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JP2016118295A - 温度制御弁、および、該温度制御弁が設けられた冷凍サイクルシステム - Google Patents

温度制御弁、および、該温度制御弁が設けられた冷凍サイクルシステム Download PDF

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JP2016118295A JP2015188152A JP2015188152A JP2016118295A JP 2016118295 A JP2016118295 A JP 2016118295A JP 2015188152 A JP2015188152 A JP 2015188152A JP 2015188152 A JP2015188152 A JP 2015188152A JP 2016118295 A JP2016118295 A JP 2016118295A
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伸 本田
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Abstract

【課題】複数の種類の冷媒に対応してフロストの発生を抑制することができる温度制御弁、および、該温度制御弁が設けられた冷凍サイクルシステムを提供する。
【解決手段】冷凍サイクルシステム1において、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する温度感応部(形状記憶ばね66)を有する温度制御弁6を設ける。これにより、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。すなわち、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのように蒸発器の圧力に基づいて温度制御弁の弁開度を調整するわけではなく、温度に基づいて弁開度を調整して冷媒の流量を制御する。このため、種類の異なる複数の冷媒に対応してフロストとの発生を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒の温度に応じて冷媒の流量を制御する温度制御弁、および、該温度制御弁が設けられた冷凍サイクルシステムに関する。
従来、冷媒を循環させる冷凍サイクルシステムにおいて、蒸発器内の圧力を調整する圧力調整弁(EPR:Evaporator Pressure Regulator)が設けられたものが知られている。
この種の冷凍サイクルシステムとしては、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムが提案されている。この冷凍サイクルシステムでは、冷凍サイクル内における蒸発器よりも下流側、すなわち蒸発器と圧縮機との間において、圧力調整弁が設けられ、この圧力調整弁によって蒸発器内の圧力(蒸発器の出口圧力)を制御する。具体的には、この冷凍サイクルシステムに設けられた圧力調整弁は、冷媒の流量を制御するために開閉する弁体と、冷媒の圧力によって伸縮する伸縮部(ばね、ベローズなど)を含み、この伸縮部の伸縮に基づいて機械的に弁開度を変化させる構成とされている。そして、この冷凍サイクルシステムでは、蒸発器の出口圧力が所定圧力を下回った場合には、該圧力調整弁の弁開度を小さくして蒸発器内の圧力を大きくする。すなわち、この冷凍サイクルシステムでは、蒸発器の圧力が所定圧力以上に維持されるように制御している。この冷凍サイクルシステムでは、このように機械的に圧力調整弁の弁開度を変化させて蒸発器の圧力を所定圧力以上に制御することによって、蒸発器の温度が低いときのフロスト(着霜、氷結)の発生を抑制している。
特許第2781064号公報
しかしながら、冷媒はその種類によって飽和蒸気圧が異なるため、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムでは、複数の種類の冷媒に対応してフロストの発生を抑制することはできない。すなわち、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムでは、1つの冷媒に対応させて圧力調整弁によって維持する所定圧力を設定することで、その1つの冷媒を使用した場合に蒸発器内の温度がフロストの発生しない程度に高い温度に維持されるように構成されても、その構成のままで他の冷媒を使用した場合には、フロストの発生しない程度に高い温度に維持することができず、フロストの発生を十分に抑制することができないことがある。
本発明は上記点に鑑みて、複数の種類の冷媒に対応してフロストの発生を抑制することができる温度制御弁、および、該温度制御弁が設けられた冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1〜5に記載の発明では、冷媒が循環する回路内に設けられ、冷媒の流量を制御するために変位する弁体(64)と、冷媒の温度に応じて弁体を変位させて弁開度を変化させる温度感応部(66、66A、66C、10、12)と、を備えることを特徴とする。また、請求項6に記載の発明では、冷凍サイクルシステムにおいて、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の温度制御弁(6)が設けられていることを特徴とする。
このため、蒸発器の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。すなわち、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのように蒸発器の圧力に基づいて温度制御弁の弁開度を調整するわけではなく、温度に基づいて弁開度を調整して冷媒の流量を制御する。このため、種類の異なる複数の冷媒に対応させて上記所定の設定温度をフロストが発生しない程度に高く設定した構成とすれば、その種類の異なる複数の冷媒においてフロストの発生を抑制することができる。したがって、異なる種類の冷媒を用いた場合におけるフロストの発生をも抑制することができる。つまり、種類の異なる冷媒を使用した複数の冷凍サイクルシステムに対応してフロストの発生を抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1の全体構成を模式的示すブロック図である。 図1に示す冷凍サイクルシステム1における温度制御弁6の断面構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る冷凍サイクルシステム1における温度制御弁6の断面構成を示す図である。 図3に示す冷凍サイクルシステム1における作動媒体66A(水)についての温度と圧力の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る冷凍サイクルシステム1における温度制御弁6の断面構成を示す図である。 