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JP2016112821A - 撥水性積層体およびその製造方法 - Google Patents

撥水性積層体およびその製造方法 Download PDF

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正貴 前田
Masaki Maeda
正貴 前田
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Abstract

【課題】食品などの内容物が包装材に付着すると、内容物が包装容器内に残留し、すべて使い切ることが困難になる。また内容物をすべて使い切るためには付着した内容物を掻き出したり、搾り出したりして回収しなければならず、手間がかかる。したがって、包装材には、内容物が付着しにくい非付着性が要求される。【解決手段】少なくとも基材1、ヒートシール層2および撥水層3をこの順で積層し、前記撥水層3がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、パラフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合体樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とする疎水性ワックスからなり、前記撥水層3の表面には複数の凹凸構造が形成されていることを特徴とする撥水性積層体10によって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、食品、飲料、医薬品、化学品等の包装材に用いられる撥水性積層体およびその製造方法に関するものであり、より詳しくは内容物の非付着性に優れた撥水性積層体およびその製造方法に関するものである。
従来、食品、飲料、医薬品、化学品等の多くの商品の包装用途で内容物に応じた包装材が開発されている。内容物の例として、ヨーグルト、カレー、マヨネーズ、ケチャップ、液体洗剤等があり、内容物の形状も、固体、半固体、液体、粘性体、ゲル状物等のように様々である。
これらの内容物を包装するための包装材料においては、密封性が要求されるほかに、内容物、包装形態、用途等に応じて熱接着性、遮光性、耐熱性、耐久性等が要求される。上記のような内容物を包装するための包装材料には、その他の問題として内容物の残留がある。内容物が包装材に付着すると、内容物が包装容器内に残留し、すべて使い切ることが困難になる。また内容物をすべて使い切るためには付着した内容物を掻き出したり、搾り出したりして回収しなければならず、手間がかかる。したがって、包装材料には、上記のような密封性等のほか、内容物が付着しにくい非付着性が要求される。
特許文献1は、少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる蓋材であって、前記熱接着層が蓋材の一方の面の最外層として積層されており、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着し、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している蓋材を開示している。
特許文献2は、少なくとも基材層と熱封緘層とを有する蓋材において、前記熱封緘層の外面に、高さ100μm以下の多数の微小突起が全面に亘って密に設けられると共に、この突起を有する前記外面に、付着防止層が形成され、該付着防止層は、疎水性微粒子からなり、その付着量が0.05g/m以上でかつ多くとも前記微小突起の頂端面を僅かに覆う量以下に設定されていることを特徴とする内容物付着防止蓋材を開示している。
特許第4348401号公報 特許第5441843号公報
しかしながら、特許文献1および2では、接着層上に疎水性酸化物微粒子が分散されたコート液を塗布するものであり、コート液と接着層との界面の強度は得られるが、疎水性微粒子間の密着強度を制御することは困難である。このため食品などの内容物に微粒子が異物として混入するという問題がある。
本発明は、食品など内容物に対して非付着性を有し、撥水層が脱落して内容物に混入することのない撥水性積層体およびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも基材、ヒートシール層および撥水層をこの順で積層してなる撥水性積層体において、
前記撥水層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、パラフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合体樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とする疎水性ワックスからなり、前記撥水層の表面には複数の凹凸構造が形成されていることを特徴とする撥水性積層体である。
請求項2に記載の発明は、前記撥水層の表面に形成されている凹凸構造の凸部が、角錐状、台形状、円錐状、半球体状、楕円体状のいずれか、またはそれらを組み合わせた形状であり、且つ凹凸のピッチが500nm以上20000nm以下であり、凹凸の高さは、500nm以上20000nm以下であることを特徴とする請求項1記載の撥水性積層体である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
前記基材上に前記ヒートシール層を設ける工程と、前記ヒートシール層にスタンパーを用いて凹凸構造を形成する工程と、前記凹凸構造を形成したヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程とを有する撥水性積層体の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記ヒートシール層は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、変性オレフィン系樹脂、合成ゴム、塩化ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ウレタン系樹脂およびイミン系樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とするヒートシール性ワニスからなることを特徴とする請求項3記載の撥水性積層体の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
前記基材上にグラビアロールを用いて前記複数の凹凸構造を有するヒートシール層を設ける工程と、前記凹凸構造を形成したヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程とを有する撥水性積層体の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記ヒートシール層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、合成ゴム、アクリル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも1種を含むホットメルト接着剤からなることを特徴とする請求項5記載の撥水性積層体の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
前記基材上に前記ヒートシール層を設ける工程と、前記ヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程と、前記撥水層にスタンパーを用いて凹凸構造を形成する工程とを有する撥水性積層体の製造方法である。
本発明に係る撥水性積層体は、撥水層を、凹凸構造を有するヒートシール層上に形成、もしくはヒートシール層上に撥水層を形成した後、撥水層に凹凸構造を形成しているので、空気層を含む撥水層を形成することができる。このため、内容物に対して十分な撥液性を示す。また凹凸構造からなる撥水層は、層内凝集力が強く、脱落して内容物に混入することがない。
本発明における撥水性積層体の断面構造の模式図である。
図1は、本発明における撥水性積層体の断面構造の模式図である。
本発明における撥水性積層体10は、少なくとも基材1、ヒートシール層2および撥水層3をこの順で積層してなる。本発明における撥水性積層体10を包装材とした際には、撥水層3が内容物と接触する最内層を構成し、この撥水層3が、内容物の付着を防止する役割を果たす。
基材1としては、紙、プラスチックフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、無機酸化物蒸着フィルムなど、およびこれらを適宜組み合わせて積層したものを使用することができる。
