JP2016068568A - 紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱発泡加工の際の外観不良や品質低下などの問題を発生させずに、外面全体を発泡させ意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を得る。
【解決手段】 紙基材1の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層2を積層した積層紙3を形成し、前記積層紙3を加熱し前記熱可塑性樹脂層2を発泡させて発泡層2aを形成し、前記発泡層2aを形成した積層紙3を用いて紙製包装体を形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 紙基材1の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層2を積層した積層紙3を形成し、前記積層紙3を加熱し前記熱可塑性樹脂層2を発泡させて発泡層2aを形成し、前記発泡層2aを形成した積層紙3を用いて紙製包装体を形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体に関する。
小売店の店頭などに陳列される商品の容器・包装には、消費者に商品の魅力を訴求するために装飾加工が施されることが多い。紙は印刷適性に優れているため、紙製包装体に対しては様々な印刷方法による装飾加工が可能である。しかし、紙は可塑性が極めて低く変形し難いため、凹凸を付けるような立体的な装飾加工を紙製包装体に施すことは困難である。
紙製包装体に対する立体的な装飾加工方法としては、特許文献1に記載されているようなエンボス加工が知られている。このエンボス加工は、エンボス用押し罫刃と、該エンボス用押し罫刃の周縁より略紙基材の厚さ分の周縁内面でなる凹部を有する雌型を用い、エンボス用押し罫刃と雌型の間に紙基材を挟み込んで押圧して凹凸を付している。
しかし、前述の通り紙は可塑性が低いため、凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠に優れた立体的装飾加工を施すことは困難であるという問題があった。また、エンボス加工は、特許文献1に記載されているように、通常はエンボス用押し罫刃と雌型で構成されるエンボス版の製作とエンボス加工工程を別工程とすることが必要となることから、製造時間とエンボス版等に要するコストが高くなるといった問題があった。
しかし、前述の通り紙は可塑性が低いため、凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠に優れた立体的装飾加工を施すことは困難であるという問題があった。また、エンボス加工は、特許文献1に記載されているように、通常はエンボス用押し罫刃と雌型で構成されるエンボス版の製作とエンボス加工工程を別工程とすることが必要となることから、製造時間とエンボス版等に要するコストが高くなるといった問題があった。
紙製包装体に対する他の立体的な装飾加工方法としては、特許文献2に記載されているような、基材となる紙に発泡インキを塗布する工程と、表面に凹凸が設けられた一対のロールで基材となる紙にエンボス加工する工程と、発泡インキによる印刷層を発泡させる加熱・発泡工程とにより行われる方法が知られている。
この特許文献2に記載されているような方法も、特許文献1に記載されている方法と同様、エンボス加工により凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠に優れた立体的装飾加工を施すことは困難であり、発泡インキにより十分な意匠性を発現するほどに凹凸を設けるには、インキ塗布量を非常に多くする必要があり、印刷方式が限定される、インキ使用量が多くなる、などの問題があった。また、紙に発泡インキを塗布する工程と、表面に凹凸が設けられた一対のロールで基材となる紙にエンボス加工する工程と、発泡インキによる印刷層を発泡させる加熱・発泡工程が必要となることから、製造時間とエンボス版等に要するコストが高くなるといった問題があった。
この特許文献2に記載されているような方法も、特許文献1に記載されている方法と同様、エンボス加工により凹凸を大きくすると紙が破断してしまい、意匠に優れた立体的装飾加工を施すことは困難であり、発泡インキにより十分な意匠性を発現するほどに凹凸を設けるには、インキ塗布量を非常に多くする必要があり、印刷方式が限定される、インキ使用量が多くなる、などの問題があった。また、紙に発泡インキを塗布する工程と、表面に凹凸が設けられた一対のロールで基材となる紙にエンボス加工する工程と、発泡インキによる印刷層を発泡させる加熱・発泡工程が必要となることから、製造時間とエンボス版等に要するコストが高くなるといった問題があった。
