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JP2016112663A - エンドミル - Google Patents

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貴行 畔上
Takayuki Azegami
貴行 畔上
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Abstract

【課題】底刃強度を損なうことなく、切屑排出性の向上を図る。【解決手段】エンドミル本体1の先端部に、切屑排出溝の先端から内周側に延びる第1のギャッシュ部10と第1のギャッシュ部10からさらに内周側に延びる第2のギャッシュ部11とを備えたギャッシュ6が形成され、少なくとも第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aの先端側辺稜部に底刃が形成され、第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aは壁面11Aに対して外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びている。【選択図】図4

Description

本発明は、軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に外周刃が形成されるとともに、エンドミル本体の先端部には底刃が形成されたエンドミルに関するものである。
このようなエンドミルとして、例えば特許文献1には、エンドミル本体を軸線方向先端側にも送り出してワークの掘り込み等の縦送り加工が可能なエンドミルにおいて、切屑排出溝の先端からエンドミル本体の内周側に向けて延びるギャッシュのエンドミル回転方向後方側(エンドミル回転方向とは反対側)を向く壁面を、エンドミル本体の軸線に垂直な平面に対してなすギャッシュノッチ角がエンドミル本体の後端側に向かうに従い段階的に大きくなる複数段のギャッシュ面によって構成したり、このギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面を、上記軸線に対してなすギャッシュすくい角が後端側に向かうに従い段階的に大きくなる複数段のギャッシュすくい面によって構成したりしたものが提案されている。
このようなエンドミルによれば、縦送り加工の際に大きな負荷が作用するエンドミル本体先端中心部分での強度を確保しつつ、複数段のギャッシュ面やギャッシュすくい面によって切屑離れを良くして良好な切屑排出性を得ることができる。勿論、複数段のギャッシュ面と複数段のギャッシュすくい面の双方を備えていてもよい。
特開2006−015418号公報
ところで、このような縦送り加工ではなく、通常のエンドミル本体を軸線に垂直な方向に送り出して溝切削加工を行う場合や、軸線に対して斜め先端側に送り出してランピング加工を行う場合には、外周刃の先端部やラジアスエンドミルの場合にはコーナ刃によって生成された切屑が、ギャッシュを通ってエンドミル本体の内周側に流れ込もうとする。その一方で、底刃によって生成された切屑は、逆にギャッシュから切屑排出溝に流れ込むため、ギャッシュのエンドミル本体外周側でこれらの切屑が干渉することにより詰まりが生じ易くなる。
特に、エンドミル本体に形成される底刃の枚数が例えば4枚以上の多刃のエンドミルでは、すべての底刃をエンドミル本体の先端部中心にまで形成することが困難となるため、このうち一部の底刃を先端部中心から離れた位置から延びる短底刃としなければならないが、このような短底刃では、ギャッシュもエンドミル本体の先端部中心から離れた位置から延びることになる。
従って、この短底刃のギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とこれとは反対側を向く壁面との挟角が一定であると、エンドミル本体の外周側でギャッシュの幅が小さくなり、一層切屑詰まりを生じ易くなる。これに対して、ギャッシュの幅や挟角を大きくすると、エンドミル本体の内周側において底刃のエンドミル回転方向とは反対側の肉厚が小さくなり、底刃強度が低下して欠損等を生じるおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、たとえ多刃のエンドミルでも、エンドミル本体の内周側の底刃強度を損なうことなく、切屑排出性の向上を図ることが可能なエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、上記エンドミル本体の先端から後端側に延びる切屑排出溝が形成されて、この切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に外周刃が形成されるとともに、上記エンドミル本体の先端部には、上記切屑排出溝の先端から上記エンドミル本体の内周側に向けて延びる第1のギャッシュ部と、この第1のギャッシュ部からさらに上記エンドミル本体の内周側に延びる第2のギャッシュ部とを備えたギャッシュが形成され、このうち少なくとも上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に底刃が形成されており、上記第1のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面は、上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面に対して、上記エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側に向かうように延びていることを特徴とする。
