JP2015198014A - イオン輸送装置及び該装置を用いた質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1中間真空室2内に配置される軸ずらしのイオン輸送光学系の電極構造や電圧条件を単純化しつつ、高いイオン輸送効率を達成する。【解決手段】オフアクシスイオン輸送光学系20は、円筒状の外側電極21とその内部空間に設置された板状の内側電極22とを含むイオン偏向素子20Aと、複数の同心円状配置のリング電極群23を含む高周波カーペット20Bと、を備える。加熱キャピラリ6を通してガス流とともに導入されたイオンは、外側電極21と内側電極22との間に形成された直流電場によって偏向されてガス流と分離されるとともに、外側電極21の中心軸方向に収束される。また、そのイオンは外側電極21とリング状電極群23との間に形成される直流電場によってリング状電極群23の方向に押される。それにより、偏向されて進行するイオンは高周波カーペット20Bにより効率良く捕集され後段へと輸送される。【選択図】図1
Description
本発明はイオンを後段へと輸送するイオン輸送装置、特に、エレクトロスプレイイオン化質量分析装置等の大気圧イオン化質量分析装置や誘導結合プラズマ質量分析装置などに好適なイオン輸送装置、及び該装置を用いた質量分析装置に関する。
エレクトロスプレイイオン化法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCI)、大気圧光イオン化法(APPI)などの大気圧イオン源を用いた質量分析装置では、イオン化室は略大気圧雰囲気であるが、四重極マスフィルタなどの質量分離器やイオン検出器が配置される分析室の内部は高真空雰囲気に保つ必要がある。そこで一般に、こうした大気圧イオン化質量分析装置では、イオン化室と分析室との間に1乃至複数の中間真空室を設け、段階的に真空度を高めるようにした多段差動排気系の構成が採用されている。こうした多段差動排気系の構成である質量分析装置において、中間真空室の内部には、イオンレンズやイオンガイドとも呼ばれるイオン輸送光学系が配置されている。イオン輸送光学系は、直流電場や高周波電場、或いはその両者の作用によって、イオンを収束したり、加速又は減速したり、さらには偏向したりしつつ、イオンを後段へと輸送する素子である。
イオンを効率よく捕集しつつ輸送するために、従来の質量分析装置においては、様々な構造及び構成のイオン輸送光学系が用いられている。広く利用されているイオン輸送光学系の一つの態様として、イオン光軸の周りに又はイオン光軸に沿って多数の電極を備え、その多数の電極の中の隣接する電極同士に位相が互いに180°反転した高周波電圧を印加するとともに、それに重畳して各電極に異なる直流電圧を印加することにより、イオンを各電極から遠ざけながら捕集及び輸送するものがある。
この態様のイオン輸送光学系の代表例として、4本又はそれ以上の偶数本のロッド電極をイオン光軸の周りに配置した多重極高周波イオンガイドや、ロッド電極に代えてイオン光軸方向に配設された複数の電極板から成る仮想ロッド電極を用いた多重極高周波イオンガイド、などがある。また、特許文献1には、円形状の開口を有するアパーチャ電極をイオン光軸に沿って多数並べた構造のイオンファンネルと呼ばれるイオン輸送光学系が開示されている。さらにまた、特許文献2には、プリント基板上に多数のリング状電極を略同心円状に形成した高周波カーペットと呼ばれるイオン輸送光学系が開示されている。
また、特に液体クロマトグラフ質量分析装置や誘導結合プラズマ質量分析装置では、イオンと混じって導入される中性粒子に起因するノイズが問題となることが多い。そのため、イオンと中性粒子とを分離するために、低真空領域からのイオン入射口の中心軸と高真空領域へのイオン出射口の中心軸とをずらすオフアクシス(軸外し)のイオン輸送光学系がしばしば用いられる。こうしたオフアクシスのイオン輸送光学系では、特に、高いイオン捕集作用を有するイオンファンネルや高周波カーペットなどが利用されることが多い。
上述したようなイオン輸送光学系は、イオンの挙動のシミュレーション計算や実機による実験などに基づいて設計される。しかしながら、大気圧イオン化質量分析装置の中間真空室、特にイオン化室の次段の中間真空室のような低真空領域に配置される、オフアクシスのイオン輸送光学系の設計は必ずしも容易ではなく、電極の構造が複雑になったり、それら電極に印加される電圧の条件の許容度が狭くなったりする傾向にある。その主たる理由は、そうした低真空領域では、前段の領域との真空度の差が大きいために前段の領域から流れ込んで来るガスの流れが強く、イオンの挙動は電場のみならずガスの流れの影響を大きく受けるからである。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、電極構造や電圧条件が単純でありながら、中性粒子を除去しつつ分析対象であるイオンを効率よく収集し後段、例えば質量分離器や別のイオン輸送装置などへと輸送することができるイオン輸送装置及び該装置を用いた質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係るイオン輸送装置は、ガス圧が相対的に高い第1領域からガス圧が相対的に低い第2領域へイオン導入孔を通して導入されたイオンを、前記イオン導入孔の中心軸と同一直線上に位置しない中心軸を有するイオン出射孔を通して後段へと送るために、該第2領域中に配設されるイオン輸送装置であって、
