JP2016179648A - 熱収縮性積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱収縮応力の応力集中を抑制することができ、バリア性に優れた熱収縮性積層フィルムを提供する。【解決手段】基材層(A)とガスバリア層(B)とヒートシール層(C)との少なくとも3層を備え、前記基材層(A)が融点130℃以上の熱可塑性樹脂を少なくとも含み、前記ガスバリア層(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を少なくとも含み、前記ヒートシール層(C)がポリエチレン系樹脂を少なくとも含み、さらに以下の条件1)〜3)を満たすことを特徴とする熱収縮性積層フィルム。1)前記記載のエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融点が160℃以下、且つエチレン含量が40mol%以下。2)80℃における長さ方向の熱収縮率が5%以上3)酸素透過率が23℃65%RHにおいて60cc/m2・day・atm以下。【選択図】なし
Description
本発明は、包装機による包装に適し、主にガスバリア性が必要な食品包装分野に使用するのに好適な熱収縮性積層フィルムに関する。
食料品を覆う包装方法として、例えば、家庭用ラップ包装、オーバーラップ包装、ひねり包装、袋詰め包装、スキン包装、ピローシュリンク包装、ストレッチ包装、トップシール包装が挙げられる。特に、ピローシュリンク包装及びトップシール包装の連続包装機は高速包装でき、仕上がりが良好であるため広く流通している。
さらに、近年では環境への配慮から、スーパーやコンビニ等で売れ残った食品等の廃棄量を削減する意識が高まり、食品の長期保存、常温保存を目的としたガスパック包装が注目されている。ガスパック包装は、容器内を窒素ガスや二酸化炭素ガスで封入することにより細菌等の繁殖を抑制し、長期保存を実現するツールであり、使用する包装フィルムには酸素透過性の低いガスバリア性フィルムが適している。ガスバリア性フィルムとしては、バリア性の樹脂と低温シール性を有するポリオレフィン系樹脂とを積層したフィルムが知られている。
例えば、特許文献1には、一方の表面層がポリプロピレン系共重合体樹脂、他方の表面層がエチレン−α−オレフィン系共重合体樹脂、ガスバリア性中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物、その両側に接着性樹脂層が配置された少なくとも5層からなり、ガスバリア性と熱収縮特性とを両立させ、さらに防曇性に優れたフィルムが開示されている。
しかしながら、特許文献1においてエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は分子間の相互作用が強いため熱収縮応力が大きい傾向にあり、分子配向の緩和による応力集中によってガスパック包装時に容器変形し易い点が課題となる。
本発明が解決しようとする課題は、熱収縮時の応力集中を抑制し、且つバリア性に優れた熱収縮性積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1]
基材層(A)とガスバリア層(B)とヒートシール層(C)との少なくとも3層を備え、前記基材層(A)が融点130℃以上の熱可塑性樹脂を少なくとも含み、前記ガスバリア層(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を少なくとも含み、前記ヒートシール層(C)がポリエチレン系樹脂を少なくとも含み、さらに以下の条件1)〜3)を満たすことを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
1)前記エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融点が160℃以下、且つエチレン含量が40mol%以下。
2)80℃における幅方向の熱収縮率が5%以上
3)酸素透過率が23℃65%RHにおいて60cc/m2・day・atm以下。
[2]
前記ガスバリア層の融点と降温結晶化温度との差である過冷却温度差が25℃以上である、[1]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[3]
80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、[1]または[2]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[4]
全層厚みが30μm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[5]
前記ガスバリア層(B)と前記ヒートシール層(C)との間に接着層(D)を含み、少なくとも4層からなる、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[6]
前記基材層(A)と前記ガスバリア層(B)との間に接着層(E)を含み、少なくとも5層からなり、さらに前記基材層(A)/前記接着層(E)/前記ガスバリア層(B)/前記接着層(D)/前記ヒートシール層(C)の順に積層される、[5]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[7]
前記基材層と、ガスバリア層と、ヒートシール層との内、少なくとも1層に熱可塑性エラストマーを含有する、[1]から[6]のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
[8]
前記熱可塑性エラストマーを含有する層の厚みの比率が、全層に対して30%以上である、[7]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[9]
前記基材層(A)がポリプロピレン系樹脂を含有する、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[10]
120℃における長さ方向の熱収縮率が30%以上である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
基材層(A)とガスバリア層(B)とヒートシール層(C)との少なくとも3層を備え、前記基材層(A)が融点130℃以上の熱可塑性樹脂を少なくとも含み、前記ガスバリア層(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を少なくとも含み、前記ヒートシール層(C)がポリエチレン系樹脂を少なくとも含み、さらに以下の条件1)〜3)を満たすことを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
1)前記エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融点が160℃以下、且つエチレン含量が40mol%以下。
2)80℃における幅方向の熱収縮率が5%以上
3)酸素透過率が23℃65%RHにおいて60cc/m2・day・atm以下。
[2]
前記ガスバリア層の融点と降温結晶化温度との差である過冷却温度差が25℃以上である、[1]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[3]
80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、[1]または[2]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[4]
