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JP2015229768A - 熱サイクル用作動媒体およびその製造方法 - Google Patents

熱サイクル用作動媒体およびその製造方法 Download PDF

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JP2015229768A
JP2015229768A JP2014118162A JP2014118162A JP2015229768A JP 2015229768 A JP2015229768 A JP 2015229768A JP 2014118162 A JP2014118162 A JP 2014118162A JP 2014118162 A JP2014118162 A JP 2014118162A JP 2015229768 A JP2015229768 A JP 2015229768A
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智昭 谷口
Tomoaki Taniguchi
智昭 谷口
真維 橋本
Mai Hashimoto
真維 橋本
岡本 秀一
Shuichi Okamoto
秀一 岡本
正人 福島
Masato Fukushima
正人 福島
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Abstract

【課題】低い地球温暖化係数(GWP)を有する(E)−HFO−1132を含有し、オゾン層への影響が少なく、地球温暖化への影響が少ないうえに、サイクル性能に優れる、生産性が高い熱サイクル用作動媒体を提供する。
【解決手段】(E)−1,2−ジフルオロエチレンと、
1,1−ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、フルオロエタン、(Z)−1,2−ジフルオロエチレンおよびエチレンから選択される少なくとも1つである第1の化合物と、を含有する熱サイクル用作動媒体。前記第1の化合物の各々の含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第1の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱サイクル用作動媒体とその製造方法に係り、さらに詳しくは、(E)−1,2−ジフルオロエチレンを含み、熱伝達組成物として有用な熱サイクル用作動媒体と、そのような熱サイクル用作動媒体を製造する方法に関する。
従来から、冷凍機用冷媒、空調機器用冷媒、発電システム(廃熱回収発電等)用作動媒体、潜熱輸送装置(ヒートパイプ等)用作動媒体、二次冷却媒体等の熱サイクル用作動媒体としては、クロロトリフルオロメタン(CFC−13)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)等のクロロフルオロカーボン(CFC)、またはクロロジフルオロメタン(HCFC−22)等のヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)が用いられてきた。しかし、CFCやHCFCは、成層圏のオゾン層への影響が指摘され、現在、規制の対象となっている。
本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えて、その略称を用いる。
前述の経緯から、熱サイクル用作動媒体としては、CFCやHCFCに代わって、オゾン層への影響が少ないジフルオロメタン(HFC−32)、テトラフルオロエタン(HFC−134)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)等のヒドロフルオロカーボン(HFC)が用いられる。例えば、R410A(HFC−32とHFC−125の質量比1:1の擬似共沸混合冷媒)は、従来から広く使用されてきた冷媒である。しかし、HFCに関しても、地球温暖化の原因となる可能性が指摘されているため、オゾン層への影響が少なく、地球温暖化係数(GWP)の低い熱サイクル用作動媒体の開発が急務となっている。
最近、オゾン層への影響が少なく、地球温暖化への影響が少ない熱サイクル用作動媒体として、大気中のOHラジカルによって分解されやすい炭素−炭素二重結合を有するヒドロフルオロオレフィン(HFO)に期待が集まっている。なお、本明細書では、特に断りのない限り、飽和のHFCをHFCと示し、炭素−炭素二重結合を有するHFOとは区別して用いる。
近年、GWPの低い化合物として、(E)−1,2−ジフルオロエチレン((E)−HFO−1132)に注目が集まっている。そして、(E)−HFO−1132を含む組成物でサイクル性能に優れる熱サイクル用作動媒体が求められている。
ここで、(E)−はE体(トランス体)を意味する。以下の記載において、Z体(シス体)は(Z)−で表す。そして、(E)−および(Z)−は、E体とZ体の混合物を意味し、E/Z−とも示す。本発明細書では、E体とZ体とがある化合物において、E体とZ体の混合物を、(E)−および(Z)−やE/Z−を省略して単に化合物名または略称で示すことがある。
