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JP2016064810A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2016064810A
JP2016064810A JP2015107673A JP2015107673A JP2016064810A JP 2016064810 A JP2016064810 A JP 2016064810A JP 2015107673 A JP2015107673 A JP 2015107673A JP 2015107673 A JP2015107673 A JP 2015107673A JP 2016064810 A JP2016064810 A JP 2016064810A
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pneumatic tire
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JP2015107673A
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剛史 土田
Takashi Tsuchida
剛史 土田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】優れた耐空気透過性および良好な転がり抵抗性を維持しつつ、耐久性が向上された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス層、カーカス層のタイヤ内側に配置されるインナーライナー層、およびインナーライナー層のタイヤ内側に配置されるゴム層を備える空気入りタイヤであって、インナーライナー層は、カーカス層と接するように配置されるSIBSおよび粘着付与剤を含有する厚さ0.05〜0.5mmのポリマー層であり、SIBSと粘着付与剤との合計量に対して、SIBS99〜50質量%、粘着付与剤1〜50質量%を含有するポリマー層を含み、(a)インナーライナー層が、第1領域と、第1領域とは異なる領域であって、第1領域よりも厚みが大きい第2領域とを含む、および(b)ゴム層が、第3領域と、第3領域とは異なる領域であって、第3領域よりも厚みが大きい第4領域とを含む、の少なくともいずれかを満たす空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、より詳しくは、熱可塑性樹脂層から構成されるインナーライナー層およびゴム層を備える空気入りタイヤに関する。
インナーライナー層は、空気入りタイヤの内部に配され、タイヤ内部から外部への空気漏れの量(空気透過量)を低減して耐空気透過性を向上させるはたらきを担うタイヤ部材である。
インナーライナー層には、耐空気透過性はもちろんのこと、耐久性も求められる。インナーライナー層は、リム組み作業等の際に工具類が接触して損傷を生じやすく、また、パンク修理等においてタイヤ内面をバフ処理する際にも損傷を受けやすい部材であるためである。インナーライナー層の損傷は、タイヤの耐空気透過性を大きく低下させ得る。
また、近年における車の低燃費化に対する強い社会的要請からタイヤの軽量化が求められており、その一部材であるインナーライナー層においても軽量化が要求されている。従来、チューブレスの空気入りタイヤのインナーライナー層には、一般的に耐空気透過性が比較的高いブチル系ゴムが使用されてきたが、ブチル系ゴムは比重が大きいため、タイヤを重くし、タイヤの転がり抵抗が上昇して燃費を悪化させる一因となっていた。
インナーライナー層の特性を改善すべく、従来様々な技術が提案されている(特許文献1〜6)。
特開平08−258506号公報 特開平09−019987号公報 特開2000−159936号公報 特開2008−024219号公報 特開2005−343379号公報 特開2009−279977号公報
特許文献1には、ポリ塩化ビニリデンのような熱可塑性樹脂からなるフィルムを空気入りタイヤのインナーライナー層(空気透過防止層)に用いることが記載されている。熱可塑性樹脂は、ブチル系ゴムに比べて耐空気透過性の面でより優れており、また、これを適用したインナーライナー層によれば、ブチル系ゴムを用いる場合と比較してタイヤの軽量化も可能である。
しかし、熱可塑性樹脂からなるインナーライナー層は、耐屈曲疲労性を確保するために極めて薄くする必要があり、このため、上述したような場面で損傷を生じ易かった。また、タイヤ使用時にショルダー部近傍に大きなせん断ひずみが作用するため、インナーライナー層とカーカス層との接着界面で剥離が発生しやすくなり、タイヤの空気漏れが発生しやすいという問題もあった。
特許文献2には、ガスバリヤー層(A)およびその両面に配置される接着層(B)からなる積層フィルム(インナーライナー層)と、カーカス層のようなゴム層(R)とを含む積層体であって、接着層(B)とゴム層(R)とが加熱接着されてなる積層体が記載されており、ガスバリヤー層(A)の両側に接着層(B)を設けることで、インナーライナー層の重ね合せ部において接着層(B)同士が接触するようになり、加熱によって強固に接着されるので、空気圧保持性を向上できることが述べられている。しかし、このインナーライナー層の重ね合せのための接着層(B)は、加硫工程において、ブラダーと過熱状態で接触することになり、ブラダーに粘着するという問題があった。
特許文献3には、エラストマー組成物(A)を分散相、2種以上の熱可塑性樹脂のブレンドからなる熱可塑性樹脂組成物(B)をマトリックスとする熱可塑性エラストマー組成物を空気入りタイヤの空気透過防止層に用いることが記載されている。上記2種以上の熱可塑性樹脂には、ナイロン樹脂が用いられている。
しかし、ナイロン樹脂は室温で硬いため、当該文献に記載の熱可塑性エラストマー組成物は、空気入りタイヤのインナーライナー層としては不向きである。また、この熱可塑性エラストマー組成物は、カーカス層のようなゴム層に加硫接着させることができないため、仮にこの熱可塑性エラストマー組成物をインナーライナー層に用いた場合には、ゴム層との接着のための加硫用接着層を別途設ける必要がある。このため、タイヤ構造およびタイヤ製造工程が複雑となり、生産性の観点からも不利であった。
特許文献4には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のような柔軟樹脂が分散されたエチレン−ビニルアルコール共重合体層の両面に熱可塑性ウレタン系エラストマー層を積層し、この積層体を、ブチルゴムなどを含む接着剤組成物を用いてゴム状弾性体層に接着してなるインナーライナー層が記載されている。
しかしながら、柔軟樹脂が分散されたエチレン−ビニルアルコール共重合体は、接着力が低いため、熱可塑性ウレタン系エラストマー層との剥離が生じやすい傾向にある。また、柔軟樹脂が分散されているものの、マトリックスであるエチレン−ビニルアルコール共重合体自体は耐屈曲疲労性に乏しいため、当該文献に記載のインナーライナー層は、耐屈曲性に関してなお改善の余地があった。さらに、接着剤組成物を用いて上記積層体をゴム状弾性体層に接着するという別途の工程が必要であり、生産性の観点からも不利であった。
特許文献5には、ゴム組成物を含む熱可塑性樹脂からなるインナーライナー層において、ショルダー部における厚さ寸法をタイヤクラウン部における厚さ寸法よりも大きくすることにより、低温耐久性を向上させ得ることが記載されている。
しかしながら、インナーライナー層の一部の厚さ寸法を大きくすることは、空気入りタイヤの重量増加、ひいてはタイヤの転がり抵抗の上昇を伴うため、燃費を悪化させる要因となる。
特許文献6には、タイヤ内面に熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂フィルム層(インナーライナー層)を設け、その熱可塑性樹脂フィルム層の内面に保護ゴム層を積層した構成において、熱可塑性樹脂フィルム層または保護ゴム層の少なくとも一方の厚さを変化させることにより、上述したような場面でのインナーライナー部の損傷を防止できることが記載されている。しかしながら、インナーライナー層の一部を厚くすることに伴う燃費悪化の懸念は上記特許文献5に記載の発明と同様であり、また、タイヤの耐久性の面でもなお改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、優れた耐空気透過性と良好な転がり抵抗性とを維持しつつ、耐久性が向上されたタイヤを提供することにある。
本発明は、
[1]カーカス層、
