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JP2017065565A - 走行装置 - Google Patents

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JP2017065565A
JP2017065565A JP2015194852A JP2015194852A JP2017065565A JP 2017065565 A JP2017065565 A JP 2017065565A JP 2015194852 A JP2015194852 A JP 2015194852A JP 2015194852 A JP2015194852 A JP 2015194852A JP 2017065565 A JP2017065565 A JP 2017065565A
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low
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豊 新木
Yutaka Araki
豊 新木
剛史 永田
Takashi Nagata
剛史 永田
裕一郎 嵩
Yuichiro Taka
裕一郎 嵩
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】低吸着領域の乗り越え動作の成功率が高い走行装置を提供する。
【解決手段】走行装置(1C)は、吸着部(22a・22b)と、駆動部(23a・23b)と、制御部(17Da)とを備え、第1旋回動作と、第2旋回動作とを交互に行うことにより被吸着面(W)上を走行する。走行装置(1C)は、さらに、低吸着領域(D)を検知する段差センサ(39)と、吸着部(22a・22b)のうち相対的に上側に位置する一方を判定する加速度センサ(37)を備え、制御部(17Ca)は、走行路上に低吸着領域(D)を検知した場合に、低吸着領域(D)に対する乗り越え動作を行う前に、吸着部(22a・22b)のうち相対的に上側に位置する一方を低吸着領域(D)の間際の位置となるように制御する準備動作を実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、壁面などの被吸着面に吸着して走行する走行装置に関するものである。
従来、垂直な壁面を昇降移動する走行装置が知られている。上記走行装置は、被吸着面である壁面に沿って移動する駆動体と該駆動体に設けられた吸盤とを備え、吸盤内の流体を吸引して吸盤内に負圧を発生させることにより、壁面を走行可能にする。上記走行装置を利用することによって、作業員が高所に上がって作業する必要が無くなり、安全に作業をすることが可能となる。また、上記走行装置の移動経路をプログラミングすることにより、該走行装置が自動的に壁面を走行し、壁面の清掃、塗装及び検査等を行うことができる。
しかし、被吸着面には、上記吸盤内の負圧がリークするため、上記吸盤が吸着することができない、又は吸盤の被吸着面への吸着性が低い低吸着領域が存在する場合がある。低吸着領域は、例えば、被吸着面上に存在する溝、目地、板材の溶接の継ぎ目、段差、及び表面が粗い粗面等が挙げられる。
被吸着面に低吸着領域が存在すると、上記走行装置が低吸着領域を走行する際に、上記走行装置の吸盤内の負圧がリークし、上記走行装置が落下したり、低吸着領域を乗り越えることができず、異なる壁面を連続的に走行したりすることができないという問題が生じる。そこで、低吸着領域を乗り越える動作(以降、乗り越え動作と呼ぶ)が必要となる。
低吸着領域に対する乗り越え動作が可能な走行装置として、例えば特許文献1、2に開示された走行装置が知られている。
特許文献1に開示された走行装置としての吸着移動装置100は、図34の(a)(b)に示すように、被吸着面に吸着して走行する2つの車体101を備えている。それぞれの車体101は、真空発生手段102と負圧調節弁103とを設けた吸盤装置104、及び走行部105を備えている。そして、2つの車体101は、連続した被吸着面上で旋回すること、及び一方の車体101をある被吸着面に吸着した状態で他方の車体を振り上げて別の被吸着面に向けることを可能にする連結機構106によって、連結されている。上記の構成により吸着移動装置100は、水平から垂直、及び垂直から水平のように、不連続な被吸着面を走行できるようになっている。
特許文献2に開示された走行装置としての壁面吸着装置200は、図35に示すように、中心軸201を有する中央部202と、長手方向中央が中央部202の中心軸201に回動自在に軸支される複数の回動杆203と、該複数の回動杆203に両側に移動可能に設けられた複数の吸着パッド204と、該複数の吸着パッド204を移動可能に連結するリンク機構205とを備えている。上記の構成により、リンク機構205が、吸着パッド204を回動杆203の長手方向に沿って連動して移動させることにより、それぞれの吸着パッド204を縦方向又は横方向に平行に移動させ、それぞれの吸着パッド204の間隔を拡大又は縮小することができるようになっている。これにより、壁面吸着装置200は、種々の深目地タイル壁面においても、複数の吸着パッド204を目地に掛からないようにタイルサイズに合わせて位置合わせを行い、低吸着領域に対する乗り越え動作を行うことができるようになっている。
特公平7−61791号公報(1990年2月7日公開) 特開2014−4051号公報(2014年1月16日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された吸着移動装置100、及び特許文献2に開示された壁面吸着装置200は共に、低吸着領域の乗り越え動作を行う場合、移動先の被吸着面の状態が不明であるため、低吸着領域の乗り越え動作を失敗してしまう可能性が高いという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、低吸着領域に対する乗り越え動作の成功率が高い走行装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る走行装置は、被吸着面に吸着する第1吸着部及び第2吸着部と、上記被吸着面上を走行するための1つ又は複数の駆動部と、上記第1吸着部、上記第2吸着部及び上記駆動部をそれぞれ制御する制御部とを備え、
上記第1吸着部を中心として上記第2吸着部側を旋回動作する第1旋回動作と、上記第2吸着部を中心として上記第1吸着部側を旋回動作する第2旋回動作とを交互に行うことにより被吸着面上を走行する走行装置であって、上記被吸着面のうち上記第1吸着部又は第2吸着部の吸着性が基準よりも低い低吸着領域を検知する低吸着領域検知部と、上記第1吸着部及び第2吸着部のうち相対的に上側に位置する一方を判定する判定部とを備え、上記制御部は、上記低吸着領域検知部により走行路上に上記低吸着領域を検知した場合に、上記低吸着領域に対する乗り越え動作を行う前に、上記判定部にて判定した上記第1吸着部及び第2吸着部のうち少なくとも相対的に上側に位置する一方を上記低吸着領域の間際の位置となるように制御する準備動作を実行することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、低吸着領域に対する乗り越え動作の成功率が高い走行装置を提供するという効果を奏する。
本発明の参考例1における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (a)は上記走行装置の構成を示す断面図であり、(b)は上記走行装置の構成を示す底面図である。 (a)〜(d)は、上記走行装置における2つの移動ユニットのうちのいずれか一方の駆動リングを駆動したときの走行装置の被吸着面での進行方向を示す平面図である。 上記走行装置が被吸着面を走行している様子を示す平面図である。 (a)は上記走行装置の走行動作の手順を示すフローチャートであり、(b)は上記走行装置の乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、上記走行装置の動作を示す平面図である。 本発明の参考例2における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置の走行動作の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、上記走行装置の動作を示す平面図である。 本発明の実施形態1における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置の走行動作の手順を示すフローチャートである。 (a)は上記走行装置の乗り越え動作の手順を示すものであって、低吸着領域に侵入した吸着部が重力方向に対して他方の吸着部より下方にある場合における乗り越え動作の手順を示すフローチャートであり、(b)は低吸着領域に侵入した吸着部が重力方向に対して他方の吸着部より上方にある場合における乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、低吸着領域に侵入した吸着部が重力方向に対して他方の吸着部より下方にある場合における乗り越え動作を示す平面図である。 (a)〜(c)は、低吸着領域に侵入した吸着部が重力方向に対して他方の吸着部より上方にある場合における乗り越え動作を示す平面図である。 本発明の参考例3における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置の走行動作の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、上記走行装置の動作を示す平面図である。 本発明の実施形態2における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (a)(b)は、実施形態1における走行装置の乗り越え動作を示す平面図であり、(c)〜(e)は、実施形態2における走行装置の乗り越え動作を示す平面図である。 本発明の参考例4における走行装置の構成を示す概略平面図である。 上記走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、通常時に上記走行装置が被吸着面を走行している様子を示す平面図である。 (a)は上記走行装置の走行動作の手順を示すフローチャートであり、(b)は、上記走行装置の乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、上記走行装置の動作を示す平面図である。 本発明の実施形態3における走行装置の構成を示す概略底面図である。 上記走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置の旋回動作を示す平面図である。 本発明の実施形態4における走行装置の構成を示す概略底面図である。 上記走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置の旋回動作を示す平面図である。 (a)は比較例としての走行装置の乗り越え動作を示すものであって、乗り越え動作に成功した様子を示す平面図であり、(b)は乗り越え動作に失敗した様子を示す平面図である。 (a)は比較例としての走行装置の乗り越え動作を示すものであって、重力方向に対して上方にある吸着部を回転中心として乗り越え動作を行う様子を示す平面図であり、(b)は重力方向に対して下方にある吸着部を回転中心として乗り越え動作を行う様子を示す平面図である。 (a)(b)は、比較例としての走行装置の乗り越え動作を示す平面図である。 (a)は従来の走行装置の構成を示す平面図であり、(b)は底面図である。 従来の他の走行装置の構成を示す斜視図である。
〔参考例1〕
以下、本発明の参考例について、詳細に説明する。また、以下の説明では、便宜上、壁面に対して垂直方向を上下方向とし、壁面から離れる側を上方、壁面側に近づく側を下方とする。
(走行装置の構成)
本参考例の走行装置1Aの構成について、図2の(a)(b)に基づいて説明する。図2の(a)は、本参考例における走行装置1Aの構成を示す断面図である。図2の(b)は、本参考例における走行装置1Aの構成を示す底面図である。
本参考例の走行装置1Aは、図2の(a)(b)に示すように、2つの円板状の移動ユニット2a・2bと、移動ユニット2a・2bを支持する筐体10とを備えている。2つの円板状の移動ユニット2a・2bは、図2の(b)に示すように、走行装置1Aが前進する方向に沿った仮想的な軸線Xに対して線対称になるように配置されている。移動ユニット2aは、第1吸着部としての吸着部22a、駆動部23a、清掃パッド24及び中空軸25を備えている。移動ユニット2bは、第2吸着部としての吸着部22b、駆動部23b、清掃パッド24及び中空軸25を備えている。
筐体10には、移動ユニット2a・2bをそれぞれ駆動する駆動モータ3a・3b、2つの押圧部4、2つの滑り軸受部5、2つの弾性材6、吸着部22a・22bにそれぞれ接続された負圧発生部としての第1ポンプ35a・第2ポンプ35b(図1参照)、圧力検知部としての第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32b、回路基板17A、電池36等が収容されている。
吸着部22a・22bは、可撓性材料で構成されており、移動ユニット2a・2bそれぞれの円盤状本体の略中央部に設けられている。吸着部22a・22bは、中空軸25に接続されており、被吸着面Wに接触するように設けられている。吸着部22a・22bの吸着面は、滑り性をよくするため、例えば、フッ素樹脂のコーティングや焼付きが施されていることが好ましい。
駆動部23a・23bは、回転体からなっている。駆動部23aは、駆動リング23aa、支持体23ab及び回転伝達出力部23acを備えている。同様に、駆動部23bは、走行駆動部材としての駆動リング23ba、支持体23bb及び回転伝達出力部23bcを備えている。駆動部23a・23bは、それぞれ駆動モータ3a・3bの回転を、それぞれ駆動リング23aa・23baに伝達し、駆動リング23aa・23baを回転駆動するものである。