特許文献1には、熱サイクル用作動媒体として(E)−HFO−1132を含む組成物が提示されている。特許文献1においても、サイクル性能に優れる組成物が求められている。
(E)−HFO−1132は各種の方法により製造される。特許文献2には、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(CFO−1112)を気相で水素還元することで、(E)−HFO−1132を製造する方法が提示されている。
しかし、どのような製造方法を採る場合にも、生成物中には不純物が存在し、不純物を含む(E)−HFO−1132(以下、粗(E)−HFO−1132ともいう。)をそのまま用いた場合には、サイクル性能に優れる作動媒体が得られない場合があった。そのため、粗HFO−1132を作動媒体として用いるためには、粗HFO−1132中の不純物を低減する工程が必須となっていた。
WO2012/157765号 特開昭62−30730号公報
本発明は、低いGWPを有する(E)−HFO−1132を含有し、オゾン層への影響が少なく、地球温暖化への影響が少ないうえに、サイクル性能に優れる、生産性が高い熱サイクル用作動媒体を提供することを目的とする。また、本発明は、粗HFO−1132からの不純物を低減する工程をできるだけ簡略化して、サイクル性能に優れる熱サイクル用作動媒体を得ることを目的とする。
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、(E)−HFO−1132を含み、かつ(E)−HFO−1132の製造の際に不純物として存在する以下の化合物、すなわち1,1−ジフルオロエチレン(HFO−1132a)、フルオロエチレン(HFO−1141)、フルオロエタン(HFC−161)、(Z)−1,2−ジフルオロエチレン((Z)−HFO−1132)およびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を低い割合で含有する作動媒体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(E)−HFO−1132と、HFO−1132a、HFO−1141、HFC−161、(Z)−HFO−1132およびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つである第1の化合物を含有することを特徴とする。
また本発明は、CFO−1112と水素とを、パラジウム触媒存在下に80℃以上の温度で反応させる反応工程と、前記反応工程で得られた生成物を蒸留する工程を有し、(E)−HFO−1132と、HFO−1132a、HFO−1141、HFC−161、(Z)−HFO−1132およびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つである第1の化合物を含有する組成物を得ることを特徴とする熱サイクル用作動媒体の製造方法を提供する。
本発明の熱サイクル用作動媒体(以下、作動媒体とも記す。)は、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が少ないので、従来から使用されてきたR410Aや温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる低GWPの新しい冷媒としての使用が期待される。
また、(E)−HFO−1132の製造の際の不純物として存在する第1の化合物の含有が、所定の範囲ではあるが許容されているので、粗HFO−1132からの不純物を低減する工程を簡略化できる。
本発明の実施例において、作動媒体のサイクル性能を測定するために使用する冷凍サイクルシステムを示した概略構成図である。 図1の冷凍サイクルシステムにおける作動媒体の状態変化を、圧力−エンタルピ線図上に記載したサイクル図である。
[作動媒体]
本発明の実施形態の作動媒体は、(E)−HFO−1132と、HFO−1132a、HFO−1141、HFC−161、(Z)−HFO−1132およびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つである第1の化合物を含有する。
<(E)−HFO−1132>
(E)−HFO−1132は、GWPが低く、オゾン層への影響が少なく、地球温暖化への影響が少ない化合物である。また、(E)−HFO−1132は、作動媒体としての能力に優れ、特にサイクル性能(例えば、後述する方法で求められる冷凍能力や成績係数)に優れている。
(E)−HFO−1132の含有量は、サイクル性能の点から、作動媒体の全量(100質量%)に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
また、(E)−HFO−1132は、単独で用いた場合に高温または高圧下で着火源があると分解反応を起こす、いわゆる自己分解性を有することが知られている。(E)−HFO−1132の自己分解反応防止の観点からは、(E)−HFO−1132の含有量は、作動媒体の全量に対して80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が最も好ましい。