全層厚みが30μm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[5]
前記ガスバリア層(B)と前記ヒートシール層(C)との間に接着層(D)を含み、少なくとも4層からなる、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[6]
前記基材層(A)と前記ガスバリア層(B)との間に接着層(E)を含み、少なくとも5層からなり、さらに前記基材層(A)/前記接着層(E)/前記ガスバリア層(B)/前記接着層(D)/前記ヒートシール層(C)の順に積層される、[5]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[7]
前記基材層と、ガスバリア層と、ヒートシール層との内、少なくとも1層に熱可塑性エラストマーを含有する、[1]から[6]のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
[8]
前記熱可塑性エラストマーを含有する層の厚みの比率が、全層に対して30%以上である、[7]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[9]
前記基材層(A)がポリプロピレン系樹脂を含有する、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
[10]
120℃における長さ方向の熱収縮率が30%以上である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の熱収縮性積層フィルム。
本発明によれば、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物が融点160℃以下、且つエチレン含量40mol%以下のガスバリア層(B)を用いることで、熱収縮時の応力集中を抑制することが可能であり、容器変形の少ない美麗なガスパック包装が可能である。さらに、本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を含有するガスバリア層を有するため、においの強い食品の包装や、ガスパック包装に適している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、基材層(A)とガスバリア層(B)とヒートシール層(C)との少なくとも3層を備え、前記基材層(A)は融点130℃以上の熱可塑性樹脂を少なくとも含み、前記ガスバリア層(B)はエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を少なくとも含み、前記ヒートシール層(C)はポリエチレン系樹脂、好ましくはエチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含む。熱収縮性積層フィルムにおいて、好ましくは前記基材層(A)及び前記ヒートシール(C)がそれぞれ最外層に位置している。また、前記基材層、前記ガスバリア層、及び前記ヒートシール層の他に、後述する接着層等をさらに含むことができる。
熱収縮性積層フィルムの層構造としては、例えば、下記の例が挙げられる。これらの層構造によれば、本発明の効果が一層顕著に奏される。
・基材層/ガスバリア層/ヒートシール層
・基材層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層
・基材層/接着層/ガスバリア層/ヒートシール層
・基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層
以下、熱収縮性積層フィルムを構成する各層の層の好適な態様について詳述する。
・基材層/ガスバリア層/ヒートシール層
・基材層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層
・基材層/接着層/ガスバリア層/ヒートシール層
・基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層
以下、熱収縮性積層フィルムを構成する各層の層の好適な態様について詳述する。
[基材層(A)]
本態様の基材層は、熱収縮性積層フィルムに耐熱性を付与する層であり、好適には熱収縮性積層フィルムの最外層に位置する。また、基材層は、熱収縮性積層フィルム製造時には、延伸支持層としての役割も果たすことができる。
本態様の基材層は、熱収縮性積層フィルムに耐熱性を付与する層であり、好適には熱収縮性積層フィルムの最外層に位置する。また、基材層は、熱収縮性積層フィルム製造時には、延伸支持層としての役割も果たすことができる。
耐熱性を付与するという観点から、本態様の基材層は融点130℃以上の熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、例えば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド重合体;ナイロン6/66、ナイロン6/12等の脂肪族ポリアミド共重合体;MXD6(ポリメタキシレンアジパミド)等の芳香族ポリアミド重合体、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン系樹脂などを含有することが好ましく、これらの内少なくとも1種以上が選択されることが好ましい。また、熱収縮性を付与するという観点から、融点160℃以下の熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を含有することがより好ましい。前記基材層の内、好適にはポリプロピレン系樹脂を50質量%以上の割合で含有し、より好適には60質量%以上の割合で、さらに好適には70質量%以上の割合で含有する。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独共重合体及び/又はプロピレン系共重合体を好適に使用でき、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの3元共重合体等を好適に使用できる。
プロピレン単独共重合体とは、プロピレンのみを重合して得られる重合体である。ポリプロピレン系共重合体としては、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種との共重合体を好適に用いることができる。より好ましくは、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種との共重合体である。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレンと、エチレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー及びオクテンコモノマーから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用できる。
ポリプロピレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合されたものであってよく、透明性に一層優れる観点からは、シングルサイト系触媒を用いて重合されたものであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒のような触媒で重合された樹脂であっても、メタロセン系触媒等で重合された樹脂であってもよい。すなわち、ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、シンジオタクチックポリプロピレン、アイソタクティックポリプロピレン等も使用できる。
ポリプロピレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したポリプロピレン系樹脂を使用することもできる。
ポリプロピレン系樹脂は単独、又は混合して用いることができ、ポリプロピレンとプロピレン−α−オレフィン共重合体とを混合すると、基材層の結晶性が低下し熱収縮性が向上する傾向にあるため好ましい。
基材層は、上記熱可塑性樹脂以外の成分を含有していてもよい。例えば、その特性を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、各種界面活性剤、アンチブロック剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムに防曇性を付与するため、前記基材層に界面活性剤としてグリセリン系脂肪酸エステルを添加することができる。グリセリン系脂肪酸エステルを添加する場合、その含量は、前記基材層を基準として0.1質量%以上かつ5.0質量%以下であることが好ましい。
グリセリン系脂肪酸エステルとしては、グリセリンのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル、ポリ脂肪酸エステル等が挙げられ、炭素数が8〜18の飽和又は不飽和脂肪酸のモノグリセリンエステル、ジグリセリンエステル、トリグリセリンエステル、テトラグリセリンエステル等が挙げられる。その中でもジグリセリンオレート、ジグリセリンラウレート、グリセリンステアレート、グリセリンモノオレート、又はそれらの混合物を主成分としたものが、フィルムの滑り性や光学特性を阻害し難いため好ましい。さらに、エチレンオキサイド付加物を添加し水滴の表面張力を下げることで良好な防曇性付与することができる。エチレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
[ガスバリア層(B)]
本態様のガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を含有する層であり、熱収縮性積層フィルムのガスバリア性を向上する役割を果たす。JIS−K−7210に準じて測定されたエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融解ピーク温度(以下、融点という)は160℃以下であることが好ましく、160℃未満であることがより好ましい。
本態様のガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を含有する層であり、熱収縮性積層フィルムのガスバリア性を向上する役割を果たす。JIS−K−7210に準じて測定されたエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融解ピーク温度(以下、融点という)は160℃以下であることが好ましく、160℃未満であることがより好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、融点が160℃以下であれば包装時の熱収縮工程の際に分子配向の緩和が促されるため、収縮用途に適した良好な熱収縮性を発現することができる。
なお、融点は、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解曲線で現れる吸熱反応のピークの頂点における温度である。融解ピークが複数存在する場合は、最も高温側の融解ピーク温度が上記数値範囲内であればよい(すなわち、本明細書中では、最も高温側の融解ピーク温度を融点と見做す)。
またエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物はエチレン含有量が多くなるほど結晶性と融点が低下するため延伸性が良好になる傾向があり、一般にエチレン含量が32mol%の場合の融点は183℃、38mol%の場合の融点は173℃、44mol%の場合の融点は163℃である。本態様に好適なエチレン含有量は30mol%以上かつ40mol%以下であり、31mol%以上かつ39mol%以下であることがより好適であり、32mol%以上かつ38mol%以下であることがさらに好適である。エチレン含有量が前記の範囲であると、延伸性とガスバリア性に優れたフィルムを得ることができる。
一般にガスバリア性能は、分子鎖間の相互作用が大きい程ガスバリア性が優れる傾向にあり、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は分子間の相互作用が大きくガスバリア性能が高いことで知られている。一方で、分子鎖間の相互作用が大きいため熱収縮応力が大きく、熱収縮性フィルムとして用いる際は包装体の容器変形が生じやすい。
本態様におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は結晶構造を制御することにより融点160℃以下、且つエチレン含量40mol%以下を両立させることができる。さらに、本態様においては融点と降温結晶化温度との差である過冷却温度差が一般的なエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物に比べて大きいためラメラの厚みが小さく結晶が均一化し易い傾向があり、このようなガスバリア層の場合は、熱収縮応力がピークを有さないため応力集中が軽減され、ガスパック包装時の容器変形を抑制することができる。本態様に好適な過冷却温度差は25℃以上であり、27℃以上であることがより好適であり、29℃以上であることがさらに好適である。
上記効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、熱収縮性積層フィルムの熱収縮特性は構成する樹脂の分子配向により伸ばされていた非晶部が緩和して無配向状態に戻ろうとして発現し、結晶部は融解温度近くまで非晶部の収縮を留める役割を果たす。一般にエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は分子間の相互作用が強く熱収縮応力が大きいため積層フィルム全体の熱収縮応力を支配する傾向にあるが、これに対して、結晶構造を制御することで非晶部、及び結晶部の配向緩和による応力集中を抑制し、且つバリア性に優れた熱収縮性積層フィルムを提供することができると考えられる
熱収縮性積層フィルムのガスバリア性は酸素の条件を65%RH、測定温度を23℃として酸素透過率を測定する。酸素の透過を抑制することができ、ガスパック包装に適しているという観点から、測定開始3時間経過後の酸素透過率は60cc/m2・day・atm以下であり、50cc/m2・day・atm以下であることが好ましく、40cc/m2・day・atm以下であることがさらに好ましい。このようなガスバリア性を有する熱収縮性積層フィルムは十分に酸素の透過を抑制することができる。
[ヒートシール層(C)]
本態様のヒートシール層は、熱収縮性積層フィルムにヒートシール性を付与する層であり、好適には熱収縮性積層フィルムの最外層に位置する。また、ヒートシール層は、熱収縮性積層フィルム製造時には、延伸支持層としての役割も果たすことができる。
本態様のヒートシール層は、熱収縮性積層フィルムにヒートシール性を付与する層であり、好適には熱収縮性積層フィルムの最外層に位置する。また、ヒートシール層は、熱収縮性積層フィルム製造時には、延伸支持層としての役割も果たすことができる。
