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JP2015183065A - 熱成形体 - Google Patents

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JP2015183065A
JP2015183065A JP2014059970A JP2014059970A JP2015183065A JP 2015183065 A JP2015183065 A JP 2015183065A JP 2014059970 A JP2014059970 A JP 2014059970A JP 2014059970 A JP2014059970 A JP 2014059970A JP 2015183065 A JP2015183065 A JP 2015183065A
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propylene polymer
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JP2014059970A
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藤村 和昌
Kazumasa Fujimura
和昌 藤村
正人 高山
Masato Takayama
正人 高山
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Japan Polypropylene Corp
Original Assignee
Japan Polypropylene Corp
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Abstract

【課題】ポリプロピレン系樹脂組成物のシートを用いて、透明性、剛性に優れた熱成形体を提供する。【解決手段】結晶性プロピレン重合体(A)40〜98重量%と、軟化点温度が110〜160℃である脂環式炭化水素樹脂成分(B)2〜60重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、一般式(1)で表される造核剤を0.05〜1重量部を含有する樹脂組成物を用いてなるシートを、該樹脂組成物の融解ピーク温度以下で、かつ0.2MPa以上の圧空圧力で、真空圧空成形されてなる熱成形体など。【選択図】なし

Description

本発明は、熱成形体に関し、さらに詳しくは、特定の条件で製造されたプロピレン系重合体の樹脂組成物を用いた押出しシートを、特定の熱成形法で成形してなる透明性と剛性に優れた熱成形体に関する。
従来から、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いた包装製品が製造されている。その熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系樹脂組成物は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、あるいは衛生面に優れていることから、食品、医薬品等の包装として好適に用いられており、特に、高い耐熱性を必要とする電子レンジでのレンジアップ製品、高温充填が必要な製品等に、使用用途の範囲が広がってきている。
しかしながら、プロピレン系重合体は、その高い結晶性のために、特にポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートに比較して、透明性が著しく劣るという欠点がある。
そこで、プロピレン系重合体の透明性を改良する方法として、例えば、プロピレンとα−オレフィンとの共重合を行って、結晶性を低下させ、透明性を改良する方法が用いられている。
しかし、そのプロピレンとα−オレフィンとの共重合を行って、透明性を改良する方法では、α−オレフィン量を多くするほど、透明性が良くなるが、製品の剛性が著しく低下し、それを防ぐために、α−オレフィンは少量しか使用できず、透明性の改良効果は、おのずと制限されるという問題点がある。
そこで、プロピレン系重合体に、ジベンジリデンソルビトール系、有機カルボン酸、有機カルボン酸の金属塩、有機リン酸金属塩等の造核剤を添加配合して、透明性を改良する方法が一般に用いられている。特に、ジベンジリデンソルビトール系の造核剤が最も透明性の改良に効果があり、食品、日用品等の包装製品用として、広く使用されている(例えば、特許文献1など参照)。
一方、熱可塑性樹脂をシート状に押出成形した後、そのシートを再加熱して、所望の製品を得る真空成形、真空圧空成形、固相圧空成形等の熱成形法は、成形し易く、生産性が高いことから、大量生産に向く上、多層化製品を得るのも容易なことから、広く普及している。
しかしながら、ポリプロピレン樹脂は、結晶性樹脂であることから、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートに比べ、押出しシートを使用した真空成形、真空圧空成形等の熱成形法の場合は、シートを再加熱して製品とするため、透明性が得難く、商品として価値のある製品を成形することが難しい。
そのため、耐熱性の優れたポリプロプレンシートを用いて、透明性と剛性の両方を兼備した熱成形体が求められている。
特開平4−339847号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、ポリプロピレン系樹脂組成物のシートを用いて、透明性、剛性に優れた熱成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶性プロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系シートを、特定の熱成形法、すなわち、融解ピーク温度以下で、真空圧空成形すると、透明性と剛性に優れた熱成形体が得られることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(a)〜(b)を満足する結晶性プロピレン重合体(A)40〜98重量%と、軟化点温度が110〜160℃である脂環式炭化水素樹脂成分(B)2〜60重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、下記の一般式(1)で表される造核剤を0.05〜1重量部を含有する樹脂組成物を用いてなるシートを、該樹脂組成物の融解ピーク温度以下で、かつ0.2MPa以上の圧空圧力で、真空圧空成形されてなる熱成形体が提供される。
