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JP2016068385A - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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JP2016068385A JP2014199927A JP2014199927A JP2016068385A JP 2016068385 A JP2016068385 A JP 2016068385A JP 2014199927 A JP2014199927 A JP 2014199927A JP 2014199927 A JP2014199927 A JP 2014199927A JP 2016068385 A JP2016068385 A JP 2016068385A
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教生 中川
Norio Nakagawa
教生 中川
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Abstract

【課題】本発明では、エアトラップのない良好な品位の成形品を得ることが可能な、とくに、完全密閉型の成形型でエアトラップのない成形品を得ることが可能なRTM法を用いたFRPの製造方法を提供する。【解決手段】成形型のキャビティ内に強化繊維基材からなるプリフォームを配置し、前記キャビティ内に設けられた樹脂注入口から注入される樹脂を、前記キャビティ内に設けられた樹脂吸引口に向かう方向に流動させながらプリフォームに含浸させ、前記樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、前記樹脂注入口と前記樹脂吸引口とを前記プリフォームが配置された領域内に設けるとともに、前記キャビティ内の所定領域における空間占有繊維体積含有率を、前記キャビティ内で予め決められた基準面を含む領域における空間占有繊維体積含有率に対し±10体積%以内の範囲とすることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastic)の製造方法に関し、とくに、RTM(Resin Transfer Molding)法により強化繊維基材からなるプリフォームに注入樹脂を含浸させる繊維強化プラスチックの製造方法の改良に関する。
成形型のキャビティ内に強化繊維基材からなるプリフォームを配置し、このプリフォームの一方の表面に対面して開口する複数の樹脂注入口から樹脂を注入してプリフォームの強化繊維基材に含浸させる、いわゆるRTM多点注入法と呼ばれるRTM法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。また、プリフォームの端面側に端面に沿って延びる樹脂注入ラインを設け、キャビティ内に配置したプリフォームの端面から樹脂を供給して注入する、いわゆるライン注入法と呼ばれるRTM法も知られている。
RTM多点注入法は、ライン注入法と比較して、プリフォームの一方の表面上に配設された多数の注入点それぞれから四方八方に樹脂を広げることができるため、高速にプリフォーム内に樹脂を含浸できるという利点を有する。また、プリフォームの一方の表面上に注入点を配置するため、プリフォームの周囲及び内部において発生しやすいレーストラッキング(異なる方向から流れてきた樹脂同士が流れを規制し合い、筋状の滞留部などを形成してしまう現象)などの特異な流れに左右されることが少なく、各注入点からの注入樹脂を、プリフォームの抵抗に応じたフローフロント形状(樹脂流れの先端部の形状)や、注入口の形状に対応したフローフロント形状に広げることができる(例えば、円形の注入口、等厚のプリフォーム、擬似等方積層プリフォームでは、円形のフローフロント形状となりやすい)。しかし、閉じた成形型内に樹脂を注入する方法であるため、成形しようとするプリフォームの領域内にエアトラップが発生しやすくなることがあるが、真空吸引により樹脂注入・含浸をアシストする方法も紹介されている。
一方、ライン注入法は、所定の樹脂注入ラインから特定の方向に樹脂を注入していくので、樹脂の注入速度が比較的制御しやすく、フローフロントの位置やその進行度合も監視しやすい。しかし、フローフロントの形状線が所望の形状で進行しなかったり、フローフロントが到達しにくい箇所が生じると、含浸樹脂不足部(レジンスターブ部や樹脂未含浸部)が発生しやすく、また、表面品位が十分に良好でない部位が発生するおそれがある。
特開2010−89501号公報 国際公開2012/115067号公報
ところが、RTM多点注入法、ライン注入法のいずれにあっても、未だ、プリフォーム端部周辺でレーストラッキングが発生しやすく、プリフォーム外周部を先に樹脂が流れてプリフォーム内にエアがトラップされる懸念が残されている。プリフォーム内にエアがトラップされてしまうと、レジンスターブ部や樹脂未含浸部が発生しやすくなり、また、得られる繊維強化プラスチックの表面品位が不十分な部位が発生するおそれがある。