一方で、特許文献3に記載されているような、紙基材に熱可塑性樹脂層を積層し、該熱可塑性樹脂層に発泡抑制インキを塗装し、容器成形後に加熱して熱可塑性樹脂層を発泡させて発泡層を形成し、発泡層に発泡部と発泡抑制部を設ける方法がある。
特許文献3に記載されている方法では、エンボス版等の金型を用いて紙にエンボス加工し凹凸を付けるのではなく、紙に積層した熱可塑性樹脂層を加熱により発泡させ変形させるので、大きな凹凸が設けやすく、意匠性に優れた立体装飾加工が可能である。
また、金型によるエンボス加工ではなく、紙基材に積層した熱可塑性樹脂層の表面に、通常の印刷工程にて発泡抑制インキを印刷することにより、加熱後に熱可塑性樹脂層が発泡した発泡層に発泡部と発泡抑制部による凹凸が付与されるので、エンボス版等の金型が必要なく、容易に立体装飾加工が施せる。また、金型によるエンボス加工では難しい複雑なデザインや細かいデザインも可能となり、また、凹凸と全面単色、全面多色印刷、部分印刷、または印刷無しなどの印刷との組み合わせも自由に行うことが可能となるなど、意匠性に優れた装飾加工が可能となる。
特許文献3に記載されている方法では、エンボス版等の金型を用いて紙にエンボス加工し凹凸を付けるのではなく、紙に積層した熱可塑性樹脂層を加熱により発泡させ変形させるので、大きな凹凸が設けやすく、意匠性に優れた立体装飾加工が可能である。
また、金型によるエンボス加工ではなく、紙基材に積層した熱可塑性樹脂層の表面に、通常の印刷工程にて発泡抑制インキを印刷することにより、加熱後に熱可塑性樹脂層が発泡した発泡層に発泡部と発泡抑制部による凹凸が付与されるので、エンボス版等の金型が必要なく、容易に立体装飾加工が施せる。また、金型によるエンボス加工では難しい複雑なデザインや細かいデザインも可能となり、また、凹凸と全面単色、全面多色印刷、部分印刷、または印刷無しなどの印刷との組み合わせも自由に行うことが可能となるなど、意匠性に優れた装飾加工が可能となる。
上記のように、特許文献3に記載されている方法は、紙製容器の表面に意匠性に優れた立体装飾加工を施す方法として優れているが、外面を発泡させて立体装飾加工を施す紙容器はカップであり、カップは加熱装置中で正立または倒立させることで、発泡面を加熱装置内部に接触することなく加工することが可能であることから、カップに成形した後に加熱して外面を発泡させている。
しかしながら、紙製包装体が箱や袋状である場合、箱や袋状に成形した後に加熱・発泡させようとしたとき、その外面が必ず加熱装置と接触することになり、加熱装置と接触している部分に外観不良や品質低下などの問題が発生、製造効率の低下などを引き起こすといった問題がある。
しかしながら、紙製包装体が箱や袋状である場合、箱や袋状に成形した後に加熱・発泡させようとしたとき、その外面が必ず加熱装置と接触することになり、加熱装置と接触している部分に外観不良や品質低下などの問題が発生、製造効率の低下などを引き起こすといった問題がある。
発明者等はかかる問題を解決するために試験研究を重ねることにより、紙基材に熱可塑性樹脂層を積層した積層紙を、先に加熱して熱可塑性樹脂層を発泡させ、その後に箱や袋状の包装体を成形することに着目した。
しかし、発泡した積層紙に折り罫を付して製函加工や製袋加工により包装体を成形しようとする場合、発泡層のクッション性が大きいため折り罫の効果が十分発現せず、加工トラブルの発生や外観不良などの問題を引き起こすことが想定される。
また、製函加工や製袋加工において、ホットメルト等の接着剤を用いて貼合またはヒートシールをする場合、発泡層のクッション性が大きいため貼合部またはヒートシール部に接着不良が生じ、外観不良や内容物の漏れなどの問題を発生させることが想定される。
本発明者等は、このような想定される問題を解決するためにさらに試験研究を重ねることにより、発泡層に発泡抑制部を設けることに着目し、本発明を成すに至った。
しかし、発泡した積層紙に折り罫を付して製函加工や製袋加工により包装体を成形しようとする場合、発泡層のクッション性が大きいため折り罫の効果が十分発現せず、加工トラブルの発生や外観不良などの問題を引き起こすことが想定される。
また、製函加工や製袋加工において、ホットメルト等の接着剤を用いて貼合またはヒートシールをする場合、発泡層のクッション性が大きいため貼合部またはヒートシール部に接着不良が生じ、外観不良や内容物の漏れなどの問題を発生させることが想定される。
本発明者等は、このような想定される問題を解決するためにさらに試験研究を重ねることにより、発泡層に発泡抑制部を設けることに着目し、本発明を成すに至った。
