以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。本発明の実施形態の用紙有無検知装置についてその機械的構成を図1により、全体の制御回路構成を図2により説明する。また具体的なセンサ回路の例を図3により説明し、用紙センサの調整方法を図4により説明する。これらの説明の前に、本発明の実施形態の考え方を図4及び図5により簡単に説明する。
図4は用紙センサの特性図であり、用紙の搬送路を挟んで対向する発光素子(例えば発光ダイオード)の動作(入力)電流(mA)と受光素子(例えばフォトトランジスタ)の出力電圧(V)を示す。この特性は、通常、装置を出荷する前に測定し、用紙の有無を検知する最適な閾値を設定しておく。
まず、この用紙有無検知装置の搬送路に用紙をセットする。この状態で、発光素子の動作電流がほぼゼロ状態のときの受光素子の出力電圧を測定する。この時受光素子(例えばフォトトランジスタ)はオフ状態にあり、発光素子の動作電流を徐々に増加させていくと、所定の電流に至ったところで、出力電圧が急激に低下する、すなわち受光素子の状態がオフからオンに変化する、図4に示す特性曲線51が得られる。この特性曲線を入力電流増加出力電圧減少特性曲線51と呼ぶ。
次に、対向する発光素子の受光素子の間(搬送路)に用紙がない状態にする。そして発光素子の動作電流を大きい値から徐々に下げていく。発光素子の動作電流が大きいと、受光素子に十分光が届き受光素子は最初、オン状態にある。ところが、発光素子の動作電流を下げていくと、受光素子に光が届かなくなってくる。したがって受光素子は途中からオフ状態に移行し、図4において特性曲線52に示すように出力電圧が高くなっていく。この特性を入力電流減少出力電圧増大特性曲線52と呼ぶ。
したがって、この2つの特性曲線51,52で発光素子の中央の動作電流値Imに対して、受光素子の出力電圧が中央となる電圧値Vmである位置の閾値により、用紙の有無を検知すれば、最も適切な用紙検知が可能となる。
ところで、このような用紙有無検知装置を製造し、用紙有無の閾値を設定して出荷し長年にわたって稼働させ続けると、発光素子の発光強度や受光素子の受光感度が少しずつ変化する。そこで、特性が経年変化した状態でも、適切な用紙等紙葉類の有無の閾値を設定できることが望ましい。
特に、発光素子の光強度が低下するすなわち、発光素子の動作電流に対して発する光強度が劣化する。しかし工場出荷の後は、用紙有無検知装置はユーザの管理下にあり、製造出荷業者が閾値などをセットし直すことは通常、困難である。
また、搬送路に用紙のある状態では、ユーザが装置を使っていることが考えられ、その使用中に特性を測定することはユーザの利便性を損ねることもある。一方、長時間にわたって搬送路に用紙がない場合は、装置を使っていない状態であり、この状態を検知することは比較的容易である。
そこで本発明の一実施形態では、ユーザが使っていない、搬送路に用紙がない状態において、上述の図4に示す入力電流減少出力電圧増大の特性曲線52を自動的に測定し直し、この特性曲線52と、出荷前に測定した入力電流増大出力電圧減少の特性曲線51とを用いて、閾値として最適な動作電流In、出力電圧Vnを自動的に設定するものである。
まず、本発明一実施形態を適用するプリント装置の構成を図1に基づいて説明する。図1に示すプリント装置1は、通帳Tの出入口とステートメント用紙の出口を兼ねるフェイシア部2を前面部に有し、用紙セット部3を後面部に有する。
この用紙セット部3にロール状に巻かれたサーマル用紙がセットされる。セットされたサーマル用紙4は、先端部が第1搬送部5によって引き出され搬送路6aに導かれる。この搬送路6a上に、サーマルプリント部7及び切断部8が配設される。