駆動リング23aa・23baは、中空軸25を軸とした環状に構成されており、被吸着面Wに対向して設けられている。駆動リング23aa・23baは、それぞれ駆動モータ3a・3bによって、被吸着面Wに対して略垂直に延びた中空軸25を回転軸として回転駆動する。駆動リング23aa・23baの回転軸である中空軸25は、吸着動作中に、押圧部4が駆動リング23aa・23baの一部である筐体10の外殻側を押圧することにより、上記被吸着面Wの法線に対して傾斜する。これにより、駆動リング23aa・23baの一部が被吸着面Wに接触する。そして、駆動リング23aa・23baが回転すると、駆動リング23aa・23baと被吸着面Wとの間で摩擦力が生じ、この摩擦力により走行装置1Aに対して推進力が生じる。それゆえ、駆動リング23aa・23baは、被吸着面Wに対して滑りに難い材料、つまり摩擦抵抗性材料によって構成されている。駆動リング23aa・23baを構成する摩擦抵抗性材料としては、例えばシリコンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等が挙げられる。
支持体23ab・23bbは、駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24・24の上部に設けられており、駆動リング23aa・23baを支持している。この支持体23ab・23bbは、駆動リング23aa・23baと共に回転するものであり、回転中の駆動リング23aa・23baを支持するものである。
回転伝達出力部23ac・23bcは、筐体10の中央側に設けられている。駆動モータ3a・3bの駆動軸には、回転伝達入力部3aa・3baがそれぞれ接続されている。駆動モータ3a・3bを回転させることにより、回転伝達入力部3aa・3baからそれぞれ回転伝達出力部23ac・23bcへと力が伝達され、駆動部23a・23bが回転駆動する。回転伝達入力部3aa・3baから回転伝達出力部23ac・23bcへの回転伝達手段としては、歯車又はベルト等による伝達が挙げられる。本参考例の走行装置1Aでは、回転伝達出力部23ac・23bcはギヤ部にてなっており、回転伝達入力部3aa・3baから減速されて力が伝達され、駆動トルクが出力される。
このように駆動部23a・23bを構成することによって、吸着部22a・22b及び中空軸25を被吸着面Wに対して略垂直に設けることができる。
清掃パッド24は、駆動リング23aa・23baよりも外側に、被吸着面Wに接触して設けられている。清掃パッド24は、駆動リング23aa・23baと共に中空軸25を回転軸として回転する。また、駆動リング23aa・23baは、被吸着面Wを基準として、清掃パッド24よりも高い位置に配置されている。清掃パッド24は、その回転により、被吸着面Wにおける走行装置1Aの走行領域に存在する汚れを除去し塵埃を収集するためのものである。清掃パッド24を構成する材料は、駆動リング23aa・23baとは別であり、比較的柔軟な材料である。清掃パッド24を構成する材料としては、例えば、マイクロファイバーが覆われたスポンジ等が挙げられる。
中空軸25は、図2の(a)に示すように、筐体10に対して、球面座金を介して支持されている。中空軸25は、この球面座金に支持されることによって、筐体10に対して一定角度範囲で傾斜して可動する。そして、吸着部22a・22bは、中空軸25に接続されているので、中空軸25の角度の可動範囲内で傾斜可能になる。球面座金以外の構成としては、例えば自動調心玉軸受や自動調心コロ軸受等が挙げられる。
押圧部4は、筐体10に設けられており、駆動部23a・23bの上方に配置されている。押圧部4は、駆動リング23aa・23baを被吸着面Wへ向けて押圧するための部材である。
滑り軸受部5は、筐体10と駆動部23a・23bとの間に設けられ、駆動部23a・23bを回転可能に支持している。
弾性材6は、滑り軸受部5と筐体10との間に設けられ、滑り軸受部5の緩衝材としての機能を有している。
次に、本参考例の走行装置1Aの制御系30Aについて、図1に基づいて説明する。図1は、走行装置1Aにおける制御系30Aの構成を示すブロック図である。
走行装置1Aの制御系30Aは、図1に示すように、回路基板17Aを備えている。回路基板17Aには、CPUや専用プロセッサ等の演算処理部、及びRAM、ROM、HDD等の図示しない記憶部等により構成されるコンピュータ装置である。
回路基板17Aには、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b、加速度センサ37、ジャイロセンサ38、及び低吸着領域検知部としての段差センサ39等のセンサ、並びに電池36からの信号が入力されるようになっている。
また、回路基板17Aは、上記記憶部に記憶されている各種情報及び各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行し、第1ポンプ35a、及び第2ポンプ35b等の動作を制御する。
また、回路基板17Aには、制御部17Aaが設けられている。制御部17Aaは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3bを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23bの駆動を制御する。
第1負圧センサ32a及び第2負圧センサ32bは、それぞれ吸着部22a・22b及び被吸着面Wによって形成された吸着空間における負圧の圧力値を検出するセンサである。換言すれば、第1負圧センサ32a及び第2負圧センサ32bは、それぞれ吸着部22a・22bの吸着圧力を検知するためのセンサである。
加速度センサ37は、走行装置1Aの本体と重力方向との角度差を検知するセンサである。また、ジャイロセンサ38は、被吸着面Wを走行する走行装置1Aの角速度を測定するセンサである。加速度センサ37及びジャイロセンサ38は、被吸着面Wに吸着したときの、走行装置1Aの本体の姿勢を検知する。また、ジャイロセンサ38の値には誤差がでるので、加速度センサ37の値で補正することも可能である。
段差センサ39は、吸着部22a・22bが被吸着面Wと同一平面又は略同一平面に存在するか否かを検知するためのセンサである。段差センサ39は、図2の(b)に示すように、走行装置1Aの底面であって、各移動ユニット2a・2bの清掃パッド24の外側に、走行装置1Aの走行する前後方向のそれぞれ設けられる。すなわち、段差センサ39は、走行装置1Aに4つ設けられる。
段差センサ39は、被吸着面Wのうち吸着部22a・22bの吸着状態が崩れる領域、すなわち吸着部22a・22bの吸着性が基準よりも低い低吸着領域Dを検知するためのセンサである。低吸着領域Dは、例えば、被吸着面上に存在する溝、目地、板材の溶接の継ぎ目、段差、及び表面が粗い粗面等である。段差センサ39は、発光素子及び受光素子を備え、発光素子から光を照射したときに、反射光が返ってくる角度により、吸着部22a又は吸着部22bと被吸着面Wとの間に隙間が存在することを検知できるようになっている。吸着部22a又は吸着部22bと被吸着面Wとの間に隙間が存在する領域上に吸着部22a又は吸着部22bが侵入すると、吸着部22a又は吸着部22bの負圧がリークする。その結果、吸着部22a又は吸着部22bの吸着状態が崩れる。したがって、段差センサ39を設けることにより、吸着部22a又は吸着部22bの吸着状態を検知することができるようになっている。換言すれば、段差センサ39を設けることにより、被吸着面Wのうち吸着部22a・22bの吸着状態が崩れる領域である低吸着領域Dを検知することができるようになっている。つまり、段差センサ39は、吸着部22a・22bの吸着性が基準よりも低い低吸着領域を検知する低吸着領域検知部として機能する。
尚、本参考例の走行装置1Aでは、段差センサ39が低吸着領域検知部として機能する構成であるが、本発明の走行装置はこれに限られない。例えば、低吸着領域検知部として、圧力検知センサとしての第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bを用いてもよい。すなわち、第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bによって、吸着部22a又は吸着部22bの吸着圧力が基準を下回る場合、すなわち吸着部22a又は吸着部22bが被吸着面Wに吸着できる圧力を下回る場合、つまり大気圧以上の場合には、吸着部22a又は吸着部22bが吸着している箇所を、吸着部22a・22bの吸着性が低い状態となる低吸着領域Dであると検知する構成であってもよい。
本参考例の走行装置1Aは、段差センサ39が4つ設けられている構成であるが、本発明の走行装置はこれに限られない。例えば、走行装置の走行アルゴリズムによっては、段差センサ39は、各移動ユニット2a・2bの清掃パッド24の外側の進行方向の前方向にのみ設ける構成であってもよい。
第1ポンプ35a・第2ポンプ35bは、それぞれ吸着部22a・22b及び被吸着面Wによって形成された吸着空間に負圧を発生させる負圧発生部であり、真空ポンプ等の吸引ポンプからなっている。第1ポンプ35a・第2ポンプ35bは、回路基板17Aの制御部17Aaの指示により駆動が制御されている。
電池36は、第1ポンプ35a・第2ポンプ35b、駆動モータ3a・3b、及び回路基板17Aに動力を供給するための電源である。
(吸着走行時における走行装置の動作及び制御)
次に、上記の構成を備えた走行装置1Aの吸着走行時における動作及び制御について、図2の(a)(b)を参照して説明する。
まず、前記第1ポンプ35a・第2ポンプ35bを作動させることによって、図2の(a)に示すように、吸着部22a・22b及び被吸着面Wによって吸着空間が形成される。吸着部22a・22bは、可撓性材料で構成されているので、内部の空気が吸引されると変形する。この吸着部22a・22bの変形によって、筐体10は下方へ移動する。このとき、押圧部4は、筐体10と共に下方へ移動する。これにより、押圧部4が、移動ユニット2a・2bそれぞれにおいて駆動部23a・23bの支持体23ab・23bbを押圧する。押圧により、支持体23ab・23bbが下方へ移動することによって、駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24・24を被吸着面Wに向けて押圧する。
駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24それぞれの回転軸C1は、押圧部4により押圧されることによって、中空軸25に対して傾斜した回転軸C2となる。これにより、駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24・24は、移動ユニット2a・2bそれぞれにおける軸線Xとは反対側である外側端部において、被吸着面Wに当接する。このとき、移動ユニット2a・2bは被吸着面Wからの反力を受けるため、駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24・24の回転軸C2の方向にスラスト荷重が作用する。尚、スラスト荷重とは回転軸方向に発生する荷重をいう。
滑り軸受部5は、回転軸C2方向に作用するスラスト荷重を受ける。ここで、滑り軸受部5と筐体10との間には弾性材6が設けられているので、押圧部4により傾斜した駆動リング23aa・23baの回転体である支持体23ab・23bbに追従して、滑り軸受部5が駆動リング23aa・23baの回転体に均一に接触することができる。これにより、駆動リング23aa・23baの回転体の摩耗を抑制することができ、駆動リング23aa・23baを効率よく回転させることができる。尚、滑り軸受部5は、駆動リング23aa・23baの回転体との摩擦を抑制するために、滑り性の良い材料、例えば、ナイロン、POM(poly oxy methylene)、フッ素樹脂、バイメタル金属等から成るスラストワッシャー等が挙げられる。また、弾性材6としては、例えば、圧縮バネ、ゴム、スポンジ等が挙げられる。
このように、駆動リング23aa・23baが被吸着面Wに接触している状態で、駆動部23a・23bを駆動させると、回転駆動する駆動リング23aa・23baと被吸着面Wとの接面点に摩擦力が生じる。そして、移動ユニット2a・2bには、この摩擦力と反対方向の推進力が生じる。この推進力により、走行装置1Aは、被吸着面W上を走行する。
ここで、本参考例における走行装置1Aは、吸着時に、駆動部23a・23b及び清掃パッド24・24が押圧部4により傾斜する一方、吸着部22a・22b及び中空軸25は傾斜しない。換言すれば、吸着時においても、吸着部22a・22b及び中空軸25は、被吸着面Wに対して略垂直な状態となる。
このように、本参考例における走行装置1Aでは、被吸着面Wに対して略垂直に吸着部22a・22b及び中空軸25を配置することができる。このため、走行装置1Aは、吸着部22a・22bが被吸着面Wに吸着し易くなる。また、吸着し易くなるということは、吸着部22a・22b内の気密性が崩れ難く、剥がれ難くなるということでもある。したがって、障害物や外乱等の影響があっても吸着状態を維持し易くなる。
さらに、本参考例における走行装置1Aにおいては、吸着部22a・22bが駆動リング23aa・23ba及び清掃パッド24・24の内輪側に配置されている。それゆえ、被吸着面Wが汚れている場合、走行装置1Aが移動する領域において、少なくとも一度清掃パッド24・24が通過した後に、吸着部22a・22bが通過することになる。したがって、被吸着面Wに付着した汚れを一度除去してから吸着部22a・22bが通過するので、吸着性を維持し易い構成とすることができる。
(走行装置の走行パターン)
本参考例における走行装置1Aは、移動ユニット2a・2bの各駆動リング23aa・23baが被吸着面Wに対して外側部分だけが片当たりの状態で接地することによって、各駆動リング23aa・23baの回転方向により走行装置1Aの進行方向を制御する。各駆動リング23aa・23baの駆動制御は、制御部17Aaが行う。
走行装置1Aの具体的な走行パターンについて、図3の(a)〜(d)に基づいて説明する。図3の(a)〜(d)は、移動ユニット2a・2bのうちのいずれか一方の駆動リング23aa・23baを駆動したときの走行装置1Aの被吸着面Wでの進行方向を示す平面図である。
走行装置1Aは、まず、作業者によって被吸着面Wに押し当てられる。その際、被吸着面Wと吸着部22a・22bとによって、吸着空間が形成される。形成された各吸着空間は、それぞれ第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bによって負圧状態となるため、被吸着面Wに対する吸着力が走行装置1Aに発生する。この吸着力により、2つの各吸着部22a・22bの両方の吸着面が撓みながら被吸着面Wに接触し、これにより、移動ユニット2a・2bの各駆動リング23aa・23baも被吸着面Wに接触する。このとき、各駆動リング23aa・23baは押圧部4・4によって各駆動リング23aa・23baにおける、走行装置1Aの外殻側が被吸着面Wに近い状態となるように傾斜している。このため、各駆動リング23aa・23baは、走行装置1Aの外殻側のみが被吸着面Wに接地する。すなわち、図3の(a)〜(d)における移動ユニット2a・2bの各駆動リング23aa・23baの左右端のみが被吸着面Wに接触する。
