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JP2016011477A - 人工皮革用基体およびその製造方法 - Google Patents

人工皮革用基体およびその製造方法 Download PDF

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JP2016011477A
JP2016011477A JP2014133607A JP2014133607A JP2016011477A JP 2016011477 A JP2016011477 A JP 2016011477A JP 2014133607 A JP2014133607 A JP 2014133607A JP 2014133607 A JP2014133607 A JP 2014133607A JP 2016011477 A JP2016011477 A JP 2016011477A
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真 住田
Makoto Sumita
真 住田
誠 山科
Makoto Yamashina
誠 山科
一 西村
Hajime Nishimura
一 西村
行博 松崎
Yukihiro Matsuzaki
行博 松崎
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Abstract

【課題】繊維および高分子弾性体で構成された人工皮革用基体を染色し、繊維と高分子弾性体との色斑がなく、磨耗特性が良好かつ表面品位に優れた人工皮革用基体とその製造方法の提供。
【解決手段】ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と難溶出成分からなる複合繊維から、易溶出成分を溶出処理することによって得られた繊維からなる不織布と、高分子弾性体からなる人工皮革用基体であって、シート面部分に露出している高分子弾性体の面積の平均値が0.1mm以下であることを特徴とする人工皮革用基体。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面品位が良好であり磨耗特性に優れた人工皮革用基体およびその製造方法に関するものである。
人工皮革は、一般的に極細繊維発生型繊維を絡合処理により得られた不織布に、高分子弾性体を付与し、極細繊維を発現させることにより得られる。複合繊維を絡合させる方法としては、ニードルパンチやウォータジェットパンチ等が挙げられるが、一般的に、ニードルパンチによる絡合は、ニードル素材と繊維の摩擦や、原綿の剛性、強度および捲縮等が影響し複雑な挙動を示すことが知られている。
人工皮革の品位や摩擦特性等の物性は、不織布を構成する繊維密度が高く、緻密であるほど良好となる傾向がある。そのため、人工皮革用基体としては、高絡合で高密度の不織布とすることが一般的に求められている。この要求に対するひとつの解決策としては、ニードルパンチの本数を多くし、繊維を厚み方向に配向させることが挙げられる。そこで、繰り返しのニードルパンチに耐えうるように、繊維の剛性を高くできるポリマーが好ましく用いられてきた。例えば、極細繊維発生型繊維である海島型複合繊維の海成分に、高い剛性を有する特定のポリスチレンを用いることにより、ニードルパンチ工程において高絡合させることに成功している(特許文献1参照。)。
また近年、環境意識の高まりから、有機溶剤不使用の製造プロセスが注目されるようになり、繊維とニードルの摩擦抵抗が低く、かつ極細繊維発生の際にアルカリ処理により溶解が容易な、共重合ポリエステル系の海成分を用いた試みとして、種々の検討がなされてきた(特許文献2参照。)。しかしながら、ポリエステル系の繊維は、ポリスチレン等に代表されるポリマーに比べて繊維の剛性が低いことから、ニードルパンチを行ったときに、厚み方向に突き刺さるニードルと繊維の摩擦により、不織布が厚み方向にヘタリ易く、十分な絡合を得るために、ニードルパンチの本数を増加させていくと、不織布を構成する繊維が絡合せず、高密度化し柔軟性が損なわれるだけでなく、低絡合により人工皮革用基体として磨耗特性が低下する傾向があった。また、ニードルパンチにより、厚み方向に形成された穴には後工程で付与される高分子弾性体が充填され易く、人工皮革用基体表面の高分子弾性体の塊として顕在化する傾向があった。
上記のように従来技術においては、剛性の低い複合繊維、例えばポリエステルの複合繊維を用いて、高絡合で高品位の人工皮革用基体を得ることは困難であった。
特公昭55−20011号公報 特開2001−55670号公報
そこで本発明の目的は、上記のような従来技術の課題に鑑み、人工皮革用基体表面の高分子弾性体の露出を抑制し、表面品位に優れるとともに、高い摩擦特性を有する人工皮革用基体と、その製造方法を提供することにある。
本発明の人工皮革用基体は、ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と難溶出成分からなる複合繊維から、前記の易溶出成分を溶出処理することによって得られた繊維からなる不織布と、高分子弾性体からなる人工皮革用基体であって、シート面部分に露出している高分子弾性体の面積の平均値が0.1mm以下であることを特徴とする人工皮革用基体である。
本発明の人工皮革用基体の好ましい態様によれば、JIS L1096(2010) 8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験における磨耗減量は、10mg以下である。
また、人工皮革用基体の製造方法は、ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と難溶出成分からなる複合繊維から、前記の易溶出成分を溶出処理することによって得られた繊維からなる不織布と、高分子弾性体からなる人工皮革用基体の製造方法であって、前記の不織布または前記の不織布と織編物をニードルパンチにより一体化させるシート状物の製造工程において、シート状物貫通部分のニードル断面積が0.10mm以上0.15mm以下で、かつ、バーブ深さが0.05mm以上0.07mm以下のニードルを用いてニードルパンチを行うことを特徴とする人工皮革用基体の製造方法である。