本発明の目的は、加熱発泡加工の際の外観不良や品質低下などの問題を発生させずに、外面全体を発泡させ意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を製造する紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体を提供することにある。
本発明の他の目的は、製函加工や製袋加工の際に加工トラブルの発生や外観不良などの問題を発生させずに、外面全体を発泡させて意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を製造する紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体を提供することにある。
本発明の他の目的は、製函加工や製袋加工の際に加工トラブルの発生や外観不良などの問題を発生させずに、外面全体を発泡させて意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を製造する紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
外面側に発泡層を有する紙製包装体の製造方法であって、下記(ア)〜(ウ)の工程をこの順序で有することを特徴としている。
(ア)紙基材の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層を積層した積層紙を形成する工程。
(イ)前記積層紙を加熱し前記熱可塑性樹脂層を発泡させて発泡層を形成する工程。
(ウ)前記発泡層を形成した積層紙を用いて紙製包装体を形成する工程。
外面側に発泡層を有する紙製包装体の製造方法であって、下記(ア)〜(ウ)の工程をこの順序で有することを特徴としている。
(ア)紙基材の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層を積層した積層紙を形成する工程。
(イ)前記積層紙を加熱し前記熱可塑性樹脂層を発泡させて発泡層を形成する工程。
(ウ)前記発泡層を形成した積層紙を用いて紙製包装体を形成する工程。
請求項1に記載の発明によれば、加熱発泡加工の際の外観不良や品質低下などの問題を発生させることなく、外面全体を発泡させ意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を製造することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記熱可塑性樹脂層に適宜発泡抑制手段を施し、前記発泡層の表面に装飾用の発泡部と発泡抑制部を設けることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、発泡層に発泡部と発泡抑制部による凹凸が付与されるので、凹凸部による模様や絵柄を表現することができ、より意匠性に優れた箱や袋などの紙製包装体を製造することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の、前記紙製包装体を形成する前記積層紙の前記熱可塑性樹脂層に、前記紙製包装体の折り罫部、貼り合わせ部、ヒートシール部のいずれか1以上の部位に対応する範囲に発泡抑制手段を施し、発泡抑制部を設けることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、発泡した積層紙に折り罫を付して製函加工や製袋加工により包装体を成形しようとする場合、折り罫部が発泡抑制部となっているので、折り罫の効果を十分発現させることができ、加工トラブルの発生や外観不良などの問題を発生させること無く紙製包装体を製造することができる。
また、製函加工や製袋加工において、ホットメルト等の接着剤を用いて貼り合わせまたはヒートシールをする場合、貼り合わせ部またはヒートシール部が発泡抑制部となっているので、貼合部またはヒートシール部に接着不良が生じ、外観不良や内容物の漏れなどの問題を発生させること無く紙製包装体を製造することができる。
また、製函加工や製袋加工において、ホットメルト等の接着剤を用いて貼り合わせまたはヒートシールをする場合、貼り合わせ部またはヒートシール部が発泡抑制部となっているので、貼合部またはヒートシール部に接着不良が生じ、外観不良や内容物の漏れなどの問題を発生させること無く紙製包装体を製造することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紙製包装体の製造方法で得られた紙製包装体であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を得ることができる。