(a)オルトジクロロベンゼンを溶媒として使用した昇温溶出分別(TREF)の測定において、40℃以下の温度で溶出する成分が3重量%以下である。
(b)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分である。
Figure 2015183065
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基もしくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、結晶性プロピレン重合体(A)は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(a)と、有機アルミニウム成分(b)からなるプロピレン重合用触媒を用いて重合された結晶性プロピレン重合体であることを特徴とする熱成形体が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、結晶性プロピレン重合体(A)は、さらに、重合時に、Si−OR結合(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基である。)を2つ以上含有する有機ケイ素化合物を供給して製造された結晶性プロピレン重合体であることを特徴とする熱成形体が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第2又は3の発明において、固体触媒成分(a)は、下記の成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られることを特徴とする熱成形体が提供される。
(i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
(ii)Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素残基である。)
(iii)ビニルシラン化合物
(iv)周期表第I〜III族金属の有機金属化合物
本発明の熱成形体は、透明性と剛性を兼ね備え、電子レンジ等の加熱にも、耐え得るものであるので、商品価値の高い熱成形製品として、特に、食品、洗剤、医療用品等の各種分野の包装製品として、広く用いることができる。
本発明の熱成形体は、前記(a)〜(b)を満足する結晶性プロピレン重合体(A)40〜98重量%と、軟化点温度が110〜160℃である脂環式炭化水素樹脂成分(B)2〜60重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、前記一般式(1)で表される造核剤を0.05〜1重量部を含有する樹脂組成物を用いてなるシートを、該樹脂組成物の融解ピーク温度以下で、かつ0.2MPa以上の圧空圧力で、真空圧空成形されてなることを特徴とする。
以下、本発明の熱成形体について、項目毎に、詳細に説明する。
I.樹脂組成物
1.結晶性プロピレン重合体(A)
本発明に係る樹脂組成物に用いられる結晶性プロピレン重合体(A)は、下記の要件(a)〜(b)を満足する必要がある。
(a)オルトジクロロベンゼンを溶媒として使用した昇温溶出分別(TREF)の測定において、40℃以下の温度で溶出する成分が3重量%以下である。
(b)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分である。
(1)要件(a):TREFにおける40℃以下の温度で溶出する成分の量
本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)は、オルトジクロロベンゼン(ODCB)を溶媒として使用した昇温溶出分別(TREF)の測定において、40℃以下の温度で溶出する成分が3重量%以下であり、2.5重量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以下である。
40℃以下の温度で溶出する成分は、低結晶性成分であり、この成分の量が多いと、製品全体の結晶性が低下し、製品の剛性といった機械的強度が低下してしまうおそれがある。そのため、40℃以下の温度で溶出する成分が3重量%を上回ると、熱成形体の剛性が得られず、不都合である。
結晶性プロピレン重合体(A)のオルトジクロロベンゼン(ODCB)による昇温溶出分別(TREF)は、重合の際に、好適な触媒を選定することにより、一般的に低く抑えることが可能であるが、触媒の純度を一定以上に保つことに加え、触媒の製造方法や重合時の反応条件を、極端に高温にしないことなどが必要である。
なお、本発明で使用した昇温溶出分別(TREF)による溶出成分の測定法の詳細は、以下のとおりである。
試料を140℃でオルトジクロロベンゼンに溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後、8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるオルトジクロロベンゼンを1ml/分の流速でカラムに流し、次に、昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
・カラムサイズ:4.3mmψ×150mm
・カラム充填剤:100μm表面不活性処理ガラスビーズ
・溶媒:オルトジクロロベンゼン
・試料濃度:5mg/ml
・試料注入量:0.1ml
・溶媒流速:1ml/分
・検出器:波長固定型赤外検出器、FOXBORO社製、MIRAN、1A
・測定波長:3.42μm
(2)要件(b):MFR
また、本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)は、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分の範囲のものであり、0.7〜8g/10分が好ましく、1〜6g/10分がさらに好ましい。
メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分未満では、流れ性の低下が、成形加工性の低下をもたらし、また、MFRが10g/10分を超えると、押出しシート成形及び熱成形時のドローダウンが激しくなって、不都合である。
MFR値の制御の方法は、周知であり、結晶性プロピレン重合体(A)のMFRは、結晶性プロピレン重合体(A)の重合条件である温度や圧力を調節したり、重合時に添加する水素等の連鎖移動剤の添加量を制御することにより、容易に調整を行うことができる。
また、本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)は、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン含量が99.0重量%以上のプロピレンとオレフィンとのランダム共重合体が好適に用いられる。オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1等を用いることができる。
中でも、プロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、或いはこれらのブレンド物が好ましい。特に、エチレン含量が0.1〜0.8重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体が、透明性および剛性のバランスに優れる熱成形体が得られるので、好ましい。
2.脂環式炭化水素樹脂成分(B)
本発明に係る樹脂組成物に用いられる脂環式炭化水素樹脂成分(B)は、下記の要件(B−i)の条件を満たすことを特徴とする。
(B−i)軟化点温度が110〜160℃である。
軟化点温度は、上記のように、110〜160℃であり、好ましくは120℃以上、145℃以下である。軟化点温度が上記範囲を下回ると、シート表面へのブリードが発生して透明性を低下させる。一方、軟化点温度が上記範囲を上回ると、透明性が損なわれる。
脂環式炭化水素樹脂成分(B)の軟化点は、例えばJIS K2207の方法によって測定することが可能である。
脂環式炭化水素樹脂成分(B)は、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クロマンインデン樹脂、及びそれらの水素添加誘導体から選ばれる一種類以上が使用できる。
これらの中で、極性基を有さないものや、あるいは、水素を添加して、95%以上の水添率とした樹脂が好ましい。さらに好ましい樹脂は、石油樹脂又は石油樹脂の水素添加誘導体であり、このような石油樹脂としては、例えば、荒川化学工業(株)製の商品名「アルコン」またはエクソンモービル(有)製の商品名「オペラ(OPPERA)」等の市販品が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物において、脂環式炭化水素樹脂成分(B)の配合量は、2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは7〜40重量%である。すなわち、結晶性プロピレン重合体(A)の配合量は、40〜98重量%、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜93重量%である。
脂環式炭化水素樹脂成分(B)の配合量が上記範囲を下回ると、剛性が低下し、一方、上記範囲を上回ると、透明性が損なわれる。
3.造核剤
本発明に係る樹脂組成物には、造核剤を配合することが好ましく、その配合量は、結晶性プロピレン重合体(A)と脂環式炭化水素樹脂成分(B)の合計の樹脂成分100重量部に対し、透明性及び剛性の観点から、造核剤0.05〜1重量部である。造核剤の配合量0.1〜0.8重量部がより好ましく、0.15〜0.6重量部がさらに好ましい。造核剤の配合量が1重量部を超えると、製造コストが高くなり、不都合である。
造核剤としては、下記化学式(1)で表される造核剤が好ましい。
Figure 2015183065
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基もしくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。)
上記の造核剤は、市販のものを使用できる。例えば、ミリケン社の商品名「ミラッドNX8000J」などが挙げられ、好ましい。
また、他の造核剤としては、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、アミン系化合物等が用いられる。
これらの造核剤の中では、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウム、p−メチル−ベンジリデンソルビトール、p−エチル−ベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルべンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3・4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、等の造核剤が挙げられるが、本発明においては、これらの造核剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、化学式(1)で表される造核剤と併用することもできる。
4.結晶性プロピレン重合体(A)の製造方法
本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)の製造に用いられる触媒としては、(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン、必要により電子供与体、を必須成分とする固体触媒成分と、(b)有機アルミニウム化合物とから形成されるチーグラー・ナッタ触媒が用いられることが好ましい。
4−1.固体触媒成分(a)
更に、固体触媒成分(a)は、下記の成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られるものを、使用するのが好ましい。
