JP2016113285A - サクションロール、ウェブの搬送装置およびウェブの搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サクションロールを使用して腰の弱いウェブを搬送する場合に発生するシワを防止しうるサクションロールを提供する。【解決手段】サクションロール1は、そのロール表面に空気を吸引するための多数の吸気孔が設けられている。サクションロールは、ロール表面に、ロール幅方向中心を含み相対的に吸引力が高くなる高吸引領域2と、この高吸引領域を挟み吸引力が0よりも大きく高吸引領域での吸引力よりも相対的に低くなる低吸引領域3とを有している。高吸引領域で張力制御に必要な吸引力を担保する一方で、張力変動に応じたウェブ幅の変化に応じてロール上を滑らせることのできる低吸引領域を有することで、サクションロールに起因し発生するシワを抑制する。【選択図】図1
Description
本発明は、長尺状のウェブを搬送するサクションロール、およびそれを用いたウェブの搬送装置と搬送方法に関する。
長尺状のウェブを搬送する装置で用いる張力制御手段として、ニップロールやサクションロールといった張力制御ロールが知られている。
ニップロールは、ウェブを搬送するための金属ロールと、それに対向するゴムロールまたは金属ロールとでウェブをニップすることでニップロール上流側と下流側との張力を任意の値に制御するためのロールである。
サクションロールは、ウェブをサクションロール外周面に吸着するとともに回転することによって、ウェブをサクションロール上で滑らせることなく、ウェブに対する張力をサクションロールの上流側と下流側とで任意の値に変化させるためのロールである。
ニップロールかサクションロールのどちらを使用するかは、使用する工程の環境に応じて適切な方が選択される。たとえば、ウェブに塗剤を塗布するウェブ塗工装置において、乾燥機内の風速による影響や張力変動や外乱による悪影響を防止する目的で張力制御ロールを使用したい場合、ニップロールを使用すると塗布面を乱すばかりでなく、ニップロール自体も劣化してしまう。そのため、このような場所ではサクションロールを使用する。さらに、ウェブに塗剤を塗布する方法によっては、塗布部では高い張力を要する一方で、高い張力を保持した状態で塗剤を乾燥させると、基材収縮により製品の平面性が低下するため、乾燥機内の張力を塗布部と比較して低減させる。このようなときに、塗布部と乾燥部とで張力を個別に制御する手段として、サクションロールを使用する。
また、ニップロールはその構造上、ウェブを両面からニップするために、ウェブに異物が付着したり、ニップ箇所でシワが発生した場合に折れシワが発生したりする問題がある。そのため、たとえば、電子材料用途など異物を嫌い、かつ薄くて腰のないウェブを搬送する場合にサクションロールを使用する利点がある。
サクションロール起因で発生するシワ、折れを防止することを目的として、サクションロール表面の吸着部の平面形状を略三角形、略台形、略円弧のいずれかにする技術が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、従来の技術では、厚みが10μm以下の薄膜でかつ比較的腰の弱いウェブを搬送するときには、サクションロールの下流側で折れシワになる問題がある。特に塗布部と比較して乾燥部の張力が低いときに折れシワは顕著に発生する。この問題は特許文献1に開示されているサクションロールを使用したとしても解決しない。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、サクションロールの下流側で発生する折れシワを防止することができるサクションロールを提供する。
上記課題を解決する本発明のサクションロールは、空気を吸引するための多数の吸気孔をロール表面に開口し、ウェブをロール表面に吸引するとともに回転することによってウェブを搬送するロールであって、ロール表面に、ロール幅方向中心を含み相対的に吸引力が高くなる高吸引領域と、この高吸引領域を挟み吸引力が0よりも大きく高吸引領域での吸引力よりも相対的に低くなる低吸引領域とを有している。
また、本発明のサクションロールは、前記高吸引領域と前記低吸引領域との境界が、搬送するウェブによって覆われる位置にあることが好ましく、
