JP2016089009A - 透湿性フィルムおよび透湿性フィルム積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)高密度ポリエチレン、(B)直鎖状低密度ポリエチレン、(C)無機充填材および(D)可塑剤を少なくとも含む樹脂組成物からなる透湿性フィルムであり、(A)は密度が0.940〜0.970g/cm3、MFRが0.1〜5g/10minであり、(B)は密度が0.900〜0.939g/cm3、MFRが0.1〜5g/10minであり、樹脂成分100質量部中の(A)の含有量は20〜60質量部、(B)の含有量は40〜80質量部であり、樹脂成分100質量部に対して、(C)を100〜200質量部、(D)を1〜20質量部含有し、透気度が100〜5,000秒/100mL、表面張力が35mN/mの試験液による耐水圧が20kPa以上、かつ滲み出し面積が10%未満の透湿性フィルムである。
【選択図】図1
Description
前記(A)高密度ポリエチレンは、密度が0.940〜0.970g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10min、
前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.900〜0.939g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10minであり、
前記樹脂成分100質量部中の前記(A)高密度ポリエチレンの含有量は20〜60質量部、前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は40〜80質量部であり、
該樹脂組成物は、前記樹脂成分100質量部に対して、前記(C)無機充填材を100〜200質量部、前記(D)可塑剤を1〜20質量部含有し、
透気度が100〜5,000秒/100mL、表面張力が35mN/mの試験液による耐水圧が20kPa以上、かつ滲み出し面積が10%未満であることを特徴とする透湿性フィルムである。
本発明の透湿性フィルムは、(A)高密度ポリエチレン、(B)直鎖状低密度ポリエチレンからなる樹脂成分、(C)無機充填材および(D)可塑剤を少なくとも含む樹脂組成物からなる透湿性フィルムであり、前記(A)高密度ポリエチレンは、密度が0.940〜0.970g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10min、前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.900〜0.939g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10minであり、前記樹脂成分100質量部中の前記(A)高密度ポリエチレンの含有量は20〜60質量部、前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は40〜80質量部であり、該樹脂組成物は、前記樹脂成分100質量部に対して、前記(C)無機充填材を100〜200質量部、前記(D)可塑剤を1〜20質量部含有し、透気度が100〜5,000秒/100mL、表面張力が35mN/mの試験液による耐水圧が20kPa以上、かつ滲み出し面積が10%未満であることを特徴とするものである。
(A)高密度ポリエチレンは、本発明の透湿性フィルムを薄膜化、軽量化させながらも、優れた機械特性を付与する成分であり、密度は0.940〜0.970g/cm3であり、0.945g/cm3以上あるいは0.965g/cm3以下が好ましい。ここで、密度はピクノメーター法(JIS K7112 B法)により測定した密度であり、他の樹脂の密度の測定方法もこれと同じである。
これらの重合体の重合に用いられる重合触媒としては、例えば、公知のチーグラー系、フィリップス系などのマルチサイト触媒、ジルコノセン、チタノセン、ハフノセン(総称して、メタロセン)などのカミンスキー触媒、ポストメタロセン触媒などの高活性なシングルサイト触媒が挙げられる。
(B)直鎖状低密度ポリエチレンは、本発明の透湿性フィルムの基材となる樹脂成分であり、密度は0.900〜0.939g/cm3であり、0.905g/cm3以上あるいは0.929g/cm3以下が好ましい。
これらの重合体の重合に用いられる重合触媒としては、例えば、公知のチーグラー系、フィリップス系などのマルチサイト触媒、ジルコノセン、チタノセン、ハフノセン(総称して、メタロセン)などのカミンスキー触媒、ポストメタロセン触媒などの高活性なシングルサイト触媒が挙げられる。
