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JP2015138798A - エレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法、有機半導体素子及びesd法用塗布溶液 - Google Patents

エレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法、有機半導体素子及びesd法用塗布溶液 Download PDF

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JP2015138798A JP2014007881A JP2014007881A JP2015138798A JP 2015138798 A JP2015138798 A JP 2015138798A JP 2014007881 A JP2014007881 A JP 2014007881A JP 2014007881 A JP2014007881 A JP 2014007881A JP 2015138798 A JP2015138798 A JP 2015138798A
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film
coating solution
organic
coating
solvent
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聡 中島
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】エレクトロスプレーデポジション法により、親水性表面に直接膜を製造する方法と、そのために用いられる塗布液を提供すること。
【解決手段】塗布溶液に電圧を印加し、電圧を印加された塗布溶液を帯電液滴として塗布面に噴霧するエレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法において、該塗布溶液の含水量が100ppm以下であることを特徴とする膜の製造方法、より好ましくは塗布面が親水性である膜の製造方法と、少なくとも有機溶媒と膜を形成するための溶質を含有するエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液において、含水量が100ppm以下であることを特徴とするエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液。
【選択図】図4

Description

本発明は、エレクトロスプレーデポジション法(ESD法)による膜の製造方法およびそれに使用される塗布溶液、有機半導体素子及びESD法用塗布溶液に関し、より好ましくは、エレクトロスプレーデポジション法による有機半導体の成膜に適した膜の製造方法およびそれに使用される塗布溶液に関する。
近年、静電反発力を利用して微細な液滴や微細な粒子を生成するエレクトロスプレー法を塗布に適用したエレクトロスプレーデポジション法の研究が盛んである。エレクトロスプレーデポジション法は微細な液滴を容易に生成できるため良質な塗布膜を得られやすく、電界によって塗布位置を制御できるため精密な塗布が可能であることなど優れた特徴を持つ塗布方法である。これらの特徴を生かして例えば特許文献1に開示されるような有機半導体素子への応用などが研究されている。またエレクトロスプレーデポジション法の一般論については非特許文献1に詳しい。
特開2013−093139号公報
Electrospray Technology for Thin Film Deposition, page 4, 著者Anatol Jaworek, 出版社Nova Science Pub Inc (2010年12月15日)
このようにエレクトロスプレーデポジション法は、均一な塗布膜の形成に高い効果を有する塗布方法ではあるが、疎水性の強い材料、例えば低分子量系有機材料を、親水性の塗布面上に塗布しようとすると、均一な薄膜にならず、例えば網目状の膜になってしまうことがあるという課題があった。このことは、エレクトロスプレーデポジション法では、親水性面であるITO(In錫酸化物)やIGZO(InGaZn酸化物)付きガラス基板上に、直接成膜することが困難であることを意味している。この課題を解決する方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が提案されており、例えば蒸着やスピンコートなどにより、親水性の塗布面上に疎水性被覆層を事前に形成することにより解決することができる。しかしこれらの方法では工程数が増え、プロセス制御の簡便さを十全に発揮できない恐れがある。さらには、事前に蒸着やスピンコートなどにより形成される疎水性被覆層は、エレクトロスプレーデポジション法ほど精密に塗布することが難しいため、塗布エレクトロスプレーデポジション法が持つ精密塗布性が発揮できなくなりやすい。また、塗布面と、塗布溶液の組み合わせにより、良質な膜が得られたり、得られなかったりすることは、その組み合わせごとの最適化が必要なことになり、煩雑である。
そこで本発明者は鋭意検討の結果、エレクトロスプレーデポジション法で用いられる塗布溶液の含水量を、通常市販の溶媒の含水量より低く抑制することにより、塗布面と溶質の関係を詳しく検討することなく、例えば親水性の基板上に疎水性の低分子量系有機材料をエレクトロスプレーデポジション法で直接成膜することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
