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JP2016049510A - 汚染領域の浄化方法 - Google Patents

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JP2016049510A JP2014177330A JP2014177330A JP2016049510A JP 2016049510 A JP2016049510 A JP 2016049510A JP 2014177330 A JP2014177330 A JP 2014177330A JP 2014177330 A JP2014177330 A JP 2014177330A JP 2016049510 A JP2016049510 A JP 2016049510A
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Abstract

【課題】シアン化合物によって汚染された汚染領域を、原位置で、より清浄に浄化できる浄化方法を提供する。
【解決手段】汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、アルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液を接触させて汚染領域をpH11以上にすることにより、汚染された土壌及び/又は地下水から不溶性シアン化合物を分離させ、分離したシアン化合物に処理液中の酸化剤が作用し、酸化力によってシアン化合物を酸化分解する。
【選択図】なし

Description

本発明は、シアン化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を含む汚染領域を浄化する方法に関する。
汚染された土壌及び/又は地下水(土壌等)の浄化には、その場所(in situ)で浄化(原位置浄化)を行う方法、又は、汚染された土壌等を掘り出して(on situ)浄化を行う方法などがある。特に、原位置浄化は、土壌等を掘り出すことなく原位置で浄化を行うことができるため、on situによる浄化に比べて費用が安く、地上に建物が存在する場所又は狭小地の土壌等の浄化に適している。また、原位置浄化は、土壌等の汚染が広範囲に及び場合の浄化にも適している。
例えば製造工場の跡地においては、シアン化合物によって土壌等が汚染されている場合があり、その浄化が必要とされる。
この汚染物質であるシアン化合物には、遊離シアン、金属シアノ錯体、難分解性のシアン化合物(不溶性シアン化合物)等が含まれている。シアン化合物の中でも、特に不溶性シアン化合物は、強酸や強アルカリの特異な条件であれば分解して可溶性を示すが、通常の自然条件では分解しない。
従来、かかるシアン化合物によって汚染された土壌等を浄化することを目的として、例えば特許文献1には、土壌のスラリー液を調製し、そのスラリー液をアルカリでpH10〜13とし、30分以上加熱撹拌した後、次亜塩素酸塩を該スラリー液に分割添加して、前記pH範囲及び80〜100℃の温度範囲で、シアン化合物と次亜塩素酸塩とを反応させる浄化処理方法(いわゆるアルカリ−塩素法)が開示されている。
また、特許文献2には、シアンによる汚染土壌をスラリーとし、該スラリーに高分子凝集剤を添加して混合撹拌し、(i)分級することで、該スラリー中の5〜10μm以上の土粒子のみを選択的に凝集させてフロックを形成するとともに、5〜10μm未満の微細粒子を該スラリー中に分散させ、(ii)該スラリーから該フロックを沈降分離し、この分離した該フロックからアルカリ抽出によりシアンを溶存態として抽出除去して脱水処理することにより浄化土を得るとともに、(iii)前記の抽出除去された溶存態としてのシアンを含む抽出水と、前記5〜10μm未満の微細粒子を含むスラリーの上澄水と、を凝集沈殿処理及び脱水処理することにより、シアンを含む濃縮汚染土を得る洗浄方法が開示されている。
特許文献1に記載の浄化処理方法においては、シアン化合物の分解性を高めるために、水蒸気による80〜100℃の昇温操作が行われている。したがって、この方法では、80℃以上に昇温するためのエネルギーを供給するための大規模なプラント設備を、浄化の場所に建設する必要がある。加えて、これに伴う費用を要する。
特許文献2に記載の洗浄方法では、分級及び脱水処理、並びに、可溶化したシアン抽出水及び濃縮汚染土の処理など、煩雑な操作が必要である。また、これらの処理のための大規模なプラント設備等を、浄化の場所に建設する必要もあり、加えて、これに伴う費用を要する。
前記の特許文献1、2の方法は、いずれも、on situによる浄化に適用されるものであり、原位置浄化に適用する方法としては不適切であった。
これに対し、原位置浄化に適用可能な方法として、例えば特許文献3には、銅シアノ錯体で汚染された土壌及び/又は地下水を含む汚染領域を浄化する方法であり、汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、該汚染領域の汚染土壌及び/又は汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上の過硫酸塩を添加して汚染領域を浄化する方法が開示されている。
特開2004−58011号公報 特開2012−81387号公報 特開2012−183466号公報
しかしながら、特許文献3に記載の浄化方法は、銅シアノ錯体で汚染された土壌等を浄化対象とした方法であり、銅シアノ錯体以外のシアン化合物、特に不溶性シアン化合物を含むシアン化合物で汚染された土壌等に対する浄化の効果が不充分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シアン化合物によって汚染された汚染領域を、原位置で、より清浄に浄化できる汚染領域の浄化方法を目的とする。
本発明の汚染領域の浄化方法は、シアン化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を含む汚染領域を浄化する汚染領域の浄化方法であって、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、アルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液を接触させる工程(X)を有することを特徴とする。
前記工程(X)は、前記汚染領域をpH11以上にすることが好ましい。
