JP2016140864A - 被覆はんだワイヤおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、キャリガスを介して導入された炭化水素化合物とを混合し、該炭化水素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化炭化水素化合物5を形成する、ラジカル化工程と、螺旋状のガス流4によって画定され、ラジカル化炭化水素化合物5が均一に分散した反応領域6を形成する、反応領域形成工程と、反応領域6内で、はんだワイヤ2を搬送し、ラジカル化炭化水素化合物5をはんだワイヤ2表面の金属と反応させることにより、はんだワイヤ2表面に厚さが4〜200nmの、含炭素化合物からなる被覆膜3を形成する、被覆工程と、を備える被覆はんだワイヤの製造方法。
【選択図】図1
Description
大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、キャリガスを介して導入された炭化水素化合物とを混合し、該炭化水素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化炭化水素化合物を形成する、ラジカル化工程と、
螺旋状のガス流によって画定され、前記ラジカル化炭化水素化合物が均一に分散した反応領域を形成する、反応領域形成工程と、
前記反応領域内で、はんだワイヤを搬送し、前記ラジカル化炭化水素化合物を該はんだワイヤ表面の金属と反応させることにより、該はんだワイヤ表面に厚さが4nm〜200nmの、含炭素化合物からなる被覆膜を形成する、被覆工程と、
を備えることを特徴とする。
(a)搬送中におけるはんだワイヤ2の捻れを防止可能な搬送治具7を、面7aが底面側となるよう固定した状態で、はんだワイヤ2を矢印Aの方向に搬送しつつ、ノズル8をからラジカル化した炭化水素化合物5を噴霧し、被覆膜3aを形成し(図2(a−1)参照)、
(b)次いで、搬送治具7を、面7bが底面側となるように120°回転させた後、(a)と同様にして、被覆膜3bを形成し(図2(b−1)参照)、
(c)最後に、搬送治具7を、面7cが底面側となるようにさらに120°回転させた後、(a)および(b)と同様にして、被覆膜3c形成する(図2(c−1)参照)、
ことが必要となる。
本発明の被覆はんだワイヤは、はんだワイヤと、はんだワイヤの表面に形成された含炭素化合物からなる被覆膜とから構成される。この被覆膜は、厚さが4nm〜200nm、該厚さの最大値と最小値の差が2.5nm以内であり、かつ、150℃〜300℃で加熱された場合の質量減少が60質量%以上であることを特徴とする。
本発明において、はんだワイヤは特に制限されることはなく、種々の組成を有するものを用いることができる。しかしながら、はんだワイヤとして、以下の組成を有するものを用いた場合に、本発明の効果を好適に発揮することができる。なお、はんだワイヤの組成は、ICP発光分光分析法により求めることができる。
Pb系はんだワイヤは、Pb(鉛)を主成分とし、Sn(スズ)、Ag(銀)、Cu(銅)、In(インジウム)、Te(テルル)およびP(リン)の群から選択される1種以上の第2元素を含有する、はんだ合金から構成される。なお、Pbを主成分とするとは、はんだ合金全体に対するPbの含有量が80質量%以上であることを意味する。
Sn系はんだワイヤは、Snを主成分とし、Ag、Sb、Cu、Ni、GeおよびP(リン)の群から選択される1種以上の第2元素を含有する、はんだ合金から構成される。なお、Snを主成分とするとは、はんだ合金全体に対するSnの含有量が80質量%以上であることを意味する。
本発明の被覆はんだワイヤを構成する被覆膜は、炭化水素化合物を材料とし、所定条件の大気圧プラズマ重合処理によって、ラジカル化させたラジカル化炭化水素化合物を、はんだ材料を構成する金属と反応させて、緻密な含炭素化合物からなる被覆膜としてはんだ材料上に形成される。
被覆膜の厚さは4nm〜200nm、好ましくは6nm〜100nm、より好ましくは8nm〜50nmに制御される。被覆膜の厚さが4nm未満では、はんだ材料表面の酸化の進行を十分に抑制することができず、濡れ広がり性や接合性の低下し、空隙(ボイド)が生じやすくなる。一方、被覆膜の厚さが200nmを超えると、はんだ材料表面の酸化の進行を十分に抑制することはできるものの、この被覆膜の影響で、同様に、濡れ広がり性や接合性が低下し、空隙が生じやすくなる。なお、被覆膜の厚さは、被覆はんだワイヤを周方向3か所以上の位置で長さ方向に沿って切断した上で、各断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより求めることができる。
