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JP2016008003A - ステアリング装置 - Google Patents

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JP2016008003A
JP2016008003A JP2014131223A JP2014131223A JP2016008003A JP 2016008003 A JP2016008003 A JP 2016008003A JP 2014131223 A JP2014131223 A JP 2014131223A JP 2014131223 A JP2014131223 A JP 2014131223A JP 2016008003 A JP2016008003 A JP 2016008003A
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大輔 山形
Daisuke Yamagata
大輔 山形
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Abstract

【課題】ストロークエンドを明確に設けつつ、より衝撃荷重を吸収することのできるステアリング装置を提供する。
【解決手段】このステアリング装置は、ラックシャフト16を収容するラックハウジング15と、ラックハウジング15の外部でラックシャフト16の両端部にそれぞれ装着されて連結されるラックエンド22と、ラックハウジング15とラックエンド22との間に設けられた衝撃吸収部材40とを備えている。衝撃吸収部材40は、ラックハウジング15とラックエンド22の間に設けられた弾性部41と、弾性部41の一定量を超える圧縮を規制する規制部42とを有している。規制部42は、弾性部41よりも弾性率が高く、かつエンドプレート43よりも弾性率が低く設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、ステアリングホイールの操舵に伴うステアリングシャフトの回転をラックアンドピニオン機構に伝達することで転舵輪の角度を変更するステアリング装置がある(たとえば、特許文献1参照)。ラックアンドピニオン機構は、ステアリングシャフトの回転運動をラックシャフトの直線運動に変換する。ラックシャフトの軸端部にはそれぞれラックエンドを介してタイロッドが回動可能に連結されている。ラックシャフトの直線運動が、ラックエンド及びタイロッドを介して転舵輪に伝達される。
ラックアンドピニオン機構を備えたステアリング装置では、ラックシャフトを収容するラックハウジングにラックエンドが当接することで、ラックシャフトの移動、ひいては転舵輪の転舵範囲が機械的に規制される。その一方、車両が縁石に乗り上げることなどに起因して、転舵輪の角度が変わると、その転舵輪の角度変更に伴う逆入力がラックエンドに作用することにより、操舵系に強い衝撃が加わるおそれがある。そのため、特許文献1のステアリング装置では、ラックエンドとラックハウジングとの間に、それらが当接するいわゆるエンド当ての際の衝撃荷重を吸収するための弾性体が配置されている。
特許4696483号公報
特許文献1のステアリング装置によれば、確かにエンド当て時の衝撃は緩和される。しかし、エンド当て時には、ラックエンドとラックハウジングとはそれらの間に設けられた弾性体を介して当接する。そのため、エンド当て時の弾性体による弾性感によって、ステアリングホイールの操舵に違和感を覚える運転者もいる。すなわち、衝撃吸収性を確保しようとするとストロークエンドを定めることが困難となり、ストロークエンドを明確に定めようとすると衝撃吸収性を確保することが困難となる。なお、ストロークエンドとは、ステアリングホイールの操舵できる限界をいう。
本発明は、こうした課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ストロークエンドを明確に定めつつ、衝撃吸収性を確保することができるステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成しうるステアリング装置は、軸方向に往復移動する転舵シャフトと、前記転舵シャフトを収容するハウジングと、前記転舵シャフトの両端部にそれぞれ装着されて転舵輪に連結されるジョイントと、前記転舵シャフトの移動方向における前記ハウジングと前記ジョイントとの間に設けられてそれらが当接する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を備えている。前記衝撃吸収部材は、前記転舵シャフトの移動に伴い前記ジョイントが当接するエンド受け部と、前記エンド受け部と前記ハウジングとの間に設けられて前記転舵シャフトの移動に伴い前記エンド受け部と前記ハウジングとにより挟み込まれて圧縮される弾性部と、前記エンド受け部と前記ハウジングとの間かつ前記弾性部に対する前記転舵シャフトの径方向位置に設けられて前記弾性部の一定量を超える圧縮を規制する規制部と、を有し、前記規制部は、前記弾性部よりも弾性率が高く、かつ前記エンド受け部よりも弾性率が低く設定されている。