本発明によれば、ニードルパンチにおいてニードルと複合繊維の摩擦による不織布の高密度化を抑制し、不織布中の空隙を小さくすることにより、人工皮革用基体中の高分子弾性体の塊を微細化することができ、高分子弾性体の塊がシート表面で目立ち難く、表面品位に優れ、そして高い磨耗特性を有する人工皮革用基体が得られる。
本発明の人工皮革用基体を構成する繊維の基体(原料)となる複合繊維は、ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と、難溶出成分からなる複合繊維であることが重要である。
本発明で用いられる複合繊維を構成する易溶出成分としては、例えば、一成分にエチレンテレフタレート単位を主とした繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを含んでなることが好ましく、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステルが好ましく用いられる。また、同様にしてエチレングリコール成分の一部を他のポリオール成分で置き換えたポリエステルが好ましく用いられる。中でも優れたアルカリ減量性を得るために、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3〜12モル%共重合してなる共重合ポリエステル、およびこの共重合ポリエステルにポリアルキレングリコールを1〜10重量%含んでなるポリエステル組成物が好ましく用いられる。5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合割合は、より好ましくは5〜11モル%の範囲である。
本発明で使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の芳香族、脂肪族、および脂環族の二官能性カルボン酸が好ましく用いられる。
また、エチレングリコール以外のポリオール化合物としては、例えば、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の脂肪族、脂環族、および芳香族のポリオール化合物が好ましく用いられる。
本発明で用いられる複合繊維を構成する難溶出成分としては、例えば、上述のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィド等を挙げることができる。ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは、融点が高いものが多く、例えば、人工皮革用基体等とした場合に、良好な性能を示すことから、本発明で好ましく用いられる。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポチトリメチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、ポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン12等を挙げることができる。
本発明において、ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分の易溶出とは、有機溶剤等の溶剤やアルカリ等の水溶液に対し、難溶出成分に対する溶解度が100倍以上であることをいい、好ましくは200倍以上のものをいう。易溶出成分の溶出工程において、溶出水溶液の濃度と温度を調整することにより、溶解度の差が100倍以上の溶解度を得ることができ、難溶出成分にダメージを与えにくく、難溶出成分の分散状態が良好なポリウレタン付シートを得ることができる。易溶出成分の溶出に用いられるアルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられ、十分なアルカリ減量性を得るための水溶液の濃度は1〜20%とすることが好ましく、2〜10%とすることがより好ましい態様である。水酸化ナトリウム水溶液の温度は、70〜98℃が好ましく、より好ましくは85〜95℃である。
本発明で用いられる複合繊維とは、特公昭48−2216号公報等による高分子相互配列体繊維、特公昭51−21041号公報等による混合紡糸繊維、および特開平9−310230号公報による分割型複合繊維等を好ましく用いることができる。
複合繊維から得られる極細繊維の平均繊維径は、0.1〜10μmとすることが好ましい。平均繊維径を好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とすることにより、例えば、スエード調の人工皮革とした場合に良好なタッチを得ることが可能となる。一方、平均繊維径を好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上とすることによって、優れた繊維強度および剛性を維持することができる。
本発明の人工皮革用基体としては、短繊維をカードやクロスラッパーを用いて積層繊維ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータジェットパンチを施して得られる短繊維不織布、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる長繊維不織布、および抄紙法で得られる不織布などを採用することができる。中でも、短繊維不織布やスパンボンド不織布は、厚み均一性等が良好なものが得られるため好ましく用いられる。
