JP2015184057A - 蛍光光度計の点検用セルおよび蛍光光度計の点検方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便で、かつ安定した条件の下で実施可能な蛍光光度計の点検の際に供される点検用セルと、この点検用セルを使用する蛍光光度計の点検方法を提供する。
【解決手段】対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検するに当たり、蛍光光度計内に挿入され、照射された励起光に対して蛍光を発する点検用セル300であって、点検用セル300のうち、少なくとも励起光が照射される励起光被照射部303がシクロオレフィンポリマー(COP)からなる。
【選択図】図3
【解決手段】対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検するに当たり、蛍光光度計内に挿入され、照射された励起光に対して蛍光を発する点検用セル300であって、点検用セル300のうち、少なくとも励起光が照射される励起光被照射部303がシクロオレフィンポリマー(COP)からなる。
【選択図】図3
Description
本発明は、蛍光光度計の劣化の有無やメンテナンスの要否を点検する際に使用する点検用セルと、この点検用セルを使用しておこなう蛍光光度計の点検方法に関するものである。
蛍光強度を用いて、免疫学的抗原抗体反応の前後で蛍光量の変化から検査対象物の同定や定量を行う、蛍光免疫測定が医薬分野や環境分野などで適用されている。
この免疫学的抗原抗体反応を利用する方法として、特許文献1に開示されるQ-body(登録商標)法がある。この方法は、抗体を蛍光色素によって標識し、クエンチングの解消による蛍光強度の変化を指標として液相状態で抗原の濃度を測定したり、抗原を可視化する技術である。このQ-body法によれば、税関などの現場において、簡易型の蛍光光度計を使用して不法薬物の検査が可能になる。
上記するQ-body法を適用した蛍光測定に供される蛍光光度計として、固体光源を励起光源とし、フォトダイオードを受光器とする蛍光光度計が特許文献2に記載されている。この蛍光光度計によれば、検査対象を液相状態で、迅速かつ簡便な目的物質の同定が可能になる。この蛍光光度計は、液体試薬に励起光を入射させ、液体試薬から放射される第一の蛍光を測定し、次に、その液体試薬に検査対象の被検査液を混ぜて反応させ、反応後の検査対象液に励起光を入射させ、検査対象液から放射される第二の蛍光を測定し、第一の蛍光と第二の蛍光の比較(蛍光変化の割合)から被検査液に含有される物質の同定を行うというものである。
なお、簡単な操作で正確な量の試薬を測定して混合液体を調合する液体混合用容器が特許文献3に開示されている。ここでは、液体混合用容器を構成する被混合物収容部(励起光被照射部)がポリスチレン(PS)やアクリル樹脂(PMMA)などから形成されるとしている。
ところで、蛍光測定に使われる蛍光光度計は、開口部を介して検査用のセルを挿入する際にこの開口部から水分やゴミが入り込み、光学系(レンズ)が結露したり、この結露に起因してゴミが付着して励起光の入射量が減り、さらには対象物から受光器側へ放射される蛍光量も減ってしまうなど、使用頻度や経過時間が多くなるにつれて正常動作ができなくなることがある。
また、光源の経時変化や受光素子の劣化などが、蛍光光度計の正常動作の障害の原因となり得る。
上記課題を解消するべく、特許文献4に開示の蛍光発光測定装置では、当該装置の機能を点検するに当たり、試薬を入れたセルを挿入し、そのセルに励起光を照射して試薬を蛍光発光させ、その蛍光発光量を測定することによりおこなっている。
特許文献4に開示の蛍光発光測定装置によれば、当該装置の測定に影響し得る劣化の有無やメンテナンスの要否を特定することが可能になる。しかしながら、特許文献4をはじめとする従来の蛍光発光測定装置においては、新たな課題が存在している。
上記する蛍光発光測定装置の機能点検に供される試薬としては、純度が高く、かつ入手し易い等の理由から、TAMRA(carbocytetremethlrhodamine:TMR)などの蛍光色素が一般に用いられている。
