JP2016033236A - 強度−均一伸びバランスに優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)質量%で、C:0.04〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.0〜2.2%、P:0.050%以下、S:0.005%以下、Cr:0.2〜1.0%、Ti:0.005〜0.030%、Al:0.010〜0.050%を、次(1)式
PCM= C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B‥‥(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義される溶接割れ感受性指数PCMが0.25%以下を満足するように調整して含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、ポリゴナルフェライト相を主相とし、該主相と、面積率で3〜20%の残留オーステナイト相と、残部が面積率で10%以下(0%を含む)のマルテンサイト相、ベイナイト相、パーライトのうちの1種又は2種以上とからなり、主相および他の相を含む平均粒径が5μm以上で、アスペクト比が1.40以上である組織と、を有し、強度−均一伸びバランスに優れることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Co:1.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板。
(5)鋼素材に、熱間圧延を施して熱延板としたのち冷却を施す熱延鋼板の製造方法であって、前記鋼素材を、質量%で、C:0.04〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.0〜2.2%、P:0.050%以下、S:0.005%以下、Cr:0.2〜1.0%、Ti:0.005〜0.030%、Al:0.010〜0.050%を、次(1)式
PCM = C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B‥‥(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義される溶接割れ感受性指数PCMが0.25%以下を満足するように調整して含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、前記熱間圧延を、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1250℃の範囲の温度に加熱したのち行う圧延とし、前記冷却を、前記熱間圧延の圧延最終パスを出た時刻を起点(零)として起点から20〜80sの間のいずれかの時間で、前記熱延板の温度が板厚中央部で750℃〜650℃の範囲内にあり、前記起点から80sを経過する以前に前記熱延板の温度が板厚中央部で650℃を下回り、冷却停止温度:600〜450℃の温度域の温度で冷却停止する冷却とし、該冷却後、コイル状に巻き取ることを特徴とする強度−均一伸びバランスに優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
(6)(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Co:1.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
(7)(5)または(6)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
(8)(5)ないし(7)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含むことを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
PCM= C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B‥‥(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義される溶接割れ感受性指数PCMが0.25%以下を満足するように調整して含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する。
Cは、固溶してオーステナイトの安定化に寄与する元素であり、残留オーステナイトを得るために必須の元素である。Cは、高温からの冷却時におけるオーステナイトからフェライトへの変態に際し、フェライトから未変態オーステナイトへ排出される。排出されたCが、未変態オーステナイトを安定化して、少なくとも常温で、残留オーステナイトとして安定に存在させる。このような効果を得るためには、0.04%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超えて含有すると、溶接性が低下する。このため、Cは0.04〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.06〜0.12%、より好ましくは0.08〜0.12%である。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、熱間圧延時のスケール形成を抑制し、スケールオフ量の低減に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Siは0.10〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.30%である。また、Siは、セメンタイト析出を抑制して、残留オーステナイトの生成に大きく寄与する元素で、従来は1.0%以上含有して、所望の残留オーステナイト量を確保して、所望の特性(加工誘起変態塑性)を確保していた。しかし、本発明では、低温靭性、溶接性の向上という観点から、Siのこのような効果を利用することはない。
Mnは、オーステナイトの安定性を高め、オーステナイトのパーライトやベイナイトへの分解を抑制する元素であり、このような効果を確保するためには、Mnを1.0%以上含有する必要がある。一方、2.2%を超える過度の含有は、オーステナイトが安定化し、高温変態フェライトの生成が抑制され、Cの未変態オーステナイトへの排出・濃縮が妨げられる。このようなことから、Mnは1.0〜2.2%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.2〜1.6%である。
Pは、粒界に偏析して靭性を低下させる元素であり、本発明では不純物としてできるだけ低減することが望ましいが、0.050%までは許容できる。このため、Pは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.030%以下である。一方、過度のP低減は、精錬コストの高騰を招く。このため、0.002%以上とすることが好ましい。
Sは、鋼中では通常、MnSとして存在するが、MnSは、熱間圧延工程で薄く延伸され、延性、靭性に悪影響を及ぼす。このため、本発明ではSはできるだけ低減することが望ましいが、0.005%までは許容できる。このため、Sは0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.003%以下である。一方、過度のS低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.0002%以上とすることがより好ましい。
Crは、未変態オーステナイト中のセメンタイトの析出を抑制する働きがあり、残留オーステナイトの生成に大きく寄与する元素で、本発明では重要な元素である。このような効果を得るためには、0.2%以上含有する必要がある。一方、1.0%を超える過度の含有は、溶接性を低下させる。このため、Crは0.2〜1.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.8%で、より好ましくは0.2〜0.5%である。