(C)無機充填材は、空孔の形成に寄与する成分であり、透湿性フィルムに通気性及び透湿性と耐透液性とを付与する成分である。
(C)無機充填材としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタンン、水酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、タルク、クレイ、カオリナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどの微粒子、及び鉱物が挙げられ、これらを単独で又は複数種を用いることができる。これらの中でも、空孔の発現性、汎用性の高さ、低価格、及び銘柄の豊富さなどに優れることから、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好適である。
前記脂肪酸の種類は特に限定しないが、ステアリン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸が安価に入手できるため好ましい。
(D)可塑剤は、樹脂組成物をフィルム状に成形とする際の加工性の向上に寄与する成分である。
(D)可塑剤として、例えば、ひまし油、水添ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油などのひまし油類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、金属石鹸、高級アルコール、ワセリン、パラフィンワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、芳香族エステル、芳香族アミドおよびポリエーテル、ポリエステルなどの低分子量ポリマー(オリゴマー)などが挙げられ、これらを単独で又は複数種を用いることができる。
本発明の透湿性フィルムは優れた通気性を有しており、透気度が100〜5,000秒/100mLである。透気度が100秒/100mL以上であることによって、耐水性および耐透液性を十分に有することができ、透気度が5,000秒/100mL以下であることによって、十分な連通性を有することを示唆している。透気度は、200秒/100mL以上あるいは3,000秒/100mL以下が好ましく、400秒/100mL以上あるいは2,000秒/100mL以下がより好ましい。
前記耐水圧を20kPa以上とするためには、樹脂組成物に含まれる(A)高密度ポリエチレンの含有量を調整したり、特定の延伸条件で微多孔質化したりすることによって、連通孔が迷路のように屈曲した構造となり、表面張力の低い試験液が裏面まで滲み出さなくなるため、達成することができる。
本測定に用いる表面張力が35mN/mの試験液は、G. VazquezらによるJ. Chem. Eng. Data, 40(1995), 611, Table. 4の2−プロパノール/水系の表面張力データを参考とした。
前記試験液の調整方法として、蒸留水(和光純薬工業(株)製)85.0質量部、2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)15.0質量部、および青色1号顔料(和光純薬工業(株)製;ブリリアントブルーFCF)0.10質量部を均一に溶解、分散するまで5分間撹拌して得られた15質量%アルコール水溶液を試験液とした。この時、ペンダントドロップ式表面張力測定装置より、表面張力が35.0±1.0mN/mの範囲内であることを確認した。
前記耐水圧の測定方法として、JIS L1092 B法(高水圧法)に準拠する測定装置のシリンダー部に、前記試験液を充填した。20.0±3.0℃の環境下、装置シリンダーハンドルを徐々に回して50kPa/minの速度で上昇させ、青い水滴が3点滲み出した時の圧力を耐水圧とした。
試験液に一定の荷重を加えると、透湿性フィルムの空孔や連通孔が濡れて浸透するため、透湿性フィルムの裏面に滲み出す。滲み出し面積によって、透湿性フィルムに巨大な空孔が無いこと、または連通孔が屈曲しており、耐透液性が高いことがうかがえる。
前記滲み出し面積を10%未満とするためには、樹脂組成物に含まれる(A)高密度ポリエチレンの含有量を調整したり、特定の延伸条件で微多孔質化したりすることによって達成することができる。
蒸留水99.8質量部に、カチオン型界面活性剤(「エレガン263−40(商品名)」,日油(株)製)0.2質量部、赤色40号顔料(和光純薬工業(株)製)0.30質量部を徐々に加えて、1時間攪拌し、均一に溶解、分散させて赤色の試験液を準備した。
