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JP2015109118A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Akira Watabe
彰 渡部
岩崎 剛之
Takayuki Iwasaki
剛之 岩崎
和孝 滝澤
Kazutaka Takizawa
和孝 滝澤
香里 木村
Kaori Kimura
香里 木村
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Abstract


【課題】媒体ノイズが小さく、記録再生特性が良好な垂直磁気記録媒体を得る。
【解決手段】基板上に形成され、第1の金属からなる複数の金属粒子及び複数の金属粒子の周囲に設けられた粒界層を含み、各金属粒子は粒界層から突出した凸部と粒界層中に埋没された底部を有し、粒界層表面に対する凸部表面の接触角が45°ないし85°である非磁性グラニュラ下地層、凸部表面に各々形成された非磁性中間層、非磁性中間層を介して非磁性グラニュラ下地層に、凸部からなるパターンに基づいて形成された凸状パターンをもつ磁気記録層を含む垂直磁気記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、垂直磁気記録媒体に関する。
例えばハードディスク媒体、反射防止膜、触媒、マイクロチップ、光学デバイス,及び半導体のコンタクトホール形成技術等の技術分野で表面の微細なパターンの凹凸加工が行われている。
磁気記録装置の記録密度増加に伴い、高記録密度を達成するための磁気記録媒体として、パターンド媒体(パターンドメディア、BPM(Bit Patterned Media))が提案されている。ハードディスク媒体の記録層表面を微細な凹凸状に加工することにより、パターンド媒体を得ることができる。パターンド媒体において、凹凸パターンをいかにして作製するかは重要な問題である。周期的な凹凸を作製するために自己組織化的なプロセスを使用することができることが知られている。
ジブロックコポリマーを用いた自己組織化リソグラフィーでは、ジブロックコポリマーに熱アニールを行うことにより形成されるミクロ相分離構造(ラメラ、シリンダー、スフィア構造など)を利用して、安価に数nmから数10nmの微細パターンを作製できる方法である。
しかしながら、パターンの狭小化に伴い、微細パターンのリフトオフ加工において、パターン均一性の悪化が生じ、磁気記録媒体においてはHDI(Head Disk Interface)特性の劣化を招くことがあった。
特開2005−276365号公報 特開2003−59034号公報
媒体ノイズが小さく、記録再生特性が良好な垂直磁気記録媒体を得る。
実施形態によれば、基板、
該基板上に形成され、第1の金属からなる複数の金属粒子及び該複数の金属粒子の周囲に設けられた粒界層を含み、各金属粒子は該粒界層から突出した凸部と該粒界層中に埋没された底部を有し、該粒界層表面に対する該凸部表面の接触角が45°ないし85°である非磁性グラニュラ下地層、
該凸部表面上に各々形成された非磁性中間層、及び
該非磁性中間層上に、複数の該凸部からなるパターンに基づいて形成された凸状パターンを有する磁気記録層を具備する垂直磁気記録媒体が提供される。
粒界層表面に対し凸部表面周縁部の接線のなす角を説明するための図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の製造工程を表す図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の製造工程を表す図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の製造工程を表す図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の製造工程を表す図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の製造工程を表す図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例を表す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体は、基板と、
該基板上に形成され、第1の金属からなる複数の金属粒子及び複数の金属粒子の周囲に設けられた粒界層を含む非磁性グラニュラ下地層と、
複数の金属粒子上に各々形成された複数の非磁性中間層と、
非磁性中間層上に形成された磁性結晶粒子とそれを取り囲む粒界領域を有する垂直磁気記録層とを含む。
第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体では、各金属粒子は粒界層から突出した凸部と該粒界層中に埋没された底部を有し、粒界層表面に対し凸部周縁部表面の接線のなす角が45°ないし85°である。
図1に、粒界層表面に対し凸部表面周縁部の接線のなす角を説明するための図を示す。
図示するように、非磁性グラニュラ下地層6は、金属粒子5と、その周囲に設けられた粒界層2’を有し、金属粒子5は、粒界層2’に埋没された底部14と粒界層2’表面から突出した凸部15を含む。凸部15の周縁部表面の接線102と粒界層2’表面に沿った線101とのなす角度はαで表される。
第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体では、非磁性グラニュラ下地層は、以下のような製法で作製される。
まず、酸化物層のパターニングを行い、複数の凹みを有する粒界層を形成する。
次に、各凹みに非磁性金属粒子を形成し、非磁性グラニュラ下地層を得る。
酸化物層のパターニング方法には、自己組織化材料と酸化物を作製するための材料を含む塗布層を基板上に形成した後相分離さ、その後に有機物を焼成する方法と、基板上に形成した酸化層上にマスクパターンを形成し、エッチングなどによりパターニングする方法とがある。
自己組織化材料と酸化物を形成するための材料の混合物を用いる方法では、まず、基板上に、自己組織化材料と、有機ケイ素化合物または金属成分として第2の金属を含む有機金属化合物から選択される添加成分とを含む溶液を塗布して自己組織化層を形成し、次に、自己組織化層を相分離させ、島状ポリマー相と、島状ポリマー相を取り囲み、添加成分から選択される材料を含む連続した海状ポリマー相とを含む海島相を形成し、続いて、相分離された自己組織化層を焼成し、自己組織化層中の有機成分を分解させ、かつ添加成分を酸化させることにより、島状ポリマー相に相当する部分に複数の凹みを有し、海状ポリマー相に相当する部分にケイ素酸化物または金属成分として第2の金属を含む金属酸化物から選択される材料を含む粒界層を形成する。
