JP2016119344A - プラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiN膜のエッチングレートの制御が可能で、SiO2膜とSiに対し、高い選択性が同時に得られる処理方法を提供する。【解決手段】真空容器内部の処理室内にCHF3またはCF4とO2ガスとを含む処理用のガスを供給し、前記処理室の外周を囲む誘導コイルに7〜50MHzのRF電力を供給して当該処理室内において形成した誘導結合プラズマを用いて、この処理室内に配置された基板の表面にSiO2膜及びSiN膜またはSi膜及びSiN膜を含む膜構造の前記SiN膜を処理対象としてエッチバックするプラズマ処理方法。【選択図】図1
Description
本発明は、真空容器内部の処理室内に配置された半導体ウエハ等の基板状の試料をこの処理室内に形成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理方法に係り、特に処理室内に誘導結合によるプラズマを形成して試料上に予め配置された膜をエッチングするプラズマ処理方法に関する。
現在の半導体デバイスには、複雑な三次元構造や新材料の技術が盛り込まれる。これらのデバイス構築に対応するために、様々なプロセス技術が提案され評価されている。一方、半導体デバイスの微細加工が進む中で、エッチング技術における要求項目は、エッチングレート制御性、高均一性、高選択比が非常に重要な項目である。
特にデバイス構築のゲート周り加工技術は、前述で述べた通り、微細化かつ複雑となっているが、特にSiN膜の対SiO2膜とPoly-Si膜を含む対Siに対する高選択比エッチングの要求が高まっている。
SiN膜の対SiO2膜の高選択比エッチングは、様々な技術が提案されている。このような従来の技術の例としては、特開2010-98101号公報(特許文献1)等のものが知られている。
例えば、特許文献1では、フルオロカーボンガスにより層間絶縁膜を除去し、その後、酸化性ガスを用いて、ゲート酸化膜及びサイドサイドウォール上のSiN膜を除去する方法が記載されている。また、特開平6-181190号公報(特許文献2)には、NF3とClの混合ガスを用いてSiO2膜に対し高選択のSiNエッチングする方法が開示されている。
また、特開2001-127038号公報(特許文献3)には、ゲート電極のサイドサイドウォール形成において、ハロゲン水素ガスによる第一ステップにより、SiN膜を選択的に除去し、続いてフロロカーボンガス/Heの混合ガスを用いてゲート酸化膜を除去する技術が開示されている。さらに、特開平7-235525号公報(特許文献4)では、フッ素元素以外のハロゲン元素を用いてSiN膜を除去しSiO2膜に対して選択的にエッチングする技術が開示されている。
さらに、特表2013-503482号公報(特許文献5)では、リモートプラズマを用いて、フッ素及び水素含有の前駆体を生成しながら反応性酸素を流し、シリコン炭素含有層をエッチングする。その後、表面の固体副生成物の昇華温度よりも高い温度にし、固体副生成物を昇華させる技術が記載されている。
上記の従来技術では次の点について考慮が不十分であったため問題が生じていた。
すなわち、今後または将来の半導体デバイスに用いられる可能性の高い新しい材料を用いた膜を対称とする処理や複雑な三次元構造を形成する処理においては、一般的にSiN膜の下層膜としてSiO2膜が用いられる場合が多く、このような場合ではこれまでもSiN膜とSiO2膜との選択比を確保することで対応してきた。しかし、上記三次元構造を実現するエッチング処理では、SiN膜を対称の膜としてエッチングして除去した際に、SiN膜の下層膜であるSiO2の他にAl2O3やPoly-Siなどの膜も露出する場合がある。
また、従来の技術では、先ずSiO2膜が露出するまで高選択比を実現する条件でSiN膜エッチングを行い、次にPoly-Si等の最下層膜が露出するまで当該最下層膜との選択比が得られる条件でSiO2膜をエッチングしていた。このような処理のステップでは、マスクを含めた複数の膜層が重なった膜構造において複数の膜層を対称としてエッチングすることになるため、処理のステップ数が増え一枚当たりの試料を処理する時間が増大する結果、一纒まりの複数枚の試料の上の同じまたはこれと見做せる程度に近似した材料、構造寸法を有した仕様の試料を同じまたはこれと見做せる近似した条件でこれら試料を処理した際の全体としての単位時間当たりの枚数(所謂スループット)が損なわれてしまうという問題が生じていた。一方で、SiN膜のエッチングレートを高くすることでスループットを向上させようとすると、所期のエッチングの特性、例えば選択性や処理後に得られる形状の面内方向での均一性等が得られ難くなったり、その再現性が低下してしまう等の問題が生じてしまう。