この被覆膜は、厚さの均一性にも優れる。具体的には、本発明の被覆はんだワイヤは、被覆膜の厚さ(径方向の寸法)の最大値と最小値の差を、被覆はんだワイヤ全体(長さ方向および周方向)にわたって2.5nm以内、好ましくは2.0nm以内、より好ましくは1.5nmに制御することが可能である。このため、本発明の被覆はんだワイヤは、耐酸化性、濡れ広がり性、接合性などの特性のばらつきがきわめて小さいということができる。
本発明の被覆はんだワイヤを構成する被覆膜は、熱分解性に優れ、150℃〜300℃で加熱された場合の質量減少率αが60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。上記温度範囲で加熱された場合の質量減少率αが60質量%未満では、溶融後のはんだ材料中に未分解の被覆膜が残存し、はんだ材料の濡れ広がり性や接合性を低下させてしまう。
α=(w1−w2)/w1×100・・・(A)
本発明の被覆はんだワイヤを構成する被覆膜は、無色透明で、きわめて薄く、かつ、はんだ材料の表面全体に均一に形成される。このため、この被覆膜の形成に際して、処理ムラやシミなどの外観不良が生じることはほとんどない。
本発明の被覆はんだワイヤの製造方法は、
(1)大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、キャリガスを介して導入された炭化水素化合物とを混合し、炭化水素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化炭化水素化合物を形成する、ラジカル化工程と、
(2)螺旋状のガス流によって画定され、前記ラジカル化炭化水素化合物が均一に分散した反応領域を形成する、反応領域形成工程と、
(3)前記反応領域内で、はんだワイヤを搬送し、前記ラジカル化炭化水素化合物をはんだワイヤ表面の金属と反応させることにより、該はんだワイヤ表面に厚さが4nm〜200nmの、含炭素化合物からなる被覆膜を形成する、被覆工程と、
を備えることを特徴とする。
ラジカル化工程は、大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、キャリガスを介して導入された炭化水素化合物とを混合し、炭化水素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化炭化水素化合物を形成する工程である。
プラズマ重合処理は従来から広く知られた技術であるが、本発明で利用する大気圧プラズマ重合処理は、常態では進行しない化学反応を、大気圧プラズマによる反応粒子の活性化により進行させるものである。このような大気圧プラズマ重合処理は、連続処理に向いているため生産性が高く、また、真空装置が不要であるため処理コストが低く、装置構成を簡易化することができるといった特徴を有する。ただし、本発明におけるラジカル化工程は、大気圧プラズマ重合処理に限定されることなく、高圧プラズマ処理や低圧プラズマ処理などの含む他のラジカル化手段も、実操業上の問題がなければその適用は可能である。
反応ガスをプラズマ化するための条件は、使用するプラズマ装置や目的とする被覆膜の厚さなどにより適宜選択されるべきものであるが、炭化水素化合物を効率よくラジカル化し、高品質の被覆膜を形成する観点から、ジュネレータ出力電圧を、好ましくは150V〜350V、より好ましくは200V〜330Vの範囲とすることが好ましい。ジュネレータ出力電圧が150V未満では、反応ガスが十分にプラズマ化することができないため、炭化水素を十分にラジカル化することができない場合がある。一方、350Vを超えると、装置の破損といった問題が生じる場合がある。
反応ガスとしては、プラズマ化が容易なものであれば特に制限されることはない。たとえば、Ar(アルゴン)、He(ヘリウム)、N2(窒素)、O2(酸素)および空気などを使用することができる。これらの反応ガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、製造コストの観点から、N2、O2またはその混合ガス、特に空気を使用することが好ましい。
キャリアガスとしては、噴霧した炭化水素化合物を搬送することができるものであれば特に制限されることはない。たとえば、Ar、HeおよびN2などを使用することができる。これらのキャリアガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を所定の割合で混合して使用してもよい。なお、製造コストの観点から、N2を使用することが好ましい。
