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JP2016171888A - マイクロニードルシートとその製造方法 - Google Patents

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JP2016171888A JP2015052922A JP2015052922A JP2016171888A JP 2016171888 A JP2016171888 A JP 2016171888A JP 2015052922 A JP2015052922 A JP 2015052922A JP 2015052922 A JP2015052922 A JP 2015052922A JP 2016171888 A JP2016171888 A JP 2016171888A
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Osanobu Akao
長信 赤尾
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Abstract

【課題】複数種類の目的物質のそれぞれが持つ効果を効率よく得られるマイクロニードルシートとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材とその一方の面に少なくとも2つの微小針からなる微小針群とを有し、各々の微小針は互いに異なる目的物質を1種のみ含んで形成されており、微小針群には少なくとも2種の目的物質が使用されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小針が互いに異なる薬剤などの目的物質を含んで形成されているマイクロニードルシートとその製造方法に関する。
マイクロニードルシートは、シート状基材上に複数の微小針が配列されたものである。微小針は皮膚に刺しても痛みをほとんど感じない形状である。マイクロニードルシートを皮膚に貼ることで微小針が皮膚に刺さり、広範な薬剤などの投与が可能となる。
人体内で微小針が溶解する溶解性マイクロニードルは、たとえばポリ乳酸、デキストラン、ヒアルロン酸などの皮膚内の水分や皮膚から放散される水分によって溶解する水溶性の材料から構成される。
溶解性マイクロニードルについては、その用途や使用目的に応じて、様々な形状、サイズ、材質からなるものが提案されている。たとえば、特許文献1には、高効率かつ均一に目的物質を皮膚の作用部位へ投与することを目的として、異なる種類の目的物質を層状にして1つの微小針を形成しているマイクロニードルシートが提案されている。
国際公開 WO2013/002331号公報
このように異なる種類の目的物質を層状にして1つの微小針を形成した場合には、各々の目的物質が持つ効果を効率良く得られないという課題がある。これは次のような理由による。
(1)皮膚に刺した時に、皮膚表面に近い側の層は先端の層に比べて太い形状であり、皮膚の深部まで刺さらないため体温や体液によって溶けにくい。つまり、皮膚表面に近い側の層に含まれる目的物質は溶け残る可能性があるためである。
(2)皮膚表面に近い側の層に含まれる目的物質は、すべて溶けたとしても皮膚の表面に近い側に留まり、皮膚の深部までは届かないためである。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数種類の目的物質のそれぞれが持つ効果を効率良く得られるマイクロニードルシートとその製造方法を提供することを目的とする。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は必要に応じて任意に組み合わせることができる。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材と、その一方の面に少なくとも2つの微小針からなる微小針群とを有するマイクロニードルシートであって、各々の微小針は互いに異なる目的物質を1種のみ含んで形成されており、微小針群には少なくとも2種の目的物質が使用されていることを特徴とするものである。
この態様のマイクロニードルシートでは、マイクロニードルシートを皮膚に貼った際に、互いに異なる目的物質を1種のみ含む微小針のそれぞれが皮膚の深くにまで刺さるため、各々の目的物質を皮膚の深部にまで届けることができる。また、互いに異なる目的物質を1種のみ含む微小針がそれぞれ同じ深さで皮膚に刺さり、かつ同じ量だけ溶けるため、特定の目的物質を含む微小針だけが溶け残ることを防ぐことができる。
したがって、それぞれの目的物質が持つ効果を効率良く得ることができる。
好ましい態様においては、目的物質を含む微小針の配列が特定の法則性を有さないものである。
好ましい態様においては、同じ目的物質を含む微小針どうしでグループを形成し、そのグループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが同じである。
好ましい態様においては、同じ目的物質を含む微小針どうしでグループを形成し、そのグループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが異なるものである。