また、第1搬送部5に続いて第2搬送部10が設けられている。第2搬送部10は搬送路6aにつながる搬送路6b、この搬送路6bに沿って配設された搬送ローラ対11a〜11e、出入ローラ対12、及びフィードローラ対15を有し、フェイシア部2に挿入される通帳Tの搬送を行うと共に、搬送路6aから送られるサーマル用紙4をフェイシア部2に向けて搬送する。
そして、搬送路6bにおける搬送ローラ対11a,11bの相互間に、24ピンのドットマトリクスヘッド9aを有するドットプリンタ部9が配設される。出入ローラ対12は、フェイシア部2に挿入される通帳Tの取り込みを行うと共に、プリントが済んだ通帳Tやステートメント用紙をフェイシア部2の外に送り出す。
更に、第2搬送部10のサーマル用紙導入側に、紙葉類センサとして用紙センサ28が設けられている。用紙センサ28は、プリント対象の紙葉類であるサーマル用紙4を光学的に検知する。
第2搬送部10における出入ローラ対12の近傍には、紙葉類センサとして通帳センサ29が設けられている。通帳センサ29はプリント対象の紙葉類である通帳Tを光学的に検知する。
サーマルプリント部7は、サーマル用紙4の搬送方向に沿う所定間隔の位置に、裏面プリント用のサーマルヘッド17、及び表面プリント用のサーマルヘッド18を有する。これらサーマルヘッド17,18に対し、プラテンローラ20,21が回転可能に圧接されている。
サーマル用紙4は、サーマルヘッド17,18とプラテンローラ20,21で挟持されながら、サーマルヘッド17,18によって両面に情報がプリントされる。切断部8は、ロータリーカッタ23を有し、そのロータリーカッタ23を回転によってサーマル用紙を切断する。この切断片がステートメント用紙となる。このステートメント用紙は、フィードローラ対14により第2搬送部10に送られる。
プラテンローラ20,21、ロータリーカッタ23、フィードローラ対14の駆動用としてモータ25が設けられている。また、搬送ローラ対11a〜11e、出入ローラ対12、フィードローラ対15の駆動用として、モータ26が設けられている。
このようなプリント装置1において、用紙セット部3、第1搬送部5、及びその周辺部によりサーマル用紙4を搬送しながらそのサーマル用紙へのプリントを行うステートメントプリンタSTが構成される。
フィードローラ対15、第2搬送部10及びその周辺部により通帳Tを搬送しながらその通帳Tへのプリントを行いつつ、ステートメントプリンタSTのプリント時にサーマル用紙の搬送も行うパスブックプリンタPBが構成される。
このプリント装置1の制御回路の構成例を図2に示す。ステートメントプリンタSTの制御用及びパスブックプリンタPBの制御用として制御部30が設けられる。この制御部30にステートメントプリンタSTの構成部品及びパスブックプリンタPBの構成部品がそれぞれ接続される。更に制御部30に上位装置31が接続される。
制御部30は、用紙センサ28の駆動制御用として、例えば図3に示すセンサ回路を有している。このセンサ回路では、CPU40に、制御プログラム記憶用のROM41、データ記憶用のRAM42、用紙センサ28に対する駆動信号出力用のD/A(デジタル/アナログ)コンバータ43、及び用紙センサ28に対する駆動信号を操作するための操作部44sが接続される。
D/Aコンバータ43は、用紙センサ28に対する動作電流設定用の直流電圧をCPU40からの指令に応じて出力すると共に、用紙判定用の基準電圧VsをCPU40からの指令に応じて出力する。動作電流設定用の直流電圧は、オペアンプ44で増幅され、かつ抵抗45を介して、NPN型トランジスタ46のベース・エミッタ間に印加される。
用紙センサ28は、サーマル用紙4が搬送される搬送路6bを挟んで対向する発光素子、たとえば発光ダイオード28a及び受光素子たとえばフォトトランジスタ28bから成る。発光ダイオード28aのアノードは直流電圧5Vの正側端子に接続され、発光ダイオード28aのカソードは上記トランジスタ46のコレクタ・エミッタ間及び抵抗47を介してアースされる。