前記カーカス層のタイヤ内側に配置されるインナーライナー層、および
前記インナーライナー層のタイヤ内側に配置されるゴム層
を備える空気入りタイヤであって、
前記インナーライナー層は、前記カーカス層と接するように配置されるスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体および粘着付与剤を含有する厚さ0.05〜0.5mmのポリマー層であり、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体と粘着付与剤との合計量に対して、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を99〜50質量%、好ましくは95〜60質量%、より好ましくは95〜80質量%、粘着付与剤を1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%含有するポリマー層を含み、
次の(a)および(b):
(a)前記インナーライナー層が、第1領域と、前記第1領域とは異なる領域であって、前記第1領域よりも厚みが大きい第2領域とを含む、および
(b)前記ゴム層が、第3領域と、前記第3領域とは異なる領域であって、前記第3領域よりも厚みが大きい第4領域とを含む
の少なくともいずれかを満たす、空気入りタイヤ、
[2]前記第1領域が、前記インナーライナー層におけるトレッド部に対応する領域であり、前記第2領域が、前記インナーライナー層における、前記第1領域以外の少なくとも一部の領域である上記[1]記載の空気入りタイヤ、
[3]前記第4領域が、前記ゴム層におけるトレッド部に対応する領域であり、前記第3領域が、前記ゴム層における、前記第4領域以外のすべての領域である上記[1]または[2]記載の空気入りタイヤ、
[4]前記粘着付与剤が、C9石油樹脂、C5石油樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデンオイル、ロジンエステル、水添ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂およびDCPDからなる群より選択される少なくとも1つである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[5]前記粘着付与剤が、イソブチレン系低分子量体である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[6]前記粘着付与剤が、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、および
[7]前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体のスチレン成分含有量が10〜40質量%、好ましくは14〜30質量%であり、重量平均分子量が50,000〜400,000である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の空気入りタイヤ
に関する。
本発明によれば、優れた耐空気透過性と良好な転がり抵抗性とを維持しつつ、耐久性が向上されたタイヤを提供することができる。
本発明の一実施態様である空気入りタイヤを説明するためのタイヤ右半分を示す概略断面図である。
本発明は、カーカス層、このカーカス層のタイヤ内側に配置されるインナーライナー層およびこのインナーライナー層のタイヤ内側に配置されるゴム層(以下、保護ゴム層とも称す)を少なくとも備える空気入りタイヤに関する。空気入りタイヤは、トラック、バスなどの重荷重用空気入りタイヤであってもよいし、乗用車用空気入りタイヤであることもできる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)および粘着付与剤を含有する厚さ0.05〜0.5mmのポリマー層であり、SIBSと粘着付与剤との合計量に対して、SIBSを99〜50質量%含有し、粘着付与剤1〜50質量%を含有するポリマー層(以下、単にポリマー層ともいう。)を含み、このポリマー層がカーカス層と接するように配置される。
また、本発明の空気入りタイヤは、次の(a)および(b):
(a)前記インナーライナー層が、第1領域と、該第1領域とは異なる領域であって、該第1領域よりも厚みが大きい第2領域とを含む、および
(b)前記ゴム層が、第3領域と、該第3領域とは異なる領域であって、該第3領域よりも厚みが大きい第4領域とを含む
の少なくともいずれかを満たすものである。
図1は、本発明の一実施態様である空気入りタイヤ(たとえば重荷重用空気入りタイヤ)を説明するためのタイヤ右半分を示す概略断面図(タイヤ子午線方向の半断面図)である。ただし、この図は、空気入りタイヤの全体像を把握するためのものであるため、上記(a)および(b)の厚みに関する事項は反映されていない。
図1に示される空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延びる主溝11を有し、クラウン中心位置Aからショルダー部2にわたって形成されているトレッド部1;ショルダー部2から延びるバットレス部3;バットレス部3から延びるサイドウォール部4;サイドウォール部4から延び、ビードコア51が埋設されるとともに、チェーファー52が配置されたビード部5;左右一対のビードコア51間に装架され、両端をビードコア51のまわりに折り返して係止されるカーカス層6;カーカス層6のクラウン部外側に配置される複数のベルト層7;カーカス層6のタイヤ半径方向内側において、左右一対のビード部5間にわたって配置されるインナーライナー層8;インナーライナー層8のタイヤ半径方向内側において、左右一対のビード部5間にわたって配置されるゴム層9を含む。
また、SIBSは、芳香族環以外の分子構造が完全飽和であるため、劣化硬化が生じにくく、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSを含むポリマー層を備えるインナーライナー層を用いることにより、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
ポリマー層におけるSIBSおよび粘着付与剤の合計量中のSIBSの含有量は50質量部以上であり、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。また、ポリマー層におけるSIBSの含有量は99質量%以下であり、95質量%以下が好ましい。SIBSの含有量が50質量%未満であると、耐空気透過性および耐久性が十分とならない傾向があり、SIBSの含有量が99質量%を超えると、加硫接着性が十分とならない傾向がある。したがって、SIBSを60質量%以上含むポリマー層を用いることにより、耐空気透過性および耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
このように、SIBSを含むポリマー層を備えるインナーライナー層を適用することで、優れた耐空気透過性を得ることが可能である。したがって、耐空気透過性を付与するために従来使用されてきた高比重のブチル系ゴム(ハロゲン化ブチルゴムなど)を使用する必要がない。これによって、タイヤの軽量化、ひいてはタイヤの転がり抵抗の低減が可能となり、その結果、燃費の向上効果を得ることができる。また、他の熱可塑性樹脂からなる従来のインナーライナー層を用いる場合と比較しても、耐空気透過性を維持しながら、タイヤの軽量化、ひいてはタイヤの転がり抵抗の低減に伴う燃費の向上効果を得ることができ、また耐久性向上効果を得ることができる。
SIBSの分子量は特に限定されないが、SIBSのゴム弾性および流動性、ポリマー層およびインナーライナー層への成形加工性などの観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるスチレン換算の重量平均分子量は、50,000〜400,000であることが好ましい。重量平均分子量が50,000未満であると、SIBSのゴム弾性、引張強度および引張伸びが低下するおそれがある。また、重量平均分子量が400,000を超えると、SIBS流動性の低下によりインナーライナー層への成形加工性(押出し加工性など)が低下するおそれがある。
SIBSは、耐空気透過性および耐久性をより良好にする観点から、SIBS中のスチレン成分の含有量は、10質量%以上が好ましく、14質量%以上であることがさらに好ましい。また、SIBS中のスチレン成分の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。スチレン成分の含有量が10質量%未満であると、低燃費性が悪化する傾向があり、40質量%を超えると、より十分な耐久性が得られない傾向がある。
