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JP2017068006A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用二成分現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用二成分現像剤 Download PDF

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JP2017068006A JP2015193031A JP2015193031A JP2017068006A JP 2017068006 A JP2017068006 A JP 2017068006A JP 2015193031 A JP2015193031 A JP 2015193031A JP 2015193031 A JP2015193031 A JP 2015193031A JP 2017068006 A JP2017068006 A JP 2017068006A
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Daiji Kadome
大司 門目
内野 哲
Satoru Uchino
哲 内野
慎也 小原
Shinya Obara
慎也 小原
規之 金原
Noriyuki Kanehara
規之 金原
育子 櫻田
Ikuko Sakurada
育子 櫻田
拓也 高橋
Takuya Takahashi
拓也 高橋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】本発明の課題は、結晶性樹脂と非晶性樹脂を含有したトナー母体粒子と外添剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、低温定着性と耐熱保管性の両立が可能でありながら、印刷環境やカバレッジの異なる条件においても、帯電量安定性の高いトナーを提供することである。
【解決手段】本発明の静電荷像現像用トナーは、着色剤並びに結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤は少なくとも1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用二成分現像剤に関する。
電子写真プロセスにおいて画像を出力するデジタル印刷では、印刷速度の高速化に伴い、トナー画像の定着時における低温定着性の向上が求められている。近年では、トナーの低温定着性を向上する手段として、結晶性樹脂を用いたトナーが検討されている。また、低温定着性と耐熱保管性(耐ブロッキング性)を両立すべく、結晶性樹脂と非晶性樹脂とが含有されたトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方で、デジタル印刷では、版を起こして印刷するオフセット印刷に比べて、少量多品種の印刷が可能であるメリットが大きく、フォトブックのような高画質を求められる高印字率(高カバレッジ)の出力物から、ダイレクトメールの宛名などの低印字率(低カバレッジ)の出力物までを連続的に印刷できることが求められている。
高カバレッジ条件下では、トナーの消費量が多いため、キャリアと接触するトナーが多くなり、外添剤がキャリア表面へ移行してしまうため、トナーの帯電量が変動しやすい。また、低カバレッジ条件下では、トナーの入れ替えが少ないために、トナーにかかるストレスが大きくなり、この結果、外添剤が埋没してしまい、トナーの帯電量が低下し、さらにはそれに伴う出力画像の画質低下が生じてしまう。
さらに、デジタル印刷では、高温高湿(HH)環境や低温低湿(LL)環境などの使用環境においても、トナーの帯電量の安定性が高く、安定的に画像を出力することが求められる。
このように、印刷環境やカバレッジの異なるユーザーの様々な使用条件において、トナーの帯電量が安定的であることが求められており、それらを解決する手段が検討されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2011−197659号公報 特開2013−235046号公報
しかしながら、低温定着性と耐熱保管性を両立する手段として、結晶性樹脂と非晶性樹脂を結着樹脂として用いた場合、結晶性樹脂には低抵抗な性質があるため、トナー母体粒子に添加した場合には、帯電量の保持が問題となる。特に、高カバレッジ時において外添剤がキャリア表面に移行した場合の帯電量低下と高温高湿(HH)環境下における帯電量低下が問題となる。このように、電子写真プロセスで結晶性樹脂を含有したトナーを用いて、使用条件によらず安定的に高画質で画像出力するためには、トナーの帯電量の安定性を向上させる必要がある。
そこで本発明は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有したトナー母体粒子と、外添剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、低温定着性と耐熱保管性の両立が可能でありながら、印刷環境やカバレッジの異なる条件においても、帯電量安定性の高いトナーを提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂並びに着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーにおいて、外添剤として、所定の個数平均長径、平均アスペクト比、および、体積抵抗率を有する無機微粒子を用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.着色剤並びに結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーであって、
前記外添剤は、少なくとも1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を含むことを特徴とする、静電荷像現像用トナー。
2.前記無機微粒子が、アルキル基を有するアルコキシシランカップリング剤により表面修飾されたルチル型酸化チタンであることを特徴とする、第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記無機微粒子と、個数平均1次粒子径が60〜150nmの範囲内のシリカ粒子と、を含有することを特徴とする、第1項または第2項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステルであることを特徴とする、第1項〜第3項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
5.第1項〜第4項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含むことを特徴とする、静電荷像現像用二成分現像剤。
本発明によれば、低温定着性と耐熱保管性の両立が可能でありながら、印刷環境やカバレッジの異なる条件においても、帯電量安定性の高いトナーが提供され、安定的に画像を出力することができる。
本発明に係る無機微粒子の1次粒子における個数平均長径および個数平均短径の定義を示す図である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明の一実施形態は、着色剤並びに結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤は少なくとも1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子(以下、「本発明に係る無機微粒子」という場合がある。)を含むことを特徴とする、静電荷現像用トナーである。
この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
上述のように、低温定着性と耐熱保管性を両立するトナーの開発にあたり、結着樹脂としてシャープメルト性に優れる結晶性樹脂と、非晶性樹脂とを用いることが検討されている。
しかしながら、結晶性樹脂には低抵抗な性質があるため、トナー母体粒子に添加した場合には、帯電量の保持が問題となる。特に、高カバレッジ時において外添剤がキャリア表面に移行した場合の帯電量低下と高温高湿(HH)環境下における帯電量低下が問題である。トナーの帯電量低下は、画像濃度の低下やカブリなどの画像不良を引き起こす。
本発明では、トナー帯電量の環境安定性およびカバレッジ安定性を、所定の個数平均長径、平均アスペクト比、および、体積抵抗率を有する無機微粒子を外添することで向上させる。この際、1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内である無機微粒子を用いることによって、トナー母体表面における無機微粒子の埋没および脱離を抑制する。
さらに、本発明においては、前記無機微粒子の平均アスペクト比が3〜10の範囲内の範囲である。平均アスペクト比が上記の範囲であることによって、無機微粒子とトナー母体粒子との接触面積が大きくなる。そのため、母体粒子表面での無機微粒子の移動が起こりにくくなる。これにより、トナーが現像機内で撹拌され続けるような強いストレスを受けた場合であっても、トナー母体粒子が無機微粒子による均一な被覆状態を維持することができ、トナーの帯電量のカバレッジ安定性を保つことができる。
このように、本発明に係る無機微粒子の1次粒子における個数平均長径と平均アスペクト比を所定の範囲にすることで、粒子の埋没や脱離を抑制することができ、トナーの帯電量を保持することができる。
更なる本発明に係る無機微粒子の特徴としては、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である。無機微粒子として用いられる酸化チタンは、低抵抗の性質を利用して、低温低湿(LL)環境下における過剰帯電を抑制できるのだが、結晶性樹脂を含有したトナー母体粒子を用いる場合においては、かえってトナー全体の抵抗を下げてしまうと考えられる。そこで、体積抵抗率を上記の範囲、すなわち、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上であるシリカよりも低い体積抵抗率であって、従来の酸化チタンよりも高い体積抵抗率に設計することで、LL環境下における過剰帯電を抑制できるだけではなく、HH環境下における帯電保持も可能となり、帯電量の環境差異を低減できる。
また、従来の酸化チタンにおいては、高カバレッジ時に、当該酸化チタンがトナーから外れてキャリア表面へ移行した場合、電荷を保持できず、帯電量を保持することができなかったが、本発明に係る無機微粒子においては、トナーから外れてキャリア表面へ移行した際にも帯電量の低下を抑制することができる。
以上のことから、本発明のトナーは、低温定着性と耐熱保管性の両立が可能であり、印刷環境やカバレッジの異なる条件、特に、HH環境下や高カバレッジ時において、トナーの帯電量の安定性を向上することができ、ひいては、安定的に画像を出力することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみに限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[トナー母体粒子]
本発明に係るトナー母体粒子は、着色剤並びに結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有する。
本発明に係るトナー母体粒子は、外添剤が添加されたものをトナー粒子として使用される。
なお、本発明において、「静電荷像現像用トナー」(以下、単に「トナー」ともいう。)とは、この「トナー粒子」の集合体のことをいう。
[結着樹脂]
本発明に係るトナー母体粒子を構成する結着樹脂は、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む。
〈結晶性樹脂〉
本発明における結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂を指し示す。明確な吸熱ピークとは、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、例えば昇温速度10℃/minで測定した際、吸熱ピークの半値幅が15℃以内となるピークを示すものを意味する。当該結晶性樹脂の例には、結晶性ポリエステル樹脂および結晶系ビニル系樹脂などが挙げられる。なお、本発明に係る結晶性樹脂は、特に限定されないが、低温定着性実現や帯電性、後述の好ましい範囲での融点調整の観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく、脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、特に制限されるものではなく、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂を幅広く適用することができる。ここで、結晶性ポリエステル樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、実施例に記載の示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
結晶性ポリエステル樹脂は、上記定義したとおりであれば特に限定されず、例えば、結晶性ポリエステル樹脂による主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂が上記のように明確な吸熱ピークを示すものであれば、本発明でいう結晶性ポリエステル樹脂に該当する。
結晶性ポリエステル樹脂のゲル浸透クロマトグラフ分析装置(GPC)による重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜20,000である。かような範囲であると、得られるトナー粒子が粒子全体として融点の低いものにならず耐ブロッキング性に優れ、また、低温定着性にも優れる。