炭化水素化合物としては、被覆膜を形成した際に、150℃〜300℃で加熱した場合の質量減少率が60質量%以上となる材料であることが必要とされる。このような被覆膜を形成するための炭化水素化合物としては、炭素数が8以下の脂肪族化合物、脂環式化合物および芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。具体的には、炭素数が4以下の脂肪族化合物もしくは脂環式化合物からなる炭化水素系ガス、または、炭素数が5以上8以下の脂肪族化合物、脂環式化合物もしくは芳香族化合物からなる炭化水素系溶剤を用いることが好ましい。これらの炭化水素化合物は、常態で気体もしくは適度な揮発性を有する液体であるため、キャリアガスとともに、プラズマ化された反応ガス中に容易に導入することができる。このため、はんだワイヤ表面に、緻密な被覆膜を均一に形成することが可能となる。
炭素数が4以下の脂肪族化合物または脂環式化合物からなる炭化水素系ガスとしては、たとえば、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、メチルアセチレン、エチルアセチレン、シクロプロパン、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン、イソブテンおよび1,3−ブタジエン、の群から選択される少なくとも一種を好適に用いることができる。
炭素数が5以上8以下の脂肪族化合物、脂環式化合物または芳香族化合物からなる炭化水素系溶剤としては、たとえば、以下に挙げるものを好適に用いることができる。
被覆膜を形成するはんだワイヤの直径やプラズマ化条件などによっても異なるが、一般的なはんだワイヤ(直径:0.3mm〜1.0mm)を対象とする場合、はんだワイヤ1mに対する炭化水素化合物の導入量を0.02g〜1.2gとすることが好ましく、0.03g〜1.0gとすることがより好ましく、0.04g〜0.3gとすることがさらに好ましい。炭化水素化合物の導入量が0.02g未満では、被覆膜の厚さが4nm以下になるばかりでなく、厚さにばらつきが生じるおそれがある。一方、炭化水素化合物の導入量が1.2gを超えると、被覆膜の厚さが200nmを超えるおそれがある。
反応領域形成工程は、螺旋状のガス流によって画定され、ラジカル化工程で得られたラジカル化炭化水素化合物が均一に分散した反応領域を形成する工程である。
本発明の被覆はんだワイヤの製造方法では、予め、ラジカル化した炭化水素化合物が均一に分散し、この炭化水素化合物がはんだワイヤ表面の金属と反応可能な反応領域を形成することが重要となる。なお、この反応領域内における炭化水素化合物はラジカル化している限り、その状態が制限されることはなく、単量体、半重合体または重合体のいずれの状態であってもよい。
螺旋状のガス流は、たとえば、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気の群から選択される少なくとも1種、すなわち、上述したキャリアガスと同種のガス、または、これらのガスに装置外で生成したラジカル炭化水素化合物を混合したものを螺旋状に流れるように、装置内に導入することで、形成することができる。ただし、被覆膜を薄く形成する場合には、酸素や空気(特に乾燥空気)を用いて螺旋状のガス流を形成することが好ましい。この場合、酸素や空気を用いることで被覆膜中の酸素導入量を増加させることでき、この結果、被覆膜の緻密性や平滑性を向上させることが可能となる。
被覆工程は、反応領域内ではんだワイヤを搬送し、ラジカル化炭化水素化合物をはんだワイヤ表面の金属と反応させることにより、はんだワイヤ表面に厚さが4nm〜200nmの、含炭素化合物からなる被覆膜を形成する工程である。
本発明の被覆はんだワイヤを構成するはんだワイヤとしては、特に制限されることなく、種々のものを用いることができる。ただし、本発明の効果を十分に発揮するためには、以下で説明する成形方法で得られるはんだワイヤを用いることが好ましい。
原料の融解方法としては、抵抗加熱法、還元拡散法、高周波溶解法など公知の手段を用いることができ、特に、短時間で、効率よく融解することができる高周波溶解法が好ましい。これらの方法により融解した原料を、予め用意した鋳型に鋳込むことにより、所定形状のはんだ母合金インゴットを形成する。なお、融解や鋳込み時に酸素が存在すると、原料の酸化が進行するばかりでなく、鋳込み時に酸化膜を巻き込み、得られるはんだワイヤ表面の酸化膜が厚くなったり、表面粗さが粗くなったりする。このため、原料の融解時の雰囲気を不活性ガス雰囲気とするとともに、鋳込み時に、鋳型の溶湯入口に不活性ガスを流通させることが好ましい。