このことから、従来の技術では、SiN膜と対SiO2膜及び対Poly-Si膜との選択比の高さと加工する膜や膜厚さに応じてエッチング速度を所期のものに実現することを両立できる処理が必要となる。このような処理が得られれば、必要以上のステップ数の増大とこれによる処理のスループットが損なわれることが抑制される。
本発明は、SiN膜の対SiO2膜および 対Siとの選択エッチングにおいて、SiN膜のエッチングレートの制御が可能で、SiO2膜とSiに対し、高い選択性が同時に得られる処理方法を提供することを目的としている。
また、SiN膜と対SiO2膜および対Poly-Si膜の下層膜に対しても、高選択性を示し、エッチングレートの制御が可能な特徴を有するプロセス処理方法を提供することを目的とする。
上記目的は、真空容器内部の処理室内にCHF3またはCF4とO2ガスとを含む処理用のガスを供給し、前記処理室の外周を囲む誘導コイルに7〜50MHzのRF電力を供給して当該処理室内において形成した誘導結合プラズマを用いて、この処理室内に配置された基板の表面にSiO2膜及びSiN膜またはSi膜及びSiN膜を含む膜構造の前記SiN膜を処理対象としてエッチバックするプラズマ処理方法により達成される。
本発明により、エッチング処理の時間短縮ができるため、スループットの向上が得られる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
以下、本発明の実施例を図1乃至23を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本実施例のプラズマ装置は、真空容器内部に配置された処理室内に形成するプラズマを、真空容器外部で処理室を囲んで螺旋状に配置されたアンテナに所定の周波数の高周波電力を供給して処理室内に形成した誘導磁場を用いて処理室内に供給された処理用ガスを励起して形成する、所謂、ヘリカルアンテナ型の誘導結合プラズマを用いる処理装置である。
本実施例の真空容器は、蓋として機能する誘電体製の天板を備えたガス供給プレート101と、その上端にガス供給プレート101の外周縁部が載せられて当該下面と上記上端面との間で内外が気密に封止するためのシール部材が挟まれる石英製の円筒形を有した石英チャンバ102と、その上面が石英チャンバ102の下端部の下面と接して内外を気密に封止するシール部材が挟まれるアルミ製のチャンバ103とを備えて構成されている。真空容器の上部を構成するガス供給プレート101は、内部の処理室の天井面を構成する板状の部材であって1つまたは複数のガス供給の口が配置されている。さらに、このガス供給口の下方には円筒形を有した処理室の中心へ流れ込むガスを効率良く、外周へ分散する目的で、分散用の石英バッフル板104がその下方に配置されている。
石英チャンバ102は、処理室の外周を囲んで配置された円筒形の石英で構成され、その外側の壁面の外周にはこれとすき間を開けて上下方向に等しい距離となるように複数段を成して巻かれた誘導コイル105が配置されている。当該誘導コイル105は、その端部が所定の周波数(本例では27.12MHz)の高周波電力106を供給する図示しない高周波電源と電気的に接続され、当該高周波電源から誘導コイル105供給された高周波電力106により石英チャンバ102内側の処理室内部に誘導磁場が生起する。
高周波電源106と誘導コイル105の間には、プラズママージンを拡大するため処理室内に形成されるプラズマを含めた等価回路での負荷であるプラズマからの電力の反射を所期の値以下となるように等価回路でのインピーダンスを自動的に調節するオートマッチャ107が配置されている。本評価では、27.12MHzの高周波電力106を誘導コイル105に印加しているが、他の周波数、例えば13.56MHzの高周波電力を印加することも可能である。また、高周波電源106にはパルス変調器112が電気的に接続されており、パルス変調器112から所定の周期で出力されるパルス信号の値の増減に応じて高周波電力106の出力の値、例えば振幅が周期的に増減される構成を備えている。