結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定装置(DSC)による融点(Tm)は、50℃以上120℃未満であることが好ましく、60℃以上90℃未満であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の融点が上記の範囲にあることにより、低温定着性および定着分離性が適切に得られるため好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点は、DSCにより測定される吸熱ピーク温度とする。例えば、結晶性ポリエステル樹脂のTmは、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量測定装置を用いて得ることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行う。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析をおこない、結晶性ポリエステル樹脂の極大ピークより吸熱ピーク温度を算出し、かかる吸熱ピーク温度をTmとすることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価(酸価AV)は5〜45mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは5〜30mgKOH/gである。酸価が45mgKOH/g以下であれば、結晶性ポリエステル樹脂自体の吸湿性を抑えることができ、高湿度下での水分吸着による帯電低下を抑制できる観点から好ましい。また、5mgKOH/g以上であれば、樹脂微粒子の分散安定性を保持することができ、トナー製造が行い易い点で好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸および多価アルコールから生成される。多価カルボン酸および多価アルコールの価数としては、好ましくはそれぞれ2〜3であり、特に好ましくはそれぞれ2(すなわち、ジカルボン酸、ジオール)である。
多価カルボン酸は、一種でもそれ以上でもよい。当該多価カルボン酸の例には、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、二重結合を有するジカルボン酸、3価以上のカルボン酸、これらの酸無水物、および、これらの低級アルキルエステル、などが挙げられる。上記二重結合を有するジカルボン酸は、二重結合を介してラジカル的に架橋結合するため、トナー粒子における定着時のホットオフセットを防ぐ観点から好適である。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸は、一種類のものに限定されるものではなく、二種類以上を混合して用いてもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、主鎖を構成する炭素原子の数が2〜22である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸を用いることがより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられ、また、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。
上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、入手容易性の観点から、炭素原子の数が6〜14である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましく、アジピン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)であることがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性および乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
二重結合を有するジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸および3−オクテンジオイック酸などが挙げられる。中でも、コストの観点から、フマル酸またはマレイン酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、および、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸の使用量は、結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジカルボン酸全体を100構成モル%とした場合に80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上、さらに好ましくは100構成モル%である。脂肪族ジカルボン酸の使用量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を確保することができて、製造されるトナーに優れた低温定着性が得られ、最終的に形成される画像に光沢性が得られると共に融点降下による画像保存性の低下が抑制され、さらに、当該結晶性ポリエステル樹脂を含む油相液を用いて油滴を形成させるときに、確実に乳化状態を得ることができる。
多価アルコールは、一種でもそれ以上でもよい。当該多価アルコールの例には、脂肪族ジオールおよび3価以上のアルコールなどが挙げられる。中でも、脂肪族ジオールが結晶性ポリエステル樹脂を得る観点から好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを含有させてもよい。特に、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。
当該脂肪族ジオールが上記直鎖型脂肪族ジオールであると、ポリエステルの結晶性が維持され、当該ポリエステルの溶融温度の降下が抑えられる。このため、耐トナーブロッキング性、画像保存性および低温定着性に優れる二成分現像剤を得る観点から好ましい。また、上記直鎖型脂肪族ジオールの主鎖部分の炭素数が7〜20であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させるときの生成物の融点が低く抑えられ、かつ低温定着が実現される観点から好ましい。また、実用上、材料を入手しやすい。これらの観点から、当該主鎖部分の炭素数は、7〜20であることがより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールおよび1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。中でも、入手容易性の観点から、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールまたは1,10−デカンジオールが好ましい。
ジオール成分としては、分岐型の脂肪族ジオールを用いることもできるが、この場合、結晶性の確保の観点から、直鎖型の脂肪族ジオールと共に使用し、かつ、当該直鎖型の脂肪族ジオールの割合を高めにして使用することが好ましい。このように直鎖型の脂肪族ジオールの割合を高めにして使用することによって、結晶性が確保されて製造されるトナーに優れた低温定着性が確実に得られ、最終的に形成される画像において融点降下による画像保存性の低下が抑制され、さらには耐ブロッキング性が確実に得られる。
ジオール成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するためのジオール成分としては、ジオール成分を100構成モル%とした場合に脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上であり、さらに好ましくは100構成モル%である。ジオール成分における脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られると共に最終的に形成される画像に光沢性が得られる。
3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、前記の構成成分の中から任意の組合せで、従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、また組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度180℃以上230℃以下で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂を合成する際のモノマー成分には、得られる樹脂の分子量を調整するための連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤は、一種でもそれ以上でもよく、本実施形態の効果を奏する範囲内において、上記の目的を達成可能な量で用いられる。当該連鎖移動剤の例には、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン;n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネートなどのメルカプトプロピオン酸;およびスチレンダイマーなどが挙げられる。
上記のジオールとジカルボン酸との使用比率は、ジオールのヒドロキシ基[OH]とジカルボン酸のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5とされることが好ましく、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。ジオールとジカルボン酸との使用比率が上記の範囲にあることにより、所望の分子量を有する結晶性ポリエステル樹脂を確実に得ることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。さらにアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(結晶性樹脂の含有量)
トナー母体粒子が含有する結晶性樹脂の含有量は、1〜30質量%であることが好ましい。トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量が1質量%以上であれば、好適に本発明の効果を発現することができる。また、トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量が、30質量%以下であれば、トナーの熱凝集(ブロッキング)の発生を回避することができる。より好ましくは、トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量は、8〜18質量%である。
好ましくは、トナーに含まれる結着樹脂と着色剤との総質量(固形分換算)に対する結晶性樹脂の質量(固形分換算)が1〜30質量%であり、より好ましくは8〜18質量%であり、この際、結着樹脂および着色剤の質量はトナー母体粒子の調製の際に反応系内に投入した材料の質量より求めることができる。
〈非晶性樹脂〉
結着樹脂として含有される非晶性樹脂の例には、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、および、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。スチレン−(メタ)アクリル樹脂の優れる点は、帯電制御が容易なことである。また、結着樹脂としてスチレン−(メタ)アクリル樹脂を含む構成とすることで熱定着時の可塑性が向上しうる。
スチレンアクリル樹脂は、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。前記スチレン単量体は、CH2=CH−C65の構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH2=CHCOOR(Rはアルキル基である)で表されるアクリル酸エステル化合物やメタクリル酸エステル化合物の他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステル化合物を含むものである。以下に、スチレン−(メタ)アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例を示すが、本発明で使用されるスチレン−(メタ)アクリル樹脂の形成に使用可能なものは以下に示すものに限定されるものではない。
スチレン単量体およびその誘導体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンおよび3,4−ジクロロスチレンなどが挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体およびその誘導体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。これらスチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
また、他の単量体が重合されていてもよく、その例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
スチレンアクリル樹脂中のスチレン単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレンアクリル樹脂の全量に対し、40〜89.5質量%であると好ましい。また、スチレンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレンアクリル樹脂の全量に対し、10〜59.5質量%であると好ましい。このような範囲とすることにより、非晶性樹脂の可塑性を制御することが容易となる。