本態様のヒートシール層を構成するポリエチレン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレンが挙げられる。超低密度ポリエチレンとしては、例えば、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と称される)が挙げられる。
ここで、ポリエチレンはJIS K 6922に基づいて密度により分類することができる。具体的には、密度が0.942g/cm3以上のものを高密度ポリエチレンといい、密度が0.930g/cm3以上かつ0.942g/cm3未満のものを中密度ポリエチレンといい、密度が0.910g/cm3以上かつ0.930g/cm3未満のものを低密度ポリエチレンといい、密度が0.910g/cm3未満のものを超低密度ポリエチレンという。
エチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレンと前述のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種との共重合体を示す
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、共重合体を構成する全モノマー中のα−オレフィンの割合(仕込みモノマー基準)が5質量%以上かつ30質量%以下である軟質の共重合体であることが好ましい。
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー及びオクテンコモノマーから選ばれる少なくとも1種類のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用できる。
ポリエチレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合されたものであってよく、透明性に一層優れる観点からは、シングルサイト系触媒を用いて重合することが好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、低温でのヒートシール性が一層良好になる観点から、密度が0.860g/cm2以上かつ0.925g/cm2以下であると好ましく、0.870g/cm2以上かつ0.920g/cm2以下であるとより好ましく、0.880g/cm2以上かつ0.915g/cm2以下であると更に好ましい。ポリエチレン系樹脂の密度が低いほど低温でのヒートシール性は向上する傾向にあり、密度が0.925g/cm2以下であれば、ヒートシール性が向上する傾向にある。
ポリエチレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したポリプロピレン系樹脂を使用することもできる。
ポリエチレン系樹脂は単独、又は混合して用いることができ、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体とを混合すると、基材層の結晶性が低下し熱収縮性が向上する傾向にあるため好ましい。
ヒートシール層は、ポリエチレン系樹脂以外の成分を含有していてもよい。例えば、その特性を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、各種界面活性剤、アンチブロック剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムに防曇性を付与するため、ヒートシール層に界面活性剤として前述のグリセリン系脂肪酸エステルを添加することができる。
[接着層(D)、(E)]
本態様の接着層(以下、単に「接着層」という。)は、公知の接着性樹脂を含有する樹脂組成物から形成することができる。
本態様の接着層(以下、単に「接着層」という。)は、公知の接着性樹脂を含有する樹脂組成物から形成することができる。
接着性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種とをグラフト重合してなる変性ポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
変性ポリオレフィン系樹脂としては、接着性及び耐熱性に優れる観点から、変性プロピレン系樹脂、又は/及び変性ポリエチレン系樹脂が好適である。変性プロピレン系樹脂としては、例えば,ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの3元共重合体等のポリプロピレン系樹脂に、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又はその酸無水物を、グラフト共重合した変性重合体が好適であり、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの3元共重合体等に、無水マレイン酸をグラフト共重合した変性重合体がより好適である。変性ポリエチレン系樹脂としては、例えばポリエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂に、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又はその酸無水物を、グラフト共重合した変性重合体が好適であり、エチレン単独共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体に、無水マレイン酸をグラフト共重合した変性重合体がより好適である。
本実施形態は、接着層を単層で有していてもよく、接着層を2層以上有していてもよい。例えば、ヒートシール層及びガスバリア層の間に設けられた第一の接着層(D)と、ガスバリア層及び基材層の間に設けられた第二の接着層(E)と、を含んでよい。
接着層は変性ポリオレフィン系樹脂を単独、又は混合して用いることが出来る。また、結晶性を低下させ熱収縮性を向上させるために、変性ポリオレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを混合して用いることもできる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、前述のポリプロピレン系樹脂、及び/又はポリエチレン系樹脂を混合して用いることができる。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは応力集中抑制のために、測定法ASTM−D2838に準拠して測定される熱収縮応力が長さ方向において測定温度80℃でピークを有さないことが好ましく、浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値以下であることがより好ましく、浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値より小さいことがさらに一層の応力集中の軽減の効果があるため好ましい。また、熱収縮応力の最大値は3.0MPa以下であることが好ましく、2.5MPa以下であることがより好ましい。
ピローシュリンク包装などの被包装体をシュリンク方式でタイトに包装する包装では、プラスチック製の発泡トレーや成形トレー等に精肉類、魚介類等を詰めて使用することが多く、フィルムが熱収縮する際の熱収縮応力によってトレーが変形し易いため外観不良の包装体が生じやすい。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さないと、自動包装機を用いて食品などを包装などする場合、よりトレー変形を抑制しタイトで美麗な包装体を得ることができる。
上記効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、熱収縮応力がピークを有する場合、トレーの一部に局所的に応力が集中するためトレーが変形しやすい傾向にあるが、これに対して、熱収縮応力がピークを有さない場合、トレー全体に均一に応力がかかりやすいため容器変形が抑制できると考えられる。