これらの好ましい態様のマイクロニードルシートでは、マイクロニードルシートの使用目的に応じて、投与する目的物質の割合を調節することができる。
好ましい態様においては、目的物質を含む微小針の配列が特定の法則性を有するものである。
好ましい態様においては、微小針群のうち、隣接する微小針が互いに異なる目的物質を含むものである。
好ましい態様においては、微小針群に使用される目的物質は2種であり、微小針群が形成される領域のほぼ中央に一方の目的物質を含む微小針が形成され、その周囲に他方の目的物質を含む微小針が形成されるものである。
この好ましい態様のマイクロニードルシートでは、マイクロニードルシートの使用目的およびマイクロニードルシートを貼り付ける場所に応じて目的物質を含む微小針の配列および割合を調節でき、それぞれの目的物質を皮膚の改善したい場所へピンポイントで投与することができる。
この好ましい態様においては、同じ目的物質を含む微小針どうしでグループを形成し、そのグループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが同じである。
この好ましい態様においては、同じ目的物質を含む微小針どうしでグループを形成し、そのグループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが異なるものである。
好ましい態様においては、微小針群に使用される目的物質は2種であり、微小針群が形成される領域のうちほぼ半分に目的物質の一方を含む微小針が形成され、残りの領域には目的物質の他方を含む微小針が形成されるものである。
本発明のマイクロニードルシートの製造方法は、互いに異なる目的物質を含む2種の原料液をシート状基材に滴下して付着させる工程と、原料液が付着した面に向かい合う方向からプレートを近づけて、プレートに原料液を接触させる工程と、プレートをシート状基材に平行な状態でシート状基材から徐々に離して原料液を微小針群に形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この態様の製造方法では、互いに異なる目的物質をそれぞれ1種ずつ含む微小針が、プレートの接触および引き離しによって同時に形成されるため、マイクロニードルシートを容易に得ることができる。
本発明のマイクロニードルシートの製造方法は、凹版形成用フィルムの一方の面に第一のマスキングフィルムを貼付する工程と、第一のマスキングフィルム側から、第一のマスキングフィルムを貫通して凹版形成用フィルムに第一の錐体の凹部を形成する工程と、第一の原料液を第一の錐体の凹部に充填し、第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、第一のマスキングフィルムを除去し、第一のマスキングフィルムが貼付されていた面に第二のマスキングフィルムを貼付する工程と、凹版形成用フィルムのうち第一の微小針群が形成されていない箇所に、第二のマスキングフィルム側から、第二のマスキングフィルムを貫通して凹版形成用フィルムに第二の錐体の凹部を形成する工程と、第二の原料液を第二の錐体の凹部に充填し、第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、第二のマスキングフィルムを除去する工程と、第二のマスキングフィルムが貼付されていた面にシート状基材を貼付して、第一の微小針群の底面と第二の微小針群の底面にシート状基材を固定する工程と、シート状基材を凹版形成用フィルムから剥離してマイクロニードルシートを形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この態様の製造方法では、マスキングフィルムによって、充填時に凹部からはみ出した原料液が凹版形成用フィルムの表面または第一の微小針群の底面に付着することを避けられるため、マイクロニードルシートを容易に得ることができる。
本発明のマイクロニードルシートの製造方法は、凹版形成用フィルムの一方の面に第一の錐体の凹部を形成する工程と、第一の原料液を第一の錐体の凹部に充填し、第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、凹版形成用フィルムの凹部が形成された面であって、第一の微小針群が形成されていない箇所に第二の錐体の凹部を形成する工程と、第二の原料液を第二の錐体の凹部に充填し、第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、凹版形成用フィルムの第一の錐体の凹部および第二の錐体の凹部が形成された面にシート状基材を貼付して、第一の微小針群の底面と第二の微小針群の底面にシート状基材を固定する工程と、シート状基材を凹版形成用フィルムから剥離してマイクロニードルシートを形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この態様の製造方法では、原料液の量は凹部を充填するのに必要な分だけでよいため、凹部から原料液がはみ出すことがなく、たとえばはみ出した原料液を除去する工程を省くことができる。