本発明の要旨は、以下に存する。
(1)塗布溶液に電圧を印加し、電圧を印加された塗布溶液を帯電液滴として塗布面に噴霧するエレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法において、該塗布溶液の含水量が100ppm以下であることを特徴とする膜の製造方法。
(2)塗布面が親水性である(1)記載の膜の製造方法。
(3)塗布溶液が有機半導体材料を含有するものである(1)又は(2)に記載の膜の製造方法。
(4)有機半導体材料の分子量が300以上5000未満であるところの(1)乃至(3)のいずれかに記載の膜の製造方法。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の製造方法により製造された層を有する有機半導体素子。
(6)少なくとも有機溶媒と溶質を含有するエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液において含水量が100ppm以下であることを特徴とするエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液。
塗布面と溶質の関係を詳しく検討することが不要であり、特にエレクトロスプレーデポジション法を用いてITO付きガラス基板のような親水性の基板上に疎水性の材料、特に低
分子量系有機材料を直接成膜することが可能となる。このことは複数の成膜プロセスの組み合わせによるよりも簡便で制御しやすく、ゆえに精密な塗布が可能なプロセスの提供を可能とする。
一実施形態に係る有機EL素子を表す図。 一実施形態に係る有機太陽電池を表す図。 一実施形態に係る有機トランジスタを表す図。 本発明の実施例における塗布開始後30秒後の膜の状態を説明するための図。 本発明の実施例における塗布開始後2分後の膜の状態を説明するための図。 本発明の実施例における塗布開始後8分後の膜の状態を説明するための図。 水分量150ppmの塗布液を用いた場合の塗布開始後2分後の膜の状態を説明するための図。 水分量300ppmの塗布液を用いた場合の塗布開始後30秒後の膜の状態を説明するための図。 水分量300ppmの塗布液を用いた場合の塗布開始後2分後の膜の状態を説明するための図。
本発明は、エレクトロスプレーデポジション法の改良技術であり、塗布溶液中の水分量を管理することが特徴である。本発明者らは、通常親水性の基板上に疎水性の低分子量系有機材料を成膜するにおいては、塗布溶液中の水分量が多い方が基板への親和性が高くなり、濡れ性が向上して成膜しやすくなると予想されるが、意外にも塗布溶液中の水分量が少ない方が、成膜性が向上して良質な膜を得ることができることを見出した。また特に塗布溶液を大気暴露したことにより大気中から塗布溶液に侵入する水分や、脱水していない溶媒を使用したために塗布溶液中に混入する程度の微量の水分でも成膜性が低下し、良質な膜がうまくできなくなってしまうことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明はエレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法であって、より好ましくは親水性の基板上に疎水性の低分子量系有機材料の膜を製造する方法であっ
て噴霧される塗布溶液中の含水量が100ppm以下であるところの塗布溶液を用いることに存する。
以下、本発明の実施形態を有機半導体素子の製造を例に図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る製造方法によれば、有機半導体層を含む有機半導体素子が製造される。本実施形態に係る製造方法は、溶質、好ましくは溶質として有機半導体材料を含む塗布液を、エレクトロスプレーデポジション法により塗布面上に噴霧することにより、有機半導体層を成膜する成膜工程を含む。この成膜工程において噴霧される塗布溶液中の水分量が100ppm以下である塗布溶液を用いる。
また、より好ましくは、塗布面が親水性であることである。親水性の面とは、水との接触角が90°以下の面である。本発明の効果がより顕著に表れる点からは、塗布される面の水との接触角が70°未満であることが、より好ましい。
<エレクトロスプレー法>
エレクトロスプレー法の原理について簡単に説明する。エレクトロスプレー現象は静電噴霧とも呼ばれている。エレクトロスプレー現象のメカニズムは一般に次のように考えられている。
(1)塗布溶液を含むノズルと、これと対向する電極(塗布面)との間に、数千から数万Vの電圧を印加する。塗布溶液は溶媒を含んでいる。
(2)電界集中効果によりノズル先端において強力な電界が発生する。(以下、「主電界」と呼ぶ)
(3)ノズル先端の塗布溶液表面が帯電し、電界との相互作用によりテイラーコーン(Taylor-cone)と呼ばれる円錐状のメニスカスが形成される。
(4)電界をさらに強くすると、塗布溶液表面での静電反発力が表面張力を上回り、テイラーコーンの先端から液滴が噴霧される。このとき噴霧の状態によってはジェットと呼ばれることもあるが、本発明ではジェット状態も含め液滴と表現する。
(5)噴霧された液滴等のサイズは非常に小さいため、短時間のうちに溶媒が蒸発する。(6)溶媒が蒸発することにより液滴の電荷密度が増すために、液滴が静電分裂し、液滴の微細化が進行する。
