JP2017062371A - 反射防止膜を有する光学部材及びその反射防止膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
n1×[n(sub)]0.5×0.930≦n2≦n1×[n(sub)]0.5×0.985
の関係を満たす反射防止膜を開示している。特許文献6は、この反射防止膜の製造において、低屈折率層を形成する際に溶媒を揮発及び膜を硬化させるために90〜200℃で熱処理を行うのが好ましく、この温度範囲で行う熱処理であれば、基材の熱膨張変形を防止することができると記載している。例えば、実施例1〜10では、中空シリカとアクリル樹脂とを含む塗工液を塗布し、溶媒の揮発及び膜の硬化のため、90℃120秒でのプレベーキング及び150℃1時間のポストベーキングを行った例を記載している。しかしながら、特許文献6に記載の反射防止膜は、溶媒の揮発及び膜の硬化を行うために、このような高い温度での熱処理が必要であることから、比較的融点の低い樹脂基板に適用することはできない。
前記第1層がSiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密膜からなり、
前記第2層及び第3層がシリカエアロゲル膜からなり、
波長550 nmの光において、
前記基板の屈折率が1.6以下であり、
前記第3層の屈折率が1.15〜1.32の範囲であり、
前記基板、第1層、第2層及び第3層の屈折率が、この順に低くなっていることを特徴とする。
それぞれ下記式(1)、式(2)及び式(3):
D1(θt)=D10×(cosθt)α・・・(1)
D2(θt)=D20×(cosθt)β・・・(2)
D3(θt)=D30×(cosθt)γ・・・(3)
(ただしD10、D20及びD30は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層、第2層及び第3層の光学膜厚を表し、α及びβ、γは、それぞれ独立に-2.0〜2.0の範囲の数値である。) により表されるのが好ましい。
前記第1層を乾式プロセス又は湿式プロセスで形成する工程、並びに前記第2層及び第3層を湿式プロセスで形成する工程を有し、
前記第1層〜第3層を形成する工程をいずれも90℃以下で行うことを特徴とする。
(A)第1の態様
図1は、基板2と、前記基板2上に第1層3a、第2層3b及び第3層3cを順に設けてなる3層構成の反射防止膜3とからなる光学部材1を示す。反射防止膜3は、第1層3aがSiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密膜からなり、第2層3b及び第3層3cがシリカエアロゲル膜からなる。波長550 nmの光において、基板2の屈折率は1.6以下であり、第3層3cの屈折率は1.15〜1.32の範囲であり、前記基板2、第1層3a、第2層3c及び第3層3cの屈折率は、この順に低くなっている。なお、図1は反射防止膜3の層構成をわかりやすくするために、各層を厚さ方向に拡大して示したものである。また、本明細書における屈折率は、特に規定のない場合は波長550 nmの光における値である。
第1層は、SiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密膜からなり、乾式プロセス又は湿式プロセスで形成されるのが好ましい。波長550 nmの光において、第1層の屈折率は、基板の屈折率よりも低く、第2層の屈折率よりも高いことが必要であり、1.37〜1.57の範囲が好ましく、1.37〜1.53の範囲がより好ましく、1.37〜1.51の範囲が最も好ましい。第1層の光学膜厚は、1〜100 nmであるのが好ましく、2〜50 nmであるのがより好ましい。前記乾式プロセスとしては真空蒸着法が好ましく、前記湿式プロセスとしてはゾル-ゲル法を含むのが好ましい。SiO2からなる緻密膜を形成する場合は乾式プロセスが好ましく、シラン系カップリング剤を含む緻密膜を形成する場合は湿式プロセスが好ましい。
本発明の光学部材は、波長550 nmの光において、1.6以下の屈折率を有する基板を用いる。基板の屈折率は、1.6〜1.9の範囲であるのが好ましい。このような範囲に屈折率を有する基板に前記反射防止膜を形成することにより、可視光の波長帯域において良好な反射防止性能を有する光学部材を得ることができる。基板は樹脂からなる又は樹脂を含んでなるのが好ましい。前記樹脂としては融点が150℃以下のものが好ましく、具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、鎖状又は環状のポリオレフィン等が挙げられる。基板の形状は、平板であっても、レンズ状であっても良い。樹脂を含んでなる基板として、光学ガラスに透明樹脂を接合させてなるハイブリッドレンズ等が挙げられる。なおハイブリッドレンズの場合、反射防止膜が形成される面の基板材料が前記の屈折率範囲であればよい。
光学部材の第1の態様において、基板として最大基板傾斜角は30°以上であるレンズ状の基板(レンズ基板)を用いた構成の第2の態様について説明する。
D1(θt)=D10×(cosθt)α・・・(1)、