本発明によれば、加熱発泡加工の際の外観不良や品質低下などの問題を発生させることなく、また、製函工程や製袋工程の際に加工トラブルや外観不良などの問題を発生させることなく、外面全体を発泡させ意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体を得ることができる。
以下、本発明に係る紙製包装体の製造法方およびその方法で得られた紙製包装体の実施の形態の一例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る紙製包装体の製造方法で製造する紙製包装体を形成する積層紙の一例を示す一部拡大断面図、図2は本発明で製造する紙製包装体が箱である場合の積層紙の一例を示す平面図、図3は図1に示す積層紙の熱可塑性樹脂を発泡させた状態を示す一部拡大断面図、図4は図2に示す積層紙で形成された紙製包装体を示す斜視図である。
図1は本発明に係る紙製包装体の製造方法で製造する紙製包装体を形成する積層紙の一例を示す一部拡大断面図、図2は本発明で製造する紙製包装体が箱である場合の積層紙の一例を示す平面図、図3は図1に示す積層紙の熱可塑性樹脂を発泡させた状態を示す一部拡大断面図、図4は図2に示す積層紙で形成された紙製包装体を示す斜視図である。
本例の紙製包装体の製造方法は、まず、紙基材1の外面側に、加熱により発泡する熱可塑性樹脂層2を積層して紙製包装体Aを形成するための積層紙3を形成する。この積層紙3は必要に応じて、紙基材1の内面側に発泡させない熱可塑性樹脂層4を積層して形成してもよい。本例で形成される積層紙3は、紙基材1の内面側に発泡させない熱可塑性樹脂層4を積層している。
本例の積層紙3を構成する紙基材1は、針葉樹または広葉樹、非木材繊維などを原料とする。より具体的には、クラフトパルプ等の化学パルプ、細目パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、あるいは古紙や紙繊維からなるシート状の物質から製造された再生パルプ等が挙げられる。古紙としては、例えば、新聞紙、チラシ、更系雑誌、コート系雑誌、感熱記録紙、感圧記録紙、模造紙、色上質紙、コピー用紙、コンピューターアウトプット用紙、あるいはこれらの混合古紙に適用できる。これらの原料を通常の抄紙工程により抄造して、紙基材1を得ることができる。
紙基材1の坪量は50〜500g/m2の範囲であることが好ましいが、これに限定されない。また含有水分は、熱可塑性樹脂層2の必要な発泡量を確保するとともに過発泡の発生を防ぐため5〜10重量%であることが好ましい。含有水分が10重量%以下の場合、紙基材に含まれる水分が加熱により蒸発して、軟化した熱可塑性樹脂層が水蒸気で紙基材1の外側に過剰に押し出されて発泡する確率を効果的に抑制できる。
また、紙基材の密度は、0.6g/cm3以上であることが好ましく、1.0g/cm3以上であることが特に好ましい。紙基材1の密度はが0.6g/cm3以上の場合、紙基材1の端面から水蒸気が逃げにくく、同じ坪量で密度の低い紙基材1と比較して発泡厚さが大きくなるため好ましい。低密度の紙基材1は高密度の紙基材1と同じ発泡圧を得るために、坪量を大きくするため、材料を多く使う必要がある。一方、紙基材1の密度が0.6g/cm3以上の場合、材料を多く使う必要がなく、コスト面でも優れている。
紙基材1を製造するパルプの濾水度は(CSF)は100〜500mlであることが好ましい。500ml以下の場合、紙基材1の内部を水蒸気が透過し難く、紙基材1の端面から水蒸気が逃げ難くなるので、発泡厚さが大きくなるため好ましい。濾水度が100ml以上の場合、パルプを叩解して濾水度を下げるための消費電力が大きくならずコスト面で優れている。
このようにして得られた紙基材1の外面側に積層される加熱により発泡し発泡層となる熱可塑性樹脂層2および内面側に積層される発泡しない、即ち非発泡層となる熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂層は、発泡層となる熱可塑性樹脂層2を形成する熱可塑性樹脂の融点が非発泡層となる熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂の融点より低いことが好ましい。
