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JP2016082790A - 電動機制御装置、電動機制御システム - Google Patents

電動機制御装置、電動機制御システム Download PDF

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JP2016082790A JP2014214120A JP2014214120A JP2016082790A JP 2016082790 A JP2016082790 A JP 2016082790A JP 2014214120 A JP2014214120 A JP 2014214120A JP 2014214120 A JP2014214120 A JP 2014214120A JP 2016082790 A JP2016082790 A JP 2016082790A
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直人 小林
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Abstract

【課題】回転速度の制御性を維持しつつも、出力トルクの負荷トルクに対する変動を抑制し、以て電動機の効率を悪化させない。
【解決手段】負荷角指令生成部4Aにおいて、電動機2の回転速度ωe^と、回転速度指令値ω0との偏差ωerrに対して比例制御を行なって演算値φcを得る。演算値φcの微分値sφcを速度修正量ωcorrとする。回転速度ωe^と速度修正量ωcorrとの和を、回転座標系の制御軸回転速度ω0として採用する。制御軸回転速度ω0の積分値を固定座標系に対する回転座標系の間の回転角θ0とする。電圧指令生成部70は、一次磁束についての指令値[λ]と、制御軸回転速度ω0および回転角θ0とに基づいて、電圧指令値v ,v ,v を生成し、これらを電圧供給源に与える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動機の制御装置および電動機制御システムに関し、例えば同期電動機へと交流電圧を印加する電動機の制御装置に関する。
特許文献1,2には、同期電動機の制御方法について記載されている。同期電動機は巻線を有する電機子と、界磁とを有している。
特許文献1では、電機子に流れる電流(以下「電機子電流」と称す)を一定に制御する技術について紹介されている。
特許文献2では、同期電動機の一次磁束が制御される。より詳細には、制御軸として互いに直交するγ軸及びδ軸を採用し、一次磁束のγ軸成分を零に制御する。この際、同期電動機を駆動するインバータの制御周波数は、電機子電流のγ軸成分をフィードバックして行っている。
特許文献3では、一次磁束制御を行うためのδc−γc回転座標系を採用し、そのγc軸電流に基づく補正量で速度の指令値ωに補正を行なって、δc−γc回転座標系の回転速度(以下「制御軸回転速度」と称す)を算出している。当該補正量としては、特許文献2と類似して、γc軸電流から直流成分を除去して得られる高調波成分と、ゲインとの積が採用されている。
なお、公知のように(例えば特許文献4を参照)、出力トルクは負荷角の正弦値および負荷角の二倍の正弦値に依存する。また出力トルクは電機子電流のγc軸成分(以下「γc軸電流」と称す)に依存する。
特許第2551132号公報 特許第3672761号公報 特許第5494760号公報 特開2002−34280号公報 特許第3551919号公報
電動機に一次磁束制御を行うとき、負荷トルクが減少すると回転速度が過渡的に増大する。これはδc―γc回転座標系とd−q回転座標系の間の位相角(負荷角)が増大することを意味する。このとき、大きな負荷角が得られればγc軸電流も大きい。
特許文献3に記載される技術では、γc軸電流の減少分に基づいて、δc−γc回転座標系の回転速度を減少させ、負荷角を減少させることができる。逆に負荷トルクが減少するとγc軸電流は大きな値をとり、δc−γc回転座標系の回転速度が増大する。このようにして負荷角の大きさを反映した制御により、電動機の脱調が防がれる。
しかしながら、かかる制御では負荷角の値に基づいた制御を行っている。つまり、γc軸電流が実際に大きな値を得てから、当該値に基づいて脱調が防がれている。このような制御ではγc軸電流が変動し、この変動は電機子電流の脈動を招来し、ひいては電動機の効率を悪化させることとなる。