また、石英チャンバ102の内側に配置される処理室の下部には、円筒または円板形状を有したウエハ載置台108が、その中心の軸お処理室または石英チャンバ102の円筒形部分の中心軸と合わせるように配置されている。また、石英チャンバ102はその円筒形の部分の上端面は高さがウエハ載置台108に載置されたウエハ109上のプラズマ分布が均一になるような高さにされている。
ガス供給口から導入されて石英バッフル板104により石英チャンバ102内の処理室上部において外周部側へ分散した処理用ガスは、円筒形を備えた石英チャンバ102の内側壁に沿って下方のウエハ載置台108またはこれの上面上方に載置された試料であるウエハ109へ向かって下降する。尚、本実施例において上記の石英チャンバ102の内壁に沿ったガス流れを形成することにより、誘導コイル105が複数段巻かれた内側壁面であってその近傍に誘導コイル105により形成された誘導磁場の強度が最も高くなる点またはその近傍に処理用のガスが供給される。
処理用ガスは、上記誘導磁場により処理用ガスが励起されてプラズマが形成され、その内部で励起されてラジカル等の活性を有した粒子がウエハ109上面に逹してその表面の処理対象の膜と化学的な作用を生起して膜を処理(本例ではアッシング)が施される。また、このアッシングの際に生起された副生成物の粒子や未反応の処理用ガスはアルミチャンバ103の下面に配置された貫通孔の開口である排気口110と連通してその下方に配置された図示されない真空ポンプの動作により、排気口110から処理室外に排出される。
本実施例において、ウエハ載置台108はアルミ製であってその上面にはウエハ109がその上方にすき間を開けて載せられる載置面が配置されるとともにウエハ109の裏面と載置面との間に供給される熱伝達を促進するための伝熱ガスによってウエハ109がホバリングすることを抑制するために、伝熱ガスをウエハ載置台108表面上から逃がす溝が施されている。これはウエハのホバリングによって、ウエハ109の位置ずれを防止するためである。本ウエハ載置台108は、ウエハ109の位置ずれが防止できるため、位置ずれ防止のためのピンやウエハ落とし込みの機構は設けていない。そのため、ウエハ109位置ずれによる接触を低減できるため為、エッジ接触による異物の発生を抑制できる。
また、本実施例では、処理の速度(レート)を制御し高い選択比が両立したエッチング(アッシング)処理を可能とするため、ウエハ109の温度は20-40℃に維持される。この実現のため、ウエハ載置台108の内部には、所定の温度に調節された冷媒が内側を通流して熱交換することでウエハ載置台108の温度を調節することができる冷媒流路(図示せず)が配置され、当該冷媒流路は外部の管路によって温度制御機構であるサーキュレータ111と連結され、ウエハ載置台108とサーキュレータ111との間でこれにより温度が調節された冷媒が循環する構成を備えている。
次に、本実施例のプラズマ処理装置を用いた処理における処理のレートと選択比とについて説明する。
発明者らは、図1に示すプラズマ処理装置を用いて、試料としてのウエハ109表面に配置された複数種類の膜層が重ねられた膜構造を特定の条件でエッチングまたはアッシング処理して対称の膜を除去する処理を施した場合の、速度等の処理の特性と処理ガスの流量との相関を検討した。この結果を図2乃至5を用いて説明する。この際のプロセスガスとしては、O2、CF4、CHF3の混合ガスを用いて、処理対象の膜としてSiO2膜、SiN膜、Poly膜を備えた膜構造について上記パラメータを検出した。
図2に、図1に示す実施例のプラズマ処理装置において上記の検討をしたSiO2膜、SiN膜、Poly膜を処理のレートとCHF3の流量との相関を、図3に、当該装置において上記の検討をした選択比とCHF3の流量との相関を示す。また、本検討に使用した処理の条件を図4に示す。
図2,3に示されるように、CHF3流量の増加に伴い、SiO2膜、SiN膜、Poly膜のエッチングレートは速くなり、特にSiN膜のエッチングレートが顕著に増加することが分かる。この反応について、結合エネルギーを用いて説明する。
本反応モデルに関与する結合は、Si-O、SiN、Si-F、H-Fと考えられ、それぞれの結合エネルギーは、次のようになる。
O-F:26(Kcal/mol)≦Si-N:105< Si-F:132< H-F:153<Si-O:195