この状態において、図3の(a)に示すように、左側の移動ユニット2aの駆動リング23aaを駆動する前記駆動モータ3aを無励磁状態とし、つまり駆動モータ3aを停止させ、右側の移動ユニット2bの駆動リング23baを時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2aの中心点を中心として、反時計回り方向CCWに旋回する。
また、図3の(b)に示すように、左側の移動ユニット2aの駆動リング23aaを駆動する駆動モータ3aを無励磁状態とし、右側の移動ユニット2bの駆動リング23baを反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2aの中心点を中心として、時計回り方向CWに旋回する。
さらに、図3の(c)に示すように、右側の移動ユニット2bの駆動リング23baを駆動する駆動モータ3bを無励磁状態とし、左側の移動ユニット2aの駆動リング23aaを時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2bの中心点を中心として、反時計回り方向CCWに旋回する。
さらに、図3の(d)に示すように、右側の移動ユニット2bの駆動リング23baを駆動する駆動モータ3bを無励磁状態とし、左側の移動ユニット2aの駆動リング23aaを反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2bの中心点を中心として、時計回り方向CWに旋回する。
これらの動作は、移動ユニット2a・2bのいずれか一方の中心点を中心として旋回する動作であるため、旋回しない他方の吸着部22a又は吸着部22bと被吸着面Wとの相対移動量が小さいため、旋回しない吸着部内の負圧状態が崩れる可能性は低く、安全な動作であると言える。したがって、本参考例の走行装置1Aは、上記動作を基本的な動作形態とするようになっている。以降、上記の動作を通常動作と呼ぶ。
また、移動ユニット2aの中心点を中心として、換言すれば吸着部22aを中心として、走行装置1Aを旋回させる動作、換言すれば吸着部22b側を旋回させる動作を第1旋回動作とする。同様に、移動ユニット2bの中心点を中心として、換言すれば吸着部22bを中心として、走行装置1Aを旋回させる動作、換言すれば吸着部22a側を旋回させる動作を第2旋回動作とする。
尚、第1旋回動作において、回転中心の位置は、吸着部22aの中心の位置と必ずしも完全に一致する必要はなく、吸着部22aの位置の近傍であればよく、少なくとも回転中心の位置が相対的に吸着部22bよりも吸着部22aの近傍側に位置していればよい。同様に、第2旋回動作において、回転中心の位置は、吸着部22bの中心の位置と必ずしも完全に一致する必要はなく、吸着部22bの位置の近傍であればよく、少なくとも回転中心の位置が相対的に吸着部22aよりも吸着部22bの近傍側に位置していればよい。また、第1旋回動作、または第2旋回動作の際に、旋回の動きに比べて十分少量であれば、走行装置1Aが被吸着面W上をドリフトする動きを含んでいてもよい。
図4は、走行装置1Aが上記の動作を行い、被吸着面Wを走行している様子を示す平面図である。尚、図4では、図を理解しやすくなるように、走行装置1Aを簡略化して図示している。
走行装置1Aは、図4に示すように、上述した各種の走行パターンを用いて、被吸着面Wを走行する。具体的には、走行装置1Aは、図3の(a)及び図3の(d)の走行パターンを交互に行う。すなわち、駆動部23bの中心点を中心として時計回り方向CWに旋回する動作、及び駆動部23aの中心点を中心として反時計回り方向CCWに旋回する動作を交互に行うことにより、被吸着面Wを走行する。尚、一度の旋回により旋回する角度は、10°〜90°の範囲で適宜設定すればよい。本参考例では、一度の旋回あたり90°旋回するものとする。
移動ユニット2a又は2bが一度の旋回により旋回する角度は、ジャイロセンサ38によって走行装置1Aの相対的な姿勢変化を検知することにより制御する。しかし、本発明の走行装置における一度の旋回により旋回する角度の制御は、これに限られるものでは無い。例えば、被吸着面Wが水平面でない場合には、加速度センサ37によって、走行装置と重力方向との角度差を検知することにより一度の旋回により旋回する角度を制御する構成とするこができる。また、駆動モータ3a・3bへの通電時間・電流・電圧によって一度の旋回により旋回する角度を制御する構成とすることができる。
(比較例の走行装置の乗り越え動作)
次に、比較例の走行装置1Xの低吸着領域Dの乗り越え動作について、図31の(a)(b)に基づいて説明する。図31の(a)は、比較例としての走行装置1Xの低吸着領域Dの乗り越え動作を示すものであって、乗り越え動作に成功した様子を示す平面図である。図31の(b)は、乗り越え動作に失敗した様子を示す平面図である。
以下に、比較例の走行装置1Xが低吸着領域Dの乗り越え動作に成功する場合及び乗り越え動作に失敗する場合について説明する。
比較例の走行装置1Xが被吸着面上に存在する低吸着領域Dの乗り越え動作を行う場合、移動ユニット2aの吸着部22aが低吸着領域Dに侵入した時に、移動ユニット2bの吸着部22bが低吸着領域Dの近傍に存在している場合がある。このような場合には、図31の(a)に示すように、駆動部23aの駆動を続けると、吸着部22aは、低吸着領域Dを乗り越えて、乗り越えた先の被吸着面Wに再吸着することができる。すなわち、乗り越え動作に成功した状態となる。
一方、図31の(b)に示すように、移動ユニット2aの吸着部22aが低吸着領域Dに侵入した時に、移動ユニット2bの吸着部22bが低吸着領域Dから離れた位置に存在している場合がある。このような場合には、駆動部23aの駆動を続けたとしても、吸着部22aは、未だ低吸着領域Dの上方に存在している。そのため、吸着部22aは、被吸着面Wに吸着することができない。すなわち、乗り越え動作に失敗した状態となる。
以上のように、比較例の走行装置1Xは、一方の吸着部が低吸着領域Dに侵入した場合、他方の吸着部と低吸着領域Dとの距離が一定でない。そのため、他方の吸着部と低吸着領域Dとの距離が長くなることがある。他方の吸着部と低吸着領域Dとの距離が長くなると、乗り越え動作に失敗する可能性が高くなってしまうという問題点を有している。
本発明の走行装置1Aは、上記の問題を解決することができるようになっている。
(走行装置の乗り越え動作)
次に、本参考例の走行装置1Aの動作について図5及び図6に基づいて説明する。図5の(a)は、走行装置1Aの走行動作の手順を示すものであって、走行装置1Aの走行動作の手順を示すフローチャートである。図5の(b)は、走行装置1Aの乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。図6の(a)〜(e)は、走行装置1Aの動作を示す平面図である。
まず、走行装置1Aは、図5の(a)及び図6の(a)に示すように、通常動作を行い、被吸着面Wを走行する(S1)。通常動作を行っている間、回路基板17Aは、段差センサ39によって、吸着部22a・22bの吸着状態が崩れているか否かを検知する(S2)。段差センサ39によって、吸着部22a・22bの吸着状態が崩れていないことを検知している間(S2でNo)、走行装置1Aは通常動作を続ける。
一方、図6の(b)に示すように、移動ユニット2a・2bのうち一方の移動ユニット2bが低吸着領域Dに侵入する場合がある。この場合、移動ユニット2bの吸着部22bの吸着状態が崩れる。段差センサ39によって、移動ユニット2bの吸着部22bの吸着状態が崩れたことを検知する(S2でYes)と、走行装置1Aは、乗り越え動作1(S3)を開始する。
ここで、走行装置1Aの乗り越え動作1(S3)について説明する。尚、以降では、移動ユニット2a・2bのうち移動ユニット2bの吸着部22bの吸着状態が崩れた場合について説明する。移動ユニット2aの吸着部22aの吸着状態が崩れた場合も同様の動作を行うため説明を省略する。
まず、制御部17Aaは、図5の(b)に示すように、吸着状態の崩れた移動ユニット2bの駆動部23bの駆動を停止させる(S31)。
次に、図6の(c)に示すように、制御部17Aaは、吸着部22bの吸着状態が回復するまで、移動ユニット2bの駆動部23bを通常動作で回転していた方向とは逆方向に回転駆動させ、吸着部22bを通常動作とは逆方向に旋回させる(S32)。吸着部22bを通常動作とは逆方向への旋回を行っている間、回路基板17Aは、段差センサ39によって吸着部22bの吸着状態が回復するか否か検知する。そして、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復していないことを検知している間、制御部17Aaは、吸着部22bの通常動作とは逆方向への旋回を続ける。そして、段差センサ39によって吸着部22bの吸着状態が回復したことを検知すると、制御部17Aaは、駆動部23bの回転駆動を停止させる(S33)。これにより、吸着部22bが低吸着領域Dの間際に位置する。尚、吸着部22bを低吸着領域Dの間際に位置させる動作を準備動作と呼ぶ。
尚、吸着部22bを通常動作とは逆方向への旋回させる速度を、通常動作で旋回させる速度に比べて遅くすることが好ましい。これにより、吸着部22bを低吸着領域Dのより近い位置に位置させることができる。
ここで、「間際」について説明する。吸着部22a・22bの一部が低吸着領域Dに重なる場合、吸着部22a・22bと低吸着領域Dとの重なりの度合いが多くなるにつれて、吸着部22a・22bの被吸着面Wへの吸着度が低下していき、最終的に吸着部22a・22bの被吸着面Wへの吸着性が完全に失われる。本願で記載する低吸着領域Dの間際の位置とは、吸着部22a・22bの吸着性が十分維持される程度に吸着部22a・22bを低吸着領域に近づけた位置を意味する。
具体的には、低吸着領域Dの間際の位置とは、段差センサ39により低吸着領域Dを検知し、検知した低吸着領域Dの境界部と吸着部22bの外縁部との距離dが設定範囲となる位置である。例えば、上記設定範囲の例としては1mm<d<5mmである。
また、低吸着領域検知部として、圧力検知センサとしての第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bを用いる場合には、第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bにより吸着部22a又は吸着部22bの吸着圧力を検知することにより、吸着部22a又は吸着部22bの一部が低吸着領域Dに重なることによる吸着性の低下を検知する。そして、吸着部22a又は吸着部22bの吸着性が十分回復した状態で、図5のステップS32における第1旋回動作又は第2旋回動作を停止させる。これにより、吸着部22a又は吸着部22bを低吸着領域Dの間際に位置させることができる。吸着部22a・22bの吸着性が十分回復した圧力(既定の範囲内の圧力)とは、例えば、吸着部22a・22bの吸着空間の正常減圧時の圧力が大気圧よりも40kPa低い圧力であるならば、減圧差圧が10%少ない36kPaとなった状態である。
次に、制御部17Aaは、図6の(d)に示すように、吸着部22aを通常動作と同方向へ旋回させるように駆動部23aを回転駆動する。これにより、吸着部22aは、通常動作と同方向へ旋回する(S34)。
次に、吸着部22aが通常動作と同方向へ旋回すると、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入する。吸着部22aが低吸着領域Dに侵入すると、吸着部22aの吸着状態が崩れる(S35)。
制御部17Aaは、吸着部22aの吸着状態が崩れた後においても、吸着部22aが通常動作と同方向へ旋回するように、駆動部23aを回転駆動する(S36)。このとき、回路基板17Aは、段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復するか否か検知する(S37)。段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復していないことを検知している間(S37でNo)、制御部17Aaは、吸着部22aの通常動作と同方向への旋回を続けさせる。
一方、段差センサ39が吸着部22aの吸着状態が回復したことを検知すると(S37でYes)、制御部17Aaは、乗り越え動作に成功したと判断し、乗り越え動作1を終了する。
次に、走行装置1Aは、図6の(e)に示すように、移動ユニット2b側から通常動作を開始する(S1)。
このように、本参考例における走行装置1Aは、被吸着面Wに吸着する2つの吸着部22a・22bと、吸着部22a・22b毎に設けられた駆動部23a・23bとを備え、被吸着面Wに吸着しながら駆動部23a・23bにて走行する。そして、吸着部22a・22b毎に吸着状態を検知する段差センサ39と、1つの吸着部22aを中心に他の1つの吸着部22bを旋回させる動作を交互に行って走行する際、他の1つの吸着部22bが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、他の1つの吸着部22bを逆旋回して上記1つの吸着部22aの現在位置よりも低吸着領域Dに近い位置に配置した後、上記他の1つの吸着部22bを中心に上記1つの吸着部22aを旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部23a・23bを制御する制御部17Aaとを備えている。尚、1つの吸着部22a・22bの現在位置とは、該1つの吸着部22a・22bを中心に他の1つの吸着部22a・22bを旋回させて、該低吸着領域Dに侵入したときの、該1つの吸着部22a・22bの位置をいう。
上記の構成によれば、吸着部22a・22b毎に吸着状態を検知することができる段差センサ39を備えていることにより、吸着部22a・22bが低吸着領域Dに侵入したことを検知することができる。そして、制御部17Aaは、低吸着領域Dの乗り越える動作を行う前に、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bを吸着部22aの現在位置よりも低吸着領域D側つまり低吸着領域Dに近い位置に移動させる。そして、低吸着領域D側に移動させた吸着部22bを中心に旋回させて低吸着領域Dの乗り越え動作を行う。これにより、走行装置1Aは、従来の走行装置と比べて、より長い距離の低吸着領域Dを乗り越えることができる。したがって、走行装置1Aは、低吸着領域Dの乗り越え動作の成功率が高いものとなっている。
