するX線遮蔽部材と、を備えている。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
始めに、本発明の実施形態の基本構想について説明する。
絶縁体の電気的な絶縁破壊現象は、絶縁体中のボイド内での部分放電がきっかけとなってアーク放電に至ることが知られている。ボイドが十分少ない場合にはアーク放電は起こらないが、ボイドを十分コントロールした高絶縁耐力の材料をレセプタクルに採用することは、経済性の面から困難である。そのため、製造コストの高騰を抑制しようとすると、ボイドのばらつきが大きくなるため、X線管の使用中に絶縁破壊を起こす場合がある。
絶縁体の電気的な絶縁破壊現象は、絶縁体中のボイド内での部分放電がきっかけとなってアーク放電に至ることが知られている。ボイドが十分少ない場合にはアーク放電は起こらないが、ボイドを十分コントロールした高絶縁耐力の材料をレセプタクルに採用することは、経済性の面から困難である。そのため、製造コストの高騰を抑制しようとすると、ボイドのばらつきが大きくなるため、X線管の使用中に絶縁破壊を起こす場合がある。
これらのボイドは、典型的にガスで満たされている。もし、ボイドを横切る電圧ストレスが、ボイドの中のガスに対する開始電圧を超える場合には、ガスがイオン化して、部分放電がボイドの中で発生し始める。部分放電は、その後、絶縁体の漸進的な劣化を引き起こすことがあり、それは、最終的に、絶縁体の絶縁破壊をもたらすことになる。
部分放電が発生するためには、ボイドを横切る電圧ストレスが開始電圧を超えることに加えて、ボイドの中で部分放電が開始するためにボイドの中またはボイドに十分な自由電子がなければならない。
自由電子は、スタート電子と呼ばれることもある。スタート電子の生成のための良く知られている誘因は、ボイド表面からの電界放出である。
部分放電が発生するためには、ボイドを横切る電圧ストレスが開始電圧を超えることに加えて、ボイドの中で部分放電が開始するためにボイドの中またはボイドに十分な自由電子がなければならない。
自由電子は、スタート電子と呼ばれることもある。スタート電子の生成のための良く知られている誘因は、ボイド表面からの電界放出である。
しかし、本願発明者らは、絶縁体の絶縁破壊現象が生じる直前まで、X線管からX線がボイドに照射されていたことが、スタート電子の生成のための主要な誘因であることを突き止めたものである。つまり、次の(1)から(5)まで順に生じる連鎖的な現象がレセプタクル(端子支持体)の絶縁破壊の主要なメカニズムであることが分かったものである。
(1)レセプタクルの端子支持体へのX線の照射
(2)X線管の放電(陰極の制御電極と陽極ターゲットとの間に生じる放電)
(3)制御端子とフィラメント端子との間での高電位差の発生
(4)端子支持体中のボイドでの部分放電の発生
(5)端子支持体の絶縁破壊
そこで、本発明の実施形態においては、かかる問題を解決するものであり、レセプタクルでの絶縁破壊の発生を防止するものである。これにより、本発明の実施形態においては、信頼性の高いX線管装置を得ることができるものである。又は、本発明の実施形態においては、安価なX線管装置を得ることができるものである。次に、上記問題を解決するための手段及び手法について説明する。
(1)レセプタクルの端子支持体へのX線の照射
(2)X線管の放電(陰極の制御電極と陽極ターゲットとの間に生じる放電)
(3)制御端子とフィラメント端子との間での高電位差の発生
(4)端子支持体中のボイドでの部分放電の発生
(5)端子支持体の絶縁破壊
そこで、本発明の実施形態においては、かかる問題を解決するものであり、レセプタクルでの絶縁破壊の発生を防止するものである。これにより、本発明の実施形態においては、信頼性の高いX線管装置を得ることができるものである。又は、本発明の実施形態においては、安価なX線管装置を得ることができるものである。次に、上記問題を解決するための手段及び手法について説明する。
まず、第1の実施形態に係るX線管装置について説明する。
図1に示すように、X線管装置10は、X線管30、ハウジング20、冷却液としての絶縁油7、陽極コネクタ350、陰極コネクタ450、陽極給電高圧ケーブル113、陰極給電高圧ケーブル115、ケーブル3、ケーブル4及び高電圧電源112を備えている。
図1に示すように、X線管装置10は、X線管30、ハウジング20、冷却液としての絶縁油7、陽極コネクタ350、陰極コネクタ450、陽極給電高圧ケーブル113、陰極給電高圧ケーブル115、ケーブル3、ケーブル4及び高電圧電源112を備えている。
X線管30は、陽極ターゲット35、陰極36及び真空外囲器31を備えている。陰極36は、陽極ターゲット35に間隔を置いて配置されている。陰極36は、フィラメント37及びグリッド38を有している。フィラメント37は、陽極ターゲット35に衝突する電子を放出するものである。グリッド38の少なくとも一部は、フィラメント37と陽極ターゲット35との間に位置し、フィラメント37から陽極ターゲット35に向かう電子の軌道を取り囲んで設けられている。グリッド38は、電子収束カップと称される場合がある。本実施形態において、グリッド38は制御電極として機能している。真空外囲器31は、陽極ターゲット35及び陰極36を収容している。
ハウジング20は、X線管30、ケーブル3、ケーブル4などを収容している。絶縁油7は、ハウジング20とX線管30との間の空間に充填されている。このため、X線管30、ケーブル3、ケーブル4などは、絶縁油7に浸漬されている。
陽極コネクタ350は、レセプタクル300及びプラグ330を有している。レセプタクル300及びプラグ330は、着脱可能に形成されている。レセプタクル300は、ハウジング20に液密に取付けられている。陽極コネクタ350は、陽極ターゲット35に接続され、陽極ターゲット35にアノード電圧を供給するものである。
陰極コネクタ450は、レセプタクル400及びプラグ430を有している。レセプタクル400及びプラグ430は、着脱可能に形成されている。レセプタクル400は、レセプタクル300とは独立してハウジング20に液密に取付けられている。レセプタクル400は、フィラメント37にフィラメント電圧を供給する2個のフィラメント端子403及びグリッド38にグリッド電圧(制御電圧)を供給する単個のグリッド端子404を有している。本実施形態において、グリッド端子404は、制御端子として機能している。