図5に示す冷凍サイクルシステム1における冷媒(HFC−134a)と作動媒体66C(R600a)についての温度と圧力の関係を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る冷凍サイクルシステム1における温度制御弁6の断面構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る温度制御弁6における弁体64に作用する力Fp、Fs、Fbの向きを示した図である。 本発明の第1実施形態に係る温度制御弁6における弁体64に作用する力Fp、Fs、Fbのバランスについて説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る温度制御弁6における弁体64に作用する力Fp、Fs、Fbのバランスについて説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る冷凍サイクルシステム1における形状記憶ばね66の一部を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る冷凍サイクルシステム1における温度制御弁6の断面構成を示す図である。 本発明の別の他の実施形態に係る冷凍サイクルシステム1の全体構成を模式的示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1について図1、図2を参照して説明する。この冷凍サイクルシステム1は、例えば内燃機関および走行用電動機から車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両の車両用空調装置に適用されるものである。この冷凍サイクルシステム1は、車両用空調装置において、空調対象空間である車室内へ送風される車室内送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。
図1に示すように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1は、圧縮機2、凝縮器3、膨張弁4、蒸発器5、および温度制御弁6を有する。冷凍サイクルシステム1は、冷媒を循環させることにより冷却あるいは加熱する機能を発揮する。冷媒としては、HCFC−22、CFC−12、HFC−134aなど、冷媒として用いられる公知のもののいずれが用いられても良い。
圧縮機2は、エンジンルーム(図示略)内に配置されて、冷凍サイクルシステム1において冷媒を吸入し、圧縮して吐出する装置であり、例えば吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構(図示略)を電動機(図示略)にて駆動する電動圧縮機である。圧縮機構としては、具体的には、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動機は、制御装置(図示略)から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御される装置である。電動機としては、交流モータ、直流モータのいずれの形式が採用されても良い。そして、この回転数制御によって、圧縮機構の冷媒吐出能力が変更される。
図1に示すように、圧縮機2の吐出口側には、凝縮器3の入口側が接続されている。凝縮器3は、圧縮機2から送り込まれてきた高温高圧の冷媒(冷媒ガス)を冷却し、凝縮液化させるための熱交換器である。なお、凝縮器3は、暖房モード時等においては放熱器として機能する。放熱器としての凝縮器3は、例えば車室内の空調ユニット(図示略)のケーシング(図示略)内に配置されて、圧縮機2から吐出された冷媒(高圧冷媒)を放熱させて、蒸発器5を通過した車室内送風空気を加熱する。
図1に示すように、凝縮器3の出口側には、凝縮器3から流出した冷媒を蒸発器5へ導く第1冷媒通路7が接続されている。この第1冷媒通路7には、第1冷媒通路7の通路面積(絞り開度)を変更可能に構成された膨張弁4が配置されている。
より具体的には、この膨張弁4は、ここでは、第1冷媒通路7の通路開度(絞り開度)を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。
なお、膨張弁4は、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
図1に示すように、膨張弁4の出口側には、蒸発器5の入口側が接続されている。蒸発器5は、凝縮器3で液化されて膨張弁4で低温低圧の状態となった冷媒(液冷媒)を蒸発させることにより、蒸発器5の外部を通過する空気から熱を奪い、冷たい空気にする機能を果たす熱交換器である。
図1に示すように、蒸発器5の出口側には、蒸発器5から流出した冷媒を、アキュムレータタンク8を介して圧縮機2の吸入側へ導く第2冷媒通路9が接続されている。
アキュムレータタンク8は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して、冷凍サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。図1に示すように、アキュムレータタンク8の入口側には、蒸発器5の出口側が接続されており、アキュムレータタンク8の出口側には、圧縮機2の入口側が接続されている。アキュムレータタンク8は、圧縮機2に液冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機2における液圧縮を防止する機能を果たす。
また、蒸発器5の出口側には、図1に示すように、温度制御弁6が配置されている。
温度制御弁6は、冷媒の温度を検出し、検出した冷媒の温度に基づいて弁体64を変位させて弁開度を調整することで、冷媒の流量を制御する弁である。図1に示すように、温度制御弁6は、冷凍サイクル内(第2冷媒通路9)における蒸発器5と圧縮機2との間に設けられている。すなわち、温度制御弁6は、冷媒が循環する回路を構成する冷媒通路内に配置されている。なお、冷媒が循環する回路を構成する冷媒通路は、第1冷媒通路、第2冷媒通路等により構成される。
ここで、本実施形態における温度制御弁6について図2を参照しつつ説明する。
図2に示すように、温度制御弁6は、Al(アルミニウム)等で構成された筒状の第1ケース61とAl等で構成された筒状の第2ケース62とを備える。温度制御弁6は、ここでは、第1ケース61と第2ケース62とが嵌合させられ、かしめにより締結されている。そして、この温度制御弁6では、第1ケース61と第2ケース62とによって、冷媒が通る通路としての略円柱状の空間であるケース内冷媒通路63が内部に形成されている。すなわち、この温度制御弁6では、第1ケース61及び第2ケース62において連通してケース内冷媒通路63が形成されている。また、第1ケース61と第2ケース62との嵌合部には、シール部材65が設けられている。
