JP2015183084A - 紫光励起用蛍光体、該蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、該発光装置を用いた照明装置及び画像表示装置 - Google Patents
紫光励起用蛍光体、該蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、該発光装置を用いた照明装置及び画像表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】式[1]で表される蛍光体であって、380〜430nmの波長の紫外線又は紫光による励起で発光し、該励起スペクトルのピーク波長が370〜440nmにあり、かつ波長405nmの励起光による発光スペクトルのピーク波長が505nm以上である紫光励起用蛍光体。(L1−bCeb)x(Al1−cGac)yO12[1](2.5≦x≦3.5;4≦y≦6;0.02<b≦0.3;0.1≦c≦0.8;LはLu、Y、Gd、Tb及びLaの1種又は2種以上の必須元素。)
【選択図】図4
Description
この場合、特に青緑色は、LEDの演色性への寄与が大きいため、緑色蛍光体の発光特性への要求は高いものとなっている。
これは、紫外線又は紫LEDの発光スペクトルのピークと、LuAG蛍光体の励起スペクトルとの重なりが小さいことに起因する。
更に、青色蛍光体を含む発光装置では、(1)青色蛍光体の発光スペクトルとLuAG蛍光体の励起スペクトルとの重なりが大きいこと、(2)青色蛍光体の発光スペクトルとLuAG蛍光体の発光スペクトルとの重なりが大きいことが、発光輝度に影響する。
上記(1)の場合は、青色蛍光体の発光がLuAG蛍光体により吸収されてしまうため、発光装置の発光効率が低下してしまう。
また、上記(2)の場合は、赤色、青色、緑色を各々発光する蛍光体を組み合わせて白色光を得る場合、発光スペクトルの重なりによって、青緑色の発光成分が増加する一方で緑から黄緑色の発光成分が減少し、比視感度曲線のピーク付近の強度が低下してしまうため、発光装置の発光効率が低下してしまう。
本発明はまた、該蛍光体を含有する高品質な発光装置、並びに該発光装置を有する画像表示装置及び照明装置を提供することを課題とする。
(L1−bCeb)x(Al1−cGac)yO12 [1]
(式[1]中、
x及びyは、それぞれ、2.5≦x≦3.5、4≦y≦6の範囲の数であり、
b及びcは、それぞれ、0.02<b≦0.3、0.1≦c≦0.8の範囲の数であり、
LはLu、Y、Gd、Tb及びLaからなる群から選ばれる1種又は2種以上を必須元素とする元素である。)
本発明によれば、この紫光励起用蛍光体を用いて発光輝度が高い発光装置、並びに高品質の画像表示装置及び照明装置を提供することが可能となる。
また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表す。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al2O4:Eu」という組成式は、「CaAl2O4:Eu」と、「SrAl2O4:Eu」と、「BaAl2O4:Eu」と、「Ca1−xSrxAl2O4:Eu」と、「Sr1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−x−ySrxBayAl2O4:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)。
<式[1]>
本発明の紫光励起用蛍光体(以下、「本発明の蛍光体」と称す場合がある。)は、下記式[1]で表される組成を有する蛍光体である。
(L1−bCeb)x(Al1−cGac)yO12 [1]
(式[1]中、
x及びyは、それぞれ、2.5≦x≦3.5、4≦y≦6の範囲の数であり、
b及びcは、それぞれ、0.02<b≦0.3、0.1≦c≦0.8の範囲の数であり、
LはLu、Y、Gd、Tb及びLaからなる群から選ばれる1種又は2種以上を必須元素とする元素である。)
中でも、発光特性、例えば発光輝度や温度特性が良好な点で、ルテチウム(Lu)であることが特に好ましい。尚、Luを主成分として含む他、Y、Gd、Tb、及びLaの1種又は2種以上を含むと、蛍光体の発光スペクトルのピーク波長は、長波側にシフトする傾向にある。
yは、通常4≦y≦6を満たす数であり、その下限値は、好ましくは4.5、より好ましくは4.8であり、またその上限値は、好ましくは5.5、より好ましくは5.2である。
前記式[1]中、元素のモル比(x:y:酸素元素のモル比)は、化学量論組成は、3:5:12であるが、実際には酸素元素による欠損及び電荷補償などにより、過不足が生じる。上記x、yは、過不足が許容される範囲を規定したものであり、上記範囲であれば蛍光体として使用可能な範囲である。
cは、通常0.1≦c≦0.8を満たす数であり、その下限値は、好ましくは0.15、より好ましくは0.2であり、またその上限値は、好ましくは0.7、より好ましくは0.5である。cが上記範囲内であると、得られる蛍光体の発光特性、例えば、発光輝度が良好な点で好ましい。