また、自動包装機で用いる食品包装用トレーは、機械方向、すなわち長さ方向が幅方向に対して長い長方形のトレーを用いることが一般的であるため、一辺が長い幅方向が特に熱収縮応力に対する変形に弱く容器変形しやすい。そのためフィルムの幅方向が熱収縮応力のピークを有さないことが容器変形を抑制しいため好ましく、長さ方向、且つ幅方向の両方が熱収縮応力のピークを有さないことが正方形のトレーの容器変形も抑制できるためより好ましい。
自動包装機での包装の場合、包装体のシュリンクトンネルの通過時間は数秒程度のため、トンネルの熱風設定温度に対して、フィルム表面温度は10℃〜20℃程度低くなってしまう傾向がある。そのため本実施形態の熱収縮性積層フィルムでは、熱風設定温度100℃の想定に対して、容器変形の指標である熱収縮応力の測定を80℃のオイルバスに浸漬させて評価を行う。
熱収縮応力は、ASTM−D2838に準拠して測定する。フィルムを長さ方向/または幅方向に90mm(測定長さ50mm+チャックつかみ40mm)、幅方向/または長さ方向に10mmの短冊状にサンプリングし、80℃の温度のオイルバスに浸漬させた場合の浸漬直後、及び3分間浸漬後の最大熱収縮応力を測定する。
上記範囲の熱収縮応力を得るためには、熱収縮性積層フィルムを構成する層の内、少なくとも1層に熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。熱可塑性エラストマーは、エチレンとα−オレフィンとよりなる共重合体、またはプロピレンとα−オレフィンとよりなる共重合体で、いわゆるゴム状のものでも熱可塑性のものでも良いが、好ましい熱可塑性エラストマーは、エチレンと1−ブテンとまたはプロピレンと1−ブテンとよりなるランダム共重合体である。前記熱可塑性エラストマーは、非晶性であることが好ましいが、部分結晶性のものでもよい。融点は100℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性エラストマーの場合は、製造工程におけるフィルム延伸時に熱可塑性エラストマーが軟化することでフィルムの分子配向が抑制され、応力集中を軽減することができる。応力集中をより一層軽減するためには熱可塑性エラストマーを含有する層の厚みの比率が全層に対して30%以上であることが好ましく、40%以上であるとさらに好ましい。
また、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、測定法ASTM−D2732に準拠して測定される熱収縮率が長さ方向において80℃で5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。また、120℃で30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、長さ方向、及び幅方向のいずれもが40%以上であることがさらに好ましい。一般に、本実施形態で利用されるピローシュリンク包装、及びトップシール包装においてタイトな仕上がりの包装物を得るためには、熱収縮率は30%以上であればタイトできれいな仕上がりの包装物を得ることができる。
上記範囲の熱収縮率を得るためには、熱収縮性積層フィルムを構成する樹脂の融点が165℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましく、160℃未満であることがさらに好ましい。熱収縮性積層フィルムを構成する樹脂の融点が165℃以下であれば分子配向の緩和が促されるため収縮用途に適した良好な熱収縮性を発現することができる。
また、熱収縮性積層フィルムは、長さ方向の熱収縮率が、60℃において5%以下であることが好ましく、長さ方向、又は幅方向のいずれもが5%以下であることがより好ましい。このような熱収縮性積層フィルムは、輸送、及び又は保管時におけるフィルムの寸法変化が抑制できるため好ましい。
熱収縮性積層フィルムの厚みは、好ましくは5μm以上かつ30μm以下であり、より好ましくは6μm以上かつ28μm以下であり、さらに好ましくは7μm以上かつ26μm以下である。熱収縮性積層フィルムの厚みが5μm以上であれば、輸送時の耐ピンホール性が向上する点で好ましく、厚みが30μm以下である場合、熱収縮力が低減し良好な仕上りの包装体を実現できる点で好ましい。
ガスバリア層の厚みは、熱収縮性積層フィルム全体厚みの2%以上かつ15%以下であることが好ましく、3%以上かつ10%以下であることがより好ましく、4%以上かつ8%以下であることがさらに好ましい。ガスバリア層の厚みを全体厚みの2%より低減させると十分なガスバリア性能が発現しない傾向があり、15%より大きくなると製造時の延伸が不安定になる傾向があるため、ガスバリア層の厚みが上記範囲であることが、製造時の延伸安定性と包装体のガスバリア性を両立することが出来る点で好ましい。
熱収縮性積層フィルムの製造方法は特に制限されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
[熱収縮性フィルムの製造方法]
本実施形態に係る熱収縮性積層フィルムの製造方法は、少なくとも3層の樹脂層を有する積層体(以下、場合により「未延伸原反」という。)を共押出法により積層させ加熱延伸する工程を備える。以下に、共押出法について説明する。
本実施形態に係る熱収縮性積層フィルムの製造方法は、少なくとも3層の樹脂層を有する積層体(以下、場合により「未延伸原反」という。)を共押出法により積層させ加熱延伸する工程を備える。以下に、共押出法について説明する。
共押出法では、それぞれ単独の押出機より溶融押出して、多層ダイ中で積層し、溶融共押出して急冷することにより、未延伸原反を得ることができる。ここで、溶融共押出の方法は特に制限されるものではなく、例えば、多層のTダイや多層のサーキュラーダイ(環状ダイ)を用いる方法等が挙げられる。中でも、多層のサーキュラーダイを用いた方法が好ましい。多層のサーキュラーダイを用いると、設備に関しての必要スペースや投資金額の点で有利であり、多品種少量生産に向き、所望の熱収縮率がより得られやすい。
急冷に使用する冷媒としては、通常60℃以下の水が好適に用いられる。当該冷媒は、溶融樹脂に直接接触させるか、又は金属ロールの内部冷媒として間接的に使用することができる。内部冷媒として用いる場合は水以外にもオイル他、公知のものが使用可能であり、場合によっては冷風の吹き付けと併用することも可能である。
延伸工程では、得られた未延伸原反を、例えば、未延伸原反を構成する樹脂の軟化温度以上に加熱して、例えばMD(Machine Direction:縦方向(長さ方向))に1.5倍以上、TD(Transverse Direction:横方向(幅方向))に3倍以上延伸する。このような延伸工程によれば、上述の所定の熱収縮率を有する熱収縮性積層フィルムを容易に得ることができる。
延伸倍率は目的に応じて適宜選択され、必要に応じて、延伸後に熱処理(熱弛緩処理)を行うこともできる。熱弛緩処理によれば、熱収縮性積層フィルムの分子配向が緩和することで輸送、及び/又は保管時の寸法変化が一層抑制される。
延伸工程は、溶融押出直後のチューブに空気や窒素を吹き込んで、延伸を行うダイレクトインフレーション法によっても行うことができる。この方法によっても所定の熱収縮率を有するカバーテープを容易に得ることができる。但し、適度な熱収縮率をより確実に発現させるためには、二軸に延伸する方法が好ましく、上述のサーキュラーダイで得られた未延伸原反を加熱二軸延伸するチューブラー法(ダブルバブル法ともいう)がより好ましい。すなわち、本実施形態のカバーテープは、二軸延伸するチューブラー法により製造される二軸延伸多層フィルムであることが好ましい。