(i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
(ii)Si−OR結合(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素残基である。)を2つ以上含有する有機ケイ素化合物
(iii)ビニルシラン化合物
(iv)周期表第I〜III族金属の有機金属化合物
(1)成分(i)
成分(i)は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを含有する原料固体成分である。
これらチタン(Ti)−マグネシウム(Mg)−ハロゲンの三元素(三成分)は、いずれも必須成分として含有するものである。ここで、「必須成分として含有する」ということは、挙示の三成分のほかに、合目的的な他元素を含んでもよいこと、これらの元素は、それぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は、相互に結合したものとして存在してもよいこと、を示すものである。チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む原料固体成分そのものは公知のものである。例えば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、同55−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905号、同59−149906号、同60−130607号、同61−55104号、同61−204204号、同62−508号、同62−15209号、同62−20507号、同62−184005号、同62−236805号、同63−199207号、同63−264607号、同63−264608号、特開平1−79203号、同1−139601号、同1−215806号、同7−258328号、同7−269125号、同11−21309号、各公報等に記載のものが使用される。
また、これらのものをタングステンやモリブテン化合物で処理したものなども挙げられる。
成分(i)のマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。これらのうちで好ましいのは、マグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライドである。
また、成分(i)のチタン源となるチタン化合物は、一般式:Ti(OR4−q(ここで、Rは、炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4である。)で表される化合物が挙げられる。
具体例としては、TiCl、TiBr、Ti(OC)Cl、Ti(OCCl、Ti(OCCl、Ti(O−i−C)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Br、Ti(OC)(O−n−CCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Cl、Ti(O−i−CCl、Ti(OC11)Cl、Ti(OC13)Cl、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C13、Ti(O−n−C17、Ti(OCHCH(C)C等が挙げられる。
また、TiX’(ここで、X’は、ハロゲンである。)に後述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源として用いることもできる。
そのような分子化合物の具体例としては、TiCl・CHCOC、TiCl・CHCO、TiCl・CNO、TiCl・CHCOCl、TiCl・CCOCl、TiCl・CCO、TiCl・ClCOC、TiCl・CO等が挙げられる。
また、TiCl(TiClを水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr、Ti(OC)Cl、TiCl、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も、可能である。
上記したこれらのチタン化合物の中でも、TiCl、Ti(OC、Ti(OC)Cl等が、特に好ましい。
成分(i)のハロゲンは、上述のマグネシウム及び(又は)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl等のアルミニウムのハロゲン化物、BCl等のホウ素のハロゲン化物、SiCl等のケイ素のハロゲン化物、PCl、PCl等のリンのハロゲン化物、WCl等のタングステンのハロゲン化物、MoCl等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供給することもできる。
固体触媒成分(a)中に含まれるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
また、原料固体成分(i)の製造に利用できる電子供与体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与体などを例示することができる。
より具体的には、
(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類、
(ロ)フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6〜25のフェノール類、
(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3〜15のケトン類、
(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、
(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロへキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、炭酸エチレン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジメチルカルボキシラート、シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステルの炭素数2〜20の有機酸エステル類、