SIBSを構成するイソブチレン成分とスチレンとのモル比(イソブチレン/スチレン)は、SIBSのゴム弾性の観点から、40/60〜95/5が好ましい。SIBSを構成する各ブロックの重合度は、SIBSのゴム弾性と取扱い性(重合度が10,000未満では液状になる)の観点から、イソブチレンブロックでは10,000〜150,000程度が好ましく、また、スチレンブロックでは10,000〜30,000程度が好ましい。
SIBSは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができ、たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。たとえば、特開昭62−48704号公報および特開昭64−62308号公報には、イソブチレンと他のビニル化合物とのリビングカチオン重合が可能であり、ビニル系化合物としてのイソブチレンおよび他の化合物をリビングカチオン重合することでポリイソブチレン系のブロック共重合体を製造できることが開示されている。この他にも、リビングカチオン重合法によるビニル系化合物重合体の製造方法が、たとえば、米国特許第4,946,899号明細書、米国特許第5,219,948号明細書、特開平3−174403号公報などに記載されている。
SIBSは、上述の通り分子内に芳香族以外の二重結合を有していないために、分子内に芳香族環以外の二重結合を有している重合体、たとえばポリブタジエンに比べて紫外線に対する安定性が高く、したがって、耐候性も良好である。また、分子内に芳香族環以外の二重結合を有しておらず、かつ飽和系のゴム状ポリマーであるにも関わらず、波長589nmの光の20℃での屈折率(nD)は、ポリマーハンドブック(1989年、ワイリー(Polymer Handbook,Willy,1989))によると、1.506である。これは、他の飽和系のゴム状ポリマー、たとえば、エチレン−ブテン共重合体に比べて有意に高いものである。
本発明において、ポリマー層における粘着付与剤の含有量は、SIBSおよび粘着付与剤の合計量に対して1質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、粘着付与剤の含有量は、SIBSおよび粘着付与剤の合計量に対して、50質量%以下であり、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。ポリマー層における粘着付与剤の含有量が、SIBSおよび粘着付与剤の合計量に対して1質量%未満であると、カーカスおよびゴム層との加硫接着力が十分でない傾向があり、50質量%を超えると、粘着性が高くなりすぎて、加工性、生産性が低下し、さらにガスバリア性も低下する傾向がある。粘着付与剤を適量配合することにより、配合物としての粘度低減効果が得られ、フィルム押出し成形(加工性・生産性)の向上へ繋がる。
また、上述のようにポリマー層におけるSIBSおよび粘着付与剤の含有量の好ましい範囲を説明したが、これらの含有量は、SIBSおよび粘着付与剤の合計量に対してどちらか一方の含有量を規定することにより、当然、他方の含有量が決定されるものである。
本明細書において、「粘着付与剤」とは、一般的な熱可塑性エラストマー組成物の粘着性を増進するための添加剤をいう。
粘着付与剤は、重量平均分子量Mwが、1×102〜1×106で軟化点が50〜150℃の範囲であることが望ましい。重量平均分子量が1×102未満の場合、粘度が低くなり、シートの成形性が不利となる傾向があり、一方、1×106を超えると、ポリマー層への粘着性付与が十分でなくなる傾向がある。粘着付与剤が、後述するイソブチレン系低分子量体である場合、数平均分子量が200以上が好ましく、1500以上がより好ましい。また、イソブチレン系低分子量体の数平均分子量は、3000以下が好ましく、2500以下がより好ましい。テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂などの一般的なレジンよりも分子量の高い、数平均分子量1500以上2500以下がより性能が良い傾向がある。さらに、粘着付与剤が、後述するエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(以下、エポキシ化SBSともいう。)である場合、重量平均分子量は、ゴム弾性および成形性の観点から、1×104〜4×105であることが好ましい。重量平均分子量を1×104以上とすることで、柔らかすぎて寸法が安定しないおそれがないため好ましく、4×105以下の場合、硬すぎて薄く押出しできないおそれがないため好ましい。なお、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるスチレン換算により得られる値であり、数平均分子量Mnは、蒸気圧測定法により得られる値である。
粘着付与剤の具体例としては、C9石油樹脂、C5石油樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデンオイル、ロジンエステル、水添ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂、DCPD、イソブチレン系低分子量体、エポキシ化SBSなどがあげられる。
「C9石油樹脂」とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC5〜C9留分(主としてC9留分)を混合状態のまま重合して得られた芳香族石油樹脂である。たとえば、商品名として、アルコンP70、P90、P100、P125、P140、M90、M100、M115、M135(いずれも、荒川化学工業(株)製、脂環族飽和炭化水素樹脂、軟化点70〜145℃)、またアイマーブS100、S110、P100、P125、P140(いずれも出光石油化学(株)製、芳香族共重合系水添石油樹脂、軟化点100〜140℃、重量平均分子量700〜900、臭素価2.0〜6.0g/100g)、さらに、ペトコールXL(東ソー(株)製)がある。
「C5石油樹脂」とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレンやブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC4〜C5留分(主としてC5留分)を混合状態のまま重合して、得られた脂肪族石油樹脂である。商品名として、ハイレッツG100(三井石油化学(株)製、軟化点100℃)、またマルカレッツT100AS(丸善石油(株)製、軟化点100℃)、さらにエスコレッツ1102(トーネックス(株)製、軟化点110℃)がある。
「テルペン樹脂」としては、商品名として、YSレジンPX800N、PX1000、PX1150、PX1250、PXN1150N、クリアロンP85、P105、P115、P125、P135、P150、M105、M115、K100(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜160℃)がある。
「芳香族変性テルペン樹脂」としては、商品名として、YSレジンTO85、TO105、TO115、TO125(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
「テルペンフェノール樹脂」としては、商品名として、タマノル803L、901(荒川化学工業(株)製、軟化点120℃〜160℃)、またYSポリスターU115、U130、T80、T100、T115、T145、T160(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
「クマロン樹脂」としては、軟化点90℃のクマロン樹脂(神戸油化学工業(株)製)がある。
「クマロンインデンオイル」としては、商品名として、15E(神戸油化学工業(株)製、流動点15℃)がある。
「ロジンエステル」としては、商品名として、エステルガムAAL、A、AAV、105、AT、H、HP、HD(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点68℃〜110℃)、またハリエスターTF、S、C、DS70L、DS90、DS130(いずれもハリマ化成(株)製、軟化点68℃〜138℃)がある。