スチレンアクリル樹脂中の上記他の単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレンアクリル樹脂の全量に対し、0.5〜30質量%であると好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂の製造方法は、特に制限されず、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用して単量体を重合する方法が挙げられる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系またはジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。
アゾ系またはジアゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂のうち、上記結晶性ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂(上記した明確な吸熱ピークを有さないもの)をいう。つまり、通常は融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有するものである。より具体的には、ガラス転移温度(Tg)は、40〜90℃であることが好ましく、特に45〜80℃であることが好ましい。非晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸とを縮合してなる。
上記多価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができ、また、3価以上の多価アルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。さらに、製造コストや環境性から、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルアルコールなどを用いてもよい。また、非晶性ポリエステル樹脂を形成しうる多価アルコールとしては、2−ブチン−1,4−ジオール、3−ブチン−1,4−ジオール、9−オクタデゼン−7,12−ジオールなどの不飽和多価アルコールなども用いることができる。
上記多価アルコールと縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸(1,10−ドデカン二酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;及びこれらの酸の低級アルキルエステル、酸無水物などが挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ならびにこれらの酸無水物、酸塩化物および炭素数1〜3の低級アルキルエステルなどが挙げられるが、トリメリット酸またはその無水物が特に好適である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂から構成されるポリエステルセグメントとスチレン−アクリル系重合体から構成されるスチレン−アクリル系重合体セグメントとが、両反応性モノマーを介して結合した樹脂である。スチレン−アクリル系重合体セグメントとは、芳香族ビニル系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合して得られる重合体部分をいう。
(非晶性樹脂の含有量)
非晶性樹脂の含有量は、結着樹脂の全量に対して、70質量%以上であることが好ましく、この範囲であれば十分に帯電性改善の効果を発現することができる。当該スチレンアクリル樹脂の含有量の上限値は特に制限されないが、例えば、99質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
<その他の成分>
トナー母体粒子中には、上記結着樹脂の他、着色剤が含有され、更に必要に応じて、離型剤、荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。ここで、内添剤とは、トナー母体粒子内部に含有される形態で存在する成分である。
<離型剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、離型剤を添加することができる。離型剤としては、ワックスが好ましく用いられる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ワックスの融点は、トナーの低温定着性及び離型性を確実に得る観点から、その融点が50〜95℃であることが好ましい。ワックスの含有割合は、結着樹脂全量に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜18質量%、更に好ましくは4〜15質量%である。
また、トナー粒子中におけるワックスの存在状態として、ドメインを形成することが離形性効果を発揮する上で好ましい。結着樹脂中にドメインを形成することで、それぞれの機能を発揮しやすくなる。
ワックスのドメイン径としては100nm〜1μmが好ましい。この範囲であれば、十分に離形性の効果が得られる。
<着色剤>
本発明において、トナー母体粒子は、着色剤を含有している。着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。例えば、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは二つ以上を選択して併用することも可能である。
着色剤の添加量はトナー母体粒子に対して、例えば1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲である。このような範囲であると充分な画像濃度を得ることができ、帯電安定性にも優れる。
<荷電制御剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。かような範囲であると、トナー補給後の帯電立ち上がりが確保できる点で好ましい。
荷電制御剤粒子の大きさとしては、例えば、数平均1次粒子径で10〜1000nmであり、好ましくは50〜500nmであり、さらには80〜300nmであることが特に好ましい。
[外添剤]
外添剤は、トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、トナー母体粒子の表面に添加される。本発明の静電荷像現像用トナーは、外添剤として、少なくとも1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を含む。
<無機微粒子>
(本発明に係る無機微粒子の個数平均長径)
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、外添剤として1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内である無機微粒子を含む。1次粒子における個数平均長径が上記の範囲内であることにより、母体粒子表面における無機微粒子の埋没と脱離を抑制することができる。個数平均長径が50nmより短い場合は母体粒子表面に埋まってしまい、無機微粒子自体の機能を発揮しづらい。一方で、個数平均長径が100nmを超えてくるようになると、トナー母体粒子から脱離しやすくなるため好ましくない。
(本発明に係る無機微粒子の個数平均長径および個数平均短径の測定方法)
本発明に係る無機微粒子の1次粒子における個数平均長径および個数平均短径は、走査型電子顕微鏡(SEM)「JEM−7401F」(日本電子株式会社製)により倍率50,000倍にて観察した電子顕微鏡写真によって測定する。具体的には、外接する面積が最少となる長方形を算出し、その長辺と短辺の長さから、個数平均長径および個数平均短径の長さを求める。図1に示すように、無機微粒子100を長方形101とみなしたとき、個数平均長径は、長手方向の長さ102として測定し、また、個数平均短径は、短手方向の長さ103として測定する。本発明に係る無機微粒子の個数平均長径および個数平均短径は、n=100の平均値を算出することにより求められる。
(本発明に係る無機微粒子の平均アスペクト比)
本発明に係る無機微粒子の平均アスペクト比は、3〜10の範囲内である。平均アスペクト比が上記の範囲内にある無機微粒子は、平均アスペクト比が小さい酸化チタンと比較して、接触面積が大きいため、トナー母体粒子表面で移動しにくい。これにより、現像器内で撹拌され続けるような強いストレスを受けた場合であっても、トナー母体粒子が無機微粒子による均一な被覆状態を保つことができる。平均アスペクト比が3未満の無機微粒子ではトナー母体との接触面積が十分ではなく、球形に近いため埋没しやすくなる。平均アスペクト比が10を超えると、球面であるトナー母体表面との接する面積が減少してしまい、トナー母体粒子から外れやすくなってしまう。上記の観点から、無機微粒子の平均アスペクト比は3〜10の範囲内である。
(本発明に係る無機微粒子の平均アスペクト比の測定方法)
本発明に係る無機微粒子の平均アスペクト比は、上記方法で求めた個数平均長径および個数平均短径の比、すなわち、(個数平均長径)/(個数平均短径)によって求められる。
(本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率)
また本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率は1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である。無機微粒子として用いられる酸化チタンは、低抵抗の性質を利用し、LL環境下における過剰帯電を抑制できるのだが、結晶性樹脂を含有したトナー母体を使用する場合は、かえってトナー全体の抵抗を下げてしまうと考えられる。そこで、本発明においては、体積抵抗率を上記の範囲、すなわち体積抵抗率が1×1012Ω・cmを超えるシリカよりも低い体積抵抗率であって、従来の酸化チタンよりも高い体積抵抗率に設計することでLL環境下での過剰帯電を抑制できるだけでなく、HH環境下での帯電保持も可能となり帯電量の環境差低減を向上できる。結晶性樹脂を含有したトナー母体粒子と本発明に係る体積抵抗率が1×1010Ω・cmよりも低い無機微粒子を使用した場合は、トナーとキャリアの混合摩擦時に電荷発生はするものの、発生した電荷を保持できずに消失してしまうが、体積抵抗率を1×1010Ω・cm以上とすることにより、結晶性樹脂を含有したトナー母体粒子を用いた場合においても、帯電量を保持できるようになると考えられる。また、高カバレッジ時にトナーを大量に消費し、無機微粒子がキャリアに移行した場合も同様に、無機微粒子が電荷の発生と保持に対して効果的に働くため、無機微粒子がキャリアに移行したとしても、キャリアの帯電付与能を低下させる影響が少なく、トナーの帯電量の低下を抑制することができると考えられる。一方、体積抵抗率が1×1012Ω・cmより大きくなると、帯電保持の効果が大きくなるため、LL環境下では過剰帯電してしまうことがあり、さらにはトナー帯電の迅速性に対しても不利になる。上記の観点から、無機微粒子の体積抵抗率は1×1010〜1×1012Ω・cmである。このように、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を用いることにより、トナー帯電量の環境安定性やカバレッジ安定性が向上し、HH環境下や高カバレッジ条件下等の使用条件においても、安定的に画像を出力することが可能となる。
(本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率の測定方法)
本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率は、当該無機微粒子をペレットにして測定する。まず無機微粒子を温度20℃、湿度50%RHの環境下に一晩放置したのちにその環境下で無機微粒子を0.5〜1.0g計量し治具に充填して1tの圧力を20秒間加えることで厚さ2mm±0.1mmになるようにした成形ペレットを作製する。そのペレットを武田理研(株)製TR8611A型デジタル超絶縁抵抗/微少電流計により測定することにより、体積抵抗率を求められる。
(本発明に係る無機微粒子の結晶構造)
本発明に係る無機微粒子は、特に制限されるものでないが、トナーの帯電特性の向上と帯電量分布を狭くできる観点から、酸化チタンが好ましい。酸化チタンには代表的な結晶構造としてルチル型とアナターゼ型があるが、ルチル型チタンは、アナターゼ型酸化チタンに比べて体積抵抗率が高いため、帯電保持能が向上するので好ましい。またルチル型の酸化チタンは、その形状からトナー表面に分散しやすく、帯電特性の向上と、帯電量分布を狭くできる効果がより顕著になるので特に好ましい。
また、ルチル型酸化チタンはアナターゼ型酸化チタンに比べ焼成温度が高く表面のヒドロキシ基が少ない。このことから、より湿度の影響を受けにくく環境に依らず十分な抵抗値を確保することができる。したがって、ルチル型酸化チタンは、外添することでより高い帯電量の環境安定性をトナーに付与することが可能である。
(本発明に係る無機微粒子の製造方法)
本発明に係る無機微粒子として用いられる酸化チタンの製造方法について説明する。
酸化チタンは、公知の手法で製造したものを用いることができ、製造方法としては、例えば、硫酸法、高温高圧の水を溶媒に用いる水熱合成法、四塩化チタンの燃焼分解法、含水酸化チタンの化学処理、加熱法、湿式法、ゾルゲル法等を挙げることができる。
本発明に係る無機微粒子の製造方法は、イルメナイトを硫酸に溶解させて鉄分を分離し、硫酸チタニル(TiOSO4)を加水分解して酸化チタンを生成させる硫酸法をベースにしたものである。具体的には、イルメナイト鉱石を粉砕した後、硫酸と反応させ水溶性の硫酸塩に変える。TiOSO4を含むその水溶液を、静置、ろ過することにより硫酸鉄(FeSO4)などの不純物を取り除く。その後TiOSO4を加水分解することにより不溶性の白色沈殿としてチタン(II)水酸化物(Ti(OH)2)を得て、中和洗浄した後、乾燥、焼成後、粉砕することにより本発明に係る無機微粒子を得ることができる。硫酸法で得られたTi(OH)2はアナターゼ型であり、アナターゼ型のチタニアは針状に結晶成長する。また、アナターゼ型のチタニアは900℃付近でルチル型に相転移を起こす。
