[第1実施形態]
図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール19とを有する。内視鏡12は光源装置14と光学的に接続されるとともに、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、被検体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12c及び先端部12dを有している。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cは湾曲動作する。この湾曲動作によって、先端部12dが所望の方向に向けられる。
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、モード切り替えスイッチ(以下、モード切替SWという)13a、ズーム操作部13bが設けられている。モード切替SW13aは、観察モードの切り替え操作に用いられる。内視鏡システム10は、観察モードとして通常観察モードと酸素飽和度観察モードとを有している。通常観察モードは、白色光の反射光によって撮像して得た自然な色合いの画像(以下、通常画像という)をモニタ18に表示する。酸素飽和度観察モードは、酸素飽和度を測定するための特定波長帯域を有する測定光を観察対象に照射して観察対象の酸素飽和度を測定し、酸素飽和度の値に応じて色付けがされた酸素飽和度画像をモニタ18に表示する。
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール19と電気的に接続される。モニタ18は、各観察モードの画像や画像に付帯する画像情報等を出力表示する。コンソール19は、機能設定等の入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報等を記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
図2に示すように、光源装置14は、四色の半導体光源を有し、観察対象に照射するための光を発生させる光源部20と、光源部20が発する光のうち青色の光の波長帯域を制限する帯域制限部21と、光源部20及び帯域制限部21の駆動を制御する光源制御部22と、光源部20及び帯域制限部21によって生成される光の光路を結合する光路結合部23とを備えている。
光源部20は、V−LED(Violet Light Emitting Diode)20a、B−LED(Blue Light Emitting Diode)20b、G−LED(Green Light Emitting Diode)20c、及びR−LED(Red Light Emitting Diode)20dの四色のLEDを有する。図3に示すように、V−LED20aは、中心波長405nm、波長帯域380〜420nmの紫色光Vを発光する紫色光源である。B−LED20bは、中心波長460nm、波長帯域420〜500nmの青色光Bを発する青色光源である。G−LED20cは、波長帯域が480〜600nmに及ぶ緑色光Gを発する緑色光源である。R−LED20dは、中心波長620〜630nmで、波長帯域が600〜650nmに及び赤色光Rを発光する赤色光源である。なお、V−LED20aとB−LED20bの中心波長は±5nmから±10nm程度の幅を有する。
帯域制限部21は、B−LED20bの光路上に設けられ、B−LED20bが発する青色光から、特定波長帯域を有する光を生成する。具体的には、図4に示すように、帯域制限部21は、ショートパスフィルタ(SPF)21aとロングパスフィルタ(以下、LPF)21bとを有し、これらは選択された観察モードにしたがって切り替え自在である。SPF21aとLPF21bの切り替えは、光源制御部22によって制御される。
以下、光源制御部22による光源部20及び帯域制限部21の駆動制御について、通常観察モードに設定した場合と酸素飽和度観察モードに設定した場合とに分けて説明する。図5に示すように、通常観察モードに設定された場合には、SPF21aはB−LED20bの光路上(例えばB−LEDの前面)に配置される。SPF21aは、B−LED20bが発する青色光Bのピーク波長を境に、短波長側の波長帯域(波長460nm未満)を透過し、長波長側の波長帯域(波長460nm以上)をカットする。すなわち、SPF21aは、青色光Bから、通常観察モード用の青色光(以下、通常観察用青色光という)BSを生成する。なお、SPF21aは、青色光Bのうち長波長側の波長帯域を完全にカットする(透過率を「0%」にする)のではなく、僅かに透過させることが好ましい(例えば、透過率を「1%」〜「5%」にする)。
また、通常観察モードの場合、SPF21aをB−LED20bの光路上に配置した状態で、光源制御部22は、V−LED20a、B−LED20b、G−LED20c、及びR−LED20dを全て点灯させる。このため、通常観察モード時には、図6に示すように、通常観察用青色光BSと緑色光Gと赤色光Rとが光路結合部23によって結合され、照明光として観察対象に照射される。通常観察用青色光BSと緑色光Gと赤色光Rとからなる照明光は、ほぼ白色光(以下、通常観察用白色光という)である。
この通常観察用白色光においては、血管のコントラストを低下させる460〜500nmの波長帯域の光の強度が、他の波長帯域と比べて極めて低くなっている。そのため通常観察用白色光を観察対象に照射したとしても、血管コントラストを低下させることがない。また、SPF21aのカット特性は、青色光Bの波長460nm以上の波長帯域の光は僅かに強度を有していることから、通常観察用白色光の波長帯域において、離散的な強度でなく、連続的な強度を有している。そのため、通常観察用白色光は、同じく連続的な強度を有するキセノン光源と同じ又は類似する演色性を備えている。なお、本実施形態では、通常観察モードの場合、V−LED20aを点灯させ、紫色光Vを含む通常観察用白色光を観察対象に照射させるが、通常観察モードではV−LED20aを消灯させても良い。
図7に示すように、酸素飽和度観察モードに設定された場合には、LPF21bが、B−LED20bの光路上に配置される。そして、図8に示すように、B−LED20bが発する青色光Bのピーク波長を境に、短波長側をカットし、長波長側を透過する。すなわち、LPF21bは、青色光Bから、酸素飽和度を測定するための特定波長帯域を有する測定光BLを生成する。なお、LPF21bは、SPF21aと同様、青色光Bのうち短波長側の波長帯域を完全にカットする(透過率を「0%」にする)のではなく、僅かに透過させることが好ましい(例えば、透過率を「1%」〜「5%」にする)。
酸素飽和度を測定するための特定波長帯域とは、酸素飽和度によって吸光量に違いが生じる程度に酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数に差がある波長帯域である。図9に示すように、酸化ヘモグロビンの吸光係数(グラフ30)と還元ヘモグロビンの吸光係数(グラフ31)の大小関係は波長帯域によって異なり、複数の波長帯域でこれらの大小関係は逆転する。例えば、紫色から青色の波長帯域では、約420nm、約450nm、約500nmに酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数が一致する波長があり、420〜450nmの波長帯域では、酸化ヘモグロビンの吸光係数は還元ヘモグロビンの吸光係数よりも小さく、450〜500nmの波長帯域では酸化ヘモグロビンの吸光係数は還元ヘモグロビンの吸光係数よりも大きい。