a)前記イオン入射孔を通して導入されたイオンの軌道を電場の作用により偏向させるイオン偏向部と、
b)該イオン偏向部と前記イオン出射孔との間に配置され、該イオン出射孔の中心軸と同一直線上にイオン光軸を有し、高周波電場によってイオンを該イオン光軸付近に収束させつつ後段へと送るイオン収集部と、
を備え、前記イオン偏向部は、
a1)円筒状の外側電極と、該外側電極の内部空間に該外側電極の内周面の一部に対面するように配置された、平板状又は棒状である内側電極と、からなり、前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に前記イオン導入孔からのイオン流が導入されるように、該外側電極及び内側電極がそれぞれ配置されてなる電極部と、
a2)前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に、イオンが該内側電極へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成され、前記外側電極と前記イオン収集部との間に、イオンが該イオン収集部へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成されるように、前記外側電極、前記内側電極、及び前記イオン収集部にそれぞれ所定の直流電圧を印加する電圧発生部と、
を有することを特徴としている。
a)前記イオン入射孔を通して導入されたイオンの軌道を電場の作用により偏向させるイオン偏向部と、
b)該イオン偏向部と前記イオン出射孔との間に配置され、該イオン出射孔の中心軸と同一直線上にイオン光軸を有し、高周波電場によってイオンを該イオン光軸付近に収束させつつ後段へと送るイオン収集部と、
を備え、前記イオン偏向部は、
a1)円筒状の外側電極と、該外側電極の内部空間に該外側電極の内周面の一部に対面するように配置された、平板状又は棒状である内側電極と、からなり、前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に前記イオン導入孔からのイオン流が導入されるように、該外側電極及び内側電極がそれぞれ配置されてなる電極部と、
a2)前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に、イオンが該内側電極へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成され、前記外側電極と前記イオン収集部との間に、イオンが該イオン収集部へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成されるように、前記外側電極、前記内側電極、及び前記イオン収集部にそれぞれ所定の直流電圧を印加する電圧発生部と、
を有することを特徴としている。
本発明に係るイオン輸送装置では、イオン導入孔を挟んだ第1領域と第2領域との圧力差のために、イオン導入孔を通して第1領域から第2領域へ強い勢いのガス流が生じる。イオンはこのガス流に乗って第2領域へと導入される。第2領域において、ガス流とイオンとは、円筒状の外側電極と平板状又は棒状である内側電極との間の空間に導入されるが、ガス流は電場の影響を受けないので拡がりつつほぼ直進する。イオン化していない成分分子などの中性粒子もガス流とともに直進する。
一方、電圧発生部から外側電極及び内側電極にそれぞれ印加される電圧により、両電極の間に形成される直流電場の作用を受けて、イオンは内側電極の方向に軌道を曲げる。また、外側電極は円筒状であるため、その外側電極の円筒の中心軸付近にイオンを収束させる力が作用する。そのため、軌道を曲げつつ進むイオンに強いガス流が当たってもイオンの拡散は抑制される。さらにまた、イオン偏向部とイオン収集部との間に形成される電場によって、イオン収集部へと向かうイオンには後方から押す力が作用するので、それによってもイオンの拡散は軽減される。その結果、ガス流とともに第2領域に導入されたイオンはガス流と分離され、或る程度まとまってイオン収集部に達し、イオン収集部により形成されている高周波電場に効率良く捕捉されて後段へと送られる。
イオン偏向部の外側電極と内側電極との間、及びその外側電極とイオン収集部との間に、それぞれ上記のような電位勾配を有する適切な直流電場が形成するために、内側電極は外側電極の円筒の中心軸上に配置するとよい。また、内側電極は外側電極の内部空間(円筒状の外側電極の周面及び両開放端面で囲まれる空間)に挿入された状態となるが、外側電極の内部空間への内側電極の挿入長は上記内部空間における内側電極と外側電極と間の距離の1/2程度から外側電極の長さ程度とするとよい。何故なら、この挿入長が大きすぎると、外側電極とイオン収集部との間に形成される直流電場の電位勾配が内側電極の影響を受けて適切な形状にならず、逆に挿入長が小さすぎると、外側電極と内側電極との間に形成される直流電場が十分なイオン偏向作用を生じないためである。