その後、得られた粒界層上に第1の金属からなる金属層を成膜した後加熱することによりリフローし、表面張力によって各凹み上に溶融金属粒子を形成させ、溶融金属粒子を再結晶化させることにより第1の金属からなる金属粒子を得る。
第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体に用いられる金属粒子において、粒界層から突出した凸部は溶融金属の表面張力に依存した形状となり、粒界層中に埋没された底部は、島状ポリマー相に依存した形状となる。この形状は上記製法を用いることにより得られる特有な形状であるため、第2の実施形態では、非磁性グラニュラ下地層を製法によって限定している。
第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体に用いられる金属粒子において、第2の粒界層表面に対する凸部表面の接触角が45°ないし85°にすることができる。
第1及び第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体では、上述のような凸部を有するグラニュラ層を下地層として使用することにより、垂直磁気記録層のグラニュラ構造の粒子-粒界の界面の分離を向上させ、記録再生時における信号対ノイズ比を改善し、良好な記録再生特性が得られる。
また、第2の実施形態によれば、規則配列した凹パターンを有する酸化膜層上に金属層を製膜し加熱を行うことで凹パターンに金属を充填したグラニュラ構造の下地を作製することができる。加熱により金属層が再結晶することにより表面にエネルギー最小面を形成するため結晶配向性が向上するとともに、金属と酸化膜との濡れ性の関係から、金属部が隆起したグラニュラ構造を形成することができ、非磁性グラニュラ下地層上に形成する中間層や記録層の結晶配向性および粒子間の分離性を向上させることができる。
第1の実施形態において、粒界層表面に対する凸部表面の接触角が45°未満であると、凸部の凹凸高さが低くなる傾向があり、85°を越えると、凸部を構成する金属が凹み内に埋め込まれるより、基板上で大きく凝集したほうが安定となり、各凹みに独立した金属粒子を形成することが困難となる傾向がある。
凸部の高さは1nmないし10nmにすることができる。
凸部の高さが1nm未満であると、非磁性グラニュラ下地層上に形成する中間層に、非磁性グラニュラ層で形成した配列パターンを転写することが困難となる傾向があり、10nmを越えると、磁気記録層及び保護層を形成した磁気記録媒体において、表面粗さが大きくなり、HDI特性を悪化させる傾向がある。
粒界層上の金属粒子の配列のピッチ分散は15%以下であり、かつ粒界層の上から見た金属粒子の粒径分布の分散は15%以下にすることができる。
粒界層上の金属粒子の配列のピッチ分散が15%より大きいか、あるいは粒界層の上から見た金属粒子の粒径分布の分散が15%より大きいと、記録再生時における信号対ノイズ比を改善することができず、記録ビット間で発生するジッターノイズの成分が大きくなる傾向がある。
非磁性中間層は、Ru、Au、Ti、Ta、NiW、Pt、Ag、およびCuからなる群から選択され、それらを含む金属層を積層した構造でも構わない。非磁性中間層の結晶粒子は、凸部表面からエピタキシャル成長していること好ましい。
非磁性中間層を設けることにより、グラニュラ記録層の結晶配向性を向上させることができる。 非磁性中間層が非磁性グラニュラ下地層からエピタキシャル成長することにより、ピッチ分散を悪化させることなく、非磁性中間層を形成することができる。また、中間層の結晶配向を向上させることができる。また、エピタキシャル成長することにより、グラニュラ記録層の粒子−粒界の分離を向上させることができ、高密度記録時における信号対ノイズ比を改善させることができる。
金属粒子に使用される第1の金属として、Al、Cu、Ag、Au、及びPtからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
非磁性グラニュラ下地層としてfccまたはhcpの金属を用いることで、凸部の上部が平坦となる台形構造を形成することができる。台形構造であると、エピタキシャル成長時に形成される中間層の成長方向を制御することができる。
金属酸化物に使用される第2の金属として、Si、Ti、及びAlからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
非磁性グラニュラ下地層において、粒界層が少なくとも1nmの厚みを持つことができる。
粒界層の厚さが1nmよりも薄いと、非磁性グラニュラ下地層上に形成する中間層が分離できず、隣り合う中間層の結晶粒が結合し、中間層の粒径分散が悪化する傾向がある。また、粒界層は10nm以下にすることができる。10nmを越えると、非磁性グラニュラ下地層の平坦な酸化物表面からも中間層が結晶成長する傾向がある。
自己組織化材料に関して
非磁性グラニュラ下地層のパターンを形成する材料としては、アニール処理によりミクロ相分離構造を発現するブロックコポリマーなどを用いることができる。
ミクロ相分離構造を発現するブロックコポリマーには、ジブロックコポリマーを使用することができる。
ミクロ相分離構造を発現するジブロックコポリマーとしては、例えば、ポリブタジエン−ブロック−ポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン−ブロック−ポリ4ビニルピリジン、ポリブタジエン−ブロック−ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン−ブロック−ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリブタジエン−ブロック−ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン−ブロック−ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタジエン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−ポリエチレンオキシド、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリ4ビニルピリジン、ポリエチレン−ブロック−ポリメチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリ2ビニルピリジン、ポリエチレン−ブロック−ポリ2ビニルピリジン、ポリエチレン−ブロック−ポリ4ビニルピリジン、ポリイソプレン−ブロック−ポリ2ビニルピリジン、ポリt−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリスチレン、ポリメチルアクリレート−ブロック−ポリスチレン、ポリブタジエン−ブロック−ポリスチレン、ポリイソプレン−ブロック−ポリスチレン、ポリスチレンポリ−ブロック−ポリ2ビニルピリジン、ポリスチレン−ブロック−ポリ4ビニルピリジン、ポリスチレン−ブロック−ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン−ブロック−ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ブロック−ポリシルセスキオキサン、ポリメチルメタクリレート−ブロック−ポリシルセスキオキサン、ポリスチレン−ブロック−ポリメチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸等が挙げられる。