(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチルなどのケイ酸エステルのような無機酸エステル類、
(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2〜15の酸ハライド類、
(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエトキシプロパンなどの炭素数2〜20のエーテル類、
(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、
(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、
(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、
(ヲ)2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、
(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4’−メチルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化合物類、
(カ)ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸−n−ブチル、p−トルエンスルホン酸−s−ブチルなどのスルホン酸エステル類等、
を挙げることができる。
これらの電子供与体は、二種類以上用いることもできる。
これらの中で、より好ましいのは有機酸エステル化合物、酸ハライド化合物及びエーテル化合物であり、特に好ましいのはフタル酸ジエステル化合物及びフタル酸ジハライド化合物からなる群から選択されるものである。
固体触媒成分(a)は、必要により他成分を用いて、例えば、以下のような製造方法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと電子供与体、チタン含有化合物を接触させる方法。
(ロ)アルミナ又はマグネシアをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシド及び特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物及び/又はケイ素のハロゲン化合物、電子供与体を接触させた反応生成物を不活性有機溶媒で洗浄させる方法。
なお、ここで用いられるポリマーケイ素化合物としては、下式で示されるものが適当である。
−[Si(H)(R)−O−]
ここで、上式中、Rは、炭素数1〜10程度の炭化水素基であり、xは、このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチストークス程度となるような重合度を示す。
具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジェンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が好ましい。
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシドおよび/または電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化合物、および電子供与体を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応じて電子供与体を接触させ、次いでチタン化合物、および電子供与体を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤および/またはチタン化合物を電子供与体の存在下もしくは不存在下に接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
これらの製造方法の中でも、上記(イ)、(ハ)、(ニ)および(ヘ)の方法が特に好ましい。
(2)成分(ii)
本発明に係る固体触媒成分(a)を製造するために好ましく使用される成分(ii)は、Si−OR結合(ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素基)を2つ以上含有する有機ケイ素化合物である。
ケイ素原子に結合している−OR基以外の結合残基として、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等)およびシロキシ基等から選ばれる結合残基を有するものを使用するが通常である。
好ましい有機ケイ素化合物は、少なくとも1つの炭化水素基を有するものであり、さらに好ましくは、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわちα−位炭化水素原子が2級または3級の炭素原子で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素基を有するものである。
成分(ii)の有機ケイ素化合物の具体例としては、(CHCSi(CH)(OCH、(CHCSi(CH(CH)(OCH、(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(C)(OCH、(CHCSi(n−C)(OCH、(CHCSi(n−C13)(OCH、(CCSi(CH)(OCH、(CH)(C)CHSi(CH)(OCH、((CHCHCHSi(OCH、(C)(CHCSi(CH)(OCH、(C)(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(OCH、(CHCSi(OC、(CH)(C)CHSi(OCH、(CHCH(CHCSi(CH)(OCH、((CHC)Si(OCH、(C)(CHCSi(OCH、(C)(CHCSi(OC、(CHCSi(OC(CH)(OCH、((CH3)CH)Si(OCH、((CHCH)Si(OC、(CSi(OCH、(CSi(OC、(C)(CH)Si(OCH、(C)((CHCHCH)Si(OCH、(C11)Si(CH)(OCH、(C11Si(OCH、(C11)((CHCHCH)Si(OCH、((CHCHCH)((C)(CH)CH)Si(OCH、((CHCHCH)((CHCH)Si(OC11、HC(CHC(CHSi(CH)(OCH、HC(CHC(CHSi(CH)(OC、HC(CHC(CHSi(OCH、(CHCSi(OCH(CH)(OCH、(CHCSi(OC(CH)(OCH等が挙げられる。