前記高吸引領域のロール幅方向の長さ、または前記低吸引領域のロール幅方向の長さを変更できる機構を備えていることが好ましく、
前記高吸引領域から前記低吸引領域へ至る吸引力の変化が段階的または連続的になることが好ましい。
前記高吸引領域のロール幅方向の長さ、または前記低吸引領域のロール幅方向の長さを変更できる機構を備えていることが好ましく、
前記高吸引領域から前記低吸引領域へ至る吸引力の変化が段階的または連続的になることが好ましい。
また、本発明のウェブの搬送装置は、張力を制御する手段として本発明のサクションロールを備えている。
また、本発明のウェブの搬送方法は、本発明のサクションロールによりウェブを搬送するウェブの搬送方法であって、前記高吸引領域の吸引力は、サクションロールの上流側および下流側のウェブの張力を制御するためにウェブを吸着できる吸引力とし、前記低吸引領域の吸引力は、ウェブがサクションロール上で滑ることができる吸引力とする。
本発明のサクションロールを用いれば、腰の弱いウェブを搬送した場合でも、サクションロールの下流側で発生する折れシワを防止することができる。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。ただし、本発明はこれら図面に示された形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できて、かつ本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい、種々の変更は有り得る。
本発明のサクションロールを概略斜視図で示したのが図1である。サクションロール1は、そのロール表面1aに空気を吸引するための多数の吸気孔が設けられている。これら吸引孔1aからロール1内部に向けて空気を吸引することで、ロール1上にあるウェブをロール表面1aに吸引するとともに、ロール1自体が回転することによってウェブを搬送する。そして、サクションロール1は、ロール表面1aにロール幅方向中心を含み相対的に吸引力が高くなる高吸引領域2と、この高吸引領域2を挟み吸引力が0よりも大きく高吸引領域2での吸引力よりも相対的に低くなる低吸引領域3とを有している。この高吸引領域2と低吸引領域3とはロール表面1aの外観で区別できるような形態であっても、ロール表面1aの外観では区別できず、吸引孔から空気を吸引して始めて吸引力が相対的に高い部分(高吸引領域2)と吸引力が相対的に低い部分(低吸引領域3)とが区別できる形態であってもよい。前者の例としては、高吸引領域2に形成されている吸引孔の孔径が大きく、低吸引領域3に形成されている吸引孔の孔径が小さい形態のサクションロール1が例示できる。後者の例としては、ロール表面1a全体で吸引孔の孔径は一定であるが、サクションロール1内部での吸引機構を工夫することで、高吸引領域2部分での吸引力を強く、低吸引領域3部分での吸引力を弱くする形態のサクションロール1が例示できる。
本発明のサクションロールを使用することで、ウェブ、特に腰の弱い薄膜のウェブを折れシワを発生させることなく搬送できる理由は以下のように推定される。腰の弱い薄膜ウェブを搬送する際に発生する折れシワは、サクションロールの上流側と下流側との張力差によるウェブ幅の違いに起因すると考えられる。特に、サクションロールの上流側と比較して下流側の張力が相対的に小さいとき、サクションロールの上流側ではウェブ幅がW1であるのに対し、サクションロールの下流側にウェブが搬送されると、ウェブにかかる張力が低くなるので、張力に応じたウェブ幅W2(>W1)にウェブ幅を回復しようとする。このときに、従来のサクションロールでは、ウェブ幅方向の全体にわたりウェブはサクションロールに滑ることなく吸引されているため、サクションロールを境としてその上流側と下流側とでウェブの幅が急激に変化し、ウェブに折れシワが発生してしまう。
一方、本発明のサクションロールでは、高吸引領域2と低吸引領域3との境界をウェブで覆うようにして搬送するので、搬送中のウェブを吸引力の高い高吸引領域で吸引することで、サクションロールの上流側と下流側との張力を任意に調整しつつ、吸引力の低い低吸引領域では、ウェブがサクションロール上で滑ることができる。そのため、サクションロールの上流側での幅がW1であるウェブがサクションロールの下流側に搬送されたとしても、サクションロール上でウェブ端部が滑ることができるので、ウェブ幅がW2−W1の差だけサクションロール上で徐々に広がるため、腰の弱いウェブでも折れシワを発生させずに搬送することができる。