「水添ロジンエステル」としては、商品名として、スーパーエステルA75、A100、A115、A125(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点70℃〜130℃)がある。
「アルキルフェノール樹脂」としては、商品名として、タマノル510(荒川化学工業(株)製、軟化点75℃〜95℃)がある。
「DCPD」としては、商品名として、エスコレッツ5300(トーネックス(株)製、軟化点105℃)がある。
「イソブチレン系低分子量体」とは、熱可塑性エラストマー組成物の粘着性を増進するための物質であり、具体的には、無水マレイン酸、アミン化合物およびイソブチレンの反応により得られる低分子量の反応生成物である。インナーライナー層に用いるポリマー層の主成分であるSIBSの主成分であるイソブチレンから構成されるものであるため、ポリマー層を構成する成分と粘着付与剤の成分とが同様なものとなり、粘着性増強効果に加えて、耐空気透過性、低燃費化、タイヤ耐久性などその他のタイヤ性能についても効果が得られる。
イソブチレン系低分子量体のなかでも、特定の方法、例えば、特開昭61−207399号公報に記載されている方法、すなわち無水マレイン酸にアミン化合物を反応させ、次いで得られた生成物にイソブチレンを反応させる方法により得られるものが、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体との相性が最も良く、分散性も良いため、粘着増強効果に加えて低燃費化も期待できることから好ましい。また、分子量コントロールもしやすいため、生産性の向上も期待できる。このようなイソブチレン系低分子量体には、無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンとが1分子同士反応した付加化合物から、イソブチレンオリゴマーと1分子の無水マレイン酸アミン誘導体とが付加した形態のもの、さらにはイソブチレン単位と無水マレイン酸アミン誘導体単位がランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合あるいは交互共重合した共重合体など様々な化合物が含まれ、いずれの場合もその分子量は一般に200〜3000程度のものである。
無水マレイン酸とアミン化合物との反応に用いるアミン化合物としては、種々のものを使用することができ、特に制限されるものではない。具体的には、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミンなどの脂肪族アミン;シクロプロピルアミン、シクロブチルアミンなどの脂環式アミン;アニリン、p−アミノトルエンなどの芳香族アミンなどが挙げられる。
無水マレイン酸とアミン化合物との反応における、無水マレイン酸とアミン化合物との割合は、特に制限されるものではないが、通常、無水マレイン酸1モルに対してアミン化合物0.01〜2.0モルが好ましく、0.05〜1.5モルがより好ましい。アミン化合物の割合が少なすぎると最終的に得られるイソブチレン系生成物の分子量が大きいものとなり好ましくなく、また逆にアミン化合物の割合が多すぎても未反応として残るので好ましくない。
無水マレイン酸とアミン化合物との反応は、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜70℃、より好ましくは10〜50℃の反応温度で、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜5時間行われる。
得られた無水マレイン酸アミン誘導体はイソブチレンとの反応により、イソブチレン系低分子量体を与えるが、この無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンとの反応には、無水マレイン酸アミン誘導体1分子に1分子のイソブチレンを付加させる反応のみならず、2分子以上のイソブチレンを付加させる反応、さらに無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンを共重合する反応をも包含する。
無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンとの反応における、無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンとの割合は、特に制限されるものではないが、通常、無水マレイン酸アミン誘導体1モルに対してイソブチレン0.1〜5モルが好ましく、0.5〜3モルがより好ましい。
無水マレイン酸アミン誘導体とイソブチレンとの反応は、特に限定されるものではないが、好ましくは30〜200℃、より好ましくは45〜150℃の反応温度、好ましくは0.1〜3MPa、より好ましくは0.1〜2MPaの反応圧力で、好ましくは0.5〜20時間、より好ましくは1〜10時間行われる。
「エポキシ化SBS」は、ハードセグメントがポリスチレンブロック、ソフトセグメントがブタジエンブロックであり、ブタジエンブロックに含まれる不飽和二重結合部分をエポキシ化した熱可塑性エラストマーである。エポキシ化SBSはブタジエンブロックからなるソフトセグメントを有するため、ゴム成分と加硫接着しやすい。また、エポキシ化SBSはスチレンブロックを有するため、同様にスチレンブロックを有するSIBSとの溶融接着性に優れている。さらに優れた耐空気透過性を有しているため、エポキシ化SBSを粘着付与剤としてSIBSに混合しポリマー層として、インナーライナー層に適用することで、耐空気透過性を維持しながら、インナーライナー層に粘着性、接着性を効果的に付与することができ、たとえばカーカスやインスレーションを形成するゴム層とインナーライナーのタイヤ半径方向内側の保護ゴム層との間に隣接して配置して加硫すると、ポリマー層と両側隣接ゴム層との接着性を改善することができ、ひいてはタイヤ耐久性向上効果を得ることができる。
エポキシ化SBS中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。エポキシ化SBSは、ブタジエン単位とスチレン単位のモル比(ブタジエン単位/スチレン単位)が、90/10〜70/30であることが好ましい。エポキシ化SBSにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からブタジエンブロックでは500〜5,000程度、またスチレンブロックでは50〜1,500程度であることが好ましい。
エポキシ化SBSのエポキシ当量は、接着性の観点から50以上かつ1,000以下が好ましい。
粘着付与剤としては、C9石油樹脂の完全水添系石油樹脂、テルペン樹脂、イソブチレン系低分子量体、およびエポキシ化SBSが、SIBSと相溶性が良く、また、ガスバリア性も低下することなく、接着性を高めることができるため好ましい。さらに、これらの粘着付与剤は、粘度を下げる効果もあり、フィルム押出成形にも有利に使用できる。
ポリマー層の厚みは、0.05〜0.5mmである。ポリマー層の厚みが0.05mm未満であると、生タイヤの加硫時にポリマー層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じるおそれがある。一方、ポリマー層の厚みが0.5mmを超えると、タイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する傾向がある。
また、ポリマー層には、上記SIBSおよび粘着付与剤以外に、補強剤、粘土鉱物、顔料、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができ、これらの添加剤の含有量も本技術分野における一般的な量とすることができる。
補強剤としては、カーボンブラック、シリカなどがあげられ、十分な破壊特性維持の点からカーボンブラックが好ましい。補強剤を含有する場合のSIBSおよび粘着付与剤の合計100質量部に対する含有量は、20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。20質量部未満の場合は、十分な補強性が得られない傾向がある。また、補強剤のSIBSおよび粘着付与剤の合計100質量部に対する含有量は80質量部以下が好ましく、75質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましい。80質量部を超える場合は、加工性が悪化する傾向、低燃費性が低下する傾向、および耐摩耗性が低下する傾向がある。