〔参考例2〕
本発明の他の参考例について図7〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本参考例において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本参考例の走行装置1Bは、低吸着領域Dの乗り越え動作を失敗した際に、低吸着領域Dに侵入している吸着部22a又は吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う点が、参考例1の走行装置1Aとは異なっている。
(走行装置の構成)
本参考例の走行装置1Bの構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、走行装置1Bの制御系30Bの構成を示すブロック図である。
走行装置1Bの制御系30Bは、図7に示すように、回路基板17Bを備えている。回路基板17Bには、制御部17Baが設けられている。制御部17Baは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3bを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23bの動作を制御する。
(走行装置の動作)
次に、本参考例の走行装置1Bの動作について図8及び図9に基づいて説明する。図8は、走行装置1Bの動作の手順を示すフローチャートである。図9の(a)〜(c)は、走行装置1Bの動作を示す平面図である。
走行装置1Bの乗り越え動作は、図8に示すように、ステップS31〜ステップS36に関して、参考例1の走行装置1Aの乗り越え動作と同じである。したがって、走行装置1Bの乗り越え動作について、ステップS31〜ステップS36の説明は省略する。
走行装置1Bが走行する被吸着面Wには、図9の(a)〜(c)に示すように、低吸着領域Dが、走行装置1Bの進行方向に対する長さが長い場合がある。このような場合、参考例1における走行装置1Aでは、ステップS36及びステップS37において、吸着部22aを通常動作と同方向へ、例えば180度以上旋回させたとしても、吸着部22aの吸着状態を回復させることができず、乗り越え動作に失敗した状態となる。
そこで、本参考例の走行装置1Bでは、乗り越え動作のステップS38において、段差センサ39によって吸着部22aの吸着状態が回復しないことを検知した場合(S38でNo)、回路基板17Bは、吸着部22aが旋回し始めてから所定の角度、例えば180度旋回したかどうかを判断する(S41)。
吸着部22aの旋回角度が180度未満である場合(S41でNo)、制御部17Baは、吸着部22aの通常動作と同方向への旋回を続ける(S36)。
一方、図9の(b)に示すように、吸着部22aの旋回角度が180度以上になった場合(S41でYes)、すなわち、乗り越え動作に失敗した場合、制御部17Baは、吸着部22aを通常動作と逆方向へ旋回させる。これにより、吸着部22aは、通常動作と逆方向へ旋回する(S42)。この結果、図9の(c)に示すように、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻すことができ、吸着部22aが被吸着面Wに再吸着することができる(S43)。
以上のように、本参考例における走行装置1Bは、低吸着領域Dの乗り越え動作に失敗した場合に、低吸着領域Dの乗り越え動作を行っている吸着部22a又は吸着部22bを元の被吸着面Wに戻すことができるようになっている。
尚、上記の説明では、ステップS42において、制御部17Baは、駆動リング23aaを時計回り方向CWに回転駆動させることにより、吸着部22aを通常動作と逆方向へ旋回させる構成であったが、本発明の走行装置は、これに限られない。すなわち、吸着部22aを通常動作と逆方向へ旋回させるために、移動ユニット2bの駆動リング23baを時計回り方向CWに回転させることもできる。これにより、低吸着領域Dに面が存在していない場合や、低吸着領域Dがきわめて摩擦力が働きにくい面である場合において、確実に吸着部22aを通常動作と逆方向へ旋回させることができる。
このように、本参考例における走行装置1Bでは、制御部17Baは、低吸着領域Dの乗り越え動作を行うときに、一方の吸着部22bを中心に他方の吸着部22aを旋回させても、段差センサ39の検知により低吸着領域Dを乗り越えられないことを検知した場合には、乗り越え動作を行うときに旋回した他方の吸着部22aを逆旋回して旋回前の位置に戻すように駆動部23a・23bを制御する。
これにより、制御部17Baは、乗り越え動作を失敗した場合において、低吸着領域Dを乗り越えようとしている吸着部22aを逆旋回させ、旋回前の位置に戻させる。これにより、走行装置1Bは、被吸着面Wを再度走行することができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1における走行装置1Cについて図10〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の走行装置1Cは、被吸着面Wが水平面でない場合において低吸着領域Dの乗り越え動作を行う際に、低吸着領域Dの間際に位置させる吸着部を選択する点が、参考例1における走行装置1Aとは異なる。
(乗り越え動作における課題)
まず、被吸着面Wが水平面でない場合において、比較例としての走行装置1Yが旋回する際の負荷の大きさについて説明する。
走行装置1Yが、重力方向に対して上方の吸着部を中心として旋回する場合、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して上方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が大きくなる。
一方、走行装置1Yが、重力方向に対して下方の吸着部を中心として旋回する場合、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して下方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が小さくなる。
走行装置1Yの乗り越え動作における課題について、図32の(a)(b)を参照しながら説明する。図32の(a)は、被吸着面Wが水平面でない場合において、走行装置1Yが低吸着領域Dを乗り越える動作を示すものであって、重力方向に対して上方の吸着部22aを旋回中心として乗り越え動作を行う動作を示す平面図である。図32の(b)は重力方向に対して下方の吸着部22bを旋回中心として乗り越え動作を行う動作を示す平面図である。
走行装置1Yが低吸着領域Dの乗り越え動作を行う際、図32の(a)に示すように、重力方向に対して上方の吸着部22aを旋回中心として乗り越え動作を行う場合と、図32の(b)に示すように、重力方向に対して下方の吸着部22bを旋回中心として乗り越え動作を行う場合とがある。
走行装置1Yが、図32の(a)に示すように、重力方向に対して上方の吸着部22aを旋回中心として乗り越え動作を行う場合、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して上方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が大きくなる。そして、走行装置1Yが乗り越え動作に失敗した場合、吸着部22bを逆方向へ旋回させる。この際、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して下方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が小さくなる。
一方、走行装置1Yが、図32の(b)に示すように、重力方向に対して下方の吸着部22bを旋回中心として乗り越え動作を行う場合、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して下方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が小さくなる。そして、走行装置1Yが乗り越え動作に失敗した場合、吸着部22aを逆方向へ旋回させる。この際、走行装置1Yの重心位置は重力方向に対して上方へ移動する。このため、旋回駆動の際の負荷が大きくなる。
走行装置1Yが乗り越え動作を行う際、乗り越え動作に失敗する場合がある。このとき、走行装置1Yは、低吸着領域Dに侵入した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を行う。この際、低吸着領域Dに侵入した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作ができなくなってしまうと、走行装置1Yを動かすことができなくなってしまい、走行装置1Yを回収することができなくなるなどの問題が発生する可能性がある。そのため、低吸着領域Dに侵入した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を確実に行うことができることが好ましい。したがって、走行装置1Yの乗り越え動作を行う場合には、低吸着領域Dに侵入した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作のための負荷は小さくなるように、重力方向に対して上方の吸着部22aを旋回中心として乗り越え動作を行うことが好ましい。
しかしながら、参考例1における走行装置1Aでは、低吸着領域Dに侵入した吸着部を低吸着領域Dの間際に位置させて、該吸着部を旋回中心として乗り越え動作を行う構成である。そのため、走行装置1Aは、乗り越え動作を行う際に、旋回中心となる吸着部の重力方向に対する位置は、上方である場合と下方である場合とのどちらの場合もありうる。
そこで、本実施形態の走行装置1Cでは、乗り越え動作を行う際に、重力方向に対して上方にある吸着部を中心として旋回するようになっている。
(走行装置の構成)
本実施形態の走行装置1Cの構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、走行装置1Cの制御系30Cの構成を示すブロック図である。
走行装置1Cの制御系30Cは、図10に示すように、回路基板17Cを備えている。回路基板17Cには、制御部17Caが設けられている。制御部17Caは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3bを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23bの動作を制御する。
(走行装置の動作)
次に、本実施形態の走行装置1Cの動作について図11〜図14に基づいて説明する。図11は、走行装置1Cの動作の手順を示すフローチャートである。図12は走行装置1Cの乗り越え動作の手順を示すものであり、(a)は、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にある場合における、走行装置1Cの乗り越え動作の手順を示すフローチャートであり、(b)は、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも上方にある場合における、走行装置1Cの乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。図13の(a)〜(d)は、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にある場合における、走行装置1Cの乗り越え動作を示す平面図である。図14の(a)〜(c)は、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも上方にある場合における、走行装置1Cの乗り越え動作を示す平面図である。尚、以降で説明する例では、吸着部22a・22bのうち、吸着部22bが低吸着領域Dに侵入したとして説明する。吸着部22aが低吸着領域Dに侵入した場合も同様の動作を行うため、説明を省略する。
まず、走行装置1Cは、図11、図13の(a)、及び図14の(a)に示すように、通常動作を行い、被吸着面Wを走行する(S51)。通常動作を行っている間、回路基板17Cは、段差センサ39によって、吸着部22a・22bの吸着状態が崩れているか否かを検知する(S52)。段差センサ39によって、吸着部22a・22bの吸着状態が崩れていないことを検知している間(S52でNo)、走行装置1Cは通常動作を続ける(S52でNo)。
一方、吸着部22a・22bのうち一方の吸着部22bが低吸着領域Dに侵入する場合がある。この場合、移動ユニット2bの吸着部22bの吸着状態が崩れる。段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が崩れたことを検知する(S52でYes)と、制御部17Caは、駆動部23bの回転駆動を停止させる(S53)。
次に、回路基板17Cは、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが、重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあるかどうかを判定する(S54)。吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあるかどうかの判定は、判定部としての加速度センサ37によって重力加速度の働く方向を検知することによって行われる。ただし、本発明の走行装置では、吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあるかどうかの判定は、加速度センサ37によるものに限られない。例えば、予め走行装置1Cを水平面に設置して水平面を認識するように構成されたジャイロセンサ38を用いて、走行装置1Cの各軸の回転角速度情報を蓄積することにより、吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあるかどうかを判断してもよい。また、走行装置1C内に鐘を設置して、鐘の動き・傾きにより、吸着部22bが重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあるかどうかを判断してもよい。
加速度センサ37によって、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが、重力方向に対して吸着部22aよりも下方にあると判定した場合(S54でYes)、走行装置1Cは乗り越え動作2(S55)を行い、吸着部22bが低吸着領域Dを乗り越える。走行装置1Cの乗り越え動作2の詳細な説明は、後述する。