本実施形態の製造方法は、延伸前又は延伸後に、樹脂を架橋処理する架橋工程を含んでいてもよい。
架橋処理を行う場合、樹脂を加熱して延伸する前にエネルギー線照射によって架橋処理を行うことが好ましい。これにより加熱延伸における積層体の溶融張力が増し、より延伸の安定化が可能となる。なお、延伸した後の積層体にエネルギー線を照射して樹脂を架橋処理してもよい。用いるエネルギー線としては紫外線、電子線、X線、γ線等の電離性放射線が挙げられる。中でも、電子線が好ましい。
また、上記延伸工程により加熱延伸された基材層を含む積層体の表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の表面処理を行うこともでき、これにより熱収縮性積層フィルムに印刷適性を付与することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。構成する樹脂の融点、及び実施例、比較例の積層フィルムの層間強度、熱収縮率、酸素バリア性、反り、及び、防曇性を以下の方法により測定・評価した。
[構成する樹脂の融点、降温結晶化温度]
JIS−K−7210に準拠して樹脂を100mg計量し、樹脂の熱履歴をキャンセルするために昇温速度10℃/minの条件で0℃から300℃まで昇温、及び降温速度10℃/minの条件で300℃から0℃まで降温を行った際の発熱ピークを降温結晶化温度として測定し、再び昇温速度10℃/minの条件で0℃から300℃まで昇温した際の吸熱ピークを融点として測定した。
JIS−K−7210に準拠して樹脂を100mg計量し、樹脂の熱履歴をキャンセルするために昇温速度10℃/minの条件で0℃から300℃まで昇温、及び降温速度10℃/minの条件で300℃から0℃まで降温を行った際の発熱ピークを降温結晶化温度として測定し、再び昇温速度10℃/minの条件で0℃から300℃まで昇温した際の吸熱ピークを融点として測定した。
〔熱収縮応力〕
ASTM−D2838に準拠して測定した。フィルムを長さ/または幅方向に90mm(測定長さ50mm+チャックつかみ40mm)、幅方向/または長さ方向に10mmの短冊状にサンプリングし、80℃の温度のオイルバスに浸漬させた場合の浸漬直後、及び3分間浸漬後の最大熱収縮応力を測定した。
ASTM−D2838に準拠して測定した。フィルムを長さ/または幅方向に90mm(測定長さ50mm+チャックつかみ40mm)、幅方向/または長さ方向に10mmの短冊状にサンプリングし、80℃の温度のオイルバスに浸漬させた場合の浸漬直後、及び3分間浸漬後の最大熱収縮応力を測定した。
<評価基準>
A:80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、且つ浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値より小さく、応力集中を抑制できる
B:80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、且つ浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値以下であり、応力集中を軽減できる
D:熱収縮応力がピークを有し、熱収縮時に応力集中が発生する。
A:80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、且つ浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値より小さく、応力集中を抑制できる
B:80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、且つ浸漬直後の熱収縮応力の最大値が3分後の熱収縮応力の最大値以下であり、応力集中を軽減できる
D:熱収縮応力がピークを有し、熱収縮時に応力集中が発生する。
[熱収縮率]
ASTM−D2732に準拠して、80℃及び120℃の温度にて積層フィルムを1分間収縮させて、積層フィルムの熱収縮率を測定した。長さ方向及び幅方向についてそれぞれ測定した。
ASTM−D2732に準拠して、80℃及び120℃の温度にて積層フィルムを1分間収縮させて、積層フィルムの熱収縮率を測定した。長さ方向及び幅方向についてそれぞれ測定した。
[ヒートシール性]
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、茨木精機(株)製TL−3000Sを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリプロピレン製トップシール用の楕円型のトレー容器を用い包装速度30パック/分、ヒートシール圧力0.4MPaの条件で包装を行った。なお、積層フィルムのTD方向(幅方向)をトレー容器の短軸方向に合わせて包装を行った。ヒートシール性は、シール部の表面荒れ及びピンホールの有無を目視にて外観評価を行って以下の基準により評価した。
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、茨木精機(株)製TL−3000Sを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリプロピレン製トップシール用の楕円型のトレー容器を用い包装速度30パック/分、ヒートシール圧力0.4MPaの条件で包装を行った。なお、積層フィルムのTD方向(幅方向)をトレー容器の短軸方向に合わせて包装を行った。ヒートシール性は、シール部の表面荒れ及びピンホールの有無を目視にて外観評価を行って以下の基準により評価した。
<評価基準>
A:シール部の表面が荒れず、ピンホールも発生しないヒートシール温度域が10℃以上であり、ヒートシール性が良好である。
D:シール部の表面が荒れず、ピンホールも発生しないヒートシール温度域が10℃未満であり、ヒートシール性が不良である。
A:シール部の表面が荒れず、ピンホールも発生しないヒートシール温度域が10℃以上であり、ヒートシール性が良好である。
D:シール部の表面が荒れず、ピンホールも発生しないヒートシール温度域が10℃未満であり、ヒートシール性が不良である。
[バリア性]
MOCON社製の酸素透過分析装置(OX−TRAN(登録商標2/21SH))を用いて、酸素の条件を65%RH、測定温度を23℃として酸素透過率を測定し、測定開始3時間経過後の酸素透過率の値により酸素バリア性の評価を行った。なお、酸素透過率の測定値単位は「cc/m2・day・atm」である。
MOCON社製の酸素透過分析装置(OX−TRAN(登録商標2/21SH))を用いて、酸素の条件を65%RH、測定温度を23℃として酸素透過率を測定し、測定開始3時間経過後の酸素透過率の値により酸素バリア性の評価を行った。なお、酸素透過率の測定値単位は「cc/m2・day・atm」である。
<評価基準>
A:酸素透過率が50cc/m2・day・atm以下でありガスバリア性が特に良好である。
B:酸素透過率が60cc/m2・day・atm以下でありガスバリア性が良好である。
D:酸素透過率が60cc/m2・day・atmより大きく、ガスバリア性が不十分である。
A:酸素透過率が50cc/m2・day・atm以下でありガスバリア性が特に良好である。
B:酸素透過率が60cc/m2・day・atm以下でありガスバリア性が良好である。
D:酸素透過率が60cc/m2・day・atmより大きく、ガスバリア性が不十分である。
[防曇性]