また、本発明に係るイオン輸送装置では、イオン偏向部に形成される電場の作用によりイオンは外側電極の円筒の中心軸付近に収束されるものの、高周波電場による閉じ込め作用はないため、イオンを小径に絞ることは難しい。そこで、イオンの輸送効率を高めるためには、イオン収集部としてイオンのアクセプタンスが良好である特性のイオン光学素子を用いることが好ましい。具体的には、上述した高周波カーペットやイオンファンネルなどをイオン収集部として用いるとよい。
即ち、本発明に係るイオン輸送装置の好ましい一態様の装置では、上記イオン収集部は、
上記イオン出射孔を中心として略同心円状に配置された複数のリング状電極から成る電極群と、
その複数のリング状電極のそれぞれに電圧を印加するものであって、径方向に隣接するリング状電極に対して互いに位相が180°反転した高周波電圧を印加するとともに、イオンが上記電極群の外周側から内周側に向かう電位勾配が形成されるように各リング状電極にそれぞれ異なる直流電圧を印加する第2電圧発生部と、
を含む構成とするとよい。
上記イオン出射孔を中心として略同心円状に配置された複数のリング状電極から成る電極群と、
その複数のリング状電極のそれぞれに電圧を印加するものであって、径方向に隣接するリング状電極に対して互いに位相が180°反転した高周波電圧を印加するとともに、イオンが上記電極群の外周側から内周側に向かう電位勾配が形成されるように各リング状電極にそれぞれ異なる直流電圧を印加する第2電圧発生部と、
を含む構成とするとよい。
ここで、上記電極群に含まれる複数のリング状電極は同一平面上に配置されていてもよいが、その複数のリング状電極の同心円の中心軸方向に各リング状電極が少しずつずれて配置された構成であってもよい。後者の構成では、開口部の径が最も大きなリング状電極がイオンが到来する側の最も手前に位置し、上記同心円の中心軸方向に進むに従い、開口部の径が徐々に縮小するように各リング状電極を配置するとよい。
上記態様では、複数のリング状電極の中で隣接するリング状電極に対して互いに位相が180°反転した高周波電圧が印加されると、それによってリング状電極の近傍に、イオンを該電極から遠ざける作用を有する高周波電場が形成される。一方、イオン偏向部とイオン収集部との間に形成される直流電場によって、イオンはイオン収集部、つまりはリング状電極に向かうように押される。この二つの電場の作用によって、イオンはリング状電極に接触することなく該電極近傍に捕集される。また、第2電圧発生部から各リング状電極に印加される直流電圧によって形成される直流電場の作用により、イオンは電極群の外周側に位置するリング状電極から内周側に位置するリング状電極の方向に移送される。そして、内周側に位置する開口部に集められたイオンは、例えば電極群とその後段のデバイス等との間に形成されている直流電場の作用、又は、ガス圧差を利用したガス流の作用などによって、開口部を経て後段へと輸送される。
これにより、イオン偏向部で軌道が曲げられたイオンが或る程度広がってイオン収集部に到達した場合であっても、イオンを効率良く捕集して次段へと送ることができる。
これにより、イオン偏向部で軌道が曲げられたイオンが或る程度広がってイオン収集部に到達した場合であっても、イオンを効率良く捕集して次段へと送ることができる。
また、上記態様においては、本願出願人が先に出願したPCT/JP2013/066564号に記載の新規な高周波カーペットを用いることがより好ましい。即ち、複数のリング状電極として、その径方向の断面形状が、少なくともイオンが到来する側に面した部分が湾曲状又は複数の直線を組み合わせた擬似湾曲状であるようなリング状電極を用いるとよい。リング状電極の断面形状を湾曲状又は擬似湾曲状とすると、リング状電極近傍に生じる高周波電場の強度勾配が大きくなる。その結果、擬ポテンシャルの勾配が急峻になるとともに、それにより形成されるポテンシャル井戸が深くなる。擬ポテンシャル勾配はイオンに対する擬似的な斥力となるので、擬ポテンシャル勾配が急峻になることでイオンがリング状電極に近づき過ぎることを回避でき、リング状電極との衝突によるイオンの消失を少なくすることができる。
本発明に係るイオン輸送装置は、特に第1領域と第2領域とのガス圧差が大きく、且つ第2領域におけるガス圧が比較的高い(真空度が悪い)ために残留ガスとイオンとの接触を利用したイオンの収束を有効に行える状況において効果が高い。
こうしたことから、本発明に係る質量分析装置は、エレクトロスプレイイオン化質量分析装置などの大気圧イオン化質量分析装置や誘導結合プラズマ質量分析装置など、多段差動排気の構成を採る質量分析装置であって、イオン化室又はイオン源の次の段の第1中間真空室に内部に上記発明に係るイオン輸送装置が配設されてなることを特徴としている。
こうしたことから、本発明に係る質量分析装置は、エレクトロスプレイイオン化質量分析装置などの大気圧イオン化質量分析装置や誘導結合プラズマ質量分析装置など、多段差動排気の構成を採る質量分析装置であって、イオン化室又はイオン源の次の段の第1中間真空室に内部に上記発明に係るイオン輸送装置が配設されてなることを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置によれば、第1中間真空室の内部に配置したイオン輸送装置により、ノイズの原因となる中性粒子を的確に除去しつつ、分析対象であるイオンを効率良く収集して四重極マスフィルタ等の質量分離器が配設された分析室まで輸送することができる。それによって、高感度、高精度の測定を行うことができる。