発泡層となる熱可塑性樹脂層2を形成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレンが好ましく、その融点は90℃以上110℃未満であることが好ましい。また、非発泡層の熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂としてとしては、融点の高い中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、トリメチルペルテン等を用いることができる。熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂の融点は発泡層の熱可塑性樹脂層2を形成する熱可塑性樹脂の融点より少しでも高ければよく、一般に110℃以上であることが好ましい。このような樹脂の構成にすることによる、加熱により水分が気化した場合、発泡面のみを発泡させることができる。
しかし、発泡層となる熱可塑性樹脂層2を形成する熱可塑性樹脂の融点が必ずしも非発泡層となる熱可塑性樹脂層4を形成する熱可塑性樹脂の融点より低くする必要は無く、例えば、熱可塑性樹脂層4に後述する発泡抑制手段を施し、熱可塑性樹脂層4の発泡を抑制させるようにしてもよい。
また、紙基材1の外面側と内面側に熱可塑性樹脂層2,4を積層する方法としては、ドライラミネート法、溶融押出ラミネート法、ウェットラミネート法などを用いることができ、特に限定されないが、本例では溶融押出ラミネート法を用いて積層している。
また、紙基材1の外面側と内面側に熱可塑性樹脂層2,4を積層する方法としては、ドライラミネート法、溶融押出ラミネート法、ウェットラミネート法などを用いることができ、特に限定されないが、本例では溶融押出ラミネート法を用いて積層している。
本発明において、積層紙3の発泡量は、紙基材1に含まれる水分の絶対量に左右される。すなわち、紙基材1の坪量が大きいと紙基材に含まれる全体の水分の量も大きくなるので低融点の熱可塑性樹脂層2をより多く発泡させることができる。紙基材1の坪量が大きくて(水分量が多くて)、低融点の熱可塑性樹脂層2が厚ければ発泡厚さを厚くすることができる。紙基材1の坪量が大きくて低融点の熱可塑性樹脂層2が薄ければ、発泡途中で樹脂厚さが薄くなりすぎて発泡セルが壊れやすくなり、外観が悪化するため、坪量の大きい紙基材1と薄い熱可塑性樹脂層2の組合せは好ましくない。一方、紙基材1の坪量が小さくて低融点の熱可塑性樹脂層2が厚ければ、紙基材水分量が少ないので厚い熱可塑性樹脂層2を十分に発泡させることができないため、不経済であり、坪量の小さい紙基材と厚い熱可塑性樹脂層2の組合せは好ましくない。このため、紙基材1の坪量と低融点の熱可塑性樹脂層2の厚さは適宜調整することが好ましい。
次に、このようにして形成した積層紙3を加熱し、紙基材1の外面側に積層した熱可塑性樹脂層2を発泡させる。熱可塑性樹脂層2を発泡させる際の条件としては、加熱乾燥機で、約110℃〜140℃の範囲で、約40秒〜6分間加熱することが好ましい。この加熱により、紙基材1に含有されている水分が気化し、紙基材1の外面側に積層した熱可塑性樹脂層2が発泡して発泡層2aを形成する。
本例では、積層紙3を加熱する前工程で、さらに、紙基材1の外面側に積層した熱可塑性樹脂層2の表面に適宜発泡抑制手段5を施し(図1参照。)、後述するように、加熱により発泡した熱可塑性樹脂層2により形成される発泡層2aの表面に装飾用の発泡部と発泡抑制部を形成するようにしている。
発泡抑制手段5として、本例では、水蒸気を透過し難い塗膜を形成する発泡抑制インキが使用され、図1に示すように、熱可塑性樹脂層2の表面に発泡抑制インキを塗布し発泡抑制インキ塗布部5aを設け、発泡抑制インキ塗布部5aにより発泡層2aの発泡を抑制することにより発泡層2aに後述する発泡抑制部を形成するようにしている。
発泡抑制インキの材料として、ポリアミド樹脂、硝化綿、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ケント樹脂などを単独で或いは2種以上を混合して使用するものであり、例えば、特許文献3で開示されている発泡抑制インキを使用する。
発泡抑制インキは樹脂の他、必要に応じて着色剤、助剤、及び溶剤を含有する。
発泡抑制インキの塗布により熱可塑性樹脂層2の表面に設けられる発泡抑制インキ塗布部5aは、グラビア印刷、フレキソ印刷などの一般の印刷方式を用いて設けられるが、これ以外の手段で設けてもよい。
発泡抑制インキは樹脂の他、必要に応じて着色剤、助剤、及び溶剤を含有する。
発泡抑制インキの塗布により熱可塑性樹脂層2の表面に設けられる発泡抑制インキ塗布部5aは、グラビア印刷、フレキソ印刷などの一般の印刷方式を用いて設けられるが、これ以外の手段で設けてもよい。
さらに、本例では、紙製包装体Aを形成する積層紙3の熱可塑性樹脂層2に、紙製包装体Aの形状に応じ、折り罫部、貼り合わせ部、ヒートシール部のいずれか1以上の部位に対応する範囲に発泡抑制手段5を施し、後述する発泡抑制部を形成するようにしている。