そこで、本発明は、回転速度の制御性を維持しつつも、出力トルクの負荷トルクに対する変動を抑制し、以て電動機の効率を悪化させない、電動機の制御装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる電動機制御装置(3)は、電機子(21)と、界磁磁束([Λ0])を発生する界磁(23)とを有する同期電動機(2)に対して交流電圧を印加し、交流電流(i,i,i)を前記電機子に流す電圧供給源(1)を制御する制御装置である。
そしてその第1の態様は、前記同期電動機の電気角における回転速度(ωe^)と、回転座標(δc−γc)の回転速度たる制御軸回転速度(ω0)の指令値(ω0)との偏差(ωerr)を求める第1減算器(41)と;前記偏差に対して少なくとも比例制御を行なって、前記界磁磁束に対する前記回転座標の位相たる制御負荷角(φc)の指令値たる負荷角指令(φc)を求めるゲイン部(42)と;を有する負荷角指令生成部(4A,4B)と;前記負荷角指令と、前記界磁磁束の回転情報(ωe^,θe)とを用いて、前記制御軸回転速度及び前記回転座標の回転角(θ0)を求める回転情報取得部(5A〜5D)と;前記制御軸回転速度及び前記回転角を用いて、前記交流電流によって発生する電機子反作用の磁束と前記界磁磁束との合成である一次磁束([λ])を前記回転座標において制御し、前記交流電圧の指令値たる電圧指令(Vu,Vv,Vw)を求める電圧指令生成部(70)とを備える。
例えば前記回転情報取得部(5A)は、前記負荷角指令(φc)の微分値として速度修正量(ωcorr)を求める微分器(51)と;前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の回転速度(ωe^)と前記速度修正量とを加算して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する加算器(52)と;前記制御軸回転速度(ω0)を積分して前記回転角(θ0)を出力する積分器(53)とを有する。
例えば前記回転情報取得部(5B)は、前記負荷角指令(φc)と、前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の位相(θe)とを加算して前記回転角(θ0)を出力する加算器(54)と;前記回転角を微分して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する微分器(55)とを有する。
例えば前記回転情報取得部(5C)は、前記負荷角指令(φc)と、前記制御負荷角(φc)の推定値(φc^)との偏差(φerr)を出力する第2減算器(56)と;前記第2減算器の出力に対して比例積分制御を行って、速度修正量(ωcorr)を求める比例積分制御部(57)と;前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の回転速度(ωe^)と前記速度修正量とを加算して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する加算器(52)と;前記制御軸回転速度(ω0)を積分して前記回転角(θ0)を出力する積分器(53)とを有する。
例えば前記回転情報取得部(5D)は、前記負荷角指令(φc)と、前記制御負荷角(φc)の推定値(φc^)との偏差(φerr)を出力する第2減算器(56)と;前記第2減算器の出力に対して比例積分制御を行って、角度修正量(θcorr)を求める比例積分制御部(58)と;前記負荷角指令(φc)と、前記角度修正量と、前記界磁磁束の前記回転情報たる前記界磁磁束([Λ0])の位相(θe)とを加算して前記回転角(θ0)を出力する加算器(59)と;前記回転角を微分して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する微分器(55)とを有する。
この発明にかかる電動機制御装置の第2の態様は、その第1の態様であって、前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、前記回転速度(ωe^)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去して、前記第1減算器(41)に出力するローパスフィルタ(49)を更に備える。
この発明にかかる電動機制御装置の第3の態様は、その第1の態様であって、前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、前記偏差(ωerr)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去するローパスフィルタ(49)を更に備える。
