JP2016215264A - 摩擦撹拌接合工具、および摩擦撹拌接合装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、塑性流動させた母材の材料が接合部分の周縁からはみ出すと、接合部分における母材の材料の量がその分少なくなる。接合部分における母材の材料の量が少なくなると、欠陥が発生するおそれがある。また、接合部分の周縁からはみ出した母材の材料は、バリとなる。
そのため、工具のショルダ部に、工具の中心軸の方向から見た形状が渦巻き状を呈する溝(凹部)を設けて、塑性流動させた母材の材料を回転する工具の中心軸側に引き込むようにしている。
ところが、溝の内部に入り込んだ材料が溝の内部に付着すると、単なる平坦面を有するショルダ部と変わらなくなる。
また、溝と、溝との間に形成される凸部の幅寸法が短い場合には、凸部が摩耗しやすくなる。そして、凸部が摩耗すると、単なる平坦面を有するショルダ部と変わらなくなる。 溝の内部に付着した材料を除去すれば、材料を引き込む能力を回復させることができる。しかしながら、材料の除去を頻繁に行えば、生産性が低下することになる。
そのため、塑性流動させた母材の材料を引き込む能力を維持することができる摩擦撹拌接合工具および摩擦撹拌接合装置の開発が望まれていた。
前記ショルダ部の表面には、帯状を呈し、摩擦撹拌接合工具の中心軸に直交する方向において前記ピンの周りを渦巻き状に巻き回され、前記ピンの周りを旋回するにつれて前記摩擦撹拌接合工具の中心軸の方向において前記ピンから離れる形状の段差面が設けられている。
図1は、本実施の形態に係る摩擦撹拌接合工具1を例示するための模式斜視図である。 図2は、摩擦撹拌接合工具1を例示するための模式側面図である。
図1および図2に示すように、摩擦撹拌接合工具1(以下、単に、工具1と称する)は、基部2、ピン3、およびショルダ部4を備えている。
基部2、ピン3、およびショルダ部4の材料には特に限定はないが、接合する部材の材料よりも硬い材料を用いることが好ましい。基部2、ピン3、およびショルダ部4の材料は、例えば、工具鋼、タングステン合金、セラミックなどとすることができる。
接合する部材の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、およびマグネシウム合金などとすることができる。ただし、これらの材料に限定されるわけではなく、摩擦撹拌接合が可能であれば特に限定はない。また、一方の部材の材料は、他方の部材の材料と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
基部2は、基部2の中心軸2aと、工具1の中心軸1aとが同一直線上に位置するように設けることができる。
基部2の形態には特に限定はないが、円柱状とすれば工具1の製造が容易となる。また、摩擦撹拌接合装置100への工具1の取り付けが容易となる。
なお、基部2のピン3が設けられる側(端部2b側)とは反対側(端部2c側)に、ねじなどの図示しない締結部を設けることもできる。この場合、締結部を介して基部2を保持する図示しない保持部をさらに備え、図示しない保持部を摩擦撹拌接合装置100に取り付けるようにすることができる。この様にすれば、一体に形成された基部2、ピン3、およびショルダ部4を摩擦撹拌接合装置100から取り外すのが容易となる。そのため、ピン3およびショルダ部4の洗浄などのメンテナンスが容易となる。
ピン3は、柱状を呈している。
ピン3は、ピン3の中心軸3aと、工具1の中心軸1aとが同一直線上に位置するように設けられている。
工具1の中心軸1aに直交する方向におけるピン3の外形寸法は、基部2の中心軸1aに直交する方向における外形寸法よりも短くなっている。
ピン3の中心軸1aに直交する方向における外形寸法には特に限定はないが、ピン3の外形寸法は基部の外形寸法の2倍から3倍とするのが一般的であり、接合する部材の材料や加工条件などに応じて適宜変更することができる。
工具1の中心軸1aの方向におけるピン3の長さ寸法(高さ寸法)は、接合する部材の厚み寸法と接合形態などにより適宜決定することができる。
例えば、2つの部材を突き合わせ、突き合わせた部分を接合する場合には、ピン3の長さ寸法(高さ寸法)は、部材の厚み寸法よりも短くする。2つの部材を重ね合わせ、重ね合わせた部分を接合する場合には、ピン3の長さ寸法(高さ寸法)は、工具を挿入する側の部材の厚み寸法よりも長くする。
なお、ピン3の長さ寸法(高さ寸法)は、接合する部材の材料や加工条件などに応じて適宜変更することができる。
例えば、ピン3は、円錐台状を呈するものとすることができる。
