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JP2017060961A - 電子ビーム溶接装置及びオリフィス - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタ分子がフィラメントを有する真空チャンバに流入することを、抑制することのできる電子ビーム溶接装置の提供。
【解決手段】電子ビーム溶接装置(100)が備える電子銃部(110)は、第1の真空チャンバ(VC1)と、第1の真空チャンバ(VC1)と第1の開口(151)を介して連結され、第1の真空チャンバ(VC1)よりも試料室(120)側に設けられている第2の真空チャンバ(VC2)と、第1の開口(151)に設けられている第1のオリフィス(171)と、を含む。第1のオリフィス(171)は、電子ビーム(140)を溶接対象物(W1、W2)に照射したときに溶接対象物(W1、W2)から生じたスパッタ分子(M1〜M4)が、第2の真空チャンバ(VC2)から第1の真空チャンバ(VC1)へ流入することを抑制する孔(171a)を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ビーム溶接装置及びオリフィスに関する。
真空チャンバ内において、電子ビームをワークに照射して、ワークを溶接する電子ビーム溶接装置がある。特許文献1には、このような電子ビーム溶接装置の一例が開示されている。
特開2006−095553号公報
上記した電子ビーム溶接装置では、溶接ビームをワークに照射すると、ワークが溶融し、又は、蒸発し、スパッタ分子が放出される。このようなスパッタ分子は、フィラメントに付着して、電子ビーム溶接装置に好ましくない影響を与えることが有った。本出願の発明者等は、上記した電子ビーム溶接装置に、フィラメントを有する真空チャンバと、ワークを収容する試料室と、を設けることを想起した。しかし、スパッタ分子は、真空チャンバに流入することが有った。
本発明は、スパッタ分子が、フィラメントを有する真空チャンバに流入することを抑制することのできる電子ビーム溶接装置を提供する。
本発明に係る電子ビーム溶接装置は、
電子ビームを生成する電子銃部と、
前記電子ビームが照射される溶接対象物が配置される試料室と、を備え、
前記電子銃部は、
第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバと第1の開口を介して連結され、前記第1の真空チャンバよりも前記試料室側に設けられている第2の真空チャンバと、
前記第1の開口に設けられている第1のオリフィスと、を含み、
前記第1のオリフィスは、前記電子ビームを前記溶接対象物に照射したときに前記溶接対象物から生じたスパッタ分子が、前記第2の真空チャンバから前記第1の真空チャンバへ流入することを抑制する孔を有する。
本発明に係るオリフィスは、
電子ビームを生成する電子銃部と、
前記電子ビームが照射される溶接対象物が配置される試料室と、を備え、
前記電子銃部は、
第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバと第1の開口を介して連結され、前記第1の真空チャンバよりも前記試料室側に設けられている第2の真空チャンバと、
を含む電子ビーム溶接装置において、前記第1の開口に設けられているオリフィスであって、
前記電子ビームを前記溶接対象物に照射したときに前記溶接対象物から生じたスパッタ分子が、前記第2の真空チャンバから前記第1の真空チャンバへ流入することを抑制する孔を有する。
本発明に係る電子ビーム溶接装置によれば、スパッタ分子が、フィラメントを有する真空チャンバに流入することを抑制することができる。
実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置を模試的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部を模試的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部を模試的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置でのスパッタ分子の軌跡を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の軌跡を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の軌跡を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の動きを模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の動きを模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の動きを模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の動きを模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