(7)微細化した液滴が対向する電極(塗布面)に付着することにより、塗布溶液が電極(塗布面)に塗布される。溶媒が充分に蒸発すれば溶質が析出して塗布される。このようにして塗布溶液をエレクトロスプレー法を用いて塗布する手法をエレクトロスプレーデポジション法と呼ぶ。
エレクトロスプレー法により塗布溶液をノズルから噴霧する際には、ノズルから1方向に塗布溶液が噴霧されることがある。また、ノズルから2以上の方向に溶液が噴霧されることもある(マルチジェット)。本発明の場合には、多方向に噴出してもできないことは無いが、所望の場所に所望の大きさの液滴を塗布するためのコントロールが難しくなるため、1方向に塗布溶液が噴霧されることが好ましい。
なかでもエレクトロスプレーデポジション法により塗布溶液を均一に塗布するためには、ノズルから安定してスプレーが噴霧されることが好ましい。具体的には、被塗布物表面のうち、ノズルの延長方向と被塗布物との交点を中心とする円形領域内へと、微細化した液滴が付着することが好ましい。この場合、ノズルの延長方向を円錐軸の中心とする円錐状に噴霧された液滴が拡散することとなる。以下では、このような好ましい噴霧状態をコーンジェットモード(cone-jet mode)と呼ぶ。コーンジェットモードについては、前述
の非特許文献1でより詳しく説明されている。
本発明のエレクトロスプレーデポジション法に使用されるノズルの内径は好ましくは0
.01mm以上2mm以下、より好ましくは0.02mm以上1.5mm以下、さらに好ましくは0.03mm以上1mm以下、特に好ましくは0.05mm以上0.6mm以下である。ノズルの内径が0.01mm以上では噴霧速度を上げることが容易であり、また異物などが溶液に混入した場合にもノズルの閉塞が生じにくく安定した運転が行える。ノズルの内径が2mm以下では電界集中が充分に生じ、安定した塗布を行うことが容易である。
本実施形態に係る方法では、エレクトロスプレーデポジション法により噴霧された塗布溶液の噴霧速度はノズル1本当たり、好ましくは0.5μL/分以上であり、より好まし
くは5μL/分以上、さらに好ましくは10μL/分以上、特に好ましくは20μL/分以
上である。噴霧速度が0.5μL以上であると例えば大型基板の塗布や多数枚の基板の塗
布を短時間で行うことができる。噴霧速度の上限は特になく、塗布対象の大きさや枚数により適切に設定することができる。
<塗布溶液>
以下に、本実施形態で用いられる塗布溶液の好ましい例について説明する。
塗布溶液は、溶液中の含水量が100ppm以下であり、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、特に好ましくは30ppm以下である。一方下限値は、特に限定されないが、脱水及び塗布溶液の調合の際の手間と、本発明の効果に影響が少ない範囲を考えると、10ppm以上が好ましい。水分量の測定は、カールフィッシャー法により測定することが簡易で好ましい。
溶質の分子量は特に限定されないが、通常5000以下、好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。 上記範囲内であると、精製が比較的容易でガラス転移温度
及び、融点、気化温度などが高いため、得られた膜の耐熱性が良好である。
製造可能な膜としては、特に限定されないが、疎水性の溶質を塗布するものが好ましく、また特に細かい塗布が可能であるというエレクトロスプレーデポジション法の利点を発揮することができる有機半導体素子中の膜が好ましい。有機半導体素子(又は有機半導体デバイス)の例としては、有機電界発光素子(有機ELディスプレイ、有機EL照明、若しくは有機ELサイネージ等)、有機太陽電池、有機撮像素子、有機トランジスタ、又は有機メモリ等が挙げられる。本発明は、これらの素子のいずれの膜(必ずしも面を意味せず、回路の配線のような場合を含む)にも適用可能であるが、好ましくは親水性表面の上に塗布する膜であり、特に好ましくは、親水性であることが多いガラス基板上に導電性酸化物を形成した表面に成膜することである。
また本発明により、有機導電体材料(導電性ポリマー等)又は無機導電体材料(金属又は金属酸化物の分散粒子等、グラフェン等)を含む塗布溶液を塗布することにより、電極層(膜)を作製することができる。
さらには、各種コーティング材料(有機材料、有機/無機複合材料、無機材料等)を含む塗布溶液を塗布することにより、表面平滑化、デバイス保護、又はバリア性付与等のために設けられる上塗り膜を作製することができる。
また、塗布溶液をエレクトロスプレーデポジション法によって塗布することにより、機能性膜を作製することができる。機能性膜の例としては、光学膜(低反射膜、高反射膜、吸収膜、散乱膜、偏光膜、若しくは光取り出し膜等)、導電膜(透明導電膜、反射導電膜、抵抗導電膜、若しくは配線等)、保護膜(絶縁膜、ガスバリア膜、紫外線吸収膜、若しくは耐摩擦性膜等)等が挙げられる。また、これらの機能性膜を有する機能性部材を作製することもできる。機能性部材の例としては、例えばブロック状や板状の部材(金属、セラミクス、ガラス、若しくはプラスチック等)、フィルム状部材(金属箔、紙、若しくは
プラスチック等)、メッシュ状若しくは繊維状の部材(金属、カーボン、セルロース、ガラス、若しくはプラスチック等)、等が挙げられる。
<有機半導体膜の製造方法>