また、イオンは、質量電荷比が同一であったとしても、その価数や立体構造、大きさなどによりガス流から受ける影響の度合が異なる。一般に、価数が大きい、サイズが小さいといったイオン移動度が高いイオンは、ガス流よりも電場の影響を受けやすい。そのため、内側電極と外側電極に印加する電圧の差を大きくすると、イオン移動度が大きなイオンはイオン収集部による捕捉範囲外まで偏向されたり、イオン偏向部自体に衝突したりすることになる。このように本発明に係るイオン輸送装置はイオンをイオン移動度に応じて分離する機能を有する。
そこで、本発明に係る質量分析装置では、特定のイオン移動度又はイオン移動度範囲を有するイオンを前記イオン輸送装置により選択して質量分析するべく、分析対象であるイオンのイオン移動度又はイオン移動度範囲に応じて前記外側電極及び前記内側電極に印加する直流電圧を調整するように前記電圧発生部を制御する制御部、をさらに備える構成とするとよい。
この構成によれば、同じ質量電荷比であるために四重極マスフィルタ等の質量分離器では分離できないイオンの中で、イオン移動度の小さなイオンだけを選択的に測定することが可能となる。これによって、例えば、同一の質量電荷比であるイオンの中で多価イオンを排除して、1価又は価数の低いイオンのみを検出することができる。
本発明に係るイオン輸送装置によれば、イオン導入孔を通して第2領域に流れ込むガス流の勢いが強い状況下であっても、比較的単純な構造の電極を用い、該電極に印加する電圧の条件も緩和しながら、イオンとともに第2領域に導入される中間粒子を除去し、分析対象であるイオンを高い効率で収集して後段へと輸送することができる。それにより、本発明に係るイオン輸送装置を用いた質量分析装置では、質量分析に供されるイオンの量が増加し、分析感度を向上させることができる。また、イオン輸送装置における電極構造や電圧条件が単純化できることで、装置の性能向上を図りながらコスト増加を抑えることができる。
以下、本発明に係るイオン輸送装置を用いた質量分析装置の一実施例であるエレクトロスプレイイオン化質量分析装置を、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施例の質量分析装置の概略構成図である。
図1は本実施例の質量分析装置の概略構成図である。
図1に示すように、略大気圧雰囲気であるイオン化室1と高真空雰囲気に維持される分析室4との間には、低真空雰囲気である第1中間真空室2と、該第1中間真空室2と分析室4との中間の真空度に維持される第2中間真空室3と、が設けられ、イオンの進行方向に段階的に真空度が高くなる多段差動排気系の構成となっている。例えば、イオン化室1内のガス圧は約105Pa、第1中間真空室2内のガス圧は約100Pa、第2中間真空室3内のガス圧は約1〜10-2Pa、分析室4内のガス圧は約10-3〜10-4Paである。
イオン化室1内には、試料成分を含む試料液がエレクトロスプレイノズル5から電荷を付与されつつ噴霧される。噴霧された帯電液滴は周囲の大気に接触して微細化され、溶媒が蒸発する過程で試料成分がイオン化される。なお、エレクトロスプレイイオン化法ではなく、大気圧化学イオン化法、大気圧光イオン化法など、他の大気圧イオン化法を採用してもよい。また、誘導結合プラズマイオン化法でもよい。
イオン化室1と第1中間真空室2との間は細径の加熱キャピラリ(本発明におけるイオン導入孔に相当)6により連通しており、イオン化室1内で生成されたイオンは、主として加熱キャピラリ6の両開口端の圧力差によって加熱キャピラリ6に吸い込まれる。そして、イオン化室1から第1中間真空室2に流れ込むガス流とともに、イオンは第1中間真空室2内に吐き出される。第1中間真空室2と第2中間真空室3とを隔てる隔壁には、頂部に小径のイオン通過孔(本発明におけるイオン出射孔に相当)7aを有するスキマー7が設けられている。第1中間真空室2内に開放する加熱キャピラリ6の出口端6aの中心軸C1とスキマー7のイオン通過孔7aの中心軸C2とは、平行で且つ所定距離だけずらしたオフアクシスと構成となっている。この第1中間真空室2内には、後述する特徴的なオフアクシスイオン輸送光学系20が配置されており、このオフアクシスイオン輸送光学系20により、中性粒子が除去される一方、イオンは捕集されて第2中間真空室3へと送られる。
第2中間真空室3内には四重極型又は多重極型のイオンガイド8が配設されており、このイオンガイド8により形成される高周波電場の作用によりイオンは収束され分析室4に送り込まれる。分析室4内においてイオンは四重極マスフィルタ9の長軸方向の空間に導入され、四重極マスフィルタ9に印加されている高周波電圧と直流電圧とにより形成される電場の作用により、特定の質量電荷比m/zを有するイオンのみが四重極マスフィルタ9を通り抜けてイオン検出器10に到達する。イオン検出器10は入射したイオンの量に応じた検出信号を生成してデータ処理部11へと送る。イオン化室1内で生成される試料成分由来のイオンのうち、分析対象であるイオンの損失を極力抑えつつイオン検出器10に入射させることで、高い感度の質量分析が実現できる。