本発明の人工皮革用基体は、強度を向上させるなどの目的で、不織布に織物や編物を積層し裏張りすることも好ましい態様である。不織布と織編物をニードルパンチで積層一体化する場合、織編物を構成する繊維のニードルパンチによる損傷を防ぐため、織編物の糸条を強撚糸とすることが好ましい。糸条の撚数は、700T/m〜4500T/mが好ましい範囲である。また、織編物を構成する繊維の繊維径は、不織布を構成する極細繊維の繊維径と同じ、もしくはさらに細いものを用いることができる。
本発明で用いられる複合繊維から易溶出成分である易溶解性のポリエステル系のポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に複合繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。また、極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。
本発明で用いられる複合繊維から、易溶解性ポリマーを除去した後に得られる極細繊維束の形態としては、極細繊維同士が多少離れていてもよいし、部分的に結合していてもよいし、凝集していてもよい。
本発明の人工皮革用基体は、前記した不織布等の繊維絡合体に高分子弾性体が付与されてなるものである。これにより、高分子弾性体のバインダー効果により極細繊維が人工皮革用基体から抜け落ちるのを防止することができるだけでなく、適度なクッション性を付与することが可能となる。
本発明の人工皮革用基体を構成する不織布の製造に用いられるニードルとしては、ニードルの先端部分に、ニードルバーブ(切りかき)を有し、不織布シート貫通部分の断面積は0.08mm以上0.20mm以下が好ましく、0.10mm以上0.15mm以下がより好ましい。針の断面積を0.15mm以下とすることにより、ニードルパンチで生じた不織布構造内の空隙を微小化することができ、緻密な表面品位を持つ人工皮革用基体を得ることができる。また、高分子弾性体と一体となるとき、空隙に入り込んだ高分子弾性体も、空隙の大きさと同じく小さくなるため、染色後の極細繊維と高分子弾性体の染め斑を目立ち難くすることできる。断面積を0.10mm未満にすると、ニードルの強度が損なわれ、ニードルパンチの際に不織布との衝撃で、ニードルが折損することがある。
また、ニードルのバーブ深さは、ニードルの断面積の大小に関わらず、0.05mm以上0.07mm以下である。キックアップとスロートデプスの和で示されるバーブ深さを0.05mm未満にすると、繊維の絡合が不十分となり、人工皮革基体の繊維の緻密さが損なわれ、磨耗特性が低下する傾向にある。また、バーブ深さを0.07mmより深くすると、バーブに引っ掛かる繊維の本数が多くなり、不織布構造内の空隙は大きくなり、ニードル断面積を大きくした場合と同じく、極細繊維と高分子弾性体の染め斑が目立ち、表面品位を大きく損なうことがある。
本発明の人工皮革用基体に付与される高分子弾性体としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマーなどを用いることができるが、柔軟性とクッション性の観点からポリウレタンが好ましく用いられる。
ポリウレタンとしては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、あるいはポリエステルポリエーテルジオール等のポリマージオール等から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系およびヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系のジイソシアネート等から選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートと、エチレングリコール、ブタンジオール、エチレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物を、所定のモル比で反応させて得られたポリウレタンおよびその変性物が挙げられる。
ポリウレタン系エラストマーの重量平均分子量は、好ましくは50,000〜300,000である。重量平均分子量を好ましくは50,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは150,000以上とすることにより、人工皮革用基体の強度を保持し、また極細繊維の脱落を防ぐことができる。また、重量平均分子量を好ましくは300,000以下、より好ましくは250,000以下とすることにより、ポリウレタン溶液の粘度の増大を抑えて極細繊維層への含浸を行いやすくすることができる。
また、高分子弾性体には、ポリエステル系、ポリアミド系およびポリオレフィン系などのエラストマー樹脂、アクリル樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル樹脂などを含有させることができる。
また、本発明で用いられる高分子弾性体には、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料酸化防止剤、酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤および防臭剤などの添加剤を配合させることができる。
また、高分子弾性体は、有機溶剤中に溶解していても、水中に分散していてもどちらも使用することができる。
本発明の人工皮革用基体に含まれる高分子弾性体の含有量は、5〜200質量%であることが好ましい。高分子弾性体の含有量によって、人工皮革用基体の表面状態、クッション性、硬度および強度などを調節することができる。含有量を好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上とすることにより、繊維脱落を少なくすることができる。一方、含有量を200質量%以下、より好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下とすることにより、極細繊維がシート面上に均一分散した状態を得ることができる。