フィラメント端子403は、フィラメント37に接続され、フィラメント37にフィラメント電圧及びフィラメント電流を供給するものである。グリッド端子404は、グリッド38に接続され、グリッド38にグリッド電圧を供給するものである。
ケーブル3は、フィラメント37に接続されているとともにX線管30の外側に引き出され、絶縁油7中を通ってフィラメント端子403に接続されている。ケーブル4は、グリッド38に接続されているとともにX線管30の外側に引き出され、絶縁油7中を通ってグリッド端子404に接続されている。
高電圧電源112は、陽極ターゲット35と陰極36との間に高電圧を供給するためのものである。この実施の形態において、高電圧電源112は、陽極ターゲット35側に70kVの電圧を供給し、陰極36側に−70kVの電圧を供給している。高電圧電源112は、2つの電源部112aを備えている。電界強度を一定にするため、電源部112a間の導線は接地されている。
陽極給電高圧ケーブル113は、高電圧電源112のプラス側及び陽極コネクタ350に接続されている。陽極給電高圧ケーブル113は、高電圧電源112から陽極コネクタ350に陽極電圧を供給するものである。
陰極給電高圧ケーブル115は、高電圧電源112のマイナス側及び陰極コネクタ450に接続されている。より詳しくは、陰極給電高圧ケーブル115は、内部に互いに絶縁された3個の芯導線を含んでいる。これら芯導線の一端は、それぞれ高電圧電源112のマイナス側に接続されている。2個の芯導線の他端はフィラメント端子403に接続され、残りの1個の芯導線の他端はグリッド端子404に接続されている。陰極給電高圧ケーブル115は、高電圧電源112からフィラメント端子403にフィラメント電圧及びフィラメント電流を供給し、グリッド端子404にグリッド電圧を供給する。
なお、フィラメント端子403に接続された芯導線に、フィラメント電源122が接続されている。グリッド端子404に接続された芯導線に、バイアス電源121が接続されている。このため、グリッド38には、フィラメント37に対して約3kVの負のバイアス電圧が給電される。
図2に示すように、X線管装置10は、大まかにハウジング20と、ハウジング20内に収納されたX線管30と、X線管30とハウジング20との間の空間に充填された絶縁油7と、高電圧絶縁部材6と、回転駆動部としてのステータコイル9と、ケーブル3,4,5と、レセプタクル300,400と、を備えている。本実施形態において、X線管30は回転陽極型のX線管である。
X線管装置10は、図示しない循環冷却システムをさらに備えていてもよい。この場合、ハウジング20には、図示しない絶縁油7の導入口及び排出口が形成されている。循環冷却システムは、例えば、ハウジング20内の絶縁油7を放熱及び循環させる冷却器と、冷却器をハウジング20の導入口及び排出口に液密及び気密に連結する導管(ホースなど)とを備えている。冷却器は、循環ポンプ及び熱交換器を有している。循環ポンプは、ハウジング20側から取り入れた絶縁油7を熱交換器に吐出し、絶縁油7の流れをハウジング20内に作り出す。熱交換器は、ハウジング20及び循環ポンプ間に連結され、絶縁油7の熱を外部に放出する。
ハウジング20は、筒状に形成されたハウジング本体20eと、蓋部(側板)20f、20g、20hとを有している。ハウジング本体20e、及び蓋部20f、20g、20hは、金属材料又は樹脂材料で形成されている。この実施形態において、ハウジング本体20e、及び蓋部20f、20g、20hは、アルミニウム合金を用いた鋳物で形成されている。樹脂材料を使用する場合は、ねじ部など強度を必要とする個所や、樹脂の射出成形で成形し難い個所、またハウジング20の外部への電磁気ノイズの漏洩を防止する図示しない遮蔽層など、部分的に金属を併用しても良い。
後述する高電圧供給端子44が位置する側のハウジング本体20eの開口部には、環状の段差部が形成されている。上記段差部の内周面には、環状の溝部が形成されている。X線管装置の管軸に沿った方向において、蓋部20fの周縁部はハウジング本体20eの段差部に接触している。ハウジング本体20eの上記溝部にはC形止め輪20iが嵌合されている。
C形止め輪20iは、管軸に沿った方向における、ハウジング本体20eに対する蓋部20fの位置を規制している。この実施形態において、蓋部20fのがたつきを防止するため、蓋部20fの位置は固定されている。高電圧供給端子44が位置する側のハウジング本体20eの開口部は、蓋部20f及びC形止め輪20iなどにより液密に閉塞されている。
ゴム部材2aはOリングを形成している。ゴム部材2aはハウジング本体20eと蓋部20fとの間に設けられている。ゴム部材2aは、ハウジング20外部への絶縁油7の漏れを防止する機能を有している。
後述する高電圧供給端子54が位置する側のハウジング本体20eの開口部の内周面には、環状の溝部が形成されている。蓋部20gはハウジング本体20eの内部に位置している。蓋部20hは蓋部20gに対向している。蓋部20gは、絶縁油7が出入りする開口部20kを有している。蓋部20hには、雰囲気としての空気が出入りする通気孔20mが形成されている。
ハウジング本体20eの上記溝部にはC形止め輪20jが嵌合されている。C形止め輪20jは、蓋部20hがゴム部材2bの周縁部(シール部)へ応力を加えている状態を保持している。ゴム部材2bのシール部はOリングのように形成されている。上記のことから、高電圧供給端子54が位置する側のハウジング本体20eの開口部は、蓋部20g、蓋部20h、C形止め輪20j及びゴム部材2bなどにより液密に閉塞されている。
ゴム部材2bのシール部は、ハウジング本体20eと蓋部20gと蓋部20hとの間に設けられている。ゴム部材2bは、ハウジング20外部への絶縁油7の漏れを防止する機能を有している。
この実施形態において、ゴム部材2bはゴムベローズ(ゴム膜)であり、絶縁油7に接している。ゴム部材2bは、ハウジング20内において、蓋部20g及び蓋部20hで囲まれた領域を、第1空間と、第2空間とに仕切っている。第1空間は、開口部20kと繋がった空間であり、絶縁油7が存在する空間である。第2空間は、通気孔20mと繋がった空間であり、外気が存在する空間である。ゴム部材2bは、絶縁油7の体積変化を吸収し、絶縁油7の圧力調整を行っている。