これらの各波長帯域はどちらも酸素飽和度を測定するための特定波長帯域として利用することができるが、本実施形態の場合、B−LED20bは波長帯域420〜500nmの青色光Bを発し、LPF21bは波長460nm以上を透過して測定光BLを生成するので、測定光BLは、酸化ヘモグロビンの吸光係数が還元ヘモグロビンの吸光係数以下である460〜500nmの波長帯域を有する。LPF21bの代わりに、450nm以下の波長帯域を透過するSPFを用いれば、測定光BLの波長帯域を、酸化ヘモグロビンの吸光係数が還元ヘモグロビンの吸光係数以上である420〜450nmの波長帯域にすることができる。
また、酸素飽和度観察モード時には、光源制御部22は、第1発光モードと、第2発光モードとで光源部20を制御する。すなわち、光源制御部22は、発光モードを第1発光モードと第2発光モードとで切り替える制御をする。第1発光モードは、酸素飽和度の測定するための発光モードであり、光源制御部22はB−LED20bを点灯させ、V−LED20a、G−LED20c、及びR−LED20dを消灯させる。このため、図10に示すように、第1発光モードでは、測定光BLが照明光として観察対象に照射される。
第2発光モードは、通常観察モードと同様にほぼ白色光を観察対象に照射するための発光モードであり、光源制御部22は四色のLED20a〜20dを全て点灯させる。このため、第1発光モードでは、図11に示すように、紫色光Vと、LPF21bによって青色光Bから生成される測定光BLと、緑色光Gと、赤色光Rとが光路結合部23によって結合され、照明光として観察対象に照射される。
上記のように生成される各種照明光は、図2に示すように、光路結合部23を介して挿入部12a内に挿通されたライトガイド41に入射される。ライトガイド41は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と光源装置14及びプロセッサ装置16とを接続するコード)内に内蔵されており、光路結合部23から導光される照明光を内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。なお、ライトガイド41としては、マルチモードファイバを使用することができる。一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた経がφ0.3〜0.5mmの細径なファイバケーブルを使用することができる。
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮像光学系30bが設けられている。照明光学系30aは照明レンズ45を有しており、この照明レンズ45を介して、ライトガイド41によって伝搬された照明光は観察対象に照射される。撮像光学系30bは、対物レンズ46、ズームレンズ47、撮像センサ48を有している。観察対象からの反射光は、対物レンズ46及びズームレンズ47を介して撮像センサ48に入射する。これにより、撮像センサ48に観察対象の反射像が結像される。なお、ズームレンズ47は、ズーム操作部13bを操作することで、テレ端とワイド端の間で自在に移動され、撮像センサ48に結像する観察対象の反射像を拡大または縮小する。
撮像センサ48はカラー撮像センサであり、観察対象の反射像を撮像して画像信号を出力する。撮像センサ48としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサを利用可能である。また、撮像センサ48は、図12に示すR(赤色)カラーフィルタ,G(緑色)カラーフィルタ,及びB(青色)カラーフィルタの三色のカラーフィルタが画素毎に設けられており、観察対象の反射像を撮像して色毎の画像信号を出力する。すなわち、撮像センサ48は、Rカラーフィルタが設けられたR画素(赤色画素)と、Gカラーフィルタが設けられたG画素(緑色画素)と、Bカラーフィルタが設けられたB画素(青色画素)とを有し、各画素からそれぞれ画像信号を出力することにより、RGB画像信号を出力する。
より具体的には、通常観察モードの場合、観察対象には通常観察用白色光が照射されるので、撮像センサ48は、通常観察用白色光のうち紫色光Vと通常観察用青色光BSの各反射光をB画素で受光し、B画像信号を出力する。同様に、通常観察用白色光のうち緑色光Gの反射光をG画素で受光し、G画像信号を出力し、赤色光Rの反射光をR画素で受光し、R画像信号を出力する。
酸素飽和度観察モードにおいて、光源制御部22が第1発光モードで光源部20を制御する場合には、観察対象には測定光BL(本発明の「基準波長帯域の光」に相当する)が照射されるので、撮像センサ48は、B画素で測定光BLの反射光を受光し、B1画像信号を出力する。また、撮像センサ48は、第1発光モード時にもG画素からG1画像信号を出力し、R画素からR1画像信号を出力する。
また、酸素飽和度観察モードにおいて、光源制御部22が第2発光モードで光源部20を制御する場合、観察対象には、紫色光V、測定光BL、緑色光G、赤色光Rを含む酸素飽和度観察用白色光(本発明の「基準外波長帯域の光」に相当する)が照射されるので、撮像センサ48は、酸素飽和度観察用白色光のうち紫色光V及び測定光BLの反射光をB画素で受光してB2画像信号を出力する。同様に、撮像センサ48は、酸素飽和度観察用白色光のうち、緑色光Gの反射光をG画素で受光し、G2画像信号を出力し、赤色光Rの反射光をR画素で受光し、R2画像信号を出力する。
なお、原色のカラー撮像センサである撮像センサ48の代わりに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタを備えた補色撮像センサを用いても良い。補色撮像センサを用いる場合には、CMYGの四色の画像信号が出力されるので、補色−原色色変換によって、CMYGの四色の画像信号をRGBの三色の画像信号に変換することにより、撮像センサ48と同様のRGB画像信号を得ることができる。
撮像センサ48から出力される画像信号は、CDS/AGC回路50に送信される。CDS/AGC回路50は、アナログ信号である画像信号に相関二重サンプリング(CDS;Correlated Double Sampling)や自動利得制御(AGC;Automatic Gain Control)を行う。CDS/AGC回路50を経た画像信号は、A/Dコンバータ51により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換後のデジタル画像信号がプロセッサ装置16に入力される。
プロセッサ装置16は、撮像制御部52と、受信部53と、DSP(Digital Signal Processor)56と、ノイズ除去部58と、画像処理切替部60と、通常画像生成部62と、酸素飽和度画像生成部64と、映像信号生成部66とを備えている。なお、本発明の「画像信号取得部」は、プロセッサ装置16内の受信部53を含む構成に対応している。