D2(θt)=D20×(cosθt)β・・・(2)、及び
D3(θt)=D30×(cosθt)γ・・・(3)
(ただしD10、D20及びD30は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層、第2層及び第3層の光学膜厚を表し、α及びβ、γは、それぞれ独立に-2.0〜2.0の範囲の数値である。) により表されるのが好ましい。α及びβ、γは、さらに好ましくはそれぞれ独立に-1.3〜1.3の範囲であり、最も好ましくはそれぞれ独立に-0.5〜1.2の範囲である。
本発明の光学部材は、400〜700 nmの可視光帯域において、最大反射率が0.24〜0.3%以下の反射防止特性を有する。本発明の光学部品は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ、顕微鏡、望遠鏡等の光学機器に搭載されるレンズ、プリズム、回折素子等に好適である。特に反射防止膜を最大基板傾斜角が30°以上のレンズ基板に形成してなる光学部材は、レンズ周辺部においても良好な反射防止特性を有するため、超広角レンズ、光ディスクのピックアップレンズ等に好適である。
基板上に、SiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密層からなる第1層、シリカエアロゲルからなる第2層及び第3層が順に積層され、波長550 nmの光における前記基板の屈折率が1.6以下、及び前記第3層の屈折率が1.15〜1.32の範囲であり、前記基板、第1層、第2層及び第3層の屈折率が、この順に低くなっている3層構成の反射防止膜を製造する方法は、
前記第1層を乾式プロセス又は湿式プロセスで形成する工程、並びに前記第2層及び第3層を湿式プロセスで形成する工程を有し、
前記第1層〜第3層を形成する工程をいずれも90℃以下で行うことを特徴とする。このように製造工程を90℃以下で行うことにより、基板が90℃を超える温度にさらされることがないため、比較的融点の低い樹脂を基板として用いた場合であっても本発明の反射防止膜を形成することが可能となる。
反射防止膜の第1層は、SiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密層からなる層であり、乾式プロセス又は湿式プロセスで形成する。乾式プロセスとしては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等が挙げられる。必要に応じてこれらの方法を組み合わせて用いても良い。特に製造コスト、加工精度の面において真空蒸着法が好ましい。湿式プロセスとしてはゾル-ゲル法を含むのが好ましい。特に、SiO2のみを含む緻密層は乾式プロセスで形成するのが好ましく、シラン系カップリング剤を含む緻密層は湿式プロセスで形成するのが好ましい。
反射防止膜の第2層及び第3層は、シリカエアロゲルからなり、湿式プロセスで形成する。湿式プロセスとしてはゾル-ゲル法を含むのが好ましい。シリカエアロゲルからなる超低屈折率膜をゾル-ゲル法によって形成することにより、真空蒸着で汎用的に用いられる低屈折率材料のMgF2(n=1.39)より低い屈折率を得ることができ、これまでに実現が困難であった広帯域でかつ広角(広い入射角範囲)の超低反射率の反射防止膜を得ることができる。
(a) アルコキシシラン
第一の酸性ゾル用のアルコキシシランはテトラアルコキシシランのモノマー又はオリゴマー(縮重合物)が好ましい。4官能のアルコキシシランを用いた場合、比較的大きな粒径を有するコロイド状シリカ粒子のゾルを得ることができる。テトラアルコキシシランは、Si(OR)4[Rは炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)]により表されるものが好ましい。テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。中でもテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲で、テトラアルコキシシランに少量の3官能以下のアルコキシシランを配合しても良い。
アルコキシシランに有機溶媒、塩基性触媒及び水を添加することにより、加水分解及び縮重合が進行する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタノール等のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。塩基性触媒としては、アンモニア、アミン、NaOH又はKOHが好ましい。好ましいアミンは、アルコールアミン又はアルキルアミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン等)である。