フォトトランジスタ28bのコレクタは抵抗48を介して直流電圧5Vの正側端子に接続され、フォトトランジスタ28bのエミッタはアースされる。このフォトトランジスタ28bのコレクタに生じる電圧が、フォトトランジスタ28bの出力電圧Vとして、比較器49の負側入力端に入力されると共に、CPU40に供給される。
比較器49の正側入力端には、上記CPU40から出力される基準電圧Vsが入力される。また、比較器49の出力端が抵抗50を介して直流電圧3.5Vの正側端子に接続され、その出力端と抵抗50との相互接続点がCPU40に接続される。比較器49は、フォトトランジスタ28bの出力電圧Vと基準電圧Vsとを比較し、出力電圧Vが基準電圧Vs以下に低下したとき、サーマル用紙4がある旨の低レベルの電圧信号を出力する。
次に、用紙センサ28の調整方法について説明する。上記説明では、発光素子の入力電流と受光素子の出力電圧を所定間隔でサンプリングする例について説明したが、ここでは、図3に示す回路構成に基づいて具体的に説明する。
初めに、発光ダイオード28aとフォトトランジスタ28bとの間にサーマル用紙4をセットしておき、操作部44sの操作により、調整モードを設定する。すると、CPU40からD/Aコンバータ43への指令により、D/Aコンバータ43から動作電流設定用の直流電圧が出力されてその電圧レベルが徐々に増大していく。この直流電圧は、オペアンプ44で増幅されてトランジスタ46のベース・エミッタ間に印加される。トランジスタ46は、印加されるベース・エミッタ間電圧の増大に伴い、導通度が増えていく。トランジスタ46の導通度が増えていくのに伴い、発光ダイオード28aに流れる動作電流Iが零から徐々に増大していく。このときの動作電流Iの増大に伴うフォトトランジスタ28bの出力電圧Vの変化を図4の特性曲線51に示す。
すなわち、発光ダイオード28aに流れる動作電流I(mA)が零から徐々に増大していくのに伴い、発光ダイオード28aの発光量が増えていく。発光量が増えていくと、やがて、光がサーマル用紙4を透過し、その透過光がフォトトランジスタ28bに届くようになる。
光がサーマル用紙4を透過しないうちは、フォトトランジスタ28bが光を受けずにオフの状態であり、フォトトランジスタ28bの出力電圧Vは高レベルを維持する。この出力電圧Vは基準電圧Vmよりも高く、よって比較器49の出力は低レベルとなる。
サーマル用紙4を透過した光がフォトトランジスタ28bに届くと、フォトトランジスタ28bがオンの状態となり、フォトトランジスタ28bの出力電圧Vが下降していく。この出力電圧Vが基準電圧Vm以下になると、比較器49の出力が高レベルとなる。
CPU40は、比較器49の出力電圧Vを監視しており、出力電圧Vが下降を始めて予め定められている受光レベルVx以下になると、そのときの動作電流Iを動作電流設定用の直流電圧の出力制御から把握し、把握した動作電流IをI1(図示せず)としてRAM42に記憶する(第1手順)。また、CPU40は、出力電圧Vが受光レベルVx以下となる直前の出力電圧Vを、V1としてRAM42に記憶する(第2手順)。
続いて、発光ダイオード28aとフォトトランジスタ28bとの間からサーマル用紙4を取り除き、その状態で、操作部44sの操作により、調整モードの継続を設定する。すると、CPU40からD/Aコンバータ43に送られる指令により、D/Aコンバータ43から出力されている動作電流設定用の直流電圧が徐々に減少していく。これに伴い、トランジスタ46の導通度が減っていき、発光ダイオード28aに流れる動作電流Iが徐々に減少していく。このときの動作電流Iの減少に伴うフォトトランジスタ28bの出力電圧Vの変化(入力電流減少−出力電圧増大曲線)を図4の特性曲線52に示す。