更に、cを上記範囲、即ち、LuAG蛍光体におけるAlを置換するGaの元素比率を上記範囲内とすることで、励起スペクトルが短波側にシフトして、特定の励起、発光特性を有する本発明の蛍光体を得やすい点で好ましい。
前記式[1]で表される本発明の蛍光体は、下記式[2]で表される組成を有する蛍光体であることが好ましい。
(Lu1−a−bLnaCeb)x(Al1−cGac)yO12 [2]
(式[2]中、
x、yは前記式[1]におけると同義であり、
a、b及びcは、それぞれ、0≦a≦0.5、0.02<b≦0.1、0.1≦c≦0.5の範囲の数であり、
LnはY、Gd、Tb及びLaからなる群から選ばれる1種又は2種以上を必須元素とする元素である。)
中でも、発光スペクトルのピーク波長がより長波長になる点で、ガドリニウム(Gd)であることが特に好ましい。
bは、通常0.02<b≦0.1を満たす数であり、その下限値は、好ましくは0.03、より好ましくは0.04であり、またその上限値は、好ましくは0.09、より好ましくは0.08である。
cは、通常0.1≦c≦0.5を満たす数であり、その下限値は、好ましくは0.15、より好ましくは0.2であり、またその上限値は、好ましくは0.45、より好ましくは0.4である。
a、b、cが上記範囲内であると、得られる蛍光体の発光特性、例えば、発光輝度が良好な点で好ましい。
本発明の蛍光体は、バリウム(Ba)を含むことが好ましく、その含有量は、好ましくは30ppm以上、好ましくは120ppm以下であり、下限値について、より好ましくは40ppm、更に好ましくは50ppm、また上限値についてはより好ましくは100ppm、更に好ましくは80ppmである。
また、本発明の蛍光体はホウ素(B)を含むことが好ましく、その含有量は、好ましくは5ppm以上、好ましくは50ppm以下であり、下限値について、より好ましくは10ppm、更に好ましくは20ppm、また上限値についてはより好ましくは45ppm、更に好ましくは40ppmである。
本発明の蛍光体は、380〜430nmの波長の紫外線又は紫光による励起で発光し、該励起スペクトルのピーク波長が370〜440nmにあり、かつ波長405nmの励起光による発光スペクトルのピーク波長が505nm以上であることを特徴とする。
本発明の蛍光体の励起スペクトルのピーク波長は、370〜440nmにあり、その下限値は、好ましくは385nm、より好ましくは400nmであり、またその上限値は、好ましくは435nm、より好ましくは430nmである。
本発明の蛍光体は、380〜430nmの波長の紫外線又は紫光による励起で発光し、波長405nmの励起光による発光スペクトルのピーク波長は、通常505nm以上、好ましくは510nm以上、また好ましくは580nm以下、より好ましくは570nm以下である。
蛍光体の発光スペクトルのピーク波長が上記範囲内であると、青色蛍光体の発光スペクトルおよび赤色蛍光体のスペクトルとの重なりが少なくなる点で好ましい。
本発明の蛍光体は、好ましくは下記式(I)を満たす(以下、式(I)で算出される値を「励起強度比」と称す場合がある。)。
I405/I450≧0.35 (I)
(式(I)中、
I405は、励起スペクトルにおいて、励起波長405nmでの発光強度を表し、
I450は、励起スペクトルにおいて、励起波長450nmでの発光強度を表す。)
式(I)の下限値は、好ましくは0.35、より好ましくは0.4である。
式(I)で算出される励起強度比が上記下限以上であると、紫外線または紫光で励起した時の発光輝度が高いため好ましい。更に、青色光の吸収が少ないため、青色蛍光体を含む発光装置とした場合でも、得られる発光装置の輝度が高いため好ましい。
励起強度比は大きい程、蛍光体が紫外線または紫光で励起されやすくなるため、その上限は特に制限はないが、通常1である。
<結晶相の構造>
本発明の蛍光体は、ガーネット型結晶構造、すなわち結晶相の空間群がIa3dに分類される結晶構造を有するものである。空間群は、電子回折、又は収束電子回折により一義的に求めることができる。
本発明の蛍光体のCIE色度座標のx値は、通常0.240以上、好ましくは0.250以上、より好ましくは0.260以上であり、通常0.460以下、好ましくは0.430以下、より好ましくは0.400以下である。
また、本発明の蛍光体のCIE色度座標のy値は、通常0.480以上、好ましくは0.500以上であり、通常0.620以下、好ましくは0.600以下である。
上記範囲内であると、画像表示装置に用いた場合、色再現範囲が広くなる点で、また照明装置に用いた場合、演色性が高くなる点で、好ましい。
本発明の蛍光体は、前記式[1]、好ましくは前記式[2]の組成となるように、各蛍光体原料を混合し、得られた蛍光体原料混合物を焼成することにより製造することが可能である。
尚、蛍光体原料混合物を焼成する工程において、バリウム化合物とホウ素化合物を存在させることで、発光特性、特に、発光輝度が高く、更に発光装置に用いた場合に、色ムラが生じ難い本発明の蛍光体が得られやすい点で好ましい。
本発明の蛍光体の製造方法において使用される蛍光体原料としては、公知のものを用いることができる。
上記L源としてのLu源の具体例としては、酸化ルテチウム(Lu2O3)、蓚酸ルテチウム(Lu2(C2O4)3)、炭酸ルテチウム(Lu2(CO3)3)などが挙げられる。中でも、酸化ルテチウム(Lu2O3)が好ましい。