本発明の作動媒体においては、(E)−HFO−1132を、ジフルオロメタン(HFC−32)や2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)等と混合して(E)−HFO−1132の含有量の割合(以下、含有量の割合を含有割合ともいう。)を抑えることで、自己分解反応を抑えることができる。(E)−HFO−1132の含有割合を80質量%以下とした場合、熱サイクルシステムに適用する場合の温度や圧力条件下では自己分解性を有しないため、安全性の高い作動媒体を得ることができる。
<第1の化合物>
第1の化合物は、(E)−HFO−1132の製造の際に副生し、不純物として生成組成物中に存在する化合物であり、HFO−1132a、HFO−1141、HFC−161、(Z)−HFO−1132およびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。
作動媒体が第1の化合物を含有すると、サイクル性能が低くなる。サイクル性能の観点から、第1の化合物のそれぞれの含有量は、(E)−HFO−1132の含有量と第1の化合物の総含有量との合計に対して、0.5質量%未満の割合であることが好ましい。また、第1の化合物の総含有量は、(E)−HFO−1132の含有量と第1の化合物の総含有量との合計に対して、0.5質量%未満の割合であることが好ましい。第1の化合物のそれぞれの含有量および総含有量が、前記範囲であれば、十分に優れたサイクル性能を有する作動媒体を得ることができる。
なお、本明細書において、「第1の化合物の総含有量」は、第1の化合物が1種である場合は、その化合物の含有量を意味し、第1の化合物が2種以上である場合は、それぞれの化合物の含有量の合計を意味する。後述する「第2の化合物の総含有量」についても同様である。
さらに、前記合計((E)−HFO−1132の含有量と第1の化合物の総含有量との合計)に対する第1の化合物の総含有量の割合は、0.0001質量%(1質量ppm)以上であることが好ましい。この範囲であれば、粗(E)−HFO−1132を精製し不純物としての第1の化合物を低減する工程が簡略化できるという利点がある。
<第2の化合物>
後述するように、(E)−HFO−1132は、例えば、CFO−1112を気相で水素還元する方法で製造することができる。したがって、ある実施形態において、CFO−1112を気相で水素還元する方法で得られる(E)−HFO−1132以外の化合物が、生成する組成物中に存在する。また、ある実施形態において、(E)−HFO−1132を製造する原料であるCFO−1112中に存在する不純物が、(E)−HFO−1132を生成する反応中もそのまま存在し、生成する組成物中に存在する。
すなわち、本発明の作動媒体は、(E)−HFO−1132と、前記第1の化合物を含み、さらに第2の化合物として、(E)−HFO−1132の製造の際に生成する組成物(例えば、反応器からの出口ガスをいう。)に含まれる不純物(原料中の不純物、中間生成物、副生物等が含まれる。)から前記第1の化合物を除いた化合物を含有する。第2の化合物は、1−クロロ−1−フルオロエチレン(HCFO−1131a)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(HCFO−1122)、(E)―1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン((E)−HCFO−1122a)、(Z)―1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン((Z)−HCFO−1122a)、(E)―1−クロロ−2−フルオロエチレン((E)−HCFO−1131)、(Z)―1−クロロ−2−フルオロエチレン((Z)−HCFO−1131)、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CFO−1112a)、(E)―1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン((E)―CFO−1112)、(Z)―1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン((Z)―CFO−1112)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン(HCFC−142)、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、メタン、クロロエタンおよびトリクロロフルオロメタン(CFC−11)からなる群から選択される少なくとも1つである。
作動媒体のサイクル性能の観点から、第2の化合物のそれぞれの含有量は、(E)−HFO−1132の含有量と第2の化合物の総含有量との合計に対して、0.5質量%未満の割合であることが好ましい。また、第2の化合物の総含有量は、(E)−HFO−1132の含有量と第2の化合物の総含有量との合計に対して、0.5質量%未満の割合であることが好ましい。
さらに、前記合計((E)−HFO−1132の含有量と第2の化合物の総含有量との合計)に対する第2の化合物の総含有量の割合は、0.0001質量%(1質量ppm)以上であることが好ましい。この範囲であれば、粗(E)−HFO−1132を精製し不純物としての第2の化合物を低減する工程が簡略化できるという利点がある。