すなわち、発光ダイオード28aに流れる動作電流Iが徐々に減少していくのに伴い、発光ダイオード28aの発光量が減っていく。発光量が減っていくと、やがて、光がフォトトランジスタ28bに届かなくなる。
光がフォトトランジスタ28bに届いているうちは、フォトトランジスタ28bがオンしており、フォトトランジスタ28bの出力電圧が低レベルを維持する。
光がフォトトランジスタ28bに届かなくなると、フォトトランジスタ28bがオフして、フォトトランジスタ28bの出力電圧が高レベルとなる。
CPU40は、出力電圧Vを監視しており、発光ダイオードの動作電流Iとその時の出力電圧Vの関係をRAM42に記憶する。
また、出力電圧Vが予め定められている非受光レベルVy以上になると、そのときの動作電流Iを動作電流設定用の直流電圧の出力制御から把握し、把握した動作電流IをI2としてRAM42に記憶する。また、CPU40は、出力電圧Vが非受光レベルVy以上となる直前の出力電圧Vを、V2としてRAM42に記憶する。
こうして、I1,V1,I2,V2を記憶すると、CPU40は、発光ダイオード28aの通常動作時の動作電流IをI1,I2の範囲内に設定し、かつフォトトランジスタ28bの出力電圧Vに対する用紙判定用の基準電圧VsをV1,V2の範囲内に設定する。具体的には、発光ダイオード28aの通常動作時の動作電流IをI1とI2の中間値である(I1+I2)/2に設定し、かつフォトトランジスタ28bの出力電圧Vに対する用紙判定用の基準電圧VsをV1,V2の中間値である(V1+V2)/2に設定する。
この設定により、発光ダイオード28aとフォトトランジスタ28bとの間にサーマル用紙4が有るか無いかを、サーマル用紙4の厚さに合わせて適正に検知することができる。
CPU40は、設定した通常動作時の動作電流I及び用紙判定用の基準電圧Vsのデータを、調整モードの設定に際してセットされたサーマル用紙4の種類・名称・型番等に対応付けて、RAM42内の用紙データベースに登録する。この登録をもって調整モードの終了となる。
用紙データベースには、種々のサーマル用紙4を含む複数の紙葉類に合わせた動作電流I及び基準電圧Vsのセットを登録しておくことができる。
一方、CPU40は、通常時、上位装置31から特定の紙葉類が指定されると、その指定された紙葉類に対応する動作電流I及び基準電圧Vsを用紙データベースから読み出し、それを用紙センサ28に対し設定する。
次に、この用紙有無検知装置が出荷された後の特性変化について述べる。図5において特性曲線51,52は、図4に示した、入力電流増大出力電圧減少及び入力電流減少出力電圧増大の各特性曲線である。
出荷時には、搬送路に用紙がないときには特性曲線52が得られている。図3に示す回路例で述べると、発光素子である発光ダイオード28aと受光素子であるフォトトランジスタ28bとの特性に応じて特性曲線51,52が得られる。
ところが、発光ダイオード28aを長期間用いていると、光強度が劣化してくる。そのため、入力電流に対する放射光が弱くなる、すなわちフォトトランジスタ28bがオンからオフへ変化する入射電流が高い方に移動する。入力電流減少−出力電圧増大の特性でみると、変化部分が右側に移動する。具体的には経時変化により特性曲線52が特性曲線52から特性曲線53、特性曲線54、特性曲線55と変化する。これにつれて最適な閾値としての動作電流ImがInへ(右側に)移動する。
一実施形態の用紙有無検知装置のブロック構成例を図6に示す。サーマル用紙4の搬送路を挟んで発光素子61aと受光素子61pが対向して設けられる。