また、腰の弱いウェブを搬送する際、ロール幅方向において急激にサクションロールの吸引量に変化をつけると、ロール幅方向に急激な張力差が生じ、その張力差によって折れシワが発生するため、低吸引領域3の吸引量は0よりも大きくする必要がある。前述の特許文献1の技術でウェブの折れシワの発生を防止できない理由がこれである。つまり、特許文献1のサクションロールでは、吸着部の外側では吸引量が0であるため、その張力差によって折れシワが発生してしまうのである。
上述のとおり本発明のサクションロールでは、巾方向の吸引量の変化が急激にならないように低吸引領域3を設け、その吸引量を調整しているので、高吸引領域2から低吸引領域3へ至るまでの境界部での吸引量は、高吸引領域2と低吸引領域3の吸引量の間の大きさであれば特に限定されず、その変化のさせ方も限定されない。例えば高吸引領域2から低吸引領域3へ至るまでに吸引量を段階的に変化させても、連続的に変化させてもよい。どのように変化させても低吸引領域3でウェブがロール対して滑ることができるので、シワの発生を抑制することができる。
このように高吸引領域2から低吸引領域3に至るまでの境界部における吸引量の変化が、段階的でも連続的でもどちらでもよいので、既存の構造や設備に対して、以下詳細に述べる手段のうち可能な改造や対策を講じるだけで、腰の弱い薄膜ウェブを搬送できる設備にすることができる。
なお、上記の例では、サクションロールの下流側のウェブ幅W2が上流側のウェブ幅W1よりも広い場合で説明をしたが、W2がW1よりも狭い場合でも同様である。
高吸引領域2と低吸引領域3のロール幅方向の長さは、ウェブの張力の調整具合や、ウェブのシワの発生具合に応じて任意に調整すればよい。高吸引領域2のロール幅方向の長さが長過ぎると、低吸引領域3のウェブで覆われる部分が相対的に小さくなるので、ウェブの端部がサクションロール1上で滑りにくくなり、ウェブにシワが発生する場合がある。逆に、高吸引領域2のロール幅方向の長さが短過ぎると、ウェブの張力を十分に調整できない場合がある。
以下、さらに図面を参照して、本発明のサクションロールの好ましい形態例を具体的に説明する。
まず、一般的なサクションロールの構造を説明する。一般的なサクションロールの構造は大別して2種類提案されている。第1の構造は一重構造のサクションロールである。一重構造のサクションロールは、ロール本体が一つの円筒管、すなわち一重の管で構成されており、円筒管の外周面に多数の吸引孔が形成されている。空洞であるロール本体の内部から吸引ブロワによって空気を吸引し、複数の吸引孔から円筒管外側の空気を吸引し、円筒管の表面に接しているウェブを吸引する。
第2の構造は二重構造のサクションロールである。二重構造のサクションロールは内筒と外筒とを重ねた構造となっており、外筒の外周面には多数の吸引孔が形成され、内筒の表面の一部には開口部が形成されている。内筒の内部から吸引ブロワによって空気を吸引し、外筒の吸引孔から内筒の開口部を通じて外筒外側の空気を吸引して、外筒の表面に接しているウェブを吸引する。
図2は、内筒でのロール幅方向吸引量を変化させることで高吸引領域と低吸引領域を実現する二重構造のサクションロールの概略を示す斜視図である。この形態のサクションロール1では、内筒1bに形成された開口部4の両端部がパンチング板等の多数の孔が形成された板5で覆われている。以下、パンチング板で覆った形態を例として説明する。内筒1bの内部から吸引ブロワによって空気を吸引すると、パンチング板5で覆われた部分から吸引される単位面積当たりの空気量は、パンチング板5で覆われていない開口部4から吸引される単位面積当たりの空気量に比べて小さくなる。その結果、外筒1aの表面で、内筒1bのパンチング板5で覆われた部分を通じて空気が吸引される領域が低吸引領域に、内筒1bのパンチング板で覆われていない開口部4を通じて空気が吸引される領域が高吸引領域となる。低吸引領域のロール幅方向長さは、パンチング板5のロール幅方向の長さを適宜調整することで変えることができる。また、この形態のサクションロール1では、上述したとおり内筒1bでロール幅方向の空気吸引量を変化させているので、外筒1aの表面に形成する吸引孔の孔径を、高吸引領域と低吸引領域とで必ずしも変える必要はない。