温度23℃、相対湿度50%に調温湿された恒温恒湿屋内で、図1に示されるように、ろ紙(「FILTER PAPER No.2(商品名)」,アドバンテック(株)製,直径:70mm)の上に、100mm×100mm角に切り出した透湿性フィルム、70mm×70mm角に切り出した市販のキッチンペーパーを重ねて、試験液を該キッチンペーパーの中心部分にスポイトで静かに2.0mL滴下した。滴下した後、前記キッチンペーパーの上に、樹脂プレート(直径:60mm,厚み:5mm)を重ねて、さらに質量が2kgの分銅を載せて30分間放置した。ろ紙が試験液の滲み出しにより赤色に着色された部分(図1の試験後のろ紙に示される着色部分)の面積を測定して、加圧したろ紙全体において、該面積の占める割合を算出した値を滲み出し面積とする。
ここで坪量は、サンプル(機械流れ方向(MD):250mm、垂直方向(TD):200mm)の質量を電子天秤で測定し、その数値を20倍した値を坪量とした。
ここで、透湿度はJIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))の諸条件に準拠する。吸湿剤として塩化カルシウムを15g用い、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿環境下で測定した。サンプルは無作為に2点測定し、その算術平均値を求めた。
ここで、機械方向(MD)の引張破断強度はJIS K7127に準拠して、長さ100mm×幅25mmに切り出したサンプルを作製し、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張速度200m/min、チャック間距離50mmの条件で3連式引張試験機を用いて破断した際の引張破断強度である。本発明においては、3回測定を行い算出した引張破断強度の算術平均値とした。
次に本発明の透湿性フィルムの製造方法について説明するが、本発明はかかる製造方法により製造される透湿性フィルムのみに限定されるものではないが、本発明の透湿性フィルムは、前記樹脂組成物を溶融混練後、Tダイ法またはインフレーション法でフィルム状に成形し、延伸して微多孔質化されることが好ましい。
まず、樹脂組成物に含まれる成分、すなわち樹脂成分、無機充填剤、可塑剤、及び必要に応じて各種添加剤を混合機で混合し、混練機を用いて溶融混練することが好ましい。混合機としては、例えばタンブラーミキサー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーなどが挙げられ、通常5分〜1時間程度混合する。
樹脂組成物のフィルムに空孔を形成し、微多孔質化する方法としては、延伸開孔法が一般的であるが、その方法についても限定することはない。延伸方法としては、一軸延伸方式、二軸延伸方式のいずれでもよく、例えば、ロール延伸方式、テンター方式、同時式、及び逐次式などの二軸延伸方式などの公知の延伸方式を適用することができる。本発明においては少なくとも機械方向(MD)に1回、または延伸ムラ、通気性との兼ね合いより2回以上行なってもよい。
また、延伸倍率は2.0〜3.5倍が好ましく、2.5倍以上あるいは3.2倍以下がより好ましい。延伸倍率が2.0倍以上とすることで、延伸ムラが低減され、かつ十分な透湿性と機械方向(MD)の強度を有することができる。一方で、延伸倍率が3.5倍以下とすることで、耐水性、耐透液性と巨大な空孔もしくはピンホール欠陥の発生が抑制される。
例えば、延伸倍率を大きくするほど、通気性が向上する(透気度が小さくなり、透湿度が大きくなる)一方、耐水性、及び耐透液性が低下する傾向となる。また、引張弾性率、及び引張強度は大きくなるため生産ラインにおける優れた機械特性が得られる一方、硬さ、シャリ感、及びゴワゴワ感が発現する傾向となる。また、延伸倍率を小さくするほど、耐水性、及び耐透液性が向上する傾向となる一方、通気性が低下する傾向となる。また、引張弾性率、及び引張強度は小さくなるので肌触りが良く、優れたはき心地が得られる一方、機械特性が低下する傾向にある。
また、延伸温度を低くするほど、空孔が形成しやすく、より微多孔質化するため、優れた通気性が得られる一方、耐水性、及び耐透液性が低下する傾向となる。極めて優れた通気性を得るためには、延伸温度を低くして、延伸倍率を大きくすればよく、一方、通気性を低くしたいときには、延伸温度を高くして、延伸倍率を小さくする、といったように、延伸温度と延伸倍率との組み合わせにより調整することも可能である。
負数のドロー比としては、−20〜−10%が好ましい。負数のドロー比を上記範囲内とすると、製造面で熱固定がトラブルなく施され、十分な熱寸法安定性を得ることができる。また、これらのロールは表面が平滑にクロムめっき加工された熱容量の大きい金属製であるのが好ましい。
なお、前記延伸処理と同様に熱固定も複数回分割して実施してもよい。
上記の方法に従い、透気度を測定した。
(2)耐水圧