図1〜3を参照して実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置100について説明する。電子ビーム溶接装置100は、図1は、実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置を模式的に示す断面図である。図2及び図3は、実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部を模試的に示す断面図である。図1〜図6では、右手系xyz座標を規定した。つまり、図1〜図6では、紙面水平方向をX方向、紙面鉛直方向をZ方向としている。
電子ビーム溶接装置100は、電子銃部110、試料室120、ターボ分子ポンプ(TMP)162、ターボ分子ポンプ(TMP)164、メカニカルブースターポンプ(MP)165及びロータリーポンプ(RP)166を有する。
ターボ分子ポンプ(TMP)162は、第1の真空ポンプとも称する。ターボ分子ポンプ(TMP)164は、第2の真空ポンプとも称する。なお、本実施の形態では、第1及び第2の真空ポンプとしてターボ分子ポンプを用いているが、例えばディフュージョンポンプ(拡散ポンプ)などの他のタイプの真空ポンプを用いてもよい。同様に、メカニカルブースターポンプ(MP)165及びロータリーポンプ(RP)166も他のタイプの真空ポンプに置き換えてもよい。
電子銃部110と試料室120とは、開口部153を介して連結され、一体の真空装置(真空チャンバ)を構成する。電子銃部110は、試料室120へ向けて、電子ビーム140を出射する。電子銃部110は、ターボ分子ポンプ162、164の2つによって排気される。試料室120は、縦続接続されたメカニカルブースターポンプ(MP)165及びロータリーポンプ(RP)166によって排気される。
電子銃部110は、真空チャンバVC1〜VC3、フィラメント111、グリッド112、アノード113、アライメントコイル114、レンズコイル115、偏向コイル116及び、真空バルブ118を有する。
真空チャンバVC1〜VC3及び試料室120は、Z方向に縦続して連結されている。
真空チャンバVC1内には、フィラメント111及びグリッド112が配置される。フィラメント111の一端はDC電源130の正極と接続され、他端はDC電源130の負極と接続される。これにより、フィラメント111にDC電圧が印加され、電流が流れる。フィラメント111は、電流が流れることによるジュール熱で加熱され、熱電子を放出する。真空チャンバVC1は、開口161を介して接続されるターボ分子ポンプ162により排気される。
フィラメント111から放出された熱電子は、グリッド112を通過した後、後述するアノード113により加速電圧を与えられ、電子ビーム140となる。グリッド112は、フィラメント111に対して高電位となるように構成されている。グリッド112とフィラメント111との間の電圧を高くすることで、電子ビーム140のビーム電流を制御することができる。電子ビーム140は、経路B1を辿るようにして、真空チャンバVC1から真空チャンバVC2及びVC3を経て、試料室120に導かれる。
真空チャンバVC1と真空チャンバVC2とは開口部151を介して連結され、オリフィス171が開口部151に設けられており、具体的には、開口部151において真空チャンバVC1側と真空チャンバVC2側とを繋ぐように設けられている。オリフィス171を介して真空チャンバVC1から真空チャンバVC2へ電子ビーム140が導かれる。
図1及び図2に示すように、オリフィス171は、電子ビーム140が通過可能な孔171aを有し、孔171aは、開口部151と比較して小さな断面積を有する。孔171aの断面形状は、例えば、円形状であるが、円形状に限定されることなく、楕円や多角形などの多種多様な形状であってもよい。返し部171bが孔171aの内壁面に少なくとも1つ設けられている。また、返し部171bは、孔171aの内壁面から突き出る板状部であり、試料室120側(図2では、Z軸方向マイナス側)へ傾斜する。返し部171bの高さ、すなわち、孔171aの内壁面から返し部171bの先端までの距離は、後述するスパッタ分子M4(図6参照)よりも大きければよい。
真空チャンバVC1、VC2のうち、一方の真空度が他方の真空度よりも高い場合、オリフィス171は、真空度の高い高真空側の真空チャンバの真空度を保持しつつ、真空度の低い低真空側の真空チャンバへのスパッタの流入を抑制する。オリフィス171の孔171aは、後述するスパッタ分子M4(図6参照)が、真空チャンバVC2から真空チャンバVC1へ流入することを抑制する形状を有すればよく、例えば、そのような大きさの断面積を有する。
また、オリフィス171は、その長手方向(ここでは、Z軸方向)に長ければ長いほど、スパッタ分子M4の真空チャンバVC2から真空チャンバVC1への流入を抑制することができる。そのため、オリフィス171の長手方向における長さは、電子ビーム溶接装置100の他の構成、例えば、グリッド12や真空バルブ118が電子ビーム溶接装置100において必要な機能を確保できるような長さであればよく、具体的には、例えば、グリッド112又はその近傍から、真空バルブ118又はその近傍までであってもよい。
また、オリフィス171は、電子ビームが通過するために必要な耐熱性を有しつつ、磁性を帯びにくい材料からなるとよく、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼からなるとよい。このようなオーステナイト系ステンレス鋼として、例えば、JIS規格に定められるSUS304に相当する鋼がある。