上記L源としてのY源の具体例としては、酸化イットリウム(Y2O3)、蓚酸イットリウム(Y2(C2O4)3)、炭酸イットリウム(Y2(CO3)3)などが挙げられる。
上記L源としてのGd源の具体例としては、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、蓚酸ガドリニウム(Gd2(C2O4)3)、炭酸ガドリニウム(Gd2(CO3)3)などが挙げられる。
上記L源としてのTb源の具体例としては、酸化テルビウム(Tb4O7)、蓚酸テルビウム(Tb2(C2O4)3)、炭酸テルビウム(Tb2(CO3)3)などが挙げられる。
上記L源としてのLa源の具体例としては、酸化ランタン(La2O3)、水酸化ランタン(La(OH)3)、蓚酸ランタン(La2(C2O4)3)、炭酸ランタン(La2(CO3)3)などが挙げられる。
上記Al源の具体例としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、弗化アルミニウム(AlF3)などが挙げられる。
上記Ga源の具体例としては、酸化ガリウム(Ga2O3)、水酸化ガリウム(Ga(OH)3)などが挙げられる。
本発明の蛍光体を製造する際には、通常、目的組成が得られるように蛍光体原料を秤量し、ボールミル等を用いて充分に混合し、蛍光体原料混合物を得る(混合工程)。
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に水等の溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
本発明の蛍光体を製造する際には、特に、蛍光体原料を焼成する工程で、フラックス(成長補助剤)、好ましくはアルカリ土類ハロゲン化物のうちバリウム化合物とホウ素化合物を存在させることが好ましい。
アルカリ土類ハロゲン化物は、特に限定されず、有機物、無機物のいずれであってもよく、例えば、弗化バリウム(BaF2)、塩化バリウム(BaCl2)、臭化バリウム(BaBr2)、弗化ストロンチウム(SrF2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、臭化ストロンチウム(SrBr2)、弗化カルシウム(CaF2)、塩化カルシウム(CaCl2)、臭化カルシウム(CaBr2)、弗化マグネシウム(MgF2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)などが挙げられる。これらは水和物の形になっていてもよい。
また焼成時にアルカリ土類金属のハロゲン化物で存在していればよい為、アルカリ土類金属化合物とハロゲン化物を混合して用いてもよい。この混合物の具体例としては、アルカリ土類金属の炭酸塩とハロゲン化アンモニウムの混合物などが挙げられる。
上記したアルカリ土類ハロゲン化物は、各々、1種を単独で用いてもよく、また異なる2種以上を併用して用いてもよい。
混合手法としては、特に限定はされないが、具体的には、蛍光体原料の混合と同様であり上記(A)及び(B)の手法が挙げられる。また、蛍光体原料の混合の際にフラックスを添加して混合してもよい。
フラックスの使用は、特に、溶融反応温度が高い蛍光体原料を用いる場合に効果が大きいことから、本発明の蛍光体の製造に特に有効である。
蛍光体原料混合物の焼成温度は、通常1100℃以上1800℃以下の温度範囲であり、好ましい焼成温度としては、1300℃以上が好ましく、1400℃以上が特に好ましく、また、1700℃以下が好ましく、1600℃以下が特に好ましい。焼成温度がこの温度範囲であれば、所望の蛍光体を安定に得ることができる。
焼成工程における焼成雰囲気は、本発明の蛍光体が得られる限り任意であるが、通常は、中性から還元性雰囲気である。具体的には、窒素ガス雰囲気、水素ガス含有窒素ガス雰囲気が挙げられ、中でも水素ガス含有窒素ガス雰囲気が好ましい。
なお、焼成雰囲気の酸素ガス含有量は、供給するガスの露点で管理され、通常露点50℃以下、好ましくは35℃以下にするとよい。
得られる焼成物は、粒状又は塊状となる。これを解砕、粉砕及び/又は分級操作を組み合わせて所定のサイズの粉末にする。
(洗浄工程)
前記蛍光体原料混合物を焼成する工程の後に、焼成物を洗浄する工程(洗浄工程)を有するのが好ましい。
特に、本発明の蛍光体とする際に、添加したフラックスの焼成残留分を主とする不純物や原料の未反応分が蛍光体中に残留したり、副反応生成物などが蛍光体中に生成する場合があるが、特性向上のためには、フラックスや原料の残留分や焼成時に生成した不純物を洗浄によりできる限り除去する必要がある。
硝酸、硫酸、塩酸、シュウ酸、及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む上記の好適規定範囲の酸水溶液(以下、これらの酸を「酸洗浄液」と称する。)を蛍光体の洗浄に用いることで、ガーネット型構造を有する蛍光体中のフラックスや原料の残留分や焼成時に生成した不純物を効率よく除去することができる。
焼成工程で得られる焼成物は、粒状又は塊状となる。これをボールミルや振動ミル、ジェットミル等の一般的な分散機を使用して所定の粒度に分散する(分散工程)。分散機の選択は焼成物の硬さに応じて選定されるが分散の強さから水分散ボールミルを用いるのが好ましく、分散媒として用いるボールはアルミナやジルコニアといった蛍光体を着色させない材質のものを選定するのが好ましい。