本発明の作動媒体に含有される(E)−HFO−1132と第1の化合物および第2の化合物の、略称、化学式および名称を、表1にまとめて示す。表1では、第1の化合物を「第1化合物」、第2の化合物を「第2化合物」と示す。
Figure 2015229768
本発明の作動媒体は、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が少ないうえに、サイクル性能に優れており、熱サイクルシステム用の作動媒体として有用である。また、本発明の作動媒体は、(E)−HFO−1132の製造の際に生成する不純物を含有することができるので、粗(E)−HFO−1132を精製して不純物を低減する工程が簡略化でき、作動媒体としての生産性が高い。
本発明の作動媒体が適用できる熱サイクルシステムとしては、具体的には、冷凍・冷蔵機器、空調機器、発電システム、熱輸送装置および二次冷却機等が挙げられる。
空調機器として、具体的には、ルームエアコン、パッケージエアコン(店舗用パッケージエアコン、ビル用パッケージエアコン、設備用パッケージエアコン等)、ガスエンジンヒートポンプ、列車空調装置、自動車用空調装置等が挙げられる。
冷凍・冷蔵機器として、具体的には、ショーケース(内蔵型ショーケース、別置型ショーケース等)、業務用冷凍・冷蔵庫、自動販売機、製氷機等が挙げられる。
発電システムとして、具体的には、蒸発器において地熱エネルギー、太陽熱、50〜200℃程度の中〜高温度域廃熱等により作動媒体を加熱し、高温高圧状態の蒸気となった作動媒体を膨張機にて断熱膨張させ、該断熱膨張によって発生する仕事によって発電機を駆動させ、発電を行うシステムが例示される。
熱輸送装置としては、潜熱輸送装置が好ましい。潜熱輸送装置としては、装置内に封入された作動媒体の蒸発、沸騰、凝縮等の現象を利用して潜熱輸送を行うヒートパイプおよび二相密閉型熱サイフォン装置が挙げられる。ヒートパイプは、半導体素子や電子機器の発熱部の冷却装置等、比較的小型の冷却装置に適用される。二相密閉型熱サイフォンは、ウィッグを必要とせず構造が簡単であることから、ガス−ガス型熱交換器、道路の融雪促進および凍結防止等に広く利用される。
[作動媒体の製造方法]
本発明の作動媒体の製造方法は、(E)−HFO−1132と前記第1の化合物を含有する組成物である作動媒体を得る方法であり、CFO−1112と水素とをパラジウム触媒存在下に80℃以上の温度で反応させて(E)−HFO−1132を生成する工程と、この工程で得られた生成物を蒸留する工程を有する。
<(E)−HFO−1132の生成工程>
(E)−HFO−1132を製造する態様としては、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(CFO−1112)の水素による還元を挙げることができる。この態様では、CFO−1112と水素からなる原料化合物を、触媒担持担体が充填された触媒層を有する反応器内で気相で反応させ、(E)−HFO−1132を含むガス(組成物)を生成する。
Figure 2015229768
(原料組成物)
CFO−1112の水素還元による(E)−HFO−1132の生成に用いられる原料組成物は、CFO−1112と水素を含む。
原料組成物におけるCFO−1112と水素の割合は、CFO−1112の1モルに対して水素が0.01〜8.0モルの範囲である。すなわち、反応器に供給するCFO−1112の単位時間当たりの供給量(以下、供給量と示す。)に対する水素の供給量のモル比(CFO−1112の供給モル量、水素の供給モル量を、それぞれCFO−1112、水素で表した場合の水素/CFO−1112)は、0.01〜8.0である。
水素/CFO−1112を上記範囲とすることで、原料成分の転化率、特にCFO−1112の転化率を高くすることができる。また、得られる反応生成物における、(E)−HFO−1132以外の成分、すなわち副生物の割合を抑制することができる。なお、転化率とは反応率ともいい、原料成分の反応した割合(モル%)を意味する。例えば、出口ガス中でその原料成分が占める割合(収率)がX%であるとき、(100−X)%を転化率という。
水素/CFO−1112は、0.1〜8.0の範囲がより好ましく、0.5〜4.0の範囲が特に好ましい。また、過剰の温度上昇を抑制するために、原料組成物を窒素等の不活性ガスで希釈して実施してもよい。
(反応器)
反応器としては、触媒担持担体を充填して触媒層を形成できる、公知の反応器が挙げられる。反応器の材質としては、ガラス、鉄、ニッケル、鉄もしくはニッケルを主成分とする合金等が挙げられる。反応器内の圧力は、取り扱い性の点から、常圧が好ましい。
(触媒および触媒担持担体)
触媒としてはパラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒は、担体に担持して用いることが好ましい。パラジウム触媒は、パラジウム単体のみならず、パラジウム合金であってもよい。また、パラジウムと他の金属との混合物を担持させた触媒や、パラジウムと他の金属とを担体に別々に担持させた複合触媒であってもよい。パラジウム合金触媒としては、パラジウム/白金合金触媒やパラジウム/ロジウム合金触媒等が挙げられる。