このようなエンドミルにおいては、上記ギャッシュのうちエンドミル本体先端部外周側の切屑排出溝先端から内周側に延びる第1のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面が、この第1のギャッシュ部からさらに内周側に延びる第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面に対して、エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側に向かうように延びているので、溝切削加工やランピング加工の際に外周刃の先端部やコーナ刃によって生成された切屑がエンドミル本体の内周側に流れ込もうとするのを抑制することができる。
さらに、これに加えて、第1のギャッシュ部のエンドミル回転方向とは反対側を向く壁面を、第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向とは反対側を向く壁面に対して、エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向に向けて延びるように形成することにより、第1のギャッシュ部の周方向の幅を、第2のギャッシュ部をそのままエンドミル本体外周側に延長した場合よりも大きくすることができる。このため、底刃によって生成された切屑が外周側に流れても外周刃の先端部やコーナ刃によって生成された切屑と干渉するのを避けることができる。その一方で、内周側の第2のギャッシュ部を大きくする必要はないので、底刃強度を確保することができる。
従って、このようなエンドミルによれば、エンドミル本体の先端部に4枚以上の底刃が周方向に間隔をあけて形成された多刃のエンドミルであって、短底刃のギャッシュがエンドミル本体先端部の中心から離れた位置から延びていても、底刃に欠損等が生じるのを防ぎつつ、安定した切削加工を行うことが可能となる。また、第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面も、上記エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側に向けて延びるように形成することにより、外周刃の先端部やコーナ刃によって生成された切屑がエンドミル本体の内周側の第2のギャッシュ部に流れ込むのを一層確実に防ぐことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、底刃の強度不足による欠損等を防ぎつつ、切屑排出性の向上を図って切屑詰まりを防止することができ、安定した切削加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の拡大正面図である。 図2におけるZZ拡大断面図である。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって軸線Oを中心とした概略円柱状に形成され、後端部(図1において右上部分、図2において上側部分。)は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端部(図1において左下部分、図2において下側部分。)は切刃部3とされている。
このようなエンドミルは、シャンク部2が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられつつ、通常は該軸線Oに垂直な方向に送り出されて溝切削加工を行ったり、軸線Oに対して斜め先端側に送り出されてランピング加工を行ったりするのに用いられる。また、場合によっては特許文献1に記載されているように軸線Oに沿って先端側に送り出されて縦送り加工を行うこともある。
切刃部3の外周には、エンドミル本体1の先端から後端側に向けて軸線O回りにエンドミル回転方向Tとは反対向きに捩れる複数条(本実施形態では6条)の切屑排出溝4が周方向に等間隔に形成されており、これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面の外周側辺稜部には、この壁面をすくい面とする外周刃5がそれぞれ形成されている。これらの外周刃5は軸線O回りの回転軌跡が該軸線Oを中心とする1つの円筒面をなすように配置されている。
また、エンドミル本体1の先端部には、各切屑排出溝4の先端から内周側に向けて延びる凹溝状のギャッシュ6が形成されている。これらのギャッシュ6は、側面視において図2に示すようにエンドミル本体1の後端側に向かうに従い周方向に幅狭となるV字状をなして切屑排出溝4の溝底に開口するとともに、軸線O方向先端視においてもエンドミル本体1の内周側に向かうに従い周方向に幅狭となるV字状をなして開口している。さらに、ギャッシュ6は、その軸線O方向後端側への溝深さがエンドミル本体1の内周側に向かうに従い漸次浅くなるように形成されている。
さらにまた、図2に示したように、これらのギャッシュ6のうち一部のギャッシュ6Aはエンドミル本体1の内周側に長く延びている一方、残りのギャッシュ6Bは上記一部のギャッシュ6Aよりもエンドミル本体1の内周側に短く延びるように形成されている。本実施形態では、図2において左右に延びる2つの一部のギャッシュ6Aが内周側に長く延び、軸線Oを越えて互いに行き違うように形成されるとともに、残りの4つのギャッシュ6Bは軸線Oを越えることなく、その内周部が上記一部のギャッシュ6Aの内周部に連通して途切れるように形成されている。なお、本実施形態のエンドミルは、エンドミル本体1が軸線Oに関して180°回転対称形状に形成されている。