第1ケース61には、蒸発器5から流出した冷媒をケース内冷媒通路63に導入する冷媒導入口61a、後述する弁体64が摺動自在に挿入されるガイド孔61b、および後述する弁体鍔部64aが接離するシート面61cが形成されている。なお、ガイド孔61bは、ケース内冷媒通路63の一部をなしている。また、第2ケース62内のケース内冷媒通路63において、後述するバイアスばね67と付勢方向が同一となるように、第1ケース61と弁体64の間に、後述する形状記憶ばね66が配置されている。
第2ケース62には、ケース内冷媒通路63を通過した冷媒を、アキュムレータタンク8を介して圧縮機2へ導出する冷媒導出口62aが形成されている。また、第2ケース62内のケース内冷媒通路63において、後述するバイアスばね67が配置されている。
弁体64は、ケース内冷媒通路63の軸方向に摺動する有底円筒状の部材である。弁体64は、ここでは、Alで構成されている。弁体64は、円筒部に貫通孔形状の弁体通路孔64bが形成され、底部側外周面に径外方向に突出する弁体鍔部64aが形成され、弁体鍔部64aの一端側端面から他端側端面まで貫通するブリード孔64cが形成されている。ブリード孔64cは、オイルを圧縮機2に戻すためにオイルを通す通路として形成された孔である。この冷凍サイクルシステム1では、このブリード孔64cが形成されていることにより、温度制御弁6の弁体64が全閉状態の場合でも、オイルが圧縮機2側へ流されるようになっている。
そして、弁体64は、円筒部がガイド孔61bに摺動自在に挿入され、弁体64の位置により弁体通路孔64bの開度が変化する(すなわち、ケース内冷媒通路63が開閉される)ようになっている。
また、弁体64は、冷媒導入口61a側の冷媒圧力(すなわち、蒸発器5の出口側の冷媒圧力)により、弁体通路孔64bの開度が増大する向きに付勢されると共に、冷媒導出口62a側の冷媒圧力(すなわち、アキュムレータタンク8の入口側の冷媒圧力)により弁体通路孔64bの開度が減少する向きに付勢される。
図2に示すように、ケース内冷媒通路63には、形状記憶ばね66およびバイアスばね67が配置されている。形状記憶ばね66は、第1ケース61と弁体64の間に配置され、バイアスばね67は、弁体64と第2ケース62の間に配置されている。なお、バイアスばね67は、第2ケース62に固定されたばね座68を介して第2ケース62に固定されている。ばね座68は、第2ケース62内のケース内冷媒通路63のうち冷媒導入口61a側の空間と冷媒導出口62a側の空間とを連通させる貫通孔68aが形成されており、ここでは、Alで構成されている。形状記憶ばね66およびバイアスばね67は、いずれも、ケース内冷媒通路63の軸方向、すなわち弁体64の摺動方向に伸縮自在に形成されている。
形状記憶ばね66は、Ti(チタン)−Ni(ニッケル)合金などの形状記憶合金、すなわち、ある温度(変態点)以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、元の形状に回復する性質を持った合金で構成されたばねである。形状記憶ばね66は、ここでは、予め、所定の温度以上の温度下で自然長よりも伸ばされることで形状を記憶した状態とされている。ここでいう「所定の温度」は、フロストを抑制するために蒸発器5内の温度として好適な最低限度の温度として設定される所定の設定温度(例えば、0℃)に対応する温度である。なお、この形状記憶ばね66が、特許請求の範囲に記載の温度感応部に相当する。
バイアスばね67は、SUS304などで構成された公知のばねである。
ここで、伸縮部がより伸縮し難い材質であればあるほど、より激しく冷媒の圧力が高まった時においても自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。したがって、ここでいう「大きな外力が印加された場合のみにおいて伸縮する」の「大きな外力」の程度は、どの程度の大きな圧力が印加された場合に生じる弁体64の自励振動を抑制するかによって定められる。
すなわち、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1においては、より大きな圧力が印加された場合に生じる弁体64の自励振動を抑制することが求められる場合には、より伸縮し難い形状記憶ばね66およびバイアスばね67、つまり、よりばね定数の大きい形状記憶ばね66、バイアスばね67が採用される。
なお、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムにおいて、単に伸縮部(ばね)の材料を伸縮し難い材料に変更した場合には、圧力制御弁としての性能が不十分、すなわち冷媒の圧力に対する弁の開閉変化が不十分となり、ひいては冷凍サイクルシステムが機能しなくなる。特に、システム起動時における急激な冷媒流量の立ち上がり時などの特に高圧時に対応させるために、特に伸縮し難い伸縮部を用いた場合においては、システムの通常運転時における冷媒の圧力によって伸縮部が十分に伸縮せず、圧力制御弁を開閉させることができない。
これらのことに鑑み、本実施形態における温度制御弁6は、弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することを考慮し、形状記憶ばね66およびバイアスばね67が、いずれも、ばね定数が大きく伸縮し難い材料、すなわち、小さな外力が印加された場合にはほとんど伸縮せず、大きな外力が印加された場合のみにおいて伸縮する材料で構成されている。具体的には、例えば、弁が全開状態である場合を100%として、冷媒の圧力変化が最大で0.1MPaであるときの弁開度変化が最大で2%となるように、形状記憶ばね66およびバイアスばね67が伸縮し難い材料で構成されている。
以上、本実施形態における温度制御弁6について説明した。この温度制御弁6では、冷媒導入口61aから導入された冷媒が、ケース内冷媒通路63のうち、ガイド孔61b、弁体64を通って、バイアスばね67が配置された空間へと順に流れ、ばね座68に形成された貫通孔68aを通った後、冷媒導出口62aから導出される。
そして、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、形状記憶ばね66が所定の温度未満の状態(空調負荷が低い状態)においては、バイアスばね67の反力によって形状記憶ばね66が縮むことで、弁開度が小さくなる。このように、空調負荷が低い状態、すなわち冷媒の温度が低い場合には、弁開度を小さくすることで、蒸発器5の温度が所定の設定温度(例えば、0℃)未満とならないようにする。これにより、この冷凍サイクルシステム1では、蒸発器5の温度が所定の設定温度以上に維持され易くなり、冷凍サイクル内(特に、蒸発器5内)におけるフロストの発生が抑制される。
また、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、形状記憶ばね66が所定の設定温度以上の状態(空調負荷が高い状態)においては、形状記憶ばね66が記憶した形状に回復することで、弁開度が大きくなる。すなわち、冷媒の温度に応じて、形状記憶ばね66が冷媒によって加熱されて所定の温度以上となったときに、形状記憶ばね66が元の形状に回復し始めることにより、バイアスばね67を押し縮めることで、弁開度が大きくなる。このように、空調負荷が高い状態、すなわち冷媒の温度が高い場合には、弁開度を大きくすることで、蒸発器5の温度が高くなり過ぎないようにする。