ピン3の側面には、らせん状の溝を設けることができる。らせん状の溝をピン3の側面に設ければ、工具1の回転方向に加えて中心軸1a方向にも材料を塑性流動させることができる。そのため、突き合せの接合において、接合する部材の厚みよりも工具1のピン3の長さ寸法(高さ寸法)を短くしても突き合せ部の全面を接合できる。
らせん状の溝のピッチ寸法、大きさ、数などには、特に限定はない。
また、らせん状の溝は、必ずしも必要ではない。
らせん状の溝を設けない場合には、ピン3の側面が平滑となるようにすることができる。
この場合、中心軸1aに直交する方向におけるピン3の断面形状を多角形とすれば、らせん状の溝が無くても塑性流動させた材料を撹拌し易くなる。
らせん状の溝のピッチ寸法、大きさ、数、らせん状の溝の要否は、例えば、接合する部材の材料や厚み寸法、加工条件などに応じて適宜変更することができる。
ショルダ部4は、ショルダ部4の中心軸4aと、工具1の中心軸1aとが同一直線上に位置するように設けられている。
すなわち、ショルダ部4は、ピン3の周りに設けられ、ショルダ部4の中心軸4aと、ピン3の中心軸3aとが工具1の中心軸1a上に位置している。
段差面4bの中心軸4a(中心軸1a)に直交する方向における位置は、段差面4bが中心軸4a(中心軸1a)の周りを旋回するにつれて中心軸4a(中心軸1a)から離れる。
すなわち、段差面4bは、帯状を呈し、工具1の中心軸1aに直交する方向においてピン3の周りを渦巻き状に巻き回されている。
また、中心軸4a(中心軸1a)に直交する方向における段差面4bと段差面4bの間には溝が設けられていない。すなわち、工具1を中心軸1aの方向から見た際に、段差面4bと、隣接する段差面4bとは密着している。
すなわち、段差面4bは、ピン3の根元から始まり、ピン3の周りを旋回するにつれて、工具1の中心軸1aの方向においてピン3から離れるように端部2b側へ移動し、端部2b面で終わる。
以上に説明したように、段差面4bは、ピン3の周りを渦巻き状に旋回する連続したスロープとなっている。
段差面4bは、平坦な面とすることができる。
段差面4bを通り、段差面4bの周縁から中心軸4a(中心軸1a)に向かう線は、中心軸4a(中心軸1a)と直交するようにすることができる。
また、段差面4bの幅寸法を、ピン3の周縁と、基部2の端部2bの周縁との間の寸法の1/3以下とすれば、塑性流動させた母材の材料を引き込む能力を維持することが容易となる。
ただし、段差面4bがピン3の周りを旋回する回数には特に限定がなく、接合する部材の材料や加工条件などに応じて適宜変更することができる。
図3(a)は、比較例に係るショルダ部54を例示するための模式断面図である。
図3(a)に示すように、ショルダ部54の表面には、渦巻き状の溝54cが設けられている。
溝54cと溝54cの間には、凸部54bが形成されている。
凸部54bの頂面54b1は、曲面となっている。
頂面54b1を通り、頂面54b1の周縁から中心軸54aに向かう線は、中心軸54aと交差している。
すなわち、頂面54b1は、傾斜面となっている。
図3(b)に示すように、ショルダ部64の表面には、渦巻き状の溝64cが設けられている。
溝64cと溝64cの間には、凸部64bが形成されている。
凸部64bの頂面64b1は、平坦な面となっている。
頂面64b1を通り、頂面64b1の周縁から中心軸64aに向かう線は、中心軸64aと交差している。
すなわち、頂面64b1は、傾斜面となっている。
ところが、溝54c、64cの内部に入り込んだ材料が溝54c、64cの内部に付着すると、単なる平坦面を有するショルダ部と変わらなくなる。
また、溝54c、64cと、溝54c、64cとの間に形成された凸部54b、64bの幅寸法が短い場合には、凸部54b、64bが摩耗しやすくなる。そして、凸部54b、64bが摩耗すると、単なる平坦面を有するショルダ部と変わらなくなる。
そのため、塑性流動させた母材の材料がショルダ部4の表面に付着しにくくなる。
また、段差面4bの幅寸法を長くすることができるので、摩耗しにくくすることができる。
そのため、塑性流動させた母材の材料を引き込む能力を維持することができる。
この場合、段差面4bを平坦な面とし、段差面4bを通り、段差面4bの周縁から中心軸4a(中心軸1a)に向かう線が、中心軸4a(中心軸1a)と直交するようにすれば、段差面4bと塑性流動させた母材の材料との接触を安定させることができる。
そのため、挿入方向における工具1の位置がばらついたとしても、塑性流動させた母材の材料を引き込む能力を維持させやすくなる。
図4(b)は、本実施の形態に係るショルダ部4を備えた工具を用いて接合を行った場合の接合部分を例示するための模式図である。