例えば、RTM多点注入法においては、以下のような問題が発生する場合がある。プリフォームの樹脂流動抵抗や樹脂注入口形状に依存したフローフロント形状は、必ずしも成形しようとする繊維強化プラスチックの形状とは一致しない。そのため、レーストラッキングなどにより繊維強化プラスチックの形状の範囲内にエアトラップを引き起こすことがある。また、真空吸引でアシストする方法では、成形サイクルタイムとの兼ね合いから、完全に真空状態にするのに十分な時間をとれないことが多い。そのため、特に大きな成形型(キャビティ)の場合には、最終的にエアがプリフォーム内にトラップされた状態で成形が終了することがある。さらに、エアトラップを減らす方法として、エアと樹脂をまとめて(分離は難しいので、泡入り樹脂として)吸引、排出する方法もあるが、排出口の洗浄が煩雑で別の問題を孕んでいる。
そこで本発明の課題は、このような従来技術における限界に鑑み、プリフォーム内にエアトラップのない良好な品位の成形品を得ることが可能な、とくに、完全密閉型の成形型でエアトラップのない成形品を得ることが可能なRTM法を用いた繊維強化プラスチックの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)成形型のキャビティ内に強化繊維基材からなるプリフォームを配置し、前記キャビティ内に設けられた樹脂注入口から注入される樹脂を、前記キャビティ内に設けられた樹脂吸引口に向かう方向に流動させながらプリフォームに含浸させ、前記樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、前記樹脂注入口と前記樹脂吸引口とを前記プリフォームが配置された領域内に設けるとともに、前記キャビティ内の所定領域における空間占有繊維体積含有率を、前記キャビティ内で予め決められた基準面を含む領域における空間占有繊維体積含有率に対し±10体積%以内の範囲とすることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
(2)前記空間占有繊維体積含有率を、下記(a)〜(c)のうち少なくともいずれか1つの方法により制御することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(a)キャビティクリアランスの高さを所定の領域において拡大する。
(b)前記キャビティクリアランスの高さを所定の領域において低くする。
(c)プリフォームに使用する強化繊維の量を所定の領域で制御する。
(3)前記所定の領域におけるキャビティクリアアランスの高さを、予め定められた基準領域に対し、0.5〜20%高くする、または低くすることを特徴とする(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(4)前記空間占有繊維体積含有率となる領域で使用される強化繊維の量を、予め定められた基準領域における強化繊維の量に対して±20%以内の範囲で変更させることを特徴とする(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(5)前記キャビティ内で予め決められた基準面を含む領域の空間占有繊維体積含有率が30〜70%であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
である。
本発明によれば、プリフォーム内にエアトラップのない良好な品位の成形品を得ることが可能な、とくに、完全密閉型の成形型でエアトラップのない成形品を得ることが可能なRTM法を用いた繊維強化プラスチックの製造方法を提供することが可能である。
本発明の第1の形態に係る方法を実施するために用いるRTM成形装置の概略縦断面図(図4のA−A’線に沿う断面図)である。 図1の装置の成形型内を上面側から見た概略透視平面図であり、樹脂注入口より樹脂を注入開始した時の樹脂フローフロントを示した図である。 図2における樹脂フローフロントの広がり方を示した概略図である。 図1の装置の成形型内を上面側から見た概略透視平面図である。 図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、キャビティクリアランスを拡大した場合の断面概略図である。 図5と異なる他の実施態様に係る図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、キャビティを薄くした場合の断面概略図である。 図5、図6と異なる他の実施態様に係る図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、強化繊維の量を制御しプリフォームを変更した場合の断面概略図である。 図3における樹脂フローフロントを改善させた場合の樹脂フローフロントを示した概略図である。 図3における樹脂フローフロントを改善させた場合の樹脂フローフロントを示した概略図である。 図2と異なる他の実施態様に係る、装置の成形型内を上面側から見た概略透視平面図であり、樹脂注入口より樹脂を注入開始した時の樹脂フローフロントの広がり方を示した図である。 