特に、ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリt−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシドは極性の高いポリエチレンオキシドを有しており、水素シルセスキオキサンやSOG(SPIN ON GLASS)などの有機ガラスや無機ガラス、金属塩などといった極性を持つ無機材料との相性が良好である。
自己組織化材料から酸化物層へのパターン転写
非磁性グラニュラ下地層を構成する粒界層としての酸化物パターン層の作製方法としては、自己組織化材料などをマスクに酸化物層をエッチングする方法と、酸化物を形成するための材料を混入した自己組織化材料を、300℃以上の高温にすることで、有機成分を昇華させ無機成分を残すとともに、無機成分を架橋反応させ酸化物パターンを作製する焼成方法がある。
エッチングにより酸化物層へパターンを転写する方法では、酸化物層の材料としては特に限定するものはない。また、パターンを形成する材料も、上記に挙げたジブロックコポリマーのほかに、微粒子やインプリントによりマスクを使用することができる。
10nm前後の酸化物パターン層の作製としては、エッチングによるパターン形状の変化を抑制させることのできる焼成法がより優れている。また、焼成により酸化物パターン層を形成する場合、後に述べるリフロー工程の温度以上の温度で焼成することで、リフロー中に発生する不純物の影響を抑制することができる。
焼成により酸化物パターン層を形成する場合、自己組織化材料には、ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリt−ブチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート−ブロック−ポリエチレンオキシドなどの、ポリエチレンオキシドを有するジブロックコポリマーを利用することができる。また、上記ジブロックコポリマーは一例であり、ポリエチレンオキシドのような極性の高い高分子を有する共重合体であれば同様の効果を得ることができ、ジブロックコポリマーに限らず、トリブロックコポリマーを用いることもできる。
焼成により作製する酸化物層の材料としては、SiやAl、Mg、Cr、Ti、Mnなどの酸化物であればよく、極性が高くポリエチレンオキシドと水素結合により結合する有機金属であることが好ましい。具体的には、Siの場合、水素シルセスキオキサンやSOGなどを用いることができ、Alの場合、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムなどを用いることができ、その他Mgや、Cr、Ti、Mn等はそれらの金属を含む錯体を用いることができる。
金属膜リフロー工程
非磁性グラニュラ下地層の金属粒子として使用される金属としては、表面自由エネルギーが高く、酸化物上で島状成長する材料を選択することができる。
このような金属として、例えばAl、Cu、Ag、Au、及びPtがあげられる。これらの金属は表面エネルギーが高く、製膜方法によらず、酸化物層上で島状成長しやすく、fcc構造を有し、エネルギー最小面(111)面が加熱により表面に形成しやすい。下地層である非磁性グラニュラ下地層上に形成する中間層との結晶成長の観点から、磁性グラニュラ層を形成する金属層として使用できる。Al、Ag、Auは融点が低いため製造プロセスへの適応性が高くより良好である。
非磁性グラニュラ下地層の金属層を形成する方法としては、酸化物パターン層上に1nmから5nmの膜厚の上記金属層を形成し、その後真空中で加熱することにより凹み内に金属を埋め込むことで作製できる。この時、加熱温度は使用する金属の融点と関係があり、上記金属の中で融点の低いAlでは400℃程度、AgやAuは500℃程度、Cuは700℃程度、Ptは800℃程度で加熱することにより酸化物で形成される凹みパターン内に金属を充填させることができる。
製膜する膜厚は酸化物で形成される凹みパターン層のパターンピッチと関係があり、ピッチが10nm程度の場合約1nmの膜厚を製膜後加熱する必要があり、ピッチが30nm程度の場合、3nm程度金属層を製膜後加熱することでホールパターン内に金属層を形成することができる。ピッチが30nmの酸化物凹みパターン層上に金属層を1nm製膜後加熱すると、ホールパターンの縁にのみ金属層が凝集する。パターンのサイズに比べ金属層が少ない場合は、追加で必要な膜厚を製膜し加熱することで凹みパターンの足りない領域を補てんすることができる。一方、パターンピッチが10nm程度の酸化物下地層上に3nm程度の金属層を製膜後加熱すると、ピッチが20nmから30nmの凝集した島状の金属部が下地のパターンとは関係なく形成される。凹みパターンのピッチが広く、製膜する膜厚が厚い場合、一度に厚い膜厚を製膜し加熱を行うと、酸化物の凹みパターンに関係なく、凝集によりパターンが形成される。その場合、製膜する膜厚を薄くし、製膜・加熱の工程を数度行うことで凝集する問題を解決することができる。また、成膜する膜厚は、ホールパターンのパターンアスペクトによっても良好な値は変化するため、下地層のホールパターン形状に合わせて、製膜する金属の膜厚を適宜変更することができる。
リフロー後の凹凸高さと角度に関して
リフロー後に形成される金属部の凹凸高さは、下地層のホールパターンサイズや製膜する膜厚、材料で変化する。リフローするために必要な条件として、パターンのない酸化物上に製膜した金属が、酸化物表面との成す角が85°以下である必要がある。85°より大きい場合、ホールパターン内に埋め込まれるより、基板上で大きく凝集したほうが安定となり、膜厚を薄くした場合も、凝集したパターンが形成され、加熱によりホールパターンを埋め込むリフロー現象を発生させることができない。
そのため、リフロー後の凹凸高さとしては、ホールパターンの半径程度の凹凸までしか形成することができなく、ホールパターンの直径が10nmの場合、凹凸高さは最大でも5nm程度、ホール直径が5nmの場合、凹凸高さは最大で2nm程度となる。
また、凹凸高さは埋め込む材料によっても変化し、酸化物層との成す角が小さい場合、さらに凹凸高さは小さくなる。しかし、リフローで形成される非磁性グラニュラ下地層は、その上に製膜する中間層を制御する働きを有する必要があるため、凹凸は1nm程度あることが好ましい。