ワイヤ状のはんだを成形する場合、はんだ母合金インゴットを押出法や伸線法などにより成形する。たとえば、押出法により成形する場合、はんだワイヤの組成に応じた適切な押出温度を選択する必要がある。これは、押出温度が高すぎると、表面の酸化が進行しやすく、逆に、押出温度が低すぎると、はんだワイヤが硬い状態で押し出すこととなるため、成形時間が長時間を要するためである。
はんだワイヤ表面の酸化膜を薄くしたり、表面粗さ(Ra)を小さくしたりするためには、はんだワイヤに対して、酸洗浄や研磨を行うことが好ましい。酸洗浄や研磨を行うタイミングとしては、はんだ母合金を鋳造した後、所定の加工を行う前、加工中または加工後のいずれでもよい。
本発明の被覆はんだワイヤの製造方法において、ラジカル化炭化水素化合物とはんだワイヤ表面の金属との反応は、上述した反応領域の内部で進行する。具体的には、図1(a)に示すように、螺旋状のガス流4によって画定される反応領域6の略中央部を、基材となるはんだワイヤ2が矢印Aの方向に搬送される。この際、反応領域6内には、ラジカル化炭化水素化合物5が均一に分散しているため、螺旋状のガス流4の作用により、炭化水素化合物5は、はんだワイヤ2の表面全体に等しく接触する。この結果、ラジカル化炭化水素化合物5とはんだワイヤ2表面の金属との反応が、同時かつ同程度の反応速度で進行することとなる。
(i)ラジカル化炭化水素化合物5が、はんだワイヤ2表面の金属と反応した後に重合する態様、
(ii)ラジカル化炭化水素化合物5が重合しながら、はんだワイヤ2表面の金属と反応する態様、または、
(iii)ラジカル化炭化水素化合物5が重合した後に、はんだワイヤ2表面の金属と反応する態様、
が考えられる。本発明の被覆はんだワイヤの製造方法では、上述した被覆膜を備えた被覆はんだワイヤを得ることができる限り、いずれかの態様に制限されることはない。
本発明の被覆はんだワイヤでは、被覆膜の厚さが4nm〜200nmの範囲に調整される。このような被覆膜の厚さは、被覆材料として導入する炭化水素化合物の量や螺旋状のガス流の速度のほか、はんだワイヤの搬送速度によっても制御することができる。具体的には、被覆工程におけるはんだワイヤの搬送速度を1m/分〜100m/分とすることが好ましく、5m/分〜80m/分とすることがより好ましく、10m/分〜50m/分とすることがさらに好ましい。はんだワイヤの搬送速度が1m/分未満では、被覆膜が厚くなりすぎるおそれがあるばかりでなく、生産性が著しく低下してしまう。一方、搬送速度が100m/分を超えると、被覆膜の厚さが4nm以下になったり、厚さにばらつきが生じたりするおそれがある。
本発明の被覆はんだワイヤは、各種半導体素子と基板との接合に用いることができ、具体的には、ディスクリート、IC(集積回路)チップ、モジュールなど、多種多様の半導体素子と基板との接合に用いることができる。以下、本発明の被覆はんだワイヤを用いて、ICチップをリードフレームのダイ部に接合する、ダイボンディング方法について説明する。
原料として、純度が99.9%以上のBi、Zn、Ag、Sn、Pb、Cu、Au、In、Al、Ni、Sb、Ge、TeおよびPを準備した。なお、得られる被覆はんだワイヤにおいて、サンプリング位置による組成のばらつきを防止するため、大きな薄片やバルク状の原料については、切断または粉砕して、3mm以下の大きさに調整した。
[被覆はんだワイヤの作製]
試料No.1のPb系はんだワイヤを、はんだワイヤ自動巻取機(株式会社田邊製作所製、TM型巻線機)で巻き取る際、図1に示すような方法により、搬送中のはんだワイヤの表面に大気圧重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を用いて、含炭素化合物からなる被覆膜を形成した。
<プラズマ化条件>
・プラズマ発生装置の発信周波数:21kHz
・ジェネレータの出力電圧 :280V
・圧力 :大気圧(1013.25hPa)
上述のようにして得られた被覆はんだワイヤに対して、以下の(a)〜(e)の項目について評価を行った。
被覆はんだワイヤを、基準位置(0°位置)ならびに基準位置に対して、90°および180°回転させた位置(90°位置および180°位置)で長さ方向に沿って切断した上で、各断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジース製、透過型電子顕微鏡HF−2000)により観察し、被覆膜の厚さを測定した。この結果を表3に示す。また、この際に撮影した、被覆はんだワイヤの断面TEM写真を図3に示す。
被覆はんだワイヤを作製した時点における表面状態を、光学顕微鏡(株式会社ニコン、ECLIPE M6600)を用いて観察した。この結果、表面状態が、被覆膜を形成していない状態とほぼ同様である場合を「良(○)」、変色が見られる場合を「不良(×)」として評価した。