また、これらの中で好ましいものとしては、(CHCSi(CH)(OCH、(CHCSi(CH(CH)(OCH、(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(C)(OCH、(CHCSi(n−C)(OCH、(CHCSi(n−C13)(OCH、(CSi(OCH、(CSi(OC、(C11)Si(CH)(OCH、(C11Si(OCH等が挙げられる。
(3)成分(iii)
本発明に係る固体触媒成分(a)を形成するために好ましく使用される成分(iii)は、ビニルシラン化合物である。
ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH)中の少なくとも一つの水素原子がビニル基(CH=CH−)に置き換えられ、そして残りの水素原子のうちのいくつかが、ハロゲン原子(好ましくはCl)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基)、アリール基(好ましくはフェニル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換えられた構造を示すものである。
より具体的には、CH=CH−SiH、CH=CH−SiH(CH)、CH=CH−SiH(CH、CH=CH−Si(CH、CH=CH−SiCl、CH=CH−SiCl(CH)、CH=CH−SiCl(CH、CH=CH−SiH(Cl)(CH)、CH=CH−Si(C、CH=CH−SiCl(C、CH=CH−SiCl(C)、CH=CH−Si(CH(C)、CH=CH−Si(CH)(C)、(CH=CH)−SiH、(CH=CH)−SiH(CH)、(CH=CH)−SiH(CH)、(CH=CH)−Si(CH、(CH=CH)−SiCl、(CH=CH)−SiCl(CH)、(CH=CH)−SiH(Cl)、(CH=CH)−Si(C、(CH=CH)−SiCl(C)、(CH=CH)−Si(CH)(C)、(CH=CH)−SiH、(CH=CH)−Si(CH)、(CH=CH)−SiCl、(CH=CH)−Si(C)、(CH=CH)−Si等を例示することができる。
これらのうちでは、特に、CH=CH−Si(CH、(CH=CH)−Si(CHが好ましい。
(4)成分(iv)
固体触媒成分(a)を形成するために好ましく使用される成分(iv)は、周期表第I〜III族の有機金属化合物である。
有機金属化合物であることから、この化合物は、少なくとも一つの有機基・金属結合を持つ。その場合の有機基としては、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度、の炭化水素基が代表的である。この化合物の金属としては、リチウム、マグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛、特にアルミニウムが代表的である。
原子価の少なくとも一つを有機基で充足されている有機金属化合物の金属の残りの原子価(もしあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基(炭化水素基は、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは炭素原子を介した当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの−O−Al(CH)−)、その他で充足される。
このような有機金属化合物の具体例を挙げれば、
(イ)メチルリチウム、n−ブチルリチウム、第三ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、
(ロ)ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ヘキシルエチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロリド、第三ブチルマグネシウムブロミド等の有機マグネシウム化合物、
(ハ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、
(ニ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミノキサン等、の有機アルミニウム化合物が挙げられる。
これらのうちでは、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
(5)固体触媒成分(a)の製造
固体触媒成分(a)は、該成分(a)を構成する各成分(i)〜(iv)、および必要により用いられる任意成分を、段階的にあるいは一時的に相互に接触させて、その中間および/または最後に有機溶媒で洗浄することによって製造することができる。
具体的には、
(イ):成分(i)と成分(iii)とを接触させた後に、成分(ii)及び成分(iv)を接触させ、最後に洗浄する方法、
(ロ):成分(i)と成分(ii)を接触させた後に、成分(iii)、成分(iv)を接触させ、洗浄する方法、
(ハ):成分(i)、(ii)、(iii)を同時に接触した後に、成分(iv)を接触させ、洗浄する方法、
などが採用される。
有機溶剤洗浄に用いる溶剤としては、不活性有機溶媒、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等)、あるいはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化−n−ブチル、1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等)を挙げることができる。