本発明の人工皮革用基体の面部分に露出している、高分子弾性体の面積は0mm以上0.2mm以下であることが好ましく、より好ましくは0mm以上0.1mm以下である。人工皮革用基体を構成する極細繊維と高分子弾性体の染め斑を、高分子弾性体を小さくし、目立ち難くすることにより良好な表面品位が得られる。
極細繊維発生加工は、立毛処理前に行ってもよく立毛処理後に行うこともできる。
本発明の人工皮革用基体は、極細繊維と高分子弾性体の染め斑が良好であるだけでなく、繊維同士の絡合が失われておらず、構造安定性にも優れている。そのため、磨耗特性が優れており、マーチンデール試験(JIS L1096磨耗強さE法)で等級が3級以上であることを特徴とする。磨耗減量は、0mg以上20mg以下であることが好ましく、より好ましくは0mg以上10mg以下であり、衣料や雑貨用途および工業材料等、幅広い用途の人工皮革用基体として好適に用いることができる。
次に、本発明の人工皮革用基体を製造する方法について説明する。
本発明の人工皮革用基体の製造に用いられる複合繊維としては、溶剤等への溶解性の異なる2成分の熱可塑性樹脂を海成分と島成分に用い、海成分を溶剤等を用いて溶解除去することによって島成分からなる極細繊維とする海島型繊維を用いることができ、ポリエステル系のポリマーからなる易抽出成分と、難抽出成分からなることが重要である。
海島型繊維としては、海島型複合用口金を用い海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する海島型複合繊維や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸繊維などがあるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点、また十分な長さの極細繊維が得られシート状物(繊維絡合体)の強度にも資する点から、海島型複合繊維が特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる複合繊維は、座屈捲縮が付与されていることが好ましい。捲縮により、短繊維不織布を形成した場合の繊維間の絡合性が向上し、高密度で高絡合化が可能となるためである。捲縮を付与するためには、通常のスタッフィングボックス型のクリンパーが好ましく用いられるが、本発明の人工皮革用基体を得るためには、クリンパーに投入する複合繊維の平均複合繊維繊度の合計値、クリンパー温度、クリンパー加重および押込み圧力等を適宜調整することが好ましい。これらのうち、クリンパー温度(捲縮付与時の温度)が最も重要であり、クリンパー温度を好ましくは80℃以下とすることにより、複合繊維捲縮が緩やかに熱セットされ、後工程のニードルパンチでの繊維の絡合挙動が抑制されることを防ぐことができる。
本発明で用いられる複合繊維の海成分の溶解除去は、人工皮革用基体とした場合、高分子弾性体を付与する前、付与した後、起毛処理後のいずれの段階で行うことができる。
本発明において、複合繊維からなる不織布を得る方法としては、前述のとおり、繊維ウェブをニードルパンチやウォータジェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法、および抄紙法などを採用することができ、中でも、前述のような繊維束の態様とする上で、ニードルパンチを経る方法が好ましく、その過程で織編物を一体化させることができる。
ニードルパンチ本数は、1000〜6000本/cmであることが好ましく、より好ましくは2500〜5000本/cmの範囲である。本発明で挙げられる複合繊維は剛性が低く、ニードルパンチを行ったときに厚み方向にヘタリ易く、繊維の絡合が進み難い。従って、パンチング本数を2500本/cm以上とすることがより好ましく、これにより絡合が十分となり、緻密感と摩擦特性を得ることができる。
一方、パンチング本数を5000本/cm以下とすることより、過剰なニードルパンチによる加工性の悪化、複合繊維の損傷および強度低下を防ぐことができ、さらには高密度を抑制し、ニードルパンチで発生した不織布中の空隙を小さくし、繊維と高分子弾性体との色斑が際立つことを防ぐことができる。
ニードルの不織布を貫通する部分で、最も太い部分の断面積は0.10〜0.15mmの範囲であることが重要である。断面積を0.15mm以下とすることにより、不織布中の空隙を小さくし、極細繊維と高分子弾性体との色斑が際立つことを防ぐことができるほか、ニードルパンチでのニードル表面と不織布中の複合繊維との摩擦を抑制し、不織布の高密度化を防ぐのである。一方、断面積を0.10mm以上することで、ニードルパンチでの衝撃でニードルが折損することを防ぐことができる。
ニードルパンチ処理に用いられるニードルにおいて、ニードルバーブ(切りかき)の数は好ましくは1〜9本である。ニードルバーブを1本以上とすることにより、効率的な複合繊維の絡合が可能となる。一方、ニードルバーブを9本以下とすることにより、複合繊維の損傷を抑えることができる。
ニードルバーブに引っかかる複合繊維の本数は、バーブの形状と複合繊維の直径によって決定される。そのため、ニードルパンチ工程で用いられるバーブ形状は、不織布の構造を決定する重要なであり、アンダーカットアングルは0〜40°、バーブ深さは40〜130μm、スロートレングスは0.5〜1.0mmのものが好ましく用いられるが、バーブ深さは50〜70μmのニードルがより好まし用いられる。バーブ深さが50μm未満になると複合繊維の絡合が損なわれ、不織布の形態が不安定となり、加工性が悪化したり人口皮革用基体の緻密さが損なわれることがある。また、バーブ深さを70μmより深くすると、バーブに引っ掛かる複合繊維の本数が増加して、ニードルパンチにより形成される不織布の空隙が大きくなり、人工皮革用基体としたあとでも、空隙は目立つ傾向にある。
ニードルパンチ処理後の不織布の見掛け密度は、0.15〜0.30g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.23〜0.25g/cmである。見掛け密度を0.23g/cm以上とすることにより、人工皮革用基体として、より形態が安定して、加工性が安定するだけでなく、緻密な表面品位と高い摩擦特性が得られる。一方、見掛け密度を0.25g/cm以下とすることにより、不織布中に高分子弾性体を付与するための十分な空間を維持することができる。見掛け密度は、より好ましくは0.23〜0.25g/cmである。