図3は、図2に示したX線管装置10の一部を拡大して示す図であり、ハウジング本体20e、X線透過窓20w、ゴム部材2c、ねじ20s、及びX線遮蔽部520,540を示す図である。
図2及び図3に示すように、ハウジング本体20eは、X線透過領域に対向したX線出力口20oを有している。X線出力口20oは、ハウジング本体20eの一部を貫通して形成されている。ハウジング20は、X線透過窓20wを有している。X線透過窓20wは、X線を透過しハウジング20外部に放射する。
なお、後述するX線遮蔽部520及び540は、X線出力口20oにおけるハウジング20外部へのX線の放射を妨げることのないように設けられている。このため、X線遮蔽部540は、X線出力口20oの側縁に設けられている。
X線透過窓20wは、ハウジング20の外側に位置している。X線透過窓20wは、機械的強度の高い材料を利用して形成することができる。この実施形態において、X線透過窓20wは、アルミニウムを利用して形成されているが、他の金属材料や樹脂などを利用して形成することも可能である。X線透過窓20wは凹型形状を有し、X線管30とX線透過窓20wとの間隔の低減を図っている。
X線透過窓20wに対向したハウジング本体20eの外壁には、取付け面が形成されている。X線出力口20oを囲むようにハウジング本体20eの取付け面には枠状の溝部が形成されている。X線透過窓20wは、上記取付け面に対向した状態で、上記取付け面に接触され、締め具としてのねじ20sによりハウジング本体20eに固定されている。ねじ20sは、X線透過窓20wに形成された貫通孔を通り、ハウジング本体20eに形成されたねじ穴に締め付けられている。X線透過窓20wはX線出力口20oを閉塞している。
ゴム部材2cはOリングを形成している。ゴム部材2cは、ハウジング本体20eの取付け面に形成された溝部に設けられている。ゴム部材2cは、ハウジング20外部への絶縁油7の漏れを防止する機能を有している。
図4は、図2に示したX線管30を示す断面図である。
図2及び図4に示すように、X線管30は、真空外囲器31を備えている。真空外囲器31は、真空容器32を有している。真空容器32は、例えば、ガラス、又は銅、ステンレス及びアルミニウム等の金属で形成されている。この実施形態において、真空容器32はガラスで形成されている。なお、真空容器32を金属で形成する場合、真空容器32は、上記X線透過領域に対向した開口を有している。そして、真空容器32の開口は、X線を透過する材料としてのベリリウムで形成されたX線透過窓で気密に閉塞されている。真空外囲器31の一部は、高電圧絶縁部材50で形成されている。本実施形態において、高電圧絶縁部材50は、電気絶縁性のガラスで形成されている。
図2及び図4に示すように、X線管30は、真空外囲器31を備えている。真空外囲器31は、真空容器32を有している。真空容器32は、例えば、ガラス、又は銅、ステンレス及びアルミニウム等の金属で形成されている。この実施形態において、真空容器32はガラスで形成されている。なお、真空容器32を金属で形成する場合、真空容器32は、上記X線透過領域に対向した開口を有している。そして、真空容器32の開口は、X線を透過する材料としてのベリリウムで形成されたX線透過窓で気密に閉塞されている。真空外囲器31の一部は、高電圧絶縁部材50で形成されている。本実施形態において、高電圧絶縁部材50は、電気絶縁性のガラスで形成されている。
X線管30は、陽極ターゲット35及び陰極36を有している。
陽極ターゲット35は、真空外囲器31内に設けられている。陽極ターゲット35は、円盤状に形成されている。陽極ターゲット35は、この陽極ターゲットの外面の一部に設けられた傘状のターゲット層35aを有している。ターゲット層35aは、陰極36から照射される電子が衝突することによりX線を放出する。陽極ターゲット35は、モリブデン合金などの金属で形成されている。ターゲット層35aは、タングステン合金等の金属で形成されている。陽極ターゲット35は、管軸を中心に回転自在である。このため、陽極ターゲット35の軸線は、管軸と平行である。
陽極ターゲット35は、真空外囲器31内に設けられている。陽極ターゲット35は、円盤状に形成されている。陽極ターゲット35は、この陽極ターゲットの外面の一部に設けられた傘状のターゲット層35aを有している。ターゲット層35aは、陰極36から照射される電子が衝突することによりX線を放出する。陽極ターゲット35は、モリブデン合金などの金属で形成されている。ターゲット層35aは、タングステン合金等の金属で形成されている。陽極ターゲット35は、管軸を中心に回転自在である。このため、陽極ターゲット35の軸線は、管軸と平行である。
陰極36は、真空外囲器31内に設けられている。陰極36は、フィラメント37及びグリッド38を有している。フィラメント37は、陽極ターゲット35に照射する電子を放出する。グリッド38は、フィラメント37から陽極ターゲット35に向かう電子の軌道を取り囲んで設けられている。
グリッド38の電位は、第1電位又は第2電位に切替えられる。グリッド38の電位が第1電位に切替えられると、グリッド38は、フィラメント37から陽極ターゲット35への電子の入射を許可し、陽極ターゲット35に向かう電子のビームを収束する。
また、グリッド38に負の電圧が与えられ、与えた電圧の値がある一定の値よりも負の値の場合、グリッド38の電位は第2電位に切替えられる。すると、陽極ターゲット35から電子に働く引力より、グリッド38から電子に働く斥力が勝るため、フィラメント37から陽極ターゲット35に電子が入射されない。すなわち、グリッド38は、フィラメント37から陽極ターゲット35への電子の入射を禁止する。この実施形態において、第2電位は、フィラメント37の電位より低い。グリッド38の電位を第2電位に切替える際、グリッド38に約−3kVの負のバイアス電圧が与えられる。
低膨張合金であるKOV(コバール)部材55は、真空外囲器31内で高電圧供給端子54を覆っている。ここでは、高電圧供給端子54はガラス製の高電圧絶縁部材50に封着され、KOV部材55は高電圧絶縁部材50に摩擦ばめを利用して固定されている。KOV部材55には、陰極支持部材33が取付けられている。陰極36は、陰極支持部材33に取付けられている。高電圧供給端子54は、陰極支持部材33の内部を通って陰極36に接続されている。