また、エンドミル本体1の先端面において、周方向に隣接するギャッシュ6の間の部分は先端逃げ面7とされている。本実施形態の先端逃げ面7は、エンドミル回転方向Tの反対側に向けて逃げ角が段階的に大きくなる第1、第2先端逃げ面7A、7Bによって構成されている。さらにまた、これらの先端逃げ面7との交差稜線である各ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面の先端側辺稜部には、この壁面をすくい面とする底刃8がそれぞれ形成されている。これらの底刃8は、本実施形態では周方向に等間隔に形成されるとともに、軸線Oに垂直な1つの平面上に位置する直線状、またはすかし角が与えられるようにエンドミル本体1の内周側に向かうに従い僅かに軸線O方向後端側に傾斜する直線状をなしている。
ここで、上述のように一部のギャッシュ6Aはエンドミル本体1の内周側に長く延びるとともに、残りのギャッシュ6Bは短く延びるように形成されるのに伴い、一部のギャッシュ6Aのエンドミル回転方向Tを向く壁面に形成された2つの一部の底刃8は、残りのギャッシュ6Bのエンドミル回転方向Tを向く壁面に形成された残りの底刃8よりも長く延びる長底刃8Aとされ、本実施形態では図2に示したように軸線Oを越えて互いに行き違うように形成される。また、これら長底刃8A以外の残りの4つの底刃8は短い短底刃8Bとされる。
ただし、これら長底刃8Aや上記一部のギャッシュ6Aは互いに交わることはなく、行き違った長底刃8A同士の間には、これらの長底刃8Aに連なる先端逃げ面7(第1先端逃げ面7A)同士が交差することにより、軸線Oに直交する短い交差稜線部9が形成される。また、短底刃8Bは、該短底刃8Bが形成された残りのギャッシュ6Bの内周部が上記一部のギャッシュ6Aの内周部に連通したところで、長底刃8Aよりも軸線Oから離れた位置に内周端を有している。
そして、上記ギャッシュ6は、一部のギャッシュ6Aと残りのギャッシュ6Bとがともに、切屑排出溝4の先端からエンドミル本体1の内周側に向けて延びる第1のギャッシュ部10と、この第1のギャッシュ部10からさらにエンドミル本体1の内周側に延びる第2のギャッシュ部11とにより形成されている。さらに、上記底刃8は、長底刃8Aと短底刃8Bがともに、各ギャッシュ6のうち第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aの先端側辺稜部に形成されている。
ここで、本実施形態においては、各底刃8と外周刃5とが交差するコーナ部に、上記第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aの先端外周側辺稜部に、これら底刃8と外周刃5に連なる1/4円弧等の凸曲線状をなすコーナ刃12が形成されている。すなわち、本実施形態のエンドミルはラジアスエンドミルとされ、第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aは上記コーナ刃12のすくい面とされる。
さらに、この第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aは、図4に示すように第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aに対して、エンドミル本体1の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びている。一方、第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面10Bは、やはり図4に示すように第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面11Bに対して、エンドミル本体1の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tに向かうように延びている。
なお、これら第1、第2のギャッシュ部10、11のエンドミル回転方向Tを向く壁面10A、11Aとエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面10B、11Bとは平面状に形成されており、これら壁面10A、11A同士と壁面10B、11B同士はそれぞれ鈍角に交差する方向に延びることになる。ただし、第1、第2のギャッシュ部10、11において両壁面10A、10B、11A、11Bが交差する谷底部は、これらの平面に連なる凹曲面状に形成されている。
また、上述のように平面状をなす壁面10A、10B同士と壁面11A、11B同士の延長面がなす仮想稜線(谷底線)は、第1のギャッシュ部10の壁面10A、10B同士の仮想稜線よりも、第2のギャッシュ部11の壁面11A、11B同士の仮想稜線が、軸線Oに対する傾斜が緩やかになるようにされている。ただし、これらの仮想稜線は連なることはなく、図1に示すように第2のギャッシュ部11の壁面11A、11B同士の仮想稜線よりも第1のギャッシュ部10の壁面10A、10B同士の仮想稜線がエンドミル本体1の外周側に位置している。