第1中間真空室2内に配置されたオフアクシスイオン輸送光学系20は、イオン偏向素子20Aと高周波カーペット20Bとから成る。これらの詳細な構成は後述する。直流電圧発生部14は、加熱キャピラリ6、イオン偏向素子20A、及びスキマー7にそれぞれ所定の直流電圧を印加するとともに、高周波カーペット駆動部15に含まれる電圧重畳部18に直流バイアス電圧を与える。高周波カーペット駆動部15において電圧重畳部18は、高周波電源16で生成された高周波電圧(交流電圧)と、直流電源17で生成された直流電圧と、上記直流バイアス電圧とを加算し、その加算した電圧を高周波カーペット20Bに含まれる各リング状電極に印加する。これら各電圧の電圧値(振幅値)は、中央制御部12による指示に基づく分析制御部13により制御される。なお、エレクトロスプレイノズル5、イオンガイド8、四重極マスフィルタ9などにもそれぞれ所定の電圧が印加されるが、それらについては図1において記載を省略している。
図2はイオン偏向素子20Aの概略斜視図、図3は高周波カーペット20Bの概略斜視図、図4はイオン偏向素子20Aの電極部と高周波カーペット20Bの電極部との間の空間に形成される電場の概略ポテンシャル分布を示す模式図である。
オフアクシスイオン輸送光学系20を構成するイオン偏向素子20Aは、図2(a)に示すように、円筒状の外側電極21と、その外側電極21の内部空間に、該電極21と電気的に絶縁された状態(例えば接触しない状態)で配置された平板状の内側電極22とを含む。内側電極22は、外側電極21の中心軸上で且つ該中心軸に平行に延展するように配置されている。また、外側電極21の内部空間(外側電極21の周面及び両開放端面で囲まれる円柱状の空間)への内側電極22の挿入長は、その内部空間において内側電極22と外側電極21と間の距離の1/2(図2(a)中のd)程度から外側電極の長さL程度であればよい。
外側電極21及び内側電極22は、外側電極21の周面が加熱キャピラリ6の出口端6aの中心軸C1と平行になり、且つ中心軸C1が外側電極21の内周面と内側電極22との間の中間となる(つまり、図2に示すように中心軸Cから外側電極21の内周面までの距離と中心軸Cから内側電極22までの距離とが同一のdとなる)ように配置される。なお、平板状の内側電極22に代えて、図2(b)に示すように、棒状の内側電極22Bを用いてもよい。
加熱キャピラリ6を経たガス流やイオン、イオン化していない成分分子などの中性粒子はいずれも、出口端6aから主として中心軸C1に沿った方向に向けて第1中間真空室2内に吹き出す。そのため、それらは外側電極21と内側電極22との間の空間に導入される。外側電極21と内側電極22との間の空間に、イオンを内側電極22の方向に偏向させる直流電場が形成されるように、直流電圧発生部14から外側電極21及び内側電極22それぞれに所定の直流電圧が印加される。例えば分析対象が正イオンである場合には、内側電極22への印加電圧よりも高い電圧が外側電極21に印加される。これにより、強いガス流とともに加熱キャピラリ6の出口端6aから吹き出したイオンの軌道は、図2中に点線で示すように内側電極22に近づく方向に曲がる。一方、電荷を持たない中性粒子を含むガス流は電場の影響を受けずに拡がりつつ直進する。そのため、イオン流はガス流と分離される。
また、外側電極21は円筒状であるため、外側電極21の内周面と内側電極22との間に形成される電場は、外側電極21の内部空間にあるイオンを該外側電極21の中心軸方向に押す作用を有する。そのため、偏向されつつ進むイオンの拡がりは抑えられ、外側電極21の中心軸の周りに収束する。
高周波カーペット20Bは、図3に示すように、略平面上に同心円状に配置された複数のリング状電極231、232、…を含むリング状電極群23を有する。このリング状電極群23は、スキマー7が形成された隔壁の前方に、その中心軸がスキマー7のイオン通過孔7aの中心軸C2(つまりはイオン光軸C)に一致するように配置される。各リング状電極231、232、…はそれぞれ、中心軸を含む平面で切断した断面、つまりは径方向の断面、の形状が同一半径の円形状である。
高周波カーペット駆動部15により、リング状電極群23の中で同心円の径方向に隣接するリング状電極、例えばリング状電極231とリング状電極232とには、振幅が同一であって位相が互いに180°異なる高周波電圧+Vcosωtと−Vcosωtがそれぞれ印加される。即ち、このリング状電極群23の径方向に交互に位置するリング状電極の一方(図3の例ではリング状電極232、234)に+Vcosωtが印加され、他方(図3の例ではリング状電極231、233、235)に−Vcosωtが印加される。高周波電源16はこれら高周波電圧±Vcosωtを生成する。
また、直流電源17で生成される直流電圧により、リング状電極231、232、…には、それぞれ異なる電圧値の直流電圧U1、U2、…が印加される。各リング状電極231、232、…に印加される直流電圧U1、U2、…は、図4に示すように、リング状電極群23の外周側から内周側に向かって下り勾配になるポテンシャルを形成するように設定されている。この勾配の上り・下りはイオンの極性によって異なるから、分析対象であるイオンの極性によって、直流電圧U1、U2、…の極性は異なる。リング状電極群23から或る程度の距離以内に位置するイオンにはこのような下り勾配のポテンシャルを示す直流電場が作用するので、そのポテンシャルの勾配に従ってイオンは移動する。つまり、イオンはリング状電極群23の外周側から内周側へ、つまりは中心軸C2に向かって移動して中心軸C2付近に集まることになる。