図10における樹脂フローフロントを改善させた場合の樹脂フローフロントを示した概略図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1はRTM成形装置1の概略図であり、キャビティ2を有する成形型3は上型4と下型5の上下一対で構成されている。またRTM成形装置1はプレス機構6を有しており、上型4を型締め、型開きできるようになっている。プリフォーム7は強化繊維基材の積層体からなり、例えば予め所定形状に賦形されキャビティ2内に配置される。プリフォーム7は一体であっても良いし、複数のプリフォームを組み合わせたものでもよい。成形型3には、樹脂を供給するための少なくとも1つ以上の樹脂注入路8が接続されている。上型4内には、樹脂注入路8と接続する1つ以上の樹脂注入口9が設けられており、樹脂注入口9は、例えばピン状の弁体10によって開閉される。また、成形型3には熱媒流通路11が設けられており、流通される熱媒によって加熱、冷却される。
例えば、熱硬化性樹脂注入時には樹脂の良好な含浸がはかられ、樹脂含浸後には、加熱させて、注入含浸された樹脂を硬化させ、所定の繊維強化プラスチック成形品が作製される。また、キャビティ2の周囲はシール材12でシールされている。
本発明に係るプリフォーム7に使用される繊維強化基材に用いられる強化繊維としては、例えばアルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系等の炭素繊維や黒鉛繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維等が使用できる。これらの強化繊維は単独で用いても、また、2種以上併用しても良い。なかでも、比強度、比剛性、軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好ましく、比強度・比弾性率に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を少なくとも含むことが好ましい。
本発明に用いる樹脂としては、粘度が低く強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を形成するRIM用(Resin Injection Molding)モノマーなどが好適である。熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、また、ビスマレイド・トリアジン樹脂等のポリイミド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂、さらにメラミン樹脂、ユリア樹脂やアミノ樹脂等が挙げられる。
また、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン11樹脂などのポリアミド樹脂、またはこれらポリアミド樹脂の共重合ポリアミド樹脂、また、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂などのポリエステル樹脂、またはこれらポリエステル樹脂の共重合ポリエステル樹脂、さらにポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などや、さらにまた、ポリエルテルエラストマー樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂などに代表される熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムから選ばれた複数をブレンドした樹脂を用いることもできる。
中でも好ましい樹脂として、成形時の熱収縮を抑える観点から、エポキシ樹脂が挙げられる。一般的に、複合材料用エポキシ樹脂としては、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が用いられる。一方、硬化剤としては、ジシアンジアミドにジクロロフェニルジメチル尿素を組み合わせた硬化剤系が作業性、物性等のバランスに優れている点で好適に使用されている。しかし、特に限定されるものではなく、ジアミノジフェニルスルホン樹脂、芳香族ジアミン樹脂、酸無水物ポリアミド樹脂なども使用できる。また、樹脂と前述の強化繊維の比率は、重量比率で20:80〜70:30の範囲内が適当な剛性を保持する点で好ましい。その中でも、繊維強化プラスチックの熱収縮を低減させ、クラックの発生を抑えるという点から、エポキシ樹脂または熱可塑性樹脂やゴム成分などを配合した変性エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ジシクロペタジエン樹脂がより適している。