被覆前のはんだ材料の質量W0、加熱前の被覆はんだ材料の質量W1、加熱後の被覆はんだ材料の質量W2を測定することにより、加熱前の被覆膜の質量w1(=W1−W0)および加熱後の被腹膜の質量w2(=W2−W0)を求め、加熱前後における質量減少率α(=(w1−w2)/w1×100))(式1)を算出した。この結果、質量減少率αが、80質量%以上であったものを「優(◎)」、60質量%以上79質量%未満であったものを「良(○)」、59%未満のものを「不良(×)」と評価した。この結果を表3に示す。
雰囲気制御式濡れ性試験機(自社製)のヒータ部に2重のカバーをした後、ヒータ部の周囲4箇所からN2を12L/分の流量で流しつつ、ヒータ温度を、被覆はんだワイヤの融点よりも50℃高い温度に設定して加熱した。ヒータ温度が安定したことを確認した後、Cu基板(板厚:約0.70mm)をヒータ部に設置し、25秒間加熱した。この状態で、5cmに切断した被覆はんだワイヤをCu基板の上に載置し、さらに25秒間加熱した。その後、Cu基板をヒータ部から取り上げ、窒素雰囲気中で室温まで冷却した。Cu基板が十分に冷却したことを確認した後、はんだの接合状態を目視により観察した。
上述した濡れ性の評価で被覆はんだワイヤを接合したCu基板に対して、−55℃の冷却と、+150℃の加熱を1サイクルとするヒートサイクル試験を500サイクル実施した後、Cu基板ごと樹脂に埋め込み、断面研磨を行い、接合面をSEM(株式会社日立ハイテクノロジース製、走査電子顕微鏡S−4800)により観察した。この結果、初期状態と同様の接合面を保っていた場合を「良(○)」、接合面にはがれが生じていたり、被覆はんだワイヤにクラックが生じていたりした場合を「不良(×)」として評価した。この結果を表3に示す。
被覆材料および処理条件を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆はんだワイヤを作製し、上記(a)〜(e)の評価を行った。この結果を表3に示す。
試料No.1のPb系はんだワイヤを、はんだワイヤ自動巻取機で巻き取る際、図2に示すような方法により、搬送中のはんだワイヤの表面に大気圧重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を用いて、含炭素化合物からなる被覆膜を形成した。
試料No.1のPb系はんだワイヤを、はんだワイヤ自動巻取機で巻き取る際、シリコン系コーティング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、APZ6601)に10分間浸漬した後、120℃で10分間乾燥することにより、被覆はんだワイヤを作製した。
試料No.1のPb系はんだワイヤを、はんだワイヤ自動巻取機で巻き取る際、フッ素系コーティング剤(株式会社フロロテクノロジー製、FG−3020C30)に10分間浸漬した後、冷風で10分間乾燥することにより、被覆はんだワイヤを作製した。
試料No.1のPb系はんだワイヤに、被覆膜を形成せずに、上記(a)、(b)、(d)および(e)の評価を行った。この結果を表3に示す。
基材となるはんだワイヤとして、表4に示すPb系はんだワイヤを使用したこと以外は、実施例1と同様にして被覆はんだワイヤを作製し、上記(a)〜(e)の評価を行った。この結果を表5に示す。
表4に示すPb系はんだワイヤに、被覆膜を形成せずに、上記(a)、(b)、(d)および(e)の評価を行った。この結果を表5に示す。
基材となるはんだワイヤとして、表6に示すSn系はんだワイヤを使用したこと以外は、実施例1と同様にして被覆はんだワイヤを作製し、上記(a)〜(e)の評価を行った。この結果を表7に示す。
表6に示すSn系はんだワイヤに、被覆膜を形成せずに、上記(a)、(b)、(d)および(e)の評価を行った。この結果を表7に示す。
表3、表5および表7より、実施例1〜34の被覆はんだワイヤは、被覆膜の厚さが4nm〜200nmの範囲にあり、かつ、そのばらつきが少ないこと、および、被覆膜の質量減少率が60質量%以上であることが確認される。加えて、図3および図4を比較すると、実施例1の被覆はんだワイヤは、各位置における厚さ8.3±0.6mmの範囲内にあり、比較例3と比べて、被覆膜の均一性が飛躍的に向上していることが確認される。
2 はんだワイヤ
3、3a、3b、3c 被覆膜
4 螺旋状のガス流
5 ラジカル化炭化水素化合物
6 反応領域
7 搬送治具
7a、7b、7c 搬送治具の面
8 ノズル
A はんだワイヤの搬送方向
Claims (15)