この用紙有無検知装置は、サーマル用紙4が搬送される搬送路を挟んで対向して設けられる発光素子61aと受光素子61pと、この搬送路にサーマル用紙4があるかないかを検知する用紙有無検知部59と、この用紙有無検知部59から用紙有無の検知制御信号を受けるなど全体の動作を制御する中央制御装置(CPU)60と、CPU60から制御され発光素子61aの動作電流を変更する動作電流変更部62と、受光素子61pの出力電圧を検知する出力電圧検知部63と、発光素子61aの動作電流(入力電流)と出力電圧検知部63で検知された受光素子の出力電圧の関係を特性として記憶し、更にこの特性から得られる適切な入力電流と出力電圧の閾値を記憶する特性閾値記憶部64と、装置設置後の入力電流の適切な閾値を算出する電流閾値算出部65と、特性閾値記憶部64に記憶されている出荷前の適切な初期入力電流閾値(又はその後で事前の入力電流閾値)と電流閾値算出部65で算出された現在入力電流閾値を比較し、両閾値の差が所定値を超えていたらその旨の閾値変更要求の制御信号をCPU60に送る電流閾値比較部66と、初期設定及びユーザが装置の操作を行う操作部67と、特性再測定のために装置の状況を検知する装置状況検知部68と、を有する。
ここでは、CPU60、動作電流変更部62、出力電圧検知部63、特性閾値記憶部64、電流閾値算出部65、電流閾値比較部66、装置状況検知部68が、制御部を構成する。
装置状況検知部68の構成例を図7に示す。この装置状況検知部68は、用紙有無検知装置の動作していない連続時間を測定する不動作時間測定部71と、現在時刻を検知する時計72と、プリント装置の周りに人がいるかどうかを検知する人感センサ73とを有する。不動作時間測定部71は、プリント装置が動作を停止するたびに時間測定を開始するタイマーである。
装置状況検知部68の出力はCPU60に入力されている。したがって、用紙有無検知装置の連続不動作時間、現在時刻及び装置の周りに人がいないことはCPU60が検知する。そのときの状況と用紙有無検知部59の出力から入力電流減少出力電圧増大特性を測定するかどうかをCPU60が検知して、動作電流変更部62に特性測定のために動作電流変更(減少)を指示することになる。
まず、この用紙有無検知装置が、出荷前に特性を測定されるときの動作を説明する。用紙有無検知部59により搬送路にサーマル用紙4があることが検知される。サーマル用紙4があることが用紙検知制御信号としてCPU60に送られる。
サーマル用紙4を介在させた状態で、動作電流変更部62の動作電流は、CPU60から制御される。発光素子61aに供給される電流は動作電流変更部62から制御される。
サーマル用紙4を搬送路にセットした状態で、発光素子61aの動作電流を徐々に増大させる。実際には、0〜255のデジタル値を発光素子61aに送って対応する電流を流すことになる。そして、8レベルごとにこのデジタル値を加えていき、動作電流を増加させる。
発光素子61aの動作電流を所定サンプリング間隔で順次、増大する方向に発光素子に61aに送られると、図4の入力電流増加−出力電圧減少の特性曲線51が得られる。
出力電圧検知部63は受光素子61pで受光した光に対応する電圧を検知し、特性閾値記憶部64に送る。発光素子61aの動作電流も特性閾値記憶部64に入力されており、発光素子61aの動作電流Iと受光素子61pの出力電圧Vが特性記憶部67に記憶される。
次に、発光素子61aと受光素子61pの間の搬送路内からサーマル用紙4を取り除いた状態にする。サーマル用紙4が搬送路にないことは用紙有無検知部59により検知される。CPU60は操作部67により制御される。
そして、CPU65の制御のもとに、動作電流変更部62において所定のサンプリング間隔で発光素子61aの動作電流を減少させていき、受光素子61pの出力電圧を出力電圧検知部63で検知する。この時の発光素子61aと受光素子61pの出力電圧の特性は特性閾値記憶部64に記憶される。この特性は図4に示す入力電流減少出力電圧増大特性曲線52のサンプリングデータとして特性閾値記憶部64に記憶されることになる。これらの入力電流増加−出力電圧減少曲線(第1の特性曲線)51、入力電流減少出力電圧増大曲線(第2の特性曲線)52を基本特性曲線という。