基材1の表面には、商品を示す印刷が施されていてもよい。基材1の材質、厚さ、構成などは、目的とする積層体の要求品質や加工適性によって適宜選択される。
ヒートシール層2は、公知の材料を使用することができる。例えば、ヒートシール性ワニスや、ホットメルト接着剤からなることができ、ヒートシール性ワニスとしては、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、変性オレフィン系樹脂、合成ゴム、塩化ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ウレタン系樹脂およびイミン系樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とするヒートシール性ワニスが挙げられる。ホットメルト接着剤としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、合成ゴム、アクリル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも1種を含むホットメルト接着剤が挙げられる。なお、ホットメルト接着剤には、公知のワックスやタッキファイヤー等を配合してもよい。
ヒートシール層2の材質、厚さ、構成などは、目的とする積層体の要求品質や加工適性によって適宜選択されるが、例えば厚さは、5〜50μmが好ましい。
撥水層3としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、パラフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合体樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とする疎水性ワックスが使用される。
撥水層3の材質、厚さ、構成などは、目的とする積層体の要求品質や加工適性によって適宜選択される、例えば厚さは、0.5〜10μmが好ましい。
また、本発明の撥水性積層体は、表面に複数の凹凸構造が形成されている。この凹凸構造の凸部の形状としては、角錐状、台形状、円錐状、半球体状、楕円体状など任意である。
また、凹凸構造における凹凸のピッチは、500nm以上20000nm以下が好ましく、凹凸の高さは、500nm以上20000nm以下であることが好ましい。ここで凹凸のピッチとは、凸部の頂点間の距離または凸部の中心部間の距離を指し、凹凸の高さとは、凸部の頂点と凹部の底部との距離を指す。
凹凸のピッチが500nm未満もしくは20000nmを超えると凹凸構造の効果が薄れ、内容物が撥水層3の表面に付着しやすくなる傾向にある。凹凸の高さが500nmより低くなると、液滴の転落効果が低下する。また凹凸の高さが20000nmを超えると凹部の底部に内容物が停滞しやすくなり、転落性が悪くなる。凹凸のピッチは、1000nm〜10000nmがさらに好ましく、凹凸の高さは、1000nm〜10000nmがさらに好ましい。
撥水層3に凹凸構造を形成する方法としては、例えば下記の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
まず、(1)基材1上にヒートシール層2を設け、ヒートシール層2にスタンパーを用いて所望の形状の凹凸構造を形成し、この凹凸構造を形成したヒートシール層2上に前記撥水層3を積層する方法がある。
また、(2)基材1上にグラビアロールを用いて所望の形状の凹凸構造を有するヒートシール層2を設け、この凹凸構造を形成したヒートシール層2上に撥水層3を積層する方法がある。
また、(3)基材1上にヒートシール層2を設け、ヒートシール層2上に撥水層3を積層した後、撥水層3上にスタンパーを用いて凹凸構造を形成する方法がある。なおこの方法は、凹凸構造に多少バラツキが生じる場合があるが、本発明の効果を損なうことはない。
ヒートシール層2および撥水層3は、グラビアコート法、ダイコート法、ディッピングコート法、スプレーコート法などの公知の塗工法を採用し、その下地の上に形成することができる。
また、スタンパーやグラビアロールによる凹凸構造の形成についても、公知の手段を適宜採用して行うことができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例になんら限定されるものではない。
(実施例1)
基材として12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとアルミニウム箔15μmとを、ウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせ、更にアルミニウム箔の表面に上記同様の接着剤を使用して、別途用意した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせたものを用いた。この基材上に、ポリアクリレート系樹脂を主成分とするヒートシール性ワニスをバーコートで塗布し、厚さ10μmのヒートシール層を形成した。その後スタンパーによって、凹凸のピッチ5000nm、凹凸の高さ5000nmの台形格子形状の凹凸構造をヒートシール層に形成した。
次に、パラフィン系ワックス(BYK社製AQUACER539)をイソプロピルアルコール:水=1:1の溶媒に有効成分10質量%となるように分散させた撥水コート液を作製し、バーコートで塗布することで乾燥後塗布量1.0g/mとなる撥水層を形成して、目的とする撥水性積層体を作製した。
(実施例2)
スタンパーをピッチ10000nm、高さ10000nmの台形格子形状の凹凸構造とした以外は実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例3)
基材として12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとアルミニウム箔15μmとを、ウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせ、更にアルミニウム箔の表面に上記同様の接着剤を使用してポリエチレンフィルムを押出しラミネートして貼り合わせたものを用いた。この基材上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とするホットメルト接着剤を、グラビアロールを用いてホットメルト塗工し、厚さ20μmのヒートシール層を形成した。このグラビアロールは、凹凸のピッチ20000nm、凹凸の高さ20000nmに対応した凹凸形状を有し、この凹凸形状がヒートシール層に転写された。それ以外は実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例4)
実施例1において、スタンパーによる押圧加工を行わずにヒートシール層を形成した後、ヒートシール層上に乾燥後塗布量1.0g/mとなる撥水層を形成した。次に、スタンパーを用いてピッチ5000nm、高さ5000nmの台形格子形状の凹凸構造を撥水層に形成し、目的とする撥水性積層体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、スタンパーを用いなかった以外は実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例5)
スタンパーをピッチ300nm、高さ300nmの台形格子形状の凹凸構造とした以外は実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例6)
スタンパーをピッチ50000nm、高さ50000nmの台形格子形状の凹凸構造とした以外は実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(評価)
上記実施例1から6および比較例1で作製した撥水性積層体を用いて接触角測定および内容物付着試験を行った。測定条件は以下の通りである。
接触角:上記撥水性積層体の撥水層面を試験面とし、純水の接触角を測定した。
内容物付着性評価:上記撥水性積層体の撥水層面を試験面として、スライドガラスに貼り付けた後、水平状態で水、ヨーグルトを各0.5g垂らし、スライドガラスを90度に傾けたときの内容物の付着状態を評価した。付着状態の判定は、試験面に一切の付着がないものを○、一部付着するものを△、ほぼ全面に付着するものを×とした。
シール性評価:シール性評価は、温度200℃、圧力0.2MPa、時間3.0secの条件下で、以下のように行った。シール強度は、テンシロンにて測定した。シール性の判定は、撥水層がない場合と同等を○、強度低下30%以上を×とした。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2016112821
表1の結果からも明らかなように、比較例1の撥水性積層体では非付着性は得られないが、実施例1〜6では十分な非付着性を得られることがわかる。
1 基材
2 ヒートシール層
3 撥水層
10 撥水性積層体

