以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。また、図1〜図7では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下の説明では、X軸に平行な方向を「X軸方向」と言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」と言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
(第1実施形態)
<振動素子−1>
まず、第1実施形態に係る振動素子の概略構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る振動素子としての音叉型振動片の概略構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線での断面図である。なお、図1(a)においては、説明の便宜上、駆動電極を省略している。
図1に示すように、振動素子としての音叉型振動片100は、基部110と、基部110から+Y軸方向に延出している一対の振動腕としての駆動振動腕120,130を備えている音叉型振動片である。基部110は、括れ部112を介して配置された狭幅部111と広幅部113とを備えた平板状をなしている。なお、基部110は、括れ部112が設けられない形状、すなわち略矩形平板状であってもよい。振動腕としての駆動振動腕120,130は、基部110における狭幅部111の+Y側の一端から、Y軸方向に互いに略平行に延びる一対の角柱状の振動体である。音叉型振動片100を構成する基部110と駆動振動腕120,130は、一体で形成され、水晶が基材として用いられている。なお、第1実施形態の音叉型振動片100は、フォトリソグラフィー法及びフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で形成されている。
水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。音叉型振動片100をなす基材は、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。Z軸は、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。所定の厚みは、振動周波数、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
振動腕としての駆動振動腕120および駆動振動腕130は、X軸およびY軸で規定される平面と直交する面外方向(Z軸方向)に沿って、互いに逆方向に振動する。すなわち、駆動振動腕120が+Z軸方向に向かい変位するときは、駆動振動腕130が−Z軸方向に向かい変位し、駆動振動腕120が−Z軸方向に向かい変位するときは、駆動振動腕130が+Z軸方向に向かい変位する。
基部110から延伸された駆動振動腕120は、表面103cと、表面103cと反対側に設けられた裏面103dと、表面103cと裏面103dとを接続する側面103h,103iと、を備えている。また、基部110から延伸された駆動振動腕130は、表面103gと、表面103gと反対側に設けられた裏面103fと、表面103gと裏面103fとを接続する側面103j,103kと、を備えている。また、駆動振動腕120には、表面103cおよび裏面103dから掘り込まれ、Y軸方向に沿って伸びる有底の凹部(溝)148が設けられている。また、駆動振動腕130には、表面103gおよび裏面103fから掘り込まれ、Y軸方向に沿って伸びる有底の凹部(溝)158が設けられている。
駆動振動腕120,130の側面103h,103i,103j,103kは、表面103c,103g側から駆動振動腕120,130を見た平面視で、側面103h,103i,103j,103kが、表面103c,103g側に向くような傾斜部として構成されている。すなわち、側面103h,103i,103j,103kは、表面103c,103g側から見た場合に、視認可能なように表面103c,103g側に露出した面となっている。このように、駆動振動腕120,130の断面は、図1(b)に示すような台形形状をなすように、側面103h,103i,103j,103kが傾斜部となっている。そして、この側面103h,103i,103j,103kの傾斜部に、後述する側面電極としての第1駆動電極121a,121b,132a,132bと第2駆動電極122a,122b,131a,131bとを分割する電極分割部(分割ライン)103m,103n,103r,103sが設けられている。
このような駆動振動腕120,130の構成とすることで、後段で詳細を説明するが、電極分割部103m,103n,103r,103sなどを形成する際の露光工程において、駆動振動腕120,130の表面103c,103gや裏面103d,103fに向けて露光用の光を照射する、所謂平面露光を用いても、平面部である凹部(溝)148,158に加えて、傾斜部にも容易に光を照射することができる。換言すれば、電極分割部(分割ライン)103m,103n,103r,103sを設ける傾斜部に露光用の照射光Lを直接照射することができる。このように、傾斜部の露光では、傾斜部に対して平行光を一方向から照射する平面露光を用いることができる。したがって、平面露光を用いる簡便な装置を用いることにより、駆動電極を構成する第1駆動電極121a,121b,132a,132bと第2駆動電極122a,122b,131a,131bとを分割する電極分割部103m,103n,103r,103sを形成するための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。また、この平面露光を用いる簡便な装置を用いて、凹部(溝)148,158の内の溝電極としての第1駆動電極121a,121b,132a,132bと第2駆動電極122a,122b,131a,131bの電極分割部(図示せず)を、凹部(溝)148,158の底面に形成するための露光(レジスト露光)を行うことができる。このように、側面103h,103i,103j,103kおよび凹部(溝)148,158の内の電極分割のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。
なお、図示されていないが、駆動振動腕120,130の先端部には、駆動振動腕120,130より幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部が設けられていてもよい。駆動振動腕120,130に、幅広部としての錘部が設けられている構成では、駆動振動腕120,130の長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の駆動振動を得ることができるため、音叉型振動片100を小型化することが可能となる。
次に、図1(b)を参照して音叉型振動片100の駆動電極について説明する。駆動振動腕120,130を駆動させるための駆動電極は、第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bを備えている。第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bは、図示されていないが、駆動振動腕120,130の付け根から先端部に向かって延伸するように設けられている。駆動振動腕120,130には、前述したように、凹部(溝)148,158が設けられている。本実施形態における凹部148,158は、表面103c,103gおよび裏面103d,103fの両面側に設けられている。また、前述したように、側面103h,103i,103j,103kは、表面103c,103gに露出するように傾斜した傾斜部となっている。
駆動振動腕120では、側面103hに、駆動振動腕120の厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って駆動振動腕120の延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部103mによって分割された、表面103c側の第1駆動電極121aと裏面103d側の第2駆動電極122bとが設けられている。さらに、第1駆動電極121aと対向する凹部148の内側面には、第2駆動電極122aが設けられ、第2駆動電極122bと対向する凹部148の内側面には、第1駆動電極121bが設けられている。また、側面103hと反対側の側面103iに、駆動振動腕120の厚み方向の略中央に有って駆動振動腕120の延伸方向に沿って設けられた電極分割部103nによって分割された、表面103c側の第2駆動電極122aと裏面103d側の第1駆動電極121bとが設けられている。さらに、第2駆動電極122aと対向する凹部148の内側面には、第1駆動電極121aが設けられ、第1駆動電極121bと対向する凹部148の内側面には、第2駆動電極122bが設けられている。なお、凹部148の内側面の溝電極としての第2駆動電極122aおよび第1駆動電極121aと、凹部148の内側面の溝電極としての第1駆動電極121bおよび第2駆動電極122bとは、凹部148の底面で分割されている。