O-F:26(Kcal/mol)≦Si-N:105< Si-F:132< H-F:153<Si-O:195
SiN膜は、プラズマにより分解したCF4やCHF3のFラジカルと反応し、Si-F結合が形成される。次にSi-F(132Kcal/mol)のFラジカルとCHF3が分解したHラジカルが反応し、H-F(153Kcal/mol)結合が形成する。一方、SiO2は、Si-O結合は、Si-FやSi-Nに比べ、195(Kcal/mol)と高く解離しにくい上、本発明のガス比によるプラズマでは、Oラジカルが支配的であるため、SiN膜の反応と比較し、反応が律速しているものと考えられる。
このことから、CHF3流量の増加に伴い、SiO2膜やPoly-Si膜に比べ、SiN膜のエッチングレートのみが顕著に速くなると考えられる。本プロセス条件を用いることにより、CHF3流量を可変することで、SiN膜のみをSiO2膜やPoly-Si膜に対し、選択的にエッチングすることが可能で、且つSiN膜のエッチングレートを100〜350(nm/min)の範囲で制御することも可能である。
図3の選択比結果では、CHF3の流量増加に伴い、SiN/SiO2およびSiN/Poly-Si選択比は、共に僅かに向上する。SiN/SiO2選択比は、約40〜50、SiN/Poly-Si選択比は、約20〜30程度の範囲で選択比が調節できることが判った。
図5に、図4に示した条件による処理の結果を検討して得られた面内均一性とCHF3流量との相関を示す。本図のように面内均一性はCHF3流量によって変化することが判る。製造される半導体デバイスの性能を許容範囲内にすることのできる使用できる面内均一性の範囲は±4%以下であるとすると、CHF3流量は0.2〜0.8L/minの範囲の流量が当該均一性を達成できるものであることが判る。
次に、処理用ガスとしてCF4を用いた場合の処理の特性と当該ガスの流量との相関を図6乃至8を用いて説明する。まず、図6に、SiO2膜、SiN膜、Poly膜の処理の速度(レート)とCF4の流量との相関を示す。
本図に示されるように、CF4の流量の増加に伴いSiN膜のレートは低減するが、SiO2膜、Poly-Si膜のレートは僅かに速くなる。これは、CF4流量が増加してもCHF3の場合とは異なりH-F結合の生成反応が進行せず、C-Fラジカルが増えたためにSiNのエッチングレートが低下するものと考えられる。
図7に、上記CF4を用いた処理において選択比とCF4の流量との相関を示す。本図において、CF4流量の増加に伴いSiN/SiO2間およびSiN/Poly-Si間の選択比はいずれも低下し、SiN/SiO2間の選択比は約15〜50にSiN/Poly-Si間の選択比は約10〜25程度であることが判る。
図8に、当該処理において面内均一性とCF4の流量との相関を示す。本図において、面内均一性はCF4流量の増加に伴い何れの膜種も悪くなる傾向にあり、図5の検討と同様の基準を適用すると、実際の半導体デバイスにおいて許容範囲内の性能の変動を実現するための流量の範囲は0.1〜0.8L/minとなる。
次に、図9にSiO2膜、SiN膜、Poly-Si膜の処理のレートとO2の濃度(O2/O2+フッ素系ガス(%))との相関を、図10に処理の選択比とO2濃度との相関を示す。
これらの図に示されるように、SiN膜エッチングレートは、O2濃度が高くすると遅くなり80%以上では、300(nm/min)から100(nm/min)以下まで低下する。また、SiO2とPoly-Siのエッチングレートも同様にO2濃度が高くすると低下し、O2濃度が80%以上の範囲では、いずれのエッチングレートも10(nm/min)以下となる。
このことから、O2濃度を高くすることで、エッチングレートが低下する現象は、CF4やCHF3の流量に対し、O2流量比が高い場合は、Si-F(132Kcal/mol)やSi-O(195Kcal/mol)の反応生成物が発生しやすく、これらの結合は解離しにくいためにSi-FとSi-O結合が支配的となり、O2濃度:80%以上の高濃度の場合には、 SiとOやFの反応が飽和状態となるため、反応が律速してゆくためと考えられる。
図10に示されるように、選択比はO2濃度:80%以上でSiN/SiO2選択比は急激に高くなり、100程度の高選択比が得られる。SiN/Poly-Siは、O2濃度が80%以上で約20〜30程度の選択比が得られる。