前記工程(X)は、混練工法により、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に前記処理液を接触させることが好ましい。
また、前記工程(X)は、注入工法により、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に前記処理液を接触させることが好ましい。
前記アルカリ剤は、アルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。
前記酸化剤は、アルカリ金属の過硫酸塩であることが好ましい。
前記工程(X)は、前記汚染領域の土壌及び/又は地下水の100質量部に対して前記酸化剤が0.1質量部以上となるように、前記汚染領域に前記処理液を供給することが好ましい。
前記工程(X)の後、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、新たに酸化剤を接触させる工程(Y)を有してもよい。
本発明の汚染領域の浄化方法によれば、シアン化合物によって汚染された汚染領域を、原位置で、より清浄に浄化できる。
本発明の第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法を説明するための浄化システムの概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る汚染領域の浄化方法を説明するための浄化システムの概略図である。 試験例4において、汚染土壌Bの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、固相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表すグラフである。 試験例4において、汚染土壌Bの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、液相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表すグラフである。 試験例4における、汚染土壌BのpHの経時変化を表すグラフである。 試験例5において、汚染土壌Aの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、固相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表すグラフである。 試験例5において、汚染土壌Aの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、液相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表すグラフである。 試験例5における、液相にある全シアン化合物の合計の濃度の経時変化を表すグラフである。 試験例5における、汚染土壌AのpHの経時変化を表すグラフである。
(汚染領域の浄化方法)
本発明の汚染領域の浄化方法は、シアン化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を含む汚染領域を浄化する汚染領域の浄化方法であって、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、アルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液を接触させる工程(X)を有する。
本発明において、汚染物質であるシアン化合物としては、遊離シアン、金属シアノ錯体、難分解性のシアン化合物(不溶性シアン化合物)等が挙げられる。
遊離シアンは、金属等と結合していないシアン化物イオン(CN)である。金属シアノ錯体としては、銅シアノ錯体、ニッケルシアノ錯体、鉄シアノ錯体などが挙げられる。不溶性シアン化合物としては、鉄−鉄シアノ錯体などが挙げられる。
土壌等に含まれる遊離シアンの含有量は、環境告示19号に基づいた分析方法により定量可能である。土壌等に含まれる金属シアノ錯体と遊離シアンとの合計の含有量は、底質調査法に基づいた分析方法により定量可能である。土壌に含まれる全シアン化合物の合計の含有量は、NSOF法に基づいた分析方法により定量可能である。地下水に溶解した全シアン化合物は、JIS K0102に基づいた分析方法により定量可能である。
ここでの「全シアン化合物」には、遊離シアン、金属シアノ錯体、又は不溶性シアン化合物に該当する全てのものが含まれる。
尚、NSOF法とは、塩化第二銅・塩化スズ還元蒸留法である(BUNSEKI KAGAKU Vol.61,No.1,p.31−36(2012)を参照)。
処理液について:
本発明における処理液は、アルカリ剤と酸化剤とを併有する。
アルカリ剤としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などが挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。
これらの中でも、アルカリ剤としては、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。アルカリ金属の水酸化物を用いることで、汚染された土壌等からシアン化合物がより分離しやすくなる。
アルカリ剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化剤としては、例えば、過硫酸塩、過マンガン酸塩、過酸化物などが挙げられる。
これらの中でも、酸化剤としては、過硫酸塩が好ましい。過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等のペルオキソ二硫酸塩などが挙げられ、過硫酸ナトリウムが特に好ましい。過硫酸塩を用いることで、汚染された土壌等から分離したシアン化合物がより酸化分解しやすくなる。加えて、過硫酸塩は、他の酸化剤に比べて遅効性を示す。このような過硫酸塩を用いることで、汚染領域の汚染された土壌等の全体が浄化されやすくなる。
酸化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
処理液におけるアルカリ剤と酸化剤との比率は、土壌等の種類、又は、アルカリ剤もしくは酸化剤の種類等に応じて適宜決定され、例えば、酸化剤100質量部に対して、アルカリ剤30質量部以上が好ましく、30〜60質量部がより好ましい。