そして、第1駆動電極121aと第1駆動電極121bとは、図示しないが、駆動振動腕120の先端部などを経由して電気的に接続されている。同様に、第2駆動電極122aと第2駆動電極122bとは、図示しないが、駆動振動腕120の先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bは、駆動振動腕120の先端近傍まで延設されている。また、第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
同様に、駆動振動腕130では、側面103jに、駆動振動腕130の厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って駆動振動腕130の延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部103rによって分割された、表面103g側の第2駆動電極131aと裏面103f側の第1駆動電極132bとが設けられている。さらに、第2駆動電極131aと対向する凹部158の内側面には、第1駆動電極132aが設けられ、第1駆動電極132bと対向する凹部158の内側面には、第2駆動電極131bが設けられている。また、反対側の側面103kに、駆動振動腕130の厚み方向の略中央に有って駆動振動腕130の延伸方向に沿って設けられた電極分割部103sによって分割された、表面103g側の第1駆動電極132aと裏面103f側の第2駆動電極131bとが設けられている。さらに、第1駆動電極132aと対向する凹部158の内側面には、第2駆動電極131aが設けられ、第2駆動電極131bと対向する凹部158の内側面には、第1駆動電極132bが設けられている。なお、凹部158の内側面の第2駆動電極132aおよび第1駆動電極131aと、凹部158の内側面の第1駆動電極131bおよび第2駆動電極132bとは、凹部158の底面で分割されている。
そして、第2駆動電極131aと第2駆動電極131bとは、図示しないが、駆動振動腕130の先端部などを経由して電気的に接続されている。同様に、第1駆動電極132aと第1駆動電極132bとは、図示しないが、駆動振動腕130の先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第2駆動電極131a,131bおよび第1駆動電極132a,132bは、駆動振動腕130の先端近傍まで延設されている。また、第2駆動電極131a,131bおよび第1駆動電極132a,132bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
駆動振動腕120においては、第1駆動電極121aと第1駆動電極121bとは同電位となるように接続され、第2駆動電極122aと第2駆動電極122bとは同電位となるように接続されている。また、駆動振動腕130においては、第2駆動電極131aと第2駆動電極131bとは同電位となるように接続され、第1駆動電極132aと第1駆動電極132bとは同電位となるように接続されている。このような構成の駆動電極に、位相が異なる交流電圧を印加すると、音叉型振動片100は、駆動振動腕120と駆動振動腕130とが、Z軸方向に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲運動を繰り返し、所定の周波数で屈曲振動する。
上述した第1駆動電極121a,121b,132a,132b、および第2駆動電極122a,122b,131a,131bの構成は、特に限定されず、導電性を有し、薄膜形成が可能であればよい。具体的な構成としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料により形成することができる。
上述した音叉型振動片100によれば、駆動振動腕120,130の断面形状が台形をなしており、表面103c,103g側に、側面103h,103i,103j,103kが露出している。そして、露出した傾斜部に、第1駆動電極121a,121b,132a,132bと第2駆動電極122a,122b,131a,131bとを分割する電極分割部(分割ライン)103m,103n,103r,103sが設けられているため、電極分割部(分割ライン)103m,103n,103r,103sを設ける傾斜部に露光用の照射光Lを直接照射することができる。これにより、露光による電極分割部103m,103n,103r,103sの形成に、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となり、電極を分割する分割部の形成のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。したがって、凹部(溝)148,158の内の分割と側面103h,103i,103j,103k内の電極分割のための露光(レジスト露光)を、同じ平面露光を用いる簡便な装置を用いて行うことができ、音叉型振動片100を低コストで容易に形成することが可能となる。
なお、音叉型振動片100においては、振動片として用いる構成の他にも、ジャイロ振動片(ジャイロ素子)として用いることもできる。この場合は、一対の駆動振動腕120,130の一方を駆動振動腕として用い、他の駆動振動腕を検出振動腕として用い、所定の電極を設ける。
(第2実施形態)
<振動素子−2>
次に、図2を参照して、第2実施形態に係る振動素子について説明する。
図2は、第2実施形態に係る振動素子としての屈曲振動片の概略構成を模式的に示し、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B断面図である。
まず、第2実施形態に係る振動素子の概略構成について説明する。なお、本第2実施形態の振動素子としての屈曲振動片200は、第1実施形態で述べた音叉型振動片100と同一構成の振動腕としての駆動振動腕120を備えている。以下、第1実施形態の音叉型振動片100と同一の構成部位については、同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示すように、振動素子としての屈曲振動片200は、基部110と、基部110から+Y軸方向に延出している振動腕としての駆動振動腕120とを備えている。駆動振動腕120は、断面が台形形状をなした角柱状であって、略矩形平板状の基部110の+Y側の一端から、+Y軸方向に延伸されている。屈曲振動片200を構成する基部110と駆動振動腕120は、一体で形成され、水晶が基材として用いられている。なお、第2実施形態の屈曲振動片200は、フォトリソグラフィー法及びフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で形成することができる。
駆動振動腕120の基本的な構成は、第1実施形態で述べた音叉型振動片100と同一構成であるため詳細な説明は省略する。
基部110から延伸された駆動振動腕120は、表面103cと、表面103cと反対側に設けられた裏面103dと、表面103cと裏面103dとを接続する側面103h,103iと、を備えている。また、駆動振動腕120には、表面103cおよび裏面103dから掘り込まれ、Y軸方向に沿って伸びる有底の凹部148が設けられている。
駆動振動腕120の側面103h,103iは、表面103c側から駆動振動腕120を見た平面視で、側面103h,103iが、表面103c側に向くような傾斜部として構成されている。このように、駆動振動腕120の断面は、図2(b)に示すような台形形状をなしている。そして、この側面103h,103iの傾斜部に、後述する側面電極としての第1駆動電極121a,121bと第2駆動電極122a,122bとを分割する電極分割部(分割ライン)103m,103nが設けられている。
このような駆動振動腕120の構成とすることで、第1実施形態と同様に、電極分割部103m,103nなどを形成する際の露光工程において、駆動振動腕120の表面103cや裏面103dに向けて露光用の光を照射する、所謂平面露光を用いても、平面部である凹部(溝)148に加えて、傾斜部に容易に光を照射することができる。このように、傾斜部の露光では、傾斜部に対して平行光を一方向から照射する平面露光を用いることができる。したがって、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となり、駆動電極を構成する第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bを分割する電極分割部103m,103nを形成するための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。また、この平面露光を用いる簡便な装置を用いて、凹部(溝)148の内の溝電極としての第1駆動電極121a,121bと第2駆動電極122a,122bの電極分割部(図示せず)を、凹部(溝)148の底面に形成するための露光(レジスト露光)を行うことができる。このように、側面103h,103iおよび凹部(溝)148の内の電極分割のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。