このようにして得られた複合繊維からなる不織布においては、品位で重要となる繊維の緻密化の観点と、ニードルパンチにより形成された空隙を小さくする観点と、その空隙で生じるポリウレタンの面積を小さくする観点から、使用する複合繊維の湿熱収縮率は、10〜50%であることが好ましい。
本発明において、複合繊維からなる不織布から易溶出成分である易溶解性のポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、前述のとおり、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に複合繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。
また、極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。また、極細繊維発生加工は、立毛処理前に行ってもよく立毛処理後に行うこともできる。
高分子弾性体は、極細繊維発生加工の前に付与することもでき、極細繊維発生加工の後に付与することもできる。
本発明において、高分子弾性体としてポリウレタンを付与させる際に用いられる溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられるが、ポリウレタンを水中にエマルジョンとして分散させた水分散型ポリウレタン液として用いることもできる。
溶媒に溶解した高分子弾性体の溶液に、不織布を浸漬する等して高分子弾性体の溶液を不織布に付与し、その後、乾燥することによって高分子弾性体を実質的に凝固し固化させる。溶剤系のポリウレタン溶液の場合は、非溶解性の溶剤に浸漬することにより凝固させることができ、また、ゲル化性を有する水分散型ポリウレタン液の場合は、ゲル化させた後乾燥する乾式凝固方法等で凝固させることができる。乾燥にあたっては、不織布および高分子弾性体の性能が損なわない程度の温度で加熱することができる。
本発明の人工皮革用基体は、少なくとも片面に立毛を形成させることができる。立毛処理には、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて行うことができる。特に、サンドペーパーを用いることにより、均一かつ緻密な立毛を形成することができる。さらに、人工皮革用基体の表面に均一な立毛を形成させるためには、研削負荷を小さくすることが好ましい。研削負荷を小さくするためには、例えば、バフ段数を3段以上の多段バッフィングとし、各段に使用するサンドペーパーの番手を、JIS規定の150番〜600番の範囲とすることがより好ましい態様である。
本発明の人工皮革用基体には、例えば、染料、顔料、柔軟剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤および耐候剤等の機能性薬剤を含有させることができる。
本発明の人工皮革用基体は、染色を施すことが好ましい。染色手段としては、シートを染色すると同時に揉み効果を加えて柔軟化できることから、液流染色機が好ましく用いられる。染色温度は、70〜120℃の温度が好ましい。染料は、難溶出成分がポリエステルの場合は、分散染料が好ましく用いられる。また、染色後に還元洗浄を行うことができる。
本発明の人工皮革用基体およびそれを必要に応じて、シリコーン等の柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤および耐光剤等の仕上げ処理を施すことでできる人工皮革は、前述のとおり、シート表面に露出している高分子弾性体の面積の平均値が0.1mm以下であることが重要である。染色後に高分子弾性体面積の平均値を0.1mm以下とすることにより、濃色部分としてシート表面の大半を占める極細繊維中に、淡色部分としてシート表面に点在する、高分子弾性体が目立たず、良好な表面品位が得られるのである。また、染色の均一性を向上させる目的で、染色時に染色助剤を用いることが好ましく、さらにシリコーンなどの柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤および耐光剤等の仕上げ処理を行ってもよい。仕上げ処理は、染色後でも染色と同浴で行うことができる。
本発明の人工皮革用基体およびそれを用いてなる人工皮革は、品位と摩擦特性に優れるため、衣料、靴、雑貨、自動車内装材(カーシートや天井材など)、CD、DVDカーテン、研磨布、クリーニングテープおよびワイピングクロス等の工業資材用途等として好適に用いられる。
[測定方法および評価用加工方法]
(1)人工皮革用基体の見掛け密度
JIS L1913 6.2(2010)に準じて目付(g/m)を測定し、ダイヤルシックネスゲージ(株)尾崎製作所、商品名“ピーコックH”(登録商標)により厚み(mm)を測定した。目付と厚みの値を用い、見掛け密度(g/cm)を算出した。
(2)マーチンデール摩耗試験
JIS L1096(2010) 8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験において、20000回の回数を摩耗した後の試験布の重量減を評価した。摩耗減量10mg以下を性能良好とした。
(3)人工皮革用基体の表面の高分子弾性体の面積
人工皮革用基体の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)で観察し、視野内で無作為に抽出した個の高分子弾性体の面積を測定した。ただし、これを3ヶ所で行い、合計15個ヶ所の高分子弾性体の面積を測定し、小数点第2位を四捨五入して平均値を算出した。面積0.1mm以下のものを品位良好とした。
(4)表面品位評価