アルカリ剤の比率が、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染された土壌等からシアン化合物がより分離しやすくなる。加えて、汚染された土壌等から分離したシアン化合物がより酸化分解しやすくなる。また、アルカリ剤の比率が、前記の好ましい範囲内であれば、浄化の後、汚染領域のpHが原地盤レベル(処理液を接触させる前の土壌等のpH付近)に経時で戻りやすくなる。
処理液のpHは、汚染領域の状態をアルカリ条件とするように、汚染領域のpH等を勘案して決定され、例えばpH11以上が好ましく、pH12以上がより好ましい。処理液のpHが、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染領域の状態をアルカリ条件に容易に調整できる。加えて、汚染された土壌及び/又は地下水から、特に、汚染された土壌から不溶性シアン化合物がより分離しやすくなる。
処理液の溶媒は、特に限定されないが、例えば取扱いやすさ等の点から、水を用いることが好ましい。
処理液は、アルカリ剤、酸化剤及び水以外の成分を含有してもよい。
以下、本発明の汚染領域の浄化方法について、例を挙げて説明するが、本発明は本実施形態に限定されない。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法を、図1を参照して説明する。
図1において、汚染領域20が存在する地中は、地面25方向に向かって、砂質土層21と粘性土層22と砂質土層23とが順に堆積している。
第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法について、浄化システム10を用い、砂質土層21と粘性土層22と砂質土層23とに及ぶ汚染領域20にある土壌を浄化する場合を例に挙げて説明する。
図1の浄化システム10は、薬注タンク12と地盤混練機14とを備える。
薬注タンク12には、上述したアルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液が収容されている。
地盤混練機14は、汚染領域20上の地面25に設置され、配管18で薬注タンク12に接続されている。配管18は、薬注タンク12と地盤混練機14との間にブロワ16を備える。
図1に示す実施形態の地盤混練機14は、混練機本体141と、混練機本体141から地面25に対して垂直方向に立設された支柱142と、支柱142に対して昇降可能に設けられた回転軸143と、を備える。
支柱142の上端寄りには、回転軸143を回転させるための駆動部144が設けられている。支柱142の下端は、回転軸143の振れを防止する振れ止め部145に接続している。支柱142には、配管18が接続されている。
回転軸143の下端には、回転翼146が設けられている。回転翼146には、処理液の噴射口(不図示)が形成されている。この噴射口は、回転軸143及び支柱142を介して配管18と繋がっている。
次に、浄化システム10を用いた、汚染領域20の浄化方法を説明する。
地盤混練機14における駆動部144を起動させ、回転軸143及び回転翼146を回転させながら地中へと降下させていく。回転翼146が汚染領域20に達した時点で、ブロワ16を起動する。ブロワ16を起動すると、薬注タンク12に収容された処理液が、薬注タンク12から配管18を通じて地盤混練機14へ送られる。地盤混練機14へ送られた処理液は、支柱142の内部に流入して回転翼146へ送られ、回転翼146の噴射口(不図示)から汚染領域20の土壌に向かって噴射される。
このようにして、汚染領域20に処理液を供給しつつ、汚染領域20を混練することで、汚染された土壌と処理液とを混合する(工程(X))。この際、処理液にアルカリ剤が含まれているため、アルカリ条件下で、汚染された土壌と、酸化剤とが接触することとなる。
汚染領域20をアルカリ性とすることで、汚染された土壌から、不溶性シアン化合物等のシアン化合物が容易に分離するようになる。そして、土壌から分離したシアン化合物に酸化剤が作用し、酸化力によってシアン化合物が酸化分解する。
以上により、汚染領域20の汚染された土壌が浄化される。
汚染領域20は、処理液の供給によりアルカリ性となるが、酸化剤による土壌の浄化に伴い、分解生成物として硫酸イオンが生じるため、汚染領域20のpHが経時で低下する。そして、汚染領域20は、処理液が供給される前のpH付近に経時で戻っていく。
汚染領域20のpHは、以下のようにして測定される。
土壌に含まれる全シアン化合物の含有量を分析する検液を調製する方法(具体的には、平成3年8月環境省告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」の付表に掲げる方法)に準じて、汚染領域20の汚染された土壌を風乾する。次いで、風乾した土壌を、純水に入れて6時間振とうすることにより検液とする。次いで、pHメータを用い、検液を常温(25℃)で測定した値が汚染領域20のpHである。
尚、汚染された地下水のpHは、pHメータを用い、その地下水が直接に常温(25℃)で測定される。
汚染領域20の汚染された土壌に処理液が接触した際、汚染領域20のpHは、高いほど好ましく、例えばpH11以上が好ましく、pH12以上がより好ましい。
汚染領域20のpHが、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染された土壌から、特に不溶性シアン化合物がより分離しやすくなる。加えて、原地盤に遊離シアン化合物が存在している場合、その遊離シアン化合物から生成するシアン化水素ガスの発生が抑制される。
汚染領域20のpHは、処理液を接触させる前の汚染領域20のpHを勘案して、処理液のアルカリ剤の含有割合を適宜変更することにより調整される。
汚染領域20に処理液を供給する際、汚染領域20にある土壌の総量100質量部に対して、酸化剤が0.1質量部以上となるように制御することが好ましい。かかる土壌の総量100質量部に対する酸化剤の割合は、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1〜5質量部である。
酸化剤の割合が、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染された土壌から分離したシアン化合物の酸化分解性がより高まる。一方、前記の好ましい上限値を超えても、酸化剤の配合効果が頭打ちとなる。
