JP2016196560A - 表刷り用グラビア印刷インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態の表刷り用グラビアインキ組成物(以下、単にインキ組成物ともいう)は、顔料と、バインダー樹脂と、硬化剤と、有機溶剤とを含む。以下、それぞれの構成について説明する。
顔料は、一般に有機溶剤を含有するグラビア印刷インキ組成物で使用され得る無機、有機および体質顔料が例示される。無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が例示される。有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が例示される。体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリンクレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等が例示される。
バインダー樹脂は、(A)ポリウレタン樹脂、(A)ポリウレタン樹脂と(B)セルロース誘導体および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくともいずれか1種との併用系が例示できる。耐塩ビブロッキング性および耐アルコール性が優れる点から、バインダー樹脂が(A)ポリウレタン樹脂である場合は、(A)ポリウレタン樹脂が多官能イソシアネート化合物と反応する反応基(たとえば水酸基、アミノ基等)を有しているものが好ましく、(A)ポリウレタン樹脂と(B)セルロース誘導体および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくともいずれか1種との併用系である場合は(A)および(B)の少なくともいずれか1種が多官能イソシアネー化合物と反応する反応基(水酸基、アミノ基等)を有していることが好ましい。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体としては、従来からインキ組成物に使用されている塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーの共重合体が適宜使用される。塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、環境面に配慮したインキの有機溶剤系において、インキ組成物の各種皮膜特性をバランスよく向上させる点から、水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
式(1) −CH2−CHCl−
式(2) −CH2−CH(OCOCH3)−
式(3) −CH2−CH(OH)−
セルロース誘導体としては、従来から表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用されているセルロース誘導体が適宜使用される。セルロース誘導体としては、ニトロセルロース(ニトロ基置換体)、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の低級アシル基置換体、メチルセルロース、エチルセルロース等の低級アルキル基置換体が例示される。これらセルロース誘導体の分子量や水酸基に対する置換度等は、通常のインキ組成物や塗料で使用される範囲のものが採用され得る。一例を挙げると、水酸基の置換度は、1.3〜2.7程度であることが好ましい。また、セルロース誘導体は、所望する目的に合わせて適宜選択して使用されることが好ましい。セルロース誘導体は、耐熱性の点からはニトロ基置換体が使用されることが好ましく、接着性の点からは低級アシル基置換体および低級アルキル基置換体が使用されることが好ましい。
硬化剤は、多官能イソシアネート化合物が例示される。この中でも、硬化剤は、架橋構造を形成しやすい点で、平均官能基数が2より大きい多官能イソシアネート化合物であることが好ましい。具体的には、多官能イソシアネート化合物は、デュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ(株)製、イソシアヌレート型HDI)、デュラネートP301−75E(旭化成ケミカルズ(株)製、トリメチロールプロパンアダクト型HDI)、マイテックNY−210A(三菱化学(株)製、トリメチロールプロパンアダクト型IPDI)、コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製、トリメチロールプロパンアダクト型TDI)等が例示される。なお、これら硬化剤は、たとえば印刷時の直前に添加され得る。
有機溶剤としては、上記各種成分を適切に配合し得る溶剤であれば特に限定されない。本実施形態では、有機溶剤は、環境面に配慮して、芳香族炭化水素系有機溶剤を含まないことが好ましい。芳香族炭化水素系有機溶剤を含有しない有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、および、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素系有機溶剤が例示される。これらの有機溶剤は、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性等を考慮して、適宜混合して利用し得る。環境面に配慮すると、有機溶剤は、可能な限りケトン系有機溶剤を使用しないことが好ましい。