この発明にかかる電動機制御装置の第4の態様は、その第1の態様であって、前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、前記負荷角指令(φc)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去するローパスフィルタ(49)を更に備える。
この発明にかかる電動機制御装置の第1〜第4の態様において望ましくは、前記回転角に基づいて前記交流電流(i,i,i)を前記回転座標における電流たる回転電流(iδc,iγc)に変換する座標変換部(73)を更に備える。
そして前記電圧指令生成部(70)は、前記一次磁束([λ])の指令値たる一次磁束指令([λ])と、前記制御軸回転速度(ω0)と、前記回転電流とに基づいて、前記回転座標における電圧の指令値たる原電圧指令(Vδc ,Vγc )を求める原電圧指令演算部(71)と;前記回転角(θ0)に基づいて前記原電圧指令を前記電圧指令(V ,V ,V )に変換する座標変換部(72)とを有する。
この発明にかかる電動機制御装置の第1の態様において望ましくは、前記交流電流(i,i,i)に基づいて前記回転速度(ωe^)を求める回転速度取得部(61)を更に備える。
この発明にかかる電動機制御システムは、この発明にかかる電動機制御装置の電動機制御装置(3)と、前記電圧供給源(1)とを備える。
この発明にかかる電動機制御装置の第1の態様によれば、回転速度の制御性を維持しつつも、出力トルクの負荷トルクに対する変動が抑制され、以て電動機の効率が悪化しない。
この発明にかかる電動機制御装置の第2〜第4態様によれば、制御が安定化される。
回転座標と磁束との一例を模式的に示すベクトル図である。 電動機の制御装置とその周辺装置の概念的な構成の一例を示すブロック図である。 制御部の構成の概念的な一例を示すブロック図である。 負荷トルク、出力トルクおよび電機子電流の波形を示すグラフである。 制御部の構成の概念的な他の例を示すブロック図である。 ローパスフィルタを挿入する態様を例示するブロック図である。 ローパスフィルタを採用した場合の負荷トルク、出力トルクおよび電機子電流の波形を示すグラフである。 ローパスフィルタを挿入する態様を例示するブロック図である。 ローパスフィルタを挿入する態様を例示するブロック図である。 回転情報取得部の構成を示すブロック図である。 回転情報取得部の他の構成を示すブロック図である。
実施の形態の詳細な説明に入る前に、この発明の前提について説明する。
<1.前提>
図1は同期電動機(以下、単に「電動機」と称す。なお同期電動機の特殊なものとして、スイッチトリラクタンスモータのように界磁を有しないものもある。しかしここでは同期電動機とは界磁を有しているものを指す。)における空隙磁束[λ](記号[]はベクトル量を表す:以下同様)と、電動機における界磁磁束[Λ0]との関係を示すベクトル図である。界磁磁束[Λ0]は例えば電動機が永久磁石を有している場合には当該永久磁石によって発生するし、電動機が界磁巻線を有している場合には当該界磁巻線に電流が流れることによって発生する。
電動機の回転と同期する回転座標系としてd−q回転座標系を導入する。ここではd軸を界磁磁束[Λ0]と同相に設定し、q軸はd軸に対して、電動機の制御によって回転させたい方向(以下、単に「回転方向」と称す)に向かって位相が90度進む。よって、d−q回転座標系の回転速度ωeは電動機の回転速度とみなすことができる。なお、後の説明の便宜のため、固定軸αに対するd軸の位相を界磁磁束位相θeとして導入する。
また回転座標系としてδ−γ回転座標系とδc−γc回転座標系とを導入する。δ軸はd軸に対して、γ軸はq軸に対して、それぞれ電動機の回転方向に向かって位相角φで位相が進む。δc軸はd軸に対して、γc軸はq軸に対して、それぞれ電動機の回転方向に向かって位相角φcで位相が進む。
例えば、「一次磁束制御」として知られている電動機の制御方法では、空隙磁束[λ]と同相にδ軸を設定する。この場合、位相角φは負荷角(界磁磁束[Λ0]と空隙磁束[λ]との間の位相角)として把握される。
以下、説明の便宜上、δ軸のd軸に対する位相角φを実負荷角φと称し、δc軸のd軸に対する位相角φcを制御負荷角φcと称する。なお、後の説明の便宜のため、固定軸αに対するδc軸の位相を回転角θ0として導入する。
さて、空隙磁束[λ]は周知のように、電動機(より詳細には電動機が備える電機子が有する電機子巻線)に供給される電圧及び電流と、電動機の機器定数(例えばインダクタンス、電機子巻線の抵抗成分、界磁磁束([Λ0]))と、電動機の回転速度とで決定される。よって電動機を制御する制御装置は、上述の「一次磁束制御」では、前記空隙磁束[λ]が空隙磁束[λ]の指令値[λ]と等しくなるように制御を行う。また、指令値[λ]のγ軸成分は0である。