一方、加速度センサ37によって、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bが、重力方向に対して吸着部22aよりも上方にあると判定した場合(S54でNo)、走行装置1Cは乗り越え動作3(S56)を行い、吸着部22bが低吸着領域Dを乗り越える。走行装置1Cの乗り越え動作3の詳細な説明は、後述する。
乗り越え動作2、又は乗り越え動作3を行った後、すなわち、吸着部22bが低吸着領域Dを乗り越えた後、走行装置1Cは、通常動作で被吸着面Wを走行する。(S57)。
次に、走行装置1Cの乗り越え動作2について説明する。
まず、制御部17Caは、図12の(a)及び図13の(b)に示すように、吸着部22bの吸着状態が回復するまで吸着部22bを通常動作と逆方向に旋回させる(S61)。
次に、制御部17Caは、吸着部22bの吸着状態が回復すると、駆動部23bの回転駆動を停止させる(S62)。
次に、制御部17Caは、図13の(c)に示すように、吸着部22aを通常動作と同方向に旋回させる(S63)。これにより、移動ユニット2aは、低吸着領域Dに侵入するため、吸着部22aの吸着状態が崩れる(S64)。
吸着部22aの吸着状態が崩れると、制御部17Caは、駆動部23aの回転駆動を停止させる(S65)。
次に、制御部17Caは、吸着部22aの吸着状態が回復するまで吸着部22aを通常動作と逆方向に旋回させる(S61)。
次に、制御部17Caは、吸着部22aの吸着状態が回復すると、吸着部22aの旋回を停止させる(S62)。これにより、吸着部22aは、低吸着領域Dの間際に位置する。
次に、図13の(d)に示すように、制御部17Caは、吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる(S68)。すなわち、制御部17Caは、吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する吸着部22aを中心とした旋回動作を行わせることにより、低吸着領域Dに対する乗り越え動作を行うように制御する。
次に、吸着部22bが通常動作と同方向へ旋回すると、移動ユニット2bが低吸着領域Dに侵入する。移動ユニット2bが低吸着領域Dに侵入すると、吸着部22bの吸着状態が崩れる(S69)。
制御部17Caは、吸着部22bの吸着状態が崩れた後においても、吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる(S70)。このとき、回路基板17Cは、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復するか否か検知する(S71)。段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復していないことを検知している間(S71でNo)、制御部17Caは、吸着部22bの通常動作と同方向への旋回を続けさせる。
一方、段差センサ39が吸着部22bの吸着状態が回復したことを検知すると(S71でYes)、制御部17Caは、乗り越え動作に成功したと判断し、乗り越え動作2を終了する。
以上のように、走行装置1Cの乗り越え動作2では、吸着部22bが低吸着領域Dを乗り越える際、重力方向に対して上方にある吸着部22aを中心として旋回するように制御する。これにより、吸着部22bの乗り越え動作に失敗して、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、走行装置1Cでは、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷を小さくすることができ、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作に失敗する可能性を小さくすることができる。
次に、走行装置1Cの乗り越え動作3について説明する。
まず、制御部17Caは、図12の(b)及び図14の(b)に示すように、吸着部22bの吸着状態が回復するまで吸着部22bを通常動作と逆方向に旋回させる(S81)。
次に、制御部17Caは、吸着部22bの吸着状態が回復すると、吸着部22bの旋回を停止させる(S82)。これにより、吸着部22bは、低吸着領域Dの間際に位置する。
次に、図14の(c)に示すように、制御部17Caは、吸着部22aを通常動作と同方向へ旋回させる(S83)。すなわち、制御部17Caは、吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する吸着部22bを中心とした旋回動作を行わせることにより、低吸着領域Dに対する乗り越え動作を行うように制御する。
次に、吸着部22aが通常動作と同方向へ旋回すると、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入する。吸着部22aが低吸着領域Dに侵入すると、吸着部22aの吸着状態が崩れる(S84)。
制御部17Caは、吸着部22aの吸着状態が崩れた後においても、吸着部22aを通常動作と同方向へ旋回させる(S85)。このとき、回路基板17Cは、段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復するか否か検知する(S86)。段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復していないことを検知している間(S86でNo)、制御部17Caは、吸着部22aの通常動作と同方向への旋回を続けさせる。
一方、段差センサ39が吸着部22aの吸着状態が回復したことを検知すると(S86でYes)、制御部17Caは、乗り越え動作に成功したと判断し、乗り越え動作3を終了する。
以上のように、走行装置1Cの乗り越え動作3では、吸着部22aが低吸着領域Dを乗り越える際、重力方向に対して上方にある吸着部22bを中心として旋回するように制御する。これにより、吸着部22aの乗り越え動作に失敗して、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、走行装置1Cでは、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻す動作に失敗する可能性を小さくすることができる。
このように、本実施形態における走行装置1Cでは、前記被吸着面としての壁面を走行する際に、装置本体の重力方向に対する姿勢を検知する加速度センサ37を備えており、駆動部23bの吸着部22bが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、加速度センサ37にて吸着部22a・22bのうちのいずれが上方に存在するかを検知する。そして、制御部17Caは、吸着部22bが吸着部22aよりも高い位置に存在すると加速度センサ37にて検知された場合には、吸着部22bを逆旋回して低吸着領域D外における吸着部22aの現在位置よりも低吸着領域D側に配置した後、吸着部22bを中心に吸着部22aを旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部23a・23bを制御する。一方、制御部17Caは、吸着部22bが吸着部22aよりも低い位置に存在すると加速度センサ37にて検知された場合には、吸着部22bを逆旋回して低吸着領域D外における吸着部22aの現在位置よりも低吸着領域D側に配置し、吸着部22bを中心に吸着部22aを旋回させて、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22aを逆旋回して吸着部22bの現在位置以上に低吸着領域D外の低吸着領域D側に配置した後、吸着部22aを中心に吸着部22bを旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部を制御する。
これにより、吸着部の乗り越え動作に失敗して、該吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、走行装置1Cでは、吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を小さくすることができる。
また、別の表現を用いると、本実施形態の走行装置1Cは、被吸着面Wに吸着する吸着部22a及び吸着部22bと、被吸着面W上を走行するための駆動部23a・23bと、吸着部22a、吸着部22b及び駆動部23a・23bをそれぞれ制御する制御部17Caとを備える。そして、吸着部22aを中心として吸着部22b側を旋回動作する第1旋回動作と、吸着部22bを中心として吸着部22a側を旋回動作する第2旋回動作とを交互に行うことにより被吸着面W上を走行する。さらに、被吸着面Wのうち吸着部22a又は吸着部22bの吸着性が基準よりも低い低吸着領域Dを検知する段差センサ39と、吸着部22a吸着部22bのうち相対的に上側に位置する一方を判定する加速度センサ37とを備え、制御部17Caは、段差センサ39により走行路上に低吸着領域Dを検知した場合に、低吸着領域Dに対する乗り越え動作を行う前に、加速度センサ37にて判定した吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する一方を低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する準備動作を実行する。
上記の構成によれば、走行装置1Cは、段差センサ39を備えている。これにより、被吸着面Wのうち吸着部22a又は吸着部22bの吸着性が基準よりも低い低吸着領域Dを検知することができる。また、走行装置1Cは、加速度センサ37を備えている。これにより、吸着部22a及び吸着部22bのうちどちらが相対的に上側に位置しているかを判定することができる。そして、段差センサ39により走行路上に低吸着領域Dを検知すると、制御部17Caは、吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する一方を低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する準備動作を実行する。これにより、低吸着領域Dに対する乗り越え動作を行う際に、従来の走行装置と比べて、より長い距離の低吸着領域Dを乗り越えることができる。さらに、吸着部22a又は吸着部22bの乗り越え動作に失敗し、乗り越え動作に失敗した吸着部22a又は吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、乗り越え動作に失敗した吸着部22a又は吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、乗り越え動作に失敗した吸着部22a又は吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を小さくすることができる。
また、本実施形態における走行装置1Cは、低吸着領域検知部として、吸着部22a・22bの吸着圧力をそれぞれ検知する第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bを備える構成であってもよい。そして、第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bは、検知した吸着圧力の値が規定の範囲外である場合に、吸着部22a又は吸着部22bの吸着箇所を低吸着領域Dとして検知する。
上記の構成によれば、第1負圧センサ32a・第2負圧センサ32bを備える。これにより、吸着部22a又は吸着部22bの吸着圧力の値が規定の範囲外である場合に、吸着部22a又は吸着部22bの吸着箇所を低吸着領域Dとして検知することができる。
また、本実施形態における走行装置1Cでは、制御部17Caは、第1旋回動作又は第2旋回動作において、低吸着領域検知部としての段差センサ39が吸着部22b又は吸着部22aの吸着箇所に低吸着領域Dを検知した場合は、第1旋回動作又は第2旋回動作とは逆方向の旋回動作を行うことにより、低吸着領域Dを検知した吸着部22b又は吸着部22aの位置が低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する。
上記の構成によれば、第1旋回動作又は第2旋回動作とは逆方向の旋回動作を行うことにより、低吸着領域Dを検知した吸着部22b又は吸着部22aの位置が低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する。これにより、低吸着領域Dに侵入した吸着部22b又は吸着部22aを、少ない移動量で低吸着領域Dの間際の位置に移動させることができる。
また、本実施形態における走行装置1Cでは、制御部17Caは、乗り越え動作において、加速度センサ37にて判定した吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する一方を中心として旋回動作を行わせる。
これにより、乗り越え動作を行う際に、吸着部22a及び吸着部22bのうち相対的に上側に位置する一方を中心として旋回動作を行う。これにより、吸着部22a又は吸着部22bの乗り越え動作に失敗して、該吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、走行装置1Cでは、乗り越え動作に失敗した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、乗り越え動作に失敗した吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を小さくすることができる。
〔参考例3〕
本発明の他の参考例について図15〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本参考例において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本参考例の走行装置1Dは、低吸着領域Dの乗り越え動作を行う際に、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に位置させる点が、参考例1における走行装置1Aとは異なる。
(乗り越え動作における課題)
低吸着領域Dの幅が一様であり、低吸着領域Dが走行装置の進行方向に対して傾いている場合における課題について、比較例としての走行装置1Zを用いて、図33の(a)(b)を参照しながら説明する。図33の(a)は、走行装置1Zが、幅が一様であり走行装置1Zの進行方向に対して傾いている低吸着領域Dを乗り越える動作を示すものであって、吸着部22bを低吸着領域Dの間際に位置させた様子を示す平面図である。図33の(b)は、吸着部22bを旋回させた様子を示す平面図である。