加水分解中の温度、pH、反応時間を変化させることで、本発明に係る無機微粒子の粒子径及び形状を、焼結温度や焼結時間を変化させることにより結晶構造を変化させることが可能である。
(本発明に係る無機微粒子の表面修飾)
本発明に係る無機微粒子の疎水化に用いる表面修飾剤は公知のものを使用しても良いが、一般式(1)[R1−Si(OR23]で表されるアルキル基を有するアルコキシシランカップリング剤が特に好ましい。一般式(1)において、R1は置換基を有してもよい炭素数が4以上16以下の直鎖アルキル基であり、R2はメチル基またはエチル基である。一般式(1)で表されるアルキル鎖長を有するアルコキシシランカップリング剤としては、CH3−(CH23−Si(OCH33、CH3−(CH23−Si(OC253、CH3−(CH25−Si(OCH33、CH3−(CH25−Si(OC253、CH3−(CH27−Si(OCH33、CH3−(CH27−Si(OC253、CH3−(CH29−Si(OCH33、CH3−(CH29−Si(OC253、CH3−(CH211−Si(OCH33、CH3−(CH211−Si(OC253、CH3−(CH213−Si(OCH33、CH3−(CH213−Si(OC253、CH3−(CH215−Si(OCH33、CH3−(CH215−Si(OC253などが挙げられる。
アルキル基を有するシランカップリング剤を無機微粒子表面に処理することで本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率を高めることができ、その結果、トナー帯電量が低下しやすい高温高湿環境下や高カバレッジ条件下等においても帯電量の低下を抑制することが可能になる。体積抵抗率を高めることができるのは、アルキル基が無機微粒子表面で絶縁層のような役割をするためと推定している。また、アルキル鎖長を有するカップリング剤により表面修飾することで無機微粒子自体の母体表面からの脱離を抑制できるという点でも好ましい。これは表面修飾剤のアルキル鎖とトナー母体の高分子差どうしの絡まりによる効果ではないかと推定している。一般式(1)中のRの炭素数は4〜16であり、より好ましくは8〜12である。炭素数が4未満であると、疎水化度が低下してしまい十分に抵抗を高めることができず、高温高湿環境下で十分な帯電量を発現しない。また、母体粒子との付着性が低下するため母体粒子からの脱離がおきやすくなってしまう。一方、炭素数が16よりも大きくなると、表面修飾剤による凝集性が強くなるため外添剤をトナー表面に分散しづらくなり凝集した外添剤粒子が脱離しやすくなるため本来の帯電性に関する機能を発現できなくなる。また、一般式(1)中のR2はメチル基、またはエチル基を示す。反応性の観点からメチル基であることがより好ましい。R2の官能基が立体構造的に大きくなると、トナー母体粒子表面に表面修飾されにくくなる。また水素の場合はヒドロキシ基となるため、水との化学的親和性が高くなり高温高湿環境下での帯電量リークの原因となってしまうため好ましくない。
熱処理後に得られたルチル型酸化チタンを疎水化処理剤に応じた適切な溶媒中に疎水化処理剤とともに添加し、撹拌して反応を進行させる。反応生成物を遠心分離して適切な溶媒にて洗浄を行った後、再度遠心分離して回収し、減圧乾燥を経て、本発明に係る疎水化無機微粒子を得ることができる。
(本発明に係る無機微粒子の添加量)
本発明に係る無機微粒子の添加量は、トナー母体粒子に対して、0.1〜1.0質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であれば、トナー母体粒子を適切に被覆し帯電量を安定的に保つ効果が十分得られ、1.0質量部以下であれば、トナー粒子からの脱離およびキャリア粒子表面への移行による帯電量の低下の影響を十分に抑えることができる。
<球形シリカ>
本発明の静電荷像現像用トナーは、外添剤として、無機微粒子のほか、個数平均1次粒子径が60〜150nmの範囲内であるシリカ粒子(以下、「球形シリカ」又は「球形シリカ粒子」ともいう。)を含むことが好ましい。一般にトナーは撹拌等のストレスを受けることで、外添剤が大粒子径になるほどトナー母体表面から脱離しやすく、小粒子径ほどトナー母体中に埋没しやすい傾向がある。従って、外添剤は、所望の粒子径で粒度分布が狭いほど外添剤埋没、外添剤脱離の比率が低くなるので好ましい。個数平均1次粒子径が上記範囲内にある球形シリカはその他の外添剤と比べ一般に大きく、二成分現像剤においてスペーサー効果を発揮する。この働きにより、二成分現像剤が現像器中で撹拌される際、その他の小さな外添剤がトナー母体粒子へ埋没することを抑制できる。球形シリカの個数平均1次粒子径が60nm以上であるとトナー表面の小粒子径外添剤の埋没を抑制する際に十分なスペーサー効果が得られ、また150nm以下であればトナー母体粒子表面より脱離することを抑制でき、この結果、球形シリカの脱離によるキャリアの帯電性の低下を抑制できる。以上の観点から、球形シリカの個数平均1次粒子径は、60〜150nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、球形シリカの個数平均1次粒子径は80〜120nmである。なお、球形シリカの個数平均1次粒子径は後述の実施例に記載される方法で求めることができる。
(球形シリカの製造方法)
本発明に係る球形シリカ粒子は、公知のシリカ粒子製造方法が利用できるが、この場合、本発明のシリカは主として加水分解、縮重合、疎水化処理の三つの工程を経て作製され、必要に応じて乾燥等その他の工程を組み合わせて実施してもよい。
本発明においては、好ましくは、ゾルゲル法によって製造された球形シリカが好ましい。ゾルゲル法によって製造されたシリカは一般的な製造方法であるヒュームドシリカに比べて粒子径が大きく、また粒度分布が狭い、即ち単分散であることが特徴である。単分散であることにより、二成分現像剤においてさらなるスペーサー効果を発揮することができる。
ゾルゲル法による本発明に係る球形シリカ粒子の作製手順としては、例えば、以下の手順が挙げられる。まず、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物を水、アルコールの存在下、触媒としてアンモニアを加え温度をかけながら滴下、撹拌を行う。このようにしてシリカゾル懸濁液を形成する。次に反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水に分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加えシリカ表面の疎水化処理を行う。又は、ゾルを乾燥し乾燥ゾルとしとした後に疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化処理を行う。
疎水化処理剤としては、一般的なシランカップリング剤やシリコーンオイルや脂肪酸、脂肪酸金属塩などを用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥することにより本発明の球形シリカ粒子を得ることができる。また、このようにして得られた球形シリカ粒子に対して再度疎水化処理を行っても構わない。
例えば、気相中で浮遊させられた粒子に対して疎水化処理剤又は疎水化処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法や疎水化処理剤と粒子を混合機により混合する混合法などで処理する工程などを追加してもよい。
疎水化処理剤として用いられるシランカップリング剤は、水溶性のものを使用することができる。このようなシランカップリング剤としては、一般式(2)[Rn−Si−X(4-n)]で示されるものが利用できる。
ここで、一般式(2)中、nは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。
一般式(2)で表される化合物としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等が挙げられる。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明に用いられる疎水化処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルの具体例としては、例えば、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。また、末端を変性したシリコーンオイルを用いてもよい。変性基の種類としては、アルコキシ、カルボキシル、カルビノール、高級脂肪酸変性、フェノール、エポキシ、メタクリル、アミノなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、例えば、アミノ又はアルコキシ変性など数種の変性基を有するシリコーンオイルであってもよい。また、ジメチルシリコーンオイルと変性ジメチルシリコーンオイル、更には他の疎水化処理剤とを混合処理若しくは併用処理しても構わない。併用する疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、各種シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物、ロジン酸等を例示することができる
ゾルゲル法で製造される球形シリカの個数平均一次粒子径は、加水分解時の原料のアルコキシシラン化合物、触媒、アルコール、水等の化合物の添加量や反応温度、撹拌速度、供給速度等の制御により所望の個数平均1次粒子径に制御することができる。
(球形シリカの添加量)
球形シリカ粒子の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.6〜2.0質量部であることが好ましい。トナー母体粒子100質量部に対して0.6質量部以上であれば、トナー母体粒子を適切に被覆しスペーサー効果が十分得られ、さらに、トナー粒子の付着性を低減でき、クリーニング性や転写性を向上させることができるので好ましい。一方、トナー母体粒子100質量部に対して2.0質量部以下であれば、トナー母体粒子から球形シリカ粒子が脱離してキャリア表面に付着することによる帯電量安定性への影響を少なくすることができる。
(その他の外添剤)
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、上記の所定の個数平均長径、平均アスペクト比、体積抵抗率を有する本発明に係る無機微粒子の他に、その他の外添剤として、公知の無機微粒子や有機微粒子、滑材などを外添してもよい。その他の外添剤は、1種でも2種以上でもよい。これにより、トナーとしての流動性やクリーニング性、帯電性等のさらなる向上が達成できる。
当該無機微粒子の例には、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子および酸化ホウ素粒子などが挙げられる。シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどが好ましいものとして挙げられる。上記無機微粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましく、当該疎水化処理には、公知の表面修飾剤が用いられる。当該表面修飾剤は、一種でもそれ以上でもよく、その襟には、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物およびロジン酸などが挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびデシルトリメトキシシランなどが挙げられる。上記シリコーンオイルとしては、環状化合物や、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどが挙げられ、より具体的には、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、および、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
上記無機微粒子の添加量は目的によって変更しても問題ないが、トナーを流動性、耐熱保管性の観点でトナー母体の表面被覆率で70〜90%が好ましい。
当該有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子が用いられうる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。
滑材は、クリーニング性や転写性を更に向上させる目的で使用されるものであって、滑材としては、例えば、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄などの塩、ステアリン酸の亜鉛、オレイン酸の亜鉛、パルミチン酸の亜鉛、リノール酸の亜鉛、リシノール酸の亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
〈トナーの製造方法〉
トナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、粒子径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点からは、乳化凝集法で製造するのが好ましい。以下、乳化凝集法によるトナーの製造方法につき具体的に説明するが、これらに何ら制限されるものではない。
(乳化凝集法)
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて、着色剤などの分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集(会合)させ、その後または凝集(会合)と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー母体粒子を形成する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