凹凸高さは、金属層の製膜の膜厚によっても変化する。ホールパターンを埋め込むのに十分な膜厚以上の膜厚を合計して製膜した場合、ホールパターンから金属があふれ、その結果、ホールパターンの直径以上のサイズのパターンが形成され、凹凸高さをホールパターンの半径以上にすることができる。しかし、この方法では、隣接パターン間を分離する絶縁層の領域が減少してしまう問題がある。
実施形態において、基板としてはガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや酸化表面を有するSi単結晶基板、などを用いることができる。特に、加熱温度400℃以上において変形、変質等が発生しない、ガラス基板、セラミック、Si単結晶基板等の使用が特に適している。
また、実施形態に用いられるグラニュラ膜型垂直磁気記録層の磁性結晶粒子材料としては、実質的に(0001)面配向した、CoおよびPtを含有するhcp構造の合金材料が好ましい。hcp構造のCo合金結晶粒が(0001)面配向していると、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向に配向し、垂直磁気異方性を発現する傾向がある。さらには、例えばCo−Pt及びCo−Pt―Cr系の合金材料を使用し得る。これらの合金は、高い結晶磁気異方性エネルギーを有しているため熱揺らぎ耐性が高い。これらの合金材料に、磁気特性を改善する目的で、必要に応じてTaやCu,B,Ndといった添加元素を加えることができる。
また、グラニュラ膜型記録層の非磁性粒界領域材料としては、Si、Cr、Ti等の酸化物が好ましく用いられる。これらの酸化物は、上述のCo−Pt合金とほとんど固溶しないため、磁性結晶粒子間の結晶粒界に析出しやすく、グラニュラ構造を比較的容易に得ることができる。粒界領域を構成する材料は、結晶質であっても、非晶質であっても構わない。
磁性結晶粒を形成する合金に対する、粒界領域を構成する上記材料の物質量の割合の合計は、5ないし15モル%の範囲にすることができる。5モルパーセント未満であるとグラニュラ構造を維持するのが困難となり、20モルパーセントを超えるとR/W特性における再生出力が低下する傾向がある。さらには、7ないし12モル%の範囲にすることができる。
実施形態において、基板と非磁性グラニュラ層との間に高透磁率な軟磁性層を設けることができる。軟磁性層は、垂直磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
このような軟磁性層として、例えばCoZrNb,CoB, CoTaZr, FeSiAl,FeTaC,CoTaC,NiFe,Fe,FeCoB,FeCoN,FeTaN等が挙げられる。
軟磁性層は、二層以上の多層膜であっても良い。その場合、それぞれの層の材料、組成、膜厚が異なっていても良い。また、軟磁性層二層を薄いRu層を挟んで積層させた三層構造としても良い。
基板と軟磁性層との機械的な密着性を向上する目的で、基板と軟磁性層との間に、非磁性密着層を設けることができる。非磁性密着層としては、例えばCrやTiといった材料のほか、これらの合金を用いることができる。
実施形態に使用される軟磁性層と非磁性グラニュラ層との間には、拡散防止層を形成することができる。このような拡散防止層として、Pd、Pt、及びSi等があげられる。
実施形態に使用される軟磁性層と非磁性グラニュラ層との間には、結晶配向制御層を設けることができる。拡散防止層を形成した場合には、結晶配向制御層は拡散防止層と非磁性グラニュラ層との間に設けることができる。
結晶配向制御層としては、例えばNiW、NiTa、Ti、Ta、W、Cu、Pd、Pt、Cr、Au、及びAg、等を使用することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施例1
図2Aないし図2Eに、実施形態に係るパターン形成方法の作用を説明するための模式図を示す。
ガラス基板1上に、図示しない厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)を製膜した後、拡散防止用に図示しないPd層を3nm製膜する。基板1を一度大気に曝露し、自己組織化材料PS(Polystyrene)−PEO(Polystyrene−Polyethyrene oxide)および添加成分としてSOG(Spin On Glass)からなる溶液を基板1上にスピンコート法により塗布し、自己組織化膜4を形成する。使用するPS−PEOは、PSの分子量が1,600、PEOの分子量が1,800の共重合ポリマーであり、SOGは東京応化工業のOCD T−7 4000−Tを使用した。PS−PEOとSOGはジエチレングリコールジメチルエーテルにそれぞれ1.0質量パーセント濃度、10.0質量パーセント濃度で溶解・希釈し、それぞれジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈した溶液を重量比1:6で混合し自己組織化用の溶液とした。SOGの代わりにシルセスキオキサンを用いても同様の結果を得ることができる。
基板上に自己組織化膜を塗布した後、クロロホルムとオクタンの雰囲気下でサンプルを5時間留置することにより、自己組織化膜4を相分離させる。これにより、図2Aに示すように、PSからなる島状ポリマー相3と、島状ポリマー相3を取り囲み、SOGを含むPEOからなる連続した海状ポリマー相2とを含む海島相を形成する。自己組織化を促進させる方法として、室温の大気中で20時間留置させてもよい。
その後、基板を窒素雰囲気下で500℃に加熱することにより、有機材料であるPS、PEOが分解し、島状ポリマー相に相当する部分が凹みとなり、海状ポリマー相に相当する部分に複数の凹みを有する粒界層としてSOGからなるホールパターンが形成される。
得られた媒体の平面SEM(Scanning Electron Microscope)を測定し、以下の手順で粒径およびピッチの解析を行った。
まず、倍率50万倍の画像を任意の画像処理ソフトを用い、個々の粒子の輪郭を抽出した。その後、得られた輪郭情報を楕円で近似することで粒子の面積および直径を計算し、粒子サイズの分散を計算した。
また、各粒子の重心座標を読み取り、各粒子で構成される最小の三角形(ドロネー三角形)を描くことで、各粒子間のピッチを計算した。このホールパターンにおいて平面TEMを観察したところ、粒径が7nm、ピッチが12nm、で粒径分散およびピッチ分散がともに8%以下のホールパターンが形成されていることが明らかとなった。また、断面TEM観察から、図2Bに示すように、基板1上に形成されたホールパターンはSOG層2’上の島状ポリマー相に相当する部分に複数の凹み21を有することが明らかとなった。自己組織化により形成されるパターンサイズは、テンプレートとなるPS−PEOおよびSOGの分子量や混合比率を適宜調整することにより、任意なサイズに制御することが可能である。