上述したように高周波電圧±Vcosωtによりリング状電極231、232、…の近傍に形成される高周波電場は、イオンをリング状電極231、232、…から遠ざける下り勾配の擬ポテンシャルを持つ。一方、イオン偏向素子20Aの外側電極21と高周波カーペット20Bのリング状電極群23との間の空間に、外側電極21からリング状電極群23へ向かって下り勾配のポテンシャルが形成されるように、外側電極21に印加される直流電圧とリング状電極群23に印加される直流バイアス電圧との関係が定められている。例えば分析対象が正イオンである場合には、リング状電極群23への印加電圧よりも高い電圧が外側電極21に印加される。そのため、図4に示すように、イオン光軸Cに沿ったポテンシャル分布では、外側電極21の出口側端面からリング状電極群23に向かって急峻な下り勾配のポテンシャルが形成され、リング状電極群23からその前方に所定距離離れた位置にポテンシャルの井戸が形成されることになる。そのため、イオン偏向素子20Aで偏向され収束しながら進行するイオンはリング状電極群23側へと押され、つまりその進行が促進され、ポテンシャル井戸に捕捉される。そして、リング状電極群23の外周側から内周側へ下り勾配を示すポテンシャルによってその中央部分に集められ、スキマー7のイオン通過孔7aに吸い込まれて第2中間真空室3へと送られる。
図5は、オフアクシスイオン輸送光学系20により形成される電場における擬ポテンシャル等高線のシミュレーション結果を示す図である。この例では、外側電極21に25[V]、 内側電極22に15[V]を印加し、リング状電極群23の中の最外周のリング状電極には20[V]を印加している。図5から、外側電極21と内側電極22との間には、正イオンを内側電極22の方向に押す電位勾配が形成され、内側電極22の後端部よりも後方側の外側電極21の内部空間には、正イオンをその外側電極21の中心軸付近に収束させるような電位勾配が形成され、さらに、外側電極21とリング状電極群23との間の空間には、正イオンをリング状電極群23の方向に押す電位勾配が形成されていることが分かる。これにより、第1中間真空室2に導入されたイオンはイオン偏向素子20Aによりガス流れから分離され、高周波カーペット20Bにより効率良く捕集される。なお、図5に示した結果から、イオン偏向素子20Aにおけるイオンの収束の程度は、外側電極21の径や該電極21に印加される電圧によって制御可能であることが分かる。
図6(a)は本実施例の質量分析装置においてイオン偏向素子を用いた場合、図6(b)はイオン偏向素子を用いない場合(高周波カーペットあり、軸ずらしあり、偏向なし)、に得られるマススペクトルを実測した結果を示す図である。
図6に示すように、上述した構成のオフアクシスイオン輸送光学系を用いることで、信号強度は50%程度増加している。これは、イオンを強いガスの流れから遠ざけ、その影響を受けにくくしたことで、電場によるイオンの収集の効率が向上した結果であると考えられる。
図6に示すように、上述した構成のオフアクシスイオン輸送光学系を用いることで、信号強度は50%程度増加している。これは、イオンを強いガスの流れから遠ざけ、その影響を受けにくくしたことで、電場によるイオンの収集の効率が向上した結果であると考えられる。
上述したオフアクシスイオン輸送光学系20では、直流電場の作用によりイオンの軌道を曲げて該イオンをガス流から分離しているが、イオンの軌道の曲がり方に対するガス流や電場の影響度合は、イオンの価数や立体構造、或いは大きさなどに関係するイオン移動度によって異なる。即ち、イオン価数が大きい等、イオン移動度の高いイオンは、ガス流よりも電場の影響を受け易い。そのため、外側電極21と内側電極22に印加する電圧の差を大きくする(電場強度を大きくする)と、イオン移動度の高いイオンの軌道の曲がりが大きくなって、イオンが高周波カーペット20Bにより捕集可能な範囲を外れたり内側電極22自体に接触したりして消失する。つまり、オフアクシスイオン輸送光学系20はイオンをイオン移動度に応じて分離する機能を有するから、これを利用して、イオン移動度の大きなイオンを排除し、イオン移動度の小さなイオンだけを質量分析する機能を付加することができる。
図7は、本実施例の質量分析装置においてイオン偏向素子20Aの外側電極21と内側電極22に印加する電圧の差Vspを変えたときに得られるマススペクトルの実測結果を示す図である。サンプルは図6に示した実測例と同じである。
図7に示すように、電圧差Vspを大きくしてゆくと、特に質量電荷比が小さなイオンが観測されなくなることが分かる。これは、分子量は同じであっても価数が大きいために小さい質量電荷比を持つイオン(多価イオン)が排除されていくためである。
図7に示すように、電圧差Vspを大きくしてゆくと、特に質量電荷比が小さなイオンが観測されなくなることが分かる。これは、分子量は同じであっても価数が大きいために小さい質量電荷比を持つイオン(多価イオン)が排除されていくためである。