焼成物は分散する前に篩を通過させ粒径を揃えることで、分散後の発光効率の低下を抑えることができるのでより好ましい。
なお、分散工程を経ずに、焼成物を目開き48μm程度の篩で分級処理し、篩を通過した粉末を次工程に供しても構わない。
焼成工程で得られた焼成物は、必要に応じて上記のボールミル等による分散を行った後、目開き15〜60μmの篩や、水簸による分級によって、粗大粒子や微細粒子を除去する分級操作を組み合わせて、所望の粒径および粒度分布になるように調整する。ここでは、蛍光体は、その平均粒子径D50が約30μm以下、例えば10〜30μmとなるように処理するのが好ましい。
上記のようにして得られた蛍光体の粒子表面に微粒子を付着させたり、粒子表面を薄膜で覆うこともできる。この場合の微粒子や薄膜は特に限定されないが、金属の酸化物や水酸化物、リン酸塩や炭酸塩など容易に分解しない化合物が好ましい。
また、粒子表面を薄膜で覆った蛍光体は、蛍光体のスラリー中に水酸イオンと、水酸イオンと化学反応して金属水酸化物を生成し得るだけの金属イオンを含有する溶液とを投入するか、または所定量の水に所望とする金属化合物を混合した水溶液を蛍光体スラリー中に投入して十分に混合し、その蛍光体スラリーにアンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液のような水酸イオンを含むアルカリ性の水溶液を添加してスラリーのpHを高めることで、金属水酸化物の薄膜を蛍光体表面に生成させることによって製造することができる。
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用いることが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
上記蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、任意に選択することができる。また、蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
本発明の蛍光体含有組成物に使用される液体媒体としては、該蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明の蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、任意の無機系材料及び/又は有機系材料が使用できる。
これら、無機材料及び有機材料の具体例としては、例えば、特開2007−291352号公報の[蛍光体含有組成物]<液体媒体>の項に記載のものが挙げられる。
尚、液体媒体及び蛍光体の含有率も、上記公報に記載の態様が挙げられる。
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として本発明の蛍光体の1種以上を、第1の蛍光体として含有するものである。ここで、本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
この場合、本発明の発光装置は、例えば、次の態様とすることができる。
第1の発光体として、370nm以上440nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを用い、第2の発光体の第2の蛍光体として、420nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体と、580nm以上680nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体とを用いる。
また、本発明の発光装置に用いられる本発明の蛍光体の好ましい具体例としては、前述の本発明の蛍光体の項で例示した本発明の蛍光体や、後述の[実施例]の欄の各実施例に用いた蛍光体が挙げられる。
<第1の発光体>
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として前述の本発明の蛍光体を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(赤色蛍光体、青色蛍光体、緑色蛍光体、橙色蛍光体、黄色蛍光体等)を含有する。ここで、本発明の蛍光体としては、本発明の蛍光体特有の組成と物性ないし特性を満足すればよく、発光色については特に制限はない。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
本発明の発光装置における第2の発光体は、第1の蛍光体として、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。例えば、本発明の蛍光体が緑色蛍光体である場合、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の緑色蛍光体を併用することができる。