特性曲線51と特性曲線52から入力電流閾値Imと出力電圧閾値Vmを求める。これらの閾値は、特性閾値記憶部64に記憶される。
次に、出荷後にユーザのもとで自動的に入力電流減少出力電圧増大の特性を自動的に測定する場合について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
後述するように、後述するように特性の再測定は、時計72あるいは人感センサ73による検知状態によっても変えることがあるが、ここでは装置の不動作時間測定部71の出力測定結果によってのみ、特性再測定を行う基本的な実施形態について説明する。
図8において、まずA801で、CPU60は装置が動作を開始したかどうかを検知する。装置が動作を開始していなければ、開始を検知するまで待つ。CPU60が装置の動作開始を検知すると、A802で、CPU60は装置が動作を停止したかどうかを検知する。装置が動作を停止すると、用紙有無検知部59は、A803で用紙有無検知部59によりサーマル用紙4が搬送路にないかどうかを検知する。用紙有無検知部59からサーマル用紙4が搬送路にないことを検知すると、CPU60は、装置状況検知部68の不動作時間測定部71に測定開始制御信号を送り、不動作時間の測定を開始させる(A804)。
A805では、CPU60は装置が動作を開始したかどうかを検知する。不動作時間計測中に装置が動作を開始(A805でY)したら、A802に戻ってCPU60は装置が動作を停止したかどうかを検知する。
一方、不動作時間の計測中に装置が動作しない場合には、A806において不動作時間測定部71は、現在までの連続不動作時間を所定時間(特性再測定時間)と比較することにより、装置の不動作が継続してこの所定時間を超えたかどうか検知する。不動作時間測定部71は、この所定時間を超えない限りその時間の測定を継続する。
不動作が所定時間を超えた(A806でY)場合には、CPU60はユーザがこの装置をしばらく使用しないと判断し、A807で入力電流減少出力電圧増大の特性(図4の特性曲線52に相当する特性)を測定し直すことになる。CPU60は、動作電流変更部62に発光素子61aの動作電流を所定電流から減少させる方向に変化させる。そして用紙有無検知部59により搬送路にサーマル用紙4がないことを検知した状態で、発光素子61aから光を発射させ、受光素子61pで光を受光する。
このときの発光素子61aの動作電流と受光素子61pから出力される出力電圧の特性は、特性閾値記憶部64に記憶される。この特性は例えば図5で特性曲線53に示すようになる。オンからオフに変わるときの発光素子の出力光量が同じとすれば経年変化により、必要な入力電流は大きくなるので、再測定された特性曲線53は、最初の特性曲線52より変化部分が右側にくる特性曲線となる。
このようにして、特性曲線53が得られると、その特性曲線53と出荷時に測定された入力電流増大出力電圧減少の特性曲線51(図4)から適切な入力電流閾値及び出力電圧閾値が求められる。
このときの入力電流閾値は電流閾値算出部65が計算する(A808)。このときの適切な閾値を先の入力電流閾値と電流閾値比較部66において比較される(A809)。
閾値差が所定値を超えたときには、A811で、CPUの制御の下でこの現在の入力電流閾値を新しく入力電流閾値に設定し、特性閾値記憶部64に記憶する。これが完了すると、再びA801に戻る。
一方、A810で、電流閾値比較部66においてこの両閾値の差が予め定められた所定値と比較されこの差が小さいこと(A810でN)検知されたときには、もとに戻ってA801で装置の動作開始を検知する。このように、閾値差が所定値を超えたときに閾値を再設定するのは、この閾値差が小さいときは、それほど頻繁に閾値を変えても効果が少ないためである。勿論、特性曲線を測定するたびごとに閾値を再設定するようにしてもよい。