なお、図示されていないが、駆動振動腕120の先端部には、駆動振動腕120より幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部が設けられていてもよい。駆動振動腕120に、幅広部としての錘部が設けられている構成では、駆動振動腕120の長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の駆動振動を得ることができるため、屈曲振動片200を小型化することが可能となる。
次に、図2(b)を参照して屈曲振動片200の駆動電極について説明するが、前述の第1実施形態で説明した駆動振動腕120の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。駆動振動腕120を駆動させるための駆動電極は、電極分割部103m,103nで分割された第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bが備えられている。
駆動振動腕120においては、第1駆動電極121aと第1駆動電極121bとは同電位となるように接続され、第2駆動電極122aと第2駆動電極122bとは同電位となるように接続されている。このような構成の第1駆動電極121a,121bおよび第2駆動電極122a,122bに、位相が異なる交流電圧を印加すると、屈曲振動片200は、駆動振動腕120がZ軸方向に沿って変位する屈曲運動を繰り返し、所定の周波数で屈曲振動することができる。
上述した屈曲振動片200によれば、駆動振動腕120の断面形状が台形をなしており、表面103c側に、側面103h,103iが露出している。そして、露出した傾斜部に、第1駆動電極121a,121bと第2駆動電極122a,122bとを分割する電極分割部(分割ライン)103m,103nが設けられている。これにより、露光による電極分割部103m,103nの形成に、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となり、電極を分割する分割部の形成のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。したがって、凹部(溝)148の内の分割と側面103h,103iの内の分割とのための露光(レジスト露光)を、同じ平面露光を用いる簡便な装置を用いて行うことができ、音叉型振動片100を低コストで容易に形成することが可能となる。
(第3実施形態)
<ジャイロ素子−1>
まず、本発明の第3実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、ジャイロ素子の一実施形態を示し、図3(a)は模式的に示す斜視図、図3(b)は模式的に示す平面図である。図4は、ジャイロ素子の検出振動腕を拡大した図であり、図3(b)に示すQの領域の部分平面図である。図5は、ジャイロ素子の電極構成を説明する図であり、図5(a)は図3(b)のC−C断面図、図5(b)は図3(b)のD−D断面図である。
図3(a)に示すように、第3実施形態に係るジャイロ素子300は、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成された基部1と、振動腕としての駆動振動腕2a,2bおよび振動腕としての検出振動腕3a,3bと、調整用振動腕4a,4bとを有している。更に、基部1から延出する第1連結部5a、および第1連結部5aに連結する第1支持部5bと、基部1から第1連結部5aと反対方向に延出する第2連結部6a、および第2連結部6aに連結する第2支持部6bと、が設けられている。さらに、第1支持部5bおよび第2支持部6bは、駆動振動腕2a,2bの側で一体的に繋って、固定枠部7を構成している。そして、ジャイロ素子300は、固定枠部7の所定の位置で、図示しないパッケージ等の基板に固定される。
本実施形態のジャイロ素子300では、基材として圧電体材料である水晶を用いた例について説明する。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。本実施形態では、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚さtを有した所謂水晶Z板を基材として用いた例を説明する。なお、ここでいう所定の厚さtは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。また、ジャイロ素子300を形成する平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。
ジャイロ素子300は、中心部分に位置する略矩形状の基部1と、基部1のY軸方向の端部1a,1bのうち一方の端部(図中(−)Y方向の端部)1bから、並行するようにY軸に沿って延伸された一対の駆動振動腕2a,2bと、基部1の他方の端部(図中(+)Y方向の端部)1aからY軸に沿って並行するように延伸された一対の検出振動腕3a,3bと、を有している。このように、基部1の両端部1a,1bから、一対の駆動振動腕2a,2bと、一対の検出振動腕3a,3bとが、それぞれ同軸方向に延伸されている。このような形状から、本実施形態に係るジャイロ素子300は、H型ジャイロ素子と呼ばれることがある。H型のジャイロ素子300は、駆動振動腕2a,2bと検出振動腕3a,3bとが、基部1の同一軸方向の両端部1a,1bからそれぞれ延伸されているので、駆動系と検出系が分離される。ジャイロ素子300は、このように駆動系と検出系が分離されることにより、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度が安定するという特徴を有する。なお、第3実施形態ではH型振動片を例に駆動振動腕および検出振動腕を各々2本ずつ設けているが、振動腕の本数は1本であっても3本以上であっても良い。また、1本の振動腕に後述する駆動電極と検出電極を形成しても良い。
H型のジャイロ素子300は、一対の駆動振動腕2a,2bを面内方向(+X軸方向と−X軸方向)に振動させた状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動振動腕2a,2bにコリオリ力が発生し、駆動振動腕2a,2bが面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。そして、検出振動腕3a,3bは、駆動振動腕2a,2bの面外方向の屈曲振動に共振して、同じく面外方向に屈曲振動する。この時、圧電効果により検出振動腕3a,3bに設けられている検出電極に電荷が発生する。ジャイロ素子300は、この電荷を検出することによりジャイロ素子300に加わる角速度ωを検出することができる。
基部1から延伸された振動腕としての一対の駆動振動腕2a,2bは、図5に示すように、表面2c,2gと、表面2c,2gと反対側に設けられた裏面2d,2hと、表面2c,2gと裏面2d,2hとを接続する側面2e,2f,2k,2jと、を備えている。側面2e,2f,2k,2jは、表面2c,2g側から駆動振動腕2a,2bを見た平面視で、側面2e,2f,2k,2jが、表面2c,2g側に向くような傾斜部として構成されている。すなわち、側面2e,2f,2k,2jは、表面2c,2g側から見た場合に、視認可能なように表面2c,2g側に露出した面となっている。また、駆動振動腕2a,2bの先端部には、駆動振動腕2a,2bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部52a,52bが設けられている(図3参照)。なお、駆動振動腕2a,2bの先端部とは、基部1と接続する駆動振動腕2a,2bの一端と、反対の他端側の開放端の部分をいう。このように、駆動振動腕2a,2bに、錘部52a,52bが設けられていることにより、駆動振動腕2a,2bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の駆動振動を得ることができるため、ジャイロ素子を小型化することが可能となる。なお、駆動振動腕2a,2bには、駆動振動腕2a,2bを駆動させるための電極が設けられているが、電極の構成については後述する。