- はんだワイヤと、該はんだワイヤの表面に形成された含炭素化合物からなる被覆膜とから構成される被覆はんだワイヤであって、
前記被覆膜は、厚さが4nm〜200nm、該厚さの最大値と最小値の差が2.5nm以内であり、かつ、150℃〜300℃で加熱された場合の質量減少率が60質量%以上である、被覆はんだワイヤ。 - 前記はんだワイヤは、80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、TeおよびPの群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金からなる、請求項1に記載の被覆はんだワイヤ。
- 前記はんだワイヤは、80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、GeおよびPの群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金からなる、請求項1に記載の被覆はんだワイヤ。
- 前記質量減少率が80質量%以上である、請求項1に記載の被覆はんだワイヤ。
- 大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、キャリガスを介して導入された炭化水素化合物とを混合し、該炭化水素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化炭化水素化合物を形成する、ラジカル化工程と、
螺旋状のガス流によって画定され、前記ラジカル化炭化水素化合物が均一に分散した反応領域を形成する、反応領域形成工程と、
前記反応領域内で、はんだワイヤを搬送し、前記ラジカル化炭化水素化合物を該はんだワイヤ表面の金属と反応させることにより、該はんだワイヤ表面に厚さが4nm〜200nmの、含炭素化合物からなる被覆膜を形成する、被覆工程と、
を備える、被覆はんだワイヤの製造方法。 - 前記反応領域形成工程において、予め導入した螺旋状のガス流に、前記ラジカル化炭化水素化合物を混合することにより、前記反応領域を形成する、請求項5に記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記螺旋状のガス流を、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気の群から選択される少なくとも1種によって形成する、請求項5または6に記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記炭化水素化合物は、炭素数が8以下の脂肪族化合物、脂環式化合物および芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種である、請求項5〜7のいずれかに記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記炭化水素化合物は、炭素数が4以下の脂肪族化合物および/または脂環式化合物からなる炭化水素系ガスである、請求項5〜7のいずれかに記載の被覆はんだワイヤ。
- 前記炭化水素化合物は、炭素数が5以上8以下の脂肪族化合物、脂環式化合物および芳香族化合物の群から選択される少なくとも1種からなる炭化水素系溶剤である、請求項5〜7のいずれかに記載の被覆はんだワイヤ。
- 前記反応ガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気の群から選択される少なくとも1種である、請求項5〜10のいずれかに記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記キャリアガスは、アルゴン、ヘリウムおよび窒素の群から選択される少なくとも1種である、請求項5〜11のいずれかに記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記ラジカル化工程において、大気圧プラズマ重合処理装置により、前記炭化水素化合物をラジカル化する、請求項5〜12のいずれかに記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記ラジカル化工程において、前記はんだワイヤ1mに対する前記炭化水素化合物の導入量を0.02g〜1.2gとする、請求項5〜13に記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
- 前記被覆工程における該はんだワイヤの搬送速度を1m/分〜100m/分とする、請求項14に記載の被覆はんだワイヤの製造方法。
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