上記の方法に従い、表面張力が35mN/mの試験液による耐水圧を測定した。
(3)滲み出し面積
上記の方法に従い、滲み出し面積を算出して、以下の基準で評価した。
A:滲み出し面積が5%未満
B:滲み出し面積が5%以上10%未満
C:滲み出し面積が10%以上30%未満
D:滲み出し面積が30%以上
(4)坪量
上記の方法に従い、坪量を測定した。
(5)透湿度
上記の方法に従い、透湿度を測定した。
(6)機械方向(MD)の引張破断強度
上記の方法に従い、引張破断強度を測定した。
以下の表1に示される樹脂組成物の各成分を用意し、これらをヘンシェルミキサーに投入し、5分間混合、分散させて、同方向二軸押出機を用いて設定押出温度を180℃として溶融混練させて樹脂組成物を得て、これをストランドカット方式でコンパウンドペレットを得た。得られたペレットを用いて、単軸押出機とインフレーション・ダイを用いてフィルム状に成形し、ロール式縦延伸機を用いて、延伸温度70℃、延伸倍率3.0倍で機械方向(MD)に延伸を一回行い、次いで、100℃で熱固定、弛緩することで透湿性フィルムを得た。得られた透湿性フィルムの評価結果は以下の表2に示す。
以下の表1に示される樹脂組成物の各成分を用意し、これらをヘンシェルミキサーに投入し、5分間混合、分散させて、同方向二軸押出機を用いて設定押出温度を180℃として溶融混練させて樹脂組成物を得て、これをストランドカット方式でコンパウンドペレットを得た。得られたペレットを用いて、単軸押出機とインフレーション・ダイを用いてフィルム状に成形し、ロール式縦延伸機を用いて、延伸温度60℃、延伸倍率2.5倍で機械方向(MD)に延伸を一回行い、次いで、100℃で熱固定、弛緩することで透湿性フィルムを得た。得られた透湿性フィルムの評価結果は以下の表2に示す。
一方、比較例1は樹脂組成物に(A)高密度ポリエチレンが含まれておらず、(C)無機充填材の含有量が過多であったため、耐水性および耐透液性が悪化した。さらに、延伸ムラを抑制させるために液体ポリエステル系可塑剤を添加したが、耐水性および耐透液性がより悪化した。比較例2は、MFRが5.0g/10minを超える(A)高密度ポリエチレン樹脂を大量に含むため、機械強度が劣り、延伸ムラが発生しただけでなく、耐透液性も不十分であった。
Claims (8)
- (A)高密度ポリエチレン、(B)直鎖状低密度ポリエチレンからなる樹脂成分、(C)無機充填材および(D)可塑剤を少なくとも含む樹脂組成物からなる透湿性フィルムであり、
前記(A)高密度ポリエチレンは、密度が0.940〜0.970g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10min、
前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.900〜0.939g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10minであり、
前記樹脂成分100質量部中の前記(A)高密度ポリエチレンの含有量は20〜60質量部、前記(B)直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は40〜80質量部であり、
該樹脂組成物は、前記樹脂成分100質量部に対して、前記(C)無機充填材を100〜200質量部、前記(D)可塑剤を1〜20質量部含有し、
透気度が100〜5,000秒/100mL、表面張力が35mN/mの試験液による耐水圧が20kPa以上、かつ滲み出し面積が10%未満であることを特徴とする透湿性フィルム。 - 前記(C)無機充填材が脂肪酸で表面処理されたものである請求項1に記載の透湿性フィルム。
- 前記(D)可塑剤が、ひまし油類である請求項1または請求項2に記載の透湿性フィルム。
- 坪量が10〜50g/m2であり、かつ透湿度が1,000〜15,000g/(m2・24h)である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
- 機械方向(MD)の引張破断強度が7N/25mm以上である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
- 機械方向(MD)に30〜100℃の温度範囲内で、2.0〜3.5倍に延伸されたものである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の透湿性フィルムからなる層を少なくとも一層有する透湿性フィルム積層体。
- 請求項7に記載の透湿性フィルム積層体を用いた衣類。
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