得られたアルカリ性ゾルに酸性触媒、並びに必要に応じて水及び有機溶媒を添加し、酸性状態で加水分解及び縮重合をさらに進行させる。酸性触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸等が挙げられる。有機溶媒は上記と同じものを使用できる。第一の酸性ゾルにおいて酸性触媒/塩基性触媒のモル比は1.1〜10が好ましく、1.5〜5がより好ましく、2〜4が最も好ましい。酸性触媒/塩基性触媒のモル比が1.1未満であると、酸性触媒による重合が十分に進行しない。一方10を超えると触媒効果は飽和する。有機溶媒/アルコキシシランのモル比及び水/アルコキシシランのモル比は上記と同じで良い。酸性触媒を含有するゾルは10〜90℃で約15分〜24時間静置又はゆっくり撹拌して熟成するのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、第一の酸性ゾルが生成する。
(a) アルコキシシラン
第二の酸性ゾル用のアルコキシシランはSi(OR1)x(R2)4-x[xは2〜4の整数である。]により表される2〜4官能のものでよい。R1は炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)が好ましい。R2は炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、デシル、フェニル、ビニル、アリル等の炭化水素基、及びγ-クロロプロピル、CF3CH2-、CF3CH2CH2-、C2F5CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2-、C3F7OCH2CH2CH2-、(CF3)2CHOCH2CH2CH2-、C4F9CH2OCH2CH2CH2-、3-(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2-、H(CF2)4CH2CH2CH2-、γ-グリシドキシプロピル、γ-メルカプトプロピル、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、γ-メタクリロイルオキシプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。
アルコキシシランのモノマー又はオリゴマー(縮重合物)に有機溶媒、酸性触媒及び水を添加することにより、加水分解及び縮重合が進行する。有機溶媒及び酸性触媒は第一の酸性ゾルを調製する工程で説明したものと同じものを使用できる。酸性触媒/アルコキシシランのモル比は、1×10-4〜1が好ましく、1×10-4〜3×10-2がより好ましく、3×10-4〜1×10-2が最も好ましい。有機溶媒/アルコキシシランのモル比及び水/アルコキシシランのモル比は、第一の酸性ゾルを調製する工程で説明した比と同様で良い。
第一の酸性ゾル及び第二の酸性ゾルを混合し、1〜30℃で約1分〜6時間ゆっくり撹拌するのが好ましい。必要に応じて混合物を80℃以下で加熱しても良い。第一の酸性ゾルと第二の酸性ゾルとの固形分質量比は5〜90であるのが好ましく、5〜80であるのがより好ましい。固形分質量比が5未満又は90超であると、シリカエアロゲル膜の耐擦傷性が低下する。
(a) 塗布
混合ゾルを第1層及び第2層を形成したレンズ基板の表面に塗布する。塗布方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、印刷法等が挙げられる。レンズのような三次元構造物に塗布する場合、スピンコート法又はディッピング法が好ましく、特にスピンコート法が好ましい。得られるゲルの物理膜厚は、例えばスピンコート法における基板回転速度の調整、混合ゾルの濃度の調整等により制御することができる。スピンコート法における基板の回転速度は1,000〜15,000 rpm程度が好ましい。
塗布膜の乾燥条件は基板の耐熱性に応じて適宜選択する。縮重合反応を促進するために、水の沸点未満の温度で15分〜24時間熱処理した後、100〜200℃の温度で15分〜24時間熱処理しても良い。熱処理することによりシリカエアロゲル膜は高い耐擦傷性を発揮する。
シリカエアロゲル膜をアルカリで処理することにより耐擦傷性がより向上する。アルカリ処理は、アルカリ溶液を塗布、又はアンモニア雰囲気中に放置することにより行うのが好ましい。アルカリ溶液の溶媒はアルカリに応じて適宜選択でき、水、アルコール等が好ましい。アルカリ溶液の濃度は、1×10-4〜20Nが好ましく、1×10-3〜15Nがより好ましい。
アルカリ処理後のシリカエアロゲル膜は、必要に応じて洗浄する。洗浄は、水及び/又はアルコールに浸漬する方法、シャワーする方法、又はこれらの組合せにより行うのが好ましい。浸漬しながら超音波処理してもよい。洗浄の温度は1〜40℃が好ましく、時間は0.2〜15分が好ましい。シリカエアロゲル膜1 cm2当たり0.01〜1,000 mLの水及び/又はアルコールで洗浄するのが好ましい。洗浄後のシリカエアロゲル膜は、50〜200℃の温度で15分〜24時間乾燥するのが好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
塗布後、アルカリ処理後、又は洗浄後のシリカエアロゲル膜に、高湿度条件下で湿度処理を施す。湿度処理により、未反応のアルコキシシランの加水分解、及びシラノール基の縮重合反応が進行すると考えられ、シリカエアロゲル膜の機械的強度が向上するとともに、成膜後の時間経過による屈折率の変動が抑制される。