かかる制御においてδc−γc回転座標系を採用すると、制御負荷角φcが実負荷角φと一致することで、電動機の回転を適切に制御することができる。
<2.電力変換装置の構成>
図2は上記の前提に基づいて本実施の形態の制御を行なう電動機制御装置3およびその周辺装置を示すブロック図である。
電動機2は三相の電動機であり、電機子21と、界磁23たる回転子を備える。技術的な常識として、電機子21は電機子巻線22を有し、回転子は電機子21と相対的に回転する。界磁23は例えば上述の界磁磁束[Λ0]を発生させる磁石を備える場合について説明される。電動機2は例えば圧縮機を駆動する。
電圧供給源1は例えば電圧制御型インバータ及びその制御部を備え、三相の電圧指令値[v ]=[v (括弧の後の上付の“t”は行列の転置を示す。以下同様)に基づいて、三相電圧v,v,vを電動機2に印加する。これにより、電動機2には三相の交流電流(以下「三相電流」とも称す)[i]=[iが流れる。但し、電圧指令値[v ]や三相電流[i]が有する成分は、例えばU相成分、V相成分、W相成分の順に記載されている。
電動機制御装置3は、電動機2に対し、空隙磁束[λ]及び回転速度を制御する装置である。空隙磁束[λ]は一次磁束とも称され、界磁磁束[Λ0]と、電機子21に流れる電機子電流(これは三相電流[i]でもある)によって発生する電機子反作用の磁束との合成である。以下では、空隙磁束[λ]を一次磁束[λ]とも呼ぶ。
電動機制御装置3は、電圧供給源1と共に、電動機制御システムを構成すると把握できる。
図3は、電動機制御装置3の内部構成の概念的な一例を示すブロック図である。電動機制御装置3は、負荷角指令生成部4Aと、回転情報取得部5Aと、原電圧指令演算部71と、座標変換部72,73とを備えている。
座標変換部73は、電流検出部8(図2も参照)によって検出される三相電流[i]を、δc−γc回転座標系における電流(以下「回転電流」とも称す)[iδγc]=[iδcγcに変換する。座標変換部72は、δc−γc回転座標系における電圧指令値(以下「原電圧指令」と称す)[vδγc ]=[vδc γc を電圧指令値[v ]に変換する。これらの変換には電動機2についての固定座標系(例えばUVW固定座標系)に対するδc−γc回転座標系の回転角θ0が用いられる。これらの座標変換は周知の技術で実現されるので、ここではその詳細を省略する。
原電圧指令演算部71は一次磁束指令値[λ]および制御軸回転速度ω0に基づいて原電圧指令[vδγc ]を生成する。一次磁束指令値[λ]は一次磁束[λ]についての指令値であり、一次磁束制御においてはそのγc軸成分λγは零と設定される。これにより、一次磁束[λ]がδc軸に沿うように制御される。
このような原電圧指令[vδγc ]の生成方法は任意の公知の方法を採用すればよい。かかる方法は例えば特許文献3に詳述されているので、ここでは説明を省略する。
なお原電圧指令演算部71および座標変換部72の一組は、一次磁束指令値[λ]と回転角θ0とに基づいて、電動機2の交流電圧についての電圧指令値[v ]を生成する電圧指令生成部70と把握できる。
負荷角指令生成部4Aは、回転速度指令値ω0と、回転速度ωe^とを入力し、制御軸回転速度ω0を算出する。これらはいずれも電気角である。
回転速度指令値ω0は、制御軸回転速度ω0についての指令値であり、負荷角指令生成部4Aの外部から与えられる。回転速度ωe^は回転速度ωeの推定値であり、回転速度取得部61によって取得される。例えば回転速度取得部61は、回転電流[iδγc]を入力し、公知の技術により回転速度ωe^を算出(推定)する。なお回転速度取得部61は任意の回転速度センサであってもよい。この場合、回転速度ωe^は検出値として用いられる。
負荷角指令生成部4Aはまず、回転速度指令値ω0と回転速度ωe^とに基づいて、負荷角指令φcを算出する。負荷角指令φcは回転速度指令値ω0と回転速度ωe^との偏差ωerrに対して、例えば下式(1)で示すように比例制御を行なって算出される。Kpは比例ゲインであり、例えば負荷角指令生成部4A内に予め格納される。
φc=Kp・ωerr=Kp・(ω0−ωe^)…(1)。
負荷角指令φcは、制御負荷角φcの指令値として採用することができる。これは回転速度指令値ω0と回転速度ωe^とが相違すれば時間の経過と共に制御負荷角φcのずれも変動するからである。
図1も参照して、制御軸回転速度ω0は下式(2)で示すように、回転速度ωeと制御負荷角φcの微分値との和である。但し時間微分を示す微分演算子sを導入した。