さらに、各ギャッシュ6の第1のギャッシュ部10同士において、壁面10Aと壁面10Bとが上記仮想稜線を中心としてなす挟角は互いに等しくされている。また同様に、各ギャッシュ6の第2のギャッシュ部11同士においても、壁面11Aと壁面11Bとがその上記仮想稜線を中心としてなす挟角は互いに等しくされるとともに、第1のギャッシュ部10の壁面10A、10Bがなす挟角よりは小さくされる。さらに、本実施形態では、第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aは、図4に示すようにエンドミル本体1の外周側に向かうに従い僅かにエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びており、これによって底刃8とコーナ刃12には負のラジアルレーキ角が与えられる。
なお、一部のギャッシュ6Aと残りのギャッシュ6Bとを含めたすべてのギャッシュ6では、図4に示すように軸線Oに直交する断面において、該軸線Oを中心として第1のギャッシュ部10(図4では一部のギャッシュ6Aの第1のギャッシュ部10)に内接する円C1と第1のギャッシュ部10との接点P1は、同じく軸線Oを中心として第2のギャッシュ部11(図4では一部のギャッシュ6Aの第2のギャッシュ部11)に内接する円C2と第2のギャッシュ部11との接点P2よりもエンドミル回転方向Tとは反対側に位置している。
このように構成されたエンドミル(ラジアスエンドミル)において、上述した溝切削加工やランピング加工を行う場合、コーナ刃12によって生成された切屑はまずエンドミル本体1外周側の第1のギャッシュ部10に流れ込むが、このコーナ刃12のすくい面とされる第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aが、内周側の第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aに対して、外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びているので、流れ込んだ切屑を外周側に押し出すようにして第2のギャッシュ部11に入り込もうとするのを抑えることができる。
さらに、こうして壁面10Aが壁面11Aに対して外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びているのに加えて、第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tと反対側を向く壁面10Bは、第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tと反対側を向く壁面11Bに対して、エンドミル本体1の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tに向かうように延びている。従って、第1のギャッシュ部10の幅、あるいは上記仮想稜線を中心として第1のギャッシュ部10の壁面10A、10Bがなす挟角を、第2のギャッシュ部11をそのまま外周側に延長した場合と比べて大きくすることができる。
特に、本実施形態では、複数のギャッシュ6のうち一部のギャッシュ6Aはエンドミル本体1の内周側に長く延びている一方、残りのギャッシュ6Bは一部のギャッシュ6Aよりもエンドミル本体1の内周側に短く延びており、この残りのギャッシュ6Bが、内周側の第2のギャッシュ部11の壁面11A、11Bをそのままの挟角で外周側に延長したものであると、エンドミル本体1外周側でのギャッシュ6Bの幅が一部のギャッシュ6Aよりも小さくなりすぎて切屑詰まりを一層生じ易くなる。
その一方で、このように外周側でのギャッシュ6Bの幅が小さくなるのを防ぐため、残りのギャッシュ6Bの挟角を内周側から外周側に亙って一部のギャッシュ6Aよりも大きくすると、特に本実施形態のように底刃8が6枚の多刃のエンドミルでは、エンドミル本体1の内周側において挟角を大きくした残りのギャッシュ6Bとそのエンドミル回転方向T側に隣接するギャッシュ6との間のエンドミル本体1の肉厚が薄くなり、このエンドミル回転方向T側に隣接するギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aをすくい面とする底刃8の強度が損なわれて欠損を生じるおそれがある。
これに対して、上記構成のエンドミルによれば、第2のギャッシュ部11の挟角は大きくせずとも、上述のように第1のギャッシュ部10の挟角を大きくして容量を確保することができる。このため、4枚以上、特に本実施形態のように6枚以上の底刃8が周方向に間隔をあけて形成された多刃のエンドミルであっても底刃8の強度は損なうことなく、底刃8によって生成されて第2のギャッシュ部11から第1のギャッシュ部10に流れ込んだ切屑がコーナ刃12によって生成された切屑と干渉するのを避けることができ、切屑詰まりの発生を防止することにより良好な切屑排出性を得て安定した溝切削加工やランピング加工等の切削加工を行うことができる。
また、第1のギャッシュ部10の壁面10Aが第2のギャッシュ部11の壁面11Aに対してエンドミル回転方向Tとは反対側に延びていることにより、底刃8によって生成された切屑が第1のギャッシュ部10に流れ込むときの切屑離れも良くすることができ、これによっても切屑排出性の向上を図ることができる。なお、図4においては、第1のギャッシュ部10の凹曲面状をなす谷底部が第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面11Aに交差していて、その交差部には凹曲面状の段差が形成されているが、第1のギャッシュ部10の平面状の壁面10Aがそのまま壁面11Aに交差していてもよい。