真空チャンバVC2と真空チャンバVC3とは開口部152を介して連結され、オリフィス172が開口部152に設けられており、より具体的には、開口部152における真空チャンバVC3側に設けられている。オリフィス172を介して真空チャンバVC2から真空チャンバVC3へ電子ビーム140が導かれる。
図1及び図3に示すように、オリフィス172は、電子ビーム140が通過可能な孔172a、172b、172cを有し、孔172a、172b、172cは、フィラメント111側から試料室120に向かってこの順に連続しており、オリフィス172を貫通する。孔172a、172b、172cは、開口部152と比較して小さな断面積を有する。具体的には、孔172cは、直径X3の円形状の断面形状を有し、孔172bは、直径X2の円形状の断面形状を有し、孔172aは、直径X1の円形状の断面形状を有する。
なお、孔172a、172b、172cの断面形状は、円形状に限定されることなく、楕円や多角形などの多種多様な形状であってもよい。直径X1、X2、X3は、この順に小さい。また、孔172aは、孔172bと比較して小さな断面積を有し、孔172bは、孔172cと比較して小さな断面積を有する。オリフィス172の連続した孔172c、172b、172aの断面積は、試料室120側からフィラメント111側に向かって徐々に小さくなればよく、具体的には、この順に段階的に減じる。
また、オリフィス172は、オリフィス171と同様に、その長手方向(ここでは、Z軸方向)に長ければ長いほど、スパッタ分子M2の真空チャンバVC3から真空チャンバVC3への流入を抑制することができる。そのため、オリフィス172の長手方向における長さは、電子ビーム溶接装置100の他の構成、例えば、レンズコイル115、偏向コイル116が、電子ビーム溶接装置100において必要な機能を確保できるような長さであればよい。具体的には、オリフィス172の長手方向における長さは、オリフィス172の先端がレンズコイル115と同じ高さ(ここでは、Z軸方向における位置)となるように決定してもよい。
真空チャンバVC2、VC3のうち、一方の真空度が他方の真空度よりも高い場合、オリフィス172は、真空度の高い高真空側の真空チャンバの真空度を保持しつつ、真空度の低い低真空側の真空チャンバへのスパッタの流入を抑制する。オリフィス172の孔172aは、後述するスパッタ分子M2(図5参照)が、真空チャンバVC3から真空チャンバVC2へ流入することを抑制する形状を有すればよく、例えば、そのような大きさの断面積を有する。オリフィス172は、オリフィス171と同じ種類の材料からなるとよい。
真空チャンバVC3と試料室120とは開口部153を介して連結され、開口部153を介して真空チャンバVC3から試料室120へ電子ビーム140が導かれる。
なお、ここでは、真空チャンバVC1を第1の真空チャンバとも称する。真空チャンバVC2を第2の真空チャンバとも称する。真空チャンバVC3を第3の真空チャンバとも称する。また、真空チャンバVC2と試料室120とは、真空チャンバVC3を介して連結されているが、この連結状態を、単に真空チャンバVC2と試料室120とが連結されているとも表記する。オリフィス171を第1のオリフィスとも称し、オリフィス172を第2のオリフィスとも称する。開口部151を第1の開口とも称し、開口部152を第2の開口とも称する。
真空チャンバVC2の内部には、アノード113が配置される。真空チャンバVC2内の開口部151には、アノード113が配置される。真空チャンバVC2と真空チャンバVC3との間の開口部152には、真空バルブ118が設けられる。真空バルブ118により、真空チャンバVC2と真空チャンバVC3との間が開放され、又は遮断される。真空チャンバVC2は、開口163を介して接続されるターボ分子ポンプ164により排気される。
真空チャンバVC3内には、アライメントコイル114、レンズコイル115及び偏向コイル116が配置される。真空チャンバVC3内では、レンズコイル115及び偏向コイル116が壁VC31によって区切られている。壁VC31によって区切られた空間のうち、レンズコイル115及び偏向コイル116を有する空間は、大気圧下にあってもよい。アライメントコイル114は、電子ビーム140のビームスポットの原点位置を決定する。レンズコイル115は、電子ビーム140のビームスポットの大きさを決定する。偏向コイル116は、溶接対象物に対する電子ビーム140の照射位置を制御する。
試料室120には、溶接対象物(この例では、部材W1及びW2)が配置される。試料室120は、真空ポンプ(メカニカルブースターポンプ(MP)165、ロータリーポンプ(RP)166)により、溶接作業中は常時排気されている。この例では、電子ビーム140が部材W1と部材W2との接合部に照射され、部材W1と部材W2とが溶け合った溶融金属部141を形成する。この溶融金属部141が冷えて固化することで、部材W1と部材W2とが溶接される。