触媒としては、パラジウムやパラジウム合金のみを担体に担持させた触媒、またはパラジウムとパラジウム以外の他の金属とを担体に担持させた触媒が好ましい。パラジウムとパラジウム以外の他の金属とを担体に担持させた触媒は、パラジウムのみを担体に担持させた触媒に比べ、触媒耐久性が高くなる傾向がある。
パラジウム以外の他の金属としては、第8族元素(鉄、ルテニウム、オスミウム等)、第9族元素(コバルト、ロジウム、イリジウム等)、第10族元素(ニッケル、白金等)、および金等が挙げられる。他の金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。他の金属の割合は、パラジウム100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましい。
担体としては、活性炭、金属酸化物(アルミナ、ジルコニア、シリカ等)等が挙げられ、活性、耐久性、反応選択性の点から、活性炭が好ましい。活性炭としては、植物原料(木材、木炭、果実殻、ヤシ殻等)、鉱物質原料(泥炭、亜炭、石炭等)等から得られたものが挙げられ、触媒耐久性の点から、植物原料から得られたものが好ましく、ヤシ殻活性炭が特に好ましい。活性炭の形状としては、長さ2〜10mm程度の成形炭、4〜50メッシュ程度の破砕炭、粒状炭等が挙げられ、活性の点から、4〜20メッシュの破砕炭、または長さ2〜5mmの成形炭が好ましい。
パラジウムの担持量は、活性炭の100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜1質量部がより好ましい。パラジウムの担持量が0.1質量部以上であれば、原料化合物であるCTFEと水素との反応率が向上する。パラジウムの担持量が10質量部以下であれば、反応熱による触媒層の過剰な温度上昇を抑制しやすく、副生物の生成を低減しやすい。活性炭以外の担体においても、パラジウムの担持量は上記活性炭と同様の量が好ましい。
(触媒層)
反応器に触媒担持担体を充填することにより、反応器内に触媒層が形成される。触媒層における触媒担持担体の充填密度は、0.5〜1g/cmが好ましく、0.6〜0.8g/cmがより好ましい。触媒担持担体の充填密度が0.5g/cm以上であれば、単位容積当たりの触媒担持担体の充填量が多く、反応させるガス量を多くすることができるため、生産性が向上する。触媒担持担体の充填密度が1g/cm以下であれば、反応熱による触媒層の過剰な温度上昇を抑制しやすく、副生物の生成を低減しやすい。触媒担持担体の充填部分は、反応器内に1つあってもよく、2つ以上あってもよい。
気相反応を行うために、触媒層の温度は、CFO−1112と水素を含む原料組成物(混合ガス)の露点以上の温度とする。より好ましい触媒層の温度は、反応性の点から、80℃以上が好ましい。反応率が向上する点から、180℃以上が好ましく、230℃から260℃の範囲がより好ましい。
触媒層の温度は、触媒の劣化の進行に伴って次第に低下するので、反応率が低下するという問題がある。そのため、高い反応率を維持できるように、触媒層の温度を十分な温度に保つ操作を行うことが好ましい。例えば、触媒層を熱媒体等で外部から加熱して温度を維持している場合は、熱媒体の温度を徐々に上げて、触媒層の温度を高めることができる。
なお、触媒層の温度とは、外部からの加熱により維持される触媒層の温度をいう。通常原料混合ガスは、触媒層の一部の領域で反応し、反応熱の発生により反応域(原料混合ガスが反応している領域)は他の触媒層領域よりも高温となる。この反応域の触媒活性は経時的に低下するので、通常反応域は原料混合ガスの入口からガスの流れ方向の下流側に徐々に移動していく。また、反応域の下流側では、反応域で生成した温度の高い生成ガスが流れ、触媒層の温度よりも高温となり、反応域から離れるほど徐々に温度が低下していく。したがって、触媒層の温度とは、反応域の上流側の温度、すなわち熱媒体等で外部から加熱してその温度を維持している触媒層の温度をいう。
また、前記したように、原料混合ガスが反応している反応域およびその下流側の領域における温度は、反応熱により他の領域の触媒層の温度よりも高くなる。反応器の運転初期においては、ガスの入口側近傍の触媒が反応に寄与し、反応器の運転を続けて該触媒が劣化すると、それよりもガスの出口側の触媒が反応に寄与する。このように、反応器の運転を続けると、触媒層における反応域がガスの入口側からガスの出口側に向かって次第に移動する。つまり、触媒層の最高温度を示す部分は、反応域の移動とともに移動するため、運転初期においては、挿し込み型の温度計の計測部を触媒層のガスの入口側に位置させておき、反応の進行とともに該計測部をガスの出口側に移動させて、触媒層の最高温度を測定することが好ましい。
CFO−1112および水素からなる原料ガスと触媒との接触時間は、4〜90秒が好ましく、10〜60秒がより好ましい。この接触時間は、反応器に導入されるガス量と触媒層の体積から計算される。
接触時間=(W/100)×V/V´
式中、Wは、触媒層を流通する全ガス中の原料ガスの濃度(モル%)であり、Vは、触媒層を流通する全ガスの流量(cm/秒)であり、V´は触媒層の体積(cm)である。