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、内部に20℃の水200gを入れたポリプロピレン製トレー容器を用い包装を行った。防曇性は、5℃に設定した冷蔵庫に包装体を入れて静置し、2時間後の外観の状態を目視にて下記の基準により評価した。
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、内部に20℃の水200gを入れたポリプロピレン製トレー容器を用い包装を行った。防曇性は、5℃に設定した冷蔵庫に包装体を入れて静置し、2時間後の外観の状態を目視にて下記の基準により評価した。
<評価基準>
A:積層フィルムに水滴が見られず、良好な外観である。
D:積層フィルムに水滴が付着したためフィルム内部が確認出来ず、外観不良である。
A:積層フィルムに水滴が見られず、良好な外観である。
D:積層フィルムに水滴が付着したためフィルム内部が確認出来ず、外観不良である。
[包装体仕上り]
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、大森機械工業(株)製DW2002GPを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリスチレン製トレー容器を用い包装速度40パック/分で包装を行った。なお、積層フィルムの幅方向をトレー容器の短軸方向に合わせて包装を行った。熱風トンネルとしてK&Uシステム(株)製FB−800を用い、熱風温度を100℃に設定した。包装体の仕上がり性は、目視にてトレー容器の外観評価を行って下記の基準により評価した。
得られた積層フィルムを所定の幅にスリットし、大森機械工業(株)製DW2002GPを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリスチレン製トレー容器を用い包装速度40パック/分で包装を行った。なお、積層フィルムの幅方向をトレー容器の短軸方向に合わせて包装を行った。熱風トンネルとしてK&Uシステム(株)製FB−800を用い、熱風温度を100℃に設定した。包装体の仕上がり性は、目視にてトレー容器の外観評価を行って下記の基準により評価した。
<評価基準>
A:トレー容器に変形が認められず、美麗な仕上りである。
B:トレー容器に若干の変形が認められるが、良好な仕上りである。
D:トレー容器に変形が認められ、仕上り不良である。
A:トレー容器に変形が認められず、美麗な仕上りである。
B:トレー容器に若干の変形が認められるが、良好な仕上りである。
D:トレー容器に変形が認められ、仕上り不良である。
実施例及び比較例において使用した樹脂は、以下のとおりである。
PP1:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)PS522M、融点143℃)
PP2:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)PL500A、融点161℃)
PET1:ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)TRN−8580FC、融点250℃)
Ny1:脂肪族ポリアミド(宇部興産(株)5033B、融点220℃)
Ny2:芳香族ポリアミド(三菱ガス化学(株)S6007、融点235℃)
PE1:線状超低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル日本(株))アフィニティー1880G、融点100℃)
PE2:線状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)ユメリット1540F、融点114℃)、
EVOH1:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)GH3804B、融点159℃、降温結晶化温度129℃、エチレン含有量38mol%)
EVOH2:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物((株)クラレH171、融点172℃、降温結晶化温度148℃、エチレン含有量38mol%)
EVOH3:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物((株)クラレE171B、融点162℃、降温結晶化温度140℃、エチレン含有量44mol%)
GL1:変性ポリオレフィン系樹脂(三菱化学(株)モディックP565、融点143℃)
GL2:変性ポリプロピレン系樹脂(三井化学(株)アドマーQF500、融点161℃)
GL3:変性ポリエチレン系樹脂(三井化学(株)アドマーNF587、融点120℃)
EL1:熱可塑性エラストマー(三井化学(株)タフマーXM7070、融点75℃)
EL2:熱可塑性エラストマー(三井化学(株)タフマーA0550S、融点50℃)
AF1:界面活性剤(理研ビタミン(株)L71D)、
PP1:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)PS522M、融点143℃)
PP2:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)PL500A、融点161℃)
PET1:ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)TRN−8580FC、融点250℃)
Ny1:脂肪族ポリアミド(宇部興産(株)5033B、融点220℃)
Ny2:芳香族ポリアミド(三菱ガス化学(株)S6007、融点235℃)
PE1:線状超低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル日本(株))アフィニティー1880G、融点100℃)
PE2:線状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)ユメリット1540F、融点114℃)、
EVOH1:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)GH3804B、融点159℃、降温結晶化温度129℃、エチレン含有量38mol%)
EVOH2:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物((株)クラレH171、融点172℃、降温結晶化温度148℃、エチレン含有量38mol%)
EVOH3:エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物((株)クラレE171B、融点162℃、降温結晶化温度140℃、エチレン含有量44mol%)
GL1:変性ポリオレフィン系樹脂(三菱化学(株)モディックP565、融点143℃)
GL2:変性ポリプロピレン系樹脂(三井化学(株)アドマーQF500、融点161℃)
GL3:変性ポリエチレン系樹脂(三井化学(株)アドマーNF587、融点120℃)
EL1:熱可塑性エラストマー(三井化学(株)タフマーXM7070、融点75℃)
EL2:熱可塑性エラストマー(三井化学(株)タフマーA0550S、融点50℃)
AF1:界面活性剤(理研ビタミン(株)L71D)、
[実施例1]
基材層としてPP1を97質量%とAF1を3質量%との混合物を用い、ガスバリア層としてEVOH1を用い、ヒートシール層としてPE1を97質量%とAF1とを3質量%との混合物を用い、接着層(D)としてGL2を用い、接着層(E)としてGL1を用い、層配置が基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層で各層の全層に対する層比率(%)が23/22/5/20/30となるように環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。具体的な層構成を表1に示す。