これらの蛍光色素は粉末状で市販されており、この粉末試薬を抗原抗体反応に使用する場合、所定の濃度(たとえば1nM(ナノモーラー))の液体試薬に調製することが必要となる。
また、調整した液状の試薬は保存条件が厳しく、温度2〜8度程度に冷蔵保存される必要があることから、試薬の保存が困難である。
さらに、装置の定期点検の度に新たな液体試薬を調製すること自体が使用者には極めて不便であり、調整後の保存状態にもその特性が左右されることから信頼性に欠けるといった課題もある。仮に劣化した試薬を使って点検をすると、所定の強度より弱く蛍光が検出されてしまうことになり、正常状態の装置を使用しているにも関わらず、異常状態であると誤判定される可能性がある。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、簡便で、かつ安定した条件の下で実施可能な蛍光光度計の点検に供される点検用セルと、この点検用セルを使用する蛍光光度計の点検方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による蛍光光度計の点検用セルは、対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検するに当たり、該蛍光光度計内に挿入され、照射された励起光に対して蛍光を発する点検用セルであって、前記点検用セルのうち、少なくとも励起光が照射される励起光被照射部がシクロオレフィンポリマー (以下、COPと称す)からなるものである。
本発明の点検用セルは、少なくとも励起光が照射される部位がCOPからなるセルであり、したがって、保存が困難であり、かつ点検ごとに調整が必要な液状試薬の使用を廃すことができ、蛍光光度計の簡便な点検を実現可能とするものである。
光源部としては、消費電力量や製品コスト等の観点から、波長525nmの緑色光(励起光)を照射するLEDランプが多用されている。また、蛍光光度計の機能点検には蛍光色素として上記するTAMRAが一般に適用されており、このTAMRAを使用した場合の蛍光は波長580nm程度で大きな蛍光量を示すことが知られている。一方、従来の液体混合用容器は、特許文献3で開示されるようにその励起光被照射部がポリスチレン(PS)等で形成されている。PS素材の励起光被照射部を備えた液体混合用容器によれば、励起光被照射部がPS素材ゆえにその自家蛍光量は上記波長580nm程度では小さく、容器に起因したノイズが小さくなることからQ-body法等を適用した際の測定精度は向上する。しかしながら、試薬としてTAMRAを使用することなく、点検用セルの励起光被照射部のみで蛍光を発する場合においては、上記波長580nm程度において大きな蛍光量を示す素材から少なくとも点検用セルの励起光被照射部が形成されているのが望ましい。
本発明者等は種々の樹脂素材から点検用セルを製作し、各点検用セルに波長525nmの緑色光を照射し、発生する蛍光の波長580nm程度における蛍光量の大小を特定する実験をおこなった。その結果、COP素材の点検用セルが波長580nm程度で大きな蛍光量を示すことが特定され、この検証結果に基づいて本発明の点検用セルの発案に至っている。
ここで、「少なくとも励起光が照射される励起光被照射部がCOPからなる」とは、点検用セルの全体がCOPから形成されたものや、点検用セルの励起光被照射部のみがCOPから形成され、他の部位がCOPよりも安価なポリスチレン(PS)等から形成されたものなどを含む意味である。
この点検用セルは、蛍光光度計の試料容器が収容される容器収容部に収容されて使用されるが、従来の点検用セルのごとく液状試薬をその内部に収容する必要がないことから、容器収容部に収容可能でシンプルな形状形態のものを適用できる。
たとえば、全体形状が筒状のものや、全体形状が柱状のものなどであり、その下方に励起光被照射部が設けられている構成を挙げることができる。ここで、「筒状」とは、外径が円柱形や楕円柱形、角柱形等で中空を有する形状を意味しており、「柱状」とは、外径が円柱形や楕円柱形、角柱形等で中空を具備しない中実体を意味している。