対象者10名の官能検査により人工皮革製品表面の緻密さと染め斑を評価した。7名以上が優れたと判定したものを(丸〇)、3〜6名が優れたと判断したものを(三角△)、3名以下が優れたと判断したものを(バツ×)と各々区分した。(三角△)と(丸○)を合格とした。
[実施例1]
<原綿>
(島成分ポリマー)
融点が260℃、MFRが46.5のPETを用いた。
(海成分ポリマー)
融点が240℃、MFRが100の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したPET(共重合PET1)を用いた。
(紡糸、延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、16島/ホールの海島型複合紡糸口金を用いて、紡糸温度285℃、島/海質量比率55/45、および紡糸速度1200m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、72℃の温度の液浴中でトータル倍率が3.4倍となるように2段延伸し、スタッフィングボックス型のクリンパーを用いて、クリンパー温度65℃で捲縮を付与した。得られた複合繊維は、単繊維繊度が4.5dtexであった。この複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記のようにして得られた原綿を用い、カードとクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成した。次いで、バーブ深さが0.05mm、不織布貫通部分の断面積が0.11mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度7mm、パンチ本数4500本/cmでニードルパンチし、目付が800g/m、見掛け密度が0.234g/cmの不織布を作製した。得られた不織布は、ニードルパンチによる空隙が目立たず良好なものであった。
<水分散型ポリウレタン液>
非イオン系強制乳化型ポリウレタンエマルジョン(ポリカーボネート系)に、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムをポリウレタン固形分対比4質量%添加し、ポリウレタン液濃度が10質量%となるように<水分散型ポリウレタン液>を調整した。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を98℃の温度で3分間熱水収縮処理し、100℃の温度で5分間乾燥させた。その後、この不織布に上記の水分散型ポリウレタン液を付与し、乾燥温度125℃で5分間熱風乾燥して、ポリウレタンの付着量が不織布の島成分に対して35質量%であるポリウレタン付シートを得た。
上記のようにして得られたポリウレタン付シートを、易溶出成分(海成分ポリマー)と難溶出成分(島成分ポリマー)の溶解度の差が200倍以上となるように、90℃の温度に加熱した濃度2%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分間処理し、複合繊維から海成分ポリマーを溶解除去した。得られたポリウレタン付シートは、難溶出成分へのダメージが少なく、分散状態は良好であった。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁し、非半裁面をJIS#320番のサンドペーパーを用いて3段研削して立毛を形成させた後、液流染色機で染色し、表面に露出している高分子弾性体の面積が、0.04mmの人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体は、染め斑と緻密さが良好であり、摩耗減量は6mgと良好なものであった。結果を、表1に示す。
[実施例2]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.06mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加工を実施した。目付が794g/mで、見掛け密度が0.238g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面に露出している高分子弾性体の面積が0.05mmの人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体は、染め斑と緻密さが良好であり、摩耗減量も7mgと良好であった。結果を、表1に示す。
[実施例3]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、分子量20,000のポリエチレングリコールを2.0質量%メルトブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、複合繊度4.5dtexの複合繊維を得た。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットし海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施した。目付が824g/mで、見掛け密度が0.240g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、ポリウレタン付シートを得た。得られたポリウレタン付シートは難溶出成分へのダメージが少なく、実施例1よりも分散状態は良好であり、人工皮革用基体は、表面に露出している高分子弾性体の面積が0.05mm、染め斑と緻密さが良好であり、摩耗減量も6mgと良好であった。また、実施例1よりも柔らかい触感を持つものであった。結果を、表1に示す。
[実施例4]
<原綿>
(島成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用いた。
(海成分ポリマー)
融点240℃、MFR100の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%共重合したPET(共重合PET2)を用いた。