本発明のマイクロニードルシートの製造方法は、凹版形成用フィルムの一方の面に複数の錐体の凹部を形成する工程と、凹部のうち一部の凹部に第一の原料液を充填し、第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、第一の原料液が充填されていない凹部に第二の原料液を充填し、第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、凹版形成用フィルムの凹部が形成された面にシート状基材を貼付して、第一の微小針群の底面と第二の微小針群の底面にシート状基材を固定する工程と、シート状基材を型から剥離してマイクロニードルシートを形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この態様の製造方法では、複数の錐体の凹部が一度に形成されるため、製造時間を短縮できる。また原料液の量は凹部を充填するのに必要な分だけでよいため、凹部から原料液がはみ出すことがなく、たとえばはみ出した原料液を除去する工程を省くことができる。
本発明のマイクロニードルシートの製造方法は、複数の錐体の凹部を有する型の一部の凹部に第一の原料液を充填し、第一の原料液を含む第一の微小針を形成する工程と、第一の原料液が充填されていない凹部に第二の原料液を充填し、第二の原料液を含む第二の微小針を形成する工程と、第一の微小針の底面と第二の微小針の底面にシート状基材を固定する工程と、シート状基材を型から剥離してマイクロニードルシートを形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この態様の製造方法では、原料液の量は凹部を充填するのに必要な分だけでよいため、凹部から原料液がはみ出すことがなく、たとえばはみ出した原料液を除去する工程を省くことができる。
本発明によれば、複数種類の目的物質のそれぞれが持つ効果を効率良く得られるマイクロニードルシートとその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシートを示す模式的な斜視図である。 微小針の配列が特定の法則性を有さないマイクロニードルシートを示す模式的な平面図である。 微小針の配列が特定の法則性を有するマイクロニードルシートを示す模式的な平面図である。 微小針の配列が特定の法則性を有するマイクロニードルシートの変形例を示す模式的な平面図である。 本発明の第一実施形態に係るマイクロニードルシートの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るマイクロニードルシートの第一の微小針までの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るマイクロニードルシートの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るマイクロニードルシートの第一の微小針までの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るマイクロニードルシートの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係るマイクロニードルシートの製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の第五実施形態に係るマイクロニードルシートの製造方法を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のマイクロニードルシートとその製造方法について、実施形態の一例を説明する。
≪マイクロニードルシート≫
<第一実施形態>
まず本発明のマイクロニードルシートに係る第一実施形態について、図を用いて説明する。本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材と、その一方の面に少なくとも2つの微小針からなる微小針群とを有するマイクロニードルシートであって、各々の前記微小針は互いに異なる目的物質を1種のみ含んで形成されており、前記微小針群には少なくとも2種の目的物質が使用されていることを特徴とするものである。
(マイクロニードルシートの概要)
図1に、シート状基材20と、第一の微小針31と第二の微小針32からなる微小針群30を有するマイクロニードルシート10を示す。シート状基材20の表面のうち、皮膚に接触する部分に微小針群30を形成する。マイクロニードルシート10は、たとえば、皮膚に接触するように貼り付けることにより、目的物質を投与するものとして使用する。具体的にはシート状基材20が皮膚に貼られ、微小針群30が皮膚に刺さることにより目的物質が皮膚内で溶解し、皮膚の深部まで届けることができる。
シート状基材20は、微小針群を保持するものであり、その形状および構造は、微小針群を保持できるものであれば、特に限定されない。シート状基材20の厚みは、マイクロニードルシートの使用用途に応じて適宜決定すればよく、マイクロニードルシートとして機能できるような厚さに設定すればよい
第一の微小針31および第二の微小針32は、たとえば円錐形または角錐形であってよく、または別の形状でもよい。大きさは、たとえば、高さが10μmから1mmで、底面の最大幅が10μmから1mmで、アスペクト比が0.5から4の範囲で設定する。