触媒層における下式で表される原料ガスの線速度uは、0.1〜100cm/秒であることが好ましく、1〜30cm/秒であることがより好ましい。この線速度uは、反応器に導入されるガス量と触媒層体積から計算される原料化合物の線速度である。原料化合物の線速度uが0.1cm/秒以上であれば、生産性が向上する。原料化合物の線速度uが100cm/秒以下であれば、原料化合物と水素との反応率が向上する。
u=(W/100)×V/S
式中、Sは、ガスの流通方向に対する触媒層の断面積(cm)である。
(出口ガス成分)
このようなCFO−1112の水素還元においては、(E)−HFO−1132を含む組成物を上記反応器の出口ガスとして得ることができる。出口ガスに含有される(E)−HFO−1132以外の化合物としては、未反応原料であるCFO−1112に加えて、HFO−1132a、HFO−1141、HFC−161、エチレン、(Z)−HFO−1132(以上、第1の化合物。)、HCFO−1131a、HCFO−1122、(E)−1122a、(Z)−HCFO−1122a、(E)−HCFO−1131,(Z)−HCFO−1131、CFO−1112、CFO−1112a、HFC−152a、HFC−152、HCFC−142b、HCFC−142、HCFC−123a、HCFC−123、メタン、HCC−160およびCFC−11(以上、第2の化合物。)が挙げられる。
<蒸留工程>
出口ガスに含まれる(E)−HFO−1132以外の上記成分は、蒸留等の既知の手段により、望まれる程度に除去することができる。特に、蒸留により精製することが好ましい。公知の蒸留方法を採ることができる。そして、分離されたCFO−1112は原料の一部としてリサイクルが可能である。
このように、CFO−1112の水素還元により、本発明の(E)−HFO−1132を含む熱サイクル用作動媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<粗(E)−HFO−1132の製造>
内径2.1cm(断面積3.53cm)、長さ80cmのステンレス製の反応管に、ヤシ殻活性炭100質量部に対して0.5質量部のパラジウムを担持させたパラジウム担持活性炭を充填し、高さ80cmの触媒層を形成した。触媒層におけるパラジウム担持活性炭の充填密度は、0.62g/cmであった。
次いで、こうして形成された反応管内の触媒層を電気ヒータによって80℃に管理し、内圧(ゲージ圧)0.04MPaで、CFO−1112と水素からなる原料組成物(以下、原料ガスともいう。)を反応管に供給した。以下、圧力はいずれもゲージ圧とする。
原料ガスにおける水素とCFO−1112のモル比(水素/CFO−1112)が2.0となるようにして、原料ガスを反応管内に流通させた。触媒層に対する原料ガスの接触時間は53秒間とし、原料ガスの線速度uは1.5cm/秒とした。
反応中の触媒層の最高温度を、位置を移動させながら触媒層に挿入した挿し込み型の温度計により測定した。触媒層の最高温度は255℃であった。
なお、反応器の出口から取り出された出口ガスには、反応により生成または副生したガスの他に、未反応の原料ガスも含まれるが、以下の記載では出口ガスを生成ガスということもある。
次いで、反応管の出口から排出された生成ガスを、アルカリ洗浄してから脱水処理した後、ガスクロマトグラフィで分析して、出口ガスに含まれるガス成分のモル組成を計算した。また、出口ガスのモル組成を基にして、CFO−1112の反応率(転化率)を求めた。結果を、製造の条件とともに表2に示す。
なお、前記したように、CFO−1112の転化率は、反応したCFO−1112の割合(モル%)を意味し、出口ガス中のCFO−1112の占める割合(収率)がX%であるとき、(100−X)%をCFO−1112の転化率という。
また、表2において、HCFO−1122a(異性体)およびHCFO−1131(異性体)として示した化合物は、それより上方に記載した括弧書きのないHCFO−1122aおよびHCFO−1131の異性体である。後記する表3〜表6においても同様である。
Figure 2015229768
<粗(E)−HFO−1132の蒸留による精製>
次に、上記で得られた(E)−HFO−1132組成物(粗(E)−HFO−1132)を回収し、段数40段の蒸留塔(第一蒸留塔)の塔頂から10段目に7096.7g/hの速度で供給し、運転圧力1.55MPa(ゲージ圧)、塔頂温度−3.4℃、塔底温度70.7℃で連続的に蒸留を行った。このとき、還流液は蒸留塔の最上段に供給した。
そして、還流比16.0で運転し、塔頂から低沸点成分が濃縮した留分を379.6g/hの速度で留出させ、塔底から缶出液を6717.1g/hの速度で留出させた。ここで、第一蒸留塔の塔頂からの留出液を留出液1と示し、塔底からの缶出液を缶出液1と示す。留出液1および缶出液1の組成、塔頂温度、塔底温度をそれぞれ表3に示す。
Figure 2015229768
次に、上記第一蒸留塔の缶出液1を、段数30段の蒸留塔(第二蒸留塔)の塔頂から25段目に6717.1g/hの速度で供給し、運転圧力1.5MPa、塔頂温度26.7℃、塔底温度81.3℃で連続的に蒸留を行った。このとき、還流液は蒸留塔の最上段に供給した。
そして、還流比10.0で運転し、第二蒸留塔の塔頂から(E)−HFO−1132を含む組成物の留分を896.0g/hの速度で留出させ、塔底から缶出液を5821.1g/hの速度で留出させた。ここで、第二蒸留塔の塔頂からの留出液を留出液2と示し、塔底からの缶出液を缶出液2と示す。留出液2および缶出液2の組成、塔頂温度、塔底温度をそれぞれ表4に示す。