低吸着領域Dは、図33の(a)(b)に示すように、幅が一様であり、低吸着領域Dが走行装置の進行方向に対して傾いている。
図33の(a)は、吸着部22bを低吸着領域Dの間際に位置させた状態を示している。参考例1で説明した動作では、図33の(b)に示すように、上記の状態から、吸着部22aの吸着状態が回復するまで、吸着部22aを通常動作と同方向に旋回させ、低吸着領域Dの乗り越え動作を行う。したがって、図33の(a)(b)に示すように低吸着領域Dが走行装置の進行方向に対して傾いている場合、吸着部22aを略180度旋回させなければ、吸着部22aの乗り越え動作を行うことができない。
また、低吸着領域Dの幅が広く、吸着部22aを180度旋回させても吸着部22aの吸着状態が回復できない場合においても、走行装置1Zと低吸着領域Dとの位置関係を把握する別の機構を設けない限り、吸着部22aの吸着状態が回復できないことを確認するために、吸着部22aを180度旋回させる必要がある。
上記のように、吸着部22aの旋回角度が大きいと、乗り越え動作を行っている際に、旋回中心となる吸着部22bが滑り動く可能性が高くなる。その結果、吸着部22aが意図したように旋回せず、乗り越え動作に失敗する可能性が高くなるため、好ましくない。
そこで、本参考例の走行装置1Dでは、乗り越え動作を行う際に、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に位置させるようになっている。
(走行装置の構成)
本参考例の走行装置1Dの構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、走行装置1Dの制御系30Dの構成を示すブロック図である。
走行装置1Dの制御系30Dは、図15に示すように、回路基板17Dを備えている。回路基板17Dには、制御部17Daが設けられている。制御部17Daは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3bを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23bの動作を制御する。
(走行装置の動作)
次に、本参考例の走行装置1Dの動作について図16及び図17に基づいて説明する。図16は、走行装置1Dの動作の手順を示すフローチャートである。図17の(a)〜(d)は、走行装置1Dの動作を示す平面図である。
まず、図16及び図17の(a)に示すように、吸着部22bが低吸着領域Dに侵入し、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が崩れたことを検知すると、走行装置1Dは乗り越え動作4を開始する。
まず、制御部17Daは、吸着部22bの旋回を停止させる(S101)。
次に、図17の(b)に示すように、制御部17Daは、吸着部22bの吸着状態が回復するまで、吸着部22bを通常動作で旋回していた方向とは逆方向に旋回させる(S102)。吸着部22bが通常動作とは逆方向への旋回を行っている間、回路基板17Dは、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復するか否か検知する。そして、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復していないことを検知している間、制御部17Aaは、吸着部22bの通常動作とは逆方向への旋回を続ける。そして、段差センサ39によって吸着部22bの吸着状態が回復したことを検知すると、制御部17Daは、吸着部22bの旋回を停止させる(S103)。これにより、吸着部22bが低吸着領域Dの間際に位置する。
次に、制御部17Daは、図17の(c)に示すように、吸着部22aを通常動作と同方向に旋回させる(S104)。これにより、移動ユニット2aは、低吸着領域Dに侵入するため、吸着部22aの吸着状態が崩れる(S105)。
吸着部22aの吸着状態が崩れると、制御部17Daは、吸着部22aの旋回を停止させる(S106)。
次に、制御部17Daは、吸着部22aの吸着状態が回復するまで吸着部22aを通常動作と逆方向に旋回させる(S107)。
次に、制御部17Daは、吸着部22aの吸着状態が回復すると、吸着部22aの旋回を停止させる(S108)。これにより、吸着部22aは、吸着部22bと同様に、低吸着領域Dの間際に位置する。
次に、制御部17Daは、吸着部22a又は吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる。ここでは、図17の(d)に示すように、制御部17Daは、吸着部22aを通常動作と同方向へ旋回させるものとして説明する。
ここで、上述したように、走行装置1Dは、吸着部22aの低吸着領域Dの乗り越え動作を行う前に、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に位置するようになっている。このため、低吸着領域Dの幅が一様である場合、吸着部22aが低吸着領域Dの乗り越え動作を行うことができるか否かを確認するためには、最大90度旋回させればよい。すなわち、吸着部22aを90度旋回させても、吸着部22aの吸着状態が回復しないならば、乗り越え動作を行うことができないと判断できる。
上述した比較例の走行装置1Xでは、吸着部が低吸着領域Dの乗り越え動作を行うことができるか否かを確認するためには180度旋回させる必要があった。これに対して、走行装置1Dは、吸着部が低吸着領域Dの乗り越え動作を行うことができるか否かを確認するためには90度旋回させるだけでよい。したがって、乗り越え動作を行っている際に、旋回中心となる吸着部が滑り動く可能性を低くすることができ、より確実に乗り越え動作を行うことができる。
次に、吸着部22aが通常動作と同方向へ旋回すると、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入する。吸着部22aが低吸着領域Dに侵入すると、吸着部22aの吸着状態が崩れる(S110)。
制御部17Daは、吸着部22aの吸着状態が崩れた後においても、吸着部22aを通常動作と同方向へ旋回させる(S111)。このとき、回路基板17Dは、段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復するか否か検知する(S112)。段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復していないことを検知している間(S112でNo)、制御部17Daは、吸着部22aの通常動作と同方向への旋回を続けさせる。
一方、段差センサ39が吸着部22aの吸着状態が回復したことを検知すると(S112でYes)、制御部17Caは、乗り越え動作に成功したと判断し、乗り越え動作4を終了する。
このように、本参考例の走行装置1Dでは、制御部17Daは、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22aを逆旋回して低吸着領域D外における吸着部22aの現在位置よりも低吸着領域D側つまり低吸着領域Dに近い位置に配置する。そして、制御部17Daは、吸着部22bを中心に吸着部22aを旋回させて、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22aを逆旋回して吸着部22bの現在位置以上に低吸着領域D外の低吸着領域D側に配置する。その後、いずれか一方の吸着部を中心に他方の吸着部を旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部を制御する。
これにより、制御部17Daは、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に配置させる。そして、吸着部22a・22bのいずれか一方の吸着部を旋回させて低吸着領域Dを乗り越えさせる。これにより、吸着部が低吸着領域Dを乗り越えることができるか否かを確認するためには、吸着部を90度旋回させるだけでよい。したがって、乗り越える動作を行う際に、旋回中心となる吸着部が滑り動く可能性を低くすることができ、より確実に乗り越える動作を行うことができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図18及び図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の走行装置1Eは、被吸着面Wが水平面でない場合において低吸着領域Dの乗り越え動作を行う際に、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に位置させると共に、吸着部22a・22bのうち相対的に上側に位置する一方を中心とした旋回動作を行うことにより、乗り越え動作を行う点が他の実施形態の走行装置と異なる。
(走行装置の構成)
本実施形態の走行装置1Eの構成について、図18を参照しながら説明する。図18は、走行装置1Eの制御系30Eの構成を示すブロック図である。
走行装置1Eの制御系30Eは、図18に示すように、回路基板17Eを備えている。回路基板17Eには、制御部17Eaが設けられている。制御部17Eaは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3bを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23bの動作を制御する。
(走行装置の動作)
次に、本実施形態の走行装置1Eの動作について図19を参照しながら説明する。図19の(a)(b)は、実施形態1における走行装置1Cの動作を示す平面図であり、図19の(c)〜(e)は、本実施形態における走行装置1Eの動作を示す平面図である。
実施形態1における走行装置1Cでは、図19の(a)に示すように、吸着部22a・22bのうち一方の吸着部22aを低吸着領域Dの間際に位置させる。次に、図19の(b)に示すように、吸着部22aが重力方向に対して吸着部22bよりも上方にあるため、吸着部22aを中心として旋回させて乗り越え動作を行う。図19の(a)(b)に示す例では、吸着部22bが角度R1旋回し、吸着部22bが吸着部22aの重力方向の真上に位置したときには、まだ吸着部22bの吸着状態を回復することができていない。そして、吸着部22bをさらに角度R2旋回させることにより、吸着部22bの吸着状態が回復し、乗り越え動作に成功した状態となる。
一方、走行装置1Cが乗り越えようとする低吸着領域Dの幅が広く、吸着部22bを180度旋回させても、吸着部22bの吸着状態が回復しない場合には、走行装置1Cは、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う。吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作では、図19の(b)に示した動作とは逆の動作を行う。すなわち、吸着部22aを旋回中心として吸着部22bを乗り越え動作とは逆方向に旋回させる。このとき、吸着部22bは、まず角度R2の逆旋回をして吸着部22aの重力方向の真上に位置した後、次に角度R1の逆旋回をして図19の(a)に示す位置まで、すなわち吸着部22bが乗り越え動作を開始した位置まで旋回する。ここで、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を開始してから、吸着部22bが吸着部22aの重力方向の真上に位置するまでの角度R2の逆旋回動作では、走行装置1Cの重心が、重力方向に対して上方に移動するので、旋回する際の負荷が大きくなる。その結果、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作に失敗する可能性が高くなってしまう。
これに対して、本実施形態における走行装置1Eでは、図19の(c)に示すように、まず吸着部22aを低吸着領域Dの間際に位置させる。
次に、図19の(d)に示すように、吸着部22bを低吸着領域Dの間際に位置させる。
次に、加速度センサ37によって吸着部22a及び吸着部22bのうちどちらが相対的に上側に位置する一方を判定する。そして、図19の(e)に示すように、吸着部22a・22bのうち重力方向に対して上方にある吸着部22bを中心として旋回させて乗り越え動作を行う。この時、吸着部22a・22bは共に低吸着領域Dの間際に位置しているため、参考例3で説明したように、低吸着領域Dの幅が一様である場合、吸着部22aが低吸着領域Dの乗り越え動作を行うことができるか否かを確認するためには、最大90度旋回させればよい。すなわち、吸着部22aを90度旋回させても、吸着部22aの吸着状態が回復しないならば、乗り越え動作を行うことができないと判断できる。
また、走行装置1Eでは、乗り越え動作を行う際に、重力方向に対して上方にある吸着部22bを中心として旋回させている。これにより、吸着部22aを90度旋回させても吸着部22aの吸着状態が回復せず、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻す動作を行う際、走行装置1Eの重心は下方へ移動するので、旋回する際の負荷が小さくなる。その結果、走行装置1Eは、吸着部22aを元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を低くすることができるようになっている。
このように、本実施形態の走行装置1Eでは、被吸着面Wが非水平面である場合において、装置本体の重力方向に対する姿勢を検知する加速度センサ37を備えている。そして、制御部17Eaは、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22aを逆旋回して低吸着領域Dの間際に配置する。その後、制御部17Eaは、吸着部22aを中心に吸着部22bを旋回させて、吸着部22bが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22bを逆旋回して吸着部22aを低吸着領域Dの間際に配置する。そして、制御部17Eaは、加速度センサ37による吸着部22a・22bのうちのいずれが上方に存在するかの検知結果に基づいて、高い位置に存在する吸着部22aを中心に他方の吸着部22bを旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部23a・23bを制御する。