図3は、外筒の吸引孔の大きさを変化させることで高吸引領域と低吸引領域を実現するサクションロールの概略を示す斜視図である。この形態のサクションロールは、一重構造のサクションロールまたは二重構造のサクションロールのいずれでも実施できる。一重構造のサクションロールで実施する場合は、ロール本体の円筒管自体が外筒1aとなる。このサクションロール1の実施形態の一例は、外筒1a表面の低吸引領域としたい部分に、多数の孔が形成されている多孔シート6を巻き付けた形態である。この多孔シート6に形成されている孔の大きさを、外筒表面に形成されている吸引孔の大きさよりも小さくすることで、多孔シート6で覆われた部分、つまり低吸引領域の吸引力を、多孔シート6で覆われていない部分、つまり高吸引領域の吸引力よりも小さくすることができる。低吸引領域のロール幅方向長さは、多孔シート6で覆うロール幅方向長さを適宜調整することで変えることができる。また、このサクションロール1の実施形態の別の例は、外筒表面に形成される吸引孔の大きさを、高吸引領域に該当する部分の孔径を相対的に大きく、低吸引領域に該当する部分の孔径を相対的に小さくする形態が挙げられる。こうすることで、相対的に大きな孔径の吸引孔が形成された部分の吸引力を、相対的に小さな孔径の吸引孔が形成された部分の吸引力よりも大きくすることができる。
図4は、様々なウェブ幅に対応できる二重構造のサクションロールにおいて、高吸引領域と低吸引領域を実現する形態のサクションロールの概略を示す斜視図である。まず、二重構造のサクションロールを様々なウェブ幅に対応させる方法を説明する。様々なウェブ幅に対応できる二重構造のサクションロールでは、内筒1bのロール幅方向の両端部分を別のスライド式の円筒7で覆い、このスライド式円筒7で内筒の開口部の一部を塞ぐようにしている。外筒1a表面の吸引領域のロール幅方向長さを搬送するウェブの幅に対応させるために、スライド式円筒7をロール幅方向にスライドさせて内筒1bの開口部を塞ぐ範囲を調整して、実際に吸引に寄与する開口部のロール幅方向長さを変えることで、外筒1a表面の吸引領域のロール幅方向長さを変えることができる。このスライド式円筒7のロール中央部に近い側に吸引孔8を形成することで、高吸引領域と低吸引領域を実現することができる。つまり、内筒1bの開口部のスライド式円筒7で塞がれた部分で、空気の吸引を完全に遮断するのではなく、スライド式円筒7に形成された吸引孔8を通じてある程度吸引できるようにしている。この形態では、スライド式円筒7の吸引孔8が形成された部分が、あたかも図2の形態のサクションロールにおけるパンチング板等の多数の孔が形成された板5と同じ役割を果たしている。したがって、この形態のサクションロールで高吸引領域と低吸引領域と実現できるメカニズムは、図2の形態のサクションロールと同様である。
図5は、様々なウェブ幅に対応できる一重構造のサクションロールにおいて、高吸引領域と低吸引領域を実現する形態のサクションロールの概略を示す斜視図である。まず、一重構造のサクションロールを様々なウェブ巾に対応させる方法を説明する。様々なウェブに対応できる一重構造のサクションロールでは、サクションロール内部の両端からピストン(図示せず)を挿入する。両端から挿入された2つのピストンの間が吸引領域であり、ピストン位置をサクションロール巾方向任意の位置に移動させることで、外筒表面の吸引領域のロール幅方向長さを変えることができる。このピストンのロール中央部に近い側に、吸引孔が形成された筒9を設けることで、筒9を設けた部分で、サクションロールの外部から吸引する空気をある程度吸引できるようにしている。この形態では、吸引孔が形成された筒9の部分が、あたかも図2の形態のサクションロールにおけるパンチング板等の多数の孔が形成された板5と同じ役割を果たしている。したがって、この形態のサクションロールで高吸引領域と低吸引領域と実現できるメカニズムは、図2の形態のサクションロールと同様である。
図4および図5の形態のサクションロールでは、ウェブ幅に応じてサクションロール幅方向における低吸引領域の位置を任意に変更できるため、任意のウェブ幅に対応できる。ただし、図4の形態におけるスライド式円筒7や図5の形態におけるピストンをサクションロール中央部に寄せすぎると、サクションロール前後での張力制御に必要な吸引力を担保できなくなるので、高吸引領域を確保しながらウェブ幅調整をする必要がある。