粘土鉱物としては、特に限定されるものではないが、層状粘土鉱物、有機化処理粘土鉱物などを用いることができる。有機化処理粘土鉱物とは、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物である。有機化合物が層状粘土鉱物の層間にインターカレートすることにより、層間が広がり、ポリマーへの分散性が向上する。
層状粘土鉱物は、層状珪酸塩鉱物の一種で、結晶構造は珪酸四面体層−アルミナ八面体層−珪酸四面体層の3層が積み重なっており、その単位層は厚さ約10Å(1nm)、広がり0.1〜1μmという極めて薄い板状になっている。
層状粘土鉱物の代表としてモンモリロナイトがあげられる。モンモリロナイトは、結晶構造中のアルミナ八面体層の中心原子であるAlの一部がMgに置換されることで陽電荷不足となり、各結晶層自体は負に帯電しているが、結晶層間にNa+・K+・Ca2+・Mg2+などの陽イオンを挟むことで電荷不足を中和し、安定状態となる。そのため、モンモリロナイトは結晶層が何層も重なり合った状態で存在している。
モンモリロナイトの板状結晶層表面に水が接触すると、層間の交換性陽イオンに水分子が水和し、層間が膨張する。また、モンモリロナイトの陽イオン交換性を利用して層間に有機化合物をインターカレートすることで、層間が広がり、有機溶媒やポリマーへの分散性が向上する。
層状粘土鉱物としては、たとえば、モンモリロナイト(特に、ナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイトおよびカルシウムモンモリロナイト)、ベントナイト、カオリナイト、ノンライト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スティブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライトなどのスメクタイト系粘土などといったフィロシリケート類、イライトおよびイライト/スメクタイトの混合物(レクトライト、タロソバイト、レディカイトおよび上記粘土化合物とイライトとの混合物)などの雲母鉱物類またはアタパルジャイトおよびセピオライトハイドロタルサイト系層状化合物などがあげられる。なかでもスメクタイト系粘土が好ましく、特にモンモリロナイト系粘土が好ましい。また、スメクタイト系粘土鉱物を含むベントナイトを用いてもよい。これら層状粘土鉱物は、一般には天然鉱物を採取して所定の精製操作を経て得られる。これらの合成粘土は区別なく使用できる。
インターカラントとして使用できる有機化合物としては、イオン化しやすい極性基を分子内に有する有機化合物があげられる。極性基を有する有機化合物は、スメクタイト系粘土鉱物の酸素イオンなど負イオンで覆われた層の表面との間で強い相互作用を起こし、層状粘土鉱物の層間へ入り込み(インターカレート)、層間を押し広げて膨張させるものと考えられている。
有機化合物としては、炭素原子を6個以上有するアルキル基を有し、末端にイオン化する極性基を有するものが好ましい。たとえば、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するものや、アルデヒド類、アミン類、アミド類または4級アンモニウム塩があげられる。
ヒドロキシル基を有する有機化合物としては、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどの脂肪族アルコール、アルキル基が置換した芳香族アルコールなどのアルコール類のほか、フェノール類などがあげられる。
カルボキシル基を有する有機化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの直鎖状脂肪族、オレイン酸などの直鎖状アルケン酸、リノールエライジン酸などのジエン酸、トリエン酸などのポリ不飽和脂肪族酸などがあげられる。
アルデヒド類としては、ヘキシルアルデヒドなどがあげられる。
アミン類またはアミド類としては、1以上のアミンまたはアミドを有する極性有機化合物、たとえばアルキルアミン、アミノシクロアルカンおよびアミノシクロアルカン置換体、環状脂肪族ジアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミン、脂肪族アミドなどがあげられ、一級、二級および/または三級アミンまたはアミドが含まれる。中でも、アルキルアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミンが好ましい。上記有機化合物は、単独または2種以上を混合して使用できる。
好ましいアミン類としては、1−ヘキシルアミン、1−ヘプチルアミン、1−オクチルアミン、1−ノミルアミン、1−ドデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、1−オクタデシルアミン、オレイルアミンなどの一級アミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n−ヘキサデシルアミン、ジ−n−オクタデシルアミンなどの二級アミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−n−デシルアミン、ジメチル−n−テトラデシルアミン、ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、ジメチル−n−オクタデシルアミン、ジメチルオレイルアミンなどの三級アミン、ジ−n−デシルメチルアミンジココアルキルメチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ヘキサデシルアミンなどの脂肪族アミンがあげられる。
好ましいアミド類としては、ヘキシルアミド、ヘプチルアミド、オクチルアミド、ノニルアミド、ラウラミド、ミリスタミド、パルミタミド、ステラミド、パルミアミド、オレアミド、リノレアミドなどがあげられる。
また、極性基を有する有機化合物としてニトリル基またはラクタム基を有するもの、ピリジン類、エステル類、界面活性剤類、エーテル類などを使用することもできる。
4級アンモニウム塩としては、たとえばジメチルジステアリルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルベンジルオクタデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどがあげられる。
層状粘土鉱物に有機化合物をインターカレートする方法としては、公知の方法を採用することができる。たとえばモンモリロナイト系粘土鉱物と有機化合物とを接触させるために、あらかじめ層状粘土鉱物にその質量の10質量%から20倍程度の水を含ませて、その後有機化合物とモンモリロナイト系粘土鉱物とを接触させ、有機化処理粘土鉱物を得る方法がある。
有機化処理粘土鉱物中の有機化合物の陽イオン交換量は、50〜200meg/100gが好ましい。
粘土鉱物を含有する場合のSIBSおよび粘着付与剤の合計100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。0.1質量部未満の場合は、耐空気透過性が低下する傾向がある。また、粘土鉱物のSIBSおよび粘着付与剤の合計100質量部に対する含有量は50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。50質量部を超える場合は、硬度が大きくなり過ぎる傾向がある。
ポリマー層は、所定の配合処方にしたがってSIBSおよび粘着付与剤、必要に応じてその他の添加剤を混合し、2軸押出機にてペレット化した後、Tダイ押出機またはインフレーション共押出機を用いて作製することができる。
さらに、本発明においては、インナーライナー層8は、上記SIBSおよび粘着付与剤を含むポリマー層のみからなることが好ましいが、ポリマー層に加えて、ゴム層9に接する追加の層を積層させて得られる積層体を用いることもできる。
インナーライナー層について、本発明の空気入りタイヤにおける条件(a)および(b)のうち、(a)を満たすものである場合、インナーライナー層8は、第1領域と、第一領域とは異なる領域であって、第1領域よりも厚みが大きい第2領域とを含む。ここでいう厚みとは、タイヤ子午線方向断面における厚みである。本発明の空気入りタイヤ(b)を満たすものである場合、インナーライナー層8は(a)を満たすものであってもよいし、全領域にわたって均一な厚みを有していてもよい。
条件(a)において、第1領域よりも厚みを大きくする第2領域は、耐空気透過性が経時的に比較的低くなりやすく、これにより周辺のタイヤ部材が酸化劣化して経時的に耐久性が低下しやすいような領域であり、これに対して第1領域は、このような懸念がなく、耐空気透過性が経時的にも良好な領域である。上記のような第2領域における厚みをより大きくすることにより、タイヤ部材の酸化劣化を効果的に抑制することができ、タイヤの耐久性および耐空気透過性を向上させることができる。