撮像制御部52は、撮像センサ48による観察対象の撮像タイミングや、撮像センサ48からの画像信号の出力の制御をする。具体的には、撮像制御部52は、光源制御部22から同期信号を受け(あるいは光源制御部22に同期信号を入力することにより)、撮像センサ48によって第1発光モードの照明光の反射光で観察対象を撮像し、撮像センサ48からB1画像信号、G1画像信号、及びR1画像信号を出力させ、かつ、撮像センサ48によって第2発光モードの照明光の反射光で観察対象を撮像し、撮像センサ48からB2画像信号、G1画像信号、及びR1画像信号を出力させる。受信部53は、内視鏡12からのデジタルのRGB画像信号を受信する。
DSP56は、受信した画像信号に対して、欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、及びデモザイク処理等の各種信号処理を施す。欠陥補正処理では、撮像センサ48の欠陥画素の信号が補正される。オフセット処理では、欠陥補正処理が施されたRGB画像信号から暗電流成分が除かれ、正確な零レベルが設定される。ゲイン補正処理では、オフセット処理後のRGB画像信号に特定のゲインを乗じることにより信号レベルが整えられる。ゲイン補正処理後のRGB画像信号には、色再現性を高めるためのリニアマトリクス処理が施される。その後、ガンマ変換処理によって明るさや彩度が整えられる。リニアマトリクス処理後のRGB画像信号には、デモザイク処理(等方化処理、同時化処理とも言う)が施され、各画素で不足した色の信号が補間によって生成される。このデモザイク処理によって、全画素がRGB各色の信号を有するようになる。
ノイズ除去部58は、DSP56でデモザイク処理等が施されたRGB画像信号に対してノイズ除去処理(例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等による)を施すことによって、RGB画像信号からノイズを除去する。ノイズが除去されたRGB画像信号は、画像処理切替部60に送信される。画像処理切替部60は、モード切替SW13aによって通常観察モードにセットされている場合には、RGB画像信号を通常画像生成部62に送信し、酸素飽和度観察モードにセットされている場合には、RGB画像信号を酸素飽和度画像生成部64に送信する。
通常画像生成部62は、通常観察モードにセットされている場合に作動し、RGB画像信号に対して、色変換処理、色彩強調処理、及び構造強調処理を行い、通常画像を生成する。色変換処理では、RGB画像信号に対して3×3のマトリックス処理、階調変換処理、及び3次元LUT(ルックアップテーブル)処理などにより色変換処理を行う。色彩強調処理は、色変換処理済みのRGB画像信号に対して行われる。構造強調処理は、例えば表層血管やピットパターン等の観察対象の構造を強調する処理であり、色彩強調処理後のRGB画像信号に対して行われる。上記のように、構造強調処理まで各種画像処理等を施したRGB画像信号を用いたカラー画像が通常画像である。
酸素飽和度画像生成部64は、図13に示すように、位置補正部68と、推定画像生成部69と、信号比算出部71と、相関関係記憶部72と、酸素飽和度算出部73と、色変換処理部76と、色彩強調処理部77と、構造強調処理部78と、画像生成部79とを備える。
位置補正部68は、酸素飽和度観察モードで取得した画像信号のうち、酸素飽和度の算出に用いる画像信号を補正して、観察対象の位置合わせを行う。酸素飽和度の算出に用いる画像信号としては、図14に示すように、基準タイミングt3で第1発光モードを行って得られるB1画像信号(以下、B1_t3画像信号とする)と、基準タイミングt3よりも前の第1の基準外タイミングt2に第2発光モードを行って得られるG2画像信号(以下、G2_t2画像信号とする)、R2画像信号(以下、R2_t2画像信号とする)と、基準タイミングt3よりも後の第2の基準外タイミングt4に第2発光モードを行って得られるG2画像信号(以下、G2_t4画像信号とする)、R2画像信号(以下、R2_t4画像信号とする)とが用いられる。これら6種類の画像信号を用いた酸素飽和度の算出が完了した後は、基準タイミングをタイミングt5にして、同様の処理を行う。
なお、本発明における「基準タイミング」とは、「基準波長帯域の光を発光し、その基準波長帯域の光で照明された観察対象を撮像センサ48で撮像するタイミング」のことをいう。また、本発明の「基準画像信号」は「B1_t3画像信号」に対応し、本発明の「第1の基準外画像信号」は「G2_t2画像信号」、「R2_t2画像信号」に対応し、本発明の「第2の基準外画像信号」は「G2_t4画像信号」、「R2_t4画像信号」に対応している。
位置補正部68では、B1_t3画像信号とG2_t2画像信号(又はB1_t3画像信号とR2_t2画像信号)から、基準タイミングt3と第1の基準外タイミングt2の間で生ずる観察対象の第1の位置ズレ量を算出する。また、B1_t3画像信号とG2_t4画像信号(又はB1_t3画像信号とR2_t4画像信号)から、基準タイミングt3と第2の基準外タイミングt4の間で生ずる観察対象の第2の位置ズレ量を算出する。
次に、位置補正部68は、第1の位置ズレ量に基づいて、G2_t2画像信号及びR2_t2画像信号を補正して、B1_t3画像信号、G2_t2画像信号、R2_t2画像信号における観察対象の位置を合わせる。このように観察対象の位置を合わせることで、例えば、B1_t3画像信号における観察対象OJの位置と、G2_t2画像信号、R2_t2画像信号における観察対象OJの位置とが一致する。
同様にして、位置補正部68は、第2の位置ズレ量に基づいて、G2_t4画像信号及びR2_t4画像信号を補正して、B1_t3画像信号、G2_t4画像信号、R2_t4画像信号における観察対象の位置を合わせる。このように観察対象の位置を合わせることで、例えば、B1_t3画像信号における観察対象OJの位置と、G2_t4画像信号、R2_t4画像信号における観察対象OJの位置とが一致する。なお、位置補正部68は、第1の位置ズレ量に基づいてB1_t3画像信号を補正し、第2の位置ズレ量に基づいてB1_t3画像信号を補正してもよい。
推定画像生成部69は、位置補正済みのG2_t2画像信号とG2_t4画像信号に対して所定の係数で重み付し、重み付したものを加算平均することにより、基準タイミングt3のときに第2発光モードを行って得られると推測されるG2_t3推定画像信号を生成する。同様にして、位置補正済みのR2_t2画像信号とR2_t4画像信号に対して所定の重み付け係数で重み付し、重み付したものを加算平均することにより、基準タイミングt3のときに第2発光モードを行って得られると推測されるR2_t3推定画像信号を生成する。以上のG2_t3推定画像信号及びR2_t3推定画像信号は、基準タイミングt3に第2発光モードを行った場合とほぼ同等の明るさを有している。そのため、タイミングt1〜t5の間で、観察対象との距離が変化して全体的な明るさが変化したとしても、G2_t3推定画像信号及びR2_t3推定画像信号は、その全体的な明るさの変化に対応した明るさを備えている。