(微小針の原材料)
微小針群30の原材料は人体に無害な高分子物質であり、たとえば、人体に無害な樹脂、人体に無害な多糖類および人体に無害なタンパク質ならびにそれらに由来する生物活性物質を含む。
微小針群30の原材料としての人体に無害な高分子物質は、生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有することが好ましい。ここで、生体内溶解性とは生体内で溶解する性質であり、生体内分解性とは生体内で分解する性質である。両性質のうちの少なくとも一方を有する高分子物質で微小針群30を形成することにより、皮膚内に侵入した微小針群30は、生体内で溶解および分解のうちの少なくとも一方の作用を受けて時間の経過とともに徐々に変化するため、固体のままで皮膚内に長期間残留することがない。
また微小針群30を形成する生体内溶解性および/または生体内分解性の高分子物質は水溶性であることが好ましい。水溶性高分子物質であれば皮膚内の水分で微小針群30が溶解するため、微小針群30を用いて目的物質を皮膚内にスムーズに導入しやすくなる。
水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な多糖類およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、マルトース、デキストラン、水溶性キトサン、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムおよびグリコーゲンが挙げられる。水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害なタンパク質およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、血清アルブミンおよび血清α酸性糖タンパク質が挙げられる。水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な樹脂およびそれに由来する人体に無害な化合物としてはたとえば、水溶性の人体に無害な生分解性ポリマーおよびそれに由来する化合物が挙げられる。水溶性の人体に無害な生分解性ポリマーおよびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、カルボキシビニルポリマーおよび、水溶性で生体適合可能なポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)と乳酸・グリコール酸−共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)またはポリ乳酸(PLA)とをブロック共重合させた水溶性と生分解性とを有するブロックポリマーが挙げられる。
また、非水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な樹脂およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリジオキサノンが挙げられる。
第一の微小針31および第二の微小針32は、上述の原材料から選択された同じ原材料から形成してもよいし、2つの異なる原材料からそれぞれ形成してもよい。原材料が同じ場合は、第一の微小針31および第二の微小針32にはそれぞれ、互いに異なる目的物質を1種のみ添加する。原材料が異なる場合は、たとえば原材料の濃度を調整し、あるいは第一の微小針31および第二の微小針32のいずれか一方を多孔質化する。このようにすると、マイクロニードルシート10を皮膚に貼った際に、第一の微小針31と第二の微小針32が溶ける時間を同じに調節でき、特定の目的物質を含む微小針が溶け残ることを防ぐことができる。または、原材料の濃度を調整したり微小針の一方を多孔質化したりすることで第一の微小針31と第二の微小針32が溶ける時間を異なるように調節できるため、一方の目的物質が溶けた後に他方の目的物質を溶かすことができる。すなわちそれら目的物質の投与目的に応じたマイクロニードルシートを得ることができる。
なお、上述の原材料は目的物質としても使用でき、微小針群30は目的物質のみから形成してもよい。たとえば、ヒアルロン酸ナトリウムのみから第一の微小針31を形成し、コンドロイチン硫酸ナトリウムのみから第二の微小針32を形成してもよい。
(シート状基材の材料)
シート状基材20の材料は、微小針群を保持でき、微小針群が皮膚へ刺さることを可能にするものであれば、特に限定されるものではなく、第一の微小針31および/または第二の微小針32に用いられる上述の原材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(微小針の配列)
第一の微小針31および第二の微小針32の配列は、マイクロニードルシートの使用目的および/またはマイクロニードルシートを貼り付ける場所によって、種々に変えることができる。