実施例1
図6に示すような、ハイブリッドレンズ基板22(球面ガラスレンズ22aの表面にアクリルレート樹脂22bで非球面を形成してなる基板)上に、3層構成の反射防止膜31(第1層31a、第2層31b及び第3層31c)を成膜してなる光学部材11(表1に記載の構成)を以下に示す方法により作製した。
球面ガラスレンズの基板と、所望の形状(非球面)の金型との間隙に、光硬化性樹脂(アクリルレート樹脂)を注入し、光照射して前記樹脂を硬化させた後、前記金型から光硬化性樹脂を離型することにより、球面ガラスレンズ基板の表面にアクリルレート樹脂(屈折率:nd=1.535)で非球面が形成されたハイブリッドレンズ基板(最大基板傾斜角度:53.8°、レンズ有効径:43.1 mm、曲率半径:27.3 mm)を作製した。なお曲率半径は、前記非球面を球に近似して求めた値である。
(a)第1層の形成
アクリルレート樹脂の表面に、表1に示す構成になるように、真空蒸着法(乾式プロセス)でSiO2膜を形成した。このときの基板加熱温度(設定温度)は100℃であり、真空チャンバー内の基板付近の温度は60〜80℃程度であった。従って、基板の温度は実質的に80℃以下であった。
(i)第一の酸性ゾルの調製
テトラエトキシシラン17.05 gとメタノール69.13 gとを混合した後、アンモニア水溶液(3 N)3.88 gを加えて室温で15時間撹拌し、アルカリ性ゾルを調製した。このアルカリ性ゾル40.01 gに、メタノール2.50 gと塩酸(12 N)1.71 gとを添加して室温で30分間撹拌し、第一の酸性ゾル(固形分:4.94質量%)を調製した。
室温でテトラエトキシシラン30 mlと、エタノール30 mlと、水2.4 mlとを混合した後、塩酸(1 N) 0.1 mlを加え、60℃で90分間撹拌し、第二の酸性ゾル(固形分:14.8質量%)を調製した。
第一の酸性ゾルと第二の酸性ゾルとの固形分質量比が67.1となるように、第一の酸性ゾルの全量に第二の酸性ゾル0.22 gを添加し、室温で5分間攪拌して混合ゾルを調製した。
得られた混合ゾルを、表1に示す構成になるように、前記第1層の上にスピンコート法により塗布し、塗布直後に0.3 Nのナトリウムメトキシドメタノール溶液をスピンコートでさらに塗布した。これらのスピンコート塗布はどちらも室温(25℃)で実施した。塗布後の試料を60℃及び90%RHの恒温恒湿下に30分間静置し乾燥させた。室温まで冷却した基板を水で十分に洗浄した。
第2層の形成に用いたものと同じ混合ゾルを、表1に示す構成になるように、前記第2層の上にスピンコート法により塗布し、塗布直後に0.3 Nのナトリウムメトキシドメタノール溶液をスピンコートでさらに塗布した。これらのスピンコート塗布はどちらも室温(25℃)で実施した。塗布後の試料を60℃及び90%RHの恒温恒湿下に24時間静置し乾燥させた。室温まで冷却した基板上にナトリウムメトキシドメタノール溶液を室温でスピンコート塗布し、さらに60℃及び90%の恒温恒湿下に30分間静置した。室温まで冷却した基板を水で十分に洗浄した。
D1(θt)=D10×(cosθt)α・・・(1.1)、
D2(θt)=D20×(cosθt)β・・・(1.2)及び
D3(θt)=D30×(cosθt)γ・・・(1.3)
(ただしD10、D20及びD30は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層、第2層及び第3層の光学膜厚を表し、α、β及びγは、全て-2.0〜2.0の範囲に入っていた。)でほぼ表すことができた。
実施例1で作製したハイブリッドレンズ基板を用いて、以下に示すように3層構成の反射防止膜を成膜してなる光学部材(表2に記載の構成)を作製した。
(a)第1層の形成
紫外線硬化性のシラン系カップリング剤(信越化学工業株式会社製KBM-5103)をスピンコートで塗布し、紫外線を照射して硬化させて第1層を形成した。
膜厚を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして第2層を形成した。
実施例1と同様にして第3層を形成した。
D1(θt)=D10×(cosθt)α・・・(2.1)、
D2(θt)=D20×(cosθt)β・・・(2.2)及び
D3(θt)=D30×(cosθt)γ・・・(2.3)
(ただしD10、D20及びD30は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層、第2層及び第3層の光学膜厚を表し、α、β及びγは、全て-2.0〜2.0の範囲に入っていた。)でほぼ表すことができた。
(1)反射防止特性の評価
実施例1の光学部材の反射防止特性を図7(a)及び図7(b)に、実施例2の光学部材の反射防止特性を図8(a)及び図8(b)に示す。図7(a)及び図8(a)はレンズ中心部における反射防止特性を示し、図7(b)及び図8(b)はレンズ周辺部(基板傾斜角度が50°の部分)における反射防止特性を示す。