その後、再び製膜チャンバー内に戻して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中で逆スパッタすることにより薄膜側をエッチングした。その工程は、一度大気中に曝露したことによりSOG層表面に形成付着したと考えられる分子や原子などの不純物を除去する効果がある。
得られたSOG層2’上にAgを1.2nm製膜し、約500℃、20秒間加熱することで複数の凹み21へのAg粒子の埋め込み及びAg粒子の再結晶化を行った。作製した媒体を一部取出し、AFMにより表面の形状を測定したところ、図2Cに示すように、SOGからなるホールパターンであった領域にAg粒子5が埋め込まれ、その領域がSOG層表面に対し凸構造を有していることを確認できた。その凸部15の高さは約3nmであることが分かった。また、その基板1を断面TEMにより観察した。その底部14の深さは4nmであり、Ag粒子5で形成される凸部周縁部の接線と、SOG層2’表面とのなす角を測定したところ、約75°であることが分かった。
真空中で加熱によりホールパターンにAgを埋め込んだ基板1上に、圧力0.4PaのAr雰囲気下で中間層7のRuを10nm製膜した。この工程は、不純物による汚染を防ぐため、Agの埋め込み加熱後、大気に開放することなく、連続して真空中で製膜を行っている。製膜により形成した中間層Ru層7上に、製膜チャンバー内で連続して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気下で、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiOコンポジットターゲットを用いてRFスパッタを行い、CoPtCrを含む磁性結晶粒子8、及びそれを取り囲むSiOを含む粒界領域9を有する厚さ15nmのCoPtCr−SiOの垂直磁気記録層11を形成した後、厚さ5nmのC保護膜12を形成し、垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた磁気記録媒体を断面TEM(Transmission Electron Microscope)により観察したところ、図2Eと同様の概略的な断面の構造を有していることが分かった。図2Eに示すように、グラニュラ層の断面では、粒間物質である非晶質のSOGで分断されたAg粒子を核として中間層7となるRuが成長していることが分かった。また、垂直磁気記録層11は結晶性の認められない粒界領域9で分断された磁性結晶粒子8が、Ru中間層7から連続してエピタキシャル成長している様子が確認された。
この垂直磁気記録層10について平面TEM観察を行い、膜面内での粒径分布および粒間ピッチ分布を計算したところ、粒子サイズの平均値は7.5nmで、その標準偏差は0.6nmであった。また、粒間のピッチの平均値は12.5nmで、その標準偏差は1.4nmであった。下地に利用した自己組織化層のパターンを基に、記録層まで形成することができるため、下地のテンプレートから分散を悪化させることなく、垂直磁気記録層を形成することが可能である。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632およびスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。また、記録再生用のヘッドは記録部に飽和磁束密度約2Tを有する単磁極ヘッド、及び再生素子には巨大磁気抵抗効果を利用したヘッドを用いた。再生信号出力/媒体ノイズ比(S/Nm)の評価においては、再生信号出力Sは線記録密度約50kFCIにおける振幅、Nmは線記録密度約400kFCIにおける2乗平均値を用いた。その結果、ディスク前面においてスパイク状の雑音は全く観察されず、S/Nmは19.5dBという良好な値が得られた。さらに、この記録媒体に対して線記録密度約100kFCIの信号を記録し、熱揺らぎによる出力劣化の評価を行った。記録捜査終了後から100,000秒間、再生出力を定期的に測定したが、再生出力の劣化は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ−0dB/decadeであった。
実施例2
実施例2では、非磁性グラニュラ下地層としてAl−AlOを使用した場合について説明する。
基板やパターニングに使用する自己組織化材料は実施例1と同様である。
実施例1と同様にガラス基板1上に、図示しない厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)を製膜した後、拡散防止用にPd層を3nm製膜する。
基板を一度大気に曝露し、自己組織化材料PS−PEOを使用し、焼成により酸化物を形成する材料として水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムを使用する。それぞれの溶媒をトルエンに溶解させ、PSが島状ポリマー相、PEOと水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが海状ポリマー相に相分離する比率で混合し、基板上へ自己組織化膜を形成する。
その後、大気中で20時間留置させることで、相分離させ、基板を窒素雰囲気下で400℃に加熱した。その結果、有機材料であるPS、PEOが分解し、島状ポリマー相に相当する部分に複数の凹みを有する粒界層として、AlOからなる酸化物パターン層が形成された。
得られた媒体の平面SEMを測定し、実施例1と同様にして粒径およびピッチの解析を行った結果、粒径が7nm、ピッチが12nm、粒径分散およびピッチ分散がともに9%以下となり、SOGを用いた実施例1と同様なホールパターンが形成されていることが明らかとなった。自己組織化により形成されるパターンサイズは、テンプレートとなるPS−PEOおよび水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの分子量や混合比率を適宜調整することにより、任意なサイズに制御することが可能である。
AlOパターン層を作製後、再び製膜チャンバー内に戻して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中で逆スパッタを行うことにより、薄膜側をエッチングした。その工程は、一度大気中に曝露したことにより薄膜表面に形成付着したと考えられる分子や原子などを除去する効果がある。