(紡糸、延伸)
上記の海成分ポリマーを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例2と同様にして加工を実施した。目付が813g/mで、見掛け密度が0.238g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、ポリウレタン付シートを得た。得られたポリウレタン付シートは難溶出成分へのダメージが少ないが、実施例1よりもやや分散性に劣るものであった。得られた人工皮革用基体は、表面に露出している高分子弾性体の面積が0.06mmで、染め斑と緻密さが良好であり、摩耗減量も6mgと良好であった。結果を、表1に示す。
[実施例5]
<原綿>
(島成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用いた。
(海成分ポリマー)
融点240℃、MFR100の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを11モル%共重合したPET(共重合PET3)を用いた。
(紡糸、延伸)
上記の海成分ポリマーを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例2と同様にして加工を実施した。目付が829g/mで、見掛け密度が0.238g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、ポリウレタン付シートを得た。得られたポリウレタン付シートは分散性に優れているが、難溶出成分へのダメージが多くみられた。得られた人工皮革用基体は、表面に露出している高分子弾性体の面積が0.06mmで、染め斑と緻密さが良好であり、摩耗減量も7mgと良好であった。結果を、表1に示す。
[実施例6]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、不織布貫通部分の断面積が0.15mmのニードルを用いたこと以外は、実施例2と同様にして加工を実施した。目付が794g/mで、見掛け密度が0.243g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.08mmと若干大きくなったことで、染め斑は若干悪化したが、緻密さは良好であり、摩耗減量は8mgとなった。結果を、表1に示す。
[実施例7]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが7mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。目付が794g/mで、見掛け密度が0.244g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.08mmと若干大きくなったことで染め斑は、若干悪化したが、緻密さは良好であり、摩耗減量は5mgとなった。結果を、表1に示す。
[実施例8]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例2と同様にして加工を実施した。目付が794g/mで、見掛け密度が0.239g/cmの不織布を得た。
<ポリウレタン液>
ポリカーボネート系ポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を固形分濃度12%に調整した。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を、96℃の温度の熱水で収縮させた後、PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥することにより、シート基体の質量に対するPVA質量が22質量%のシート基体を得た。このシート基体をアルカリ中に浸漬して海成分ポリマーを溶解除去し、極細繊維と平織物が絡合してなる脱海シートを得た。このようにして得られた極細繊維からなる不織布と平織物とからなる脱海シートを、固形分濃度12%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いでDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥した。さらに、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁し、非半裁面をJIS#320番のサンドペーパーを用いて3段研削し、立毛を形成させたのち、液流染色機で染色し、表面に露出している高分子弾性体の面積が、0.09mmの人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体は、染め斑が若干目立つものの、緻密さは良好であり、摩耗減量は6mgであった。結果を、表1に示す。
[実施例9]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、不織布貫通部分の断面積が0.15mmのニードルを用いたこと以外は、実施例7と同様にして加工を実施した。目付が794g/mで、見掛け密度が0.248g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.10mmとやや大きくなったことで、染め斑は悪化傾向となった。また、緻密さは良好であり、摩耗減量は5mgとなった。結果を、表1に示す。
[比較例1]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、不織布貫通部分の断面積が0.17mmのニードルを用いたこと以外は、実施例2と同様にして加工を実施した。ニードルパンチで生じた不織布の空隙は実施例1よりも非常に大きくなった。目付が812g/mで、見掛け密度が0.251g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.16mmとなり、染め斑は不合格レベルであった。また、緻密さはニードルパンチでの空隙が残存しており、無数の穴があるため不合格レベルであった。また、摩耗減量は6mgとなった。結果を、表1に示す。