ω0=ωe+sφc…(2)。
よって式(1)(2)を参照して、制御軸回転速度ω0を下式(3)で算出する。
ω0=ωe^+s{Kp・(ω0−ωe^)}…(3)。
式(3)に基づく演算を行なうべく、例えば負荷角指令生成部4Aは、減算器41とゲイン部42とを備える。
減算器41は、回転速度指令値ω0から回転速度ωe^を減算して偏差ωerrを得る。ゲイン部42は、偏差ωerrにゲインKpを乗算して、その演算結果として負荷角指令φc(=Kp・(ω0−ωe^))を得る。
回転情報取得部5Aは、負荷角指令φcを入力して、δc−γc回転座標系の回転についての情報、ここではその回転速度である制御軸回転速度ω0と、回転角θ0とを出力する。回転角θ0は制御軸回転速度ω0を積分することで求められる。よって図3の例示では、回転情報取得部5Aは、制御軸回転速度ω0を積分する積分器53を有している。
回転情報取得部5Aは、更に、微分器51と加算器52とを有している。微分器51は、負荷角指令φcを微分して、その微分値sφcたる速度修正量ωcorr(=s(ω0−ωe^))を得る(ゲインKpは時間に依存しないので微分演算子sと演算順序を入れ替えることができる)。加算器52は速度修正量ωcorrと回転速度ωe^とを加算して、これを制御軸回転速度ω0として出力する。
ゲイン部42と微分器51とは、偏差ωerrに対して少なくとも比例制御を行なって得られる演算値φcの微分値sφcとして速度修正量ωcorrを求める演算部、として把握することもできる。
負荷角指令生成部4Aは、演算値φcを算出する際に、PI制御(比例積分制御)を行っても良い。具体的には下式(4)で演算値φcを算出する。
φc={Kp+Ki(1/s)}・(ω0−ωe^)…(4)。
かかる構成は図3のゲイン部42の代わりにPI制御部を設けることで実現できる。
上述のようにして求められた制御軸回転速度ω0を用いて、原電圧指令演算部71が原電圧指令[vδγc ]を求める。また上述のようにして求められた回転角θ0を用いて、座標変換部72が原電圧指令[vδγc ]を電圧指令値[v ]に変換する。そして当該電圧指令値[v ]に基づいて電圧供給源1は三相電圧v,v,vを電動機2に印加し、電動機2は回転速度ωe^で回転する。このようにして回転速度ωe^は回転速度指令値ω0に近づくように制御される。
さて偏差ωerrは、制御タイミング間における制御負荷角φcの変動量を示す。よって偏差ωerrの微分値に基づいた速度修正量ωcorrで制御軸回転速度ω0を修正することは、負荷トルクの変動に由来した回転速度ωe^の変動を、制御負荷角φcの微分値で修正することになる。換言すれば、速度修正量ωcorrは、制御負荷角φcの微分値sφcの指令値であると把握できる。
従来の技術では、上述のように制御負荷角φcそれ自体の値を反映した(より詳細には制御負荷角φcそれ自体の値に依存したγc軸電流iγcの大きさに依存した)制御を行っている。これに対して本実施の形態の技術では、制御負荷角φcのr指令値たる負荷角指令φcで制御軸回転速度ω0を修正する。よって従来の技術のような電機子電流の変動を前提とした制御と比較して、電機子電流の変動が抑制される。
図4は負荷トルクが同じ周期的変動を呈する場合において、従来の技術を採用した場合と本実施の形態の場合との、それぞれについて出力トルクおよび電機子電流の変動を、電動機2の機械角での一回転分(電気角二回転分)にて示すグラフである。図4において破線は従来の技術を採用した場合の、実線は本実施の形態を採用した場合の、それぞれの出力トルクおよび電機子電流の波形を示す。
図4から明白なように、本実施の形態を採用した場合の方が、電機子電流の変動が小さくなっていることがわかる。
このようにして、回転速度の制御性を維持しつつも、出力トルクの負荷トルクに対する変動を抑制し、以て電動機の効率を悪化させない技術が提供される。
図5は、制御部の構成の概念的な他の例を示すブロック図である。当該構成は図3に示された構成に対して、負荷角指令生成部4Aを負荷角指令生成部4Bに、回転情報取得部5Aを回転情報取得部5Bに、回転速度取得部61を界磁磁束位相取得部62に、それぞれ置換した構成を備えている。
負荷角指令生成部4Bは負荷角指令生成部4Aと同様に、偏差ωerrを求める減算器41,偏差ωerrから負荷角指令φcを求めるゲイン部42を有する他、更に、微分器45を有している。微分器45は界磁磁束位相取得部62から界磁磁束位相θeを入力し、これを微分して回転速度ωe^を得る。