X線管30は、固定軸11、回転体12、軸受け13及びロータ14を備えている。固定軸11は、円柱状に形成されている。固定軸11の外周の一部には突出部が形成され、突出部は真空容器32に気密に取付けられている。固定軸11には、高電圧供給端子44が電気的に接続されている。固定軸11は回転体12を回転可能に支持する。回転体12は、筒状に形成され、固定軸11と同軸的に設けられている。回転体12の外面にロータ14が取り付けられている。回転体12には、陽極ターゲット35が取付けられている。軸受け13は、固定軸11と回転体12の間に形成されている。回転体12は、陽極ターゲット35とともに回転可能に設けられている。上記固定軸11、回転体12、軸受け13及びロータ14は、陽極ターゲット回転機構を形成している。上記陽極ターゲット回転機構は、陽極ターゲット35を回転自在に支持する。
この実施形態において、高電圧供給端子44及び高電圧供給端子54は、金属端子である。高電圧供給端子54は、陰極36に負の高電圧を印加する。高電圧供給端子54は、フィラメント37にフィラメント電流を供給する際や、グリッド38にバイアス電圧を印加する際にも利用される。高電圧供給端子44は、固定軸11、軸受け13及び回転体12を介して陽極ターゲット35に正の高電圧を印加する。これにより、陽極ターゲット35は陰極36に比べて高い電位に設定される。
X線管30の固定軸11は高電圧絶縁部材6にも固定されている。高電圧絶縁部材6はハウジング20に、直接又はステータコイル9などを介して間接的に固定されている。高電圧絶縁部材6は、一端が円錐形をし、他端が閉塞した管状に形成されている。高電圧絶縁部材6は、X線管30とハウジング20との間や、X線管30とステータコイル9との間を電気的に絶縁するものである。
図2及び図3に示すように、X線管装置10は、鉛で形成されたX線遮蔽部510、520、530、540をさらに備えている。これらのX線遮蔽部は、少なくとも鉛を含むX線不透過材で形成されていればよく、鉛合金等で形成されていてもよい。
図2に示すように、X線遮蔽部510は、管軸に沿った方向にターゲット層35aと対向したハウジング20の一端側に設けられている。X線遮蔽部510は、ターゲット層35aから放射されるX線を遮蔽するものである。X線遮蔽部510は、第1遮蔽部511及び第2遮蔽部512を有している。
第1遮蔽部511は、管軸に沿った方向にターゲット層35aと対向した側の蓋部20gに貼り付けられている。第1遮蔽部511は、蓋部20g全体を覆っている。第1遮蔽部511は、開口部20kと対向した個所が開口して形成され、開口部20kによる絶縁油7の出入りを維持している。
第2遮蔽部512は、第1遮蔽部511上に設けられている。第2遮蔽部512は、開口部20k付近からハウジング20の外部に出射する恐れのあるX線を遮蔽するものである。
X線遮蔽部520は円筒状に形成されている。X線遮蔽部520の一端部は、第1遮蔽部511に近接している。このため、X線遮蔽部510及びX線遮蔽部520間の隙間から出射する恐れのあるX線を遮蔽することができる。
X線遮蔽部520は、管軸に沿って第1遮蔽部511から陽極ターゲット35(ターゲット層35aの表面の延長線上)を越える位置まで延出している。この実施形態において、X線遮蔽部520は、第1遮蔽部511から高電圧絶縁部材6と対向する位置まで延出している。X線遮蔽部520は、必要に応じてハウジング20に固定されている。
X線遮蔽部530は、筒状に形成され、ハウジング20の筒部20r内に設けられている。X線遮蔽部530の一端部は、X線遮蔽部520に近接している。X線遮蔽部530は、必要に応じて筒部20rに固定されている。ここでは、X線遮蔽部530は、筒部20rの内壁に形成された突出部に固定されている。なお、上記突出部は、X線遮蔽部530の位置決めにも利用されている。このため、筒部20rから出射する恐れのあるX線を遮蔽することができる。
図3に示すように、X線遮蔽部540は、枠状に形成され、ハウジング20のX線出力口20oの側縁に設けられている。X線遮蔽部540の一端部は、X線遮蔽部520に近接している。X線遮蔽部540は、必要に応じてX線出力口20oの側縁に固定されている。
ステータコイル9は、複数個所でハウジング20に固定されている。ステータコイル9は、高電圧絶縁部材6に対してX線管30の反対側に位置している。ステータコイル9は、ロータ14の外面に対向して真空外囲器31の外側を囲んでいる。
ステータコイル9は、ロータ14、回転体12及び陽極ターゲット35を回転させるものである。ステータコイル9は、上記陽極ターゲット回転機構を回転させるための推進力を発生する。ステータコイル9に所定の電流が供給されることでロータ14に与える磁界を発生するため、陽極ターゲット35などが所定の速度で回転される。
絶縁油7は、X線管30が発生する熱の少なくとも一部を吸収するものである。
絶縁油7は、X線管30が発生する熱の少なくとも一部を吸収するものである。
X線管装置10は、ハウジング20の開口を液密に閉塞する接続端子部を備えている。本実施形態において、接続端子部としては、筒部20qの開口を液密に閉塞するレセプタクル300と、筒部20rの開口を液密に閉塞するレセプタクル400と、を挙げることができる。
図5は、図2に示したX線管装置10の一部を拡大して示す他の断面図であり、陽極用のレセプタクル300及びケーブル5を示す図である。
図2及び図5に示すように、陽極用のレセプタクル300は、筒部20qの内部に位置し、筒部20qに取付けられている。レセプタクル300は、端子支持体としてのハウジング301と、端子302と、を備えている。
図2及び図5に示すように、陽極用のレセプタクル300は、筒部20qの内部に位置し、筒部20qに取付けられている。レセプタクル300は、端子支持体としてのハウジング301と、端子302と、を備えている。
ハウジング301は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂を利用して射出成型にて形成されている。電気絶縁性を有するハウジング301の形成に利用する材料の主成分は、熱可塑性樹脂である。本実施形態において、ハウジング301は、強度や剛性を強化するためのフィラーとしてガラスファイバーを含有するPBT樹脂を利用し、射出成型にて形成されている。