第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法によれば、シアン化合物によって汚染された汚染領域20にある土壌を掘り出したり搬出したりする必要がなく、汚染領域20を、原位置で、より清浄に浄化できる。加えて、粘性土層22や砂質土層21、23などの地層の状態に影響されることがなく、汚染領域20にある土壌と処理液とを混練することで、汚染された土壌に処理液を効率的に接触させることが可能である。また、その際、特に加熱又は冷却する必要がなく、地中の温度下で、汚染領域20の浄化を行うことができる。
このように、第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法は、浄化対象が土壌である場合に好適な方法である。
第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法においては、難分解性のシアン化合物(不溶性シアン化合物)で汚染された土壌も容易に浄化できる。
また、第1実施形態に係る汚染領域の浄化方法では、工程(X)の操作、即ち、汚染領域20の汚染された土壌に処理液を接触させるという1プロセスだけで、汚染された土壌からのシアン化合物の分離と、分離されたシアン化合物の酸化分解と、が進行して、汚染された土壌の浄化を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法においては、浄化の際、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、汚染領域のpHが原地盤レベル(処理液を接触させる前の土壌のpH付近)に経時で戻りやすく制御できる。
さらに、第1の実施形態に係る汚染領域の浄化方法は、薬注タンク12及び地盤混練機14等の小規模な設備で行うことが可能であり、これに伴って費用を抑えられる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る汚染領域の浄化方法を、図2を参照して説明する。
図2において、汚染領域40が存在する地中は、地面45方向に向かって、不透水層41と飽和層42(帯水層)と不飽和層43とが順に堆積している。飽和層42は、地下水によって飽和している。
第2の実施形態に係る汚染領域の浄化方法について、浄化システム30を用い、不透水層41と飽和層42とに及ぶ汚染領域40にある地下水及び土壌を浄化する場合を例に挙げて説明する。
図2の浄化システム30は、薬注タンク32と注入井戸34とを備える。
薬注タンク32には、上述したアルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液が収容されている。
注入井戸34は、円柱状であり、工場50の地下に設けられ、地面45から地中へ向かって不透水層41まで延びている。また、注入井戸34は、汚染領域40に対して、地下水の流れの上流側に設けられている。
注入井戸34は、配管38で薬注タンク32に接続されている。配管38は、注入井戸34と薬注タンク32との間にポンプ36を備える。
注入井戸34には、不透水層41及び飽和層42の位置に、複数の開口部(不図示)が形成されている。複数の開口部は、互いに上下方向に間隔をあけて形成されている。開口部は、注入井戸34の周方向に延びる細長い形状とされている。
次に、浄化システム30を用いた、汚染領域40の浄化方法を説明する。
ポンプ36を起動させて、薬注タンク32に収容された処理液を、薬注タンク32から配管38を通じて注入井戸34へ送る。注入井戸34へ送られた処理液は、注入井戸34の開口部から不透水層41及び飽和層42へ排出され、地下水に処理液が拡散する。処理液は、地下水に拡散しつつ、地下水の流れの下流に位置する汚染領域40に至る(工程(X))。この際、処理液にアルカリ剤が含まれているため、アルカリ条件下で、汚染された地下水及び土壌と、酸化剤とが接触することとなる。
汚染領域40をアルカリ性とすることで、汚染された地下水及び土壌から、不溶性シアン化合物等のシアン化合物が容易に分離するようになる。そして、地下水及び土壌から分離したシアン化合物に酸化剤が作用し、酸化力によってシアン化合物が酸化分解する。
以上により、汚染領域40の汚染された地下水及び土壌が浄化される。
汚染領域40は、処理液の供給によりアルカリ性となるが、地下水及び土壌の浄化に伴って、処理液が供給される前のpH付近に経時で戻っていく。
汚染領域40の汚染された地下水及び土壌に処理液が接触した際、汚染領域40のpHは、高いほど好ましく、例えばpH11以上が好ましく、pH12以上がより好ましい。
汚染領域40のpHが、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染された地下水及び土壌から、特に不溶性シアン化合物がより分離しやすくなる。加えて、原地盤に遊離シアン化合物が存在している場合、その遊離シアン化合物から生成するシアン化水素ガスの発生が抑制される。
汚染領域40のpHは、処理液を接触させる前の汚染領域40のpHを勘案して、処理液のアルカリ剤の含有割合を適宜変更することにより調整される。
汚染領域40に処理液を注入する際、汚染領域40にある地下水と土壌との総量100質量部に対して、酸化剤が0.1質量部以上となるように制御することが好ましい。かかる地下水と土壌との総量100質量部に対する酸化剤の割合は、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1〜5質量部である。
酸化剤の割合が、前記の好ましい下限値以上であれば、汚染された地下水及び土壌から分離したシアン化合物の酸化分解性がより高まる。一方、前記の好ましい上限値を超えても、酸化剤の配合効果が頭打ちとなる。
第2の実施形態に係る汚染領域の浄化方法によれば、シアン化合物によって汚染された汚染領域40にある地下水及び土壌を掘り出したり搬出したりする必要がなく、汚染領域40を、原位置で、より清浄に浄化できる。
第2の実施形態に係る汚染領域の浄化方法は、浄化対象が地下水を含む場合に好適な方法である。特に、透水性が良い地層(砂質土層など)では、処理液が拡散しやすいため、汚染領域40の全体に処理液を容易に接触できることから、簡便かつ低コストで浄化が可能な方法である。
<他の実施形態>
本発明の汚染領域の浄化方法は、上述した第1実施形態又は第2実施形態に限定されず、工程(X)後の土壌及び/又は地下水に、原位置で、新たに酸化剤を接触させる工程(Y)を有してもよい。工程(Y)の処理を行うことで、工程(X)の処理後に残存している、汚染された土壌及び/又は地下水から分離したシアン化合物が酸化分解し、汚染領域を、より高清浄に浄化できる。