この検討結果から、O2濃度が80%以上である範囲を処理の条件として用いることにより、例えば、SiNを除去する処理ステップにおいて当該SiNを除去する厚さが100nm程度の場合は、処理時間は20s程度となること、SiNを除去する膜厚さが10nm程度の場合は、80%以上の条件を用いることで10〜20s程度で処理が可能であることが判る。尚、通常30s以下の処理時間では連続的に処理した際のレートの再現性が問題となるが、オーバーエッチングされてもこの領域では十分な選択比が得られているためSiO2やPoly-Siがエッチングされることはないかその量は十分に小さなものと考えられる。
上記の条件を用いることにより、10〜100nmの膜厚の範囲においても、高速で、高選択比が得られるのSiNエッチング除去が可能となる。
図11に上記複数の種類の膜を対称にした処理におけるレートと処理の圧力との相関を、図12に当該処理における選択比と圧力との相関を示す。
図11に示されるように、SiNの処理のレートは、圧力の上昇に伴い速くなる。また、Poly-SiとSiO2のレートは、5nm/min以下と低い。一方、図12の通り、選択比は、SiN/SiO2、SiN/Poly共に30Pa以上で25以上の選択比が得られる。なお、30Paでは装置の排気能力の下限となるため、50Pa以上の圧力を使用することが望ましい。
この検討において、O2濃度をフッ素系ガス濃度より高くする理由は、O2ガスをキャリアガスとしても機能させるためである。石英チャンバ102内の処理室に供給する処理用ガス量が少ない場合、プラズマ内部のウエハ109外周部でラジカルが滞在する時間が短くなり、ウエハ載置台108の外周側の空間における処理室内から排気されるガスの流れからの影響が顕著となる。
その結果、ウエハ109の外周縁部分におけるプラズマ中の粒子の数が低下して処理の反応が低下してしまう。このことは、ウエハ109の中央部のほうが処理の反応が進行することであり、処理のレートのウエハ109の面内方向(円形またはこれに近似した形状のウエハ109を用いた処理の場合にはその中心からの半径または直径の方向)についての分布は、凸分布となり易くなり処理の当該面内方向についての均一性が悪化してしまうことになる。
処理室に供給するO2の濃度を高くすることは、このようなレートを所期のものに調節し易くしつつ高い選択比を得るパラメータであるのと同時に、このウエハ109の面内方向についての処理の結果の不均一性を抑制することができる。
次に、SiNエッチングレートの均一性とデバイス適用の関係を説明する。
まず、本実施例では、図14において示される処理の条件で2つのステップの処理を連続的に実施した。この条件では、SiNエッチングレートは40nm/minで面内均一性は、±2.5%である。例えば、膜厚:20nmのSiN膜をエッチング加工すると仮定し、表3条件で20nmエッチング処理する場合、処理時間を30sとしても均一性は±2.5%のまま変わらず、バラツキは0.5nmである。これが±5%になると、バラツキは1nmとなり、ウエハの面内で、デバイス性能がウエハ面内でばらつく可能性がある。従って、本発明では、エッチングレートの面内均一性を±4%以下つまりウエハ面内のばらつきが0.8nm以下となるエッチング条件をデバイス適用できる基準とした。
本発明の評価は、誘導コイル105に27.12MHzの高周波を印加した評価結果を示したが、誘導コイル105に13.56MHzの高周波電力を印加した評価も実施した。その結果を図13に示す。今回、13.56MHzの高周波を印加した装置は、本発明で使用した装置と異なり、ヘリカルコイルのターン数や排気能力およびMFCの仕様も異なる装置を用いたため、プロセスガス条件の流量比を本発明の条件に合わせエッチングレート評価を行った。
その結果、SiN膜、SiO2膜、Poly-Si膜のエッチレートは、81.0、3.5、7.2(nm/min)で、SiN/Poly選択比は11.3、SiN/SiO2選択比は23.2となり、周波数:27.12MHzの結果と比較すると、選択比は低い結果となっているものの、SiN膜のエッチングのみが、SiO2膜やPoly-Si膜に比べて進行するという特徴は、27.12MHzと同結果であることが分かる。しかし、2.45GHzの電磁波を用いるECRプラズマでは本ガスを用いてエッチングを行っても。SiN膜とSiO2、Poly膜との高選択比は得られなかった。