以上で説明したように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、冷媒の温度によって形状記憶ばね66の温度が変化して形状記憶ばね66の形状(長さ)が変化することを利用して弁開度を調整することにより、冷媒の流量を制御する。すなわち、形状記憶ばね66の形状記憶効果を利用して弁開度を調整することにより、冷媒の流量を制御する。このように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、温度感応部としての形状記憶ばね66が、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する。
このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。すなわち、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのように蒸発器の圧力に基づいて圧力制御弁の弁開度を調整するわけではなく、温度に基づいて弁開度を調整して冷媒の流量を制御する。このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、種類の異なる複数の冷媒に対応させて上記所定の設定温度を適切に設定(例えば0℃)した構成とすれば、その種類の異なる複数の冷媒においてフロストの発生を抑制することができる。したがって、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、異なる種類の冷媒を用いた場合におけるフロストの発生をも抑制することができる。つまり、種類の異なる冷媒を使用する複数の冷凍サイクルシステムに対応してフロストの発生を抑制することができる。
なお、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムでは、機械的に温度制御弁の弁開度を変化させる構成であるから、冷媒の圧力に応じて敏感に温度制御弁の弁開度を変化させる。このため、このような機械的に温度制御弁の弁開度を変化させる冷凍サイクルシステムでは、急激に冷媒の圧力が高まった時(例えば、システム起動時における急激な冷媒流量の立ち上がり時など)に温度制御弁の弁体が自励振動し、これに起因して異音が発生することが問題となる。具体的には、例えば、以下のような時に弁体の自励振動が生じる。すなわち、システム停止時の冷凍サイクルの内部圧力が上がった状態において、弁体が全開状態に保持された状態でシステムを起動する。このとき、圧縮機の吸収から膨張弁の作動開始までの時間遅れにより、蒸発器と圧縮機との間の圧力が急激に低下し、これに伴い温度制御弁が蒸発器内の圧力を所定値以上に保つように作動して、その温度制御弁が急激に全閉状態となる。そして、この後に膨張弁が開弁作動して、冷媒が蒸発器に流入するとき、その冷媒の流入により圧力が急速に上昇して、温度制御弁が急激に開放方向へ移動させられる(弁開度が大きくなる)。この振動をきっかけとして弁体が自励振動に陥り、異音が発生する。
そこで、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムでは、弁体の摺動部に摺動抵抗を付与するためのOリングを備える構成とされることで、圧力調整弁の弁体の自励振動に起因する異音の発生を抑制している。
しかしながら、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムでは、冷凍サイクルシステムの起動時に一瞬冷媒が流れた後にしばらくの間冷媒が循環しない所謂ドライ運転状態において、Oリングが摺動面に引っかかった後に引っかかりが解除される瞬間をトリガーとして圧力調整弁の弁体が自励振動することで異音が発生することがある。このため、この冷凍サイクルシステムにおいても、異音の発生を十分に抑制することはできない。
これに対し、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、上記したように、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する。ここで、蒸発器5の圧力の変化に応じて蒸発器5の温度が変化するまでにはある程度の時間を要するため、蒸発器5の圧力が瞬間的に変化した場合においては、蒸発器5の温度の変化として検出されない。このことから、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、システム起動時など急激かつ瞬間的に冷媒の圧力が変化した時においては、蒸発器5の温度の変化が検出されず、弁体64を変位させることはない。このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、急激かつ瞬間的に冷媒の圧力が高まった時における温度制御弁6の弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。なお、この冷凍サイクルシステム1では、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのようにOリングを設けるなど圧力制御弁6を複雑な構成とすること無く、簡素な構成によって、温度制御弁6の弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、伸縮部を伸縮し難い材料で構成しながらも、温度感応部(形状記憶ばね66)の機能によって弁開度を変化させられるため、冷凍サイクルシステム1としての機能を保持しつつ、温度制御弁6の弁体64の自励振動を抑制することができる。
このように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、形状記憶ばね66が、冷媒の温度に応じて弁体64を変位させて弁開度を変化させる温度感応部として機能する。
上記で説明したように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1は、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する温度感応部(形状記憶ばね66)を有する温度制御弁6が設けられている。
このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。すなわち、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのように蒸発器の圧力に基づいて圧力制御弁の弁開度を調整するわけではなく、温度に基づいて弁開度を調整して冷媒の流量を制御する。このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、種類の異なる複数の冷媒に対応させて上記所定の設定温度をフロストが発生しない程度に高く設定した構成とすれば、その種類の異なる複数の冷媒においてフロストの発生を抑制することができる。したがって、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、異なる種類の冷媒を用いた場合におけるフロストの発生をも抑制することができる。つまり、種類の異なる冷媒を使用する複数の冷凍サイクルシステムに対応してフロストとの発生を抑制することができる。