キレート化剤としては、チタンキレート、ジルコニウムキレート等の金属キレート化剤が好適に使用される。チタンキレートとしては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート、n−ブチルリン酸エステルチタン、プロパンジオキスチタンビス(エチルアセチルアセテート)等が例示される。ジルコニウムキレートとしては、ジルコニウムプロピオネート、ジルコニウムアセチルアセテート等が例示される。
脂肪酸アミドとしては、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、変性脂肪酸アミド等が例示される。これらの中でも、脂肪酸アミドは、たとえばテーブルクロスに使用される軟質塩化ビニルシートに対する耐塩ビブロッキング性が優れる点から、変性脂肪酸アミドであることが好ましい。
ハードレジンとしては、ダイマー酸系樹脂、ロジン系樹脂、マレイン酸系樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、ダンマー樹脂、コーパル樹脂、塩素化ポリプロピレン、酸化ポリプロピレン等が例示される。これらハードレジンを配合することにより、得られるインキ組成物は、特に表面処理の行なわれていない樹脂フィルムに対して、接着性が向上し得る。
<顔料>
白色顔料(酸化チタン)
藍色顔料(PB15:4顔料)
<ポリウレタン樹脂ワニスA>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール400gおよびイソホロンジイソシアネート115.4g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル375g、酢酸プロピル500g、イソプロピルアルコール375gを加えた後、イソホロンジアミン20.7gを加えて20分間反応させ、さらにモノエタノールアミン1.25gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30%)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスB>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2,000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2,000のポリプロピレングリコール100質量部、およびイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル521質量部、イソプロピルアルコール92質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミン0.31質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミン2.18質量部、ジエチレントリアミン0.17質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスB(固形分30質量%)を得た。
<塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体溶液>
塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂共重合体(商品名:ソルバインTA5R、日信化学(株)製)の20部を、メチルエチルケトン40部、酢酸エチルの20部、酢酸プロピルの20部からなる混合有機溶剤中に溶解させて固形分20%の塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂溶液を得た。
<ニトロセルロース溶液>
ニトロセルロース(商品名:NC RS−2 KCNC、KOREA CNC LTD社製)20部を、酢酸プロピル35部およびイソプロピルアルコール45部からなる混合溶媒に溶解させて固形分20%のニトロセルロース溶液を得た。
<硬化剤>
トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト品
<脂肪酸アミド>
ラウリン酸アミド
<金属キレート化剤>
チタニウムアセチルアセテート
<ハードレジン>
ハードレジン(商品名:マルキードNo.2 荒川化学工業(株)製)
表1に示される処方に沿って、白色インキ組成物(1)〜(10)と、藍色インキ組成物(1)〜(10)を調製した。具体的には、表1に示す材料をペイントコンディショナーで混練し、それぞれのインキ組成物を調製した。
コロナ放電処理した延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:OPP P−2161、25μm、東洋紡(株)製)に、グラビア校正機を利用して表刷り用グラビア印刷インキ組成物(白色)を下記条件で印刷、乾燥させた後、表刷用グラビア印刷インキ組成物(藍色)を下記条件で印刷、乾燥させて、表刷りグラビア印刷物を作製した。
塗工機 :グラビア校正機
塗工速度 :100m/min
刷版 :ダイレクト175線ベタ版
乾燥温度 :100℃(風量80%)
表刷り用グラビア印刷インキ組成物(藍色)の印刷面積は、表刷り用グラビア印刷インキ組成物(白色)の印刷面積の30%とした。