この原因を解明するために、プラズマからの発光スペクトルを測定した。図15に、O2、CF4、CHF3の混合ガスを用いて、ECRプラズマ装置と本発明に用いたICPプラズマ装置によるプラズマ発光強度の比較を示す。その結果、ECRプラズマでは、O2+の酸素イオンの発光が主体となっていることが判明した。
O2+発光には、12eV以上の電子温度が必要となるため、ECRプラズマは、イオンプラズマが主体であることが分かる。一方、ICPプラズマでは、Oの酸素ラジカルの発光が主体となっており、ECRプラズマで確認されたO2+の発光が確認されないことから、電子温度が低い、ラジカル主体のプラズマが形成されていることが判明した。
ECRプラズマでは、ガス解離が顕著であり、中間体のラジカル種の発生が起こりにくく、ラジカル種を主に必要とするエッチング処理においては、ICPプラズマ装置の方が処理に使用できる圧力などの領域が広いこととなる。SiN膜の高選択エッチングが可能な領域を得るために、プラズマ励起の周波数を変えて発光スペクトルを測定した。
図16にO2+の発光強度と波長1nmから900nmまでのスペクトルの積分発光強度を示す。O2+は周波数50MHzから立ち上がり以後増加した。すなわち、50MHz以上ではプラズマの解離状態が変化して、ラジカル主体のエッチングではなくなることが分かった。また積分強度は周波数7MHz以下で急激に低下した。積分発光強度はプラズマの強度を表して、積分強度の低下はプラズマ密度が減衰して、処理速度が低下することを意味する。以上からSiN膜の高速、高選択エッチングにはプラズマ励起周波数は7MHz以上、50MHz以下が必要であることがわかった。
次にウエハとガス供給口の距離Lの最適値に関して述べる。図17に距離Lをウエハ径で割った値(以後アスペクト比と呼ぶ)とエッチングレート(図中ERと表示)およびその均一性との関係を示す。
エッチングレートはアスペクト比が大きくなると低下する。これはチャンバの体積が増加するためにプラズマ単位体積あたりの電力が低下するからである。一方、エッチングレートの均一性はアスペクトが小さいと悪くなる。これはウエハとガス供給口が近いとガス流速がウエハ面上で分布が悪くなるからである。アスペクト比の最適値は0.7から1.7の範囲となる。
次に、本実施例において図14に示す条件を用いてウエハ109を処理した結果としての加工形状を図18に示す。サンプル初期形状は、Si基板上904にパターン高さが150nm、間隔が20nmのPolyパターン903を形成し、その上に熱酸化膜902を2nm成膜した。その後、熱酸化膜902の上部にSiN膜901が10nm、側壁部に2nm成膜したサンプルを作成した。またPolyパターン間903の熱酸化膜は除去して、SiN膜901がエッチングされた後のSiリセス量も評価できるサンプルとした。
図14に示す条件で40s処理した結果、熱酸化膜902の上部および側壁部のSiN膜901は完全に除去され、下地の熱酸化膜902の膜厚減少も無く、表面モフォロジーも凹凸が無い形状結果である。更にPolyパターン間903のSi表面904にもSiN膜901の残膜が確認されず、またSi表面904のリセスも無いことを確認した。
SiN膜とSiO2膜やPoly-Si膜との選択比が低い場合は、SiO2膜やSi表面にダメージが入ることとなるが、本発明の高選択比エッチングにおいては、その課題は発生しない。また、微細加工においては、ウエハ面内のエッチング量分布が非常に重要となるが、本実施例では100%以上のオーバーエッチングをかけても、SiO2膜とPoly-Si膜との選択比が十分にとれているため、下地SiO2膜へのダメージやSiリセス発生に対するプロセスマージンが広いために安定した加工形状の再現性が得られる。
更には本実施例は、1つのガス種類の組み合わせを用いてSiN膜の下地SiO2膜とPoly-Si膜の2つの異なる膜に対して相互に対する選択比を高くしたエッチングが可能となるため、処理のステップを複数に区切ってプラズマ形成を停止し供給する処理用ガスを変えるために真空排気や希ガス導入による入れ換えをする必要が低減されスループットの向上にも効果がある。また、パラメータによって、エッチングレートや選択比の制御も可能であるため、SiN膜の膜厚や膜質、下地のSiO2膜やPoly-Si膜厚や膜質に応じて、適応が可能である。