なお、第2領域の厚みを大きくする分、タイヤ重量は増加するが、本発明によれば、所定のポリマー層を含むインナーライナー層を用いるため、他の熱可塑性樹脂からなり、同じ厚みプロファイルを有する従来のインナーライナー層を用いた場合よりもタイヤ重量を低減させる(ひいては転がり抵抗性を向上させる)ことができ、さらには、他の熱可塑性樹脂からなり、厚くする領域を設けない従来のインナーライナー層を用いた場合と比較してもタイヤ重量を低減させることが可能である。このように本発明によれば、インナーライナー層の厚みを大きくする分だけタイヤ重量は増加するが、この重量増加による不利を克服して、耐久性および耐空気透過性を向上させつつ、転がり抵抗性を向上させることが可能である。この点は、条件(b)を満たす空気入りタイヤについても同様である。
図1を参照して、第1領域は、より具体的には、インナーライナー層8におけるトレッド部1に対応する領域R1であることができる。トレッド部1に対応する領域とは、トレッド部1が有する最も外側の主溝11に対応する位置からタイヤ幅方向内側の領域をいう。この領域は、カーカス層6に加えてベルト層7およびトレッド部1が積層されているため、良好な耐空気透過性を有している。
第1領域よりも厚みを大きくする第2領域は、第1領域以外の少なくとも一部の領域であり、より具体的には、図1を参照して、ショルダー部2からバットレス部3に対応する領域R2、サイドウォール部4に対応する領域R3、ビード部5に対応する領域R4のいずれか1つ以上の領域であることができる。これらの領域の一部分の厚みを大きくするようにしてもよい。サイドウォール部4は薄いため、耐空気透過性が低下しやすい。また、ショルダー部2からバットレス部3に至る領域およびビード部5は、耐空気透過性が低下すると周辺のタイヤ部材の酸化劣化により耐久性が低下しやすい。
ショルダー部2からバットレス部3に対応する領域R2は、トレッド部1に対応する領域R1とサイドウォール部4に対応する領域R3との間に位置する領域であり、領域R2の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする場合、たとえば、最大幅を有するベルト層7の末端71からインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、タイヤ子午線方向断面の内側に沿ってインナーペリフェリー(タイヤ子午線方向断面において、一方のビードトゥから他方のビードトゥまでのタイヤ内周面に沿った長さ)の5〜10%の範囲内の厚みを領域R1より大きくすることが好ましい。これにより、過度にタイヤ重量を増加させることなく、タイヤ耐久性を向上させることができる。
領域R2の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする態様は、とりわけ重荷重用空気入りタイヤに好適に使用することができる。
サイドウォール部4に対応する領域R3は、ショルダー部2からバットレス部3に対応する領域R2とビード部5に対応する領域R4との間に位置する領域であり、領域R3の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする場合、たとえば、カーカスラインの最大幅の点Bからインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、インナーペリフェリーの3〜8%の範囲内の厚みを領域R1より大きくすることが好ましい。これにより、過度にタイヤ重量を増加させることなく、タイヤ耐久性を向上させることができる。
領域R3の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする態様は、とりわけ乗用車用空気入りタイヤに好適に適用することができる。
ビード部5に対応する領域R4は、サイドウォール部4に対応する領域R3に続く領域であり、領域R4の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする場合、たとえば、カーカス層6の末端61からインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、インナーペリフェリーの3〜10%の範囲内の厚みを大きくすることが好ましい。これにより、過度にタイヤ重量を増加させることなく、タイヤ耐久性を向上させることができる。領域R4の厚みを領域R1より大きくすることは、耐空気透過性の低下により酸化劣化を生じてチェーファーセパレーションなどの不具合を起こしやすいチェーファー52の酸化劣化防止にとりわけ有効であり、これによりタイヤの耐久性を向上させることができる。
領域R4の少なくとも一部の厚みを領域R1より大きくする態様は、とりわけ重荷重用空気入りタイヤに好適に適用することができる。
上述のように、インナーライナー層8の厚みは、インナーライナー層が上述のSIBSを含むポリマー層からなる場合0.05〜0.5mmであり、第1領域および第2領域の厚みはそれぞれ、この範囲にある限り特に制限されないが、第1領域の厚みT1に対する第2領域の厚みT2の比T2/T1は、1.05〜3であることが好ましく、1.1〜2であることがより好ましく、1.1〜1.7であることがさらに好ましい。この範囲内であれば、第2領域の厚みを領域R1より大きくすることによる上述の効果を十分に得ることができる。
第2領域の厚みを領域R1より大きくする方法は、特に限定されるものではなく、該当する部分を領域R1より厚く成形することにより、達成することができる。
ゴム層9は、インナーライナー層8のタイヤ半径方向内側において、左右一対のビード部5間にわたって配置される層であり、極めて薄いインナーライナー層8を保護する役割を担う。ゴム層9を備えることにより、リム組み作業などの際に工具類が接触することによる損傷や、パンク修理などにおいてタイヤ内面をバフ処理する際における損傷がインナーライナー層8に生じることを効果的に防止することができる。これにより、タイヤの耐久性および耐空気透過性の低下を効果的に抑制することができる。
ゴム層9を構成するゴムは、耐空気透過性が良好なものであることが好ましく、具体例としては、たとえば、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムおよびニトリルゴムなどのジエン系ゴム;ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムなどのブチル系ゴムなどがあげられる。なかでも耐空気透過性のより優れるブチル系ゴムが好ましい。
また、ゴム層には、ゴム成分以外に、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの一般のゴム組成物に配合される材料を含有させることができ、これらの添加剤の含有量も本技術分野における一般的な量とすることができる。
ゴム層9の厚みは、インナーライナー層8の損傷を効果的に防止するために、0.2〜2mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤが上述の厚みに関する条件(a)および(b)のうち、(b)を満たすものである場合、ゴム層9は、第3領域と第3領域とは異なる領域であって、第3領域よりも厚みが大きい第4領域とを含む。ここでいう厚みとは、タイヤ子午線方向断面における厚みである。本発明の空気入りタイヤが(a)を満たすものである場合、ゴム層9は(b)を満たすものであってもよいし、全領域にわたって均一な厚みを有していてもよい。インナーライナー層8が(a)を満たし、かつゴム層9が(b)を満たすことがより好ましい。
条件(b)において、第3領域よりも厚みを大きくする第4領域は、上述したような場面でインナーライナー層8に損傷が生じやすい領域、具体的には、ゴム層9におけるトレッド部1に対応する領域R1である。トレッド部1に対応する領域とは、トレッド部1が有する最も外側の主溝11に対応する位置からタイヤ幅方向内側の領域をいう。第3領域は、第4領域以外のすべての領域であることができる。
ゴム層9の第3領域および第4領域の厚みはそれぞれ、0.2〜2mmの範囲内にある限り、特に制限されないが、第3領域の厚みT3に対する第4領域の厚みT4の比T4/T3は、1.05〜20であることが好ましく、1.1〜15であることがより好ましく、1.2〜10であることがさらに好ましく、1.2〜5であることが特に好ましい。第4領域の厚みT4は、好ましくは0.5〜2mmであり、より好ましくは、0.8〜1.5mmである。