以下では、有機半導体膜を製造する際に用いられる、有機半導体材料を含む塗布溶液について好ましい例を説明する。尚、有機半導体材料の代わりにその他の薄膜材料、例えば絶縁膜を形成するための塗布溶液も、同様の組成比を有するように考えればよく、以下の説明の有機半導体材料の部分を当該薄膜材料に代えて考えればよい。尚、「膜」に代えて「層」という場合がある。例えば、「正孔注入膜」を「正孔注入層」と記載する場合があるが、本明細書では同義として扱う。
塗布溶液は、以下の組成を有することが好ましい。
(1)溶質:0.1〜10重量%
(2)溶媒:90〜99.9重量%
塗布溶液は少なくとも1種類の溶媒を含んでいる。しかしながら、溶質の溶解性を向上させながら後述する電荷移動抵抗値を低くする観点からは、2種類以上の溶媒を併用することが好ましい。すなわち、塗布溶液は少なくとも第1の溶媒と第2の溶媒とを含んでいることが好ましい。
第1の溶媒は、電荷移動抵抗値をより低くできる溶媒である。電荷移動抵抗値を低くすると、安定してコーンジェットモードを達成しやすくなる、つまり塗布の安定性が向上する。本発明者らは、溶媒の比誘電率がより高い場合に電荷移動抵抗値がより低くなる傾向があることを見出した。この観点から、第1の溶媒(電荷移動抵抗値を低くして、安定した塗布をするための溶媒)の比誘電率は15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、25以上であることがさらに好ましい。このような第1の溶媒は、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミド類、カーボネート類、アルデヒド類、グリコール類、又はカルボン酸類から選択されうる。第1の溶媒は、比誘電率が10以上の溶媒が2種類以上混合されたものであってもよい。
第2の溶媒は、溶質をより溶解させやすい溶媒である。上述のように第1の溶媒としては比誘電率がより高い溶媒を用いることが好ましい傾向がある。一方で比誘電率が高い溶媒に対しては、有機半導体材料の溶解度が低くなる傾向がある。そこで、第2の溶媒として溶質をより溶解させやすい溶媒を併用する。第2の溶媒の比誘電率はより低いことが、溶解性の点で好ましい。具体的には、第2の溶媒の比誘電率は10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。第2の溶媒は有機半導体材料に対して溶解性を有するものであれば特に限定はないが、有機半導体材料の溶解性を高める観点からは、通常は有機溶媒が用いられる。使用可能な溶媒の例としては、エタノール(比誘電率:24)、イソプロピルアルコール(比誘電率:19)等のアルコール類;ジエチルエーテル(比誘電率:4.3)、テトラヒドロフラン(比誘電率:7.6)等のエーテル類;酢酸エチル(比誘電率:6.4)、安息香酸エチル(比誘電率:6)等のエステル類;アセトン(比誘電率:21)、フェンコン(比誘電率:20)等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(比誘電率:38)、ジメチルアセトアミド(比誘電率:38)等のアミド類;ジメチルカーボネート(比誘電率:2.7)、プロピレンカーボネート(比誘電率:64)等のカーボネート類;ホルムアルデヒド(比誘電率:23)、アセトアルデヒド(比誘電率:22)等のアルデヒド類;エチレングリコール(比誘電率:39)、ポリエチレングリコール等のグリコール類;酢酸等のカルボン酸類;n−ヘキサン(比誘電率:2.0)、シクロヘキサン(比誘電率:2)等の炭化水素類;ジクロロメタン(比誘電率:9)、トリクロロエタン(比誘電率:7.5)等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン(比誘電率:2.3)、キシレン(比誘電率:2.3)、クロロベンゼン(比誘電率:5.6)、シクロヘキシルベンゼン(比誘電率:2.3)等
の芳香族炭化水素類;ピリジン(比誘電率:12)等の芳香族複素環類;等が挙げられる。溶解度を向上させる点から、第2の溶媒に対する有機半導体材料の溶解度は0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることがより好ましく、0.5重量%以上であることがさらに好ましく、1重量%以上であることが特に好ましい。
電荷移動抵抗値をより低くする観点から、塗布溶液に含まれる第1の溶媒の量は、10重量%以上であることが好ましく、25重量%以上であることがより好ましく、40重量%以上であることがさらに好ましく、50重量%以上であることがよりさらに好ましく、60重量%以上であることが一層好ましく、75重量%以上であることが特に好ましい。また、第1の溶媒の量に特に上限はないが、溶質をより溶解させやすいという観点から90重量%以下であることが好ましい。
電荷移動抵抗値をより低くする観点から、塗布液に含まれる第2の溶媒の量は、90重量%以下であることが好ましく、75重量%以下であることがより好ましく、60重量%以下であることがさらに好ましく、50重量%以下であることがよりさらに好ましく、40重量%以下であることが一層好ましく、25重量%以下であることが特に好ましい。また、第2の溶媒の量に特に下限はないが、溶質をより溶解させやすいという観点から10重量%以上であることが好ましい。
塗布溶液は、さらなる添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、酸及びイオン性物質が挙げられる。酸の例としては、ギ酸や酢酸等が挙げられる。イオン性物質の例としては、4級アンモニウム塩等が挙げられる。塗布液に含まれる酸の量は、0.01重量%以上であることが好ましく、また5重量%以下であることが好ましい。また、塗布液に含まれるイオン性物質の量は、0.01重量%以上であることが好ましく、また5重量%以下であることが好ましい。塗布液が酸又はイオン性物質を0.01重量%以上含むことにより、塗布液の電荷移動抵抗値がより低くなることが期待される。また、酸又はイオン性物質の量を5重量%以下とすることにより、塗布によって得られた膜の特性が損なわれることを防ぎうる。