中でも、励起光被照射部を中実体としておくことで、蛍光を発する体積が増し、励起光被照射部が中空の場合に比して大きな蛍光量の蛍光を得ることができる。このことに関し、本発明者等の検証によれば、励起光被照射部が中空で肉厚0.6mmの点検用セルに励起光を照射し、発せられる蛍光の蛍光量は、ここに試薬TAMRAを収容した際の蛍光の蛍光量の60%程度のPD(Photo Diode)出力値となることが分かっている。そして、励起光被照射部が中実体の場合には、TAMRAを収容した際の蛍光の蛍光量と同程度の出力値が得られることが容易に推定される。
尤も、全体形状が比較的複雑な点検用セルを何ら排除するものではなく、たとえば特許文献3の図1、2で示す構成の液体混合用容器を使用してもよい。この場合、少なくとも下方の被混合物収容容器をCOPから形成することで本発明の点検用セルが構成される。
また、本発明は蛍光光度計の点検方法にも及ぶものであり、この点検方法は、対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検する蛍光光度計の点検方法であって、前記点検方法は、少なくとも励起光が照射される励起光被照射部がCOPからなる点検用セルを前記蛍光光度計内に挿入し、前記光源部から前記励起光被照射部に対して励起光を照射し、該励起光被照射部から発する蛍光を前記受光部で受光し、該蛍光の蛍光量データを予め設定した蛍光量データの閾値と比較して前記蛍光光度計の点検をするものである。
本発明の点検方法によれば、少なくとも励起光被照射部がCOPからなる点検用セルを使用することにより、保存が困難であり、かつ点検ごとに調整が必要な液状試薬の使用を廃すことが可能となり、蛍光光度計の簡便で精度のよい点検を実行することができる。
ここで、前記蛍光量データの閾値の設定方法の実施の形態として、点検用セルの製作バラツキと、点検時の温度差と、電気ノイズとから構成されるトータル誤差を、COP素材の前記励起光被照射部に固有の蛍光量に加算して設定する方法を挙げることができる。
たとえば蛍光量の初期値が200mVであってトータル誤差が20mV(±10mV)の場合、蛍光量の閾値は190〜210mVの範囲に設定され、トータル誤差を蛍光量の初期値で除してなる誤差割合は10%となる。点検時に測定された蛍光量が仮に閾値190〜210mVの範囲にあれば、蛍光光度計の劣化は小さく、あるいはメンテナンスは不要と特定することができる。これに対し、点検時に測定された蛍光量が閾値190〜210mVの範囲から外れた場合は、蛍光光度計の劣化が大きく、あるいはレンズに埃が付着している等の理由でメンテナンスが必要であると特定することができる。
誤差割合を小さくすることにより、点検精度が向上することから、たとえばトータル誤差を可及的に小さくする方策が重要な要素となる。特に、トータル誤差の決定要因の中でもその比重の大きな点検用セルの製作バラツキ(もしくは点検用セルの個体差)を少なくしていくことが望まれる。
また、蛍光量を可及的に大きくすることも、点検精度の向上に繋がる。この点、点検用セルの励起光被照射部が中空構造の場合に比して中実構造の場合は蛍光量が大きくなることから、励起光被照射部がCOP素材で中実構造の点検用セルの適用が望ましい。
以上の説明から理解できるように、本発明の蛍光光度計の点検用セルおよび蛍光光度計の点検方法によれば、少なくとも励起光が照射される部位がCOPからなる点検用セルを使用することにより、保存が困難であり、かつ点検ごとに調整が必要な液状試薬の使用を廃すことができ、蛍光光度計の簡便で精度のよい点検を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の蛍光光度計の点検用セルおよび蛍光光度計の点検方法の実施の形態を説明する。
(蛍光光度計について)
図1は本発明の点検用セルが収容されて点検がおこなわれる蛍光光度計の外観斜視図であり、図2は蛍光光度計の内部構成図である。
図1は本発明の点検用セルが収容されて点検がおこなわれる蛍光光度計の外観斜視図であり、図2は蛍光光度計の内部構成図である。
図1で示すように、蛍光光度計100を外観的に見ると、筐体10の前面に表示部11と複数の操作ボタン12〜17が設けられており、表示部11では、操作メニューの表示プログラムを表示したり、点検結果、すなわち、蛍光光度計100のメンテナンス等の必要がない「正常状態」や、劣化がある、もしくはメンテナンスの必要がある「異常状態」を表示するようになっている。
また、蛍光光度計100の頂部には開閉自在な蓋18があり、この蓋18を開けると、試料容器200や不図示の点検用セルが収容される(X方向)容器収容部19がある。