トナー母体粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子を内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を、樹脂微粒子を凝集(会合)させる際に、共に凝集(会合)させてもよい。
また、乳化凝集法によってコア−シェル構造を有するトナー母体粒子を得ることもでき、具体的にコア−シェル構造を有するトナー母体粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と、必要に応じて着色剤微粒子とを凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加して、コア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
乳化凝集法によりトナーを製造する場合、好ましい実施形態によるトナーの製造方法は、結着樹脂微粒子分散液および結晶性樹脂微粒子分散液、ならびに着色剤分散液を調製する工程(以下、調製工程とも称する)(a)と、結着樹脂微粒子分散液、結晶性樹脂微粒子分散液および着色剤分散液を混合して凝集・融着させる工程(以下、凝集・融着工程とも称する)(b)と、トナーの形状係数(円形度)を制御するための形状係数(円形度)の制御工程(c)と、トナー母体粒子の分散系からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程(d)と、トナー母体粒子を乾燥する乾燥工程(e)と、トナー母体粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程(f)と、を含む。以下、各工程について詳述する。
(a)調製工程
工程(a)は、より詳細には下記の結着樹脂微粒子分散液調製工程、結晶性樹脂微粒子分散液調製工程および必要に応じて着色剤分散液調製工程がある。
また、必要に応じて、離型剤分散液調製工程などを含む。なお、結着樹脂微粒子分散液調製工程または結晶性樹脂微粒子分散液調製工程において、結着樹脂微粒子または結晶性樹脂微粒子などの樹脂微粒子に離型剤を含有させてもよく、離型剤を含む離型剤微粒子分散液を別に調製して、凝集・融着工程において添加してもよい。
(a1)結着樹脂微粒子分散液調製工程
非晶性樹脂を含む結着樹脂微粒子分散液調製工程は、非晶性樹脂を合成し、この非晶性樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散させて非晶性樹脂微粒子の分散液を調製する工程である。
非晶性樹脂(スチレン―(メタ)アクリル系樹脂、非晶性ポリエステル樹脂など)の製造方法は上記記載したとおりであるため、詳細を割愛する。
非晶性樹脂を水系媒体中に分散させる方法としては、非晶性樹脂を得るための単量体から非晶性樹脂微粒子を形成し、当該非晶性樹脂微粒子の水系分散液を調製する方法(I)や、非晶性樹脂を有機溶媒(溶剤)中に溶解または分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒子径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒(溶剤)を除去する方法(II)が挙げられる。
方法(I)では、まず、非晶性樹脂を得るための単量体を重合開始剤と共に水系媒体中に添加して重合し、基礎粒子を得る。次に、当該樹脂微粒子が分散している分散液中に、ラジカル重合性単量体および重合開始剤を添加し、上記基礎粒子にラジカル重合性単量体をシード重合する手法を用いることが好ましい。
このとき、重合開始剤としては、水溶性重合開始剤を用いることができる。水溶性重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性ラジカル重合開始剤を好適に用いることができる。
また、非晶性樹脂微粒子を得るためのシード重合反応系には、非晶性樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン;n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネートなどのメルカプトプロピオン酸;およびスチレンダイマーなどを用いることができる。これらは一種単独であるいは二種以上組み合わせて用いることができる。
方法(II)において、上記油相液の調製に使用される有機溶媒(溶剤)としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは一種単独であるいは二種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶媒(溶剤)の使用量(二種類以上使用する場合はその合計使用量)は、非晶性樹脂100質量部に対して、通常10〜500質量部、好ましくは100〜450質量部、さらに好ましくは200〜400質量部である。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒子径に乳化分散させることができる。
また、上記と同様に、水系媒体中には、分散安定剤が溶解されていてもよく、また油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。
このような油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザーなどが挙げられる。
油滴の形成後における有機溶媒の除去は、非晶性樹脂微粒子が水系媒体中に分散された状態の分散液全体を、徐々に撹拌状態で昇温し、一定の温度域において強い撹拌を与えた後、脱溶媒を行うなどの操作により行うことができる。あるいは、エバポレータ等の装置を用いて減圧しながら除去することができる。
上記方法(I)または(II)によって準備された非晶性樹脂微粒子分散液における非晶性樹脂微粒子(油滴)の粒子径は、体積基準のメジアン径で、60〜1000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは80〜500nmである。なお、この体積平均粒子径は、実施例に記載の方法で測定する。ここで、この油滴の体積平均粒子径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさによりコントロールすることができる。
また、非晶性樹脂微粒子分散液における非晶性樹脂微粒子の含有量は、5〜50質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。このような範囲であると、粒度分布の広がりを抑制し、トナー特性を向上させることができる。
(a2)結晶性樹脂微粒子分散液調製工程
結晶性樹脂微粒子分散液調製工程は、結晶性樹脂を合成し、この結晶性樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散させて結晶性樹脂微粒子の分散液を調製する工程である。
結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂など)の製造方法は上記記載したとおりであるため、詳細を割愛する。
結晶性樹脂微粒子分散液は、例えば溶剤を用いることなく、水系媒体中において分散処理を行う方法、あるいは結晶性樹脂を酢酸エチルなどの溶剤に溶解させて溶液とし、分散機を用いて当該溶液を水系媒体中に乳化分散させた後、脱溶剤処理を行う方法などが挙げられる。
結晶性樹脂を水系媒体中に分散させる方法としては、当該樹脂を有機溶媒(溶剤)中に溶解または分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒子径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒を除去する方法が挙げられる。
上記水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいい、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶剤であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶剤を使用することが好ましい。好ましくは、水系媒体として水のみを使用する。
上記油相液の調製に使用される有機溶媒(溶剤)としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶媒(溶剤)の使用量(2種類以上使用する場合はその合計使用量)は、樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部、好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは25〜100質量部である。かような範囲であると、粒度分布が均一な樹脂微粒子の分散液を得ることができる点で好ましい。
さらに、油相液中には、カルボキシ基をイオン解離させ、水相に安定に乳化させて、乳化を円滑に進めるためにアンモニア、水酸化ナトリウムなどを添加してもよい。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒子径に乳化分散させることができる。ここで用いられる水系媒体とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、結晶性樹脂(例えば結晶性ポリエステル樹脂)微粒子を溶解しないアルコール系有機溶媒を用いることが好ましい。また、水系媒体には、必要に応じて、アミンやアンモニアが溶解されていてもよい。
水系媒体中には、分散安定剤が溶解されていてもよく、また油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが適量添加されていてもよい。
分散安定剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができる。得られるトナー母体粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられ、また、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤も使用することができる。
また、分散安定性の向上のための樹脂微粒子としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子、ポリスチレン樹脂微粒子、ポリスチレン−アクリロニトリル樹脂微粒子などが挙げられる。
このような油相液の乳化分散は、上記と同様に、機械的エネルギーを利用して行うことができ、乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、上記(a1)において説明したものを用いることができる。
分散の際には、溶液を加熱することが好ましい。加熱条件は特に限定されるものではないが、通常50〜90℃程度である。
油滴の形成後における有機溶媒の除去は、結晶性樹脂微粒子が水系媒体中に分散された状態の分散液全体を、徐々に撹拌状態で昇温し、一定の温度域において強い撹拌を与えた後、脱溶媒を行うなどの操作により行うことができる。あるいは、エバポレータ等の装置を用いて減圧しながら除去することができる。
このように準備された結晶性樹脂微粒子分散液における結晶性樹脂微粒子(油滴)の粒子径は、体積平均粒子径で、60〜1000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは80〜500nmである。かような範囲であると、安定したトナー製造の点で好ましい。なお、当該樹脂微粒子(油滴)の体積平均粒子径は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)等)で測定することができる。なお、この微粒子(油滴)の体積平均粒子径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさによりコントロールすることができる。
また、結晶性樹脂微粒子分散液における結晶性樹脂微粒子の含有量(固形分濃度)は、分散液100質量%に対して10〜50質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは15〜40質量%の範囲である。このような範囲であると、粒度分布の広がりを抑制し、トナー特性を向上させることができる。
(a3)着色剤微粒子分散液調製工程
この着色剤微粒子分散液調製工程は、着色剤(顔料)を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤微粒子の分散液を調製する工程である。
当該水系媒体は上記(a2)工程の結晶性樹脂の分散に用いられる水系媒体と同様のものを用いることができる。この水系媒体中には、分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。界面活性剤や樹脂微粒子も上記(a2)工程で説明した通りである。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、このような分散機としては、特に限定されるものではなく、上記で挙げた分散機が用いられうる。
着色剤微粒子の体積平均粒子径は、10〜300nmとされることが好ましく、さらに好ましくは100〜250nmである。このような範囲であると、高い色再現性を得ることができる点で好ましい。
また、着色剤微粒子分散液における着色剤微粒子の含有量(固形分濃度)は、10〜50質量%の範囲とすることが望ましく、より望ましくは10〜40質量%の範囲である。このような範囲であると、色再現性確保の効果がある。
(a4)離型剤微粒子分散液調製工程