次に、図1、図4〜図10を参照して、本実施の形態にかかる電子ビーム溶接装置100におけるスパッタ分子の真空チャンバVC1への流入抑制の原理について説明する。図4は、実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置でのスパッタ分子の軌跡を模式的に示す図である。図5及び図6は、実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置でのスパッタ分子の軌跡を模式的に示す図である。図7〜図10は、実施の形態1にかかる電子ビーム溶接装置の要部でのスパッタ分子の動きを模式的に示す図である。
電子ビーム140が部材W1及びW2に照射されると、電子ビーム140のエネルギーにより、部材W1及びW2を構成する金属原子がスパッタ分子となって試料室120内に放出される。図4に示すように、部材W1及びW2から放出された一部のスパッタ分子M2は、電位が低いフィラメント111の側に引かれて、電子ビーム140とは逆の経路B2を辿ってフィラメント111へ向かい、オリフィス172の孔172cに進入する。部材W1及びW2から放出された残りのスパッタ分子M1は、まっすぐ(正確にZ軸に沿って)フィラメント111へ向かわずに、Z軸に対してある程度の角度をもってフィラメント111側に向かう。スパッタ分子M1は、オリフィス172における孔172c(図3参照)の外側部分、真空チャンバVC3の内壁、又は、壁VC31に付着し、若しくは、真空チャンバVC3内に漂う。これにより、この残りのスパッタ分子M1は、真空チャンバVC3とオリフィス172とによって、捕集される。
図5に示すように、オリフィス172の孔172cに進入したスパッタ分子M2の一部は、孔172b及び孔172aを通過して、真空チャンバVC2に進入する。なお、スパッタ分子M2の一部は、孔172cの内壁面、孔172bの内壁面、及び、孔172aの内壁面のいずれかに衝突し跳ね返った後、孔172b及び孔172aを通過し真空チャンバVC2に進入してもよい。孔172cに進入したスパッタ分子M2の残りは、孔172cの内壁面、孔172bの内壁面、及び、孔172aの内壁面のいずれかに付着する。オリフィス172の連続した孔172c、172b、172aの断面積は徐々に小さくなるため、このスパッタ分子M2の残りは、孔172c、172b、172aの内壁面に付着しやすい。これにより、このスパッタ分子M2の残りは、オリフィス172によって、捕集される。
図4及び図6に示すように、真空チャンバVC2に進入したスパッタ分子M3の一部は、真空チャンバVC2を通過して、オリフィス171の孔171a(図6参照)に進入する。一方、スパッタ分子M3の残りは、まっすぐ(正確にZ軸に沿って)オリフィス171の孔171aへ向かわずに、Z軸に対してある程度の角度をもってフィラメント111側に向かい、オリフィス171における孔171aの外側部分、又は、真空チャンバVC2の内壁に付着したり、衝突して真空チャンバVC2の内側を漂ったりする。これらスパッタ分子M3の残りは、ターボ分子ポンプ164による排気によって、真空チャンバVC2の外側へ排出してもよい。これにより、この残りのスパッタ分子M3は、真空チャンバVC2とターボ分子ポンプ164とによって、捕集される。
孔171aに進入したスパッタ分子M4の一部は、孔171aの内壁面に衝突して付着する。一方、孔171aに進入したスパッタ分子M4の残りは、孔171aの内壁面と返し部171bとに捕集される。
次に、図7〜図10を参照してスパッタ分子M4の一部の捕集について具体的に説明する。図7に示すように、孔171aに進入したスパッタ分子M4の一部は、例えば、軌道A1に沿って、孔171aの内壁面と返し部171bとに向かって進行する。ここで、孔171aの内壁面と返し部171bとの成す角度はαである。
続いて、図8に示すように、スパッタ分子M4の残りは、返し部171bに衝突する。ここで、スパッタ分子は、真空領域において壁面に衝突すると、正反射し、正反射したスパッタ分子は、さらに壁面に衝突すると、再度正反射する。つまり、スパッタ分子は、壁面との衝突のたびに正反射を繰り返す。従って、スパッタ分子M4は、返し部171bに衝突した後、正反射して軌道A2に沿って移動し、孔171aの内壁面に向かって進行する。さらに、スパッタ分子M4は、孔171aの内壁面と衝突して、正反射して軌道A3に沿って返し部171bに向かって進行する。
孔171aの内壁面と返し部171bとの成す角度αは、0°よりも大きく、90°よりも小さいと好ましい。これは、スパッタ分子が返し部171bに衝突して正反射して、孔171aの内壁面に向かって進行し、オリフィス172によるスパッタ分子の捕集をより確実にさせるからである。
続いて、図9に示すように、スパッタ分子M4は、返し部171bと衝突して、正反射して軌道A4に沿って孔171aの内壁面に向かって進行する。
続いて、図10に示すように、スパッタ分子M4は、孔171aの内壁面と衝突して、正反射して軌道A5に沿って返し部171bに向かって進行する。このように、スパッタ分子M4は、孔171aの内壁面、又は、返し部171bとの衝突及び正反射を繰り返すことによって、孔171aの内壁面と返し部171bとの交差部又はその近傍に到達し、付着される。これにより、スパッタ分子M4は、孔171aの内壁面と返し部171bとによって、捕集される。