この構成によれば、規制部は弾性部よりも弾性変形しにくい。このため、小さな荷重が作用するときには、規制部により弾性部の一定量を超えた圧縮変形が規制される。このため、規制部とハウジングとが当接するエンド当て時の弾性感が抑制され、ストロークエンドが明確に定まる。また、規制部も弾性を有しているため、大きな衝撃荷重が作用するときには、規制部も圧縮変形する。そのため、弾性部もさらに圧縮変形できるので、より衝撃荷重を吸収することができる。
前記弾性部および前記規制部はそれぞれ前記転舵シャフトに挿通される円筒状をなし、前記規制部は前記弾性部の内部に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、弾性部が圧縮変形する場合、弾性部の転舵シャフトへ向けた変形が規制部によって抑制される。
前記規制部は硬質樹脂または軟金属であることが望ましい。
この構成によれば、規制部に適度な弾性を持たせて、より大きな衝撃荷重にも対処することができる。
前記規制部は前記弾性部よりも前記軸方向における長さが短く設定されていることが好ましい。前記規制部が前記転舵シャフトの移動に伴い前記エンド受け部と前記ハウジングとで挟み込まれることにより、前記弾性部の一定量を超える圧縮が規制される。
規制部によりストロークエンドが定められるので、弾性部による弾性感を低減することができる。
本発明によればストロークエンドを明確に定めつつ、衝撃吸収性を確保することができるステアリング装置を提供することができる。
ステアリング装置の概略図。 ラックエンド付近の概略構成を示す断面図。 衝撃吸収部材の斜視断面図。 エンド当て時のストロークと荷重の関係を示すグラフ。 荷重作用時のラックエンド付近を示す断面図。 荷重作用時のラックエンド付近を示す断面図。 荷重作用時のラックエンド付近を示す断面図。 荷重作用時のラックエンド付近を示す断面図。
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置に具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11の回転を転舵輪12に伝達する転舵機構13と、ステアリングホイール11の操舵を補助するアシスト装置14とを備えている。
転舵機構13は、車両の幅方向に沿って延びるハウジングとしてのラックハウジング15と、ラックハウジング15の内部に車両の幅方向に沿って延びるかたちで収容される転舵シャフトとしてのラックシャフト16とを備えている。また、転舵機構13は、ステアリングホイール11とともに回転するステアリングシャフト17と、ステアリングシャフト17の回転をラックシャフト16の図中に矢印で示される軸方向Xに沿った直線移動に変換するラックアンドピニオン機構18とを備えている。
アシスト装置14は、ラックハウジング15の外部に配置されたモータ19と、モータ19からベルト20を通じて伝達される回転運動をラックシャフト16の直線運動に変換するボールねじ機構21とを備えている。アシスト装置14は、運転者によるステアリングホイール11の操舵に連動してモータ19を駆動させることにより、ラックシャフト16を軸方向Xに移動させるアシスト力を生成する。
また、ラックシャフト16の両端には、それぞれジョイントとしてのラックエンド22を介してタイロッド23が回動自在に連結されている。これらのタイロッド23の先端には、それぞれ転舵輪12が組付けられている。
運転者がステアリングホイール11を操舵することでラックシャフト16に加えられる操舵力と、当該操舵に連動してアシスト装置14からラックシャフト16に加えられるアシスト力によって、ラックシャフト16は軸方向Xに直線移動する。そして、ラックシャフト16の直線移動が、ラックシャフト16の両端に連結されたタイロッド23を介して転舵輪12に伝達されることにより、転舵輪12の角度が変更される。
次に、ラックシャフト16の端部の構成について説明する。なお、2つの端部の構成は同じであって、左右の向きが異なるだけである。