また、本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法においては、繊維強化樹脂とコア材との積層構造を有する繊維強化樹脂構造体を成形する際にも適用できる。たとえば、コア材の両側に繊維強化樹脂層を配置したサンドイッチ構造を挙げることができる。コア材としては、弾性体や発泡材、ハニカム材の使用が可能であり、軽量化のためには発泡材やハニカム材が好ましい。発泡材の材質としては特に限定されず、たとえば、ポリウレタン樹脂やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂などの高分子材料のフォーム材などを使用できる。ハニカム材の材質としては特に限定されず、たとえば、アルミニウム合金、紙、アラミドペーパー等を使用することができる。
図2は図1の装置の成形型内を上面側から見た概略透視平面図である。
成形品外形20内に、樹脂注入口9及び吸引口30の端部がそれぞれ配置されており、吸引口30の周囲には、後述するように樹脂のフローフロントが最終的に収まる許容領域40を設定することができる。本発明において「領域」とは、図2に示すプリフォーム7の概略透視平面図内に規定される特定の範囲をいう。
ここで、本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法について説明する。
あらかじめ賦形したプリフォーム7(または強化繊維基材を積層した積層体)を、下型5に設けられたキャビティ2内に配置する。プリフォーム7がキャビティ2内に配置された状態で、上型4が下型5に対し型締めされ、吸引口30よりエアを吸引する。樹脂注入路8から供給される樹脂は、プリフォーム7の一面(上面)に対面して開口する複数の樹脂注入口9からキャビティ2内に注入されると、樹脂注入口9から図2に示すように初期フローフロント100が形成される。フローフロント100は次第に同心円状に広がっていき、プリフォーム7全体にわたって含浸される。成形型3は、例えば熱媒流通路11に流通される熱媒によって加熱又は冷却されており、熱硬化性樹脂注入時には樹脂の良好な含浸がはかられ、樹脂含浸後には、加熱されて、注入含浸された樹脂が硬化されて、所定の繊維強化プラスチックが作製される。
本発明では、樹脂の流動の仕方を予め樹脂流動解析により樹脂の挙動を予め把握しておくことが望ましい。本発明において、空間占有繊維体積含有率は以下の式で定義する。
Vpf=Vp/(l・w・h)
Vpf(体積%):空間占有繊維体積含有率、Vp(mm):プリフォーム体積、l(mm):長さ、w(mm):幅、h(mm):キャビティ厚み
ここで、長さと幅は、空間占有繊維体積含有率を占める領域の長さと幅に相当する。当該領域が上述した長さや幅で規定できない場合、その領域が占める面積S(mm)とキャビティ厚みh(mm)とから、以下のように計算することができる。
Vpf=Vp/(S・h)
上式を用いれば、空間占有繊維体積含有率とは、特定の領域を厚さ方向に見た場合における、キャビティ厚さを考慮に入れた空間内に占める強化繊維の体積含有率であるといえる。
例えば、図3のような形状において均一な空間占有繊維体積含有率の場合、樹脂フローフロント101が吸引口30に到達した際、樹脂注入口9から遠い成形品外形20の角部にはフローフロント101が到達していないものの、フローフロント101が成形品外形20の一部(図3では下縁)に到達しているため、角部からエアの吸引口30までの流路がなくなる。そのため、角部のエアの行き場がなくなりエアトラップ110が発生する。
このようなエアトラップ110を解消するため、エアトラップが存在しても生産上許容できる領域である許容領域40内に樹脂のフローフロントが最終的に収まるように樹脂の流れを制御する方法として、図4に示すように、キャビティ内で予め決められた基準面50の空間占有繊維体積含有率と異なる所定領域60を設けることが重要である。
キャビティ内で予め決められた基準面50は、得られる繊維強化プラスチックにおいて空間占有繊維体積含有率が同じになる面積が最も広くなる最大の領域であり、空間占有繊維体積含有率が30〜70体積%の範囲であることが好ましい。空間占有繊維体積含有率が70体積%を超える場合、樹脂流動抵抗が高すぎるため、樹脂がプリフォーム内に十分に含浸せず、未含浸領域が発生するおそれがある。また、空間占有繊維体積含有率が30体積%未満の場合、強化繊維量が少ないため、樹脂流動時に強化繊維基材が樹脂の流動圧により基材がずれたり、変形したりするといった問題が発生する。空間占有繊維体積含有率は35〜65体積%が好ましく、より好ましくは40〜60体積%、さらに好ましくは45〜55体積%である。
所定領域60の空間占有繊維体積含有率を基準面50と異なる空間占有繊維体積含有率とすることで、所定領域60での樹脂の流動抵抗が基準面50における流動抵抗と異なるため、所定領域60での樹脂流れが基準面50と異なる流動形態とすることができる。例えば、所定領域60の空間占有繊維体積含有率を基準面50より小さくした場合、所定領域60では流動抵抗が基準面50と比較して低下するため、樹脂流動速度が速くなり、フローフロントまでの距離が基準面50に比べ長くなる。また、逆に所定領域60の空間占有繊維体積含有率を基準面50より大きくした場合、樹脂流動抵抗が大きくなるため、樹脂流動速度が遅くなり、フローフロントまでの距離が基準面50と比較して短くなる。所定領域60を設ける場所を決めるにあたっては、樹脂フローフロントを予め予測し、樹脂の最終フローフロントが許容領域40内に収まるように、樹脂が流動しにくい場所では空間占有繊維体積含有率を小さくし、逆に樹脂が流動しやすい場所では空間占有繊維体積含有率を大きくすることで樹脂の流動速度を抑え、最終フローフロントが許容領域40に収まるように調整することができる。