さらに、上記したように、本実施形態における温度制御弁6は、弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することを考慮し、形状記憶ばね66およびバイアスばね67が、いずれも、ばね定数が大きく伸縮し難い材料、すなわち、小さな外力が印加された場合にはほとんど伸縮せず、大きな外力が印加された場合のみにおいて伸縮する材料で構成されている。
このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、伸縮部を伸縮し難い材料で構成しながらも、温度感応部(形状記憶ばね66)の機能によって弁開度を変化させられるため、冷凍サイクルシステム1としての機能を保持しつつ、温度制御弁6の弁体64の自励振動を抑制することができる。
なお、一例として、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1は、形状記憶ばね66を含み、形状記憶ばね66の形状記憶効果を利用して弁体64を変位させて弁開度を変化させることにより、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する温度感応部を備える。
このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのようにOリングを設けるなど温度制御弁6を複雑な構成とすること無く、簡素な構成によって、温度制御弁6の弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図3、図4を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、温度制御弁6の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態における温度制御弁6は、第2ケース62には、第1実施形態におけるガイド孔61bの代わりとして、弁体64が摺動自在に挿入されるガイド孔62bが形成されている。また、第2ケース62には、第1実施形態におけるシート面61cの代わりとして、弁体鍔部64aが接離するシート面62cが形成されている。
そして、弁体64は、円筒部がガイド孔62bに摺動自在に挿入され、弁体64の位置により弁体通路孔64bの開度が変化する(すなわち、ケース内冷媒通路63が開閉される)ようになっている。
図3に示すように、ケース内冷媒通路63には、第1実施形態における形状記憶ばね66の代わりとして、作動媒体66Aおよび作動媒体封入部66Bが備えられている。なお、この作動媒体66Aが、特許請求の範囲に記載の温度感応部に相当する。
作動媒体66Aは、冷媒の熱によって凝固することで体積変化する媒体であり、例えば、水、脂肪酸、n−パラフィン、高吸水性樹脂に水を含ませたもの等によって構成され得るが、ここでは0℃以下で凝固する水によって構成されている。
作動媒体封入部66Bは、作動媒体66Aを封入するための容器として機能すると共に、作動媒体66Aの体積変化に応じて少なくともケース内冷媒通路63の軸方向、すなわち弁体64の摺動方向に伸縮する部分である。図3に示すように、具体的には、作動媒体封入部66Bは、ここでは、その空洞部において作動媒体66Aを封入するゴム管66Ba、および、略隙間無く空洞部においてゴム管66Baを包むように配置された樹脂管66Bbによって構成されている。ゴム管66Baは、作動媒体66Aの体積変化に応じて少なくともケース内冷媒通路63の軸方向に伸縮する材料によって構成されている。樹脂管66Bbは、硬い樹脂材料で構成されることで、ゴム管66Baが径方向に伸びることを抑制する。作動媒体封入部66Bは、第1ケース61と弁体64の間に配置されている。
本実施形態では、ばね座68は、ゴムパッキンなどで構成された円環形状の緩衝部材69を介して第1ケース61に固定されている。緩衝部材69は、作動媒体66Aの体積膨張によるゴム管66Baの過剰な伸びを吸収するために設けられたものである。そして、ゴム管66Baは、一端部がばね座68にかしめリング66Bcによって固定されると共に、反対側の他端部が弁体64にかしめリング66Bcによって固定されている。樹脂管66Bbは、一端側のみがゴム管66Baに接着されている。
バイアスばね67は、弁体64と第2ケース62の間に配置されている。バイアスばね67は、第2ケース62に直接に固定されている。バイアスばね67は、ケース内冷媒通路63の軸方向に伸縮自在に形成されている。
本実施形態における温度制御弁6では、冷媒導入口61aから導入された冷媒が、ケース内冷媒通路63のうち、緩衝部材69が配置された空間、ばね座68に形成された貫通孔68aを通って、作動媒体封入部66Bが配置された空間へと順に流れ、弁体64を通ってガイド孔62bへ流れた後、冷媒導出口62aから導出される。
本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、作動媒体66Aが所定の温度未満の状態(空調負荷が低い状態)においては、作動媒体66Aが凝固して体積変化し、ゴム管66Baが伸縮すると共にバイアスばね67が伸縮することで、弁開度が変化する。ここでいう「所定の温度」は、フロストを抑制するために蒸発器5内の温度として好適な最低限度の温度として設定される所定の設定温度(例えば、0℃)に対応する温度である。なお、ここでは、作動媒体66Aとして0℃以下で凝固する水を用いているため、作動媒体66Aの温度が0℃以下となると、作動媒体66Aが凝固して体積膨張し、ゴム管66Baが伸びると共にバイアスばね67が縮むことで、弁開度が小さくなる。このように、空調負荷が低い状態、すなわち冷媒の温度が低い場合には、弁開度を小さくすることで、蒸発器5の温度が所定の設定温度(例えば、0℃)未満とならないようにする。これにより、この冷凍サイクルシステム1では、蒸発器5の温度が所定の設定温度以上に維持され易くなり、冷凍サイクル内(特に、蒸発器5内)におけるフロストの発生が抑制される。
また、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、作動媒体66Aが所定の設定温度以上の状態(空調負荷が高い状態)においては、作動媒体66Aが液体であるため、作動媒体66Aが凝固した場合に比べて、作動媒体66Aの体積が異なり、弁開度が異なってくる。なお、ここでは、作動媒体66Aとして0℃以下で凝固する水を用いているため、作動媒体66Aの温度が0℃より高い温度になると、作動媒体66Aが水となって体積収縮し、ゴム管66Baが縮むと共にバイアスばね67が伸びることで、弁開度が大きくなる。このように、空調負荷が高い状態、すなわち冷媒の温度が高い場合には、弁開度を大きくすることで、蒸発器5の温度が高くなり過ぎないようにする。