なお、加算平均は、第1の位置ズレ量と第2の位置ズレ量に応じて、重み付けしたものに対して行うことが好ましい。例えば、第1の位置ずれ量と第2の位置ズレ量のうちズレ量が小さいほうの重み付け係数を大きくすることが好ましい。また、推定画像生成部69では、加算平均により得られたG2_t3推定画像信号及びR2_t3推定画像信号に対して、基準タイミングt3で発光した測定光BLの発光量に基づく明るさ補正を行うことが好ましい。明るさ補正としては、例えば、基準タイミングt3で発光した測定光BLの発光量EV3が基準タイミングt1で発光した測定光BLの発光量EV1よりも大きい場合には、明るさが増加するように、G2_t3推定画像信号及びR2_t3推定画像信号を補正することが好ましい。反対に、EV3がEV1よりも小さい場合には、明るさが減少するように、G2_t3推定画像信号及びR2_t3推定画像信号を補正することが好ましい。
信号比算出部71は、酸素飽和度算出部73で酸素飽和度の算出のために用いる信号比を算出する。具体的には、信号比算出部71は、B1_t3画像信号とG2_t3推定画像信号の比(以下、信号比B1/G2という)をそれぞれ画素毎に算出する。ここで、B1_t3画像信号とG2_t3推定画像信号は、画素毎に明るさと観察対象の位置がほぼ一致しているので、算出した信号比B1/G2は、B1_t3画像信号とG2_t3推定画像信号の比をほぼ正確に表している。また、R2_t3画像信号とR2_t3推定画像信号の比の比(以下、信号比R2/G2という)をそれぞれ画素毎に算出する。R2_t3画像信号とR2_t3推定画像信号についても、画素毎に明るさと観察対象の位置がほぼ一致しているため、算出した信号比R2/G2は、B1_t3画像信号とG2_t3推定画像信号の比をほぼ正確に表している。したがって、これら2つの信号比B1/G2、R2/G2を用いることで、酸素飽和度を正確に算出することができる。
相関関係記憶部72は、信号比算出部71が算出する各信号比と、酸素飽和度との相関関係を記憶している。この相関関係は、図15に示すように、二次元空間上に酸素飽和度の等値線を定義した二次元テーブルで記憶されている。信号比に対する等値線の位置及び形状は、光散乱の物理的なシミュレーションによって予め得られる。各等値線の間隔は血液量を表す信号比R2/G2に応じて変化する。なお、信号比と酸素飽和度との相関関係はlogスケールで記憶されている。
上記相関関係は、酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンの吸光特性(図9参照)や光散乱特性と密接に関連している。酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数の差が大きい測定光BLの波長帯域では、酸素飽和度の情報を取り扱いやすいが、測定光BLに対応するB1画像信号は、酸素飽和度だけでなく、血液量にも依存度が高い。そこで、B2画像信号に加え、主として血液量に依存して変化するG2画像信号と、酸素飽和度及び血液量に愛する依存度が低いR2画像信号とから求められる信号比R2/G2を用いることで血液量に依存することなく、酸素飽和度を正確に求めることができるようにしている。
酸素飽和度算出部73は、相関関係記憶部72に記憶された相関関係を参照して、信号比算出部71で算出される信号比B1/G2と信号比R2/G2に対応する酸素飽和度を算出する。例えば、特定画素において信号比がB1*/G2*とR2*/G2*である場合、相関関係を参照すると、これらに対応する酸素飽和度は「60%」である(図15参照)。このため、酸素飽和度算出部73は、この特定画素の酸素飽和度を「60%」と算出する。
なお、信号比B1/G2及び信号比R2/G2が極めて大きくなってしまったり、極めて小さくなったりすることはほとんどない。すなわち、信号比B1/G2,信号比R2/G2の組み合わせが、酸素飽和度0%を表す下限等値線を上回ったり、酸素飽和度100%を表す上限等値線を下回ったりすることはほとんどない。但し、算出する酸素飽和度が下限等値線を下回った場合、酸素飽和度算出部73は酸素飽和度を0%と算出し、上限等値線を上回ったりしてしまった場合には、酸素飽和度算出部73は酸素飽和度を100%と算出する。
上記のように酸素飽和度を算出する一方で、酸素飽和度画像生成部64は、色変換処理部76、色彩強調処理部77、構造強調処理部78によって酸素飽和度画像のベースとなる画像(以下、ベース画像という)を生成する。色変換処理部76は、第2発光モードの照明光の反射光によって観察対象を撮像して得られるB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に対して、3×3のマトリックス処理、階調変換処理、3次元LUT処理などにより色変換処理を行う。色彩強調処理部77は、色変換処理済みのB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に対して色彩強調処理を施す。構造強調処理部78は、色彩強調処理済みのB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に対して、例えば表層血管やピットパターン等の観察対象の構造を強調する構造強調処理を施す。すなわち、ベース画像は、通常画像生成部62と同様の各種画像処理等を施したB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号によって形成される。
画像生成部79は、酸素飽和度算出部73が算出する酸素飽和度と、上記各種画像処理等が施されたB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号とを用いて、観察対象の酸素飽和度を表す酸素飽和度画像を生成する。具体的には、画像生成部79は、B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に対して酸素飽和度に応じたゲインを画素毎に施す。例えば、画像生成部79は、酸素飽和度が60%以上の画素ではB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に同じゲイン「1」を乗じる。これに対して、酸素飽和度が60%未満の画素では、酸素飽和度の値を用いて、B2画像信号に対して「1」未満のゲインを乗じ、G2画像信号とR2画像信号に対しては「1」以上のゲインを乗じる。このゲイン処理後のB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号を用いたカラー画像が酸素飽和度画像である。したがって、酸素飽和度画像では、高酸素の画素(酸素飽和度が60〜100%の画素)では通常画像と同様の色で表されるが、低酸素の画素(酸素飽和度が60%未満の画素)は通常画像とは異なる色(疑似カラー)で表される。
なお、本実施形態では、画像生成部79は,低酸素の画素だけを疑似カラー化するゲインを乗じているが、高酸素の画素も酸素飽和度に応じたゲインを施し、酸素飽和度画像の全体を疑似カラー化しても良い。また、低酸素の画素と高酸素の画素を酸素飽和度60%で分けているがこの境界は任意である。