溶質としては、既述の通り、有機、無機の導電材料や、コーティング材料などを使用でき、特に限定されないが、水分管理の観点から、アルキル基やアリール基のような疎水基をその分子構造に含むものが好ましい。また、有機半導体材料であることも好ましい。またその分子量も既述の通り、特に限定されないが、通常5000以下、好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。上記範囲内であると、精製が比較的容易でガラス転移温度及び、融点、気化温度などが高いため、得られた膜の耐熱性が良好である。溶質として複数の材料が含まれている場合には、これらの重量比での平均をとるとよい。
[塗布溶液の製造方法]
塗布溶液の製造方法は特に限定されず、溶質と溶媒とを混合して製造すればよい。第1の溶媒と第2の溶媒とを混合して用いる場合、第2の溶媒(溶質を溶かしやすい溶媒)に溶質を溶解させ、その後第1の溶媒(電荷移動抵抗値を低くして、安定した塗布をするための溶媒)を加えることが、より容易に溶質が溶解しうる点で好ましい。第1の溶媒について注意を要するのは水分の管理である。第1の溶媒は、多くの場合極性溶媒であり水との親和性が高い場合が多く塗布溶液への水分混入の原因となりやすい。水分の混入を抑制するためには第1の溶媒を事前にモレキュラーシーブ等を用いて脱水処理を行ったり、市販の脱水グレード品を用いることが好ましい。さらにドライルームやグローブボックス等の水分管理が成された設備中で作製することがより好ましい。第1の溶媒中の水分量は、100ppm以下が好ましい。また、この後の工程でppmオーダーの水が混入することは十分考えられるので、より好ましくは70ppm以下、特に好ましくは50ppm以下
である。第2の溶媒(溶質を溶かしやすい溶媒)中の水分量についても、同様である。第2の溶媒は通常は疎水性であり、多くの場合100ppm以下にすることは容易である。しかしアルコール類を使用する際には水分の混入が起こりやすく、また脱水グレードでもかなりの水分を含んでいることがあるため、注意が必要である。水分量の測定は、カールフィッシャー法により測定することが簡易で好ましい。
<有機半導体素子の例>
以下に、本発明の実施形態に係る製造方法を用いた有機半導体素子の作製例として、有機EL素子、有機太陽電池、及び有機トランジスタの作製方法について説明する。
<有機EL素子>
図3は、一実施形態に係る有機EL素子の構造を模式的に表す断面図である。図3に表す有機EL素子10は、基板11の上に、陽極12、正孔注入層13、発光層14、電子輸送層15、及び陰極16を、この順に積層して構成される。これらの層のうち少なくとも1つは、対応する材料を含む塗布溶液をエレクトロスプレーデポジション法によって塗布することによって形成されている。これらの層のうち少なくとも1つは有機半導体層であり、通常は正孔注入層13と電子輸送層15との少なくとも一方として有機半導体層が用いられる。
(基板)
基板11は有機EL素子10の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板等、汎用材料からなる透明基板を用いることが好ましい。
(陽極)
基板11上には、例えば陽極12が設けられる。陽極12は、発光層14側の層(正孔注入層13又は発光層14等)への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極12は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属;インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物;ヨウ化銅等のハロゲン化金属;カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
(正孔注入層)
正孔注入層13は、陽極12から発光層14へ正孔を輸送する層である。この正孔注入層の材料は、正孔注入層13を形成しうるものであれば特に制限は無い。ただし、通常は、正孔注入層の材料として、高分子化合物(以下、適宜ポリマーともいう)及び電子受容性化合物を用いる。正孔注入層の材料として用いられるポリマーの種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。また、正孔注入層の材料として用いられる電子受容性化合物の種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その例としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩;塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素等が挙げられる。
(発光層)
正孔注入層13の上には発光層14が設けられる。発光層14は、電界を与えられた電極間において、陽極12から正孔注入層13を通じて注入された正孔と、陰極16から電子輸送層15を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる
層である。
発光層14は、1ないし複数の発光層からなりその構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有する。発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよい。青色発光を与える蛍光色素(青色蛍光色素)としては、例えば、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。緑色発光を与える蛍光色素(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色発光を与える蛍光色素(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色発光を与える蛍光色素(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。燐光発光材料としては、例えば、周期表第7〜11族から選ばれる金属元素を含む有機金属錯体が挙げられる。
(電子輸送層)
電子輸送層15は、素子の発光効率をさらに向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極16から注入された電子を効率よく発光層14の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層15に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極16からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
(陰極)
陰極16は、発光層14側の層(電子輸送層15又は発光層14等)に電子を注入する役割を果たすものである。陰極16の材料としては、前記の陽極12に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
<有機太陽電池>
図4は、一実施形態に係る太陽電池の構造を模式的に表す断面図である。図4に表す太陽電池について以下に説明する。金属箔21上に絶縁層22が設けられ、この絶縁層22の上に薄膜よりなる複数の下部電極23が相互に間隔をあけて設けられている。下部電極23の上に複数の有機半導体よりなる有機薄膜起電力層24が設けられ、その上に薄膜よりなる上部電極25が設けられている。この上部電極25は、隣接する下部電極23の一端に接続されている。上部電極25の上に補助電極26が設けられている。金属箔21の周縁に封止材27が囲枠状に配置されている。封止材27の内側領域に封止材料28が存在している。封止材27は、光硬化性樹脂よりなり、その上側に可撓性フィルム29が被
着している。これらの構成要素のうち少なくとも1つは、対応する材料を含む塗布溶液をエレクトロスプレーデポジション法によって塗布することによって形成されており、特に有機薄膜起電力層の形成に好適に適用される。
図示の通り、単位セルは、下部電極23、有機薄膜起電力層24、上部電極25及び補助電極26により構成される。図の左側の単位セルの上部電極25が右側の単位セルの下部電極23に接続されており、双方の単位セルが直列に接続されている。太陽電池の発電電力は、左側の単位セルの下部電極23と、右側の単位セルの上部電極25に導通する下部補助電極23Aとから取り出される。
金属箔21の材質は鉄、銅、アルミ、亜鉛、錫、クロム、ニッケルやそれらの合金が好適であり、特にアルミ合金やステンレス鋼が好適である。
絶縁層22は、金属酸化物被膜(例えば金属箔の表面を酸化することによって形成した酸化被膜)であってもよく、合成樹脂被膜であってもよく、その他の材料よりなる被膜であってもよい。その他の材料としては、有機無機ハイブリッド材料が例示される。
有機薄膜起電力層24は、有機半導体により形成される有機半導体層である。有機半導体は半導体特性により、p型、n型に分けられる。p型、n型は、電気伝導に寄与するのが、正孔、電子いずれであるかを示しており、材料の電子状態、ドーピング状態、トラップ状態に依存する。したがって、p型、n型は必ずしも明確に分類できない場合があり、同一物質でp型、n型両方の特性を示すものもある。
p型半導体の例として、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン等のポルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;ナフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェン及びこれら化合物を骨格として含む誘導体が挙げられる。さらに、ポリ(3−アルキルチオフェン)等を含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等が例示される。
n型半導体の例として、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアザポルフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体等が挙げられる。
少なくともp型の半導体及びn型の半導体が含有されていれば、有機半導体層の具体的な構成は任意である。