ハウジング301は、筒部20q(ハウジング20)の外側に開口した桶状に形成されている。ハウジング301は、ほぼ軸対称なコップ形状であると言うことができる。ハウジング301は、底部301aと、底部301aから突出して設けられた筒部301bと、を有している。底部301aと筒部301bとで囲まれた空間にプラグが差込まれるため、ハウジング301のプラグ差込口がハウジング20の外側に開口していると言うことができる。
ハウジング301は、ハウジング301の底部301aに形成された貫通孔301hを有している。筒部301bの開口側の端部において、筒部301bの外面には、環状の突出部が形成されている。
端子(高電圧供給端子)302は、ハウジング301と一体射出成型により、貫通孔301hに挿通された状態でハウジング301の底部301aに取付けられている。ここで、端子302にはケーブル5の電線が接続されている。陽極ターゲット35は、ケーブル5の電線等を介して端子302に接続されている。陽極ターゲット35には、上記端子302及び電線等を介して電圧が与えられる。
さらに、本実施形態において、レセプタクル300は、カバー部材306をさらに備えている。また、ハウジング301は、筒部301cをさらに有している。筒部301cは、底部301aに対して筒部301bの反対側に位置し、底部301aから突出して設けられている。筒部301cは、端子302を取囲んでいる。
カバー部材306は、PBT樹脂を利用して形成されている。カバー部材306は、ハウジング20の内部にて、端子302や、端子302とケーブル5の電線との接続部を覆っている。このため、端子302(端子302とケーブル5の電線との接続部)と、周辺の接地電位部との間における良好な絶縁性を保持することができる。
筒部20qの段差部には、雌ねじの加工がなされている。リングナット310は、側面に雄ねじの加工がなされている。リングナット310は、筒部20qの段差部に締め付けられ、ハウジング301及びゴム部材2fを押圧している。ゴム部材2fはOリングで形成されている。ゴム部材2fは、筒部20qとレセプタクル300との間に設けられ、ハウジング20外部への絶縁油7の漏れを防止する機能を有している。
レセプタクル300及びレセプタクル300に挿入される上記プラグ330は、非面圧式であり、着脱可能に形成されている。プラグ330をレセプタクル300に連結した状態で、プラグ330から端子302に高電圧(例えば、+70乃至+80kV)が与えられる。
図6は、図2に示したX線管装置10の一部を拡大して示す他の断面図であり、陰極用のレセプタクル400及びケーブル3,4を示す図である。
図2及び図6に示すように、レセプタクル400は、レセプタクル300と同様に形成されている。陰極用のレセプタクル400は、筒部20rの内部に位置し、筒部20rに取付けられている。レセプタクル400は、端子支持体としてのハウジング401と、フィラメント端子403と、グリッド端子404と、を備えている。
図2及び図6に示すように、レセプタクル400は、レセプタクル300と同様に形成されている。陰極用のレセプタクル400は、筒部20rの内部に位置し、筒部20rに取付けられている。レセプタクル400は、端子支持体としてのハウジング401と、フィラメント端子403と、グリッド端子404と、を備えている。
ハウジング401は、PBT樹脂などの熱可塑性樹脂を利用して射出成型にて形成されている。電気絶縁性を有するハウジング401の形成に利用する材料の主成分は、熱可塑性樹脂である。本実施形態において、ハウジング401は、強度や剛性を強化するためのフィラーとしてガラスファイバーを含有するPBT樹脂を利用し、射出成型にて形成されている。
ハウジング401は、筒部20r(ハウジング20)の外側に開口した桶状に形成されている。ハウジング401は、ほぼ軸対称なコップ形状であると言うことができる。ハウジング401は、底部401aと、底部401aから突出して設けられた筒部401bと、を有している。底部401aと筒部401bとで囲まれた空間にプラグが差込まれるため、ハウジング401のプラグ差込口がハウジング20の外側に開口していると言うことができる。
ハウジング401は、ハウジング401の底部401aに形成された複数の貫通孔を有している。筒部401bの開口側の端部において、筒部401bの外面には、環状の突出部が形成されている。
フィラメント端子403は、ハウジング401と一体射出成型により、貫通孔401haに挿通された状態でハウジング401の底部401aに取付けられている。ここで、フィラメント端子403にはケーブル3の電線が接続されている。フィラメント37は、ケーブル3の電線等を介してフィラメント端子403に接続されている。フィラメント37には、フィラメント端子403及び電線等を介して電圧及び電流が与えられる。
なお、フィラメント端子403と貫通孔401haとのセットはレセプタクル400に2個存在するが、2個のセットは同様に形成され、互いに間隔を置いて底部401aに設けられている。
なお、フィラメント端子403と貫通孔401haとのセットはレセプタクル400に2個存在するが、2個のセットは同様に形成され、互いに間隔を置いて底部401aに設けられている。
グリッド端子404は、ハウジング401と一体射出成型により、貫通孔401hbに挿通された状態でハウジング401の底部401aに取付けられている。ここで、グリッド端子404にはケーブル4の電線が接続されている。グリッド38は、ケーブル4の電線等を介してグリッド端子404に接続されている。グリッド38には、グリッド端子404及び電線等を介して電圧が与えられる。
なお、貫通孔401hbは、各貫通孔401haに間隔を置いて位置している。グリッド端子404も、各フィラメント端子403に間隔を置いて位置している。
なお、貫通孔401hbは、各貫通孔401haに間隔を置いて位置している。グリッド端子404も、各フィラメント端子403に間隔を置いて位置している。
さらに、本実施形態において、ハウジング401は、筒部401cをさらに有している。筒部401cは、底部401aに対して筒部401bの反対側に位置し、底部401aから突出して設けられている。筒部401cは、フィラメント端子403及びグリッド端子404を取囲んでいる。