図2に、第一の微小針31および第二の微小針32が、特定の法則性を有さずに形成されたマイクロニードルシート10を示す。第一の微小針31の本数および第二の微小針32の本数は同じであってよく(図2(a)参照)、また異なっていてもよい(図2(b)参照)。たとえば、同じ箇所に皺とシミがある皮膚に対して、皺に効果のあるヒアルロン酸ナトリウムを含む第一の微小針と、シミに効果のあるビタミンCを含む第二の微小針とを形成したマイクロニードルシートを貼り付ける場合、皺とシミのどちらにも効果を得たい時は第一の微小針および第二の微小針の本数は同じとなる。また皺の方により効果を得たい時には、ヒアルロン酸ナトリウムを含む第一の微小針の本数の方が、ビタミンCを含む第二の微小針の本数よりも多くなる。したがって、マイクロニードルシートの使用目的に応じて目的物質を含む微小針の割合を調節することができる。
<第二実施形態>
次に、本発明のマイクロニードルシートに係る第二実施形態について説明する。第二実施形態では、微小針の配列が特定の法則性を有する点で、第一実施形態とは異なる。以下、第一実施形態と異なる点を説明する。
図3(a)に、隣接する微小針が互いに異なる目的物質を含んで形成されたマイクロニードルシート10を示す。
また図3(b)に、微小針群が形成される領域のほぼ中央に第一の微小針31を形成し、その周囲に第二の微小針32を形成したマイクロニードルシート10を示す。第一の微小針31の本数および第二の微小針32の本数は同じであってよく、また異なっていてもよい。このマイクロニードルシートでは、たとえば、中央にシミを有する乾燥した皮膚に対して、シミに有効な目的物質(たとえばビタミンC)を含む第一の微小針を中央に形成し、その周囲に、乾燥した皮膚に有効な目的物質(たとえばヒアルロン酸ナトリウム)を含む第二の微小針を形成したマイクロニードルシートを貼り付ける場合、シミと乾燥した皮膚のどちらにも効果を得たい時には、第一の微小針と第二の微小針の本数は同じとなる。またシミの方により効果を得たい時には、第一の微小針の本数の方が第二の微小針の本数よりも多くなる。したがって本実施形態のマイクロニードルシートでは、マイクロニードルシートの使用目的およびマイクロニードルシートを貼り付ける場所に合うように目的物質を含む微小針の配列および割合を調節でき、それぞれの目的物質を皮膚の改善したい場所を選択して的確に投与することができる。
なお、図3(c)に図3(b)の配列の変形例を示す。この変形例では、第一の微小針31を、微小針群が形成される領域のほぼ中央に形成する。そして第一の微小針が形成された領域を囲むようにして、第二の微小針32を形成する。ただし第二の微小針が形成された領域は、第一の微小針が形成された領域から一定の距離を隔てて形成する。すなわち、第一の微小針が形成された領域と第二の微小針が形成された領域との間にある領域には、微小針が存在しない。このようなマイクロニードルシートでは、異常が発生していない皮膚に微小針を刺すことがないため、目的物質を皮膚の改善したい場所を選択して的確に投与することができる。
また図3(d)に、微小針群30が形成される領域のうちほぼ半分に第一の微小針31を形成し、残りの領域には第二の微小針32を形成したマイクロニードルシート10を示す。
なお、図3(e)および図3(f)に図3(d)の配列の変形例を示す。図3(f)は、シート状基材20が勾玉状であり、その上に第一の微小針31および第二の微小針32を形成したマイクロニードルシート10を示している。このようなマイクロニードルシートでは、たとえば、目尻の皺と目の下に隈がある皮膚に対して、マイクロニードルシート10を目尻から目の下にかけて貼り付けた時に、第一の微小針31は目尻の皮膚に刺さるようシート状基材20に配置し、第二の微小針32は目の下の皮膚に刺さるよう配置する。この場合、第一の微小針31は目尻の皺に対して有効な目的物質(たとえばヒアルロン酸ナトリウム)を含んで形成し、第二の微小針32は目の下の隈に対して有効な目的物質(たとえばコラーゲン)を含んで形成する。したがって本実施形態のマイクロニードルシートでは、マイクロニードルシートの使用目的およびマイクロニードルシートを貼り付ける場所に合うように目的物質を含む微小針の配列を調節でき、それぞれの目的物質を皮膚の改善したい場所へ的確に投与することができる。
図4に、微小針の配列が特定の法則性を有するマイクロニードルシートの変形例を示す。これらの変形例では、第二の微小針32の存在する領域が特定の形状を形成している。たとえば図4(c)は蹄形状、図4(d)は渦形状、図4(e)は第二の微小針の存在する領域が、第一の微小針の存在する領域を挟んで、筋状にかつ飛び飛びに現れるような形状である。
次に図を参照して、本発明のマイクロニードルシートの製造方法について説明する。
≪マイクロニードルシートの製造方法≫
原料液の材料およびシート状基材の形状・構造・材料は、マイクロニードルシートの第一実施形態において説明したものと同じものを使用することができる。
<第三実施形態>
まず本発明のマイクロニードルシートの製造方法に係る実施形態について、図5を用いて説明する。
図5(a)を参照して、まずシート状基材20に第一の原料液41および第二の原料液42を滴下して付着させる。次いで、第一の原料液41および第二の原料液42が付着した面に向かい合う方向からプレート50を近づけて、プレート50に第一の原料液41および第二の原料液42を接触させる(図5(b)参照)。その後プレート50を、シート状基材20に平行な状態でシート状基材20から徐々に離していくことで微小針群30を形成する(図5(c)参照)。