工程(Y)で用いられる酸化剤は、工程(X)で用いられる処理液に含まれる酸化剤と同様のものが挙げられ、同じものでもよく、異なるものでもよい。また、工程(X)で用いられる処理液をそのまま用いてもよい。
酸化剤の使用量は、工程(X)の処理後に残存しているシアン化合物の量を勘案して適宜調整すればよい。
このように、本発明の汚染領域の浄化方法においては、工程(X)後の浄化の状況に応じて、酸化剤の追加による連続処理が可能である。
上述した第1の実施形態では、浄化システム10を用いて、地中の汚染領域20にある土壌を浄化する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、図2に示すような地下水を含む汚染領域も、第1の実施形態を適用することによって浄化できる。
また、上述した第2実施形態では、浄化システム30を用いて、地中の汚染領域40にある地下水及び土壌を浄化する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、図1に示すような土壌(好ましくは砂質土層など)からなる汚染領域も、第2の実施形態を適用することによって浄化できる。
図2において、第2の実施形態における浄化システム30では、注入井戸34が1本だけ示されているが、これに限定されず、汚染領域40の範囲やシアン化合物濃度に応じて複数本の注入井戸34が設けられてもよい。注入井戸34から汚染領域40に処理液を注入する工法としては、いわゆる二重管ダブルパッカー注入工法などを適用できる。
以下、本発明について試験例を挙げて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
[試験例1]
シアン化合物で汚染された土壌として、汚染土壌A及び汚染土壌Bをそれぞれ用いた。汚染土壌Aは砂質土であり、汚染土壌Bは粘性土である。
汚染土壌A及び汚染土壌Bにそれぞれ含まれるシアン化合物の濃度を測定した。この測定結果を表1に示した。
各汚染土壌に含まれるシアン化合物(遊離シアン、金属シアノ錯体、不溶性シアン化合物)の濃度を以下のようにして測定した。
前述の通り、遊離シアンの濃度は、環境告示19号に基づいた分析方法により測定した。遊離シアンと金属シアノ錯体との合計の濃度は、底質調査法に基づいた分析方法により測定した。土壌に含まれる全シアン化合物の合計の濃度は、NSOF法により測定した。
Figure 2016049510
表1に示す結果から明らかなように、汚染土壌Aは、遊離シアンが全シアン化合物の約36質量%を占めており、また、底質調査法とNSOF法との分析値にほとんど差がないことから、不溶性シアン化合物をほとんど含んでいないことが分かる。即ち、汚染土壌Aは、約4割が遊離シアンであり、残りの約6割が金属シアノ錯体であると推測される。
一方、汚染土壌Bは、遊離シアンをほとんど含んでおらず、また、底質調査法とNSOF法との間には分析値に2.5倍の差があることが分かる。即ち、汚染土壌Bは、約4割が金属シアノ錯体であり、残りの約6割が不溶性シアン化合物であると推測される。
[試験例2]
試験例2では、汚染土壌Bに、酸化剤を接触させることによる浄化について評価した。
(試験手順)
手順2−1:100gの汚染土壌Bに、純水200mLを加えてスラリー状の水分散液を調製する。
手順2−2:該水分散液に、酸化剤として過硫酸ナトリウムを、以下に示す試験条件2−1〜2−2で添加し、2ヶ月間静置して養生する。
手順2−3:液相にある全シアン化合物の合計の濃度をJIS K0102に基づいた分析方法により、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度をNSOF法によりそれぞれ測定する。
(試験条件)
条件2−1:汚染土壌Bの100質量部に対して、過硫酸ナトリウム1質量部を添加する(アルカリ剤の添加なし)。
条件2−2:汚染土壌Bの100質量部に対して、過硫酸ナトリウム5質量部を添加する(アルカリ剤の添加なし)。
2ヶ月間養生した後における、液相にある全シアン化合物の合計の濃度、固相にある全シアン化合物の合計の濃度、及び、過硫酸ナトリウムによるシアン化合物の分解率を表2に示した。
Figure 2016049510
汚染土壌Bは、前述の通り、全シアン化合物の合計の濃度が50mg/kgであり、このうち不溶性シアン化合物が6割程度含まれている。
表2に示す結果から、過硫酸ナトリウムによって液相にある全シアン化合物は酸化分解されているが、固相にある全シアン化合物は酸化分解されずに残存したままであることが分かる。これより、過硫酸ナトリウムによるシアン化合物の分解率は、40〜50質量%程度であり、不溶性シアン化合物は過硫酸ナトリウム単独(アルカリ剤の添加なし)では酸化分解されにくい、と推察される。
[試験例3]
試験例3では、汚染土壌Bの水分散液を塩基性とした際における、シアン化合物の可溶化率について評価した。
また、不溶性シアン化合物であるプルシアンブルー(試薬)の水分散液を塩基性とした際における、シアン化合物の可溶化率について評価した。土壌中で、シアン化合物は、鉄−鉄シアノ錯体(Fe[Fe(CN))として存在していることが多い。このため、鉄−鉄シアノ錯体の一つであるプルシアンブルー(Fe(III)[Fe(II)(CN))を対象として試験を行った。
(試験手順)
手順3−1:10gの汚染土壌B、又は、0.01gのプルシアンブルー(試薬)に、濃度2質量%の水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いて各pHに調整したアルカリ性水溶液を、以下に示す試験条件3−1〜3−10で加えて混合し、水分散液を調製する。
手順3−2:手順3−1で調製された水分散液を、200rpmで1時間振とうする(汚染土壌Bに含まれるシアン化合物、又は、プルシアンブルーを、アルカリ性水溶液(液相)へ可溶化させることを目的とした操作)。
手順3−3:固液分離し、液相にある全シアン化合物の合計の濃度をJIS K0102に基づいた分析方法により測定する。
(試験条件)