筒部20rの段差部には、雌ねじの加工がなされている。リングナット410は、側面に雄ねじの加工がなされている。リングナット410は、筒部20rの段差部に締め付けられ、ハウジング401及びゴム部材2gを押圧している。ゴム部材2gはOリングで形成されている。ゴム部材2gは、筒部20rとレセプタクル400との間に設けられ、ハウジング20外部への絶縁油7の漏れを防止する機能を有している。
レセプタクル400及びレセプタクル400に挿入される上記プラグ430は、非面圧式であり、着脱可能に形成されている。プラグ430をレセプタクル400に連結した状態で、プラグ430からフィラメント端子403及びグリッド端子404に高電圧(例えば、−70乃至−80kV)が与えられる。さらに、プラグ430からフィラメント端子403にフィラメント電流が与えられ、プラグ430からグリッド端子404にバイアス電圧が与えられる。
図2及び図6に示しように、X線管装置10は、X線遮蔽部材60をさらに備えている。X線遮蔽部材60は、X線管30とレセプタクル400の底部401aとの間に配置され、X線管30から底部401aに直接向かうX線(一次X線)を遮蔽する。より詳しくは、X線遮蔽部材60は、ターゲット層35aに形成される焦点Fと、底部401aのうちフィラメント端子403とグリッド端子404との間の領域と、の間に配置され、焦点Fから上記領域に直接向かうX線(一次X線)を遮蔽する。なお、X線遮蔽部材60は、底部401aに向かう散乱X線(二次X線)も遮蔽するように形成されている方が望ましい。
本実施形態において、X線遮蔽部材60は、筒部401c、底部401a及び筒部401bを取り囲むように環状に形成され、底部401aに向かう一次X線及び二次X線の両方を遮蔽することができる。なお、ケーブル3,4を通すため、X線遮蔽部材60には貫通孔60hが形成されている。
X線遮蔽部材60は、電気絶縁性を有している。X線遮蔽部材60は、熱可塑性樹脂にX線不透過材が分散された複合材料を利用して射出成型にて形成されている。本実施形態において、X線遮蔽部材60のための上記熱可塑性樹脂はポリエステルであり、X線不透過材として酸化ビスマスが50重量%分散されている。X線遮蔽部材60の肉厚は3mmである。
X線遮蔽部材60は、レセプタクル400に固定されている。固定する手法としては、接着、ねじ締結など、従来から知られている各種の手法を採用することができる。本実施形態において、X線遮蔽部材60は、図示しない接着剤によりハウジング401に接着され固定されている。
上記のように本実施形態に係るX線管装置が形成されている。
上記のように本実施形態に係るX線管装置が形成されている。
通常、X線管30の内部のグリッド38と陽極ターゲット35との間で放電が発生した場合、グリッド38とフィラメント37との間には高圧電源電圧の約30%に近い電位差(約20kV程度と推定される)が生じる。そして、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404とは直接この誘起電圧に晒される。但し、本実施形態において、上述したように、X線遮蔽部材60は、X線管30とレセプタクル400との間の適切な位置に配設されている。そのため、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間の領域に、焦点Fから直にX線(一次X線)が照射されることはない。レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間の絶縁破壊電圧は、X線が照射されない場合には35乃至49kVの範囲内となる。その結果、レセプタクル400の絶縁破壊を完全に防止することができる。
次に、上記X線管装置10を用いてX線を放出する場合について説明する。
まず、ステータコイル9に所定の電力を印加することでロータ14が回転し、陽極ターゲット35が回転する。高電圧電源112は、陽極ターゲット35に正の高電圧を供給し、フィラメント37にフィラメント電圧を供給し、グリッド38にグリッド電圧を供給する。バイアス電源121は、グリッド38にバイアス電圧を供給する。
まず、ステータコイル9に所定の電力を印加することでロータ14が回転し、陽極ターゲット35が回転する。高電圧電源112は、陽極ターゲット35に正の高電圧を供給し、フィラメント37にフィラメント電圧を供給し、グリッド38にグリッド電圧を供給する。バイアス電源121は、グリッド38にバイアス電圧を供給する。
これにより、陰極36と及び陽極ターゲット35との間にX線管電圧(以下、管電圧と称する)が加えられる。より詳しくは、フィラメント電流により、フィラメント37からターゲット層35aの焦点Fに流れるX線管電流(以下、管電流と称する)の値が制御され、グリッド38に印加されるバイアス電圧により、管電流のON/OFFが制御される。
このため、フィラメント37から放出された電子は、加速され、陽極ターゲット35のターゲット層35aに衝突する。陽極ターゲット35は電子と衝突するときにX線を放出し、放出されたX線は、X線透過窓20wなどを透過してハウジング20の外部に放出される。
上記のように、X線管装置10はX線を放出することができる。
上記のように、X線管装置10はX線を放出することができる。
上記のように構成された第1の実施形態に係るX線管装置10によれば、X線管装置10は、X線管30と、ハウジング20と、絶縁油7と、フィラメント端子403及びグリッド端子404を有したレセプタクル400と、X線管30とレセプタクル400との間に配設されたX線遮蔽部材60とを備えている。
X線管30内のグリッド38と陽極ターゲット35との間で放電が生じた場合でも、X線遮蔽部材60を付加したことにより、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間の絶縁破壊電圧は十分高い値に保たれるので、X線管装置10としての機能を損なうことは全く起こらない。ここで、本願発明者らが上述したX線管装置10を用いて調査したところ、レセプタクル400が絶縁破壊することは皆無であった。上記のように、X線管装置10は、X線遮蔽部材60を利用して回復不可能なレセプタクル400の絶縁破壊を防止することができる。