こうしたイオン移動度の相違を利用したイオン選択を行うためには、例えばイオン移動度又はイオン移動度範囲を有するイオンが効率良く輸送される電圧差Vspを予め調べて分析制御部13に記憶しておく。そして、分析対象であるイオンの質量電荷比又は質量電荷比範囲が指定されたときに、分析制御部13は、その質量電荷比又は質量電荷比範囲に対応して選択すべきイオン移動度又はイオン移動度範囲を求め、そのイオン移動度又はイオン移動度範囲に応じた電圧を印加するように直流電圧発生部14を制御する。それによって、同じ質量電荷比を有するイオンであってもイオン移動度が大きなイオン、つまりは価数が大きなイオンはオフアクシスイオン輸送光学系20で排除される。このときオフアクシスイオン輸送光学系20では質量電荷比に応じたイオンの選択はなされないので、イオン移動度が近く質量電荷比は様々であるイオンが四重極マスフィルタ9に導入されるが、四重極マスフィルタ9において特定の質量電荷比を有するイオンが選択されるので、イオン検出器10には特定の質量電荷比を有し価数が小さい(又は価数が近い)イオンのみが入射する。これにより、イオン化の際に多価イオンが発生し易い分子について、価数の小さなイオンのみを選択的に分析することができる。
次に、本発明に係るイオン輸送装置の他の実施例であるオフアクシスイオン輸送光学系について、図8に示した概略構成図を参照して説明する。図8において、上記実施例におけるオフアクシスイオン輸送光学系20と同じ構成要素には同じ符号を付している。即ち、この実施例におけるオフアクシスイオン輸送光学系は、上記実施例と同じイオン偏向素子20Aと、高周波カーペット20Bに代わるイオンファンネル20Cとを備える。
イオンファンネル20Cは、イオン光軸Cに沿って並べられ、且つイオンの進行方向(図8において右方向)に内径が徐々に小さくなる複数の円環状電極群25を含む。
図示しないイオンファンネル駆動部から、イオン光軸C方向に隣接する円環状電極に互いに位相が反転した高周波電圧を印加するとともに、各円環状電極にイオン光軸C方向にイオンが移動するようにそれぞれ異なる直流電圧を印加する。これによって、上述した高周波カーペット20Bの場合と同様に、イオン偏向素子20Aで偏向され収束されつつ進行するイオンを効率よく収集し、微小径のイオン通過孔7aを通して第2中間真空室3へ輸送することができる。
図示しないイオンファンネル駆動部から、イオン光軸C方向に隣接する円環状電極に互いに位相が反転した高周波電圧を印加するとともに、各円環状電極にイオン光軸C方向にイオンが移動するようにそれぞれ異なる直流電圧を印加する。これによって、上述した高周波カーペット20Bの場合と同様に、イオン偏向素子20Aで偏向され収束されつつ進行するイオンを効率よく収集し、微小径のイオン通過孔7aを通して第2中間真空室3へ輸送することができる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…イオン化室
2…第1中間真空室
3…第2中間真空室
4…分析室
5…エレクトロスプレイノズル
6…加熱キャピラリ
7…スキマー
7a…イオン通過孔
8…イオンガイド
9…四重極マスフィルタ
10…イオン検出器
11…データ処理部
12…中央制御部
13…分析制御部
14…直流電圧発生部
15…高周波カーペット駆動部
16…高周波電源
17…直流電源
18…電圧重畳部
20…オフアクシスイオン輸送光学系
20A…イオン偏向素子
21…外側電極
22…内側電極
20B…高周波カーペット
23…リング状電極群
231〜235…リング状電極
20C…イオンファンネル
25…円環状電極群
2…第1中間真空室
3…第2中間真空室
4…分析室
5…エレクトロスプレイノズル
6…加熱キャピラリ
7…スキマー
7a…イオン通過孔
8…イオンガイド
9…四重極マスフィルタ
10…イオン検出器
11…データ処理部
12…中央制御部
13…分析制御部
14…直流電圧発生部
15…高周波カーペット駆動部
16…高周波電源
17…直流電源
18…電圧重畳部
20…オフアクシスイオン輸送光学系
20A…イオン偏向素子
21…外側電極
22…内側電極
20B…高周波カーペット
23…リング状電極群
231〜235…リング状電極
20C…イオンファンネル
25…円環状電極群
Claims (5)
- ガス圧が相対的に高い第1領域からガス圧が相対的に低い第2領域へイオン導入孔を通して導入されたイオンを、該イオン導入孔の中心軸と同一直線上に位置しない中心軸を有するイオン出射孔を通して後段へと送るために、該第2領域中に配設されるイオン輸送装置であって、
a)前記イオン入射孔を通して導入されたイオンの軌道を電場の作用により偏向させるイオン偏向部と、
b)該イオン偏向部と前記イオン出射孔との間に配置され、該イオン出射孔の中心軸と同一直線上にイオン光軸を有し、高周波電場によってイオンを該イオン光軸付近に収束させつつ後段へと送るイオン収集部と、
を備え、前記イオン偏向部は、
a1)円筒状の外側電極と、該外側電極の内部空間に該外側電極の内周面の一部に対面するように配置された、平板状又は棒状である内側電極と、からなり、前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に前記イオン導入孔からのイオン流が導入されるように、該外側電極及び内側電極がそれぞれ配置されてなる電極部と、
a2)前記外側電極の内周面と前記内側電極との間に、イオンが該内側電極へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成され、前記外側電極と前記イオン収集部との間に、イオンが該イオン収集部へ向かう電位勾配を有する直流電場が形成されるように、前記外側電極、前記内側電極、及び前記イオン収集部にそれぞれ所定の直流電圧を印加する第1電圧発生部と、