なお、経年変化により発光素子の入力電流に対する発光量が少なくなると、特性曲線は図5の特性曲線53,54,55に示すように変化する。これらの閾値が徐々に大きくなるので、例えば特性曲線55に示すように閾値が大きくなったときに閾値を更新するようにできる。
また、用紙がないことを検知したときの特性曲線を求め、閾値(電圧値)を求めて記憶し、この閾値を予め定めた所定回数記憶してその平均を求めてその平均値を計算する。この平均値が現在の閾値と一定以上かい離しているときに、今回算出された、用紙なしのときの電圧値をもとに閾値の算出を行い以後の用紙有無の判別に使用する。そして、今回閾値を算出した平均化された用紙なしの電圧値を次回の比較用に記憶しておくようにすることもできる。
本実施形態によれば、装置がユーザのもとで使用されて経年変化を起こした場合にも自動的に入力電流の適切な閾値を再設定することが可能となり、用紙有無の検知は従来に比べて正確さを維持することが可能となる。
なお、上記実施形態では、図7に示す装置状況検知部68内の不動作時間測定部71により装置が動作していない時間のみにより特性を測定し再設定する場合について述べた。
しかし本発明は、これだけでなく、例えば現在時刻と組み合わせて、現在時刻が夜であり、その時に不動作時間が所定時間続いたときに上述のように特性曲線を求めるようにすることができる。現在時刻は、時計72により検知することができ、CPU60は、不動作時間測定部71で装置が所定時間経ったことと、現在時刻範囲、例えば夜23時以降でかつ朝の5時前であることを検知し、さらに、現在用紙有無検知部59によって搬送路に用紙がないことを検知して、入力電流減少出力電圧増大の特性を測定する。そして現在の適切な入力電流閾値を求める。
また、人感センサ73により装置の周りに人がいないことを検知し、その状態で装置の不動作時間が所定時間経過した場合にのみ、特性測定をし直すようにすることもできる。
この実施形態では、人感センサ73により装置の周辺に人(動くもの)がいないことを検知し、その時に不動作時間測定部71で所定時間、装置が動作していないことを検知する。このような装置状況の情報は装置状況検知部68からCPU60に送られる。一方、搬送路に用紙がないことは用紙有無検知部59で検知され、この情報もCPU60に送られる。
CPU60では、これらの情報に基づいて入力電流減少出力電圧増大の特性を求めるための動作を動作電流変更部62などに指示して特性を測定することができる。
上記実施形態では、入力電流減少出力電圧増大特性における経年変化による入力電流閾値の変化について述べた。しかしこれだけでなく、出力電圧の適切な閾値も変化する場合があり、このときに入力電流閾値の再設定だけでなく、出力電圧の再設定を行うことも可能であり、この閾値も再設定すれば、更に正確に紙葉類有無検知を行うことができる利点がある。この場合も、連続不動作時間のみでなく、現在時刻が所定時刻範囲内にあること、あるいは、装置の周りに人がいないことを条件とすることができる。
なお、上記実施形態では、用紙センサの調整についてのみ説明したが、通帳センサの調整についても同様に実施可能である。
また、ステートメントプリンタST及びパスブックプリンタPBからなるプリント装置でサーマル用紙に印字する例について説明した。しかし、サーマル用紙に限られず、複写機やファクシミリ装置など、一般的には紙葉類を光学的に検知する紙葉類センサを有するものであれば、他の装置や機器にも同様に適用可能である。
実施形態によれば、経年変化により発光素子の光が弱くなっても、紙葉類有無の適切な閾値を自動的に設定可能な紙葉類有無検知装置及び紙葉類有無検知方法が得られる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。