上記したことから、信頼性の高いX線管装置10を得ることができる。そして、安価なX線管装置10を得ることができる。
上記したことから、信頼性の高いX線管装置10を得ることができる。そして、安価なX線管装置10を得ることができる。
ここで、比較例のX線管装置について説明する。
比較例のX線管装置は、上記X線遮蔽部材60無しに形成されている以外、上記第1の実施形態に係るX線管装置10と同様に形成されている。比較例のX線管装置では、上記X線遮蔽部材60がX線管30とレセプタクル400との間に配置されていないため、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間に、焦点FからX線(一次X線)が照射される。本願発明者らの実験によれば、焦点FからのX線がレセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間に照射された場合、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間の絶縁破壊電圧は、15乃至30kVの範囲内に低下してしまう。この結果は、上記比較例のX線管装置では、放電の発生に伴ってレセプタクル400の絶縁破壊が発生してしまう可能性があることを示しており、実際に不具合が発生する実験結果が得られたものである。
比較例のX線管装置は、上記X線遮蔽部材60無しに形成されている以外、上記第1の実施形態に係るX線管装置10と同様に形成されている。比較例のX線管装置では、上記X線遮蔽部材60がX線管30とレセプタクル400との間に配置されていないため、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間に、焦点FからX線(一次X線)が照射される。本願発明者らの実験によれば、焦点FからのX線がレセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間に照射された場合、レセプタクル400のフィラメント端子403とグリッド端子404との間の絶縁破壊電圧は、15乃至30kVの範囲内に低下してしまう。この結果は、上記比較例のX線管装置では、放電の発生に伴ってレセプタクル400の絶縁破壊が発生してしまう可能性があることを示しており、実際に不具合が発生する実験結果が得られたものである。
次に、第2の実施形態に係るX線管装置10について説明する。本実施形態に係るX線管装置10は、X線遮蔽部材60、X線遮蔽部530、モールド部材405及び電気絶縁部材70以外、上記第1の実施形態に係るX線管装置10と同様に形成されている。
図7に示すように、X線管装置10は、X線遮蔽部材60無しに形成されている。本実施形態において、X線遮蔽部530はX線遮蔽部材として機能している。X線遮蔽部530は、ハウジング20の内部に突出して形成され、X線管30と底部401aとの間に配置され、X線管30から底部401aに直接向かうX線(一次X線)を遮蔽する。より詳しくは、X線遮蔽部530は、厚みが1mmの鉛板から形成され、焦点Fと、底部401aのうちフィラメント端子403とグリッド端子404との間の領域と、の間に配置され、焦点Fから上記領域に直接向かうX線(一次X線)を遮蔽する。なお、X線遮蔽部530は、底部401aに向かう散乱X線(二次X線)も遮蔽するように形成されている方が望ましい。
本実施形態において、X線遮蔽部530は、ハウジング401全体を取り囲むように筒状に形成され、底部401aに向かう一次X線及び二次X線の両方を遮蔽することができる。X線遮蔽部530は、ハウジング20(筒部20r)及びレセプタクル400(ハウジング401)の少なくとも一方に取り付けられ、固定されている。
モールド部材405は、エポキシ樹脂を利用して形成されている。モールド部材405は、フィラメント端子403とケーブル3との接続部や、グリッド端子404とケーブル4との接続部を埋め尽くしている。すなわち、モールド部材405は、上記接続部を覆い、上記接続部に密着している。このため、上記接続部と、周辺の導電部との間における電気絶縁性の向上を図ることができる。
電気絶縁部材70は、電気絶縁性を有する材料として例えばPBT樹脂を利用して形成されている。電気絶縁部材70は、X線遮蔽部530の端部を取り囲み、環状に形成されている。X線遮蔽部530がX線管30の導電部(例えば、高電圧供給端子54)に近づく場合であっても、電気絶縁部材70を設けることにより、X線管30とX線遮蔽部530との間の電圧耐久性の向上を図ることができる。なお、ケーブル3,4を通すため、電気絶縁部材70には貫通孔が形成されている。
電気絶縁部材70は、レセプタクル400に固定されている。固定する手法としては、接着、ねじ締結など、従来から知られている各種の手法を採用することができる。本実施形態において、電気絶縁部材70は、図示しない接着剤によりハウジング401に接着され固定されている。
電気絶縁部材70は、レセプタクル400に固定されている。固定する手法としては、接着、ねじ締結など、従来から知られている各種の手法を採用することができる。本実施形態において、電気絶縁部材70は、図示しない接着剤によりハウジング401に接着され固定されている。
上記のように構成された第2の実施形態に係るX線管装置10によれば、X線管装置10は、X線管30と、ハウジング20と、絶縁油7と、フィラメント端子403及びグリッド端子404を有したレセプタクル400と、X線管30とレセプタクル400との間に配設されたX線遮蔽部材としてのX線遮蔽部530とを備えている。このため、本実施形態は、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第3の実施形態に係るX線管装置10について説明する。本実施形態に係るX線管装置10は、電気絶縁部材70及びモールド部材80以外、上記第2の実施形態に係るX線管装置10と同様に形成されている。
図8に示すように、X線管装置10は、電気絶縁部材70無しに形成されている。本実施形態において、X線遮蔽部530はX線遮蔽部材として機能している。
図8に示すように、X線管装置10は、電気絶縁部材70無しに形成されている。本実施形態において、X線遮蔽部530はX線遮蔽部材として機能している。