基部1から延伸された一対の振動腕としての検出振動腕3a,3bには、表面3c,3gと、表面3c,3gと反対側に設けられた裏面3d,3fと、表面3c,3gと裏面3d,3fとを接続する側面3h,3i,3j,3kと、を備えている。図4および図5を参照しながら説明すると、側面3h,3i,3j,3kは、表面3c,3g側から検出振動腕3a,3bを見た平面視で、側面3h,3i,3j,3kが、表面3c,3g側に向くような傾斜部として構成されている。すなわち、側面3h,3i,3j,3kは、表面3c,3g側から見た場合に、視認可能なように表面3c,3g側に露出した面となっている。本実施形態の検出振動腕3a,3bでは、図5に示すような、台形形状の断面を有する構成となっている。そして、この傾斜部に後述する検出電極の第1検出電極21a,21b,32a,32bと第2検出電極22a,22b,31a,31bとを分割する電極分割部(分割ライン)3m,3n,3r,3s(図4参照)が設けられている。
このように、検出振動腕3a,3bの構成とすることで、後段で詳細を説明するが、電極分割部3m,3n,3r,3sを形成する際の露光工程において、検出振動腕3a,3bの表面3c,3gや裏面3d,3fに向けて露光用の光を照射する、所謂平面露光を用いても、傾斜部には容易に光を照射することができる。換言すれば、電極分割部(分割ライン)3m,3n,3r,3sに相当する傾斜部に露光用の照射光Lを直接照射することができる。このように、傾斜部の露光では、傾斜部に対して平行光を一方向から照射する平面露光を用いることができる。したがって、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となり、検出電極を構成する第1検出電極21a,21b,32a,32bおよび第2検出電極22a,22b,31a,31bを分割する電極分割部3m,3n,3r,3sを形成するための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。
図3に戻り説明すると、さらに、検出振動腕3a,3bには、検出振動腕3a,3bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部53a,53bが設けられている。このように、検出振動腕3a,3bにおいても、錘部53a,53bが設けられていることにより、検出振動腕3a,3bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の検出振動を得ることができるため、ジャイロ素子を小型化することが可能となる。
さらに、一対の検出振動腕3a,3bには、凹部(溝)58a,58bが設けられている。本実施形態における凹部(溝)58a,58bは、図5に示すように表面3c,3gおよび裏面3d,3fの両面側から掘り込まれている構成であるが、表面3c,3gあるいは裏面3d,3fの一方の面から掘込まれた構成でもよい。
また、ジャイロ素子300には、図3に示すように、水晶の結晶X軸(電気軸)と交差する方向に検出振動腕3a,3bと並行させてかつ検出振動腕3a,3bを内側に挟むように、基部1から延伸された一対の調整用振動腕4a,4bが設けられている。即ち、調整用振動腕4a,4bは、Y軸に沿って(+)Y方向に延伸され、検出振動腕3a,3bと所定の間隔を空けて内側に挟むように位置し、かつ並行するように設けられている。なお、調整用振動腕4a,4bは、チューニングアームと呼ばれることもある。このような調整用振動腕4a,4bが設けられていることにより、漏れ出力を調整することが可能となる。換言すれば、駆動振動が漏れる(伝播する)、所謂振動漏れによって生じる電荷を、調整用振動腕4a,4bの電荷調整によってキャンセルし、振動漏れの出力を抑制することが可能となる。これにより、ジャイロ素子300の特性を安定させることが可能となる。
また、調整用振動腕4a,4bは、駆動振動腕2a,2bおよび検出振動腕3a,3bよりも全長が短く形成されている。これにより、漏れ出力を調整するための調整用振動腕4a,4bの振動が、駆動振動腕2a,2bと検出振動腕3a,3bによるジャイロ素子300の主要な振動を阻害することがないので、ジャイロ素子300の振動特性が安定するとともに、ジャイロ素子300の小型化にも有利となる。
さらに、調整用振動腕4a,4bの先端部には、調整用振動腕4a,4bより幅が広い(X軸方向の長さが長い)略矩形状の幅広部としての錘部54a,54bが設けられている。このように、調整用振動腕4a,4bの先端部に錘部54a,54bを設けることにより、調整用振動腕4a,4bにおける質量変化を顕著にさせることができ、ジャイロ素子300の高感度化に寄与する効果をさらに向上させることができる。
基部1の中央は、ジャイロ素子300の重心とすることができる。そして、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交し、重心を通るものとする。ジャイロ素子300の外形は、重心を通るY軸方向の仮想の中心線に対して線対称とすることができる。これにより、ジャイロ素子300の外形はバランスのよいものとなり、ジャイロ素子300の特性が安定して、検出感度が向上するので好ましい。このようなジャイロ素子300の外形形状は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)により形成することができる。なお、ジャイロ素子300は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
次に、ジャイロ素子300の電極配置の一実施形態について、図5を参照して説明する。図5(a)は、検出振動腕3a,3bの図3(b)に示すC−C部における断面を示し、図5(b)は、駆動振動腕2a,2bの図3(b)に示すD−D部における断面を示している。
まず、検出振動腕3a,3bに形成され、検出振動腕3a,3bが振動することによって基材である水晶に発生する歪みを検出する検出電極について説明する。図5(a)に示すように、検出振動腕3a,3bには、前述したように、凹部58a,58bが設けられている。本実施形態における凹部58a,58bは、表面3c,3gおよび裏面3d,3fの両面側に設けられている。また、前述したように、側面3h,3i,3j,3kは、表面3c,3gに露出するように傾斜した傾斜部となっている。
検出振動腕3aには、側面3hに、検出振動腕3aの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出振動腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部3mによって分割された、側面電極として表面3c側の第1検出電極21aと裏面3d側の第2検出電極22bとが設けられている。さらに、第1検出電極21aと対向する凹部(溝)58aの内側面には、溝電極としての第2検出電極22aが設けられ、第2検出電極22bと対向する凹部58aの内側面には、溝電極としての第1検出電極21bが設けられている。また、反対側の側面3iに、検出振動腕3aの厚み方向の略中央に有って検出振動腕3aの延伸方向に沿って設けられた電極分割部3nによって分割された、側面電極として表面3c側の第2検出電極22aと裏面3d側の第1検出電極21bとが設けられている。さらに、第2検出電極22aと対向する凹部58aの内側面には、溝電極としての第1検出電極21aが設けられ、第1検出電極21bと対向する凹部58aの内側面には、溝電極としての第2検出電極22bが設けられている。なお、凹部58aの内側面の第2駆動電極22aおよび第1駆動電極21aと、凹部58aの内側面の第1駆動電極21bおよび第2駆動電極22bとは、凹部58aの底面で分割されている。
そして、第1検出電極21aと第1検出電極21bとは、図示しないが、検出振動腕3aの先端部などを経由して電気的に接続されている。第2検出電極22aと第2検出電極22bとは、図示しないが、検出振動腕3aの先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bは、検出振動腕3aの先端近傍まで延設されている。また、第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。また、第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bは、調整用振動腕4a(図3参照)に形成された図示しない調整用電極にも電気的に接続されている。
同様に、検出振動腕3bには、側面3jに、検出振動腕3bの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出振動腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部3rによって分割された、表面3g側の第2検出電極31aと裏面3f側の第1検出電極32bとが設けられている。さらに、第2検出電極31aと対向する凹部(溝)58bの内側面には、第1検出電極32aが設けられ、第1検出電極32bと対向する凹部58bの内側面には、第2検出電極31bが設けられている。また、側面3jとは反対側の側面3kに、検出振動腕3bの厚み方向の略中央に有って検出振動腕3bの延伸方向に沿って設けられた電極分割部3sによって分割された、表面3g側の第1検出電極32aと裏面3f側の第2検出電極31bとが設けられている。さらに、第1検出電極32aと対向する凹部58bの内側面には、第2検出電極31aが設けられ、第2検出電極31bと対向する凹部58bの内側面には、第1検出電極32bが設けられている。なお、凹部58bの内側面の第2駆動電極22aおよび第1駆動電極21aと、凹部58bの内側面の第1駆動電極21bおよび第2駆動電極22bとは、凹部58bの底面で分割されている。