ここで、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1において、作動媒体66Aとして、水以外のもの、例えば脂肪酸、n−パラフィンを用いた場合には、図3において、作動媒体封入部66Bとバイアスばね67の位置関係を逆にし、かつ冷媒の流れ方向も逆にする。(図省略)この場合には、作動媒体66Aの温度が所定の温度以下となると、作動媒体66Aが凝固して体積収縮し、これによりバイアスばね67が伸びることで、弁開度が小さくなる。これにより、空調負荷が低い状態、すなわち冷媒の温度が低い場合には、弁開度を小さくすることで、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないようにする。
なお、ここでは、図4に示すように、作動媒体66A(水)が凝固したときの作動媒体66Aの体積膨張率は9%であった。
上記で説明したように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、冷媒の熱によって作動媒体66Aの温度が下がって作動媒体66Aが凝固したときの作動媒体66Aの体積変化を利用して弁開度を調整することにより、冷媒の流量を制御する。このように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、温度感応部としての作動媒体66Aが、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する。
以上説明した本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1によれば、第1実施形態の場合と同様の効果を得られる。すなわち、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、このように冷媒の流量を制御し、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、異なる種類の冷媒を用いた場合におけるフロストの発生をも抑制することができる。つまり、種類の異なる冷媒を使用する複数の冷凍サイクルシステムに対応してフロストの発生を抑制することができる。特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのようにOリングを設けるなど温度制御弁6を複雑な構成とすること無く、簡素な構成によって、温度制御弁6の弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図5、図6を参照して説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して、温度制御弁6の構成を変更したものであり、その他に関しては第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態における温度制御弁6は、弁体64が摺動自在に挿入されるガイド孔610aと、弁体鍔部64aが接離するシート面610bとが形成された弁ガイド610を備えるスプール弁として構成されている。
そして、弁体64は、円筒部がガイド孔610aに摺動自在に挿入され、弁体64の位置により弁体通路孔64bの開度が変化する(すなわち、ケース内冷媒通路63が開閉される)ようになっている。
図5に示すように、ケース内冷媒通路63には、第2実施形態における作動媒体66Aおよび作動媒体封入部66Bの代わりとして、作動媒体66Cおよび作動媒体封入部66Dが備えられている。なお、この作動媒体66Cが、特許請求の範囲に記載の温度感応部に相当する。
作動媒体66Cは、冷媒の熱によって圧力が変化する媒体である。作動媒体66Cとしては、R600a、HFC−23などが採用され得る。
作動媒体封入部66Dは、作動媒体66Cを封入するための容器として機能すると共に、冷媒の圧力と作動媒体66Cの圧力の差に応じて少なくともケース内冷媒通路63の軸方向、すなわち弁体64の摺動方向に伸縮する部分である。具体的には、作動媒体封入部66Dは、その空洞部において作動媒体66Cを封入する蛇腹(ベローズ)によって構成されている。なお、この作動媒体封入部66Dが、特許請求の範囲に記載の伸縮部に相当する。
本実施形態における冷媒および作動媒体66Cは、冷媒の圧力と作動媒体66Cの圧力の差に応じて、作動媒体66Cが所定の温度未満の状態の場合には弁開度が小さくなる方向に作動媒体封入部66Dを伸ばすと共に、作動媒体66Cが所定の温度以上の状態の場合には弁開度が大きくなる方向に作動媒体封入部66Dを縮めるように、構成されている。具体的には、ここでは、冷媒として、HFC−134a(R134a)を用い、作動媒体66Cとして、R600aを用いている。
冷媒としてHFC−134aを用い、作動媒体66CとしてR600aを用いた場合には、図6に示すように、所定の温度Tsを境に冷媒の圧力(飽和蒸気圧)と作動媒体66Cの圧力(飽和蒸気圧)との大小関係が入れ替わる。すなわち、所定の温度Tsよりも低い温度の場合には、作動媒体66Cの圧力が冷媒の圧力よりも大きくなり、所定の温度Tsよりも高い温度の場合には、作動媒体66Cの圧力が冷媒の圧力よりも低くなる。
このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、作動媒体66Cが所定の温度Ts未満の状態(空調負荷が低い状態)においては、作動媒体66Cの圧力が冷媒の圧力よりも大きくなって作動媒体封入部66Dが伸び、バイアスばね67が縮むことで弁開度が小さくなる。ここでいう「所定の温度」は、フロストを抑制するために蒸発器5内の温度として好適な最低限度の温度として設定される所定の設定温度(例えば、0℃)に対応する温度である。このように、空調負荷が低い状態、すなわち冷媒の温度が低い場合には、弁開度を小さくすることで、蒸発器5の温度が所定の設定温度(例えば、0℃)未満とならないようにする。これにより、この冷凍サイクルシステム1では、蒸発器5の温度が所定の設定温度以上に維持され易くなり、冷凍サイクル内(特に、蒸発器5内)におけるフロストの発生が抑制される。
また、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、作動媒体封入部66Dが所定の設定温度以上の状態(空調負荷が高い状態)においては、冷媒の圧力が作動媒体66Cの圧力以上となって作動媒体封入部66Dが縮み、バイアスばね67が伸びることで弁開度が大きくなる。このように、空調負荷が高い状態、すなわち冷媒の温度が高い場合には、弁開度を大きくすることで、蒸発器5の温度が高くなり過ぎないようにする。
上記で説明したように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、冷媒の熱による作動媒体66Aの圧力変化に応じた作動媒体封入部66Dの伸縮を利用して弁開度を調整することにより、冷媒の流量を制御する。このように、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、温度感応部としての作動媒体66Cおよび作動媒体封入部66Dが、冷媒の温度を検出して該温度に基づいて冷媒の流量を制御する。