筐体10は、略直方体の外形を呈しており、手のひらサイズもしくはそれよりも若干大きなサイズで携帯型である。
図2を参照して蛍光光度計100の内部構成を詳細に説明する。図示する蛍光光度計100は、試料容器200や不図示の点検用セルを収容する容器収容部19、励起光を放射する光源部20、照射された励起光に対して試料容器200や点検用セルからの蛍光を検出する受光部21、光源部20からの励起光を試料容器200のセル部や点検用セルの励起光被照射部に導くとともにセル部内の液相対象物や励起光被照射部からの蛍光を受光部21に導く光学系23を備えている。
容器収容部19は筐体10内で鉛直方向に延びており、ここに収容される試料容器200や点検用セルは、容器収容部19の内空に適合する寸法および形状のものが適用される。
光源部20としては励起光を含む光を照射するものであれば特に限定されるものではないが、LEDランプが好適に用いられる。LEDランプは、製品コストや省消費電力の観点から他仕様のランプに比して優位である。LEDランプに関してさらに言及すると、波長525nmの緑色光を照射するLEDランプ(出力2mW程度のもの)が各メーカーから市販されており、当該LEDランプを光源部20として適用するのがよい。
光学系23は、光源部20から照射された励起光を集光する集光レンズ26、光路の折り曲げと光の選択を実行するダイクロイックミラー25、光路上に配置されたフィルタ24,27から大略構成されている。
ダイクロイックミラー25は、容器収容部19に収容された試料容器200のセル部や点検用セルの励起光被照射部と同程度の高さの位置に設けられている。このダイクロイックミラー25は、光路内にて傾斜姿勢(たとえば45度に傾斜)で配設されており、その上方に光源部20が配設されている。ダイクロイックミラー25は、光源部20から下方に照射された励起光の有する波長(の光)を反射し、測定する蛍光の波長の光を透過するミラーである。
また、ダイクロイックミラー25の一方側には容器収容部19が配設され、他方側には受光部21が配設されている。容器収容部19に収容された試料容器200のセル部や点検用セルの励起光被照射部と、ダイクロイックミラー25と、受光部21はいずれも、同程度の高さに位置しており、したがって水平な光軸上に三者が位置していることになる。一方、光源部20から下方に延びる励起光の光軸は、ダイクロイックミラー25によって垂直に屈曲され、試料容器200のセル部や点検用セルの励起光被照射部に達する。
光路内にある二種類のフィルタ24,27に関し、光源部20とダイクロイックミラー25の間の光路上に配置されているフィルタ24は励起光用フィルタであり、ダイクロイックミラー25と受光部21の間に配置されているフィルタ27は蛍光用フィルタである。励起光用フィルタ24は、励起光となる波長の光を選択的に透過するものであり、たとえば525nmの緑色光が励起光として使用される場合、525nm周辺の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射する作用を奏する。一方、蛍光用フィルタ27は、蛍光の波長の光を選択的に透過するものであり、たとえば蛍光の波長が600nm周辺の波長域の場合に、その周辺の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射する作用を奏する。
集光レンズ26は、光源部20からの光を細いビームにして試料容器200のセル部内に収容された液相対象物や点検用セルの励起光被照射部に照射するためのものである。光源部20としてのLEDランプは、ビームの広がり角が小さいものが好適に使用されるものの、セル部や励起光被照射部に到達するまでに励起光の広がりが大きくなることから、集光レンズ26で励起光を絞った後に照射する。