そして、第2検出電極31aと第2検出電極31bとは、図示しないが、検出振動腕3bの先端部などを経由して電気的に接続されている。第1検出電極32aと第1検出電極32bとは、図示しないが、検出振動腕3bの先端部などを経由して電気的に接続されている。なお、第2検出電極31a,31bおよび第1検出電極32a,32bは、検出振動腕3bの先端近傍まで延設されている。また、第2検出電極31a,31bおよび第1検出電極32a,32bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。また、第2検出電極31a,31bおよび第1検出電極32a,32bは、調整用振動腕4b(図3参照)に形成された図示しない調整用電極にも電気的に接続されている。
検出振動腕3aにおいては、第1検出電極21aと第1検出電極21bとは同電位となるように接続され、第2検出電極22aと第2検出電極22bとは同電位となるように接続されている。これにより、検出振動腕3aの振動によって生じる歪みが、第1検出電極21a,21bと第2検出電極22a,22bの電極間の電位差を検出することにより検出される。同様に、検出振動腕3bにおいては、第1検出電極32aと第1検出電極32bとは同電位となるように接続され、第2検出電極31aと第2検出電極31bとは同電位となるように接続されている。これにより、検出振動腕3bの振動によって生じる歪みが、第1検出電極32a,32bと第2検出電極31a,31bの電極間の電位差を検出することにより検出される。
次に、駆動振動腕2a,2bに設けられた、駆動振動腕2a,2bを駆動させるための駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cについて説明する。図5(b)に示すように、駆動振動腕2aの表面(一方の主面)2cには駆動電極11aが、および裏面(他方の主面)2dには駆動電極11bが、錘部52a(図3参照)までの間に形成されている。また、駆動振動腕2aの一方の側面2e、および他方の側面2fには駆動電極12cが、駆動振動腕2aの錘部52a(図3参照)までの間に形成されている。同様に、駆動振動腕2bの表面(一方の主面)2gには駆動電極12aが、および裏面(他方の主面)2hには駆動電極12bが、錘部52b(図3参照)までの間に形成されている。また、駆動振動腕2bの一方の側面2j、および他方の側面2kには駆動電極11cが、駆動振動腕2bの錘部52b(図3参照)までの間に形成されている。
駆動振動腕2a,2bに形成された駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cは、駆動振動腕2a,2bを介して対向配置される駆動電極間において同電位となるように配置される。また、図示しないが、駆動電極11a,11b,11cが、接続された第1固定部に形成された接続パッド、および駆動電極12a,12b,12cが接続される第2固定部に形成された接続パッドを通して駆動電極11a,11b,11cと駆動電極12a,12b,12cとの間に電位差を交互に与えることにより駆動振動腕2a,2bは、いわゆる音叉振動が励振される。
次に、調整用振動腕4a,4bに設けられた電極について説明する。図示しないが、調整用振動腕4aには、表裏面に同電位の調整用電極が形成されている。また調整用振動腕4aの両側面のそれぞれには、同電位である他の調整用電極が形成されている。同様に、調整用振動腕4bには、表裏面に同電位の調整用電極が形成されている。また調整用振動腕4bの両側面には、同電位である他の調整用電極が形成されている。なお、表裏面の調整用電極もしくは、両側面の調整用電極のどちらか一方は、検出電極と電気的に接続されている。
なお、上述した駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12c、第1検出電極21a,21b,32a,32b、および第2検出電極22a,22b,31a,31b、および調整用電極の構成は、第1実施形態で説明した電極構成と同様であるので、本実施形態での説明は省略する。
上述したように、本実施形態に係るジャイロ素子300によれば、駆動振動腕2a,2bを所定の励振駆動信号を印加させることにより振動させた状態で、ジャイロ素子300にY軸回りの角速度ωが加わることにより、駆動振動腕2a,2bにコリオリ力が発生し、駆動振動腕2a,2bが面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に互いに逆方向に屈曲振動する。そして、この駆動振動腕2a,2bの振動によって調整用振動腕4a,4bが励振される。そこで、調整用振動腕4a,4bに設けられた金属膜である調整用電極の重さを増減させたり、調整用電極の体積を増減させたりして電荷量を変化させることにより、検出振動腕3a,3bの望まれない漏れ出力を抑制できる。
また、上述したジャイロ素子300によれば、一対の検出振動腕3a,3bの断面形状が台形をなしており、表面3c,3g側に、側面3h,3i,3j,3kが露出している。そして、第1検出電極21a,21b,32a,32bと第2検出電極22a,22b,31a,31bとを分割する電極分割部(分割ライン)3m,3n,3r,3sが設けられている傾斜部に露光用の照射光Lを直接照射することができる。これにより、側面3h,3i,3j,3kにおける露光による電極分割部3m,3n,3r,3sの形成に、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となる。また、同時に、凹部(溝)58a,58bの内の第1検出電極21a,21b,32a,32bと第2検出電極22a,22b,31a,31bの電極分割部(図示せず)を、凹部(溝)148,158の底面に形成するための露光(レジスト露光)を行うことができる。このように、側面3h,3i,3j,3kおよび凹部(溝)58a,58bの内の電極分割のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。つまり、電極分割部3m,3n,3r,3sを有するジャイロ素子300を低コストで容易に形成することが可能となる。
なお、上記第3実施形態に係るジャイロ素子300の説明では、基部1の一方端に、一対の検出振動腕3a,3bと、検出振動腕3a,3bを挟む一対の調整用振動腕4a,4bと、が設けられ、他方端に一対の駆動振動腕2a,2bが設けられている例を用いたが、この構成に限らない。例えば、駆動振動腕と調整用振動腕とが、基部の同じ端から同方向に延出されている形態でもよい。
(第4実施形態)
<ジャイロ素子−2>
次に、図6を参照して、第4実施形態に係るジャイロ素子400について説明する。
図6は、第4実施形態に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し、図6(a)は、ジャイロ素子を+側のZ軸方向から見た平面図であり、図6(b)は、図6(a)のE−E断面図である。なお、ジャイロ素子400には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、図6(a)においては省略している。
第4実施形態に係るジャイロ素子400は、Z軸まわりの角速度を検出する「面外検出型」のセンサー素子であって、図示しないが、基材と、基材の表面に設けられている複数の電極、配線および端子とで構成されている。ジャイロ素子400は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子400が得られる。
このようなジャイロ素子400は、いわゆるダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1支持部51および第2支持部52とを連結する第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