上記のように、通常画像生成部62が生成する通常画像、及び、酸素飽和度画像生成部64が生成する酸素飽和度画像は、映像信号生成部66に入力される。映像信号生成部66は通常画像や酸素飽和度画像をモニタ18で表示可能な画像として表示するための映像信号に変換する。この映像信号を用いて、モニタ18は、通常画像や酸素飽和度画像を表示する。
次に、本実施形態における一連の流れを図16のフローチャートに沿って説明する。まず、通常観察モードにおいて、遠景状態からスクリーニングを行う(S10)。このスクリーニング時に、ブラウニッシュエリアや発赤など、病変の可能性がある部位(以下、病変可能性部位という)を検出したときには(S11)、ズーム操作部13bを操作して、病変可能性部位を含む観察対象を拡大表示する拡大観察を行う。これに合わせて、モード切替SW13aを操作して、観察モードを酸素飽和度観察モードに切り替える(S12)。
観察モードが酸素飽和度観察モードに切り替えられると、光源制御部22は、まず、帯域制限部21のLPF21bをB−LED20bの光路上に配置する。そして、光源制御部22は、第1発光モードで光源部20を制御し、測定光BLを観察対象に照射させ(S13)、撮像センサ48は測定光BLの反射光で観察対象を撮像して、B1画像信号、G1画像信号、及びR1画像信号を出力する(S14)。
その後、光源制御部22は、発光モードを自動的に切り替え、第2発光モードで光源部20を制御し、紫色光V、測定光BL、緑色光G、赤色光Rを含む酸素飽和度観察用白色光を観察対象に照射させ(S15)、撮像センサ48は酸素飽和度観察用白色光の反射光で観察対象を撮像して、B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号を出力する(S16)。
こうして、第1発光モードの照明光の反射光によって観察対象を撮像することによってB1画像信号、G1画像信号、及びR1画像信号が得られ、第2発光モードの測定光BLの反射光によって観察対象を撮像することによってB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号が得られる。次に、位置補正部68は、基準タイミングt3に取得したB1_t3画像信号と、基準タイミングよりも前の第1の基準外タイミングt2に取得したG2_t2画像信号、R2_t2画像信号と、基準タイミングよりも後の第2の基準外タイミングt4に取得したG2_t4画像信号、R2_t4画像信号について、観察対象の位置合わせを行う(S17)。
まず、位置補正部68では、基準タイミングt3のB1_t3画像信号と第1の基準外タイミングt2のG2_t2画像信号から第1の位置ズレ量を求めた上で、第1の位置ずれ量に基づいて、第1の基準外タイミングt2のG2_t画像信号、R2_t2画像信号を補正する。これにより、基準タイミングt3と第1の基準外タイミングt2の間で生じた観察対象の位置ズレが補正される。同様にして、基準タイミングのB1_t3画像信号と第2の基準外タイミングt4のG2_t4画像信号から第2の位置ズレ量を求めた上で、第2の位置ずれ量に基づいて、第2の基準外タイミングt4のG2_t4画像信号、R2_t4画像信号を補正する。これにより、基準タイミングt3と第2の基準外タイミングt4の間で生じた観察対象の位置ズレが補正される。
位置補正部68で観察対象の位置合わせが完了すると、次に、推定画像生成部69は、位置補正済みの第1の基準外タイミングt2のG2_t2画像信号と第2の基準外タイミング_t4のG2画像信号から、G2_t3推定画像信号を生成する。同様にして、位置補正済みの第1の基準外タイミングt2のR2_t2画像信号と第2の基準外タイミングt4のR2_t4画像信号から、R2_t3推定画像信号を生成する。
酸素飽和度画像生成部64は、信号比算出部71により、B1_t3画像信号とG2_t3推定画像信号から信号比B1/G2を算出するとともに、G2_t3推定画像信号とR2_t3推定画像信号から信号比R2/G2を算出する(S19)。これら信号比B1/G2、G2/R2から、酸素飽和度算出部73によって酸素飽和度を算出する(S20)。一方で、酸素飽和度画像生成部64は、色変換処理部76や色彩強調処理部77,構造強調処理部78によってB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号に対して各種画像処理等を施して酸素飽和度画像のベースとなる画像を生成する。そして、画像生成部79によって、各種画像処理等が施されたB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号に酸素飽和度に応じたゲインを施し、酸素飽和度に応じたゲインを施したB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号を用いて酸素飽和度画像を生成する(S21)。上記のように生成された酸素飽和度画像は、映像信号生成部66で映像信号に変換され、モニタ18に表示される(S22)。モニタ18に1フレーム分の酸素飽和度画像を表示後は、基準タイミングをタイミングt5にして、上記と同様の処理を行う。
上記酸素飽和度観察モードの各ステップは、通常観察モードに切り替えられるか(S23)、診断終了(S24)まで繰り返し行われる。なお、上記観察フローは一つの例であり、これ以外のフローで酸素飽和度観察モードを用いた観察及び診断を行って良い。例えば、上記観察フローでは、近景観察時に酸素飽和度観察モードによって観察をしているが、スクリーニング等のために遠景観察をする場合にも酸素飽和度観察モードを使用して観察してよい。また、上記実施形態では、第1発光モードで観察対象を撮像した後に第2発光モードで観察対象を撮像しているが、第2発光モードで観察対象を撮像した後に第1発光モードで観察対象を撮像してもよい。
なお、上記実施形態では、基準タイミングの画像信号と、第1の基準外タイミングの画像信号と、第2の基準外タイミングの画像信号の3つのタイミング(3フレーム分)の画像信号を用いて酸素飽和度を算出しているが、基準外タイミングの画像信号のみ、即ち、1つのタイミングの画像信号のみで酸素飽和度を算出してもよい。この場合には、観察対象の位置ズレが生じないので、動きが酸素飽和度の算出に影響を与えることが無い。ここで、基準外タイミングの画像信号(B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号)で酸素飽和度を算出する場合は、B2画像信号とG2画像信号の比を示す信号比B2/G2と、信号比G2/R2とから、酸素飽和度の算出を行う。
また、酸素飽和度観察モード時に取得した画像信号から、動き量を算出する動き算出部を酸素飽和度画像生成部64内に設け、動き量が一定範囲内で観察対象などに動きがほとんど無い場合には、基準タイミングの画像信号と、第1の基準外タイミングの画像信号と、第2の基準外タイミングの画像信号の3つのタイミング(3フレーム分)の画像信号を用いて、酸素飽和度の算出を精度良く行う。この酸素飽和度に基づいて得られる酸素飽和度画像(本発明の「第1の観察画像」に対応する)は、観察対象の酸素飽和度を正確に表している。一方、動き量が一定範囲外となって観察対象に動きが生じた場合には、基準タイミングの画像信号のみで酸素飽和度の算出を行う。この酸素飽和度に基づいて得られる酸素飽和度画像(本発明の「第2の観察画像」に対応する)は、観察対象の動きの影響を受けない高画質の画像となっている。