以上より、電子ビーム溶接装置100では、スパッタ分子が、真空チャンバVC3、オリフィス172、真空チャンバVC2、ターボ分子ポンプ164、及び、オリフィス171によって、捕集されるため、フィラメント111を有する真空チャンバVC1内に流入することを抑制する。そのため、スパッタ分子が真空チャンバVC1に流入することを抑制する。また、真空チャンバVC1のメンテナンス性、及び、清掃性を向上させる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、オリフィス171の代わりにオリフィス172を開口部151に設けてもよいし、オリフィス172の代わりにオリフィス171を開口部152に設けてもよい。また、オリフィス172を開口部151に設けるとともにオリフィス171を開口部152に設けてもよい。さらに、オリフィス172は、オリフィス171と同様に、返し部をさらに備えてもよい。また、オリフィス171が返し部171bを備えたまま、孔171aの断面積が、オリフィス172と同様に、試料室120側からフィラメント111側に向かって徐々に小さくなってもよく、例えば、段階的に減じてもよい。
100 電子ビーム溶接装置
110 電子銃部 111 フィラメント
120 試料室 140 電子ビーム
151、152、153 開口部 164 ターボ分子ポンプ
171 オリフィス 171a 孔
171b 返し部
172 オリフィス 172a、172b、172c 孔
M1、M2、M3、M4 スパッタ分子 VC1、VC2、VC3 真空チャンバ
W1、W2 部材 α 角度

Claims (7)

  1. 電子ビームを生成する電子銃部と、
    前記電子ビームが照射される溶接対象物が配置される試料室と、を備え、
    前記電子銃部は、
    第1の真空チャンバと、
    前記第1の真空チャンバと第1の開口を介して連結され、前記第1の真空チャンバよりも前記試料室側に設けられている第2の真空チャンバと、
    前記第1の開口に設けられている第1のオリフィスと、を含み、
    前記第1のオリフィスは、前記電子ビームを前記溶接対象物に照射したときに前記溶接対象物から生じたスパッタ分子が、前記第2の真空チャンバから前記第1の真空チャンバへ流入することを抑制する孔を有する
    電子ビーム溶接装置。
  2. 前記第2の真空チャンバと第2の開口を介して連結され、前記第2の真空チャンバよりも前記試料室側に設けられている第3の真空チャンバと、
    前記第2の開口に設けられている第2のオリフィスと、をさらに含み、
    前記第2のオリフィスは、前記電子ビームを前記溶接対象物に照射したときに前記溶接対象物から生じたスパッタ分子が、前記第3の真空チャンバから前記第2の真空チャンバへ流入することを抑制する孔を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム溶接装置。
  3. 前記第2の真空チャンバを排気する真空ポンプをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビーム溶接装置。
  4. 前記第1のオリフィスの前記孔、及び、前記第2のオリフィスの前記孔の少なくとも一方は、前記試料室側から前記第1の真空チャンバ側に向かうにつれて断面積が小さくなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子ビーム溶接装置。
  5. 前記第1のオリフィス、及び、前記第2のオリフィスの少なくとも一方は、返し部を有し、
    前記返し部は、前記返し部を有する前記第1のオリフィス、及び、前記第2のオリフィスの少なくとも一方の前記孔の内壁面から突き出る
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子ビーム溶接装置。
  6. 前記返し部と、前記返し部を有する前記第1のオリフィス、及び、前記第2のオリフィスの少なくとも一方の前記孔の前記内壁面の成す角度αは、0°よりも大きく、90°よりも小さい
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム溶接装置。
  7. 電子ビームを生成する電子銃部と、
    前記電子ビームが照射される溶接対象物が配置される試料室と、を備え、
    前記電子銃部は、
    第1の真空チャンバと、
    前記第1の真空チャンバと第1の開口を介して連結され、前記第1の真空チャンバよりも前記試料室側に設けられている第2の真空チャンバと、
    を含む電子ビーム溶接装置において、前記第1の開口に設けられているオリフィスであって、
    前記電子ビームを前記溶接対象物に照射したときに前記溶接対象物から生じたスパッタ分子が、前記第2の真空チャンバから前記第1の真空チャンバへ流入することを抑制する孔を有する
    オリフィス。
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WO2018180996A1 (ja) 2017-03-27 2018-10-04 株式会社Ihi 燃焼装置及びガスタービンエンジンシステム
CN111496366A (zh) * 2020-06-01 2020-08-07 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种高纯溅射用靶材电子束焊接工装及焊接工艺

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