界磁磁束位相取得部62は、回転電流[iδγc]を入力し、公知の技術(例えば特許文献5参照)により界磁磁束位相θeを算出する。なお界磁磁束位相取得部62は任意の回転位置センサであってもよい。この場合、界磁磁束位相θeは検出値として用いられる。
回転情報取得部5Bは、加算器54と微分器55とを有する。加算器54は負荷角指令φcと界磁磁束位相θeとを加算し、回転角θ0を出力する。これは、図1において式(5)が成立することと、負荷角指令φcを制御負荷角φcの指令値として扱うことから、技術的に妥当な加算である。
θ0=φc+θe…(5)。
原電圧指令演算部71の演算に必要な制御軸回転速度ω0は、微分器55が回転角θ0を微分することによって生成される。
本件で説明される微分と積分とはいずれも時間についてのものであるので、回転情報取得部5Bを用いても、回転情報取得部5Aを用いた場合と同様に、制御軸回転速度ω0及び回転角θ0を求めることができるのは明白である。
回転情報取得部5A,5Bは制御軸回転速度ω0及び回転角θ0という、δc―γc回転座標系の回転情報を生成する。この際、回転情報取得部5Aは回転速度取得部61から回転速度ωe^を入力し、回転情報取得部5Bは界磁磁束位相取得部62から界磁磁束位相θeを入力し、また回転情報取得部5A,5Bは負荷角指令φcをも入力する。よって回転情報取得部5A,5Bは、界磁磁束([Λ0])の回転情報と、負荷角指令φcとを用いて、δc―γc回転座標系の回転情報を生成していることになる。このように、負荷角指令φcによって制御負荷角φcを直接的に制御することは、本件の効果を奏することに寄与するか、少なくとも潜在的に寄与するものである。
なお、負荷角指令生成部4A,4Bにおいて、電動機2の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去して、速度修正量ωcorrを演算することも望ましい。かかる周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去することにより、電機子電流の脈動成分を除去し、ひいては電動機の効率を改善させることとなる。
図6,8,9は、ローパスフィルタ(LPF)49を挿入する種々の態様を、図3の構成を例にとって示すブロック図である。
図6では、ローパスフィルタ49が、回転速度ωe^の、電動機2の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去して、減算器41に出力する。
図7は、図4と同様、負荷トルクが同じ周期的変動を呈する場合において、従来の技術を採用した場合と本実施の形態の場合との、それぞれについて出力トルクおよび電機子電流の変動を、電動機2の機械角での一回転分(電気角二回転分)にて示すグラフである。図4と同様に、破線は従来の技術を採用した場合の、実線は本実施の形態を採用した場合の、それぞれの出力トルクおよび電機子電流の波形を示す。但し、図7はローパスフィルタ49を採用した場合のグラフであり、図4に示された場合と同じスケールでグラフを描いている。
図7と図4の比較から明白なように、ローパスフィルタ49を採用することによって、出力トルクおよび電機子電流のいずれも変動が低減していることがわかる。
図8では、ローパスフィルタ49が、偏差ωerrの、電動機2の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去する。図9では、ローパスフィルタ49が、負荷角指令φcの、電動機2の周期的な負荷トルク脈動に起因する脈動成分を除去して、微分器43に出力する。これらのようなローパスフィルタ49の挿入が、図5の構成においても可能なことは明白である。
また回転情報取得部5A,5Bにおいて、制御負荷角φcの推定値φc^をフィードバックすることによって、δc―γc回転座標系の回転情報を生成することもできる。具体的には推定値φc^と負荷角指令φcとの偏差に基づいてPI制御を行う。
推定値φc^は公知の技術によって、原電圧指令[vδγc ]および回転電流[iδγc]によって得ることができる(例えば特許文献3参照)。
図10は回転情報取得部5A(図3参照)に置換して採用可能な回転情報取得部5Cの構成を示すブロック図である。回転情報取得部5Cは回転情報取得部5Aの微分器51を減算器56と比例積分制御部57とに置換した構成を有している。
減算器56は、推定値φc^と負荷角指令φcとの偏差φerrを出力する。比例積分制御部57は偏差φerrに比例積分制御を行って、速度修正量ωcorrを求める。
加算器52及び積分器53の機能は回転情報取得部5Aのそれらと同様である。