または、動き量が一定範囲外となった場合には、基準タイミング時に実行する第1発光モードにおいて、測定光BLに加えて、基準外タイミング時に実行する第2発光モードでも発光する赤色光R(本発明の「参照光」に対応する)発光するとともに、第1発光モードのときに得られるR1画像信号と第2発光モードのときに得られるR2画像信号から第1光量比R1/R2を算出する。この第1光量比R1/R2は、第1発光モード時の参照光の光量と第2発光モード時の参照光の光量の比を表している。
そして、算出した第1光量比R1/R2に基づく明るさ補正により、G2推定画像信号を生成するとともに、R2推定画像信号を生成する(詳細は特許文献1参照)。そして、第1発光モードのときに得られるB1画像信号とG2推定画像信号から信号比B1/G2を算出し、B1画像信号とR2推定画像信号から信号比G2/R2を算出する。これら信号比B1/G2、G2/R2による酸素飽和度算出方法は、上記と同様の方法で行う。なお、第1光量比を算出する第1光量比算出部(図示しない)は酸素飽和度画像生成部64内に設けられている。
また、第1発光モードと第2発光モードにおいて参照光を発光している状況下において、動き量が一定範囲内となった場合には、それ以降は第1発光モードで参照光を発光しないようにしてもよい。または、第1発光モードにおいて、測定光BLと参照光の同時発光を行う混色モードと、測定光BLのみを発光する単色モードの2つに分け、第1発光モードの混色モード、単色モード、第2発光モードの3つのモードを繰り返し行うようにしてもよい。この場合には、動き量が一定範囲内の場合に、第1発光モードの単色モードで得られた画像信号と、第2発光モードで得られる画像信号とから、上記実施形態と同様の方法で、酸素飽和度を算出する。一方、動き量が一定範囲外の場合に、第1発光モードの混色モードで得られた画像信号と、第2発光モードで得られる画像信号を用い、上記したような第1光量比に基づく明るさ補正を行ってから、酸素飽和度を算出する。
[第2実施形態]
第1実施形態では、測定光BLを第1発光モードで発光し、紫色光V、測定光BL、緑色光G、赤色光Rの混色光を第2発光モードで行っているが、第2実施形態では、図17に示すように、測定光BL(本発明の「基準波長帯域の光」に対応)を第1発光モードで発光するとともに、緑色光Gの単色光(本発明の「基準外波長帯域の光に対応」)を第3発光モードで発光し、赤色光Rの単色光(本発明の「基準外波長帯域の光に対応」)を第4発光モードで発光するようにし、第1発光モード、第3発光モード、第4発光モードの3つの発光モードを繰り返し行う。
ここで、第1発光モードで発光・撮像して得られる画像信号については、第1実施形態と同様、B1画像信号、G1画像信号、R1画像信号とする一方、第3発光モードで発光・撮像して得られる画像信号についてはB3画像信号、G3画像信号、R3画像信号とし、第4発光モードで発光・撮像して得られる画像信号については、B4画像信号、G4画像信号、R4画像信号とする。
第2実施形態では、図18に示すように、酸素飽和度の算出に、基準タイミングt4で第1発光モードを行って得られるB1_t4画像信号と、基準タイミングよりも前の第1の基準外タイミングt3で第4発光モードを行って得られるR4_t3画像信号と、基準タイミングよりも前の第1の基準外タイミングt2で第3発光モードを行って得られるG3_t2画像信号と、基準タイミングよりも後の第2の基準外タイミングt5で第3発光モードを行って得られるG3_t5画像信号と、基準タイミングよりも後の第2の基準外タイミングt6で第4発光モードを行って得られるR4_t6画像信号とが用いられる。これら5種類の画像信号に基づいて酸素飽和度の算出が完了した後は、基準タイミングをタイミングt7にして、同様の処理を行う。
なお、本発明の「基準画像信号」は「B1_t4画像信号」に対応し、本発明の「第1の基準外画像信号」は「R4_t3画像信号」、「G3_t2画像信号」に対応し、本発明の「第2の基準外画像信号」は「G3_t5画像信号」、「R4_t6画像信号」に対応している。
位置補正部68では、B1_t4画像信号とR4_t3画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、R4_t3画像信号を補正するとともに、B1_t4画像信号とR4_t6画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、R4_t6画像信号を補正する。同様にして、位置補正部68は、B1_t4画像信号とG3_t2画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、G3_t2画像信号を補正するとともに、B1_t4画像信号とG3_t5画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、G3_t5画像信号を補正する。
推定画像生成部69は、位置補正済みのR4_t3画像信号とR4_t6画像信号を加算平均して、基準タイミングt4のときに第4発光モードを行って得られると推測されるR4_t4推定画像信号を生成する。同様にして、位置補正済みのG3_t2画像信号とG3_t5画像信号を加算平均して、基準タイミングt4のときに第3発光モードを行って得られると推測されるG3_t4推定画像信号を生成する。以上のG3_t4推定画像信号及びR4_t4推定画像信号は、基準タイミングt4に第3、第4発光モードを行った場合とほぼ同等の明るさを有している。そのため、タイミングt2〜t6の間で、観察対象との距離が変化して全体的な明るさが変化したとしても、G3_t4推定画像信号及びR4_t4推定画像信号は、その全体的な明るさの変化に対応した明るさを備えている。
なお、加算平均は、基準タイミングからの時間間隔の大きさに応じて重み付けすることが好ましい。例えば、R4_t3画像信号とR4_t6画像信号からR4_t4推定画像信号を加算平均で求める際、R4_t3画像信号を取得したタイミングt3と基準タイミングt4との時間間隔は、R4_t6画像信号を取得したタイミングt6と基準タイミングt4との時間間隔よりも小さい。そのため、R4_t3画像信号に対する重み付けについては、R4_t6画像信号に対する重み付けよりも大きくすることが好ましい。G3_t2画像信号とG3_t5画像信号からG3_t4推定画像信号を加算平均で求める場合においても、同様に重み付けすることが好ましい。
また、上記第1実施形態と同様、加算平均の際には、観察対象の位置ズレ量に応じて重み付けすることが好ましい。また、推定画像生成部69では、上記第1実施形態と同様、加算平均により得られたG3_t4推定画像信号及びR4_t4推定画像信号に対して、基準タイミングt4で発光した測定光BLの発光量に基づく明るさ補正を行うことが好ましい。
第2実施形態の酸素飽和度画像生成部64では、B1_t4画像信号とG3_t4推定画像信号から信号比B1/G3を求めるとともに、G3_t4推定画像信号とR4_t4推定画像信号とから信号比G3/R4を求める。「B1/G3」は第1実施形態の「B1/G2」に対応しており、「G3/R4」は第1実施形態の「G2/R2」対応する。酸素飽和度の算出方法は第1実施形態と同様である。また、ベース画像については、B1_t4画像信号、G3_t4推定画像信号、及びR4_t4推定画像信号から生成することが好ましい。