[比較例2]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、不織布貫通部分の断面積が0.08mmのニードルを用いたこと以外は、実施例2と同様にして加工を実施した。ニードルを細くしたことにより、針の強度が低下し、不織布を突き刺したときの衝撃により、ニードルが折損し加工継続不可となった。結果を、表1に示す。
[比較例3]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.04mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。極細繊維の絡合が不十分であることから、形態がやや不安定な不織布に仕上がった。不織布の目付は724g/mで、見掛け密度が0.231g/cmとなった。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施したが、得られた人工皮革用基体は、スエード調の表面品位は発現せず、摩耗減量は18mgとなった。結果を、表1に示す。
[比較例4]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.08mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。ニードルパンチで生じた不織布の空隙は、やや大きくなった。目付が782g/mで、見掛け密度が0.250g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.11mmとなり、染め斑は不合格レベルであった。ただし、極細繊維の緻密さは良好であり、摩耗減量は5mgとなった。結果を、表1に示す。
[比較例5]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.10mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。ニードルパンチで生じた不織布の空隙は、比較例4よりも大きくなった。目付が782g/mで、見掛け密度が0.258g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.14mmとなり、染め斑は不合格レベルであった。ただし、極細繊維の緻密さは良好であり、摩耗減量は6mgとなった。結果を、表1に示す。
[比較例6]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例1で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.04mmで、不織布貫通部分の断面積が0.17mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。極細繊維の絡合が不十分であることから、形態がやや不安定な不織布に仕上がった。不織布の目付は782g/mで、見掛け密度が0.240g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施したが、得られた人工皮革用基体は、スエード調の表面品位は発現せず、摩耗減量は18mgとなった。
[比較例7]
<原綿>
(島成分ポリマー、海成分ポリマー、紡糸、延伸)
実施例4で用いたものと同じポリマーを用い、同じ方法で海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、バーブ深さが0.08mmで、不織布貫通部分の断面積が0.17mmのニードルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして加工を実施した。ニードルパンチで生じた不織布の空隙は、実施例と比較例のなかで最も大きく目立つものとなった。目付が782g/mで、見掛け密度が0.260g/cmの不織布を得た。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、人工皮革用基体を作製した。得られた人工皮革用基体の表面に露出している高分子弾性体の面積は0.19mmとなり、染め斑は不合格レベルであった。また、緻密さはニードルパンチでの空隙が残存しており、無数の穴があるため不合格レベルであった。また、摩耗減量は6mgとなった。結果を、表1に示す。
Figure 2016011477

Claims (3)

  1. ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と難溶出成分からなる複合繊維から、前記易溶出成分を溶出処理することによって得られた繊維からなる不織布と、高分子弾性体からなる人工皮革用基体であって、シート面部分に露出している高分子弾性体の面積の平均値が0.1mm以下であることを特徴とする人工皮革用基体。
  2. JIS L1096(2010) 8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験における磨耗減量が10mg以下であることを特徴とする請求項1記載の人工皮革用基体。
  3. ポリエステル系のポリマーからなる易溶出成分と難溶出成分からなる複合繊維から、前記易溶出成分を溶出処理することによって得られた繊維からなる不織布と、高分子弾性体からなる人工皮革用基体の製造方法であって、前記不織布または前記不織布と織編物をニードルパンチにより一体化させるシート状物の製造工程において、シート状物貫通部分のニードル断面積が0.10mm以上0.15mm以下で、かつ、バーブ深さが0.05mm以上0.07mm以下のニードルを用いてニードルパンチを行うことを特徴とする人工皮革用基体の製造方法。
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