この離型剤微粒子分散液調製工程は、必要に応じて行われ、離型剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて離型剤微粒子の分散液を調製する工程である。
当該水系媒体は上記(a2)で説明した通りであり、この水系媒体中には、分散安定性を向上させる目的で、上記(a2)で示した界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。
離型剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、このような分散機としては、特に限定されるものではなく、上記で挙げたように、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザー、または高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。離型剤微粒子を分散させるにあたり、必要に応じて加熱を行ってもよい。
(b)凝集・融着工程
この凝集・融着工程は、結着樹脂微粒子分散液、結晶性樹脂微粒子分散液、および任意で着色剤微粒子分散液、また必要に応じて離型剤微粒子分散液、などの他の成分を添加、混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒子径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー母体粒子を形成する工程である。この凝集・融着工程も必要に応じ機械的エネルギーや加熱手段を利用して行うことができる。
(b1)凝集工程
凝集工程においては、まず得られた各分散液および界面活性剤を混合して混合液とし、非晶性樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、撹拌下、混合液のpHを、8〜12の範囲に調整することが好ましく、9〜11の範囲にすることがより好ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。pHを調整するためには、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。
次に、上記混合液に、アルカリ金属塩や第2族元素を含む塩等を凝集剤として添加した後、非晶性樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱して凝集を進行させ凝集粒子を形成する(同時に、凝集粒子同士を融着させてもよい)。
具体的には、結着樹脂微粒子分散液と、結晶性樹脂微粒子分散液と、着色剤微粒子分散液と、必要に応じて離型剤微粒子分散液とを混合して混合液とし、凝集剤を添加することにより、結着樹脂微粒子と、結晶性樹脂微粒子と、着色剤微粒子とを凝集させる(同時に粒子同士を融着させてもよい)。そして、凝集した粒子の大きさが目標の大きさになった時に、食塩水等の塩を添加して凝集を停止させる。
本発明に用いられる凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好適に使用される。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属の塩、鉄、アルミニウムなどの三価の金属の塩などが挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で特に好ましくは二価の金属の塩である。二価の金属の塩を使用すると、より少量で凝集を進めることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
凝集工程においては、凝集剤を添加した後に放置する放置時間(加熱を開始するまでの時間)をできるだけ短くすることが好ましい。このように、凝集剤を添加した後に、凝集用分散液の加熱をできるだけ速やかに開始し、非晶性樹脂のガラス転移温度以上とすることが好ましい。この理由は明確ではないが、放置時間の経過によって粒子の凝集状態が変動して、得られるトナー粒子の粒子径分布が不安定になったり、表面性が変動したりする問題が発生する虞があるからである。放置時間は、通常30分以内とされ、好ましくは10分以内である。凝集剤を添加する温度は特に限定されないが、結着樹脂中の非晶性樹脂のガラス転移温度以下であることが好ましい。すなわち、凝集剤を添加した後、加熱により速やかに昇温させることが好ましく、昇温速度は0.8℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上限は、特に限定されないが、急速な融着の進行による粗大粒子の発生を抑制する観点から15℃/分以下とすることが好ましい。さらに、凝集用分散液が非晶性樹脂のガラス転移温度以上の温度に到達した後、当該凝集用分散液の温度を一定時間、好ましくは体積基準のメジアン径が4.5〜7.0μmになるまで保持することにより、融着を継続させることが肝要である(第1の熟成工程)。また、熟成中の粒子の形状係数(円形度)を測定し、好ましくは0.920〜1.000になるまで第1の熟成工程を行うことが好ましい。
これにより、粒子の凝集、成長(結晶性樹脂微粒子、非晶性樹脂微粒子、着色剤微粒子などの凝集)を効果的に進行させる(と同時に融着(粒子間の界面を消失)させる)ことができ、最終的に得られるトナー粒子の耐久性を向上することができる。
なお、コア−シェル構造の結着樹脂を得る場合には、上記の第1の熟成工程において、シェル層を形成する樹脂(好ましくは上記の非晶性樹脂)の水系分散液をさらに添加し、上記で得られた単層構造の結着樹脂の粒子(コア粒子)の表面にシェル層を形成する樹脂を凝集、融着させる。これにより、コア−シェル構造を有する結着樹脂が得られる(シェル化工程)。この際、シェル化工程に引き続き、コア粒子表面へのシェルの凝集、融着をより強固にし、かつ粒子の形状が所望の形状になるまで、さらに反応系の加熱処理を行うとよい(第2の熟成工程)。この第2の熟成工程は、コア−シェル構造を有するトナー母体粒子の平均円形度が、上記平均円形度の範囲になるまで行えばよい。
凝集粒子が所望の粒子径になったところで、非晶性樹脂微粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非晶性樹脂で被覆した構成のトナー(コア−シェル粒子)を作製することができる。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ったりしてもよい。なお、コア−シェル粒子を形成しない場合には、当該操作を行う前の凝集粒子が所望の粒子径になったところで、以下の凝集停止工程を行えばよい。
凝集の際には加熱、昇温することが好ましい。この際、加熱、昇温によって、融着温度以上になった場合には、融着工程も同時に進行することとなる。昇温速度としては0.1〜5℃/分の範囲で行うことが好ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。また、加熱温度(ピーク温度)は40〜100℃の範囲で行うことが好ましい。このような範囲であると、粒度分布がシャープな凝集が可能となる点で好ましい。
(b2)凝集停止工程
凝集粒子が、例えば、コールターカウンター等で測定を行い、所望の平均粒子径になったところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させる。その後も必要に応じて凝集粒子を含む液を継続して加熱撹拌してもよい。
凝集停止剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびそのナトリウム塩などのアルカリ金属塩、グルコナール、グルコン酸ナトリウム、クエン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、GLDA(市販のL−グルタミン酸N,N二酢酸)、フミン酸およびフルビン酸、マルトールおよびエチルマルトール、ペンタ酢酸およびテトラ酢酸、カルボキシ基およびヒドロキシ基の両方の官能基を有する公知の水溶性ポリマー類(高分子電解質)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウムないしこれらの水溶液などが挙げられる。凝集停止工程においては、凝集工程に準じて撹拌を行ってもよい。
(b3)融着工程
融着工程は、上記凝集停止工程(b2)を経た後または、凝集工程(b1)と同時に、反応系を所期の融着温度に加温することにより、凝集粒子を構成する各微粒子を融着させて凝集粒子を融合して、融合粒子を形成させる工程である。
この融着工程における融着温度は、結晶性樹脂の融点以上であることが好ましく、結晶性樹脂の融点より0〜20℃高い温度であることが好ましい。加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。好ましくは、例えば、フロー式粒子像分析装置(例えば、ホソカワミクロン株式会社製、フロー式粒子像分析装置 FPIA−2000)等を用いて測定しながら、所望の形状係数(例えば、0.96程度)に達するまで行えばよい。
この凝集・融着工程においては、凝集系における各微粒子を安定に分散させるために、水系媒体中に界面活性剤を追加してもよい。
上記(凝集)融合後に上記トナー母体粒子の分散液を冷却し、融合粒子を得ることができるが、乳化凝集法によりトナーを得る場合、上記凝集・融着工程の後、冷却する前に、後述の円形度制御工程(c)をさらに有することが好ましい。
冷却速度は好ましくは0.2〜20℃/分、より好ましくは2〜20℃/分である。このような範囲であると、冷却後のトナー表面が滑らかである点で好ましい。冷却方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(c)形状係数(円形度)の制御工程
乳化凝集法によりトナーを得る場合、上記凝集・融着工程の後、形状係数(円形度)の制御工程を有することが好ましい。形状係数(円形度)の制御処理としては、具体的には、凝集・融着工程で得られた粒子を加熱する加熱処理が挙げられる。加熱温度および保持時間により形状係数(円形度)を制御することができる。加熱温度を高くする、または保持時間を長くすることにより、形状係数(円形度)を1に近づけることができる。ただし、トナー母体粒子同士の再凝集の発生を防ぐため、加熱温度を過度に高くしないことが好ましい。また、同様の理由で、保持時間を過度に長くしないことが好ましい。
形状係数(円形度)の制御処理における加熱温度としては、形状係数(円形度)を1に近づける観点から、70〜95℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱温度での保持時間としては特に制限されるものではなく、形状係数(円形度)が目標値(1に近い数値)になるまで行えばよい。形状係数(円形度)の制御は、加温中に形状係数(円形度)の測定装置にて体積中位径が2μm以上の粒子径の円形度を測定し、所望の円形度であるかどうかを適宜判断することによって制御が可能である。なお、体積中位径は、コールター原理を採用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」等)により測定される体積基準の中位径(体積基準メジアン径)である。
(d)濾過・洗浄工程
この濾過・洗浄工程では、得られたトナー母体粒子の分散液を冷却して冷却後のスラリーとし、この冷却されたトナー母体粒子の分散液から、水等の溶媒を用いて、トナー母体粒子を固液分離してトナー母体粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー母体粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、アスピレータ、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。この濾過・洗浄工程においては適宜、pH調整や粉砕などを行ってもよい。このような操作は繰り返し行ってもよい。洗浄することにより濾別されたトナー母体粒子から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する。洗浄処理は、濾液の電気伝導度が、例えば5〜10μS/cmレベルになるまで洗浄(水洗)処理を行うものである。
(e)乾燥工程
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー母体粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、オーブン、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。なお、乾燥処理されたトナー粒子(トナー母体粒子)中のカールフィッシャー電量滴定法にて測定される水分量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
また、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、コーミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
(トナー母体粒子の体積平均粒子径)
トナー母体粒子の粒子径は、画質を向上させる目的で小径であることが好ましいが、トナー母体粒子の体積平均粒子径は2〜8μmの範囲であることが、帯電性、流動性を両立させるという観点から好ましい。ひいては現像、転写、クリーニングが困難とならず好ましい。なお、トナー母体粒子の粒子径は、4〜7μmの範囲であれば、上記観点から更に好ましい。
(トナー母体粒子の平均円形度)
本発明の静電荷像現像用トナーは、流動性、トナー粒子の帯電均一性の観点から、下記式1で示されるトナー母体粒子の平均円形度が0.940以上であることが好ましく、クリーニング性の観点から0.975以下であることが好ましい。
(式1) 平均円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