図2に示すように、ラックエンド22はボールジョイントであり、先端にボール部31aが設けられたボールスタッド31と、そのボール部31aを回動、屈曲自在に収容するソケット32とを有している。ソケット32の内部には、ボール部31aの球面形状に対応した球面座32aが装着されている。ボールスタッド31は、そのボール部31aが球面座32aに嵌合されることで、ソケット32に対して屈曲自在に連結されている。このボールスタッド31のボール部31aと反対側の端部にタイロッド23の転舵輪12と反対側の端部が固定されることにより、タイロッド23がラックシャフト16に対して屈曲自在に連結される。
ラックエンド22は、ソケット32がラックシャフト16の端部に螺合されることにより、ラックシャフト16に固定されている。ソケット32のラックシャフト16側の端面33にはラックシャフト16側に突出する円柱部34が形成されている。円柱部34の外周面には雄ねじ部35が形成されている。一方、ラックシャフト16の端部にはラックシャフト16と同心の円形孔36が設けられている。円形孔36の内周面には、雄ねじ部35に対応する雌ねじ部37が形成されている。雄ねじ部35が雌ねじ部37に螺合されることにより、ソケット32はラックシャフト16の端部に固定されている。なお、ソケット32の端面33は、ラックエンド22の端面33でもある。
ラックハウジング15には、ラックシャフト16が挿通される挿通部15aが軸方向Xにおいて貫通している。ラックハウジング15の端部には、ソケット32が挿入される拡径部15bが設けられている。拡径部15bの内径は、挿通部15aの内径よりも大きく設定されている。挿通部15aと拡径部15bとの境界部分には軸方向Xと直交する規制面15cとが形成されている。拡径部15bにおける規制面15c側の端部の内周面には、フランジ状の凹部である嵌合部15dが形成されている。
ソケット32の外径は、ラックハウジング15の挿通部15aの内径より大きく、拡径部15bの内径より小さく設定されている。このため、ラックシャフト16の移動に伴い端面33が規制面15cに当接する、いわゆるエンド当てが発生する。そこで、エンド当て時の衝撃を緩和するために、ラックハウジング15の規制面15cとラックエンド22の端面33との間には、衝撃吸収部材40が設けられている。
図3に示すように、衝撃吸収部材40は、円筒状の弾性部41と、弾性部41の径方向内側に設けられている円筒状の規制部42と、弾性部41及び規制部42の第1の端面にそれぞれ当接するエンド受け部として円環状のエンドプレート43とを有してなる。
弾性部41はゴム、合成樹脂等の弾性材料により形成されてなる。弾性部41のエンドプレート43と反対側の第2の端部(図3の上端部)の外周面には、つば状の嵌合部41aが設けられている。嵌合部41aの周面にはテーパ面41bが設けられている。テーパ面41bは弾性部41の第2の端部に向かうにつれて縮径する。弾性部41には、エンド当て時に加わる荷重を基準として設定される一定の荷重が一定回数だけ作用しても電動パワーステアリング装置10の各部に故障が生じない程度の衝撃吸収性が要求される。
図2に示すように、衝撃吸収部材40は、弾性部41の第2の端面側から拡径部15bに挿入されている。拡径部15bの内部において、ラックシャフト16は衝撃吸収部材40を貫通している。弾性部41の第2の端面は、ラックハウジング15の規制面15cに当接している。また、弾性部41の嵌合部41aはラックハウジング15の嵌合部15dに嵌合されている。嵌合部41aが嵌合部15dに嵌合することにより、衝撃吸収部材40が拡径部15bの内部に固定される。
規制部42は、弾性部41に比べて弾性率が高く、かつエンドプレート43より弾性率の低い硬質樹脂や軟金属等からなる。たとえば、硬質樹脂としてはウレタン樹脂等の樹脂の中でも硬質のものが挙げられ、軟金属としては鉄より軟らかい銅などの金属が挙げられる。規制部42の外径は、弾性部41の内径と略同径に形成されている。規制部42は弾性部41の内周面に嵌合している。規制部42の内径は、ラックハウジング15における挿通部15aの内径よりも大きく設定されている。さらに、規制部42の軸方向Xにおける長さL2は、弾性部41の長さL3よりも短く設定されている。ただし、長さL3は、エンド当てに伴う荷重が作用していないときの弾性部41の軸方向Xにおける長さである。このため、エンド当て時には、弾性部41が軸方向Xに潰れることで、規制部42はラックハウジング15の規制面15cと当接する。