受光部21には、フォトダイオード(シリコンフォトダイオード等)を使用したものや光電管などの中から選択できるが、フォトダイオードが好適に適用される。筐体10内には、各部の動作制御や信号処理を実行する制御部29や、演算部30を内蔵した制御ボックス28が設けられている。制御部29は、受光部21で検出された蛍光強度の信号を処理した際の測定結果や、蛍光光度計100の点検の際の点検結果を表示部11に表示するプロセッサやデータを記憶するメモリ(RAM)を有している。また、演算部30では後述するように、制御部29による制御の下で、蛍光光度計100の点検の際に、励起光被照射部から発する蛍光の蛍光量データと予め設定されている蛍光量データの閾値が比較演算される。さらに、筐体10内には電池ケース31が設けられており、電池ケース31には、光源部20や受光部21等に必要な電圧を供給する電池32が装着される。
(点検用セルについて)
図3,4はそれぞれ、本発明の点検用セルの実施の形態1、実施の形態2を示した図であり、図3a、図4aは外観斜視図であり、図3b、図4bは縦断面図である。
図3,4はそれぞれ、本発明の点検用セルの実施の形態1、実施の形態2を示した図であり、図3a、図4aは外観斜視図であり、図3b、図4bは縦断面図である。
図3aで示す点検用セル300は、筒状の本体301と、その側面に取り付けられた指標材302から構成されており、本体301の下方領域は励起光が照射される励起光被照射部303となっている。蛍光光度計の点検に使用する際には、点検用セル300内に従来一般に使用されているTAMRA等の試薬は収容せず、図示する点検用セル300のみを蛍光光度計に収容し、点検用セル300の自家蛍光を測定して蛍光光度計を点検するものである。
このように、点検用セル300の本体301は、蛍光光度計100の容器収容部19に収容可能な寸法で、極めてシンプルな形状を呈している。なお、点検用セル300の外形は、図示例の円柱形以外にも、楕円柱形や、四角柱や六角柱などの角柱形などであってもよい。
また、点検用セル300は図3bで示すように中空を備えており、したがって、中実構造のものに比して形成素材量を少なくできることから材料コストを低減できる。さらには、形状がシンプルであることから加工手間も少なくてよい。
そして、点検用セル300はシクロオレフィンポリマー(COP)からその全体が形成されている。蛍光光度計の機能点検に従来一般に適用されている蛍光色素TAMRAを使用した場合の蛍光が波長580nm程度で大きな蛍光量を示すのに対し、このTAMRAを使用する代わりに点検用セル300の自家蛍光にて蛍光光度計の機能点検をおこなうに当たり、COP素材の点検用セルがTAMRAと同様に波長580nm程度で大きな蛍光量を示すことから、COP素材の点検用セル300としている。
なお、実際には励起光被照射部303のみがCOP素材であればよいので、たとえば二色成形等により、COP素材の励起光被照射部303と、COPよりも安価なPS素材の本体301とからなる点検用セルであってもよい。あるいは、COP素材の励起光被照射部303と、PS素材の本体301を別体で成形し、双方を接着して点検用セルを製作してもよい。
指標材302には、点検用セル300の励起光被照射部303に固有の蛍光量や、点検用セル300に固有のシリアル番号等の情報を記憶したバーコードなどのシールが貼着されたり、指標材302自体に情報が記載されたり、ICチップなどが内蔵される。
一方、図4で示す点検用セル300Aは、図4bで示すように励起光被照射部304が中実体から構成されたものである。
励起光被照射部304が中実体であることから、蛍光を発する体積が増すことにより、励起光被照射部が中空の場合(点検用セル300)に比して大きな蛍光量の蛍光を得ることができる。
(蛍光光度計の点検方法について)
図3,4で示す点検用セル300,300Aを使用して蛍光光度計を点検する方法について説明する。
図3,4で示す点検用セル300,300Aを使用して蛍光光度計を点検する方法について説明する。
蛍光光度計100の容器収容部19に点検用セル300,300Aを収容する。次に、光源部20から励起光被照射部303,304に対して525nmの緑色光を励起光として照射し、励起光被照射部303,304から発する蛍光を受光部21で受光する。
ここで、蛍光光度計100の制御ボックス28では、蛍光量データの閾値が計算される。この蛍光量データの閾値は、点検用セルの製作バラツキ(点検用セルの個体差)と、点検時の温度差と、電気ノイズとから構成されるトータル誤差を、COP素材の励起光被照射部303,304に固有の蛍光量に加算して設定される。たとえば、製作バラツキを20mV、点検時の温度による誤差を9mV、電気ノイズを1mVとし、トータル誤差を30mVに設定する。一方、中空構造の励起光被照射部303に固有の蛍光量を110mV、中実構造の励起光被照射部304に固有の蛍光量を190mVとする。