また、本発明の一実施態様である上記(b)を満たす場合には、保護ゴム層9を部分的に厚くすることにより、パンク修理などでインナーライナーが損傷することを防止でき、さらに、空気遮断性の維持・隣接するカーカスプライとの接着性向上・タイヤ耐久性・ビード耐久性向上を図ることができる。部分的に保護ゴム層9を厚くすることで、タイヤ重量が増加するが、インナーライナー層にSIBSを用いることで、厚みを薄くでき、重量増加を抑制し、転がり抵抗の悪化を抑制している。
ゴム層9は、押出成形、カレンダー成形のような従来公知の方法によって製造することができる。第4領域の厚みを大きくする方法は特に制限されず、1)第4領域に相当する部分を厚く形成する、2)第4領域に相当する部分において複数のゴム層を積層する、などの方法を採用することができる。
カーカス層6は、コードが配列・埋設されたゴム部材である。コードは、たとえばポリエステル、ナイロン、アラミドなどの有機繊維や、スチールから構成される。カーカス層6を構成するゴムは特に制限されず、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどであることができる。カーカス層6は、通常の添加剤、たとえばカーボンブラック、シリカなどのような充填剤を含有することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述のポリマー層をインナーライナー層に用いて、そのタイヤ半径方向内側にゴム層を配置すること以外は、一般的な製造方法にしたがって未加硫タイヤを構築し、これを加硫成形することにより製造することができる。具体的には、所定の配合処方にしたがったポリマー混合物を、たとえば2軸押出機にてペレット化した後、たとえばTダイ押出機(押出し温度はたとえば130℃〜200℃)を用いてシート状(フィルム状)に押出加工し、これをタイヤ成形機上でゴム層や他のタイヤ部材と共に貼り合せ、未加硫タイヤを形成する。この未架橋タイヤを加硫機中で加熱加圧することによって空気入りタイヤを製造できる。
空気入りタイヤは、規定内圧を充填した状態のタイヤ最大幅位置において測定されるインナーライナー層の厚みが0.05〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。インナーライナー層の厚みが0.05mmより厚い場合、空気圧低下の抑制効果が良好であり、0.5mm未満である場合、タイヤの軽量化による燃費の向上効果が良好である。
本発明の実施態様における空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用など種々の空気入りタイヤに対して適用され得る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
SIBS:(株)カネカ製のSIBSTAR(登録商標) 102(ショアA硬度25、スチレン成分含有量:25質量%、GPC測定(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mw:100,000)
粘着付与剤A:C9石油樹脂、荒川化学工業(株)製のアルコンP140(軟化点140℃、重量平均分子量Mw:900)
粘着付与剤B:テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンPX1250(軟化点125℃、重量平均分子量Mw:700)
粘着付与剤C:下記製造例1で製造したイソブチレン系低分子量体(蒸気圧測定法による数平均分子量:240)
粘着付与剤D:下記製造例2で製造したイソブチレン系低分子量体(蒸気圧測定法による数平均分子量:2200)
粘着付与剤E:エポキシ化SBS、ダイセル化学工業(株)製のエポフレンド A1020(エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量Mw:100,000、エポキシ当量500)
補強剤:東海カーボン(株)製のシーストV(N660、N2SA:27m2/g)
粘土鉱物:レオックス(Rheox)社製の「ベントン(BENTONE)34」(有機化処理粘土鉱物(層状粘土鉱物:ヘクトライト粘土鉱物、有機化合物:ジメチルジステアリルアンモニウム塩、有機化合物の陽イオン交換量:100meg/100g))
クロロブチルゴム:エクソンモービル(株)製の「エクソンクロロブチル1068」
製造例1:イソブチレン系低分子量体の製造
四つ口フラスコに、アセトニトリル200mlに無水マレイン酸60gを溶解したものを採取し、ジエチルアミン44.8gを徐々に滴下し、25℃にて5時間反応させ無水マレイン酸ジエチルアミン誘導体を得た。
次いで、得られた無水マレイン酸ジエチルアミン誘導体を1リットル容量のオートクレーブに入れ、さらに過酸化ベンゾイル0.6g、アセトニトリル260mlを加え、ドライアイス−アセトン液にて冷却し、脱気を行った。次にイソブチレンを37g供給し、110℃まで昇温し0.98MPaにて、400r.p.m.の回転速度にて2時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液をエバポレーターにより170℃、266.6Paで5時間蒸留し、イソブチレン系低分子量体108gを得た。得られたイソブチレン系低分子量体の数平均分子量は、240であった。
製造例2:イソブチレン系低分子量体の製造
アニリン470gに無水マレイン酸60gを25℃にて徐々に溶解させて反応させた後、過酸化ベンゾイル0.6gを添加して1リットル容量のオートクレーブに仕込んだ。次いで、ドライアイス−アセトン溶液にて冷却し、脱気を行った。さらに、イソブチレン37gを供給し、110℃に昇温後、反応溶液をエバポレーターにより170℃、266.6Paで5時間蒸留し、低分子量体91gを得た。得られた低分子量体の酸価は、182mgKOH/g、数平均分子量は2200であった。
実施例1
<インナーライナー層(未加硫)の作製>
SIBS99質量部および粘着付与剤A1質量部に、補強剤30質量部、粘土鉱物15質量部を混練し、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化して、インナーライナー層用のポリマー組成物を得た。その後、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイリップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃、フィルムゲージ:0.3mm)を用いてインナーライナー層用ポリマー組成物の押出成形を行い、ポリマーシート(未加硫のインナーライナー層)を作製した。このポリマーシートの厚みは全体にわたって均一であり、その厚み(加硫後、規定内圧を充填した状態でのタイヤ子午線方向断面における厚み)は、0.05mmとなるようにした。
<ゴム層(未加硫)の作製>
Tダイ押出機を用いて、ゴム成分としてクロロブチルゴム(エクソンモービル(株)製の「エクソンクロロブチル1068」)を、その他は一般的な配合剤を使用して混練りし、ゴム層用のゴム組成物を得た。その際、Tダイ押出機の押出口にプロファイルをつけて、トレッド部に対応する領域の厚み(加硫後、規定内圧を充填した状態でのタイヤ子午線方向断面における厚み)が1.0mm、その他の領域のすべての厚みが0.5mmとなるようにした。
<空気入りタイヤの製造>
上記ポリマーシートをインナーライナー層に適用し、そのタイヤ半径方向内側に上記ゴム層を配置して、生タイヤを製造し、次に加硫工程において、170℃で20分間プレス成形して、図1に示す基本構造を有する195/65R15サイズの空気入りタイヤを製造した。なお、上述のインナーライナー層およびゴム層以外の構成については、タイヤの製造に一般的に使用される材料を用い、以下の比較例および実施例においても同じものを用いた。
比較例1、4および7〜10、ならびに実施例6、7、12、17、18、23、28、33、38、43および48
表1、3〜5に示す配合処方にしたがい、インナーライナー層用のポリマーシートを作製した以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを製造した。
比較例2、3、5および6、ならびに実施例2〜5、8〜11、13〜16、19〜22、24〜27、29〜32、34〜37、39〜42、44〜47および49〜52