他種の緑色蛍光体としては、(Ba,Sr)3Si6O12N2:Eu、(Ba,Sr)2SiO4:Eu、Ca3Sc2Si3O12:Ce、CaSc2O4:Ce、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)4Cl2:Eu、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)2S4:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si2O2N2:Eu、及びβ−(Si,Al)12(O,N)16:Euからなる群より選ばれる1種又は2種以上の緑色蛍光体が好ましい。
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を1種以上含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。
第2の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
これら橙色ないし赤色蛍光体は、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
第2の蛍光体として青色蛍光体を使用する場合、当該青色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
第2の蛍光体として黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
特に、RE3M5O12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、La及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体等が挙げられる。
上記第2の蛍光体としては、1種類の蛍光体を単独で使用してもよく、2種以上の蛍光体を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体と第2の蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、第2の蛍光体の使用量、並びに、第2の蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせ及びその比率等は、発光装置の用途等に応じて任意に設定すればよい。
本発明の発光装置において、上記第1及び/又は第2の蛍光体は、通常、封止材料である液体媒体に分散させて用いられる。
該液体媒体としては、前述の<蛍光体含有組成物>の項で記載したのと同様のものが挙げられる。
なお、これらの添加剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置は、上述の第1の発光体及び第2の発光体を備えていれば、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の第1の発光体及び第2の発光体を配置してなる。この際、第1の発光体の発光によって第2の発光体が励起されて(即ち、第1及び第2の蛍光体が励起されて)発光を生じ、且つ、この第1の発光体の発光及び/又は第2の発光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、第1の蛍光体と第2の蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、第1の蛍光体を含有する層の上に第2の蛍光体を含有する層が積層する等、蛍光体の発色毎に別々の層に蛍光体を含有するようにしてもよい。
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
また、本発明の発光装置は、リモートフォスファーなどにも好適に用いられる。
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置4を組み込んだ面発光照明装置11を挙げることができる。
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
励起スペクトル及び発光スペクトルは蛍光分光光度計FP6500(日本分光社製)で測定した。
発光スペクトルは、ピーク波長405nmの紫光(紫LED)と、ピーク波長455nmの紫光(紫LED)で励起してそれぞれ測定したが、発光スペクトルのピーク波長は、波長405nmの励起光によるピーク波長を採用した。
また、励起スペクトルにおいて、励起波長405nm、450nmにおける発光強度をそれぞれI405、I450とした。
x、y表色系(CIE 1931表色系)の色度座標は、上述の方法で得られたピーク波長405nmの励起光の発光スペクトルとピーク波長455nmの励起光の発光スペクトルから、それぞれ、JIS Z8724に準じた方法で、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標xとyとして算出した。なお、輝度は、それぞれの発光スペクトルにおいて、実施例1の蛍光体のXYZ表色系におけるY値を100とした際の相対値で表した。