空間占有繊維体積含有率は大きく変化させると、所定領域60の物性が基準面50の物性に比べて大きく変化する可能性がある。そのため、空間占有繊維体積含有率は大きく変化させない方が望ましいが、一方で空間占有繊維体積含有率の変化が基準面50と比べ小さすぎる場合、樹脂流動速度を変化させることができない。そのため基準面50と比べ空間占有繊維体積含有率の変化は±10体積%以下とすることが重要である。空間占有繊維体積含有率の変化が10体積%を超えると、所定領域60の樹脂流動抵抗が基準面50に対して高くなりすぎ、強化基材に樹脂に含浸しない領域が発生しやすくなる。また、空間占有繊維体積含有率の変化が10体積%を下回ると、所定領域60の樹脂流動抵抗が基準面50に対して樹脂流動抵抗が低くなりすぎ、基準面50となる領域に十分樹脂が拡散することなく、未含浸領域が発生しやすくなる。
図5は図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、キャビティクリアランスを拡大した場合の断面概略図を示す。キャビティクリアランスの高さが基準面50に対して高い領域70の空間占有繊維体積含有率は、基準面50における空間占有繊維体積含有率と比較して小さくなるため、樹脂流動抵抗が低く、樹脂の流動速度が速くなる。その結果、フローフロントの距離を伸ばす効果が得られる。また、拡大部70を基点として周囲に樹脂が拡散する効果も併せ持つ。
ここで、基準面50におけるキャビティクリアランスの高さに対する、拡大部70におけるキャビティクリアランスの高さを高くする割合は、0.5%〜20%が望ましい。キャビティを基準面50に対して20%を超えて高くする場合、この領域内を占める繊維強化プラスチックの表層が樹脂リッチとなり、欠けの発生などもろくなりやすい。0.5%未満の場合は空間占有繊維体積含有率の変化が小さ過ぎるため、所望の効果か得られない。キャビティクリアランス拡大部70は、上型4だけでなく、下型5に設けられてもよい。また、拡大部の断面形状は長方形に限らず、半円や三角形形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
図6は、図3と異なる他の実施態様に係る図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、キャビティクリアランス高さを低くしてキャビティを薄くした場合の断面概略図である。キャビティ高さを基準面50と比べ薄くした領域80は、この領域の空間占有繊維体積含有率が基準面50に比べ高くなるため、樹脂流動抵抗が高くなり、樹脂流動速度が基準面50に比べ遅くなる。その結果、フローフロントまでの距離を短くする効果が得られる。
基準面50におけるキャビティクリアランスの高さに対する、薄くした領域80におけるキャビティクリアランス高さを低くする割合は、0.5%〜20%が望ましい。キャビティを基準面50に対して20%を超えて低くする場合、この領域の樹脂流動抵抗が高くなり過ぎる。そのため、強化繊維に樹脂が含浸しない領域が発生しやすくなる。0.5%未満の場合は空間占有繊維体積含有率の変化が小さ過ぎるため、所望の効果か得られない。キャビティを薄くする形状は上型4だけでなく、下型5に設けられてもよい。また、該断面形状は長方形に限らず、半円や三角形形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
図7は、図5や図6とも異なる他の実施態様に係る図4のB−B’線に沿う部分拡大断面図であり、強化繊維の量を制御してプリフォームを変更した場合の断面概略図を示す。図5や図6では、キャビティの空隙を変化させて樹脂の流動抵抗を変化させたのに対し、図7ではプリフォーム自身の空間占有繊維体積含有率を変化させたものである。プリフォームの強化繊維の量を変更する方法としては、例えば、同じ繊維強化基材の投入量を変更する、繊維強化基材の目付、織方を変更することで空間占有繊維体積含有率を変更する、等の方法が上げられる。
強化繊維の量が基準面50より多い場合、空間占有繊維体積含有率が大きくなり、樹脂流動抵抗が高くなり、樹脂流動速度が基準面50に比べ遅くなるので、フローフロントまでの距離が基準面50と比べ短くすることができる。一方、強化繊維の量が基準面50より少ない場合、空間占有繊維体積含有率が小さくなり、樹脂流動抵抗が小さくなり、樹脂流動速度が基準面50に比べ速くなり、フローフロントまでの距離が基準面50に比べ長くなる。
強化繊維の量は、予め定められた基準領域における強化繊維の量に対して±20%以内の範囲で変更させることが好ましい。強化繊維の量が基準面50より20%を超える場合、空間占有繊維体積含有率が大きくなり過ぎ、樹脂流動抵抗が高くなり過ぎるため、樹脂が含浸しない可能性がある。一方、強化繊維の量が基準面50より−20%を超える場合、空間占有繊維体積含有率が低くなりすぎることで、物性の低下や樹脂リッチ部を発生させる可能性がある。