なお、第2実施形態では、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dにより第1、第3、第4発光モードを行うが、これに代えて、キセノンランプや白色LEDなどの広帯域光源と、回転フィルタを用いて、第1、第3、第4発光モードを行ってもよい。この場合、回転フィルタには、広帯域光源からの広帯域光(400〜700nm)のうち測定光BLを透過させる第1フィルタと、広帯域光のうち緑色光Gを透過させる第2フィルタと、広帯域光のうち赤色光Rを透過させる第3フィルタとが周方向に沿って設ける。そして、広帯域光源の光路上に、回転フィルタの第1〜第3フィルタが順次挿入されるように、回転フィルタを回転させる。これにより、測定光BL、緑色光G、赤色光Rが順に、観察対象に照射される。また、第2実施形態では、カラーの撮像センサで観察対象を撮像することに代えて、モノクロの撮像センサで観察対象の撮像を行ってもよい。
[第3実施形態]
第2実施形態では、基準タイミングt4の画像信号と、この基準タイミング前後の基準外タイミングt2、t3、t5、t6に取得した画像信号を用いて酸素飽和度の算出を行っているが、第3実施形態では、図19に示すように、第1の基準タイミングt4の画像信号と、この第1の基準タイミングt4よりも前の第1の基準外タイミングt2、t3の画像信号と、第1の基準タイミングt4よりも前の第2の基準タイミングt1の画像信号を用いて酸素飽和度の算出を行う。その他については、第2実施形態とほぼ同様である。
第3実施形態では、第1の基準タイミングt4で第1発光モードを行って得られるB1_t4画像信号と、第1の基準タイミングt4よりも前の第1の基準外タイミングt3で第4発光モードを行って得られるR4_t3画像信号と、第1の基準タイミングよりも前の第1の基準外タイミングt2で第3発光モードを行って得られるG3_t2画像信号と、第1の基準タイミングt4よりも前の第2の基準タイミングt1で第1発光モードを行って得られるB1_t1画像信号とが用いられる。これら4種類の画像信号に基づいて酸素飽和度の算出が完了した後は、第1の基準タイミングをタイミングt7にして、同様の処理を行う。
なお、本発明における「第1の基準タイミング」及び「第2の基準タイミング」とは、いずれも、上記で定義したように、「基準波長帯域の光を発光し、その基準波長帯域の光で照明された観察対象を撮像センサ48で撮像するタイミング」であり、「第1の基準タイミング」及び「第2の基準タイミング」は、「第2の基準タイミング」→「第1の基準タイミング」→「第2の基準タイミング」・・・のように、それぞれが交互に入れ替わるように、定められている。また、また、本発明の「第1の基準画像信号」は「B1_t4画像信号」に対応し、本発明の「第1の基準外画像信号」は「R4_t3画像信号」、「G3_t2画像信号」に対応し、本発明の「第2の基準画像信号」は「B1_t1画像信号」に対応している。
第3実施形態の酸素飽和度画像生成部100は、図20に示すように、第1実施形態の酸素飽和度画像生成部64と同じ構成を有するとともに、位置補正部68と推定画像生成部69の間に、第2光量比算出部102が設けられている。位置補正部68では、B1_t4画像信号とR4_t3画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、R4_t3画像信号を補正する。同様にして、位置補正部68は、B1_t4画像信号とG3_t2画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、G3_t2画像信号を補正する。更に、位置補正部68は、B1_t4画像信号とB1_t1画像信号との間で、観察対象の位置が合うように、B1_t1画像信号を補正する。
第2光量比算出部102は、位置補正済みのB1_t4画像信号とB1_t1画像信号との比を示す第2光量比B1_t4/B1_t1を画素毎に求める。第2光量比は、第1の基準タイミングt4のときの測定光BLの光量と第2の基準タイミングt1のときの測定光BLの光量の比を表している。この第2光量比B1_t4/B1_t1は、タイミングt1〜t4の間において、観察対象との距離が変わらず、全体的な明るさにも変化が無い場合には、ほぼ「1」になる。一方、観察対象との距離が変わって全体的な明るさが変化した場合には、この明るさの変化に合わせて光量比も変化する。したがって、第2光量比B1_t4/B1_t1は、タイミングt1〜t4における明るさの変化を表す値となる。
推定画像生成部69は、第2光量比算出部102で求めた第2光量比B1_t4/B1_t1に基づくR画像信号用の明るさ補正を行って、第1の基準タイミングt4のときに第4発光モードを行って得られると推測されるR4_t4推定画像信号を生成する。R画像信号用の明るさ補正は、第2光量比B1_t4/B1_t1に時間間隔調整係数2/3を乗じてR画像信号用の補正係数を算出し、このR画像信号用の補正係数を位置補正済みのR4_t3画像信号の各画素に掛け合わせることにより行われる。
また、推定画像生成部69は、第2光量比算出部102で求めた第2光量比B1_t4/B1_t1に基づくG画像信号用の明るさ補正を行って、第1の基準タイミングt4のときに第3発光モードを行って得られると推測されるG3_t4推定画像信号を生成する。G画像信号用の明るさ補正は、第2光量比B1_t4/B1_t1に時間間隔調整係数1/3を乗じてG画像信号用の補正係数を算出し、このG画像信号用の補正係数を位置補正済みのG3_t2画像信号の各画素に掛け合わせることにより行われる。
以上のG3_t4推定画像信号及びR4_t4推定画像信号は、第1の基準タイミングt4に第3、第4発光モードを行った場合とほぼ同等の明るさを有している。そのため、タイミングt2〜t4の間で、観察対象との距離が変化して全体的な明るさが変化したとしても、G3_t4推定画像信号及びR4_t4推定画像信号は、その全体的な明るさの変化に対応した明るさを備えている。また、第2実施形態では、基準タイミングの前のタイミングに取得した画像信号だけでなく、基準タイミングの後のタイミングに取得した画像信号に対しても位置補正を行っているが、第3実施形態では、第1の基準タイミングの前の第2の基準タイミングに取得した画像信号だけに位置補正を行っているため、第2実施形態と比較して、位置合わせ回数を少なくして推定画像信号の生成を行うことができる。
なお、時間間隔調整係数は、基準タイミングt4との時間間隔で決められる係数であり、この時間間隔が大きいほど、時間間隔調整係数が小さく設定される。本実施形態では、第1の基準外タイミングt2と基準タイミングt4との時間間隔は、第1の基準外タイミングt3と基準タイミングt4との時間間隔よりも大きいため、第1の基準外タイミングt2の場合の時間調整係数1/3は、第1の基準外タイミングt3の場合の時間調整係数2/3よりも小さく設定されている。