滴下の方法は特に限定されるものではなく、ディスペンサーや分注器など公知の方法を用いることができる。第一の原料液41および第二の原料液42にプレート50を接触させ、引き離すことによって原料液を微小針群30に形成する。したがって原料液は、プレートの引き離しによって糸を引く程度の粘度を有することが好ましい。このような第一の原料液41の材料は、たとえば水などからなる溶媒に溶けたヒアルロン酸ナトリウム水溶液である。なお溶媒としては、水の他、水溶性高分子が可溶する媒体を選択することができる。ヒアルロン酸ナトリウムが目的物質であれば、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液のみから第一の微小針31を形成してもよい。また第二の原料液42の材料は、第一の原料液41の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。同じ材料である場合は、第一の原料液41および第二の原料液42にはそれぞれ異なる目的物質を添加する。異なる材料である場合は、第一の原料液41の材料はたとえば目的物質としてヒアルロン酸ナトリウムを含む水溶液であり、第二の原料液42の材料はたとえば目的物質としてコンドロイチン硫酸ナトリウムを含む水溶液である。
この製造方法では、あらかじめ原料液をシート状基材に滴下して付着させておき、原料液にプレートを接触させてから引き離すため、第一の微小針と第二の微小針を同時に形成することができる。したがって、マイクロニードルシートの生産性を向上させることができる。
<第四実施形態>
次に図6および図7を参照して、本発明のマイクロニードルシートの製造方法の他の実施形態について説明する。
図6の(a)〜(d)は、第一の微小針31を形成する方法を示している。まず、凹版形成用フィルム70を準備し、第一のマスキングフィルム81を貼り付ける(図6(a)参照)。そこへ錐体状の凸部を有する原版60を押し当てて、第一の錐体の凹部71を形成する(図6(b)参照)。第一の錐体の凹部71へ第一の原料液41を充填し(図6(c)参照)、乾燥させた後、マスキングフィルム81を剥離することで、第一の微小針31を形成する(図6(d)参照)。
図7の(e)〜(h)は、第二の微小針32を形成し、マイクロニードルシート10を製造する方法を示している。
まず、形成された第一の微小針31を覆うようにして、第二のマスキングフィルム82を凹版形成用フィルム70に貼り付ける。次いで、第一の微小針31が形成されていない部分に原版60を押し当てて、第二の錐体の凹部72を形成する(図7(e)参照)。さらに、第二の錐体の凹部72へ第二の原料液42を充填し(図7(f)参照)、乾燥させた後、マスキングフィルム82を剥離することで、第二の微小針32を形成する。
第一の微小針31および第二の微小針32を形成した後、シート状基材20を、微小針群30の底面33に固定する(図7(g)参照)。固定方法としては、水溶性かつ生体内溶解性および/または生体内分解性である、たとえば医療用接着剤などの公知技術を用いることができる。なおシート状基材20は第一の原料液41または第二の原料液42と同じ材料でもよい。
シート状基材20を微小針群30の底面33に固定した後、シート状基材20を凹版形成用フィルム70から剥離することで、マイクロニードルシート10を得ることができる(図7(h)参照)。
第一の原料液41および第二の原料液42は、ディスペンサーや分注器など、公知の方法によって充填することができる。
第一の原料液41および第二の原料液42が粘着性を有するものであれば、第一の原料液41の充填後および第二の原料液42の充填後の乾燥においては、シート状基材20が付着する程度の粘着性を持つような乾燥条件にしておき、シート状基材20を底面33に付着させた後に完全に乾燥させてシート状基材20を固定することもできる。このようにすると、接着剤などが不要となるためマイクロニードルシートを容易に得ることができる。
凹版形成用フィルム70の材料としては、微小針群30の形状に加工できる材料であればよく、特に限定されない。また凹版形成用フィルム70の厚みは、微小針群30の形状に加工できる厚さであればよい。
また、第一の凹部71および第二の凹部72の表面には、たとえばフッ素樹脂をスプレー法などによりコーティングすることで、微小針群30の離型性を高めることができる。
第一のマスキングフィルム81および第二のマスキングフィルム82は、第一の錐体の凹部71および第二の錐体の凹部72に第一の原料液41および第二の原料液42を充填する時に、凹部からはみ出したりあふれ出たりした原料液が、凹版形成用フィルム70や第一の微小針31に付着することを防止する目的で貼り付ける。第一のマスキングフィルム81および第二のマスキングフィルム82は、公知のマスキングフィルムでよく、たとえばオレフィン系樹脂からなる弱粘着性または中粘着性のマスキングフィルムが好ましい。このようにすればマスキングフィルムを剥離しやすくなり、凹版形成用フィルム70や第一の微小針31にマスキングフィルムの接着成分が残ることを防ぐことができる。