こうして、留出液2として、(E)−HFO−1132を主成分として含む組成物が得られた。この(E)−HFO−1132組成物が、実施例1で得られた作動媒体となる。なお、表3および表4から、本実施例における(E)−HFO−1132の蒸留収率は、76.4%であることがわかる。また、表4から、作動媒体において、第1の化合物の総含有量は、(E)−HFO−1132の含有量と第1の化合物の総含有量との合計(以下、(E)−HFO−1132と第1化合物の合計含有量と示す。)に対して、0.33質量%であることがわかる。
Figure 2015229768
[実施例2]
<粗(E)−HFO−1132の蒸留による精製>
実施例1における粗(E)−HFO−1132の製造と同様にして得られた組成物(粗(E)−HFO−1132)を回収し、7096.7g/hの速度で段数40段の蒸留塔(第一蒸留塔)の塔頂から38段目に供給し、運転圧力1.55MPa、塔頂温度16.4℃、塔底温度81.9℃で連続的に蒸留を行った。このとき、還流液は蒸留塔の最上段に供給した。
そして、還流比11.0で運転し、第一蒸留塔の塔頂から低沸点成分および(E)−HFO−1132が濃縮した留分を1230.2g/hの速度で留出させ、塔底から缶出液を5866.5g/hの速度となるよう留出させた。ここで、第一蒸留塔の塔頂からの留出液を留出液3とし、塔底からの缶出液を缶出液3と示す。留出液3と缶出液3の組成、塔頂温度、塔底温度をそれぞれ表5に示す。
Figure 2015229768
次に、上記第一蒸留塔の留出液3を、段数30段の蒸留塔(第二蒸留塔)の塔頂から22段目に1230.2g/hの速度で供給し、運転圧力1.5MPa、塔頂温度−7.6℃、塔底温度26.4℃で連続的に蒸留を行った。このとき、還流液は蒸留塔の最上段に供給した。
そして、還流比10.0で運転し、塔頂から低沸点成分が濃縮した留分を326.6g/hの速度で留出させ、塔底から缶出液を903.6g/hの速度で留出させた。ここで、第二蒸留塔の塔頂からの留出液を留出液4と示し、塔底からの缶出液を缶出液4と示す。留出液4および缶出液4の組成、塔頂温度、塔底温度をそれぞれ表6に示す。
こうして、缶出液4として、(E)−HFO−1132を主成分として含む組成物が得られた。この(E)−HFO−1132組成物が、実施例2で得られた作動媒体となる。なお、表5および表6から、本実施例における(E)−HFO−1132の蒸留収率は、76.9%であることがわかる。また、表6から、作動媒体において、第1の化合物の総含有量は、(E)−HFO−1132と第1化合物の合計含有量に対して、0.49質量%であることがわかる。
Figure 2015229768
[冷凍能力Qの測定]
実施例1および2で得られた作動媒体について、以下の方法で、冷凍サイクル性能(以下、冷凍能力Qという。)を測定した。
なお、冷凍能力Qは負荷流体を冷凍する能力を意味しており、Qが高いほど同一のシステムにおいて、多くの仕事ができることを意味している。言い換えると、大きなQを有する場合は、少量の作動媒体で目的とする性能が得られることを表しており、システムの小型化が可能となる。
冷凍能力Qの測定は、図1に示す冷凍サイクルシステム10に作動媒体を適用して、図2に示す熱サイクル、すなわちAB過程で圧縮機11による断熱圧縮、BC過程で凝縮器12による等圧冷却、CD過程で膨張弁13による等エンタルピ膨張、DA過程で蒸発器14による等圧加熱を実施した場合について行った。
なお、図1に示す冷凍サイクルシステム10は、作動媒体(蒸気)を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11から排出された作動媒体の蒸気を冷却し液体とする凝縮器12と、凝縮器12から排出された作動媒体(液体)を膨張させる膨張弁13と、膨張弁13から排出された液状の作動媒体を加熱して蒸気とする蒸発器14とを備える。この冷凍サイクルシステム10において、作動媒体は、蒸発時、蒸発器14の入口から出口に向かい温度が上昇し、反対に凝縮時、凝縮器12の入口から出口に向かい温度が低下する。冷凍サイクルシステム10においては、蒸発器14および凝縮器12において、作動媒体と対向して流れる水や空気等の熱源流体との間で熱交換を行うことにより構成されている。熱源流体は、冷凍サイクルシステム10において、蒸発器14では「E→E’」で示され、凝縮器12では「F→F’」で示される。
測定条件は、蒸発器14における作動媒体の平均蒸発温度を0℃、凝縮器12における作動媒体の平均凝縮温度を40℃、凝縮器12における作動媒体の過冷却度(SC)を5℃、蒸発器14における作動媒体の過熱度(SH)を5℃として実施した。
蒸発器において、熱源流体としてフッ素系ブライン(アサヒクリンAE−3000:旭硝子株式会社製)を用い、蒸発器14での熱交換の前後の熱源流体の温度と流量から、作動媒体の冷凍能力Qを求めた。
冷凍能力Qの評価結果を、作動媒体中の第1の化合物の割合(質量%)とともに表7に示す。
表7においては、各作動媒体の第1の組成物の含有量が0ppmの時の冷凍能力Qを1とした際の相対能力で評価を行い、相対能力の値が1以上を◎(優)、0.9〜1以上を○(良)、0.7〜0.9を△(やや不良)、0.7未満を×(不良)と評価して記載した。