以上説明した本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1によれば、第1、2実施形態の場合と同様の効果を得られる。すなわち、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、このように冷媒の流量を制御し、蒸発器5の温度が所定の設定温度未満とならないように制御することにより、フロストの発生が抑制される。このため、本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1では、異なる種類の冷媒を用いた場合におけるフロストの発生をも抑制することができる。つまり、種類の異なる冷媒を使用する複数の冷凍サイクルシステムに対応してフロストの発生を抑制することができる。特許文献1に記載の冷凍サイクルシステムのようにOリングを設けるなど温度制御弁6を複雑な構成とすること無く、簡素な構成によって、温度制御弁6の弁体64の自励振動に起因する異音の発生を抑制することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図7〜図10を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、温度制御弁6の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の温度制御弁6の構成を図7に示す。なお、図7において、冷媒は紙面右側から左側へ流れる。本実施形態の温度制御弁6は、形状記憶ばね66、バイアスばね67、弁体64、ばね座68、調整ネジ67a、ワッシャ67b、ナット67cを有している。
弁体64は、有底筒形状を成しており、その底部に弁体鍔部64aが形成されている。弁体64は、第1ケース61および第2ケース62を有するケース部材に収納されている。弁体64の内周面に沿ってバイアスばね67が配置され、弁体64の外周面に沿って形状記憶ばね66が配置されている。
バイアスばね67は、形状記憶ばね66を圧縮する方向に付勢するバネ部材である。バイアスばね67は、弁体64の開口部側にて、調整ネジ67aに固定されている。この調整ネジ67aには、円形板状のワッシャ67bを挟むようにしてナット67cが締結されている。
ワッシャ67bは、開口部を有する円形板状を成し、第2ケース62内周面に固定されている。製造時にあらかじめワッシャ67bと螺合する調節ネジ67aを回転させることで、バイアスばね67の圧縮量を変更し、弁の開閉温度の微調整を可能としている。調整後はナット67cを締結して調節ネジ67aの回転を禁止する。
ばね座68は、第2ケース62内周面に固定されており、弁体64を弁体64の軸方向に摺動自在に支持する。ばね座68は、冷媒を通すための開口部68aを有している。
冷媒導入口61aから冷媒導出口62aへ流れる冷媒の方向を一方向としたとき、冷媒導入口61aの冷媒圧力と冷媒導出口62aの冷媒圧力の差圧により弁体64に作用する力Fpおよびバイアスばね67が弁体64を付勢する力Fbは上記一方向、すなわち、冷媒の流れ方向に作用する。また、形状記憶ばね66により弁体64に作用する付勢力Fsは、上記一方向と逆方向、すなわち、冷媒の流れ方向と逆方向に作用する。
以上、本実施形態における温度制御弁6の構成について説明した。この温度制御弁6では、冷媒導入口61aから導入された冷媒が、ケース内冷媒通路63のうち、弁体64の外周側を通って、形状記憶ばね66が配置された空間と、弁体64の内周側を通って、冷媒導出口62a側へと導入される。
そして、本実施形態の温度制御弁6では、形状記憶ばね66が所定の温度未満の状態(空調負荷が低い状態)においては、バイアスばね67の反力によって形状記憶ばね66が縮むことで、弁開度が小さくなる。
また、本実施形態の温度制御弁6では、形状記憶ばね66が所定の設定温度以上の状態(空調負荷が高い状態)においては、形状記憶ばね66が記憶した形状に回復することで、弁開度が大きくなる。
図8は、比較例として、上記第1実施形態の温度制御弁6における弁体64に作用する力Fp、Fs、Fbの向きを示した図である。図9は、上記第1実施形態の温度制御弁6における弁体64にかかる力Fp、Fs、Fbと弁開度の関係を示した図である。
図8に示すように、上記第1実施形態の温度制御弁6では、弁体64に対して冷媒流れ方向と同じ方向に、冷媒導入口61a側の冷媒圧力と冷媒導出口62a側の冷媒圧力との冷媒差圧に応じた力Fpが作用する。
また、上記第1実施形態の温度制御弁6では、形状記憶ばね66が所定の設定温度以上の状態になると記憶した形状に回復する。このため、弁体通路孔64bの弁開度が増大する向きの力Fsが弁体64に作用する。また、弁体64には、バイアスばね67bによって、弁体通路孔64bの弁開度が減少する向きの力Fbが作用する。
図9は、上記第1実施形態の温度制御弁6におけるFp、FsおよびFbの力のバランスを示したものである。なお、図9における縦軸は、Fp、FsおよびFbの絶対値となっている。この図において、弁開度を全開とするためには、Fs+FpがFbを下回る必要がある。しかし、Fs+FpがFbを下回るようバランスさせて設計することは可能であるが、弁体64の前後の冷媒差圧が大きい場合、Fs+FpがFbを上回ってしまい、弁体通路孔64bを全閉状態にすることができなくなるといった状況が生じる。
上記第1実施形態の温度制御弁6において、形状記憶ばね66のばね定数を大きくすれば、すなわち、図9における形状記憶ばね66の力Fsの勾配を大きくすれば、弁体64の前後の冷媒差圧が大きくても、Fs+FpがFbを上回らないよう設計することが可能である。しかし、形状記憶ばね66は大きな力を発生させるのが難しく、形状記憶ばね66のばね定数を大きくするのが困難であるため、設計自由度が制限されてしまうといった問題がある。
図10は、本実施形態の温度制御弁6におけるFp、FsおよびFbの力のバランスを示したものである。この図において、弁体64の弁開度が全開となるためには、Fb+FsがFsを下回る必要がある。逆に弁体64の弁開度が全閉となるにはFb+FpがFsを上回る必要がある。
本実施形態の温度制御弁6は、冷媒導入口61aの冷媒圧力と冷媒導出口62aの冷媒圧力の差圧により弁体64に作用する力Fpおよびバイアスばね67が形状記憶ばね66を付勢する力Fbが、形状記憶ばね66により弁体66に作用する付勢力Fsと逆向きとなっている。このため、例えば、弁体64の前後の冷媒差圧によって生じる力Fpが大きい場合であっても、Fb+FpがFsを上回る設計が容易である。
以上説明した本実施形態に係る冷凍サイクルシステム1によれば、第1実施形態の場合と同様の効果を得られる。