得られたAlOパターン層上にAlを1.2nm製膜し、約400℃で20秒間加熱することで、AlOパターン層の凹部へのAlの埋め込みおよびAlの再結晶化を行う。作製した媒体を一部取出し、AFMにより表面の形状を測定したところ、AlOパターン層の凹部であった領域にAlが埋め込まれ、その領域がAlOパターン層表面に対し凸構造を有していることを確認できた。その凸部の高さは約2nmであることが分かった。また、その基板を断面TEMにより観察したところ、底部の深さは4nmであり、垂直方向に(111)面が配向していることが確認できた。断面TEMから、凸部周縁部表面の接線と、AlOパターン層表面とのなす角を測定したところ、約55°であることが分かった。
真空中で加熱によりAlをホールパターンに埋め込んだ基板上に、圧力0.4PaのAr雰囲気下で中間層のRuを10nm製膜し、その中間層Ru層上に、製膜チャンバー内で連続して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気下で、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiOコンポジットターゲットを用いてRFスパッタを行い、厚さ15nmのCoPtCr−SiOの垂直磁気記録層を形成した後、厚さ5nmのC保護膜を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体を断面TEMにより観察したところ、実施例1と同様に概略的な断面は図3の構造を有していることが分かった。垂直磁気記録層は、結晶性の認められない粒界で分断された結晶粒子が、Ru層から連続してエピタキシャル成長している様子が確認された。
この垂直磁気記録層について平面TEM観察を行い、膜面内での粒径分布および粒間ピッチ分布を計算したところ、粒子サイズの平均値は7.6nmで、その標準偏差は0.8nmであった。また、粒間のピッチの平均値は12.8nmで、その標準偏差は1.8nmであった。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、実施例1と同様にS/Nm評価を行った結果、ディスク前面においてスパイク状の雑音は全く観察されず、S/Nmは19.0dBという良好な値が得られた。さらに、この記録媒体に対して線記録密度約100kFCIの信号を記録し、熱揺らぎによる出力劣化の評価を行った。記録捜査終了後から100,000秒間、再生出力を定期的に測定したが、再生出力の劣化は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ−0dB/decadeであった。実施例1の結果と比べ、わずかに特性が劣化している原因は、リフローにより形成したAl粒子とAlOとの接触角が55°と小さいため、凹凸高さが2nmと低くなったためである。
実施例3
実施例3では、非磁性グラニュラ下地層を形成する金属材料として、融点の高いPtを使用した例について説明する。
非磁性グラニュラ下地層である下地としてPtを使用する以外は、実施例1と同様である。
実施例1と同様に、ガラス基板上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)を製膜した後、拡散防止用にPd層を3nm製膜する。基板を一度大気に曝露し、自己組織化材料PS−PEOおよびSOGからなる溶液をスピンコートにより自己組織化膜の塗布をする。使用するPS−PEOおよびSOGは実施例1と同様である。
基板上に自己組織化膜を塗布した後、クロロホルムとオクタンの雰囲気下でサンプルを5時間留置することにより、自己組織化材料を相分離させる。その後、基板を窒素雰囲気下で800℃に加熱することにより、有機材料であるPS、PEOが分解し、基板上に実施例1と同様のSOGからなるホールパターンが形成される。
その後、再び製膜チャンバー内に戻して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中で実施例1と同様に逆スパッタにより薄膜側にエッチングを行った後、SOGのホールパターン上にPtを約1.2nm製膜し、約800℃4時間加熱することでホールパターンへのPtの埋め込みおよびPtの再結晶化を行った。作製した媒体を一部取出し、AFMにより表面の形状を測定したところ、SOGのホールパターンであった領域にPtが埋め込まれその領域が凸構造を有していることを確認できた。その凸部の高さは約3nmであることが分かった。また、その基板を断面TEMにより観察したところ、その底部14の深さは4nmであり、Ptで形成される凸部周縁部とSOG表面とのなす角を測定したところ、約80°であることが分かった。
真空中で加熱によりPtをホールパターンに埋め込んだ基板上に、圧力0.4PaのAr雰囲気下で中間層のRuを10nm製膜した。製膜により形成した中間層Ru層上に、製膜チャンバー内で連続して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気下で、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiOコンポジットターゲットを用いてRFスパッタを行い、厚さ15nmのCoPtCr−SiOの垂直磁気記録層を形成した後、厚さ5nmのC保護膜を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体を断面TEMにより観察したところ、実施例1と同様な断面を得ることができた。概略的な断面は図2Eと同様の構造を有していることが分かった。
図示するように、グラニュラ層の断面では、粒間物質である非晶質のSOGで分断されたPt粒子を核として中間層のRuが成長していることが明らかとなった。また、垂直磁気記録層は結晶性の認められない粒界で分断された結晶粒子が、Ru層から連続してエピタキシャル成長している様子が確認された。
この垂直磁気記録層について平面TEM観察を行い、膜面内での粒径分布および粒間ピッチ分布を計算したところ、粒子サイズの平均値は7.5nmで、その標準偏差は0.9nmであった。また、粒間のピッチの平均値は12.5nmで、その標準偏差は2.0nmであった。わずかに標準偏差が悪化している原因として、Ptの融点が高いため、十分にホールパターンへの埋め込みがなされていないためだと考えられる。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、実施例1と同様にS/Nm評価を行った結果、ディスク前面においてスパイク状の雑音は全く観察されず、S/Nmは17.4dBという良好な値が得られた。さらに、この記録媒体に対して線記録密度約100kFCIの信号を記録し、熱揺らぎによる出力劣化の評価を行った。記録捜査終了後から100,000秒間、再生出力を定期的に測定したが、再生出力の劣化は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ−0dB/decadeであった。
実施例4
本実施例では、非磁性グラニュラ下地層の下地に、結晶配向制御層(NiW)を挿入した場合について説明する。