図2は製造する紙製包装体Aが箱である場合の積層紙3の一例を示しており、積層紙3は加熱前に打ち抜かれ、正面パネル8、上面パネル9、背面パネル10、底面パネル11、貼り合わせ部12、上面パネル9の左右に連設された蓋パネル13、正面パネル8、背面パネル10の左右に連設された折り込みパネル14で構成されるブランクに形成されている。
図2は製造する紙製包装体Aが箱である場合の積層紙3の一例を示しており、積層紙3は加熱前に打ち抜かれ、正面パネル8、上面パネル9、背面パネル10、底面パネル11、貼り合わせ部12、上面パネル9の左右に連設された蓋パネル13、正面パネル8、背面パネル10の左右に連設された折り込みパネル14で構成されるブランクに形成されている。
そして、このようなブランクに形成される積層紙3の熱可塑性樹脂層2の表面において、貼り合わせ部12、蓋パネル13、折り込みパネル14及び各パネル間の折り罫部15の各部位に対応する範囲の全面に発泡抑制手段5(図2上斜線部分)を施し、後述する発泡抑制部を形成するようにしている。
このようにして形成した積層紙3は、前記のように加熱乾燥機で加熱するが、製造する紙製包装体Aが箱である場合には、積層紙3を箱の展開形状に応じて打ち抜き、ブランクに形成してから加熱する。
本例では、紙基材1の外面側に積層した熱可塑性樹脂層2の表面に適宜発泡抑制手段5となる発泡抑制インキ塗布部5aを設けているので、図3に示すように、加熱により発泡した熱可塑性樹脂層2により形成される発泡層2aには、発泡抑制インキ塗布部5aを設けた部分の発泡が抑制された発泡抑制部7と、他の部分の発泡による発泡部6が形成され、発泡抑制部7が凹部となり発泡部6が凸部となる。
本例では、紙基材1の外面側に積層した熱可塑性樹脂層2の表面に適宜発泡抑制手段5となる発泡抑制インキ塗布部5aを設けているので、図3に示すように、加熱により発泡した熱可塑性樹脂層2により形成される発泡層2aには、発泡抑制インキ塗布部5aを設けた部分の発泡が抑制された発泡抑制部7と、他の部分の発泡による発泡部6が形成され、発泡抑制部7が凹部となり発泡部6が凸部となる。
次に、加熱により熱可塑性樹脂層2を発泡させた積層紙3を必要な形状に断裁加工した後、組み立てることによって紙製包装体Aを形成する。
本例では、積層紙3をブランクに形成しているので、常用の製函機を用いて図4に示す箱状の紙製包装体Aを形成することができる。
本発明では、一枚あるいは少数の積層紙3から紙製包装体を形成することができ、紙製包装体Aの形状やその形成方法にあっては特に限定されるものではない。
本例では、積層紙3をブランクに形成しているので、常用の製函機を用いて図4に示す箱状の紙製包装体Aを形成することができる。
本発明では、一枚あるいは少数の積層紙3から紙製包装体を形成することができ、紙製包装体Aの形状やその形成方法にあっては特に限定されるものではない。
以上のように、本発明に係る紙製包装体の製造方法によれば、まず、紙基材1の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層2を積層した積層紙3を形成し、該積層紙3を加熱し熱可塑性樹脂層2を発泡させて発泡層2aを形成し、発泡層2aを形成した積層紙3を用いて紙製包装体Aを形成するので、加熱発泡加工の際の外観不良や品質低下などの問題を発生させることなく、外面全体を発泡させ意匠性に優れた立体装飾加工を施した箱や袋などの紙製包装体Aを得ることができる。
また、得られた紙製包装体Aは、十分な厚みをもった柔軟な発泡層2aを有するため、クッション性に優れており、内容物の保護性能も向上する。さらに、発泡層2aが断熱効果を有するために保温・保冷性能に優れる。また本例では、内面側にも熱可塑性樹脂層4を積層しているため、通常の紙製包装体に比べて耐水性に優れる。
また、本例では、熱可塑性樹脂層2に適宜発泡抑制手段5を施し、発泡層2aの表面に装飾用の発泡部6と発泡抑制部7を形成するので、発泡層2aに発泡部6と発泡抑制部7による凹凸が付与され、凹凸部による模様や絵柄を表現することができる。本例では、発泡抑制手段5として、発泡抑制インキを使用し、熱可塑性樹脂層2の表面に発泡抑制インキを塗布し発泡抑制インキ塗布部5aを設けているので、金型によるエンボス加工では難しい複雑な、又は、細かい模様や絵柄のデザインも可能となる。さらには、着色した発泡抑制インキを用いることで美麗性も付与することができる。
また、発泡抑制インキ塗布部5aにより発泡層2aの発泡パターンを制御することでグリップ性を向上させることができ、持ちやすくなる。
また、発泡抑制インキ塗布部5aにより発泡層2aの発泡パターンを制御することでグリップ性を向上させることができ、持ちやすくなる。