エンドプレート43は、弾性部41及び規制部42に比べて弾性率の高い金属等からなり、その外径はラックハウジング15における拡径部15bの内径よりも僅かに小さく設定されている。エンドプレート43の内径はラックシャフト16の軸端部の外径よりも僅かに大きく設定されている。また、エンドプレート43は弾性部41及び規制部42の第1の端面(図2中の左端面)に接着剤等の固定手段により固定されている。これによって、弾性部41、規制部42及びエンドプレート43は一体に設けられてなる。弾性部41、規制部42、及びエンドプレート43の中心軸線は互いに一致している。また、エンドプレート43のラックエンド22側の側面は、エンド当て時にラックエンド22の端面33と当接する当接面43aとして機能する。
低速走行中に普通にステアリング操作をするときや、車庫入れ等の徐行しながらステアリング操作をするとき等の通常荷重が作用するときには、軸方向Xに弾性部41が圧縮変形することによって、エンド当て時の衝撃が吸収される。この際の弾性部41の圧縮することのできる圧縮代L1は、軸方向Xにおける規制部42の長さL2と弾性部41の長さL3との差によって規定される。すなわち、弾性部41の圧縮できる量は規制部42の長さによって制限される。また、縁石乗り上げ等に起因して通常荷重よりも強い衝撃荷重が作用したときには、弾性部41だけでなく規制部42も軸方向Xに変形することによって、エンド当て時の衝撃がより吸収される。
エンド当て時におけるラックエンド22の軸方向Xへのストロークと弾性部41へ作用する荷重との間には図4のグラフに示される関係がある。図4では、つぎの(A),(B),(C)の3つの場合に分けてプロットしてある。なお、座標のスケールについては便宜上、完全には統一していない。
(A)規制部42を設けない場合。
(B)エンドプレート43と同程度の高い弾性率を有し、ほとんど弾性を示さない規制部42を設ける場合。
(C)エンドプレート43よりも低い弾性率を有し、ある程度の弾性を示す規制部42を設ける場合。
図4に一点鎖線で示されるように、規制部42を設けずにストローク規制しない場合は、ストロークの増加に伴って荷重がゆるやかに増加する。これは、ラックエンド22とラックハウジング15との間では、弾性部41を介して荷重が伝達されるためである。すなわち、弾性部41が荷重を吸収することにより、荷重の急激な増加が抑制される。弾性部41の圧縮限界を超えると荷重が急激に増加する。
図4に点線で示されるように、ほとんど弾性のない規制部42を設ける場合は、ある一定のストロークまではストローク規制しない場合と同様に、ストローク量に対応して荷重がゆるやかに増加する。しかし、ある一定のストロークを超えると、荷重は急激に増加する。ここで、ある一定のストロークとは、端面33が当接面43aに当接する位置を基準としたとき、端面33が規制部42を介して規制面15cに当接するまでのラックエンド22の移動距離(=L1)である。すなわち、規制部42が規制面15cに当接することによって荷重を吸収することができなくなるため、ストローク量に対して荷重は急激に増加する。
図4に実線で示されるように、弾性率が低い規制部42を設けてストローク規制する場合は、ある一定のストロークまではストローク規制をしない場合と同様に、弾性部41が荷重を吸収するため、ストローク量に対応して荷重がゆるやかに増加する。そして、弾性部41が圧縮されて圧縮代L1がなくなり、ラックエンド22の端面33が規制部42を介してラックハウジング15の規制面15cに当接した以降、荷重は急激に増加する。ただし、この例では、規制部42は弾性を有するので、軸方向Xに圧縮変形する。この圧縮変形の分だけ荷重の増加は緩やかになる。また、規制部42が圧縮変形する分、より大きな荷重を吸収することができる。規制部42の圧縮変形に伴って、弾性部41もさらに圧縮変形される。これら規制部42と弾性部41の圧縮変形により、ほとんど弾性のない規制部42を設ける場合と比べてより荷重を吸収することができる。また、規制部42が変形する分、荷重の急激な増加も軽減される。
以上のことから、ストロークエンド(行き止まり感)を明確にするためは規制部42を設けた方がよく、また衝撃吸収性を確保する観点から規制部42はある程度の弾性を有していることが好ましい。したがって、本例では規制部42を設け、かつ規制部42の弾性率を弾性部41よりも高く、かつエンドプレート43よりも低い値に設定している。
次に、衝撃吸収部材40の作用を説明する。
まず、電動パワーステアリング装置10において想定される荷重について説明する。ここでは、想定される荷重を、通常時の荷重と異常時の荷重とに分ける。
通常時の荷重は、エンド当てが起きるが、規制部42はほとんど変形しないような荷重である。すなわち、通常時の荷重は、低速で走っていて普通にステアリング操作するときや、車庫入れ等の徐行しながらステアリング操作をする場合等にエンド当てが発生したときの比較的弱い荷重である。