Claims (7)

  1. 少なくとも基材、ヒートシール層および撥水層をこの順で積層してなる撥水性積層体において、
    前記撥水層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、パラフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合体樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とする疎水性ワックスからなり、前記撥水層の表面には複数の凹凸構造が形成されていることを特徴とする撥水性積層体。
  2. 前記撥水層の表面に形成されている凹凸構造の凸部が、角錐状、台形状、円錐状、半球体状、楕円体状のいずれか、またはそれらを組み合わせた形状であり、且つ凹凸のピッチが500nm以上20000nm以下であり、凹凸の高さは、500nm以上20000nm以下であることを特徴とする請求項1記載の撥水性積層体。
  3. 請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
    前記基材上に前記ヒートシール層を設ける工程と、前記ヒートシール層にスタンパーを用いて凹凸構造を形成する工程と、前記凹凸構造を形成したヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程とを有する撥水性積層体の製造方法。
  4. 前記ヒートシール層は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、変性オレフィン系樹脂、合成ゴム、塩化ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ウレタン系樹脂およびイミン系樹脂から選択された少なくとも1種を主成分とするヒートシール性ワニスからなることを特徴とする請求項3記載の撥水性積層体の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
    前記基材上にグラビアロールを用いて前記複数の凹凸構造を有するヒートシール層を設ける工程と、前記凹凸構造を形成したヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程とを有する撥水性積層体の製造方法。
  6. 前記ヒートシール層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、合成ゴム、アクリル系樹脂およびポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも1種を含むホットメルト接着剤からなることを特徴とする請求項5記載の撥水性積層体の製造方法。
  7. 請求項1または2に記載の撥水性積層体の製造方法であって、
    前記基材上に前記ヒートシール層を設ける工程と、前記ヒートシール層上に前記撥水層を積層する工程と、前記撥水層にスタンパーを用いて凹凸構造を形成する工程とを有する撥水性積層体の製造方法。
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