反射防止膜の最表面のシリカエアロゲル膜を、1Kg/cm2の圧力をかけながら3600 mm/分の速度で20 mm×20 mmの不織布(商品名「スピックレンズワイパー」、小津産業株式会社製)で30回擦り、表面の傷を目視で確認し以下の基準で評価した。
シリカエアロ膜に全く傷が付かなかった・・・○
シリカエアロ膜に傷は付いたが剥離しなかった・・・△
シリカエアロ膜が剥離した・・・×
2・・・基板
21・・・レンズ基板
22・・・ハイブリッドレンズ基板
21a・・・球面ガラスレンズ基板
21b・・・アクリルレート樹脂
3,31・・・反射防止膜
3a,31a・・・第1層
3b,31b・・・第2層
3c,31c・・・第3層
100・・・基板
130・・・電子ビーム式真空蒸着装置
131・・・真空チャンバー
132・・・回転ラック
133・・・蒸着源
134・・・回転軸
135・・・真空ポンプ接続口
136・・・ルツボ
137・・・蒸着材
138・・・電子ビーム照射器
139・・・ヒーター
140・・・真空ポンプ
Claims (12)
- 基板と、前記基板上に第1層〜第3層の順に設けられた3層構成の反射防止膜とからなる光学部材であって、
前記第1層がSiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密膜からなり、
前記第2層及び第3層がシリカエアロゲル膜からなり、
波長550 nmの光において、
前記基板の屈折率が1.6以下であり、
前記第3層の屈折率が1.15〜1.32の範囲であり、
前記基板、第1層、第2層及び第3層の屈折率が、この順に低くなっていることを特徴とする光学部材。 - 請求項1に記載の光学部材において、前記基板が樹脂からなる又は樹脂を含んでなることを特徴とする光学部材。
- 請求項1又は2に記載の光学部材において、前記第1層が、前記基板と前記第2層との密着性を向上させる効果を有することを特徴とする光学部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材において、前記第3層の屈折率が1.15〜1.25の範囲であることを特徴とする光学部材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材において、前記基板が30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ基板であることを特徴とする光学部材。
- 請求項5に記載の光学部材において、前記レンズ基板の最大基板傾斜角が30〜65°の範囲にあることを特徴とする光学部材。
- 請求項5又は6に記載の光学部材において、前記レンズ基板の任意の基板傾斜角θtにおける前記第1層の光学膜厚D1(θt)、前記第2層の光学膜厚D2(θt)、及び前記第3層の光学膜厚D3(θt)が、
それぞれ下記式(1)、式(2)及び式(3):
D1(θt)=D10×(cosθt)α・・・(1)
D2(θt)=D20×(cosθt)β・・・(2)
D3(θt)=D30×(cosθt)γ・・・(3)
(ただしD10、D20及びD30は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層、第2層及び第3層の光学膜厚を表し、α及びβ、γは、それぞれ独立に-2.0〜2.0の範囲の数値である。) により表されることを特徴とする光学部材。 - 請求項5〜7のいずれかに記載の光学部材において、前記第1層の膜厚が、前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっていることを特徴とする光学部材。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の光学部材において、前記第1層〜第3層の膜厚が、前記レンズ基板の基板傾斜角によらず一定、又はレンズ基板中心部より周辺部に行くに従って厚くなっていることを特徴とする光学部材。
- 請求項5〜9のいずれかに記載の光学部材において、前記レンズ基板の有効径Dと曲率半径Rとの比D/Rが0.1〜2の範囲にあることを特徴とする光学部材。
- 基板上に、SiO2及び/又はシラン系カップリング剤を含む緻密層からなる第1層、シリカエアロゲルからなる第2層及び第3層が順に積層され、波長550 nmの光における前記基板の屈折率が1.6以下、及び前記第3層の屈折率が1.15〜1.32の範囲であり、前記基板、第1層、第2層及び第3層の屈折率が、この順に低くなっている3層構成の反射防止膜を製造する方法であって、
前記第1層を乾式プロセス又は湿式プロセスで形成する工程、並びに前記第2層及び第3層を湿式プロセスで形成する工程を有し、
前記第1層〜第3層を形成する工程をいずれも90℃以下で行うことを特徴とする反射防止膜の製造方法。 - 請求項11に記載の反射防止膜の製造方法において、前記第1層を形成する工程が真空蒸着法又はゾル-ゲル法からなり、前記第2層及び第3層を形成する工程がゾル-ゲル法からなることを特徴とする反射防止膜の製造方法。
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