図11は回転情報取得部5B(図5参照)に置換して採用可能な回転情報取得部5Dの構成を示すブロック図である。回転情報取得部5Dは回転情報取得部5Bの加算器54を減算器56と比例積分制御部58と加算器59とに置換した構成を有している。
減算器56は、回転情報取得部5Cと同様にして偏差φerrを出力する。比例積分制御部58は偏差φerrに比例積分制御を行って、角度修正量θcorrを求める。加算器59は界磁磁束位相θeと負荷角指令φcと角度修正量θcorrとを加算して回転角θ0を出力する。微分器55の機能は回転情報取得部5Cのそれと同様である。
回転情報取得部5C,5Dは、推定値φc^と負荷角指令φcとの偏差φerrに基づいて界磁磁束([Λ0])の回転情報を得るので、回転角θ0の追従性を高めることができる。
なお、負荷トルクの脈動としては、一回転中に一周期を呈するものもあれば、二周期を呈するものもある。前者の例としては、電動機2の負荷として1シリンダ圧縮機やスクロール圧縮機を採用する場合が挙げられる。後者の例としては、電動機2の負荷として2シリンダ圧縮機を採用する場合が挙げられる。
上記の種々の態様は、互いの機能を損なわない限り、適宜に組み合わせることができる。
上記のブロック図は模式的であり、各部はハードウェアで構成することもできるし、ソフトウェアによって機能が実現されるマイクロコンピュータ(記憶装置を含む)で構成してもよい。各部で実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。
1 電圧供給源
2 同期電動機
21 電機子
22 電機子巻線
23 界磁
3 電動機制御装置
4A,4B 負荷角指令生成部
41,56 減算器
42 ゲイン部
43,47,51,55 微分器
44,52,54,59 加算器
49 ローパスフィルタ
5A,5B,5C,5D 回転情報取得部
53 積分器
57,58 比例積分制御部
70 電圧指令生成部
71 原電圧指令演算部
72,73 座標変換部
φc 制御負荷角
φc 負荷角指令
,i,i 交流電流
,V ,V 電圧指令
δc ,Vγc 原電圧指令
θe 界磁磁束位相
θ0 回転角
θcorr 角度修正量
ωcorr 速度修正量
φerr,ωerr 偏差
ωe^ (電動機の)回転速度
ω0 指令値
ω0 制御軸回転速度
[Λ0] 界磁磁束

Claims (12)

  1. 電機子(21)と、界磁磁束([Λ0])を発生する界磁(23)とを有する同期電動機(2)に対して交流電圧を印加し、交流電流(i,i,i)を前記電機子に流す電圧供給源(1)を制御する制御装置であって、
    前記同期電動機の電気角における回転速度(ωe^)と、回転座標(δc−γc)の回転速度たる制御軸回転速度(ω0)の指令値(ω0)との偏差(ωerr)を求める第1減算器(41)と;
    前記偏差に対して少なくとも比例制御を行なって、前記界磁磁束に対する前記回転座標の位相たる制御負荷角(φc)の指令値たる負荷角指令(φc)を求めるゲイン部(42)と;
    を有する負荷角指令生成部(4A,4B)と;
    前記負荷角指令と、前記界磁磁束の回転情報(ωe^,θe)とを用いて、前記制御軸回転速度及び前記回転座標の回転角(θ0)を求める回転情報取得部(5A〜5D)と;
    前記制御軸回転速度及び前記回転角を用いて、前記交流電流によって発生する電機子反作用の磁束と前記界磁磁束との合成である一次磁束([λ])を前記回転座標において制御し、前記交流電圧の指令値たる電圧指令(V ,V ,V )を求める電圧指令生成部(70)と
    を備える、電動機制御装置(3)。
  2. 前記回転情報取得部(5A)は、
    前記負荷角指令(φc)の微分値として速度修正量(ωcorr)を求める微分器(51)と;
    前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の回転速度(ωe^)と前記速度修正量とを加算して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する加算器(52)と;
    前記制御軸回転速度(ω0)を積分して前記回転角(θ0)を出力する積分器(53)と
    を有する、請求項1記載の電動機制御装置(3)。
  3. 前記回転情報取得部(5B)は、
    前記負荷角指令(φc)と、前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の位相(θe)とを加算して前記回転角(θ0)を出力する加算器(54)と;
    前記回転角を微分して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する微分器(55)と