ガラス基板上に厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)を製膜した後、拡散防止用にPd層を3nm、結晶配向制御層としてNiWを5nm製膜する。基板を一度大気に曝露し、自己組織化材料PS−PEOおよびSOGからなる溶液をスピンコートにより自己組織化膜の塗布をする。使用するPS−PEOは実施例1と同様であるが、SOGの代わりに、シルセスキオキサンを用い、PS−PEOに対しシルセスキオキサンを30%とし、PSが柱状となるシリンダ構造となるよう溶液を調整した。シルセスキオキサンの代わりに実施例1と同様にSOGを使用した場合においても、SOGの比率を変更することで同様の結果を得ることができる。基板上に膜厚10nmになるように自己組織化膜を塗布した後、クロロホルムとオクタンの雰囲気下でサンプルを5時間留置することにより、自己組織化材料を相分離させる。その後、基板を窒素雰囲気下で500℃に加熱することにより、有機材料であるPS、PEOが分解し、基板上にシルセスキオキサンが架橋反応した酸化物からなるホールパターンが形成される。
このホールパターンにおいて平面TEMを観察したところ、粒径が7nm、ピッチが12nm、で粒径分散およびピッチ分散がともに8%以下のホールパターンが形成されていることが明らかとなった。また、断面TEM観察から、形成されたホールパターンは酸化物層を貫通し下地のNiW層まで到達していることが明らかとなった。自己組織化により形成されるパターンサイズは、テンプレートとなるPS−PEOおよびシルセスキオキサンの分子量を適宜調整することにより、任意なサイズに制御することが可能である。
その後、再び製膜チャンバー内に戻して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中で逆スパッタ(薄膜側をスパッタ)を行った。その工程は、一度大気中に曝露したことにより薄膜表面に形成付着したと考えられる膜や原子などを除去する効果がある。また、加熱により形成した酸化物ホールパターンの底部に残る残差を除去し、NiWの清浄な表面を得ることができる。逆スパッタを行った後、SOGのホールパターン上にAgを約2nm製膜し、約500℃20秒間加熱することでホールパターンへのAgの埋め込みおよびAgの再結晶化を行った。作製した媒体を一部取出し、AFMにより表面の形状を測定したところ、ホールパターンが確認され、十分に埋め込まれていないことが判明した。上面SEMの観察から、ホール形状の半分程度しか埋め込まれていないことが明らかとなった。
ホールパターンを完全に埋め込むため、SOGパターン上にAgを約2nm製膜し、約500℃で20秒間加熱した後、再度Agを約2nm製膜し、約500℃で加熱を行った。再度作製した基板の一部を取出し、AFMにより表面の形状を測定したところ、SOGでホールパターンであった部分が凸部形状となり、ホールパターンが埋め込まれていることが判明した。凸形状の高さは約2nmであることが判明した。その基板を断面TEMにより観察したところ、底部の深さは膜厚と同じ10nmであった。また、垂直方向に(111)面が配向していることが確認できた。
真空中で加熱によりAgをホールパターンに埋め込んだ基板上に、圧力0.4PaのAr雰囲気下で中間層のRuを10nm製膜した。製膜された基板の一部を取出し、断面TEMにより評価を行ったところ、高倍率における格子像からNiW下地層とAg粒には配向のそろった結晶面が形成されており、NiWとAg間にはエピタキシー関係が認められた。また、XRDを用いて、θ−2θスキャンを行ったところ、2θ=38.1°付近に回折ピークが観察され、基板からの反射を除くと、それ以外の明確なピークは観測されなかった。さらに、Ru(002)面のピークについて、ロッキングカーブの測定を行ったところ、半値全幅Δθ50は5.4°であり、良好な結晶配向性を得られていることが分かった。
製膜により形成した中間層Ru層上に、製膜チャンバー内で連続して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気下で、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiOコンポジットターゲットを用いてRFスパッタを行い、厚さ15nmのCoPtCr−SiOの垂直磁気記録層を形成した後、厚さ5nmのC保護膜を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体を断面TEMにより観察したところ、概略的な断面は図3の構造を有していることが分かった。図3に示すように、グラニュラ層の断面では、粒間物質である非晶質の酸化物で分断されたAg粒子が基板に対して垂直方向に柱状に成長し得ており、NiW下地層からAg粒子へは連続してエピタキシャル成長している様子が確認された。さらに、垂直磁気記録層においても、結晶性の認められない粒界で分断された結晶粒子が、Ru層から連続してエピタキシャル成長している様子が確認された。
この垂直磁気記録層について平面TEM観察を行い、膜面内での粒径分布および粒間ピッチ分布を計算したところ、粒子サイズの平均値は7.5nmで、その標準偏差は0.6nmであった。また、粒間のピッチの平均値は12.5nmで、その標準偏差は1.4nmであった。下地に利用した非磁性のグラニュラ層からエピタキシャルに記録層まで形成することができるため、下地のテンプレートから分散を悪化させることなく、垂直磁気記録層を形成することが可能である。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、実施例1と同様にS/Nm評価を行った結果、ディスク前面においてスパイク状の雑音は全く観察されず、S/Nmは22.1dBという良好な値が得られた。これは、結晶配向制御層から磁気記録層までエピタキシャル成長しているため、結晶配向性が優れているためだと考えられる。さらに、この記録媒体に対して線記録密度約100kFCIの信号を記録し、熱揺らぎによる出力劣化の評価を行った。記録捜査終了後から100,000秒間、再生出力を定期的に測定したが、再生出力の劣化は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ−0dB/decadeであった。
比較例1
比較例として、非磁性グラニュラ下地層を絶縁体と金属微粒子で作製した場合について説明する。
ガラス基板上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)を製膜した後、拡散防止用にPd層を3nm製膜した基板を用い、次のような材料の溶液を基板上にスピンコート法により塗布し、乾燥させることにより非磁性のグラニュラ下地層を形成する。溶液には、ポリスチレンの保護基で覆われたAg微粒子を用い、SOGとともに、トルエンに溶解させた溶液を用いた。ここでは、重量比でAg微粒子に対し、80倍の質量となるようSOGをトルエンに溶解させた。