異常時の荷重は、エンド当てが起き、規制部42も変形するような荷重である。異常時の荷重としては、縁石乗り上げ等に伴うエンド当てが発生したときの比較的強い衝撃荷重である。
図5Aに示すように、ステアリングホイール11が操作限界付近まで操舵されていない場合、ラックエンド22の端面33とエンドプレート43の当接面43aとは互いに離れた状態にある。この状態から、ラックシャフト16に対して操舵に伴う正入力や転舵輪12側からの逆入力が加わると、操舵方向に応じてラックエンド22の端面33がラックハウジング15の規制面15cに接近する方向にラックシャフト16が移動する。
図5Bに示すように、ステアリングホイール11が操作限界付近まで操舵されると、ラックエンド22の端面33が、衝撃吸収部材40のエンドプレート43の当接面43aと当接する。この状態では、衝撃吸収部材40に大きな荷重が作用していないため、規制部42とラックハウジング15の規制面15cとの間には隙間Sが存在している。すなわち、弾性部41の長さL3に比べて規制部42の長さL2は短いため、その短い分だけの隙間Sができる。隙間Sが形成されている状態で、ラックエンド22の端面33がラックハウジング15の規制面15cに接近するようにラックシャフト16がさらに移動されると、当該移動に伴い弾性部41が圧縮され始め、隙間Sは徐々に縮められる。
図5Cに示すように、通常時の荷重によって、ステアリングホイール11が操作限界まで操舵されると、隙間Sが解消されて、規制部42は規制面15cに当接する。このとき、弾性部41は軸方向Xにおいて、ラックエンド22の端面33とラックハウジング15の規制面15cとに挟圧されることによって、規制部42と等しい長さL2に縮められ、隙間Sがなくなったことにより圧縮代L1は零になる。圧縮代L1が零とは、規制部42が規制面15cに当接して、隙間Sがなくなったときのことである。また、弾性部41は軸方向Xに圧縮変形することに伴い、嵌合部15dとの間に隙間がある場合には、当該隙間内において膨張する。本実施形態では、通常時の荷重では、規制部42は変形しない。すなわち、規制部42によりストローク規制がなされるので、弾性部41による弾性感に起因する違和感も少なく、明確にストロークエンドを判断することができる。
なお、図5Cのように弾性部41が軸方向Xに圧縮された状態から、運転者によってステアリングホイール11が逆方向に操舵されると、ラックエンド22の端面33はラックハウジング15の規制面15cから離間する。離間するにつれて、弾性部41は軸方向Xに伸長し、図5Bに示される状態を経て、図5Aに示される非エンド当て時の状態に戻る。
図5Dに示すように、通常時の荷重を超える異常時の荷重が衝撃吸収部材40に与えられた場合、規制部42は通常時の長さL2よりも短い長さL2aまで縮められる。また、弾性部41は圧縮代L1を超えてさらに圧縮される。そのため、より大きな衝撃を吸収することができる。
なお、ラックエンド22の端面33がラックハウジング15の規制面15cから離間する場合、異常時の荷重が弾性部41および規制部42の弾性限度を超える荷重でなければ、弾性部41および規制部42は、それぞれ図5Cおよび図5Bに示される状態を経て、図5Aに示される非エンド当て時の状態に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)通常時の荷重が作用するときには、規制部42によってラックシャフト16のストロークが規制されるため、ストロークエンドが明確に定められる。規制部42を設けない場合と比べて、車両の運転者はエンド当て時の弾性部41の圧縮変形に伴う弾性感を感じ難く、ストロークエンドを明確に把握することができる。
(2)異常時の荷重のような大きな荷重が作用した場合には、規制部42が軸方向Xに圧縮されることにより変形する。そのため、通常の荷重が作用するときには規制部42によって長さL2を超える圧縮変形が規制されていた弾性部41が、さらに圧縮変形する。したがって、より大きな衝撃を吸収することができる。ドライバビリティの低下も抑制される。
(3)弾性部41の嵌合部41aを弾性変形させてラックハウジング15の嵌合部15dに嵌合させることで、衝撃吸収部材40はラックエンド22の規制面15cとラックハウジング15の端面33との間に固定される。そのため、衝撃吸収部材40をラックハウジング15に固定するための新たな部材を必要としない。また、テーパ面41bが設けられているので、拡径部15bに挿入しやすい。