<第五実施形態>
次に図8および図9を参照して、本発明のマイクロニードルシートの製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態では、マスキングフィルムを使用しない点において第四実施形態とは異なる。以下、第四実施形態と異なる点を説明する。
第一の原料液41および第二の原料液42を、それぞれ第一の錐体の凹部71および第二の錐体の凹部72に充填する工程においては、それぞれの原料液はそれぞれの凹部を充填するのに必要なだけの量を充填する(図8(c)および図9(e)参照)。したがってこの製造方法では、充填時に凹部から原料液があふれ出ることがないため、たとえばあふれ出た原料液を除去する工程を省くことができる。
<第六実施形態>
次に図10の(a)〜(f)を参照して、本発明のマイクロニードルシートの製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態では、凹版形成用フィルム上に複数の錐体の凹部を一度に形成する点において、第五実施形態とは異なる。以下、第五実施形態と異なる点を説明する。
凹版形成用フィルム70に複数の錐体の凹部73を形成し、一部の凹部に第一の原料液41を充填する(図10(a)〜(c)参照)。次いで、第一の原料液41が充填されていない凹部に第二の原料液42を充填する(図10(d)参照)。充填する順番はこの通りでもよく、第一の原料液41と第二の原料液42を同時に充填してもよい。したがってこの製造方法では、複数の錐体の凹部を一度に形成でき、また2種の原料液を同時に充填することもできるため、製造時間を短縮できる。さらに、充填時に凹部から原料液があふれ出ることがないため、たとえばあふれ出た原料液を除去する工程を省くことができる。
<第七実施形態>
次に図11の(a)〜(e)を参照して、本発明のマイクロニードルシートの製造方法の他の実施形態について説明する。この実施形態では、複数の錐体の凹部があらかじめ形成された型90を用いる点において、第六実施形態とは異なる。以下、第六実施形態と異なる点を説明する。
複数の錐体の凹部を有する型90を準備し、型の一部の凹部に第一の原料液41を充填する(図11(a)〜(b)参照)。次いで、第一の原料液41が充填されていない凹部に第二の原料液42を充填する(図11(c)参照)。充填する順番はこの通りでもよく、第一の原料液41と第二の原料液42を同時に充填してもよい。したがってこの製造方法では、複数の錐体の凹部を有する型90を何度も利用してマイクロニードルシート10を製造することができるため、マイクロニードルシートを容易に得ることができる。また2種の原料液を同時に充填することもできるため、製造時間を短縮できる。さらに、充填時に凹部から原料液があふれ出ることがないため、たとえばあふれ出た原料液を除去する工程を省くことができる。
10 :マイクロニードルシート
20 :シート状基材
30 :微小針群
31 :第一の微小針
32 :第二の微小針
41 :第一の原料液
42 :第二の原料液
50 :プレート
60 :原版
70 :凹版形成用フィルム
71 :第一の錐体の凹部
72 :第二の錐体の凹部
81 :第一のマスキングフィルム
82 :第二のマスキングフィルム
90 :型

Claims (15)

  1. シート状基材と、その一方の面に少なくとも2つの微小針からなる微小針群とを有するマイクロニードルシートであって、
    各々の前記微小針は互いに異なる目的物質を1種のみ含んで形成されており、前記微小針群には少なくとも2種の目的物質が使用されていることを特徴とするマイクロニードルシート。
  2. 前記目的物質を含む前記微小針の配列が特定の法則性を有さないものである請求項1に記載のマイクロニードルシート。
  3. 同じ前記目的物質を含む前記微小針どうしでグループを形成し、前記グループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが同じである請求項2に記載のマイクロニードルシート。
  4. 同じ前記目的物質を含む前記微小針どうしでグループを形成し、前記グループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが異なるものである請求項2に記載のマイクロニードルシート。
  5. 前記目的物質を含む前記微小針の配列が特定の法則性を有するものである請求項1に記載のマイクロニードルシート。
  6. 前記微小針群のうち、隣接する前記微小針が互いに異なる前記目的物質を含むものである請求項5に記載のマイクロニードルシート。
  7. 前記微小針群に使用される前記目的物質は2種であり、前記微小針群が形成される領域のほぼ中央に一方の目的物質を含む前記微小針が形成され、その周囲に他方の目的物質を含む微小針が形成されるものである請求項5に記載のマイクロニードルシート。
  8. 同じ前記目的物質を含む前記微小針どうしでグループを形成し、前記グループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが同じである請求項7に記載のマイクロニードルシート。