また、上記した構成によれば、弁体64を変位させる付勢力を発生させる部材として形状記憶合金を用いた形状記憶ばね66を備え、さらに、冷媒を導入する冷媒導入口61aと冷媒を導出する冷媒導出口62aを有し、冷媒導入口61aと冷媒導出口62aとの間に弁体64を収納するケース部材61、62と、形状記憶ばね66を圧縮する方向に付勢するバイアスばね67と、を備えている。そして、冷媒導入口61aから冷媒導出口62aへ流れる前記冷媒の方向を一方向としたとき、冷媒導入口61aの冷媒圧力と冷媒導出口62aの冷媒圧力の差圧により弁体64に作用する力Fpおよびバイアスばね67が形状記憶ばね66を付勢する力Fbは上記一方向に作用し、形状記憶合ばね66は、弁体64に作用する付勢力Fsが上記一方向と逆方向に作用するよう構成されている。このため、Fb+FpがFsを上回るような設計が容易であり、弁体64の開閉作動を確実に行わせることが可能であるとともに、ばね定数が小さく大きな力を発生しにくい形状記憶ばね66を用いた構成においても設計自由度を向上することが可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1において、形状記憶ばね66の代わりとして他の形状記憶合金を用いても良い。
また、第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1において、冷媒から形状記憶ばね66への温度応答速度を低下させるために、図11に示すように、形状記憶ばね66を樹脂などのコーティング材66aによってコーティングしても良い。この場合には、形状記憶ばね66の温度が急激に変化することを抑制でき、これにより、形状記憶ばね66の温度が急激に変化して温度制御弁6の弁体64が自励振動することに起因する異音の発生を防止することができる。なお、コーティング材66aの膜厚によって形状記憶ばね66の温度応答速度を制御することができる。
また、第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1において、冷媒から形状記憶ばね66への温度応答速度を低下させるために、図12に示すように、弁体64の一端64dを、ピストン形状とすると共に、ばね座68を、弁体64の一端64dが摺動自在に挿入される貫通孔68a、及び、貫通孔68aをケース内冷媒通路63のうち冷媒導出口62a側の空間と連通させる小穴68bが形成された器形状としても良い。この場合、ばね座68をダッシュポッドとして機能させることで、形状記憶ばね66の温度が急激に変化した場合でも温度制御弁6の弁体64が自励振動することに起因する異音の発生を防止することができる。
また、第3実施形態に係る冷凍サイクルシステム1において、作動媒体封入部66Dとしてダイヤフラムを採用しても良い。
また、図13に示すように、第1実施形態に係る温度制御弁6において、温度検出手段(温度センサなど)10、冷媒の流量を調整する弁体64を含む流量調整手段11、温度検出手段10によって冷媒の温度を検出すると共に該温度に基づいて流量調整手段11の弁体64の開度を変化させることによって冷媒の流量を調整する制御を実行する制御手段(制御アンプなど)12を備える構成としても良い。
この場合、温度検出手段10によって所定の温度未満の状態(空調負荷が低い状態)であることが検出されたときには、制御手段12の制御によって、温度制御弁6の弁体64の開度を小さくする。このように、空調負荷が低い状態、すなわち冷媒の温度が低い場合には、弁開度を小さくすることで、蒸発器5の温度が所定の設定温度(例えば、0℃)未満とならないようにする。これにより、この場合においても、蒸発器5の温度が所定の設定温度以上に維持され易くなり、冷凍サイクル内(特に、蒸発器5内)におけるフロストの発生が抑制される。また、この場合、温度検出手段10によって所定の設定温度以上の状態(空調負荷が高い状態)であることが検出されたときには、制御手段12の制御によって、温度制御弁6の弁体64の開度を大きくする。このように、空調負荷が高い状態、すなわち冷媒の温度が高い場合には、弁開度を大きくすることで、蒸発器5の温度が高くなり過ぎないようにする。なお、この場合、温度検出手段10および制御手段12が、特許請求の範囲に記載の温度感応部に相当する。
2 圧縮機
3 凝縮器
4 膨張弁
5 蒸発器
6 温度制御弁
66 形状記憶ばね
66A 作動媒体
66C 作動媒体
66D 作動媒体封入部(伸縮部)

Claims (6)

  1. 冷媒が循環する回路内に設けられ、前記冷媒の流量を制御するために変位する弁体(64)と、
    前記冷媒の温度に応じて前記弁体を変位させて弁開度を変化させる温度感応部(66、66A、66C、10、12)と、を備えることを特徴とする温度制御弁。
  2. 前記温度感応部が、形状記憶合金(66)を含み、前記形状記憶合金の形状記憶効果を利用して前記弁体を変位させて弁開度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の温度制御弁。
  3. 前記温度感応部が、前記冷媒の熱によって凝固する作動媒体(66A)を含み、前記作動媒体が凝固したときの前記作動媒体の体積変化を利用して前記弁体を変位させて弁開度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の温度制御弁。
  4. 前記温度感応部が、前記冷媒の熱によって圧力が変化する作動媒体(66C)および前記冷媒の圧力と前記作動媒体の圧力の差に応じて伸縮する伸縮部(66D)を含み、前記冷媒の熱による前記作動媒体の圧力変化に応じた前記伸縮部の伸縮を利用して前記弁体を変位させて弁開度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の温度制御弁。
  5. 前記弁体を変位させる付勢力を発生させる部材として前記形状記憶合金を備えるとともに、
    前記冷媒を導入する冷媒導入口(61a)と前記冷媒を導出する冷媒導出口(62a)とを有し、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に前記弁体を収納するケース部材(61、62)と、
    前記形状記憶合金を圧縮する方向に付勢するばね部材(67)と、を備え、
    前記冷媒導入口から前記冷媒導出口へ流れる前記冷媒の方向を一方向としたとき、
    前記冷媒導入口の冷媒圧力と前記冷媒導出口の冷媒圧力との差圧により前記弁体に作用する力および前記ばね部材が前記形状記憶合金を付勢する力は前記一方向に作用し、
    前記形状記憶合金は、前記弁体に作用する前記付勢力が前記一方向と逆方向に作用するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の温度制御弁。
  6. 圧縮機(2)および蒸発器(5)を有すると共に、該蒸発器と該圧縮機との間に請求項1ないし4のいずれか1つに記載の温度制御弁(6)が設けられていることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
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