本発明のサクションロールでは、低吸引領域の吸引量をロール幅方向端部に向かうにつれて徐々に小さくさせてもよい。例えば、低吸引領域を設けるために開口した孔径の分布を、ロール幅方向端部に向かうにつれて小さくさせて連続的に吸引力を小さくしてもよく、同じ孔径のままで段階的に吸引力を小さくしてもよい。
本発明のサクションロールは、長尺状のウェブを搬送する装置の張力制御ロールとして好適に使用することができる。特に本発明のサクションロールを使用したウェブ搬送装置は、腰の弱いウェブを搬送した場合でも、サクションロールの下流側で発生する折れシワを防止することができるので、腰の弱い微多孔フィルムを製造する際のウェブ搬送装置として好適である。
<実施例1>
サクションロールは二重構造を有するサクションロールを用いた。外筒の全体には同じ大きさの吸引孔が均一に分布して形成されている。外筒全体で吸引力は一定である。このサクションロールの外表面に、低吸引領域を設けるために微多孔を有するシートを巻いた。シートの厚みは9μmで、搬送するウェブとの静摩擦係数は約0.2である。シートを巻き付けた位置は、搬送するウェブとシートとがウェブの幅方向両端200mmずつ重なる位置とした。このサクションロールを使用して、厚み9μm、幅950mm、かつ剛性が10GPa程度の腰のないウェブを、サクションロールの上流側を70N/幅、下流側を20N/幅の張力条件で、100m/分以下の搬送速度で搬送した。サクションロールの前後でシワは発生せず、ウェブの張力制御も正常に行えた。
サクションロールは二重構造を有するサクションロールを用いた。外筒の全体には同じ大きさの吸引孔が均一に分布して形成されている。外筒全体で吸引力は一定である。このサクションロールの外表面に、低吸引領域を設けるために微多孔を有するシートを巻いた。シートの厚みは9μmで、搬送するウェブとの静摩擦係数は約0.2である。シートを巻き付けた位置は、搬送するウェブとシートとがウェブの幅方向両端200mmずつ重なる位置とした。このサクションロールを使用して、厚み9μm、幅950mm、かつ剛性が10GPa程度の腰のないウェブを、サクションロールの上流側を70N/幅、下流側を20N/幅の張力条件で、100m/分以下の搬送速度で搬送した。サクションロールの前後でシワは発生せず、ウェブの張力制御も正常に行えた。
<参考例1、2>
搬送するウェブとシートとの重なり量を50mm(参考例1)、300mm(参考例2)に変えた以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。幅950mmのウェブに対して、重なり量が300mmずつのときは、ウェブの張力制御に必要な吸引量を得られなかった。重なり量を50mmずつにするとウェブ搬送方向下流側で軽微なシワが発生したものの、ウェブの張力制御は正常に行えた。
搬送するウェブとシートとの重なり量を50mm(参考例1)、300mm(参考例2)に変えた以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。幅950mmのウェブに対して、重なり量が300mmずつのときは、ウェブの張力制御に必要な吸引量を得られなかった。重なり量を50mmずつにするとウェブ搬送方向下流側で軽微なシワが発生したものの、ウェブの張力制御は正常に行えた。
<比較例1>
サクションロールに微多孔を有するフィルムを巻き付けない以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。張力の制御は正常に行えたが、サクションロールの下流側で顕著にシワが発生した。
サクションロールに微多孔を有するフィルムを巻き付けない以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。張力の制御は正常に行えたが、サクションロールの下流側で顕著にシワが発生した。
<比較例2>