条件3−1:汚染土壌Bに、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH10.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−2:汚染土壌Bに、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH11.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−3:汚染土壌Bに、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH12.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−4:汚染土壌Bに、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH13.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−5:汚染土壌Bに、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH14.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−6:プルシアンブルー(試薬)に、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH9.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−7:プルシアンブルー(試薬)に、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH10.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−8:プルシアンブルー(試薬)に、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH11.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−9:プルシアンブルー(試薬)に、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH12.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
条件3−10:プルシアンブルー(試薬)に、前記水酸化ナトリウム水溶液と純水とを用いてpH13.0に調整したアルカリ性水溶液100mLを加えて、水分散液を調整する。
液相にある全シアン化合物の合計の濃度、及び、シアン化合物の可溶化率を表3に示した。
シアン化合物の可溶化率は、表1より、汚染土壌Bにおける全シアン化合物の合計の濃度を50mg/kgとして算出した。また、0.01gのプルシアンブルー(試薬)に含まれるシアン(CN)の全部がアルカリ性水溶液(液相)に可溶化した場合の、液相のシアン濃度を54.5 mg/Lとして算出した。
Figure 2016049510
表3に示す結果より、汚染土壌Bの水分散液を、pH12以上のアルカリ条件とすることで、汚染土壌Bからアルカリ性水溶液(液相)へのシアン化合物の可溶化が促進することが分かる。
また、プルシアンブルー(試薬)の水分散液を、pH11以上のアルカリ条件とすることで、アルカリ性水溶液(液相)へのシアン化合物(鉄−鉄シアノ錯体)の可溶化が促進することが分かる。
尚、汚染土壌Bの水分散液の場合に、pH11以下のアルカリ条件下で、アルカリ性水溶液(液相)にシアン化合物が溶解しにくいのは、土壌の緩衝作用等の影響を受けるためである、と考えられる。
[試験例4]
試験例4では、汚染土壌Bに、アルカリ条件下で酸化剤を接触させることによる浄化について評価した。
(試験手順)
手順4−1:100gの汚染土壌Bに、純水200mLを加えてスラリー状の水分散液を調製する。
手順4−2:該水分散液に、アルカリ剤として水酸化ナトリウムと、酸化剤として過硫酸ナトリウムと、を以下に示す試験条件4−1〜4−7で添加し、3ヶ月間静置して養生する。
手順4−3:液相にある全シアン化合物の合計の濃度をJIS K0102に基づいた分析方法により、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度をNSOF法によりそれぞれ測定する。
(試験条件)
条件4−1:水酸化ナトリウムの添加なし、過硫酸ナトリウムの添加なし。
条件4−2:純水の100質量部に対し、水酸化ナトリウム0.15質量部を添加する。過硫酸ナトリウムの添加はなし。
条件4−3:純水の100質量部に対し、水酸化ナトリウム1.5質量部を添加する。過硫酸ナトリウムの添加はなし。
条件4−4:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.15質量部と、汚染土壌Bの100質量部に対して過硫酸ナトリウム1質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤30質量部)。
条件4−5:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.3質量部と、汚染土壌Bの100質量部に対して過硫酸ナトリウム1質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤60質量部)。
条件4−6:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.75質量部と、汚染土壌Bの100質量部に対して過硫酸ナトリウム5質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤30質量部)。
条件4−7:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム1.5質量部と、汚染土壌Bの100質量部に対して過硫酸ナトリウム5質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤60質量部)。
かかる試験例4において行った各測定結果を図3〜5に示した。
図3は、汚染土壌Bの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表す。
図4は、汚染土壌Bの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、液相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表す。
図5は、汚染土壌BのpHの経時変化を表す。
条件4−1〜4−3について:
図3において、条件4−1(アルカリ剤の添加なし、酸化剤の添加なし)は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が32mg/kgである。条件4−2及び条件4−3(アルカリ剤の添加有り、酸化剤の添加なし)は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が6.2〜6.9mg/kgであり、全シアン化合物の合計の濃度が条件4−1に比べて低くなっている。
図4において、条件4−1は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が1.64mg/Lである。条件4−2及び条件4−3は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が10〜17mg/Lであり、全シアン化合物の合計の濃度が条件4−1に比べて高くなっている。
即ち、アルカリ剤の添加により、汚染土壌Bに含まれていたシアン化合物が土壌から分離しやすくなること;土壌から分離したシアン化合物は水酸化ナトリウム水溶液に溶解していること、が分かる。
条件4−4及び条件4−5について:
図3において、条件4−4及び条件4−5は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が11〜24mg/kgであり、全シアン化合物の合計の濃度が条件4−1に比べて低くなっている。これより、汚染土壌Bに含まれていたシアン化合物の一部が土壌から分離していること、が示唆される。しかし、かかる条件4−4及び条件4−5では、アルカリ剤が添加されているものの、土壌にシアンが残存している、と考えられる。
図5において、条件4−4及び条件4−5では、土壌のpHが、初期(pH11以上)から経時に従って徐々に低下していき、約pH8付近で一定となっている。
条件4−4及び条件4−5において、汚染土壌Bから分離したシアン化合物は、水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、酸化剤によって酸化分解する。その際、硫酸イオンが生成するため、図5に見られるように、土壌のpHが低下していく。加えて、アルカリ剤の一部が、生成した硫酸イオンに消費される。これに伴い、汚染土壌Bに含まれているシアン化合物を土壌から分離しきれなかったため、土壌にシアン化合物が残存していた、と考えられる。
条件4−6及び条件4−7について:
図3において、条件4−6及び条件4−7は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が2.7〜5.4mg/kgである。図4において、条件4−6及び条件4−7は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が1mg/L以下である。即ち、かかる条件4−6及び条件4−7では、不溶性シアン化合物を多く含んでいる汚染土壌Bが充分に浄化されていること、が分かる。
図5において、条件4−6では、土壌のpHが、初期(約pH13.0)から経時に従って徐々に低下していき、約pH8付近で一定となっている。即ち、かかる条件4−6では、浄化とともに、土壌のpHが原地盤レベル(浄化前の土壌のpH約8.0)に経時で戻っていくこと、が分かる。
試験例4による評価結果から、アルカリ条件下であれば、汚染土壌Bからシアン化合物を容易に分離でき、分離したシアン化合物の酸化剤による酸化分解を効率的に行えること、が確認できる。
また、アルカリ剤と酸化剤とを同時に添加することで、汚染土壌Bからのシアン化合物の分離と、そのシアン化合物の酸化分解と、を1プロセスで行うことが可能である。
[試験例5]
試験例5では、汚染土壌Aに、アルカリ条件下で酸化剤を接触させることによる浄化について評価した。
(試験手順)
手順5−1:100gの汚染土壌Aに、純水200mLを加えてスラリー状の水分散液を調製する。
手順5−2:該水分散液に、アルカリ剤として水酸化ナトリウムと、酸化剤として過硫酸ナトリウムと、を以下に示す試験条件5−1〜5−7で添加し、3ヶ月間静置して養生する。条件5−4〜5−7においては、2ヶ月間静置した後、新たに過硫酸ナトリウムを添加して1ヶ月間静置して養生する。
手順5−3:液相にある全シアン化合物の合計の濃度をJIS K0102に基づいた分析方法により、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物(ここでは遊離シアン及び金属シアノ錯体)の合計の濃度を底質調査法によりそれぞれ測定する。
(試験条件)
条件5−1:水酸化ナトリウムの添加なし、過硫酸ナトリウムの添加なし。
条件5−2:純水の100質量部に対し、水酸化ナトリウム0.15質量部を添加する。過硫酸ナトリウムの添加はなし。
条件5−3:純水の100質量部に対し、水酸化ナトリウム1.5質量部を添加する。過硫酸ナトリウムの添加はなし。
条件5−4:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.15質量部と、汚染土壌Aの100質量部に対して過硫酸ナトリウム1質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤30質量部)。2ヶ月間静置の後、新たに過硫酸ナトリウム1質量部を添加する。
条件5−5:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.3質量部と、汚染土壌Aの100質量部に対して過硫酸ナトリウム1質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤60質量部)。2ヶ月間静置の後、新たに過硫酸ナトリウム1質量部を添加する。
条件5−6:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム0.75質量部と、汚染土壌Aの100質量部に対して過硫酸ナトリウム5質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤30質量部)。2ヶ月間静置の後、新たに過硫酸ナトリウム1質量部を添加する。
条件5−7:純水の100質量部に対して水酸化ナトリウム1.5質量部と、汚染土壌Aの100質量部に対して過硫酸ナトリウム5質量部とを添加する(酸化剤100質量部に対してアルカリ剤60質量部)。2ヶ月間静置の後、新たに過硫酸ナトリウム1質量部を添加する。
かかる試験例5において行った各測定結果を図6〜9に示した。