本発明では樹脂の流動の仕方を予め樹脂流動解析により樹脂の挙動を予め把握しておくことが望ましい。該解析においてエアトラップ等が発生すると予想された場合、エアトラップが発生しないような樹脂流動フローフロントになるよう空間占有繊維体積含有率の低い所定領域61を配置することが重要である。
そこで、図8のように空間占有繊維体積含有率が低い所定領域61を設けることができる。該形状では該領域の空間占有繊維体積含有率を低くすることで、フローフロントを102のように変化させ、エアの吸引口30までの流路が確保され、図3で現れたようなエアトラップ110が発生せず、エアトラップの発生が改善する。もしくは図9のように空間占有繊維体積含有率を高い所定領域62を設け、フローフロントを103のように変化させることで、エアの吸引口30までの流路が確保され、エアトラップの発生が改善することも好ましい。
また、図3と異なる様態として図10に示す形状が例示できる。この場合、樹脂のフローフロント103が吸引口30に到達した際には、樹脂注入口9から遠い成形品外形20の角部に先に到達していないため、エアの吸引口30までのエアの移動できる流路がふさがれてしまう。そのため、角部のエアの行き場がなくなりはエアトラップ110が発生する。
そこで図11のように空間占有繊維体積含有率が低い所定領域61と空間占有繊維体積含有率が高い所定領域62を設けることができる。この形状では、領域の空間占有繊維体積含有率を低い領域と高い領域を設けることで、フローフロントを104のように変化させ、エアの吸引口30までの流路が確保され、図10で現れたようなエアトラップ110の解消を図ることができる。
本発明に係るFRPの製造方法は、あらゆるRTM法を用いたFRPの製造に適用可能であり、とくに、優れた品位の成形品を短時間のサイクルタイムで成形することが求められる大量生産に好適なものである。
1 RTM成形装置
2 キャビティ
3 成形型
4 上型
5 下型
6 プレス機構
7 プリフォーム
8 樹脂注入路
9 樹脂注入口
10 弁体
11 熱媒流通路
12 シール材
20 成形品外形
30 樹脂吸引口
40 許容領域
50 基準面
60 所定領域
61 空間占有繊維体積含有率が低い所定領域
62 空間占有繊維体積含有率が高い所定領域
70 キャビティ拡大部
80 キャビティ高さを低くした領域
90 強化繊維基材の量を制御した領域
100 初期フローフロント
101 フローフロント
110 エアトラップ
102 改善されたフローフロント
103 改善されたフローフロント
104 改善されたフローフロント

Claims (5)

  1. 成形型のキャビティ内に強化繊維基材からなるプリフォームを配置し、前記キャビティ内に設けられた樹脂注入口から注入される樹脂を、前記キャビティ内に設けられた樹脂吸引口に向かう方向に流動させながらプリフォームに含浸させ、前記樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、前記樹脂注入口と前記樹脂吸引口とを前記プリフォームが配置された領域内に設けるとともに、前記キャビティ内の所定領域における空間占有繊維体積含有率を、前記キャビティ内で予め決められた基準面を含む領域における空間占有繊維体積含有率に対し±10体積%以内の範囲とすることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. 前記空間占有繊維体積含有率を、下記(a)〜(c)のうち少なくともいずれか1つの方法により制御することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
    (a)キャビティクリアランスの高さを所定の領域において拡大する。
    (b)前記キャビティクリアランスの高さを所定の領域において低くする。
    (c)プリフォームに使用する強化繊維の量を所定の領域で制御する。
  3. 前記所定の領域におけるキャビティクリアアランスの高さを、予め定められた基準領域に対し、0.5〜20%高くする、または低くすることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 前記空間占有繊維体積含有率となる領域で使用される強化繊維の量を、予め定められた基準領域における強化繊維の量に対して±20%以内の範囲で変更させることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 前記キャビティ内で予め決められた基準面を含む領域の空間占有繊維体積含有率が30〜70%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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KR20240042688A (ko) 2022-09-26 2024-04-02 도레이첨단소재 주식회사 수지 이송 성형용 금형

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