なお、第2光量比算出部102では、平滑化フィルタをB1_t4画像信号とB1_t1画像信号に施してから、光量比を求めることが好ましい。また、光量比については、G3_t2画像信号とG3_t5画像信号から求めても良く、R4_t3画像信号とR4_t6画像信号から求めてもよい。
[第4実施形態]
第1〜第3実施形態では、複数の異なるタイミングで取得した画像信号から酸素飽和度を算出し、その算出した酸素飽和度に基づいて酸素飽和度画像の生成を行っているが、第4実施形態では、図21に示すように、紫色光Vの単色光を発光する第5発光モードと、通常観察用青色光BSの単色光を発光する第6発光モードを交互に行って得られる画像信号から、観察対象における極表層血管とこの極表層血管よりも深い部分に位置する表層血管とを抽出した血管抽出画像を生成する。
ここで、第5発光モードで発光・撮像して得られる画像信号については、B5画像信号、G5画像信号、R5画像信号とし、第6発光モードで発光・撮像して得られる画像信号についてはB6画像信号、G6画像信号、R6画像信号とする。なお、第4実施形態では、血管抽出画像の生成に用いる画像信号はB5画像信号とB6画像信号であり、これらはいずれも単色の画像信号であるので、カラーの撮像センサの代わりに、モノクロの撮像センサを用いてもよい。
第4実施形態では、図22に示すように、プロセッサ装置16内において、画像処理切替部60と映像信号生成部66との間に、血管抽出画像生成部200が設けられている。血管抽出画像生成部200は、位置補正部68と、推定画像生成部69と、差分画像生成部202と、輝度・色差割り当て部204とを備えている。
血管抽出画像生成部200では、表層血管よりも極表層血管を強調した極表層血管抽出画像を生成する場合には、第6発光モードで取得したB6画像信号の位置と明るさが、第5発光モードで取得したB5画像信号の明るさと位置に合うように、B6画像信号を補正する。一方、極表層血管よりも表層血管を強調した表層血管抽出画像を生成する場合には、第5発光モードで取得したB5画像信号の位置と明るさが、第6発光モードで取得したB6画像信号の明るさと位置に合うように、B5画像信号を補正する。
以下、極表層血管抽出画像を生成する場合の画像処理方法について説明するが、表層血管抽出画像を生成する場合についても同様の手順で行われる。なお、以下においては、本発明の「基準波長帯域の光」は「第5発光モードで発光する紫色光V」であり、「基準外波長帯域の光」は「第6発光モードで発光する通常観察用青色光BSの単色光」に対応する。
血管抽出画像生成部200では、極表層血管抽出画像の生成に、図23に示すように、基準タイミングt3で第5発光モードを行って得られるB5画像信号(以下、B5_t3画像信号とする)と、基準タイミングt3よりも前の第1の基準外タイミングt2に第6発光モードを行って得られるB6画像信号(以下、B6_t2画像信号とする)と、基準タイミングt3よりも後の第2の基準外タイミングt4に第6発光モードを行って得られるB6画像信号(以下、B6_t4画像信号とする)が用いられる。これら3種類の画像信号を用いて極表層血管の生成を行った後は、基準タイミングをタイミングt5にして、同様の処理を行う。なお、本発明の「基準画像信号」は「B5_t3画像信号」に対応し、「基準外画像信号」は「B6_t2画像信号」、「B6_t4画像信号」に対応する。
位置補正部68では、B5_t3画像信号とB6_t2画像信号の間で、観察対象の位置が合うように、B6_t2画像信号を補正する。同様にして、B5_t3画像信号とB6_t4画像信号の間で、観察対象の位置が合うように、B6_t4画像信号を補正する。推定画像生成部69は、位置補正済みのB6_t2画像信号とB6_t4画像信号を加算平均することにより、基準タイミングt3のときに第6発光モードを行って得られると推測されるB6_t3推定画像信号を生成する。このB6_t3推定画像信号は、基準タイミングt3に第6発光モードを行った場合とほぼ同等の明るさを有している。そのため、タイミングt2〜t4の間で、観察対象との距離が変化して全体的な明るさが変化したとしても、B6_t3推定画像信号は、その全体的な明るさの変化に対応した明るさを備えている。なお、加算平均処理については、第1実施形態と同様、位置ズレ量などに応じた重み付けを行ってもよい。
差分画像生成部202は、B5_t3画像信号と推定画像信号B6_t3とから差分処理を行って、差分画像を生成する。この差分画像生成部202では、B5_t3画像信号と推定画像信号B6_t3のそれぞれについて対数化した上で、対数化済みのB5_t3画像信号及び推定画像信号B6_t3から差分画像を生成する。輝度・色差割り当て部204は、輝度信号YにB5_t3画像信号を割り当て、色差信号Cbに所定係数(例えば0.169)を乗じた差分画像を割り当て、色差信号Crに所定係数(例えば0.5)を乗じた差分画像を割り当てて、極表層血管抽出画像を生成する。この極表層血管抽出画像は、映像信号生成部66で映像信号に変換されて、モニタに送られる。
上記第1,第2実施形態では、図3に示す分光スペクトルを有する四色の光を用いているが、他の分光スペクトルを有する四色の光を用いても良い。例えば、図24に示すように、緑色光G及び赤色光Rは上記各実施形態と同様の分光スペクトルを有する一方で、紫色光については、紫色光V*のように中心波長410〜420nmで、上記各実施形態の紫色光Vよりもやや長波長側によった波長帯域を有する光を用いても良い。また、青色光Bについては、青色光B*のように、中心波長445〜460nmで、上記各実施形態よりもやや短波長側によった波長帯域を有する光を用いても良い。また、図3や図24に示す照明光の分光スペクトルは一例であり、画像の所望の色味等に応じて各LED20a〜20dの相対的な発光量を変更してもよい。具体的には、各LED20a〜20dの駆動電流値等を変更することにより、各LED20a〜20dの発光量の割合を変えることができる。
また、通常観察用青色光BSと測定光BLが得られれば、上記第1,第2実施形態の帯域制限部21が備えるSPF21aとLPF21bの特性は任意にして良い。
なお、上記第1〜第4実施形態では、撮像センサ48が設けられた内視鏡12を被検体内に挿入して観察を行う内視鏡システムにおいて本発明を実施しているが、カプセル内視鏡システムでも本発明は好適である。例えば、図25に示すように、カプセル内視鏡システムでは、カプセル内視鏡300と、プロセッサ装置(図示しない)とを少なくとも有する。
カプセル内視鏡300は、光源302と光源制御部303と、撮像センサ304と、送受信アンテナ306とを備えている。光源302は、紫色光Vを発するV−LEDと、青色光Bを発するB−LEDと、緑色光Gを発するG−LEDと、赤色光Rを発するR−LEDと、青色光Bから通常観察用青色光BS又は測定光BLを生成する帯域制限部とを有している。
光源制御部303は、上記実施形態の光源制御部22と同様にして光源302の駆動を制御する。また、光源制御部303は、送受信アンテナ306によって、カプセル内視鏡システムのプロセッサ装置と無線で通信可能である。カプセル内視鏡システムのプロセッサ装置は、送受信アンテナ306から送信される画像信号を受信する受信部(図示しない)を備える以外については、上記実施形態のプロセッサ装置16とほぼ同様である。撮像センサ304は上記実施形態の撮像センサ48と同様に構成される。