図6は、汚染土壌Aの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表す。
図7は、汚染土壌Aの浄化をそれぞれの試験条件で行った際の、液相にある全シアン化合物の合計の濃度(養生3ヶ月間)についての測定結果を表す。
図8は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度の経時変化を表す。
図9は、汚染土壌AのpHの経時変化を表す。
条件5−1〜5−3について:
図6において、条件5−1(アルカリ剤の添加なし、酸化剤の添加なし)は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が440mg/kgである。条件5−2及び条件5−3(アルカリ剤の添加有り、酸化剤の添加なし)は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が19〜45mg/kgであり、全シアン化合物の合計の濃度が条件5−1に比べて低くなっている。
図7において、条件5−1は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が23mg/Lである。条件5−2及び条件5−3は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が110〜140mg/Lであり、全シアン化合物の合計の濃度が条件5−1に比べて高くなっている。
即ち、アルカリ剤の添加により、汚染土壌Aに含まれていたシアン化合物が土壌から分離しやすくなること;土壌から分離したシアン化合物は水酸化ナトリウム水溶液に溶解していること、が分かる。
条件5−4〜5−7について:
図6において、条件5−4〜5−7は、固相にある(土壌に残存した)全シアン化合物の合計の濃度が47mg/kg以下である。図7において、条件5−4〜5−7は、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が23mg/L以下である。かかる条件5−4〜5−7では、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が条件5−2(140mg/L)に比べて非常に低くなっていること、が分かる。
条件5−5及び条件5−7について:
条件5−5及び条件5−7では、2ヶ月間静置して養生した時点で、液相にある全シアン化合物の合計の濃度が47〜50mg/Lであった。そして、ここに、汚染土壌Aの100質量部に対して過硫酸ナトリウム1質量部を新たに添加した。
その結果、図8において、試験開始から3ヶ月間経過の後(過硫酸ナトリウム1質量部を新たに添加して1ヶ月間経過の後)、条件5−5の液相にある全シアン化合物の合計の濃度が23mg/Lまで、条件5−7の液相にある全シアン化合物の合計の濃度が4.1mg/Lまで低くなっている。
即ち、汚染土壌にアルカリ条件下で酸化剤をいったん接触させ、一定期間が経過した後、新たに酸化剤を添加することにより、汚染土壌から分離したシアン化合物を酸化分解できること、が分かる。加えて、液相に残存する全シアン化合物の合計の濃度に応じて酸化剤を追加する連続処理が、汚染土壌の浄化に対して有効であること、が示唆される。
図9において、条件5−4〜5−7では、いずれも、土壌のpHが、初期(約pH12超)から経時に従って徐々に低下していること、が分かる。
これらのうち、条件5−5及び条件5−7では、試験開始から2ヶ月間が経過する(酸化剤を追加する)まで、浄化とともに、土壌のpHが原地盤レベル(浄化前の土壌のpH約9.5)に経時で戻っていくこと、が分かる。
10 浄化システム、12 薬注タンク、14 地盤混練機、16 ブロワ、18 配管、20 汚染領域、21 砂質土層、22 粘性土層、23 砂質土層、25 地面、30 浄化システム、32 薬注タンク、34 注入井戸、36 ポンプ、38 配管、40 汚染領域、41 不透水層、42 飽和層、43 不飽和層、45 地面、50 工場。

Claims (8)

  1. シアン化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を含む汚染領域を浄化する汚染領域の浄化方法であって、
    前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、アルカリ剤と酸化剤とを併有する処理液を接触させる工程(X)を有することを特徴とする汚染領域の浄化方法。
  2. 前記工程(X)は、前記汚染領域をpH11以上にすることを特徴とする、請求項1に記載の汚染領域の浄化方法。
  3. 前記工程(X)は、混練工法により、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に前記処理液を接触させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の汚染領域の浄化方法。
  4. 前記工程(X)は、注入工法により、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に前記処理液を接触させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の汚染領域の浄化方法。
  5. 前記アルカリ剤は、アルカリ金属の水酸化物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の汚染領域の浄化方法。
  6. 前記酸化剤は、アルカリ金属の過硫酸塩であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の汚染領域の浄化方法。
  7. 前記工程(X)は、前記汚染領域の土壌及び/又は地下水の100質量部に対して前記酸化剤が0.1質量部以上となるように、前記汚染領域に前記処理液を供給することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の汚染領域の浄化方法。
  8. 前記工程(X)の後、前記汚染領域の汚染された土壌及び/又は地下水に、原位置で、新たに酸化剤を接触させる工程(Y)を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の汚染領域の浄化方法。
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