点検用セル300を使用する場合は、蛍光量を110mVにトータル誤差を30mV(±15mV)を加算して、95〜125mVの範囲を蛍光量データの閾値(範囲)と設定できる。一方、点検用セル300Aを使用する場合は、蛍光量を190mVにトータル誤差を30mV(±15mV)を加算して、175〜205mVの範囲を蛍光量データの閾値(範囲)と設定できる。
これらの閾値に対し、点検時に励起光被照射部303,304から発せられ、受光部21で受光された蛍光の蛍光量が閾値範囲内にあれば、蛍光光度計100の劣化は小さく、さらには、メンテナンスも不要であると特定し、演算部30からの信号を受けた表示部11にて点検合格の旨が表示される。
これに対し、受光部21で受光された蛍光の蛍光量が閾値範囲外にあれば、蛍光光度計100の劣化は大きい、もしくはメンテナンスが必要(レンズの埃除去等)であると特定し、演算部30からの信号を受けた表示部11にて不合格の旨が表示される。
このように、本発明の蛍光光度計の点検方法によれば、少なくとも励起光被照射部303,304がCOPからなる点検用セル300,300Aを使用することにより、保存が困難であり、かつ点検ごとに調整が必要な液状試薬の使用を廃すことができ、蛍光光度計100の簡便で精度のよい点検を実現することができる。
(点検用セル(の励起光被照射部)に最適な素材樹脂の選定実験とその結果)
本発明者等は、点検用セル(の励起光被照射部)に最適な素材樹脂を選定するための実験をおこなった。実験方法は、分光蛍光光度計を使用し、励起光に相当する525nmの光を厚み1mmの種々の樹脂製板材に照射し、TAMRAを使用した際に蛍光量のピークを与える波長580nm程度における各板材の蛍光量の大小を調べたものである。ここで、各板材の素材樹脂は透明な光学用樹脂から選択し、COP、PC(ポリカーボネート)、PS、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PMP(ポリメチルペンテン)、アクリルおよびCOC(シクロオレフィンコポリマー)とした。実験結果を図5に示す。
本発明者等は、点検用セル(の励起光被照射部)に最適な素材樹脂を選定するための実験をおこなった。実験方法は、分光蛍光光度計を使用し、励起光に相当する525nmの光を厚み1mmの種々の樹脂製板材に照射し、TAMRAを使用した際に蛍光量のピークを与える波長580nm程度における各板材の蛍光量の大小を調べたものである。ここで、各板材の素材樹脂は透明な光学用樹脂から選択し、COP、PC(ポリカーボネート)、PS、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PMP(ポリメチルペンテン)、アクリルおよびCOC(シクロオレフィンコポリマー)とした。実験結果を図5に示す。
同図より、いずれの素材樹脂も波長580nm程度にピークを有するものの、COPが他の樹脂に比して格段に大きな蛍光量を示すことが分かる。
この結果より、少なくとも励起光被照射部がCOP素材の点検用セルを適用することで、試薬TAMRAを使用することなく、点検用セルの自家蛍光にて蛍光光度計を点検することとした。
(中空構造の励起光被照射部を有する点検用セルと試薬TAMRAの蛍光量を比較した実験とその結果)
本発明者等はさらに、同じ波長で同じ強度の励起光を照射した際の試薬TAMRAとCOP素材の点検用セルの蛍光量を比較する実験をおこなった。ここで、点検用セルの肉厚は0.6mmである。以下、表1に試験結果を示す。
本発明者等はさらに、同じ波長で同じ強度の励起光を照射した際の試薬TAMRAとCOP素材の点検用セルの蛍光量を比較する実験をおこなった。ここで、点検用セルの肉厚は0.6mmである。以下、表1に試験結果を示す。
表1で示すPD出力値は、測定値からバックグラウンド成分(装置にセル入れずにLED 光源を光らせた際の出力値)を引いた後の値である。したがって、この数値は発光した蛍光の大きさを示している。
表1の結果より、中空構造のCOPセルの出力値は、TAMRA(1nM)の出力値の60%程度(正確には59.6%)の強度であることが分かる。