振動体4は、XY平面に拡がりを有し、Z軸方向に厚みを有している。このような振動体4は、中央に位置する基部41と、基部41からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1検出振動腕421、第2検出振動腕422と、基部41からX軸方向に沿って両側に延出している第1連結腕431、第2連結腕432と、第1連結腕431の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、第2連結腕432の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444とを有している。第1、第2検出振動腕421,422および第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の先端部には、それぞれ、基端側よりも幅の大きい略四角形の重量部(ハンマーヘッド)425,426,445,446,447,448が設けられている。このような重量部425,426,445,446,447,448を設けることでジャイロ素子400の角速度の検出感度が向上する。
第1検出振動腕421には、有底の凹部(溝)458が設けられ、第2検出振動腕422には、有底の凹部(溝)459が設けられている。第1検出振動腕421および第2検出振動腕422は同様な構成であるため、以下、図6(b)を参照し、第2検出振動腕422を例示して説明し、第1検出振動腕421の構成の説明は省略する。
第2検出振動腕422の凹部459は、表面403cおよび裏面403dの両面側から堀込まれている。なお、凹部は、表面403cあるいは裏面403dのいずれか一方の面から掘込まれた構成でもよい。また、前述したように、側面403h,403iは、表面403c側に露出するように傾斜した傾斜部となっている。
また、第2検出振動腕422には、側面403hに、第2検出振動腕422の厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って第2検出振動腕422の延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部403mによって分割された、側面電極として表面403c側の第1検出電極421aと裏面403d側の第2検出電極422bとが設けられている。さらに、第1検出電極421aと対向する凹部459の内側面には、溝電極としての第2検出電極422aが設けられ、第2検出電極422bと対向する凹部459の内側面には、溝電極としての第1検出電極421bが設けられている。また、反対側の側面403iに、第2検出振動腕422の厚み方向の略中央に有って第2検出振動腕422の延伸方向に沿って設けられた電極分割部403nによって分割された、側面電極として表面403c側の第2検出電極422aと裏面403d側の第1検出電極421bとが設けられている。さらに、第2検出電極422aと対向する凹部459の内側面には、溝電極としての第1検出電極421aが設けられ、第1検出電極421bと対向する凹部459の内側面には、溝電極としての第2検出電極422bが設けられている。なお、凹部459の内側面の第2検出電極422aおよび第1検出電極421aと、凹部459の内側面の第1検出電極421bおよび第2検出電極422bとは、凹部459の底面で分割されている。
このような第1検出振動腕421および第2検出振動腕422における、第1検出電極421a,421b、および第2検出電極422a,422bの構成により、露光による電極分割部403m,403nの形成に、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となり、電極を分割する分割部の形成のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。すなわち、容易に電極分割部403m,403nを形成することができる。
また、図6(a)に示すように、第1、第2支持部51,52は、それぞれ、X軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51,52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51,52は、振動体4を介してY軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1梁61は、第1検出振動腕421と第1駆動振動腕441との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第2梁62は、第1検出振動腕421と第3駆動振動腕443との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第3梁63は、第2検出振動腕422と第2駆動振動腕442との間を通って第2支持部52と基部41を連結し、第4梁64は、第2検出振動腕422と第4駆動振動腕444との間を通って第2支持部52と基部41を連結している。
第1梁61〜第4梁64は、それぞれ、X軸方向に沿って往復しながらY軸方向に沿って延びる蛇行部を有する細長い形状で形成されているので、あらゆる方向に弾性を有している。そのため、外部から衝撃が加えられても、各梁61,62,63,64で衝撃を吸収する作用を有するので、これに起因する検出ノイズを低減または抑制することができる。
このような構成のジャイロ素子400は、次のようにしてZ軸まわりの角速度ωを検出する。ジャイロ素子400は、角速度ωが加わらない状態において、駆動信号電極(図示せず)および駆動接地電極(図示せず)の間に電界が生じると、各駆動振動腕441,442,443,444がX軸方向に屈曲振動を行う。このとき、第1、第2駆動振動腕441,442と、第3、第4駆動振動腕443,444とは、中心点(重心)を通るyz平面に関して面対称の振動を行っているため、基部41と、第1、第2連結腕431,432と、第1、第2検出振動腕421,422とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態にて、ジャイロ素子400にZ軸まわりに角速度ωが加わると、駆動振動腕441,442,443,444および連結腕431,432にY軸方向のコリオリの力が働き、このY軸方向の振動に呼応して、X軸方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した検出振動腕421,422の歪みを検出信号として検出することによって角速度ωが求められる。
上述した第4実施形態に係るジャイロ素子400によれば、第1検出振動腕421および第2検出振動腕422における、第1検出電極421a,421b、および第2検出電極422a,422bのように、表面403c側と裏面403d側を、側面403h,403iや凹部(溝)458,459内で分割した電極を、平面露光を用いる簡便な装置を用いて形成することが可能となる。これにより、側面403h,403iにおける露光による電極分割部403m,403nの形成に、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となる。また、同時に、凹部(溝)458,459の内の第1検出電極421a,421bと第2検出電極422a,422bの電極分割部(図示せず)を、凹部(溝)458,459の底面に形成するための露光(レジスト露光)を行うことができる。このように、側面403h,403iおよび凹部(溝)458,459の内の電極分割のための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。つまり、電極分割部403m,403nを有するジャイロ素子400を低コストで容易に形成することが可能となる。
なお、第4実施形態に係るジャイロ素子400では、第1検出振動腕421および第2検出振動腕422に、凹部458,459が設けられている構成で説明したが、これに限らず、凹部458,459が設けられていない構成でもよい。
(検出腕の変形例)
次に、振動腕における側面形状の変形例について図7を参照して説明する。図7(a)〜図7(d)は、振動腕の側面形状を例示する図であり、図3(b)のC−C断面に相当する断面図である。なお、本説明では、上述の第3実施形態と同様な構成については、同一符号を付して説明を省略する。また、本説明では、上述の第3実施形態の検出振動腕3aに相当する例を示しているが、本変形例に係る側面形状については、検出振動腕に限定されるものではない。また、それぞれの説明では、一つの側面3h,3iの構成を代表例として説明するが、両側面において同様な構成を有している。また、以下の変形例では、図面も含めて溝の表示を省略している。
図7(a)に示す変形例1の検出振動腕3a1は、表面3c方向から見て露出しており視認可能な凹面状の曲線で構成された側面3hを備えている。換言すれば、側面3hは、表面3c方向からの露出用の平行光である照射光Lを直接照射することが可能な面を有している。表面3c方向から見て視認可能な位置における側面3h上には、電極分割部3mが設けられている。そして、側面3h上には、電極分割部3mで分割された第1検出電極21aおよび第2検出電極22bが設けられている。なお、側面の構成は、変形例1における凹状の曲線の構成に変えて、凸面の曲線が含まれる構成の側面(傾斜部)であってもよく、さらには直線、曲線が混在する構成であってもよい。