(Lu2.87Ce0.13)(Al3.5Ga1.5)O12となるように、酸化セリウム(信越化学社製)0.13モル、酸化ルテチウム(信越化学社製)1.435モル、酸化アルミニウム(住友化学社製)1.75モル、酸化ガリウム(三井金属社製)0.75モルを秤量し、これらの原料を充分に均一になるまで混合し蛍光体1モル相当の「原料混合物」得た。さらにこの蛍光体1モル相当の「原料混合物」に対し、弗化バリウム0.438モル、ホウ酸0.183モルを秤量し、「原料混合物」に添加し充分に均一になるまで混合し「蛍光体原料混合物」を得た。
実施例1において、下記表1の組成となるように各原料の量を変更した他は、実施例1と同様にして実施例2〜9の蛍光体及び比較例1〜7の蛍光体を得た。
また、得られた蛍光体について、実施例1と同様にして、励起スペクトル及び発光スペクトルを測定し、励起強度比を算出した。これらの結果を表1に纏めた。
上記構成とすることで、紫外線LED又は紫光LEDを含む発光装置に用いた場合、発光効率が高い発光装置が得られることが判る。
また、本発明の蛍光体とすることで、405nmの励起における発光輝度が高い蛍光体が得られることが判る。
図5に示すが如く、本発明の蛍光体は、励起スペクトルのピーク波長が431nmであり、SCA青色蛍光体の発光スペクトルとの重なりが少ない。
このため、本発明の蛍光体は青色蛍光体の発光を吸収して、緑〜黄色の長波長に変換する割合が少ないため(カスケード発光が少ないため)、白色発光装置の発光効率を低下させず、高輝度の発光装置が得られることが判る。
更に、実施例1で得られた蛍光体及び比較例1で得られた蛍光体の波長405nm励起の発光スペクトル、並びに、青色蛍光体であるユウロピウム賦活のバリウムストロンチウムクロロリン酸塩{(Sr,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu}蛍光体(SBCA蛍光体)の波長405nm励起の発光スペクトルを測定した結果を図6に示した。
図6に示すが如く、本発明の蛍光体は、青色SBCA蛍光体の発光スペクトルとの重なりが少ないため、比視感度曲線のピーク付近でも強度が低下しにくいため、発光効率が良好な発光装置が得られることが判る。
2 励起光源(第1の発光体)(LD)
3 基板
4 発光装置
5 マウントリード
6 インナーリード
7 励起光源(第1の発光体)
8 蛍光体含有樹脂部
9 導電性ワイヤ
10 モールド部材
11 面発光照明装置
12 保持ケース
13 発光装置
22 励起光源(第1の発光体)
23 蛍光体含有部(第2の発光体)
24 フレーム
25 導電性ワイヤ
26 電極
27 電極
Claims (8)
- 下記式[1]で表される蛍光体であって、
380〜430nmの波長の紫外線又は紫光による励起で発光し、
該励起スペクトルのピーク波長が370〜440nmにあり、
かつ波長405nmの励起光による発光スペクトルのピーク波長が505nm以上であることを特徴とする紫光励起用蛍光体。
(L1−bCeb)x(Al1−cGac)yO12 [1]
(式[1]中、
x及びyは、それぞれ、2.5≦x≦3.5、4≦y≦6の範囲の数であり、
b及びcは、それぞれ、0.02<b≦0.3、0.1≦c≦0.8の範囲の数であり、
LはLu、Y、Gd、Tb及びLaからなる群から選ばれる1種又は2種以上を必須元素とする元素である。) - 前記式[1]で表される蛍光体が、下記式[2]で表されることを特徴とする、請求項1に記載の紫光励起用蛍光体。
(Lu1−a−bLnaCeb)x(Al1−cGac)yO12 [2]
(式[2]中、
x、yは前記式[1]におけると同義であり、
a、b及びcは、それぞれ、0≦a≦0.5、0.02<b≦0.1、0.1≦c≦0.5の範囲の数であり、
LnはY、Gd、Tb及びLaからなる群から選ばれる1種又は2種以上を必須元素とする元素である。) - 下記式(I)を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の紫光励起用蛍光体。
I405/I450≧0.35 (I)
(式(I)中、
I405は、励起スペクトルにおいて、励起波長405nmでの発光強度を表し、
I450は、励起スペクトルにおいて、励起波長450nmでの発光強度を表す。) - バリウムの含有量が30ppm以上120ppm以下であり、
且つ、ホウ素の含有量が5ppm以上50ppm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫光励起用蛍光体。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体と、液体媒体とを含有することを特徴とする蛍光体含有組成物。
- 第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
該第2の発光体が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体の1種以上を、第1の蛍光体として含むことを特徴とする発光装置。 - 請求項6に記載の発光装置を光源として含むことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項6に記載の発光装置を光源として含むことを特徴とする照明装置。
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