次に、本実施例において高周波電源106からの高周波電力をパルス変調した場合について説明する。図19は、高周波電源106の出力を27.12MHz、ピーク電力1.5kW一定に保ち、パルス変調のデューティ比と選択比の関係を示す。
パルス周波数は100Hzとした。本図から、デューティ比が50%以下から選択比が増加することが分かる。この装置では高周波の出力電力を変えるとエッチングレートのウエハ面内分布が変化する傾向があるが、パルス変調してデューティ比を変えると、エッチングレートの均一性を変えることなく選択比を増加できる。パルス変調することによりオフ期間に堆積が生じてエッチングレートが低下するが、SiO2とPoly-Siのエッチングレートが0に近づき、選択比が増加する。
次に、上記の実施例では単一の誘導コイル105と高周波電源106とを用いたプラズマ処理装置を説明した。図20に、図1に示す実施例の変形例として誘導コイル105および高周波電源106を複数個備えた例を示す。図20に示すプラズマ処理装値は2つの誘導コイル105及びその上方で石英チャンバ102の外周を螺旋状に巻いて配置された1103を備え、それぞれに高周波電源106及び高周波電源1601とがオートマッチャ107及び1602を通して電気的に接続され各々独立に高周波電力を供給できる構成となっている。
高周波電力が誘導コイル105に供給されると石英チャンバ102内側の当該誘導コイル105に沿った近傍にプラズマが誘導磁場により形成され、誘導コイル1603に高周波電力を供給すると同様にプラズマがウエハ109からより離れた誘導コイル1603に沿ったその近傍に形成される。これらの誘導コイル105及び誘導コイル1603に供給する高周波電力の大きさや周波数を、試料の処理対象の膜の種類やガスの種類に応じて調節することで処理のレートやそのウエハ109の表面方向の均一性を精度良く調節することが可能となる。
さらに図20の例では、2つの高周波電源106及び高周波電源1601からの出力をパルス制御器1604からの制御用の信号に同期させて誘導コイル105及び1603に供給することで、石英チャンバ102内に形成されるプラズマの強度を時間的に調節できる。このことにより、ウエハ109上に供給される励起され活性化された粒子の量やその分布を所望のものとなるように調節できる。
図21は、図20に示す変形例における2つの高周波電源106,1601からの出力の時間の経過に伴った変化を示すグラフである。本図では、波形が振幅を示す方形として示されているが実際に供給される電力は当該振幅を有した交流の電力である。この例では、2つの高周波電源106,1601からの電力は所定の間隔または周期で所定の大きさで出力される(または大きな値で出力される)オンの期間と0にされる(または小さな値で出力される)オフの期間とが繰り返される構成であって、高周波電源106,1601からの出力は同期して出力され、相互にオンとオフまたは高出力と低出力との各々の期間が逆となって一方がオンの期間に他方がオフの期間となるように構成されている。
さらに、本例では処理室内に供給される処理用ガスも高周波電源106,1601の出力に同期して各々前者がオンの期間でガスAの供給と、後者がオンの期間でガスBの供給とで切り替えられている。また、本例ではパルスの任意のオンと次のオンとの間の周期は2秒である。さらに、ガスAをArとしてガスBをO2/CF4/CHF3とするとことで、反応性ガスの吸着とArによるスパッタをデジタル的に制御できるので、より精密な加工が可能になる。
さらに、図22,23に示すように、パルス制御器1604からの制御用の指令信号に応じて、2つの高周波電源106,1601から出力される電力を、所定の周期でオン/オフまたは高出力/低出力の期間の各々を繰り返すものであって、各々のオンまたは高出力の期間で複数回の方形波(パルス)状に出力を繰り返す構成としても良い。図22の例では、高周波電源106,1601の各々が同じ振幅でオン/オフまたは高出力/低出力の期間の各々を繰り返すものであって、前者がオン(高出力)の期間とオフ(低出力)の期間が異なる長さにされて、各々で同数のパルス状の出力が繰り返されている例である。