図7(b)に示す変形例2の検出振動腕3a2は、表面3c方向から見て露出しており視認可能な傾斜部3h1と、表面3c方向から見た方向(Z軸方向)に沿った面3h2とによって構成された側面3hを備えている。傾斜部3h1は、表面3c方向からの露出用の平行光である照射光Lを直接照射することが可能であり、この傾斜部3h1上に、電極分割部3mが設けられている。そして、側面3h上には、電極分割部3mで分割された第1検出電極21aおよび第2検出電極22bが設けられている。このように、側面3hが、二つの平面が組み合わされた構成であっても、表面3c方向から見て露出している傾斜部3h1のような面を有していればよい。
図7(c)に示す変形例3の検出振動腕3a3は、中央部が突起状となった凸状部3i1と、表面3c方向から見て露出しており視認可能な傾斜部3i3とが、括れ部3i2を介して表面3c側と裏面3d側とに配置された構成の側面3iを備えている。傾斜部3i3は、表面3c方向からの露出用の平行光である照射光Lを直接照射することが可能であり、この傾斜部3i3上に、電極分割部3nが設けられている。そして、側面3i上には、電極分割部3nで分割された第2検出電極22aおよび第1検出電極21bが設けられている。このように、側面3iに凸状部3i1のような突起が設けられていても、表面3c方向から見て露出している傾斜部3i3のような面を有していればよい。
図7(d)に示す変形例4の検出振動腕3a4は、表面3c側に向いた(露出した)傾斜部3i4と、裏面3d側に向いた(露出した)傾斜部3i5と、傾斜部3i5と括れ部3i6を介して接続された傾斜部3i7と、によって構成された側面3iを備えている。この構成の側面3iでは、傾斜部3i4が表面3c方向から見て露出しており視認可能であり、傾斜部3i5が裏面3d方向から見て露出しており視認可能である。本例では、図7(d)に示すように、裏面3d側から露光用の平行光である照射光Lを照射する構成を示している。したがって、変形例4の検出振動腕3a4の構成では、傾斜部3i5に電極分割部3nが設けられている。
このように、表面3c、または裏面3dの両面側に向いた傾斜部を備えていれば、この傾斜部に電極分割部3nの位置を設けることによって、表面3c、および裏面3dのいずれかの面側から露光用の平行光である照射光Lを照射して電極分割部3nを形成することができる。
上述した変形例1〜変形例4においても、平面から見て電極分割部3m,3nの視認が可能であり、電極分割部3m,3nを形成する際の露光工程において、検出振動腕3a1,3a2,3a3,3a4の表面3cや裏面3dに向けて露光用の光を照射する、所謂平面露光を用いても、傾斜部(側面3h,3i)に直接光を照射することができる。このように、傾斜部の露光では、傾斜部に対して平行光を一方向から照射する平面露光を用いることができ、平面露光を用いる簡便な装置を用いることが可能となる。これにより、検出電極を構成する第1検出電極21a,21bおよび第2検出電極22a,22bを分割する電極分割部3m,3nを形成するための露光(レジスト露光)を容易に行うことができる。
なお、傾斜部を有する側面を備えた振動腕において、傾斜部の形状(傾き)を、振動腕の幅方向(X軸方向)の中心線を基準として線対称とすることが好ましい。このように傾斜部の形状(傾き)を線対称とすることにより、振動特性を向上させるとともに、振動特性を安定させること可能となる。
(振動素子の製造方法)
次に、振動素子の製造方法について、図8を参照して、外形形成工程と電極形成工程を中心に概略を説明する。図8は、実施形態に係る振動素子の製造工程の概略を示す工程フローチャートである。本説明では、第1実施形態に係る音叉型振動素子である音叉型振動片100を例に説明する。したがって、説明中に登場する構成部位あるいは符号などについては、図1と同じものを用いている。
音叉型振動片100の製造方法においては、水晶Z板基板を形成する基板準備工程S102と、音叉型振動片100の外形形状を形成する外形形成工程S104と、振動腕(例えば駆動振動腕120,130)に溝を形成する溝形成工程S105と、基板の露出面に電極膜を形成する電極膜形成工程S106と、電極膜を所定の形状に分割するためのレジストを露光する露光工程S108と、電極を形成する電極分割工程S110と、を含んでいる。
まず、基板準備工程S102では、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出された所謂水晶Z板の基板に、例えば研磨加工などの加工を行い、Z板の水晶基板を用意する。
次に、外形形成工程S104では、基板準備工程S102にて用意された水晶基板に、金属膜などにより所定のマスキングを行った後、フッ素ガスなどによるドライエッチング法を用いて、音叉型振動片100の外周形状を形成する。このとき、音叉型振動片100を構成する振動腕(例えば駆動振動腕120,130)の側面を含む外形形状が、表面103c,103g側から見て視認可能なように露出する傾斜部となって形成される。このように、ドライエッチング法を用いて外形形状を形成することで、容易に傾斜部を形成することができる。また、寸法精度よく外形形状を形成することができる。
次に、溝形成工程S105では、振動腕(例えば駆動振動腕120,130)の表面側と裏面側から、凹部(溝)148,158を形成する。溝形成工程S105では、例えば、外形形状が形成された水晶面に、金属膜などにより所定のマスキングを行った後、フッ素ガスなどによるドライエッチング法を用いて凹部(溝)148,158を形成することができる。
次に、電極膜形成工程S106では、音叉型振動片100の外形形状が形成された水晶基板の露出面の全面に、スパッタリング法などによって金属膜を形成する。この金属膜が、後にそれぞれの電極となる。具体的に金属膜は、凹部(溝)148,158の内面に溝電極膜を形成し、側面103h,103i,103j,103kに側面電極膜を形成する。
次に、露光工程S108では、金属膜の表面にフォトレジスト層を形成する。その後、電極を形成しない部分に相当する部分のフォトレジスト層に光を照射する露光処理および現像処理を行い、露光された部分のフォトレジスト層を除去する。この露光工程S108において、振動腕(例えば駆動振動腕120,130)の側面103h,103i,103j,103kを含む外形形状が、表面103c,103g側から見て視認可能なように露出する傾斜部となっており、この傾斜部に、電極を形成しない部分、すなわち電極分割部103m,103n,103r,103sを設ける。これによって、駆動振動腕120,130の表面103c,103gや裏面103d,103fに向けて露光用の光を照射する、所謂平面露光を用いても、傾斜部(側面103h,103i,103j,103k)に直接光を照射することができる。また、平面露光によって、凹部(溝)148,158内の底面も炉雇用の光を照射することができる。このように、凹部(溝)148,158および傾斜部の露光においては、傾斜部に対して平行光を一方向から照射する平面露光を用いることができる。したがって、平面露光を用いる簡便な装置を用いることができる。
次に、電極分割工程S110では、残ったフォトレジスト層をマスクとして、フォトレジスト層除去された部分に対応する金属膜をウェットエッチング法などによって除去することによって金属膜を分割する。この分割によって、それぞれの電極(電極パターン)を形成する。そして、残ったフォトレジスト層を剥離させれば、音叉型振動片100の電極を形成することができる。以上の工程で、音叉型振動片100を形成することができる。
(電子デバイスとしてのジャイロセンサー)
次に、第3実施形態に係るジャイロ素子300を備えた電子デバイスとしてのジャイロセンサーについて、図9を参照して説明する。図9は、電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
図9に示すように、ジャイロセンサー500は、パッケージ510の凹部に、ジャイロ素子300と、電子部品としての半導体装置520と、を収容し、パッケージ510の開口部を蓋体530により密閉し、内部を気密に保持されている。パッケージ510は、図9に示すように、平板上の第1基板511と、第1基板511上に、枠状の第2基板512、第3基板513、第4基板514、を順に積層、固着して形成され、半導体装置520とジャイロ素子300とが収容される凹部が形成される。基板511,512,513,514は、例えばセラミックスなどにより形成される。
第1基板511は、凹部側の半導体装置520が搭載される電子部品搭載面511aには、半導体装置520が載置され固定されるダイパッド515が設けられている。半導体装置520はダイパッド515上に、例えば、ろう材(ダイアタッチ材)540によって接着され、固定されている。