  9. 同じ前記目的物質を含む前記微小針どうしでグループを形成し、前記グループのうち1つのグループに含まれる針の本数と他のグループに含まれる針の本数とが異なるものである請求項7に記載のマイクロニードルシート。
  10. 前記微小針群に使用される前記目的物質は2種であり、前記微小針群が形成される領域のうちほぼ半分に前記目的物質の一方を含む前記微小針が形成され、残りの前記領域には前記目的物質の他方を含む前記微小針が形成されるものである請求項5に記載のマイクロニードルシート。
  11. 互いに異なる目的物質を含む2種の原料液をシート状基材に滴下して付着させる工程と、
    前記原料液が付着した面に向かい合う方向からプレートを近づけて、前記プレートに前記原料液を接触させる工程と、
    前記プレートを前記シート状基材に平行な状態で前記シート状基材から徐々に離して前記原料液を微小針群に形成する工程と
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルシートの製造方法。
  12. 凹版形成用フィルムの一方の面に第一のマスキングフィルムを貼付する工程と、
    前記第一のマスキングフィルム側から、前記第一のマスキングフィルムを貫通して前記凹版形成用フィルムに第一の錐体の凹部を形成する工程と、
    第一の原料液を前記第一の錐体の凹部に充填し、前記第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、
    前記第一のマスキングフィルムを除去し、前記第一のマスキングフィルムが貼付されていた面に第二のマスキングフィルムを貼付する工程と、
    前記凹版形成用フィルムのうち前記第一の微小針群が形成されていない箇所に、前記第二のマスキングフィルム側から、前記第二のマスキングフィルムを貫通して前記凹版形成用フィルムに第二の錐体の凹部を形成する工程と、
    第二の原料液を前記第二の錐体の凹部に充填し、前記第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、
    前記第二のマスキングフィルムを除去する工程と、
    前記第二のマスキングフィルムが貼付されていた面にシート状基材を貼付して、前記第一の微小針群の底面と前記第二の微小針群の底面に前記シート状基材を固定する工程と、
    前記シート状基材を前記凹版形成用フィルムから剥離してマイクロニードルシートを形成する工程と
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルシートの製造方法。
  13. 凹版形成用フィルムの一方の面に第一の錐体の凹部を形成する工程と、
    第一の原料液を前記第一の錐体の凹部に充填し、前記第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、
    前記凹版形成用フィルムの前記凹部が形成された面であって、前記第一の微小針群が形成されていない箇所に第二の錐体の凹部を形成する工程と、
    第二の原料液を前記第二の錐体の凹部に充填し、前記第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、
    前記凹版形成用フィルムの前記第一の錐体の凹部および第二の錐体の凹部が形成された面にシート状基材を貼付して、前記第一の微小針群の底面と前記第二の微小針群の底面に前記シート状基材を固定する工程と、
    前記シート状基材を前記凹版形成用フィルムから剥離してマイクロニードルシートを形成する工程と
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルシートの製造方法。
  14. 凹版形成用フィルムの一方の面に複数の錐体の凹部を形成する工程と、
    前記凹部のうち一部の凹部に第一の原料液を充填し、前記第一の原料液を含む第一の微小針群を形成する工程と、
    前記第一の原料液が充填されていない凹部に第二の原料液を充填し、前記第二の原料液を含む第二の微小針群を形成する工程と、
    前記凹版形成用フィルムの凹部が形成された面にシート状基材を貼付して、前記第一の微小針群の底面と前記第二の微小針群の底面にシート状基材を固定する工程と、
    前記シート状基材を前記型から剥離してマイクロニードルシートを形成する工程と
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルシートの製造方法。
  15. 複数の錐体の凹部を有する型の一部の凹部に第一の原料液を充填し、前記第一の原料液を含む第一の微小針を形成する工程と、
    前記第一の原料液が充填されていない凹部に第二の原料液を充填し、前記第二の原料液を含む第二の微小針を形成する工程と、
    前記第一の微小針の底面と前記第二の微小針の底面にシート状基材を固定する工程と、
    前記シート状基材を前記型から剥離してマイクロニードルシートを形成する工程と
    を備えたことを特徴とするマイクロニードルシートの製造方法。
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