また、点検用セルの製作バラツキ(点検用セルの個体差)と、点検時の温度差と、電気ノイズとから構成されるトータル誤差を30mVとした場合、誤差割合(トータル誤差をセルの自家蛍光の強度で除した値)は、TAMRA(1nM)においては15.8%であり、この割合以上の劣化であれば判定が可能となる。同様に、中空構造のCOPセルにおいて誤差割合は26.5%であり、この割合以上の劣化であれば判定が可能となる。
なお、中実構造のCOPセルを使用した場合は、出力強度がTAMRA(1nM)の出力値と同程度になることが容易に推定される。
蛍光光度計の点検精度を高くするためには、トータル誤差を小さくする、もしくは出力強度を高くすることが望まれる。特に、出力強度を高くする観点で言えば、中空構造のCOPセルよりも中実構造のCOPセルを使用するのがよい。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10…筐体、11…表示部、12,13,14,15,16,17…表示部、18…蓋、19…容器収容部、20…光源部、21…受光部、23…光学系、24…フィルタ(励起光用フィルタ)、27…フィルタ(蛍光用フィルタ)、25…ダイクロイックミラー、26…集光レンズ、28…制御ボックス、29…制御部、30…演算部、100…蛍光光度計、200…試料容器、300,300A…点検用セル、301…本体、302…指標材、303…励起光被照射部(中空体)、304…励起光被照射部(中実体)
Claims (6)
- 対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検するに当たり、該蛍光光度計内に挿入され、照射された励起光に対して蛍光を発する点検用セルであって、
前記点検用セルのうち、少なくとも励起光が照射される励起光被照射部がシクロオレフィンポリマー(COP)からなる蛍光光度計の点検用セル。 - 前記点検用セルのうち、少なくとも前記励起光被照射部が中実体である請求項1に記載の点検用セル。
- 全体形状が筒状もしくは柱状であり、その下方に前記励起光被照射部が設けられている請求項1または2に記載の点検用セル。
- 対象物に励起光を照射する光源部と、該対象物から生ずる蛍光を受光する受光部と、を筐体内に備えた蛍光光度計を点検する蛍光光度計の点検方法であって、
前記点検方法は、
少なくとも励起光が照射される励起光被照射部がシクロオレフィンポリマー(COP)からなる点検用セルを前記蛍光光度計内に挿入し、
前記光源部から前記励起光被照射部に対して励起光を照射し、該励起光被照射部から発する蛍光を前記受光部で受光し、該蛍光の蛍光量データを予め設定した蛍光量データの閾値と比較して前記蛍光光度計の点検をする蛍光光度計の点検方法。 - 前記励起光のピーク波長が525nmである請求項4に記載の蛍光光度計の点検方法。
- 前記蛍光量データの閾値は、点検用セルの製作バラツキと、点検時の温度差と、電気ノイズとから構成されるトータル誤差を、シクロオレフィンポリマー(COP)素材の前記励起光被照射部に固有の蛍光量に加算して設定される請求項4または5に記載の蛍光光度計の点検方法。
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| JP2014058705A JP2015184057A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | 蛍光光度計の点検用セルおよび蛍光光度計の点検方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019015513A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社島津製作所 | 検出装置 |
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2014
- 2014-03-20 JP JP2014058705A patent/JP2015184057A/ja active Pending
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