モールド部材80は、エポキシ樹脂を利用して形成されている。モールド部材80は、高電圧供給端子54とケーブル3との接続部や、高電圧供給端子54とケーブル4との接続部を埋め尽くしている。すなわち、モールド部材80は、上記接続部を覆い、上記接続部に密着している。このため、上記接続部と、周辺の導電部との間における電気絶縁性の向上を図ることができる。
上記のように構成された第3の実施形態に係るX線管装置10によれば、X線管装置10は、X線管30と、ハウジング20と、絶縁油7と、フィラメント端子403及びグリッド端子404を有したレセプタクル400と、X線管30とレセプタクル400との間に配設されたX線遮蔽部材としてのX線遮蔽部530とを備えている。このため、本実施形態は、上記第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、陰極36の構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、図9に示すように、陰極36は、絶縁部材39及びグリッド40をさらに有している。グリッド40は、絶縁部材39を介してグリッド38に取付けられている。グリッド40は、環状に形成されている。この場合、グリッド40は、フィラメント37から陽極ターゲット35に向かう電子の軌道を取り囲んで設けられているため、グリッド40が制御電極として機能してもよい。
また、上述した実施形態では、レセプタクル300のハウジング301の材料の樹脂成分はPBT樹脂であるが、その他の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することができる。さらに又、樹脂に添加されるフィラーとして、ガラスファイバー以外に、セラミックファイバー、鉱物系フィラーなどを使用することができる。
上記フィラメント37としては、フィラメントコイル、平板フィラメントなど、各種のフィラメントを利用することが可能である。
X線管装置は、陽極ターゲット35及び陰極36にそれぞれ高電圧を印加する中性点接地型に限定されるものではなく、陽極接地型を採っていてもよい。
この発明の実施形態は、上述したX線管装置10に限らず、各種の回転陽極型のX線管装置及び各種の固定陽極型のX線管装置に適用することができる。
X線管装置は、陽極ターゲット35及び陰極36にそれぞれ高電圧を印加する中性点接地型に限定されるものではなく、陽極接地型を採っていてもよい。
この発明の実施形態は、上述したX線管装置10に限らず、各種の回転陽極型のX線管装置及び各種の固定陽極型のX線管装置に適用することができる。
3,4,5…ケーブル、7…絶縁油、9…ステータコイル、10…X線管装置、20…ハウジング、30…X線管、31…真空外囲器、35…陽極ターゲット、35a…ターゲット層、36…陰極、37…フィラメント、38…グリッド、39…絶縁部材、40…グリッド、44…高電圧供給端子、54…高電圧供給端子、60…X線遮蔽部材、70…電気絶縁部材、80…モールド部材、400…レセプタクル、401…ハウジング、401a…底部、401b…筒部、401ha…貫通孔、401hb…貫通孔、401c…筒部、403…フィラメント端子、404…グリッド端子、405…モールド部材、430…プラグ、450…陰極コネクタ、530…X線遮蔽部、F…焦点。
Claims (9)
- 電子が衝突することによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに衝突する電子を放出するフィラメント及び前記フィラメントから前記陽極ターゲットに向かう電子の軌道を取り囲んで設けられた制御電極を有した陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容した真空外囲器と、を含んだX線管と、
前記X線管を収容したハウジングと、
前記ハウジングと前記X線管との間の空間に充填された絶縁油と、
底部を有する電気絶縁性の端子支持体と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメントにフィラメント電圧を供給するフィラメント端子と、前記底部を貫通し前記底部に取り付けられ前記フィラメント端子に間隔を置いて位置し前記制御電極に制御電圧を供給する制御端子と、を有し、前記ハウジングに取付けられたレセプタクルと、
前記X線管と前記底部との間に配置され、前記X線管から前記底部に向かう前記X線を遮蔽するX線遮蔽部材と、を備えるX線管装置。 - 前記端子支持体は、熱可塑性樹脂を利用して形成されている請求項1に記載のX線管装置。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂である請求項2に記載のX線管装置。
- 前記X線遮蔽部材は、前記陽極ターゲットに形成される焦点と、前記底部の前記フィラメント端子と前記制御端子との間の領域と、の間に配置されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のX線管装置。
- 前記X線遮蔽部材は、電気絶縁性を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載のX線管装置。
- 前記X線遮蔽部材は、熱可塑性樹脂にX線不透過材が分散された複合材料である請求項5に記載のX線管装置。
- 前記X線不透過材は、酸化ビスマスである請求項6に記載のX線管装置。
- 前記X線遮蔽部材は、前記レセプタクルに固定されている請求項1乃至7の何れか1項に記載のX線管装置。
- 前記X線遮蔽部材は、前記ハウジングに固定されている請求項1乃至7の何れか1項に記載のX線管装置。
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|---|---|---|---|---|
| CN111601446A (zh) * | 2020-06-10 | 2020-08-28 | 北京纳米维景科技有限公司 | 连接装置及相应的x射线源 |
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2015
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