Figure 2015229768
表7から、実施例1および実施例2の作動媒体は、いずれも冷凍能力Qに優れることがわかる。
本発明の(E)−HFO−1132を含む熱サイクル用作動媒体は、冷凍・冷蔵機器(内蔵型ショーケース、別置型ショーケース、業務用冷凍・冷蔵庫、自動販売機、製氷機等)、空調機器(ルームエアコン、店舗用パッケージエアコン、ビル用パッケージエアコン、設備用パッケージエアコン、ガスエンジンヒートポンプ、列車用空調装置、自動車用空調装置等)、発電システム(廃熱回収発電等)、熱輸送装置(ヒートパイプ等)に利用可能である。
10…冷凍サイクルシステム、11…圧縮機、12…凝縮器、13…膨張弁、14…蒸発器、15,16…ポンプ。

Claims (9)

  1. (E)−1,2−ジフルオロエチレンと、
    1,1−ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、フルオロエタン、(Z)−1,2−ジフルオロエチレンおよびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つである第1の化合物を含有することを特徴とする熱サイクル用作動媒体。
  2. 前記第1の化合物のそれぞれの含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第1の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項1に記載の熱サイクル用作動媒体。
  3. 前記第1の化合物の総含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第1の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項1または2に記載の熱サイクル用作動媒体。
  4. さらに、1−クロロ−1−フルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン、(E)−1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、(Z)−1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、(E)−1−クロロ−2−フルオロエチレン、(Z)−1−クロロ−2−フルオロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン、(E)−1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、(Z)−1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、メタン、クロロエタンおよびトリクロロフルオロメタンからなる群から選択される少なくとも1つである第2の化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱サイクル用作動媒体。
  5. 前記第2の化合物のそれぞれの含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第2の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項4に記載の熱サイクル用作動媒体。
  6. 前記第2の化合物の総含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第2の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項4または5に記載の熱サイクル用作動媒体。
  7. 1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレンと水素とを、パラジウム触媒存在下に80℃以上の温度で反応させる反応工程と、
    前記反応工程で得られた生成物を蒸留する工程を有し、
    (E)−1,2−ジフルオロエチレンと、1,1−ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、フルオロエタン、(Z)−1,2−ジフルオロエチレンおよびエチレンからなる群から選択される少なくとも1つである第1の化合物を含有する組成物を得ることを特徴とする熱サイクル用作動媒体の製造方法。
  8. 前記組成物において、前記第1の化合物のそれぞれの含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第1の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項7に記載の熱サイクル用作動媒体の製造方法。
  9. 前記組成物において、前記第1の化合物の総含有量が、前記(E)−1,2−ジフルオロエチレンの含有量と前記第1の化合物の総含有量との合計に対して0.5質量%未満の割合である、請求項7または8に記載の熱サイクル用作動媒体の製造方法。
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