(4)エンドプレート43を設けることにより、エンド当て時における弾性部41および規制部42の一部に応力が集中することを抑制することができる。エンドプレート43の平面形状によって弾性部41および規制部42にそれぞれ生じる応力が分散され均一化されるからである。応力集中によって電動パワーステアリング装置10の最弱部の変形などを抑制することができる。
(5)弾性部41は規制部42の外周面に設けられている。このため、弾性部41が圧縮変形する際、弾性部41のラックシャフト16側へ向けた弾性変形が規制部42によって抑制される。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、弾性部41は、コイルスプリングなどの粘性を有さない弾性部材で構成してもよい。
・上記実施形態において、嵌合部41a,15dは設けなくてもよい。この場合、弾性部41は接着剤等を用いてラックハウジング15に固定されることが望ましい。
・上記実施形態において、弾性部41と規制部42との位置関係を次のようにしてもよい。すなわち、規制部42の径方向内側に弾性部41を設けてもよい。
・上記実施形態において、衝撃吸収部材40はラックエンド22の端面33に固定してもよい。
・上記実施形態において、規制部42は硬質樹脂または軟金属であることが望ましい。
・上記実施形態において、電動パワーステアリング装置10として実施したが、油圧式のパワーステアリング装置であってもよいし、ノンパワーステアリング装置であってもよいし、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)であってもよい。
次に前記実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)弾性体に嵌合部が設けられているところ、前記ハウジングの内部に、前記弾性体の嵌合部と嵌合して固定する溝(上記実施形態での、嵌合部15d)が設けられている。
10…ステアリング装置、11…ステアリングホイール、12…転舵輪、13…転舵機構、14…アシスト装置、15…ラックハウジング、15a…挿通部、15b…拡径部、15c…規制面、15d…嵌合部、16…ラックシャフト、17…ステアリングシャフト、18…ラックアンドピニオン機構、19…モータ、20…ベルト、21…ボールねじ機構、22…ラックエンド、23…タイロッド、31…ボールスタッド、31a…ボール部、32…ソケット、32a…球面座、33…端面、34…円柱部、35…雄ねじ部、36…円形孔、37…雌ねじ部、40…衝撃吸収部材、41…弾性部、41a…嵌合部、41b…テーパ面、42…規制部、43…エンドプレート、43a…当接面。

Claims (4)

  1. 軸方向に往復移動する転舵シャフトと、
    前記転舵シャフトを収容するハウジングと、
    前記転舵シャフトの両端部にそれぞれ装着されて転舵輪に連結されるジョイントと、
    前記転舵シャフトの移動方向における前記ハウジングと前記ジョイントとの間に設けられてそれらが当接する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を備え、
    前記衝撃吸収部材は、前記転舵シャフトの移動に伴い前記ジョイントが当接するエンド受け部と、
    前記エンド受け部と前記ハウジングとの間に設けられて前記転舵シャフトの移動に伴い前記エンド受け部と前記ハウジングとにより挟み込まれて圧縮される弾性部と、
    前記エンド受け部と前記ハウジングとの間かつ前記弾性部に対する前記転舵シャフトの径方向位置に設けられて前記弾性部の一定量を超える圧縮を規制する規制部と、を有し、
    前記規制部は、前記弾性部よりも弾性率が高く、かつ前記エンド受け部よりも弾性率が低く設定されているステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記弾性部および前記規制部はそれぞれ前記転舵シャフトに挿通される円筒状をなし、
    前記規制部は前記弾性部の内部に設けられているステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のステアリング装置において、前記規制部は硬質樹脂または軟金属であるステアリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
    前記規制部は前記弾性部よりも前記軸方向における長さが短く設定されていて、
    前記規制部が前記転舵シャフトの移動に伴い前記エンド受け部と前記ハウジングとで挟み込まれることにより、前記弾性部の一定量を超える圧縮が規制されるステアリング装置。
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