Tiは、Nと結合してTiNとして、鋼の靭性を著しく悪化させるNを固定し無害化する作用を有する元素であり、このような効果を得るためには0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.030%を超える含有は、Feのへき開面に沿って析出するTi炭窒化物の量が増加し、鋼の靭性を低下させる。このため、Tiは0.005〜0.030%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.025%である。
Alは、強力な脱酸剤として作用する元素で、このような効果を得るためには、0.010%以上含有する必要がある。また、Alは、セメンタイト析出を抑制し残留オーステナイトの生成に大きく寄与する元素でもある。しかし、0.050%を超えてAlが多くなると、Al酸化物が鋼中に介在物として残存しやすくなり、鋼の清浄度が低下する。このため、Alは0.010〜0.050%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010〜0.040%である。
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
PCM値が高くなると、溶接割れ感受性が高くなる。したがって、鋼板の溶接性を高めるためには、PCM値ができるだけ低い値となるように、各成分の含有量を調整する必要がある。本発明では、PCMが0.25%以下を満足するように調整するものとする。PCMが0.25%以下であれば、入熱:5kJ/cm〜20kJ/cm程度の溶接時の低温割れを回避できる。
Mo、Cu、Ni、Coはいずれも、オーステナイトの安定性を高める作用を有し、残留オーステナイトの生成に有効に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。このような効果を得るためには、Mo:0.05%以上、Cu:0.05%以上、Ni:0.05%以上、Co:0.05%以上、それぞれ含有することが望ましい。一方、Mo:0.5%、Cu:0.5%、Ni:1.0%、Co:1.0%をそれぞれ超えて含有すると、上記した効果が飽和するうえ、溶接性を低下させる。このため、含有する場合には、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Co:1.0%以下に限定した。
Nb、Vはいずれも、炭窒化物として微細析出し、析出強化を通して鋼の強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種を含有できる。このような効果を得るためには、Nb:0.01%以上、V:0.01%以上含有することが望ましい。一方、Nb:0.10%、V:0.10%をそれぞれ超えて含有すると、粗大な析出物が形成され、母材靭性、溶接性が低下する。このため、含有する場合には、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下に限定した。
Caは、圧延方向に長く伸びるMnS等の硫化物を球状の硫化物とする硫化物形態制御を介して、鋼板の靭性向上に寄与する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有する必要があるが、0.0050%を超えて含有すると、鋼中にCa酸化物クラスターが形成され靭性が低下する。このため、含有する場合にはCaは0.0005〜0.0050%の範囲に限定した。
冷却停止温度が、600℃より高温である場合には、巻取後に、未変態オーステナイトの一部がパーライトもしくはベイナイト変態し、所望の残留オーステナイト量を確保できなくなる。一方、冷却停止温度が、450℃未満である場合には、未変態オーステナイトの一部がマルテンサイト変態し、所望の残留オーステナイト量を確保できなくなる。このため、冷却停止温度は600〜450℃の範囲の温度に限定した。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から、観察面が圧延方向断面(L断面)となるように、組織観察用試験片を採取し、研磨、腐食(ナイタール腐食)して、光学顕微鏡(倍率:400倍)と走査型電子顕微鏡SEM(倍率:2000倍)を用いて、板厚1/2位置における組織を観察し、各5視野撮像し組織写真を得た。得られた組織写真について、画像解析装置を用いて、組織の同定、および組織分率を算出した。さらに、JIS G 0551の規定に準拠して切断法で主相および他の相を含む平均結晶粒径を求めた。また、ポリゴナルフェライトの圧延方向の結晶粒径および板厚方向の結晶粒径を測定し、(圧延方向の結晶粒径)/(板厚方向の結晶粒径)で定義されるアスペクト比を求めた。
なお、残留オーステナイトは、目視での判別は難しいため、SEM/EBSD法によりfcc相の面積分率を求めて、残留オーステナイト量とした。
得られた熱延鋼板から、引張方向が圧延方向なるように、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(引張強さTS、均一伸びuEl)を測定し、強度-均一伸びバランスTS×uElを求めた。
得られた結果を表3に示す。
Claims (8)
- 質量%で、
C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.50%、
Mn:1.0〜2.2%、 P :0.050%以下、
S :0.005%以下、 Cr:0.2〜1.0%、
Ti:0.005〜0.030%、 Al:0.010〜0.050%
を、下記(1)式で定義される溶接割れ感受性指数PCMが0.25%以下を満足するように調整して含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、
ポリゴナルフェライト相を主相とし、該主相と、面積率で3〜20%の残留オーステナイト相と、残部が面積率で10%以下(0%を含む)のマルテンサイト相、ベイナイト相、パーライトのうちの1種又は2種以上とからなり、主相および他の相を含む平均粒径が5μm以上で、アスペクト比が1.40以上である組織と、
を有し、強度−均一伸びバランスに優れることを特徴とする高強度熱延鋼板。
記
PCM= C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B‥‥(1)
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Co:1.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
- 鋼素材に、熱間圧延を施して熱延板としたのち冷却を施す熱延鋼板の製造方法であって、
前記鋼素材を、質量%で、
C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.50%、
Mn:1.0〜2.2%、 P :0.050%以下、
S :0.005%以下、 Cr:0.2〜1.0%、
Ti:0.005〜0.030%、 Al:0.010〜0.050%
をし、下記(1)式で定義される溶接割れ感受性指数PCMが0.25%以下を満足するように調整して含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
前記熱間圧延を、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1250℃の範囲の温度に加熱したのち行う圧延とし、
前記冷却を、前記熱間圧延の圧延最終パスを出た時刻を起点として20〜80sの間では、前記熱延板の温度が板厚中央部で750℃〜650℃の範囲内にあり、前記時刻から80sを経過する以前に前記熱延板の温度が板厚中央部で650℃を下回り、冷却停止温度:600〜450℃の温度域の温度で冷却停止する冷却とし、
該冷却後、コイル状に巻き取ることを特徴とする強度−均一伸びバランスに優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
記
PCM= C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B‥‥(1)
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Co:1.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項5に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
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