使用した白色インクおよび藍色インクの種類を表2に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様の方法により表刷りグラビア印刷物を作製した。
実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれの印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の剥離する度合いから、以下の評価基準に沿って接着性を評価した。
(評価基準)
A:印刷皮膜の面積比率として、フィルムからの剥離が5%未満であった。
B:印刷皮膜の面積比率として、5%以上30未満がフィルムから剥離した。
C:印刷皮膜の面積比率として、30%以上がフィルムから剥離した。
実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれの印刷面と非印刷面とを合わせて、バイスでしめこみ、40℃で1日保管後、手で剥がし、インキの剥離の程度と剥離抵抗の強度から、以下の評価基準に沿って耐ブロッキング性を評価した。
(評価基準)
A:印刷皮膜は、全く剥離しなかった。
B:印刷皮膜は、少し剥離し、剥離抵抗が強く感じられた。
C:印刷皮膜は、ほとんど剥離し、剥離抵抗が強く感じられた。
実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれと同じ大きさに切った軟質塩化ビニルシートA〜Bと、印刷面とを重ね合わせ、0.5kg/cm2の荷重をかけ、50℃80%の雰囲気下で24時間放置後、印刷面と軟質塩化ビニルシートとを引き剥がし、インキの剥離の程度から、以下の評価基準に沿って耐塩ビブロッキング性を評価した。なお、軟質塩化ビニルシートの詳細は、以下のとおりである。
軟質塩化ビニルシートA:透明マット(塩化ビニル樹脂、(株)ニトリ販売)
軟質塩化ビニルシートB:透明抗菌テーブルマット(明和グラビア(株)製)
(評価基準)
A:印刷皮膜は、全く剥離しなかった。
B:フィルムから剥離した印刷皮膜の面積は、20〜50%であった。
C:フィルムから剥離した印刷皮膜の面積は、50%を超えた。
80〜200℃の熱傾斜を有する熱板を備えたヒートシール試験機を用いて、実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれの印刷面と、アルミ箔とを2.0kg/cm2の圧力で、1秒間押圧した。同様に、印刷面と印刷面とを押圧した。印刷面のインキが押圧された素材(アルミ箔または印刷面)に転移する最低温度を測定し、以下の評価基準に沿って耐熱性を評価した。
(印刷面のインキがアルミ箔に転移する最低温度の評価基準)
A:最低温度は、160℃以上であった。
B:最低温度は、140℃以上、160℃未満であった。
C:最低温度は、140℃未満であった。
(印刷面のインキが印刷面に転移する最低温度の評価基準)
A:最低温度は、100℃以上であった。
B:最低温度は、80℃以上、100℃未満であった。
C:最低温度は、80℃未満であった。
実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれの印刷面を、学振型耐摩擦試験機を用いて、サラダ油をしみ込ませたあて布で200gの荷重下100回摩擦し、印刷面の変化から、以下の評価基準に沿って耐油性を評価した。
(評価基準)
A:印刷面は、変化がなかった。
B:印刷面に、筋状の傷が認められた。
C:印刷面に、面状の傷が認められた。
実施例1〜6および比較例1〜4の表刷りグラビア印刷物のそれぞれの印刷面を、エタノールに浸した綿棒で擦り、以下の評価基準に沿って耐アルコール性を評価した。
(評価基準)
A:インキは、50回以上擦ってもとれなかった。
B:インキは、10〜50回擦ることによりとれた。
C:インキは、1〜10回擦ることによりとれた。
実施例1〜6、比較例1〜4、表刷り用グラビア印刷インキ組成物を用いた印刷後の残肉インクの25℃で1日経過後の安定性を評価した。
(評価基準)
A:残肉インクは、粘度上昇がほとんどなかった。
B:残肉インクは、粘度上昇が見られた。
C:残肉インクは、ゲル化した。
Claims (4)
- 顔料と、バインダー樹脂と、硬化剤と、有機溶剤とを含み、
前記バインダー樹脂は、(A)ジオール化合物と有機ジイソシアネート化合物とが反応したポリウレタン樹脂を含み、
前記硬化剤は、多官能イソシアネート化合物を含み、
前記硬化剤の含有量は、3〜10質量%である、表刷り用グラビア印刷インキ組成物。 - 前記バインダー樹脂は、さらに、(B)セルロース誘導体および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくともいずれか1種を含み、
(A)および(B)の少なくともいずれか1種は、多官能イソシアネート化合物と反応する反応基を有している、請求項1記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。 - さらにキレート化剤、脂肪酸アミドおよびハードレジンを含む、請求項1または2記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
- 前記有機溶剤は、芳香族炭化水素系有機溶剤を含まず、かつ、酢酸プロピルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
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