上記平均円形度を求める測定例としては、平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いた測定が挙げられる。具体的な操作としては、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行って分散した後、「FPIA−2100」を用い測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。
(f)外添剤添加工程
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー母体粒子表面に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、荷電制御剤や種々の無機微粒子、有機微粒子、または滑剤などの外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機、サンプルミルなどの種々の公知の混合装置を挙げることができる。また、トナーの粒度分布を適当な範囲とするため、必要に応じ篩分級を行ってもよい。
<静電荷像現像用二成分現像剤>
以上のようなトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリア粒子と混合して静電荷像現像用二成分現像剤(以下、単に「二成分現像剤」ともいう。)として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。特には、上記静電荷像現像用トナーと、キャリア粒子とを含む二成分現像剤として用いることが好ましい。
二成分現像剤は、トナー粒子の含有量(トナー濃度)が4.0〜8.0質量%となるように、トナー粒子とキャリア粒子とを適宜に混合することによって、上記の二成分現像剤を構成することができる。当該混合に用いられる混合装置の例としては、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機などが挙げられる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。
本発明に係るキャリア粒子は、磁性体により構成される。当該キャリア粒子の例には、当該磁性体からなる芯材粒子と、その表面を被覆する被覆材の層とを有する被覆型キャリア粒子、および、樹脂中に磁性体の微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子が含まれる。当該キャリア粒子は、感光体へのキャリア粒子の付着を抑制する観点から、被覆型キャリア粒子であることが好ましい。
芯材粒子は、磁性体、例えば、磁場によってその方向に強く磁化する物質によって構成される。当該磁性体は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、鉄、ニッケルおよびコバルトなどの強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金もしくは化合物、および、熱処理することにより強磁性を示す合金が含まれる。
上記強磁性を示す金属またはそれを含む化合物の例には、鉄、一般式(3)[MO・Fe23]で表わされるフェライト、および、一般式(4)[MFe24]で表わされるマグネタイトが含まれる。一般式(3)、一般式(4)中のMは、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、CdおよびLiの群から選ばれる一以上の1価または2価の金属を表す。
また、上記熱処理することにより強磁性を示す合金の例には、マンガン−銅−アルミニウムおよびマンガン−銅−錫などのホイスラー合金、および、二酸化クロムが含まれる。
上記芯材粒子は、各種にフェライトであることが好ましい。これは、被覆型キャリア粒子の比重は、芯材粒子を構成する金属の比重よりも小さくなることから、現像器内における撹拌の衝撃力をより小さくすることができるためである。
当該被覆材には、キャリア粒子の芯材粒子の被覆に利用される公知の樹脂を用いることができる。当該被覆材は、シクロアルキル基を有する樹脂であることが、キャリア粒子の水分吸着性を低減させる観点、および、被覆層の芯材粒子との密着性を高める観点から好ましい。当該シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基およびシクロデシル基が含まれる。中でも、シクロヘキシル基またはシクロペンチル基が好ましく、被覆層とフェライト粒子との密着性の観点からシクロへキシル基がより好ましい。樹脂の重量平均分子量Mwは、例えば10,000〜800,000であり、より好ましくは100,000〜750,000である。当該樹脂における上記シクロアルキル基の含有量は、例えば10質量%〜90質量%である。上記樹脂中の当該シクロアルキル基の含有量は、例えば、熱分解−ガスクロマトグラフ/質量分析(P−GC/MS)や1H−NMR等によって求めることが可能である。
キャリアとしては、その体積平均粒子径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
[本発明に係る無機微粒子の作製]
[無機微粒子1の作製]
(1)撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた2L反応器に10質量%の硫酸チタニル溶液500質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてpH9.5にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。
(2)得られた白色沈殿物に純水を加え、90℃に保ちながら1.5時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。
(3)得られた酸化チタンを大気中、900℃で5時間、高温電気炉にて加熱し、その後、室温まで冷却して、ルチル型酸化チタン得た。
メノウ乳鉢で粉砕することにより、個数平均長径が50nm、平均アスペクト比が5.0のルチル型酸化チタン粒子を得た。
(4)撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた2L反応器に、得られたルチル型酸化チタン粒子50gと、オクチルトリメキシシシラン0.7質量部を加え、トルエン1.5L中で10時間撹拌させ、表面修飾を行った。その後、反応溶媒の洗浄を行った後、再度遠心分離して回収し、減圧乾燥、粉砕処理を経て、表面修飾剤によって処理された無機微粒子1を得た。
無機微粒子1の体積抵抗率は1.4×1011Ω・cmであった。
[無機微粒子2〜8の作製]
上記無機微粒子1の作製において、pH、熱処理反応時間、反応温度、表面修飾剤種および処理量を変更することで、個数平均長径、平均アスペクト比および体積抵抗率を調整し、表1に記載の無機微粒子2〜8を作製した。なお、体積抵抗率は表面修飾剤量を調整することで制御することが出来る。
Figure 2017068006
[球形シリカの作製]
[球形シリカ1の作製]
(1)撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルの反応器にメタノール630質量部、水90質量部を添加して混合した。この溶液を、撹拌しながらテトラメトキシシラン950質量部の加水分解を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。次いで60〜70℃に加熱しメタノール390部を留去し、シリカ粒子の水性懸濁液を得た。
(2)この水性懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6質量部(テトラメトキシシランに対してモル比で0.1相当量)を滴下してシリカ粒子表面の疎水化処理を行った。
(3)こうして得られた分散液にメチルイソブチルケトン1400質量部を添加した後、80℃に加熱しメタノール水を留去した。得られた分散液に室温でヘキサメチルジシラザン280質量部を添加し120℃に加熱し3時間反応させ、シリカ粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して球形シリカ粒子1を調製した。
上記の方法により得られた球形シリカ粒子について、個数平均1次粒子径を計測したところ、個数平均1次粒子径が100nmの球形シリカ粒子1を得た。
[球形シリカ2〜5の作製]
上記球形シリカ1の作製において、テトラメトキシシランおよびヘキサメチルジシラザンの添加質量部数を増減させ系内における反応物の濃度を変更することにより、個数平均1次粒子径を調整して、表2に記載の球形シリカ粒子2〜5を作製した。なお、反応物濃度を増加させると生成する球形シリカの個数平均1次粒子径は大きくなり、濃度を減少させると得られる球形シリカの個数平均1次粒子径は小さくなる。
Figure 2017068006
[トナーの作製]
[着色剤微粒子分散液の調製]
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌し、当該溶液中に銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:3)24.5質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメジアン径が126nmである着色剤微粒子分散液[1]を調製した
[結着樹脂微粒子分散液1の調製]
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 584質量部
・アクリル酸n−ブチル 160質量部
・メタクリル酸 56質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌しながら重合を行うことにより、樹脂微粒子〔b1〕の分散液を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂微粒子〔b1〕42質量部(固形分換算)、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70質量部を、
・スチレン 239質量部
・アクリル酸n−ブチル 111質量部
・メタクリル酸 26質量部
・n−オクチルメルカプタン 3質量部
からなる単量体溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、樹脂微粒子〔b2〕の分散液を調製した。
(第3段重合)
上記の樹脂微粒子〔b2〕の分散液に、さらに、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 380質量部
・アクリル酸n−ブチル 132質量部
・メタクリル酸 39質量部
・n−オクチルメルカプタン 6質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、結着樹脂微粒子分散液1を得た。
[結晶性樹脂1の合成]
ポリエステル重合セグメントの材料の多価カルボン酸化合物としてのセバシン酸(分子量202.25)220質量部と、多価アルコール化合物としての1,12−ドデカンジオール(分子量202.33)298質量部を窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に入れ160℃に加熱し、溶解させた。2−エチルヘキサン酸スズ(II)2.5質量部、没食子酸0.2質量部を加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂1を得た。
得られた結晶性樹脂1について、前述のようにして示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」((株)パーキンエルマージャパン製)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC曲線を得、吸熱ピークトップ温度を測定する手法によって融点(Tm)を測定したところ、82.8℃、また、GPC「HLC−8120GPC」(東ソー社製)によって前述のようにして分子量を測定したところ、標準スチレン換算のMwが28000であった。
[結晶性樹脂微粒子分散液1の調製]
結晶性樹脂1を100質量部、酢酸エチル400質量部に溶解させた。次いで、5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部を添加して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、撹拌装置を有する容器へ投入し、樹脂溶液を撹拌しながら、0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部を30分間かけて滴下混合した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の滴下途中、反応容器内の液が白濁し、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を全量滴下後、樹脂溶液粒子を均一に分散させた乳化液が調製された。次いで、上記乳化液を40℃に加熱し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用して、150hPaの減圧下で酢酸エチルを蒸留除去することにより、結晶性ポリエステル樹脂よりなる結晶性樹脂微粒子分散液1を得た。
[トナー母体粒子1の作製]
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、結着樹脂微粒子分散液1の分散液300質量部(固形分換算)と、結晶性樹脂微粒子分散液1の分散液60質量部(固形分換算)と、イオン交換水1100質量部と、着色剤微粒子分散液[1]40質量部(固形分換算)とを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま凝集し粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒子径を測定し、体積基準のメジアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、これにより、トナー母体粒子1の分散液を調製した。