一方、図23では、高周波電源106,1601の各々が異なる振幅でオン/オフまたは高出力/低出力の期間の各々を繰り返すものであって、前者がオン(高出力)の期間とオフ(低出力)の期間が異なる長さにされて、各々で異なる数のパルス状の出力が繰り返されている例である。2つの高周波電源106,1601からの出力の振幅、オン/オフまたは高出力/低出力の期間の長さと相対的な比率(デューティ比)、各期間でのパルス数とそのデューティ比は、処理対象の膜の材料、処理の圧力や時間、処理用ガスの種類とその組み合わせの組成等の処理の条件に応じて使用者により適切に選択され、高周波電源106,1601の出力値やパルス制御器112、1604の動作が調節される。このような構成により、ウエハ109の処理の面内の方向についての均一性を向上することができる。
図24に、図1に示す実施例のプラズマ処理装置においてアルミチャンバ103内に配置した部材によりエッチングレートの均一性を所望のものに調節する構成を示す。本例では、石英チャンバ102の下端部とこれと連結される下方のアルミチャンバ103の上端部との間に亘りこれらを被って内側に配置された円筒形を有してSiNにより構成されたリング状部材1801を備えている。
エッチングではウエハから脱離した反応性生物がプラズマ中で解離して、ウエハに再付着する現象が生じるが、この再付着はエッチングレートを低下させるものとなる。一般的に、処理室内においてその排気口から離れているウエハ109の中心部はウエハ109の外周部に比較して反応性生物の再付着が多いためにエッチングレートが低くなる傾向がある。
これを改善するために、図24の装置では被エッチング材料、本実施例ではSiNと同じ材質のSiNを含んだ材料から構成されたリング状部材1801を石英チャンバ102の下端部内側及びアルミチャンバ103上端部内側に配置して、当該箇所からも反応性生物を発生させることにより、処理室内の反応性生物の密度分布をウエハ109の中心部と外周部で均一化することにより、エッチングレートのウエハ面内分布をより向上することができる。
101…ガス供給プレート、102…石英チャンバ、103…アルミチャンバ、104…石英バッフル板、105…誘導コイル、106…高周波電源、107…オートマッチャ、108…溝付きウエハ載置台、109…ウエハ、110…排気口、111…サーキュレータ、112…パルス制御器、901…SiN膜、902…熱酸化膜、903…Poly-Si、904…Si基板、1101…高周波電源、1102…オートマッチャ、1103…誘導コイル、1301…SiN部材。
Claims (9)
- 真空容器内部の処理室内にCHF3またはCF4とO2ガスとを含む処理用のガスを供給し、前記処理室の外周を囲む誘導コイルに7〜50MHzのRF電力を供給して当該処理室内において形成した誘導結合プラズマを用いて、この処理室内に配置された基板の表面にSiO2膜及びSiN膜またはSi膜及びSiN膜を含む膜構造の前記SiN膜を処理対象としてエッチバックするプラズマ処理方法。
- 請求項1記載の誘導結合プラズマ処理方法において、
処理圧力は、50Pa以上の圧力範囲を用いるプラズマ処理方法。
- 請求項1記載のプラズマ処理方法において、
酸素、フッ化メタン系ガスおよびフッ化カーボン系ガスのガス流量比において、酸素濃度比が、フッ化メタン系ガスおよびフッ化カーボン系ガスより少なくとも80%以上の高濃度の領域とすることにより、SiN膜の高選択比エッチングを実施するプラズマ処理方法。
- 請求項1記載のプラズマ処理方法において、
誘導コイルに供給する高周波電源の周波数が、7MHz〜50MHzの周波数であるプラズマ処理方法。
- 請求項1および2に記載のプラズマ処理方法において、
等方性エッチングを実施するプラズマ処理方法。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理方法において、
高周波電源の出力がデューティ比を50%以下のパルス変調されたものであるプラズマ処理方法。
- 請求項1乃至5の何れかに記載のプラズマ処理方法において、
複数の前記誘導コイルと、これら誘導コイルに接続された複数の高周波電源とを備え、前記複数の高周波電源が独立して電力を各々に接続された前記誘導コイルに供給するプラズマ処理方法。
- 請求項7に記載のプラズマ処理方法において、
前記複数の高周波電源からパルス信号に同期してパルス状に出力させるプラズマ処理方法。
- 請求項1乃至8の何れかのプラズマ処理方法において、
真空容器内に被エッチング材料と同質の部材を設けることを特徴とするプラズマ処理方法。
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