さらに、本実施形態では、底刃8とコーナ刃12に負のラジアルレーキ角が与えられていて、それぞれのすくい面とされる壁面11Aと壁面10A自体がエンドミル本体1の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように延びており、従ってコーナ刃12のすくい面とされる壁面10Aのエンドミル回転方向Tとは反対側に向けた傾きを一層大きくすることができるので、第2のギャッシュ部11への切屑の流入を確実に抑制することが可能となる。また、コーナ刃12の刃物角を大きくして切刃強度の向上を図ることもできる。
なお、本実施形態では、外周刃5と底刃8との間に、エンドミル本体1の先端外周側に凸となる凸曲線状のコーナ刃12が形成されたラジアスエンドミルに本発明を適用した場合について説明したが、外周刃5と底刃8とがそのまま角度をもって交差したスクエアエンドミルに本発明を適用することも可能である。このような場合に、第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面10Aは、外周刃5の先端部に交差していてもよい。
また、本実施形態では、各ギャッシュ6の第1のギャッシュ部10における上記挟角と第2のギャッシュ部11における上記挟角とをそれぞれ等しくしているが、これらの挟角の少なくとも一方をギャッシュ6間で異なる大きさとしてもよい。例えば、短底刃8Bが形成される残りのギャッシュ6Bの第1のギャッシュ部10の挟角に対して、長底刃8Aが形成される一部のギャッシュ6Aの第1のギャッシュ部10の挟角を大きくして幅広とすれば、短底刃8Bよりも多くの切屑が生成される長底刃8Aの切屑排出性を一層向上させることができる。
さらに、短底刃8Bが形成される残りのギャッシュ6Bの第2のギャッシュ部11の挟角に対して、長底刃8Aが形成される一部のギャッシュ6Aの第2のギャッシュ部11の挟角を小さくして幅狭とすれば、エンドミル本体1先端部内周側の軸線O近傍まで延びる一部のギャッシュ6Aとそのエンドミル回転方向T側に隣接するギャッシュ6との間の肉厚をより大きく確保して、このエンドミル回転方向T側に隣接したギャッシュ6に形成される底刃8に一層高い強度を与えることができる。
1 エンドミル本体
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 外周刃
6 ギャッシュ
7 先端逃げ面
8 底刃
10 第1のギャッシュ部
10A 第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tを向く壁面
10B 第1のギャッシュ部10のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面
11 第2のギャッシュ部
11A 第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tを向く壁面
11B 第2のギャッシュ部11のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面
12 コーナ刃
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転させられるエンドミル本体の先端部外周に、上記エンドミル本体の先端から後端側に延びる切屑排出溝が形成されて、この切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に外周刃が形成されるとともに、
    上記エンドミル本体の先端部には、上記切屑排出溝の先端から上記エンドミル本体の内周側に向けて延びる第1のギャッシュ部と、この第1のギャッシュ部からさらに上記エンドミル本体の内周側に延びる第2のギャッシュ部とを備えたギャッシュが形成され、このうち少なくとも上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面の先端側辺稜部に底刃が形成されており、
    上記第1のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面は、上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面に対して、上記エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側に向かうように延びていることを特徴とするエンドミル。
  2. 上記第1のギャッシュ部のエンドミル回転方向とは反対側を向く壁面は、上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向とは反対側を向く壁面に対して、上記エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向に向かうように延びていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  3. 上記エンドミル本体の先端部には、4枚以上の上記底刃が周方向に間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンドミル。
  4. 上記第2のギャッシュ部のエンドミル回転方向を向く壁面が、上記エンドミル本体の外周側に向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側に向かうように延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のエンドミル。
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