微多孔を有するシートの代わりに、微多孔を有さないシートを巻き付けた以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。微多孔を有さないシートの厚みと搬送するウェブとの静摩擦係数は実施例1で用いた微多孔を有するシートと同じであり、厚み9μm、静摩擦係数約0.2である。サクションロール下流側だけでなく、吸引部(微多孔を有さないシートを巻いていない部分)と非吸引部(微多孔を有さないシートを巻いた部分)との境を基点としてサクションロール上流側にもシワが発生した。
微多孔を有するシートの代わりに、微多孔を有さないシートを巻き付けた以外は、実施例1と同じ条件でウェブを搬送させた。微多孔を有さないシートの厚みと搬送するウェブとの静摩擦係数は実施例1で用いた微多孔を有するシートと同じであり、厚み9μm、静摩擦係数約0.2である。サクションロール下流側だけでなく、吸引部(微多孔を有さないシートを巻いていない部分)と非吸引部(微多孔を有さないシートを巻いた部分)との境を基点としてサクションロール上流側にもシワが発生した。
実施例1と比較例2との結果より、シワの発生抑制は、搬送されるウェブとシートとのすべり性の違いが寄与するのではなく、低吸引領域の有無が寄与していると考えられる。
上記の実施例、参考例、比較例の結果を表にまとめる。
1 サクションロール
1a 多数の吸気口を有するロール表面
1b 2重構造のサクションロールが有する内筒
2 高吸引領域
3 低吸引領域
4 内筒の開口部
5 パンチング板
6 多孔シート
7 スライド式円筒
8 スライド式円筒に形成された吸引孔
9 吸引孔が形成された筒
1a 多数の吸気口を有するロール表面
1b 2重構造のサクションロールが有する内筒
2 高吸引領域
3 低吸引領域
4 内筒の開口部
5 パンチング板
6 多孔シート
7 スライド式円筒
8 スライド式円筒に形成された吸引孔
9 吸引孔が形成された筒
Claims (6)
- 空気を吸引するための多数の吸気孔をロール表面に開口し、ウェブをロール表面に吸引するとともに回転することによってウェブを搬送するサクションロールにおいて
前記ロール表面に、ロール幅方向中心を含み相対的に吸引力が高くなる高吸引領域と、この高吸引領域を挟み吸引力が0よりも大きく高吸引領域での吸引力よりも相対的に低くなる低吸引領域とを有している、サクションロール。 - 前記高吸引領域と前記低吸引領域との境界が、搬送するウェブによって覆われる位置にある、請求項1のサクションロール。
- 前記高吸引領域の幅方向の長さ、または前記低吸引領域のロール幅方向の長さを変更できる機構を備えた、請求項1または2のサクションロール。
- 前記高吸引領域から前記低吸引領域へ至る吸引力の変化が段階的または連続的になる、請求項1〜3のいずれかのサクションロール。
- 張力を制御する手段として、請求項1〜4のいずれかのサクションロールを備えたウェブの搬送装置。
- 請求項1〜4のいずれかのサクションロールによりウェブを搬送するウェブの搬送方法であって、
前記高吸引領域の吸引力は、サクションロールの上流側および下流側のウェブの張力を制御するためにウェブを吸着できる吸引力とし、
前記低吸引領域の吸引力は、ウェブがサクションロール上で滑ることができる吸引力とする、ウェブの搬送方法。
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| JP2014255839A JP2016113285A (ja) | 2014-12-18 | 2014-12-18 | サクションロール、ウェブの搬送装置およびウェブの搬送方法 |
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Cited By (1)
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|---|---|---|---|---|
| CN115672665A (zh) * | 2021-07-26 | 2023-02-03 | 江西和烁丰新材料有限公司 | 一种新型双面涂布装置 |
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2014
- 2014-12-18 JP JP2014255839A patent/JP2016113285A/ja active Pending
Cited By (1)
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