上記の構成によれば、制御部17Eaは、吸着部22a・22bを共に低吸着領域Dの間際に配置させる。これにより、吸着部22a・22bが低吸着領域Dを乗り越えることができるか否かを確認するためには、吸着部22a・22bを90度旋回させるだけでよい。したがって、乗り越える動作を行う際に、旋回中心となる吸着部22a又は吸着部22bが滑り動く可能性を低くすることができ、より確実に乗り越える動作を行うことができる。
さらに、吸着部22a・22bのうち、高い位置に存在する吸着部22aを中心に他方の吸着部22bを旋回させて低吸着領域Dを乗り越え動作を行う。これにより、吸着部22bの乗り越え動作に失敗して、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う場合には、走行装置1Eの重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、走行装置1Eでは、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、吸着部22bを元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性をさらに小さくすることができる。
また、別の表現を用いると、本実施形態における走行装置1Eでは、実施形態1における走行装置1Cの構成に加えて、制御部17Eaは、準備動作において吸着部22a及び吸着部22bの両方をそれぞれ低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する。
上記の構成によれば、吸着部が低吸着領域Dを乗り越えることができるか否かを確認するためには、吸着部を90度旋回させるだけでよい。したがって、乗り越える動作を行う際に、旋回中心となる吸着部が滑り動く可能性を低くすることができ、より確実に乗り越える動作を行うことができる。
また、本実施形態における走行装置1Eは、制御部17Eaは、準備動作において、第1旋回動作により吸着部22bの位置が低吸着領域Dの間際の位置となるように制御すると共に、第2旋回動作により吸着部22aの位置が低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する。
上記の構成によれば、第1旋回動作により吸着部22bを低吸着領域Dの間際に配置させることができ、第2旋回動作により吸着部22aを低吸着領域Dの間際に配置させることができる。
〔参考例4〕
本発明の他の参考例について図20〜図24に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本参考例において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の走行装置では、移動ユニットを2つ備える構成に限られず、移動ユニットを3つ以上備える構成であってもよい。本参考例では、移動ユニットを3つ備える走行装置1Fについて説明する。
(走行装置の構成)
本参考例の走行装置1Fの構成について、図20及び図21に基づいて説明する。図20は、走行装置1Fの構成を示す概略平面図である。図21は、走行装置1Fの制御系30Fの構成を示すブロック図である。
走行装置1Fは、図20に示すように、3つの移動ユニット2a・2b・2cと、移動ユニット2a・2b・2cを支持する筐体10Fとを備えている。3つの移動ユニット2a・2b・2cは、正三角形を形成するように配置されている。移動ユニット2aは、吸着部22a及び駆動部23aを備えている。また、移動ユニット2bは、吸着部22b及び駆動部23bを備えている。また、移動ユニット2cは、吸着部22c及び駆動部23cを備えている。また、各移動ユニット2a・2b・2cには、各吸着部22a・22b・22cが被吸着面Wと同一平面又は略同一平面に存在するか否かを検知するために、低吸着領域検知部としての段差センサ39が設けられている。
次に、本参考例の走行装置1Fの制御系30Fについて説明する。走行装置1Fの制御系30Fは、図21に示すように、回路基板17Fを備えている。回路基板17Fには、制御部17Faが設けられている。制御部17Faは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3b・3cを駆動させることにより、それぞれ駆動部23a・23b・23cの動作を制御する。
(走行装置の通常時に置ける走行動作)
次に、走行装置1Fの通常時における走行動作について、図22に基づいて説明する。図22の(a)〜(c)は、走行装置1Fの通常時における走行動作を示す平面図である。
走行装置1Fが通常時に走行動作を行う場合、図22の(a)に示すように、制御部17Faは、駆動部23bを駆動させ、吸着部22aを中心として時計回り方向CWに60度旋回させる。この際、同時に駆動部23cを駆動させた方が、駆動力が大きくなるので好ましいが、駆動部23cを駆動させなくてもよい。
次に、図22の(b)に示すように、制御部17Faは、駆動部23aを駆動させ、吸着部22bを中心として反時計回り方向CCWに吸着部22aを60度旋回させる。
上記の一連の動作を行うことにより、図22の(c)に示すように、走行装置1Fは、移動ユニット2a・2b・2cによって形成される正三角形の一片の長さに相当する距離を進行する。
走行装置1Fは、上記の一連の動作を繰り返すことにより、被吸着面Wを走行する。以降では、上記の一連の動作を繰り返し、被吸着面Wを走行する動作を通常動作と呼ぶ。
(走行装置の乗り越え動作)
次に、本参考例の走行装置1Fの動作について図23及び図24に基づいて説明する。図23の(a)は、走行装置1Fの走行動作の手順を示すものであって、走行装置1Fの走行動作の手順を示すフローチャートである。図23の(b)は、走行装置1Fの乗り越え動作の手順を示すフローチャートである。図24の(a)〜(e)は、走行装置1Fの動作を示す平面図である。
まず、走行装置1Fは、図23の(a)及び図24の(a)に示すように、通常動作を行い、被吸着面Wを走行する(S121)。通常動作を行っている間、回路基板17Fは、段差センサ39によって、吸着部22a・22b・22cの吸着状態が崩れているか否かを検知する(S122)。段差センサ39によって、吸着部22a・22b・22cの吸着状態が崩れていないことを検知している間(S122でNo)、走行装置1Fは通常動作を続ける。
一方、図24の(b)に示すように、移動ユニット2a・2b・2cのうち1つの移動ユニット2aが低吸着領域Dに侵入する場合がある。この場合、移動ユニット2aの吸着部22aの吸着状態が崩れる。段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が崩れたことを検知する(S122でYes)と、走行装置1Fは、乗り越え動作5(S123)を開始する。
ここで、走行装置1Fの乗り越え動作について説明する。尚、以降では、移動ユニット2a・2b・2cのうち移動ユニット2aの吸着部22aの吸着状態が崩れた場合について説明する。移動ユニット2b・2cの吸着部22b・22cの吸着状態が崩れた場合も同様の動作を行うため説明を省略する。
まず、制御部17Faは、図23の(b)に示すように、吸着部22aの旋回を停止させる(S131)。
次に、図24の(c)に示すように、制御部17Faは、吸着部22aの吸着状態が回復するまで、吸着部22aを通常動作で旋回していた方向とは逆方向に旋回させる(S132)。吸着部22aが通常動作とは逆方向への旋回を行っている間、回路基板17Fは、段差センサ39によって22aの吸着状態が回復するか否か検知する。そして、段差センサ39によって、吸着部22aの吸着状態が回復していないことを検知している間、制御部17Faは、通常動作とは逆方向へ吸着部22aを旋回させる。そして、段差センサ39によって吸着部22aの吸着状態が回復したことを検知すると、制御部17Faは、吸着部22aの旋回を停止させる(S133)。これにより、吸着部22aは低吸着領域域Dの間際に位置する。
次に、図24の(d)に示すように、制御部17Faは、吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる(S134)。
次に、吸着部22bが通常動作と同方向へ旋回すると、移動ユニット2bが低吸着領域Dに侵入する。移動ユニット2bが低吸着領域Dに侵入すると、吸着部22bの吸着状態が崩れる(S135)。
制御部17Faは、吸着部22bの吸着状態が崩れた後においても、吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる(S136)。このとき、回路基板17Fは、段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復するか否か検知する(S137)。段差センサ39によって、吸着部22bの吸着状態が回復していないことを検知している間(S137でNo)、制御部17Faは、吸着部22bを通常動作と同方向へ旋回させる。
一方、段差センサ39が吸着部22bの吸着状態が回復したことを検知すると(S137でYes)、制御部17Faは、乗り越え動作に成功したと判断し、乗り越え動作5を終了する。
次に、走行装置1Aは、図24の(e)に示すように、移動ユニット2a側から通常動作を開始する(S1)。
このように、本参考例における走行装置1Fは、被吸着面Wに吸着する3つの吸着部22a・22b・22cと、吸着部22a・22b・22c毎に設けられた駆動部23a・23b・23cとを備え、被吸着面Wに吸着しながら走行する走行装置において、吸着部22a・22b・22c毎に吸着状態を検知する段差センサ39と、吸着部22bを中心に吸着部22bを交互に旋回させて走行する際、吸着部22aが低吸着領域Dに侵入したことを段差センサ39にて検知したときに、吸着部22aを逆旋回して低吸着領域Dの間際に配置した後、吸着部22aを中心に吸着部22bを旋回させて低吸着領域Dを乗り越えるように駆動部23a・23b・23cを制御する制御部17Faとを備えている。
上記の構成によれば、吸着部22a・22b・22c毎に吸着状態を検知することができる段差センサ39を備えていることにより、吸着部22a・22b・22cが低吸着領域Dに侵入したことを検知することができる。そして、制御部17Faは、低吸着領域Dの乗り越える動作を行う前に、低吸着領域Dに侵入した吸着部22bを低吸着領域Dの間際に移動させる。そして、低吸着領域Dの間際に移動させた吸着部22aを中心に旋回させて低吸着領域Dの乗り越え動作を行う。これにより、走行装置1Fは、従来の走行装置と比べて、より長い距離の低吸着領域Dを乗り越えることができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について図25〜図27に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、駆動部を1つ備える走行装置1Gについて説明する。
(走行装置の構成)
本実施形態における走行装置1Gの構成について、図25及び図26に基づいて説明する。図25は、本実施形態における走行装置1Gの構成を示す概略底面図である。図26は、走行装置1Gの制御系30Gの構成を示すブロック図である。
走行装置1Gは、図25及び図26に示すように、2つの吸着部22a・22、1つの駆動部40a、及び回路基板17Gを備えている。
駆動部40aは、タイヤ構造にてなっており、該タイヤ構造の一部が被吸着面Wに接している。駆動部40aは、吸着部22aと吸着部22bとの間に配置されており、吸着部22aと吸着部22bとを結ぶ直線に垂直な方向を軸として回転する。これにより、走行装置1Gに駆動力が発生する。尚。駆動部40aは、タイヤ構造に限られない。例えば、駆動部40aは、クローラーなどの無限軌道にてなってもよい。
回路基板17Gは、制御部17Gaを備えている。制御部17Gaは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3aを駆動させることにより、駆動部40aの駆動を制御する。
(走行装置の旋回動作)
次に、走行装置1Gの旋回動作について、図27に基づいて説明する。図27は、走行装置1Gの旋回動作を示す平面図である。
ここでは、走行装置1Gにおける、吸着部22aを中心として吸着部22b側を旋回させる動作を第1旋回動作について説明する。第2旋回動作については、第1旋回動作と逆の動作を行うため説明を省略する。
走行装置1Gにおける第1旋回動作では、図27に示すように、吸着部22aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間を、第1ポンプ35aにて負圧にすることにより、吸着部22aを被吸着面Wに吸着させる。一方、吸着部22bについては、例えば、吸着部22bと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間に電磁弁を設け、該電磁弁を開放させることにより、吸着部22bと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間を開放させる。これにより、吸着部22bと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間は大気圧と同じ圧力となる。すなわち、吸着部22bは、被吸着面Wに吸着していない状態となる。
この状態において、駆動部40aを回転させることにより、走行装置1Gは、吸着部22aを中心として吸着部22b側を旋回する。つまり、走行装置1Gは、第1旋回動作を行う。
このように、走行装置1Gは、2つの吸着部22a・22bと、1つの駆動部40aを備えており、第1旋回動作及び第2旋回動作を行うことができるようになっている。したがって、実施形態1で説明した乗り越え動作を行うことができるようになっている。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について図28〜図30に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記参考例1と同じである。また、説明の便宜上、前記の参考例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、駆動部を3つ備える走行装置1Gについて説明する。
(走行装置の構成)
本実施形態における走行装置1Gの構成について、図28及び図29に基づいて説明する。図28は、本実施形態における走行装置1Gの構成を示す概略底面図である。図29は、走行装置1Hの制御系30Hの構成を示すブロック図である。
走行装置1Hは、図28及び図29に示すように、2つの吸着部22a・22、3つの駆動部40a・40b・40c、及び回路基板17Hを備えている。