表1〜5に示す配合処方にしたがい、インナーライナー層用のポリマーシートを作製し、表1に示すように、ショルダー部からバットレス部に対応する領域、サイドウォール部に対応する領域、ビード部に対応する領域の厚み(加硫後、規定内圧を充填した状態でのタイヤ子午線方向断面における厚み)を調整したポリマーシートを用いた以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを製造した。厚みの調整は、Tダイ押出機の押出口にプロファイルをつけてインナーライナー用ポリマーシートを作製することにより行った。
実施例および比較例で作製した空気入りタイヤおよびインナーライナー層について、以下のタイヤ重量測定および評価試験を行った。試験結果を指数で表したものを表1および表2に示す。
表中、ショルダー部からバットレス部に対応する領域R2は、ベルト層7の末端71からインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、タイヤ子午線方向断面の内側に沿ってインナーペリフェリーの長さの5〜10%に相当する長さであり、サイドウォール部に対応する領域R3は、カーカスラインの最大幅の点Bからインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、インナーペリフェリー長さの3〜8%に相当する長さであり、ビード部に対応する領域R4は、カーカス層6の末端61からインナーライナー層8に垂線を下したとき、その垂線とインナーライナー層8との交点を中心として、インナーペリフェリーの長さの3〜10%に相当する長さであった。
<タイヤ重量の測定>
タイヤ重量を測定し、下記式(1)にしたがって、タイヤ重量指数を算出した。基準例は、比較例1である。タイヤ重量指数が大きいほど、タイヤ重量が小さく、軽量化の達成度が高いことを示す。
タイヤ重量指数
=(基準例のタイヤ重量)/(各実施例・比較例のタイヤ重量)×100 (1)
<耐空気透過性の評価>
空気入りタイヤをリム(22.5×7.50)に装着し、初期圧力900kPa、室温21℃、無負荷条件にて3ヵ月間静置する間、4日毎に内圧を測定した。初期圧力P0(kPa)、測定圧力Pt(kPa)、経過時間t(日)として、下記式(2)に基づいて、回帰係数αを算出した。得られた回帰係数αから、t=30(日)として、下記式(3)に基づいて、1ヵ月当たりの圧力低下率β(%/月)を算出した。得られたβの値を比較例1の値を100とする指標にして、表1および表2に空気透過防止性能として示した。この指数が大きいほど空気透過防止性能が優れていることを示す。
Pt/P0=exp(−αt) (2)
β=(1−exp(−αt))×100 (3)
<タイヤ耐久性の評価>
得られたタイヤをリム(22.5×7.50)に装着し、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)にかけて、酸素濃度60%に調整した空気を充填して空気圧をJATMA規定空気圧900kPaにし、JATMA規定負荷能力の150%を負荷し、速度81km/hの条件でタイヤ故障を起こすまでの走行距離を測定した。得られた走行距離を比較例1の値を100とする指標にした。この指標が大きいほど、タイヤ耐久性が優れていることを示す。
<加硫接着力の評価>
JIS K 6256「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−接着性の求め方」に準じて剥離試験を行った。はじめに、厚さ0.3mmの前記インナーライナー用ポリマーシートおよび厚さ2mmのゴムシート(配合:NR/BR/SBR=40/30/30)および補強キャンバス生地を、前記の順番で重ねて170℃の条件下で12分間加圧加熱することによって剥離用試験片を作製した。得られた試験片を用いて、剥離試験を行い、インナーライナー用ポリマーシートとゴムシートの接着力を測定した。試験片の大きさは25mmで、23℃の室温条件下で行った。得られた数値を、比較例1の値を100とする下記式(4)により剥離力指数を算出した。数値が大きいほど接着性に優れていることを示す。
(加硫接着力指数)
=(各配合の接着力)/(比較例1の接着力)×100 (4)
<転がり抵抗性の評価>
タイヤの転がり抵抗性は、次の手順にしたがって評価した。粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%の条件下で、各タイヤのtanδを測定した。そして、比較例1の値を100とする下記式(5)にしたがって、転がり抵抗性指数を算出した。指数が大きいほど転がり抵抗性が優れることを示す。なお、性能目標値は93以上である。
転がり抵抗指数=比較例1のtanδ/各配合のtanδ×100 (5)
Figure 2016064810
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1 トレッド部
11 主溝
2 ショルダー部
3 バットレス部
4 サイドウォール部
5 ビード部
51 ビードコア
52 チェーファー
6 カーカス層
61 カーカス層の末端
7 ベルト層
71 最大幅を有するベルト層の末端
8 インナーライナー層
9 ゴム層
T 空気入りタイヤ
A クラウン中心位置
B カーカスラインの最大幅
R1 トレッド部に対応する領域
R2 ショルダー部からバットレス部に対応する領域
R3 サイドウォール部に対応する領域
R4 ビード部に対応する領域

Claims (7)

  1. カーカス層、
    前記カーカス層のタイヤ内側に配置されるインナーライナー層、および
    前記インナーライナー層のタイヤ内側に配置されるゴム層
    を備える空気入りタイヤであって、
    前記インナーライナー層は、前記カーカス層と接するように配置されるスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体および粘着付与剤を含有する厚さ0.05〜0.5mmのポリマー層であり、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体と粘着付与剤との合計量に対して、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を99〜50質量%、粘着付与剤を1〜50質量%含有するポリマー層を含み、
    次の(a)および(b):
    (a)前記インナーライナー層が、第1領域と、前記第1領域とは異なる領域であって、前記第1領域よりも厚みが大きい第2領域とを含む、および
    (b)前記ゴム層が、第3領域と、前記第3領域とは異なる領域であって、前記第3領域よりも厚みが大きい第4領域とを含む
    の少なくともいずれかを満たす、空気入りタイヤ。
  2. 前記第1領域は、前記インナーライナー層におけるトレッド部に対応する領域であり、前記第2領域は、前記インナーライナー層における、前記第1領域以外の少なくとも一部の領域である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第4領域は、前記ゴム層におけるトレッド部に対応する領域であり、前記第3領域は、前記ゴム層における、前記第4領域以外のすべての領域である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記粘着付与剤が、C9石油樹脂、C5石油樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデンオイル、ロジンエステル、水添ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂およびDCPDからなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記粘着付与剤が、イソブチレン系低分子量体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記粘着付与剤が、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は、スチレン成分含有量が10〜40質量%であり、重量平均分子量が50,000〜400,000である請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109982864A (zh) * 2016-11-22 2019-07-05 横滨橡胶株式会社 充气轮胎

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