半導体装置520は、ジャイロ素子300を駆動振動させるための励振手段としての駆動回路と、角速度が加わったときにジャイロ素子300に生じる検出振動を検出する検出手段としての検出回路と、を有する。具体的には、半導体装置520が有する駆動回路は、ジャイロ素子300の一対の駆動振動腕2a,2b(図5参照)にそれぞれ形成された駆動電極11a,11b,12cおよび駆動電極11c,12a,12b(図5参照)に駆動信号を供給する。また、半導体装置520が有する検出回路は、ジャイロ素子300の一対の検出振動腕3a,3bにそれぞれ形成された検出電極21a,21b,22a,22bおよび検出電極31a,31b,32a,32b(図5参照)に生じる検出信号を増幅させて増幅信号を生成し、該増幅信号に基づいてジャイロセンサー500に加わった回転角速度を検出する。
第2基板512は、ダイパッド515上に搭載される半導体装置520が収容可能な大きさの開口を有する枠状の形状に形成されている。第3基板513は、第2基板512の開口より広い開口を有する枠状の形状に形成され、第2基板512上に積層され、固着される。そして第2基板512に第3基板513が積層されて第3基板513の開口の内側に現れる第2基板面512aには、半導体装置520の図示しない電極パッドと電気的に接続するボンディングワイヤーBWが接続される複数のIC接続端子512bが形成されている。そして、半導体装置520の図示しない電極パッドとパッケージ510に設けられたIC接続端子512bとが、ワイヤーボンディング法を用いて電気的に接続されている。すなわち、半導体装置520に設けられた複数の電極パッドと、パッケージ510の対応するIC接続端子512bとが、ボンディングワイヤーBWにより接続されている。また、IC接続端子512bのいずれかは、パッケージ510の図示しない内部配線により、第1基板511の外部底面511bに設けられた複数の外部接続端子511cに電気的に接続されている。
第3基板513上には、第3基板513の開口より広い開口を有する第4基板514が積層され、固着されている。そして、第3基板513に第4基板514が積層されて第4基板514の開口の内側に現れる第3基板面513aには、ジャイロ素子300に形成された接続パッド(図示せず)と接続される複数のジャイロ素子接続端子513bが形成されている。ジャイロ素子接続端子513bは、パッケージ510の図示しない内部配線によってIC接続端子512bのいずれかと電気的に接続されている。ジャイロ素子300は、第3基板面513aにジャイロ素子300の第1支持部5b、第2支持部6b(図3参照)を、接続パッドとジャイロ素子接続端子513bとに位置を合わせて載置され、導電性接着剤550によって接着固定される。
更に、第4基板514の開口の上面に蓋体530が配置され、パッケージ510の開口を封止し、パッケージ510の内部が気密封止され、ジャイロセンサー500が得られる。蓋体530は、例えば、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミックス、あるいはガラスなどを用いて形成することができる。例えば、金属により蓋体530を形成した場合には、コバール合金などを矩形環状に型抜きして形成されたシールリング560を介してシーム溶接することによりパッケージ510と接合される。パッケージ510および蓋体530によって形成される凹部空間は、ジャイロ素子300が動作するための空間となるため、減圧空間または不活性ガス雰囲気に密閉・封止することが好ましい。
電子デバイスとしてのジャイロセンサー500によれば、平面露光を用いる簡便な装置を用いて第1検出電極21a,21b、および第2検出電極22a,22bを形成できる低コストのジャイロ素子300を備えているため、ジャイロセンサー500も低コストとすることができる。また、上記構成のようなパッケージタイプのジャイロセンサー500は、小型化・薄型化に有利であるとともに耐衝撃性を高くすることができる。
なお、本発明に係る振動素子を適用可能な電子デバイスとしては、ジャイロセンサー500の他にも、例えば、パッケージ内に振動素子を収納したタイミングデバイスとしての振動子、またはパッケージ内に振動素子および振動素子を振動させる機能を少なくとも備えた回路素子を収納したタイミングデバイスとしての発振器などがある。
(電子機器)
次に、図10を参照して、前述の実施形態に係る振動素子を備えた電子機器について説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子300を用いた例について説明する。図10(a)〜図10(c)は、ジャイロ素子300を備える電子機器の一例を示す斜視図である。
図10(a)は、電子機器としてのデジタルビデオカメラ1000にジャイロ素子300を適用した例を示す。デジタルビデオカメラ1000は、受像部1100、操作部1200、音声入力部1300、及び表示ユニット1400を備えている。このようなデジタルビデオカメラ1000に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載する手ぶれ補正機能を具備させることができる。
図10(b)は、電子機器としての携帯電話機2000にジャイロ素子300を適用した例を示す。図10(b)に示す携帯電話機2000は、複数の操作ボタン2100及びスクロールボタン2200、並びに表示ユニット2300を備える。スクロールボタン2200を操作することによって、表示ユニット2300に表示される画面がスクロールされる。
図10(c)は、電子機器としての情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)3000にジャイロ素子300を適用した例を示す。図10(c)に示すPDA3000は、複数の操作ボタン3100及び電源スイッチ3200、並びに表示ユニット3300を備える。電源スイッチ3200を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示ユニット3300に表示される。
このような携帯電話機2000やPDA3000に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載することにより、様々な機能を付与することができる。例えば、図10(b)の携帯電話機2000に、図示しないカメラ機能を付与した場合に、上記のデジタルビデオカメラ1000と同様に、手振れ補正を行うことができる。また、図10(b)の携帯電話機2000や、図10(c)のPDA3000に、GPS(Global Positioning System)として広く知られる汎地球測位システムを具備した場合に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載することにより、GPSによって、携帯電話機2000やPDA3000の位置や姿勢を認識させることができる。
なお、本発明の実施形態に係るジャイロ素子300を一例とする振動素子は、図10(a)のデジタルビデオカメラ1000、図10(b)の携帯電話機、および図10(c)の情報携帯端末の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
(移動体)
次に、前述の実施形態に係る振動素子を備えた移動体について説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子300を用いた例について説明する。図11は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には第3実施形態に係るジャイロ素子300が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、ジャイロ素子300を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット1510が車体に搭載されている。また、ジャイロ素子300は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
以上、実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態および変形例では、振動素子あるいは振動素子としてのジャイロ素子の形成材料として水晶を用いた例を説明したが、水晶以外の圧電体材料を用いることができる。例えば、窒化アルミニウム(AlN)や、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウムや五酸化タンタル(Ta2O5)などの圧電体材料を積層させて構成された積層圧電基板、あるいは圧電セラミックスなどを用いることができる。また、圧電体材料以外の材料を用いて振動素子を形成することができる。例えば、シリコン半導体材料などを用いて振動素子を形成することもできる。また、振動素子の振動(駆動)方式は圧電駆動に限らない。圧電基板を用いた圧電駆動型のもの以外に、静電気力を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動素子においても、本発明の構成およびその効果を発揮させることができる。