また、本例では、紙製包装体Aを形成する積層紙3の熱可塑性樹脂層2に、紙製包装体Aの形状に応じ、折り罫部、貼り合わせ部、ヒートシール部のいずれか1以上の部位に対応する範囲に発泡抑制手段5を施し、発泡抑制部7を設けるようにしているので、折り罫の効果を十分発現させることができ、紙製包装体Aの形成が容易で且つ外観不良の無い意匠性に優れた紙製包装体Aを得ることができる。
また、製函加工や製袋加工において、ホットメルト等の接着剤を用いて貼り合わせまたはヒートシールをする場合、貼り合わせ部またはヒートシール部が発泡抑制部7となっているので、貼り合わせ部またはヒートシール部に接着不良や外観不良がなく、また内容物の漏れなどの問題のない紙製包装体Aを得ることができる。
1 紙基材
2 熱可塑性樹脂層
2a 発泡層
3 積層紙
4 熱可塑性樹脂層
5 発泡抑制手段
5a 発泡抑制インキ塗布部
6 発泡部
7 発泡抑制部
8 正面パネル
9 上面パネル
10 背面パネル
11 底面パネル
12 貼り合わせ部
13 蓋パネル
14 折り込みパネル
15 折り罫部
A 紙製包装体
2 熱可塑性樹脂層
2a 発泡層
3 積層紙
4 熱可塑性樹脂層
5 発泡抑制手段
5a 発泡抑制インキ塗布部
6 発泡部
7 発泡抑制部
8 正面パネル
9 上面パネル
10 背面パネル
11 底面パネル
12 貼り合わせ部
13 蓋パネル
14 折り込みパネル
15 折り罫部
A 紙製包装体
Claims (4)
- 外面側に発泡層を有する紙製包装体の製造方法であって、下記(ア)〜(ウ)の工程をこの順序で有することを特徴とする紙製包装体の製造方法。
(ア)紙基材の外面側に加熱により発泡させる熱可塑性樹脂層を積層した積層紙を形成する工程。
(イ)前記積層紙を加熱し前記熱可塑性樹脂層を発泡させて発泡層を形成する工程。
(ウ)前記発泡層を形成した積層紙を用いて紙製包装体を形成する工程。 - 前記熱可塑性樹脂層に適宜発泡抑制手段を施し、前記発泡層の表面に装飾用の発泡部と発泡抑制部を設けることを特徴とする請求項1に記載の紙製包装体の製造方法。
- 前記紙製包装体を形成する前記積層紙の前記熱可塑性樹脂層に、前記紙製包装体の折り罫部、貼り合わせ部、ヒートシール部のいずれか1以上の部位に対応する範囲に発泡抑制手段を施し、発泡抑制部を設けることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の紙製包装体の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紙製包装体の製造方法で得られたことを特徴とする紙製包装体。
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| JP2015193717A Pending JP2016068568A (ja) | 2014-09-30 | 2015-09-30 | 紙製包装体の製造方法及びその方法で得られた紙製包装体 |
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018066031A1 (ja) * | 2016-10-03 | 2018-04-12 | 株式会社日本デキシー | 発泡性紙製品に用いる原材料シート及び発泡性紙製容器 |
| CN108016136A (zh) * | 2017-12-08 | 2018-05-11 | 广州市佳盛印刷有限公司 | 一种烟草包装盒印刷系统 |
| JP2018135131A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 株式会社日本デキシー | 断熱性紙製容器及び断熱性紙製容器の製造方法 |
| JP2019064684A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 断熱容器用積層体、断熱容器、断熱容器用積層体の製造方法、および断熱容器の製造方法 |
| JP2019064683A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 断熱容器用積層体、断熱容器、断熱容器用積層体の製造方法、および断熱容器の製造方法 |
-
2015
- 2015-09-30 JP JP2015193717A patent/JP2016068568A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPWO2018066031A1 (ja) * | 2016-10-03 | 2019-07-18 | 株式会社日本デキシー | 発泡性紙製品に用いる原材料シート及び発泡性紙製容器 |
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