スピンコートにより、Ag微粒子が単層となり、その周りをSOGが取り囲むような条件で塗布を行い、その後400℃で2時間焼成することによりSOGを硬化させ、Ag微粒子とSOGからなる非磁性のグラニュラ下地層を形成した。その後、CFを用いた反応性イオンエッチングによりSOGをわずかにエッチングし、非磁性グラニュラ下地層表面にAg微粒子を露出させ、Ag微粒子が凸構造となる下地層を形成した。
AFMにより測定したところ、Ag微粒子の凸部の高さは3nmであった。また、断面TEMにより測定したところ、Ag微粒子の底部の高さは4nmであった。また、比較例1のAg微粒子の形状は、実施例1ないし4のAg微粒子の形状と比較して、真球に近い形であった。
得られた下地層をチャンバーに戻し、圧力0.4PaのAr雰囲気下で中間層のRuを10nm製膜した。製膜により形成した中間層Ru層上に、製膜チャンバー内で連続して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気下で、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiOコンポジットターゲットを用いてRFスパッタを行い、厚さ15nmのCoPtCr−SiOの垂直磁気記録層を形成した後、厚さ5nmのC保護膜を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体を断面TEMにより観察したところ、グラニュラ層の断面では、粒間物質である非晶質のSOGで分断されたAg粒子を核として中間層であるRuが成長している様子が明らかとなったが、AgとRuとの界面には、コントラストの低い酸化物またはフッ化物からなる層が発生し、Ruの結晶配向性を乱していることが明らかとなった。また、垂直磁気記録層は結晶性の認められない粒界で分断された結晶粒子が、Ru層から連続してエピタキシャル成長しているものの、Ruの結晶配向性が悪いため、結晶軸の傾いた様子が確認された。
この垂直磁気記録層について平面TEM観察を行い、膜面内での粒径分布および粒間ピッチ分布を計算したところ、粒子サイズの平均値は8.9nmで、その標準偏差は1.5nmであった。また、粒間のピッチの平均値は10.5nmで、その標準偏差は2.1nmであった。これは、Ag微粒子とRu中間層との界面において、酸素や、エッチングに使用したフッ素の影響により酸化物やフッ化物が形成されたため、中間層の結晶配向性が乱され、Ruの柱状構造が基板に対し垂直に保てず互いのRu粒同士が結合してしまったためだと考えられる。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、記録再生特性の評価を行った。その結果、S/Nmは7.5dBと実施例で作製した媒体と比べ著しく悪化していることが明らかとなった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2…海状ポリマー相、2’…粒界層、3…島状ポリマー相、4…自己組織化膜、5…金属粒子、6…非磁性グラニュラ下地層、7…中間層、8…磁性結晶粒子、9…粒界領域、10…垂直磁気記録媒体、11…垂直磁気記録層、12…保護膜、13…配向制御層、14…底部、15…凸部、21…凹部

Claims (9)

  1. 基板と、
    該基板上に形成され、複数の金属粒子及び該複数の金属粒子の周囲に設けられた粒界層を含み、各金属粒子は該粒界層から突出した凸部と該粒界層中に埋没された底部を有し、該粒界層表面と該凸部周縁部の接線とがなす角は45°ないし85°である非磁性グラニュラ下地層と、
    該凸部表面上に各々形成された非磁性中間層と、
    該非磁性中間層上に形成された磁性結晶粒子、及びそれを取り囲む粒界領域を有する垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記粒界層は、ケイ素酸化物または金属酸化物を含む請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 基板と、
    該基板上に、自己組織化材料と、有機ケイ素化合物及び有機金属化合物から選択される添加成分とを含む溶液を塗布して自己組織化層を形成し、
    該自己組織化層を相分離させ、島状ポリマー相と、該島状ポリマー相を取り囲み、前記添加成分から選択される材料を含む連続した海状ポリマー相とを含む海島相を形成し、
    該相分離された自己組織化層を焼成し、該自己組織化層中の有機成分を分解させ、かつ添加成分を酸化させることにより、該島状ポリマー相に相当する部分に複数の凹みを有し、海状ポリマー相に相当する部分にケイ素酸化物及び金属酸化物から選択される材料を含む酸化物粒界層を形成し、
    該粒界層上に金属層を成膜した後リフローし、表面張力によって各凹み上に金属粒子を形成させ、該金属粒子を再結晶化させることにより得られた、
    該粒界層から突出した凸部及び該粒界層中に埋没された底部を有する複数の金属粒子と、該複数の金属粒子の周囲に設けられた酸化物粒界層とを有する非磁性グラニュラ下地層と、
    該凸部表面上に各々形成された非磁性中間層と、
    該非磁性中間層上に形成された磁性結晶粒子、及びそれを取り囲む粒界領域を有する垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 前記粒界層表面に対する前記凸部周縁部の接線とのなす角が45°ないし85°である請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記凸部の高さは1nmないし10nmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記粒界層上の前記金属粒子の配列のピッチ分散が15%以下であり、かつ前記粒界層の上から見た前記金属粒子の粒径分布の分散が15%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記非磁性中間層は、ルテニウム、タンタル、銅、金、および、白金からなる群から選択され、前記非磁性中間層の結晶粒子は、前記凸部表面からエピタキシャル成長している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記金属粒子に使用される第1の金属は、アルミニウム、銅、銀、金、及び白金からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記金属酸化物に使用される第2の金属は、ケイ素、チタン、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
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