を有することを特徴とするイオン輸送装置。 - 請求項1に記載のイオン輸送装置であって、
前記イオン収集部は、
前記イオン出射孔を中心として略同心円状に配置された複数のリング状電極から成るリング状電極群と、
前記複数のリング状電極のそれぞれに電圧を印加するものであって、径方向に隣接するリング状電極に対して互いに位相が180°反転した高周波電圧を印加するとともに、イオンが前記リング状電極群の外周側から内周側に向かう電位勾配が形成されるように各リング状電極にそれぞれ異なる直流電圧を印加する第2電圧発生部と、
を含むことを特徴とするイオン輸送装置。 - 請求項1又は2に記載のイオン輸送装置であって、
前記外側電極の内周面と前記内側電極との間の略中間位置に前記イオン導入孔からのイオン流が導入されるように、該外側電極及び内側電極はそれぞれ配置されることを特徴とするイオン輸送装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のイオン輸送装置を用いた質量分析装置であって、
略大気圧雰囲気の下で試料成分をイオン化するイオン源と、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部が配置された高真空雰囲気に維持される分析室と、の間に、その真空度が順番に高くなるn個(ただしnは1以上の整数)の中間真空室を備え、前記イオン源の次の第1中間真空室の内部に前記イオン輸送装置が配設されてなることを特徴とする質量分析装置。 - 請求項4に記載の質量分析装置であって、
特定のイオン移動度又はイオン移動度範囲を有するイオンを前記イオン輸送装置により選択して質量分析するべく、分析対象であるイオンのイオン移動度又はイオン移動度範囲に応じて前記外側電極及び前記内側電極に印加する直流電圧を調整するように前記電圧発生部を制御する制御部、をさらに備えることを特徴とする質量分析装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014075527A JP2015198014A (ja) | 2014-04-01 | 2014-04-01 | イオン輸送装置及び該装置を用いた質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014075527A JP2015198014A (ja) | 2014-04-01 | 2014-04-01 | イオン輸送装置及び該装置を用いた質量分析装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2015198014A true JP2015198014A (ja) | 2015-11-09 |
Family
ID=54547586
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2014075527A Pending JP2015198014A (ja) | 2014-04-01 | 2014-04-01 | イオン輸送装置及び該装置を用いた質量分析装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2015198014A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017104053A1 (ja) | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 株式会社島津製作所 | イオン分析装置 |
| CN112955998A (zh) * | 2018-12-19 | 2021-06-11 | 株式会社岛津制作所 | 质量分析装置 |
| CN115172139A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-10-11 | 天津国科医工科技发展有限公司 | 一种离子流离轴引导装置 |
-
2014
- 2014-04-01 JP JP2014075527A patent/JP2015198014A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017104053A1 (ja) | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 株式会社島津製作所 | イオン分析装置 |
| US10991565B2 (en) | 2015-12-17 | 2021-04-27 | Shimadzu Corporation | Ion analyzer |
| CN112955998A (zh) * | 2018-12-19 | 2021-06-11 | 株式会社岛津制作所 | 质量分析装置 |
| CN112955998B (zh) * | 2018-12-19 | 2024-12-06 | 株式会社岛津制作所 | 质量分析装置 |
| CN115172139A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-10-11 | 天津国科医工科技发展有限公司 | 一种离子流离轴引导装置 |
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