下部電極23及び上部電極25としては導電性を有する材料により形成することが可能であり、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)等の金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、PEDOT−PSS(ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルフォン酸))等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等のドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料等が挙げられる。なかでも、正孔を捕集する導電性基材又は電極には、Au、ITO等の深い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する導電性基
材又は電極には、Alのような浅い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集する利点がある。
少なくとも受光面側の上部電極は、発電のために光透過性を有していることが好ましい。但し、電極が透明でなくても発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極の材料を挙げると、例えば、ITO、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜等が挙げられる。また、この際、光の透過率の具体的範囲に制限は無いが、太陽電池素子の発電効率を考慮すると、光学界面での部分反射によるロスを除き、80%以上が好ましい。
これらは透明性を求められるために膜厚を厚くすることができず、その結果抵抗値を必要な値まで低くすることが難しい。そこで、補助電極26として金属材料からなる電極を、上部電極のさらに上に形成し、上部電極の抵抗値を下げる構成が用いられる。補助電極の材料としては、銀ペースト、アルミ蒸着膜等の金属材料が用いられるのが一般的である。銀ペーストとは、銀粒子を樹脂中に混合した導電性のペーストのことである。補助電極は、補助電極で集められた電流を一つにまとめる集電部を有していてもよい。
封止材27としては光硬化性シール材を用いることができる。例えばアクリル系UV接着剤が好適である。封止材料28としてはゲル状の透明ゲッター材料が好適であり、フロリナート等の不活性液体にエアロゾル等の粘度調整剤や酸化カルシウム粉等の脱水剤を混合することで調整できる。可撓性フィルム29としては例えば厚さ100μm程度のバリア膜付きPETフィルムが好適である。
<有機トランジスタ>
図5(A)は、一実施形態に係る有機トランジスタである電界効果トランジスタ(FET)を模式的に表す断面図である。ここで、31が有機半導体層、32が絶縁体層、33と34がソース及びドレイン電極、35がゲート電極、36が基板である。
図5(B)は、一実施形態に係る有機トランジスタである静電誘導トランジスタ(SIT)を模式的に表す断面図である。33がソース電極、34がドレイン電極であり、35がゲート電極、31が有機半導体層である。
これらの構成要素のうち少なくとも1つは、対応する材料を含む塗布溶液をエレクトロスプレーデポジション法によって塗布することによって形成されている。
電極には白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、若しくはナトリウム等の金属の他、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、若しくはポリアセチレン等の導電性高分子及びこれらに塩酸、硫酸、若しくはスルホン酸等の酸、PF、AsF、若しくはFeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、又はナトリウム若しくはカリウム等の金属原子等のドーパントを添加したもの、又は、カーボンブラックや金属粒子を分散した導電性の複合材料等の、導電性を有する材料が用いられる。
絶縁体層に用いられる材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、SrTiO、BaTiO等の強誘電性酸化物、あるいは、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー等が挙げられる。
有機半導体層を形成する有機半導体材料は特に限定されない。例えば、ペンタセン、オリゴチオフェン、置換基を有するオリゴチオフェン、ビスジチエノチオフェン、置換基を
有するジアルキルアントラジチオフェン、金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、フッ素置換された銅フタロシアニン、N,N’−ジアルキル−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド置換体、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジアンハイドライド、N,N’−ジアルキル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、フラーレン等のπ共役系低分子やレジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)に代表されるレジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ−9,9’−ジアルキルフルオレンコビチオフェン等のπ共役系共重合体等のπ共役系高分子等が挙げられる。