駆動部40a・40b・40cは、タイヤ構造にてなっており、該タイヤ構造の一部が被吸着面Wに接している。駆動部40aは、吸着部22aと吸着部22bとの間に配置されている。駆動部40bは、吸着部22aに対して駆動部40aと逆側に配置されている。駆動部40cは、吸着部22bに対して駆動部40aと逆側に配置されている。駆動部40a・40b・40cは、吸着部22aと吸着部22bとを結ぶ直線に垂直な方向に回転する。これにより、走行装置1Hに駆動力が発生する。尚。駆動部40a・40b・40cは、タイヤ構造に限られない。例えば、駆動部40aは、クローラーなどの無限軌道にてなってもよい。
回路基板17Hは、制御部17Haを備えている。制御部17Haは、モータドライバ3を介して、駆動モータ3a・3b・3cを駆動させることにより、それぞれ駆動部40a・40b・40cの動作を制御する。
(走行装置の旋回動作)
次に、走行装置1Gの旋回動作について、図30に基づいて説明する。図30は、走行装置1Hの旋回動作を示す平面図である。
ここでは、走行装置1Hにおける、吸着部22aを中心として吸着部22b側を旋回させる動作を第1旋回動作について説明する。第2旋回動作については、第1旋回動作と逆の動作を行うため説明を省略する。
走行装置1Hにおける第1旋回動作では、図30に示すように、吸着部22aを被吸着面Wに吸着させる。一方、吸着部22bは、被吸着面Wに吸着させない。
この状態において、駆動部40a・40cを同方向に回転させ、駆動部40bを逆方向に回転させる。このとき旋回中心となっている吸着部22aの中心からの距離が大きい駆動部40cは駆動部40aよりも高速で回転させるのが好ましい。逆回転している駆動部40bも含め、各駆動部40a・40b・40cの回転速度絶対値は、それぞれの駆動部40a・40b・40cと旋回中心との距離に比例するのがより好適である。これにより、走行装置1Gは、吸着部22aを中心として吸着部22b側を旋回する。つまり、走行装置1Gは、第1旋回動作を行う。
このように、走行装置1Gは、2つの吸着部22a・22bと、3つの駆動部40a・40b・40cを備えており、第1旋回動作及び第2旋回動作を行うことができるようになっている。したがって、実施形態1で説明した乗り越え動作を行うことができるようになっている。
〔まとめ〕
本発明の態様1における走行装置1C・1E・1G・1Hは、被吸着面Wに吸着する第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)と、上記被吸着面W上を走行するための1つ又は複数の駆動部23a・23b・40a・40b・40cと、上記第1吸着部(吸着部22a)、上記第2吸着部(吸着部22b)及び上記駆動部23a・23b・40a・40b・40cをそれぞれ制御する制御部17Ca・17Ea・17Ga・17Haとを備え、上記第1吸着部(吸着部22a)を中心として上記第2吸着部(吸着部22b)側を旋回動作する第1旋回動作と、上記第2吸着部(吸着部22b)を中心として上記第1吸着部(吸着部22a)側を旋回動作する第2旋回動作とを交互に行うことにより上記被吸着面W上を走行する走行装置であって、上記被吸着面Wのうち上記第1吸着部(吸着部22a)又は第2吸着部(吸着部22b)の吸着性が基準よりも低い低吸着領域Dを検知する低吸着領域検知部(段差センサ39、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)と、上記第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)のうち相対的に上側に位置する一方を判定する判定部(加速度センサ37)とを備え、上記制御部17Ca・17Ea・17Ga・17Haは、上記低吸着領域検知部(段差センサ39、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)により走行路上に上記低吸着領域Dを検知した場合に、上記低吸着領域Dに対する乗り越え動作を行う前に、上記判定部(加速度センサ37)にて判定した上記第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)のうち少なくとも相対的に上側に位置する一方を上記低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する準備動作を実行することを特徴としている。尚、低吸着領域の「間際」の位置とは吸着部の吸着性が十分維持される程度に第1吸着部又は第2吸着部を低吸着領域Dに近づけた位置を意味している。
上記の発明によれば、走行装置は、低吸着領域検知部を備えている。これにより、被吸着面のうち第1吸着部又は第2吸着部の吸着性が基準よりも低い低吸着領域を検知することができる。また、走行装置は、判定部を備えている。これにより、第1吸着部及び第2吸着部のうちどちらが相対的に上側に位置しているかを判定することができる。そして、低吸着領域検知部により走行路上に低吸着領域を検知すると、制御部は、第1吸着部及び第2吸着部のうち少なくとも相対的に上側に位置する一方を低吸着領域の間際の位置となるように制御する準備動作を実行する。これにより、低吸着領域に対する乗り越え動作を行う際に、従来の走行装置と比べて、より長い距離の低吸着領域を乗り越えることができる。さらに、第1吸着部又は第2吸着部の乗り越え動作に失敗し、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面に戻す動作を行う場合には、走行装置の重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面に戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができ、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を小さくすることができる。
したがって、低吸着領域の乗り越え動作の成功率が高い走行装置を提供することができる。
本発明の態様2における走行装置1E・1G・1Hは、上記態様1における走行装置において、前記制御部17Ea・17Ga・17Haは、前記準備動作において前記第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)の両方をそれぞれ前記低吸着領域Dの間際の位置となるように制御することが好ましい。
上記の構成によれば、吸着部が低吸着領域を乗り越えることができるか否かを確認するためには、吸着部を90度旋回させるだけでよい。したがって、乗り越える動作を行う際に、旋回中心となる吸着部が滑り動く可能性を低くすることができ、より確実に乗り越える動作を行うことができる。
本発明の態様3における走行装置1E・1G・1Hは、上記態様2における走行装置において、前記制御部17Ea・17Ga・17Haは、前記準備動作において、前記第1旋回動作により前記第2吸着部(吸着部22b)の位置が前記低吸着領域Dの間際の位置となるように制御すると共に、前記第2旋回動作により前記第1吸着部(吸着部22a)の位置が上記低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1旋回動作により第2吸着部を低吸着領域の間際に配置させることができ、第2旋回動作により第1吸着部を低吸着領域の間際に配置させることができる。
本発明の態様4における走行装置1C・1E・1G・1Hは、上記態様1〜3における何れかの走行装置において、前記低吸着領域検知部(段差センサ39、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)は、前記第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)の吸着圧力をそれぞれ検知する圧力検知センサ(第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)を備えると共に、上記圧力検知センサ(第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)が検知した吸着圧力の値が規定の範囲外である場合に、上記第1吸着部(吸着部22a)又は第2吸着部(吸着部22b)の吸着箇所を前記低吸着領域Dとして検知する構成であってもよい。
上記の構成によれば、低吸着領域検知部として圧力検知センサを備える。これにより、第1吸着部又は第2吸着部の吸着圧力の値が規定の範囲外である場合に、該吸着部の吸着箇所を低吸着領域として検知することができる。
本発明の態様5における走行装置1C・1E・1G・1Hは、上記態様1〜4における何れかの走行装置において、前記制御部17Ca・17Ea・17Ga・17Haは、前記第1旋回動作又は第2旋回動作において、前記低吸着領域検知部(段差センサ39、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)が前記第2吸着部(吸着部22b)又は第1吸着部(吸着部22a)の吸着箇所に前記低吸着領域Dを検知した場合は、前記旋回動作とは逆方向の旋回動作を行うことにより、上記低吸着領域Dを検知した第2吸着部(吸着部22b)又は第1吸着部(吸着部22a)の位置が上記低吸着領域Dの間際の位置となるように制御する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、第1旋回動作又は第2旋回動作とは逆方向の旋回動作を行うことにより、低吸着領域を検知した第2吸着部又は第1吸着部の位置が低吸着領域の間際の位置となるように制御する。これにより、低吸着領域に侵入した第2吸着部又は第1吸着部を、少ない移動量で低吸着領域の間際の位置に移動させることができる。
本発明の態様6における走行装置1C・1E・1G・1Hは、上記態様1〜5における何れかの走行装置において、前記制御部17Ca・17Ea・17Ga・17Haは、前記乗り越え動作において、前記判定部(加速度センサ37)にて判定した上記第1吸着部(吸着部22a)及び第2吸着部(吸着部22b)のうち相対的に上側に位置する一方を中心として旋回動作を行わせる構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、乗り越え動作を行う際に、第1吸着部及び第2吸着部のうち相対的に上側に位置する一方を中心として旋回動作を行う。これにより、第1吸着部又は第2吸着部の乗り越え動作に失敗して、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面に戻す動作を行う場合には、走行装置の重心が、重力方向に対して下方に移動するように旋回することになる。この結果、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面に戻す動作を行う際の負荷が小さくすることができる。したがって、乗り越え動作に失敗した第1吸着部又は第2吸着部を元の被吸着面Wに戻す動作を失敗する可能性を小さくすることができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1A〜1H 走行装置
17A〜17H 回路基板(制御部)
17Aa〜17Ha 制御部
22a・22b・22c 吸着部(第1吸着部、第2吸着部)
23a・23b・23c 駆動部
32a 第1負圧センサ(圧力検知センサ、低吸着領域検知部)
32b 第2負圧センサ(圧力検知センサ、低吸着領域検知部)
37 加速度センサ(判定部)
38 ジャイロセンサ
39 段差センサ(低吸着領域検知部)
40a・40b・40c 駆動部
D 低吸着領域
W 被吸着面

Claims (6)

  1. 被吸着面に吸着する第1吸着部及び第2吸着部と、
    上記被吸着面上を走行するための1つ又は複数の駆動部と、
    上記第1吸着部、上記第2吸着部及び上記駆動部をそれぞれ制御する制御部とを備え、
    上記第1吸着部を中心として上記第2吸着部側を旋回動作する第1旋回動作と、上記第2吸着部を中心として上記第1吸着部側を旋回動作する第2旋回動作とを交互に行うことにより被吸着面上を走行する走行装置であって、
    上記被吸着面のうち上記第1吸着部又は第2吸着部の吸着性が基準よりも低い低吸着領域を検知する低吸着領域検知部と、
    上記第1吸着部及び第2吸着部のうち相対的に上側に位置する一方を判定する判定部とを備え、
    上記制御部は、上記低吸着領域検知部により走行路上に上記低吸着領域を検知した場合に、上記低吸着領域に対する乗り越え動作を行う前に、上記判定部にて判定した上記第1吸着部及び第2吸着部のうち少なくとも相対的に上側に位置する一方を上記低吸着領域の間際の位置となるように制御する準備動作を実行することを特徴とする走行装置。
  2. 前記制御部は、前記準備動作において前記第1吸着部及び第2吸着部の両方をそれぞれ前記低吸着領域の間際の位置となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  3. 前記制御部は、前記準備動作において、
    前記第1旋回動作により前記第2吸着部の位置が前記低吸着領域の間際の位置となるように制御すると共に、前記第2旋回動作により前記第1吸着部の位置が上記低吸着領域の間際の位置となるように制御することを特徴とする請求項2記載の走行装置。
  4. 前記低吸着領域検知部は、前記第1吸着部及び第2吸着部の吸着圧力をそれぞれ検知する圧力検知センサを備えると共に、上記圧力検知センサが検知した吸着圧力の値が規定の範囲外である場合に、上記第1吸着部又は第2吸着部の吸着箇所を前記低吸着領域として検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行装置。
  5. 前記制御部は、前記第1旋回動作又は第2旋回動作において、前記低吸着領域検知部が前記第2吸着部又は第1吸着部の吸着箇所に前記低吸着領域を検知した場合は、前記旋回動作とは逆方向の旋回動作を行うことにより、上記低吸着領域を検知した第2吸着部又は第1吸着部の位置が上記低吸着領域の間際の位置となるように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の走行装置。
  6. 前記制御部は、前記乗り越え動作において、前記判定部にて判定した上記第1吸着部及び第2吸着部のうち相対的に上側に位置する一方を中心として旋回動作を行わせることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の走行装置。
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