基材層としてPP1を97質量%とAF1を3質量%との混合物を用い、ガスバリア層としてEVOH1を用い、ヒートシール層としてPE1を97質量%とAF1とを3質量%との混合物を用い、接着層(D)としてGL2を用い、接着層(E)としてGL1を用い、層配置が基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層で各層の全層に対する層比率(%)が23/22/5/20/30となるように環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。具体的な層構成を表1に示す。
この未延伸原反を延伸機内で加熱しながら、2対の差動ニップロール間に通し、エアー注入してMD(長さ方向)に4倍、TD(幅方向)に4倍延伸(面積延伸倍率で16倍)及び熱処理を行い、各層が積層された積層体フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
[実施例2〜15]
各層の組成を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱収縮性積層フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
各層の組成を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱収縮性積層フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
[比較例1]
基材層としてPP1を97質量%とAF1を3質量%との混合物を用い、ガスバリア層としてEVOH2を用い、ヒートシール層としてPE1を97質量%とAF1とを3質量%との混合物を用い、接着層(D)としてGL2を用い、接着層(E)としてGL1を用い、層配置が基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層で各層の全層に対する層比率(%)が23/22/5/20/30となるように環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。具体的な層構成を表1に示す。
基材層としてPP1を97質量%とAF1を3質量%との混合物を用い、ガスバリア層としてEVOH2を用い、ヒートシール層としてPE1を97質量%とAF1とを3質量%との混合物を用い、接着層(D)としてGL2を用い、接着層(E)としてGL1を用い、層配置が基材層/接着層/ガスバリア層/接着層/ヒートシール層で各層の全層に対する層比率(%)が23/22/5/20/30となるように環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。具体的な層構成を表1に示す。
この未延伸原反を延伸機内で加熱しながら、2対の差動ニップロール間に通し、エアー注入してMD(長さ方向)に4倍、TD(幅方向)に4倍延伸(面積延伸倍率で16倍)及び熱処理を行い、各層が積層された積層体フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
[比較例2]
各層の組成を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱収縮性積層フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
各層の組成を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱収縮性積層フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルムの評価結果を表2に示す。
上記の結果から、実施例1〜15で得られた熱収縮性積層フィルムは、熱収縮応力の応力集中を抑制することができ包装仕上りが良好であることがわかる。さらにバリア性、ヒートシール性、防曇性に優れることが分かる
一方で、上記の結果から、比較例1で得られた熱収縮性積層フィルムでは、熱収縮応力の応力集中が発生し包装に適さないことが分かる。比較例2で得られた熱収縮性積層フィルムでは、熱収縮応力の応力集中が発生し、比較例1と同様に包装に適さないことが分かる。
本発明の熱収縮性積層フィルムは、熱収縮応力の応力集中を抑制することができ、さらにバリア性に優れるため、食品などの長期保存、常温保存を目的としたガスパック包装に適している。
Claims (10)
- 基材層(A)とガスバリア層(B)とヒートシール層(C)との少なくとも3層を備え、前記基材層(A)が融点130℃以上の熱可塑性樹脂を少なくとも含み、前記ガスバリア層(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を少なくとも含み、前記ヒートシール層(C)がポリエチレン系樹脂を少なくとも含み、さらに以下の条件1)〜3)を満たすことを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
1)前記エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物の融点が160℃以下、且つエチレン含量が40mol%以下。
2)80℃における幅方向の熱収縮率が5%以上
3)酸素透過率が23℃65%RHにおいて60cc/m2・day・atm以下。 - 前記ガスバリア層の融点と降温結晶化温度との差である過冷却温度差が25℃以上である、請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 80℃における幅方向の熱収縮応力がピークを有さない、請求項1または2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 全層厚みが30μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記ガスバリア層(B)と前記ヒートシール層(C)との間に接着層(D)を含み、少なくとも4層からなる、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記基材層(A)と前記ガスバリア層(B)との間に接着層(E)を含み、少なくとも5層からなり、さらに前記基材層(A)/前記接着層(E)/前記ガスバリア層(B)/前記接着層(D)/前記ヒートシール層(C)の順に積層される、請求項5に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記基材層と、ガスバリア層と、ヒートシール層との内、少なくとも1層に熱可塑性エラストマーを含有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記熱可塑性エラストマーを含有する層の厚みの比率が、全層に対して30%以上である、請求項7に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記基材層(A)がポリプロピレン系樹脂を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 120℃における長さ方向の熱収縮率が30%以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱収縮性積層フィルム。
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