基板としては、ポリマーの板、フィルム、ガラス、あるいは金属をコーティングにより絶縁膜を形成したもの、ポリマーと無機材料の複合材等を用いることができる。
以下本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定されるものではない。
(実施例)
(サンプル溶液(黄色発光材料)の調合)
下図a(分子量942)、b(分子量789)、c(分子量1179)、d(分子量1059)の物質をa/b/c/d =75/25/10/0.7 の比率(重量比)で3wt%の濃度でシクロヘキシルベンゼン(第2の溶媒)に溶解させた溶液と、市販の脱水N,N-ジメチルホルムアミド(水分値50ppm以下:第1の溶媒) とを、重量比1/1
でドライルーム中(露点−30℃)にて混合して溶液を作成した。(サンプル溶液A)溶液Aの水分量を三菱化学社製CA−200 Moisture Meterを用いてカールフィッシャー法で測定した。水分量は30ppmであった。この時、溶質が1.5重量%、溶媒が98.5重量%になる。
(エレクトロスプレーデポジション法による塗布)
先端径60μmのガラスキャピラリーにサンプル溶液Aを吸入した。次に高圧電源(松定プレシジョン社製,HAR−100R0.3)に接続した直径0.15mmの白金線をキャピラリー中に挿入して電極とした。ガラスキャピラリー先端と接地したITO電極付きガラス基板との距離が10cmとなるように、ガラスキャピラリーを配置した。ITOの接触角は一般に10度程度であり、親水性である。ITO電極付きガラス基板は3.3cm角で電極側に2cm角のマスクを取り付けた。ガラスキャピラリーとガラス基板間に4.1kVの電圧を印加して溶液を噴霧状に吐出させてガラス基板上に塗布を行った。サンプル溶液の噴霧状態はコーンジェットモードで安定していた。吐出時間を30秒、2分、8分と変えて塗布を行った。
(塗布膜の観察)
得られた基板表面を、NiKON ECLIPSE L200Nの反射照明観察を行った。この結果を図4、5、6に示す。30秒から8分間までの塗布を行っても良性状の連続薄膜を得ることができた。このことより、比較的厚い膜であっても安定して作成できることが判る。尚、図5左端、図6の右端にある影は観察位置確認のために裏面に設けたマーカーが見えているものであり、欠陥ではない。
(比較例)
溶液Aに脱塩水を少量添加して水分濃度を調整した溶液を作製、使用する以外は実施例と同様にしてITO付きガラス基板にエレクトロスプレーデポジション法による塗布を行った。(サンプル溶液B: 水分濃度150ppm,サンプル溶液C:水分濃度300ppm)この様子を図7、図8、図9に示す。水分濃度を150ppmに調整したサンプル溶液Bは、2分の塗布で、0.5mm程度の塗布膜の欠陥を生じた。このような大きな欠陥があると、半導体層として使用することはできない(図7)。また水分濃度を300p
pmに調整したサンプル溶液Cは、30秒の塗布(図8)でサンプル溶液Bの2分と同じような欠陥を生じ、2分後には多数の細かい穴が開いた多孔質の膜(図9)となってしまった。この膜も半導体層として使用することはできないことは明らかである。尚、図8、図9の左端にある影は、図5,6と同様に、観察位置確認のために裏面に設けたマーカーが見えているものであり、欠陥ではない。
これらのことから明らかなように、溶液中の水分濃度が高いほど短時間の塗布、つまり薄い膜でも膜の連続構造が破壊されて均一な膜が得られなくなること、そして膜厚の自由度が非常に低いことがわかる。
本発明により、親水性の表面に疎水性被覆層を事前に形成するなどの方法を使用することなく、直接エレクトロスプレーデポジション法により塗布することができる。また、長時間同じ場所に塗布し続けても安定した塗布ができるため、膜厚も自由に選択することができる。その結果エレクトロスプレーデポジション法の特徴である微細な構造、より正確な構造を得ることができる。
10:有機EL素子
11:基板
12:陽極
13:正孔注入層
14:発光層
15:電子輸送層
16:陰極
21:金属箔
22:絶縁層
23:下部電極
23A:下部補助電極
24:有機薄膜起電力層
25:上部電極
26:補助電極
27:封止材
28:封止材料
29:可撓性フィルム
31:有機半導体層
32:絶縁体層
33:ソース電極
34:ドレイン電極
35:ゲート電極
36:基板

Claims (6)

  1. 塗布溶液に電圧を印加し、電圧を印加された塗布溶液を帯電液滴として塗布面に噴霧するエレクトロスプレーデポジション法による膜の製造方法において、該塗布溶液の含水量が100ppm以下であることを特徴とする膜の製造方法。
  2. 塗布面が親水性である請求項1記載の膜の製造方法。
  3. 塗布溶液が有機半導体材料を含有するものである請求項1又は2に記載の膜の製造方法。
  4. 有機半導体材料の分子量が300以上5000未満である請求項1乃至3のいずれかに記載の膜の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造された膜を有する有機半導体素子。
  6. 少なくとも有機溶媒と膜を形成するための溶質を含有するエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液において、含水量が100ppm以下であることを特徴とするエレクトロスプレーデポジション法用塗布溶液。
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