(洗浄・乾燥工程)
生成したトナー母体粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子1を作製した。
[トナー母体粒子2の作製(結晶性樹脂なし)]
トナー母体粒子1の製造において、トナー母体粒子中における結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)を用いずに、他の工程は同様にしてトナー母体粒子2を作製した。
(トナー母体粒子中における結晶性樹脂量の含有量の算出方法)
本実施例において、トナー母体粒子中における結晶性樹脂量[%]は、下記式より算出した(いずれも固形分換算)。
トナー母体粒子中における結晶性樹脂量[%]=結晶性樹脂量[質量部]/(結着樹脂量[質量部]+結晶性樹脂量[質量部]+着色剤量[質量部])×100 [%]
作製したトナー母体粒子の結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)の含有量は下記表3に示されるようになる。
Figure 2017068006
(外添剤添加工程)
[トナー粒子1の作製]
上記で作製したトナー母体粒子1又は2(100質量部)に対して、下記の外添剤を添加し、ヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業株式会社製)に添加し、羽根先端周速が40m/sとなるようにして撹拌翼の回転数を設定して25分間撹拌し、トナー1を作製した。なお、外添剤混合時における混合粉体の温度は40±1℃となるように設定した。
・無機微粒子1 0.4質量部
・球形シリカ1 1.0質量部
・小径シリカ(クラリアント社製 H1303 個数平均1次粒子径:20nm)
0.6質量部
[トナー粒子2〜13の作製]
上記トナー粒子1で作製した場合と同様に、下記表4のような組み合わせの外添剤を添加し混合することで各トナー粒子を作製した。
Figure 2017068006
[キャリア粒子の作製]
[芯材被覆用樹脂(被覆材1)の作製]
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシルおよびメタクリル酸メチルを1:1のモル比で添加し、単量体総量の0.5質量%にあたる量の過硫酸カリウムを添加して乳化重合を行い、得られた分散液中の樹脂微粒子を当該分散液のスプレードライによって乾燥することで、芯材被覆用樹脂である被覆材1を作製した。得られた被覆材1の重量平均分子量Mwは50万であった。被覆材1のMwは、前述の結晶性ポリエステル樹脂(B1)と同様にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
[キャリア粒子の作製]
体積平均径が30μmであるMn−Mg系のフェライト粒子を芯材粒子として準備した。水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、上記フェライト粒子の100質量部と、被覆材1の4.5質量部とを投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した。その後、120℃で50分間混合して、機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で上記芯材粒子の表面に被覆材1を被覆させて、キャリア粒子1を作製した。キャリア粒子1の体積分布基準のメジアン径は32μmであった。
[二成分現像剤1〜13の作製]
上記表記載の各トナー粒子1〜13とキャリア粒子1を、2成分現像剤におけるトナー粒子の含有量(トナー濃度)が6.5質量%となるように1.5kg計量して、V型混合機に投入し30分間混合して二成分現像剤1〜13を作製した。
〈本発明に係る無機微粒子の個数平均長径および球形シリカの個数平均1次粒子径〉
走査型電子顕微鏡(SEM)「JEM−7401F」(日本電子株式会社製)により倍率50,000倍にて観察した電子顕微鏡写真によって1次粒子径を測定し、n=20の平均値を求めてその値を個数平均1次粒子径とした。本発明に係る無機微粒子においては、1次粒子における個数平均長径および個数平均短径をそれぞれ測定した。具体的には、外接する面積が最少となる長方形を算出し、その長辺と短辺の長さから、個数平均長径および個数平均短径の長さを求めた。図1に示すように、本発明に係る無機微粒子100を長方形とみなしたとき、個数平均長径は、長手方向の長さとして測定し、また、個数平均短径は、短手方向の長さとして測定した。本発明に係る無機微粒子の個数平均長径および個数平均短径を測定し、n=100の平均値を求めてその値を個数平均長径および個数平均短径とした。
〈本発明に係る無機微粒子の平均アスペクト比〉
上記方法で求めた個数平均長径および個数平均短径の比、すなわち、(個数平均長径)/(個数平均短径)を求め、それを平均アスペクト比とした。
〈本発明に係る無機微粒子の体積抵抗率〉
体積抵抗率は、本発明に係る無機微粒子をペレットにして測定した。まず無機微粒子を温度20℃、湿度50%RHの環境下に一晩放置したのちにその環境下で無機微粒子を0.5〜1.0g計量し治具に充填して1tの圧力を20秒間加えることで厚さ2mm±0.1mmになるようにした成形ペレットを作製した。そのペレットを武田理研(株)製TR8611A型デジタル超絶縁抵抗/微少電流計により測定した。
〈結晶性ポリエステル樹脂の融点測定方法〉
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差熱量分析装置(DSC)により測定した。具体的には、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用い、昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/minで200℃から0℃まで冷却する冷却過程、および昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によって測定されるものであり、この測定によって得られるDSC曲線に基づいて、第1昇温過程における結晶性ポリエステル樹脂に由来の吸熱ピークトップ温度を、融点とするものである。測定手順としては、結晶性ポリエステル樹脂4.5mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
[評価]
評価装置として、市販のデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ株式会社製、「bizhub」は同社の登録商標)を用いた。
〔評価1:低温定着性〕
複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を改造し、定着用ヒートローラの表面温度を100〜210℃の範囲で変更できるようにしたものを用意した。これに上記の二成分現像剤1〜13をそれぞれ装填した。A4サイズの普通紙(坪量80g/m)上に、トナー付着量11mg/10cmのベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を140℃から1℃刻みで増加させるよう変更しながら200℃まで繰り返し行った。目視で低温オフセットによる画像汚れが観察されない定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度を、最低定着温度として評価した。この最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味し、160℃未満であれば実用上問題なく、合格と判断される。
−評価基準−
◎:最低定着温度が155℃未満、
○:最低定着温度が155℃以上160℃未満、
×:最低定着温度が160℃以上。
〔評価2:耐熱保管性〕
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は下記式により算出される値である。
(トナー凝集率(%))=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100
下記に記載の基準によりトナーの耐熱保管性の評価を行った。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量以上、20質量%以下(トナーの耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
〔評価3:帯電量安定性(環境安定性)〕
複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ株式会社製)において、低温低湿(温度10℃、湿度20%RH)環境条件にて、A4版の上質紙(65g/m2)上にテスト画像として印字率5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を5枚印刷し、そのときのトナーの帯電量を測定した。
同様にして、高温高湿(30℃、80%RH)環境条件においても、A4版の上質紙(65g/m)上にテスト画像として印字率5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を5枚印刷し帯電量を測定した。
帯電量は現像器内の二成分現像剤をサンプリングし、ブローオフ帯電量測定装置「TB−200」(東芝ケミカル株式会社製)を用いて測定した。低温低湿と高温高湿環境下での5枚印刷時のトナー帯電量の差Δ(以下、環境差Δと呼称する)が小さいほど、外環境の影響を受けにくくトナーの帯電量が安定的であることを意味し、15μC/g未満であれば実用上問題なく、合格と判断される。なお、この環境差Δを用い、帯電量安定性(環境安定性)を評価した。判断基準は下記のとおりである。
−評価基準−
(環境差Δ)
◎:低温低湿環境と高温高湿環境下で、5枚印刷後とのトナー帯電量の環境値Δが10μC/g未満、
○:低温低湿環境と高温高湿環境下で、5枚印刷後のトナー帯電量の環境値Δが10μC/g以上15μC/g未満、
×:低温低湿環境と高温高湿環境下で、5枚印刷後のトナー帯電量の環境値Δが15μC/g以上。
〔評価4:帯電量安定性(カバレッジ安定性)〕
評価3と同様に複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ株式会社製)を用いて、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において、印字率1%と印字率45%の帯状ベタ画像をそれぞれの条件で、A4版の普通紙を10,000枚耐刷したときのトナー帯電量を測定した。印字率1%と印字率45%でA4版の普通紙を10,000枚耐刷したときトナー帯電量の変化幅Δ(以下、カバレッジ変化による帯電量の変化幅Δと呼称する)が低いほど、安定的なトナー出力が可能なことを意味し、10μC/g未満であれば実用上問題なく、合格と判断される。なお、このカバレッジ変化による帯電量の変化幅Δを用い、帯電量安定性(カバレッジ安定性)を評価した。判断基準は下記のとおりである。
−評価基準−
(カバレッジ変化による帯電量の変化幅Δ)
◎:高温高湿環境下、カバレッジ1%とカバレッジ45%のそれぞれの条件で10,000枚耐刷した際のカバレッジ変化による帯電量の変化幅Δが5μC/g未満、
○:高温高湿環境下、カバレッジ1%とカバレッジ45%のそれぞれの条件で10,000枚耐刷した際のカバレッジ変化による帯電量の変化幅Δが5μC/g以上10μC/g未満、
×:高温高湿環境下、カバレッジ1%とカバレッジ45%のそれぞれの条件で10,000枚耐刷した際のカバレッジ変化による帯電量の変化幅Δが10μC/g以上。
得られた結果を下記表5に示す。
Figure 2017068006
上記表5の結果から、実施例のトナー1〜8及び10は、高温高湿下でも帯電量の減少が少なく、かつ、高カバレッジおよび低カバレッジのそれぞれの条件下で耐刷した場合であっても帯電量の低下が少なく、さらに低温定着性や耐熱保管性も兼ね備えており、上記性能を両立させている。これは、1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を用いることにより、帯電量の安定性を向上できたためだと考えられる。一方、比較例のトナー9及び11〜13では、上記性能をすべて両立することはできなかった。
以上により、本発明を用いれば、低温定着性と耐熱保管性の両立が可能であると共に、印刷環境やカバレッジの異なる条件においても、優れた帯電量安定性が得られ、その結果、帯電量の低下が生じやすい高温高湿環境下や高カバレッジ条件下等においても安定的に画像を出力できるトナーを提供できる。
100 無機微粒子
101 長方形
102 長手方向の長さ(個数平均長径)
103 短手方向の長さ(個数平均短径)

Claims (5)

  1. 着色剤並びに結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記外添剤は、少なくとも1次粒子における個数平均長径が50〜100nmの範囲内であり、平均アスペクト比が3〜10の範囲内であり、体積抵抗率が1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲内である無機微粒子を含むことを特徴とする、静電荷像現像用トナー。
  2. 前記無機微粒子が、アルキル基を有するアルコキシシランカップリング剤により表面修飾されたルチル型酸化チタンであることを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記無機微粒子と、個数平均1次粒子径が60〜150nmの範囲内のシリカ粒子と、を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含むことを特徴とする、静電荷像現像用二成分現像剤。
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