なお、図4(a)、(b)は、2つの部材71、72を突き合わせ、突き合わせた部分を接合する場合である。
そのため、塑性流動させた母材の材料を引き込む能力が低下しやすくなる。
その結果、図4(a)に示すように、塑性流動させた母材の材料が接合部分70の周縁からはみ出すようになる。塑性流動させた母材の材料が接合部分70の周縁からはみ出すと、接合部分70における母材の材料の量がその分少なくなるので、接合部分70に欠陥が発生するおそれがある。また、接合部分70の周縁からはみ出した母材の材料は、バリ70aとなる。
そのため、図4(b)に示すように、塑性流動させた母材の材料が接合部分70の周縁からはみ出すことを抑制することができる。塑性流動させた母材の材料が接合部分70の周縁からはみ出さなければ、欠陥およびバリの発生を抑制することができる。
図5は、本実施の形態に係る摩擦撹拌接合装置100を例示するための模式図である。
なお、図5中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。矢印Zは鉛直方向を表し、矢印Xと矢印Yは水平方向を表している。
摩擦撹拌接合装置100は、床面などに設置することができる。
また、摩擦撹拌接合装置100は、6軸垂直多関接ロボットなどのハンドに取り付けることもできる。
載置部101は、2つの部材71、72を突き合わせた状態で載置する。
部材71、72は、例えば、アルミニウム合金などからなる板材とすることができる。 保持部102は、2つの部材71、72を互いに近接する方向(例えば、Y方向)に加圧して保持する。
保持部102は、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。
加工部103は、中心軸103aを中心として工具1を回転させる。
この際、加工部103は、段差面4bの巻き方向と逆の方向に工具1を回転させる。
加工部103は、回転させた工具1の位置を変化させる。
例えば、加工部103は、回転させた工具1のZ方向における位置を変化させて、ピン3およびショルダ部4が部材71、72の内部に挿入されるようにする。
そして、加工部103は、回転させた工具1のX方向における位置を変化させて、2つの部材71、72の突き合わせた部分を接合する。
加工部103は、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。
Claims (9)
- 基部と、
前記基部の一方の端部側に設けられたピンと、
前記基部の一方の端部側であって、前記ピンの周りに設けられたショルダ部と、
を備え、
前記ショルダ部の表面には、帯状を呈し、摩擦撹拌接合工具の中心軸に直交する方向において前記ピンの周りを渦巻き状に巻き回され、前記ピンの周りを旋回するにつれて前記摩擦撹拌接合工具の中心軸の方向において前記ピンから離れる形状の段差面が設けられている摩擦撹拌接合工具。 - 前記摩擦撹拌接合工具を中心軸の方向から見た際に、前記段差面と、隣接する前記段差面と、は密着している請求項1記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記段差面を通り、前記段差面の周縁から前記中心軸に向かう線は、前記中心軸と直交している請求項1または2に記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記段差面は、平坦な面である請求項1〜3のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記段差面の段差は、0.05mm以上、1mm以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記段差面の幅寸法は、前記ピンの周縁と、前記第1の端部の周縁と、の間の寸法の1/3以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記ピンの側面には、らせん状の溝が設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合工具。
- 前記ピンの側面が平滑である請求項1〜7のいずれか1つに記載の摩擦攪拌接合工具。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合工具を保持し、段差面の巻き方向と逆の方向に前記摩擦撹拌接合工具を回転させる加工部を備えた摩擦撹拌接合装置。
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