    を有する、請求項1記載の電動機制御装置(3)。
  4. 前記回転情報取得部(5C)は、
    前記負荷角指令(φc)と、前記制御負荷角(φc)の推定値(φc^)との偏差(φerr)を出力する第2減算器(56)と;
    前記第2減算器の出力に対して比例積分制御を行って、速度修正量(ωcorr)を求める比例積分制御部(57)と;
    前記界磁磁束([Λ0])の前記回転情報たる前記界磁磁束の回転速度(ωe^)と前記速度修正量とを加算して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する加算器(52)と;
    前記制御軸回転速度(ω0)を積分して前記回転角(θ0)を出力する積分器(53)と
    を有する、請求項1記載の電動機制御装置(3)。
  5. 前記回転情報取得部(5D)は、
    前記負荷角指令(φc)と、前記制御負荷角(φc)の推定値(φc^)との偏差(φerr)を出力する第2減算器(56)と;
    前記第2減算器の出力に対して比例積分制御を行って、角度修正量(θcorr)を求める比例積分制御部(58)と;
    前記負荷角指令(φc)と、前記角度修正量と、前記界磁磁束の前記回転情報たる前記界磁磁束([Λ0])の位相(θe)とを加算して前記回転角(θ0)を出力する加算器(59)と;
    前記回転角を微分して前記制御軸回転速度(ω0)を出力する微分器(55)と
    を有する、請求項1記載の電動機制御装置(3)。
  6. 前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、
    前記回転速度(ωe^)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルクの脈動に起因する脈動成分を除去して、前記第1減算器(41)に出力するローパスフィルタ(49)
    を更に有する、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電動機制御装置(3)。
  7. 前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、
    前記偏差(ωerr)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルクの脈動に起因する脈動成分を除去するローパスフィルタ(49)
    を更に有する、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電動機制御装置(3)。
  8. 前記負荷角指令生成部(4A,4B)は、
    前記負荷角指令(φc)の、前記同期電動機(2)の周期的な負荷トルクの脈動に起因する脈動成分を除去するローパスフィルタ(49)
    を更に有する、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電動機制御装置(3)。
  9. 前記回転角に基づいて前記交流電流(i,i,i)を前記回転座標における電流たる回転電流(iδc,iγc)に変換する座標変換部(73)
    を更に備え、
    前記電圧指令生成部(70)は、
    前記一次磁束([λ])の指令値たる一次磁束指令([λ])と、前記制御軸回転速度(ω0)と、前記回転電流とに基づいて、前記回転座標における電圧の指令値たる原電圧指令(Vδc ,Vγc )を求める原電圧指令演算部(71)と;
    前記回転角(θ0)に基づいて前記原電圧指令を前記電圧指令(V ,V ,V )に変換する座標変換部(72)と
    を有する、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の電動機制御装置(3)。
  10. 前記交流電流(i,i,i)に基づいて前記回転速度(ωe^)を求める回転速度取得部(61)
    を更に備える、請求項2又は請求項4に記載の電動機制御装置(3)。
  11. 前記交流電流(i,i,i)に基づいて前記界磁磁束の前記位相(θe)を求める界磁磁束位相取得部(62)
    を更に備える、請求項3又は請求項5に記載の電動機制御装置(3)。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の電動機制御装置(3)と、
    前記電圧供給源(1)と
    を備える、電動機制御システム。
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