固体触媒成分(a)を構成する各成分の接触条件は、酸素の不存在下で実施する必要があるものの、本発明の効果が認められる限り任意のものであり得るが、一般的には、次の条件が好ましい。
接触温度は、−50〜200℃程度、より好ましくは0〜100℃である。接触方法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体撹拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存在下に撹拌により接触させる方法などがある。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。
固体触媒成分(a)を構成する各成分使用量の量比は、本発明の効果が認められる限り任意のものであり得るが、一般的には、次の範囲内が好ましい。
成分(i)のチタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(Ti/Mg)で0.0001〜1,000、より好ましくは0.01〜10である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対してモル比で0.01〜1,000がよく、より好ましくは0.1〜100である。電子供与体の使用量は、前記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比(ハロゲン/Mg)で0.001〜10がよく、より好ましくは0.01〜5で
ある。
成分(i)と成分(ii)の量比は、成分(i)を構成するチタン成分に対する成分(ii)のケイ素の原子比(ケイ素/チタン)で0.01〜1,000、より好ましくは0.1〜100である。成分(iii)の成分(i)に対する量比は、成分(iii)中のケイ素原子の、成分(i)中のチタン原子に対する原子比(ケイ素/チタン)で0.01〜1,000、より好ましくは0.01〜300である。成分(iii)の成分(i)に対する量比は、有機金属化合物の金属の原子比(金属/チタン)で0.01〜1,000、より好ましくは0.1〜100である。成分(iv)の有機金属化合物の使用量は、成分(i)を構成するチタン成分に対する金属の原子比(金属原子/チタン)で0.1〜100、より好ましくは1〜50である。
なお、固体触媒成分(a)の製造の中間および/または最後には、前記溶剤洗浄の他にも、該溶剤洗浄で用いられるのと同様の不活性有機溶媒での洗浄工程を付加することができる。
4−2.有機アルミニウム化合物(b)
また、(b)有機アルミニウム化合物は、助触媒として用いられ、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサンなどのアルモキサン、メチルボロン酸ジブチル、リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合して使用することも可能
である。
4−3.電子供与性化合物
本発明に係る結晶性プロピレン重合体(A)の製造時に、更に電子供与性化合物(外部ドナー)を使用することが好ましい。
電子供与性化合物(外部ドナー)としては、固体成分(i)の際に電子供与性化合物(内部ドナー)として例示したもの、成分(ii)で例示したSi−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物などを例示することができる。
この中で、特にtert−ブチルメチルジメトキシシランを製造時に外部ドナーとして使用すると、プロピレン系重合体のアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が更に高くなり、強いては剛性が向上する。
上記(a)および(b)からの触媒系は、連鎖移動である水素の量で、メルトフローレートが大きく変化することに特徴がある。
4−4.結晶性プロピレン重合体(A)の重合
重合形式としては、原料のプロピレン(及びエチレン以下同じ)を気相状態下で重合する単段の他に2段以上の多段重合により行われてもよい。
気相重合工程の各工程は、それぞれ何段でもよい。
また、多段重合の各段から得られる結晶性プロピレン重合体のメルトフローレートにおいて、後段のメルトフローレートが、それより前段のメルトフローレートより低い、すなわち後段になるに従って次第にメルトフローレートが低くなることが好ましい。メルトフローレートが前段より高くなる場合には、結晶性プロピレン重合体の熱成形体の物性が不十分であったり、フィッシュアイが多くなったりして不都合である。
重合用の反応器としては、特に形状、構造を問わないが、流動床反応器、攪拌羽根を有する横型反応器などが挙げられる。
重合圧力に関しては、特に限定されないが、通常0.2〜5MPa、好ましくは0.3〜2MPa程度で実施される。各段の重合圧力は同一でも異なっていてもよい。
また、重合温度は、特に制限はないが、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲から選択される。各段の重合温度は、同一でも異なっていてもよい。
重合時間も、特に限定されないが、通常10分〜10時間で実施される。
また、多段の場合、各段のそれぞれの重合時間も、特に限定されないが、例えば、1段目30分、2段目30分、3段目1時間のように設定される。
また、本発明に使用する結晶性プロピレン重合体(A)または樹脂組成物には、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、着色剤など、通常ポリプロピレンに用いることのできる各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤およびチオ系酸化防止剤などが例示でき、中和剤としては、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの高級脂肪酸塩類やハイドロタルサイト類が例示でき、光安定剤および紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン類、ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などが例示できる。
結晶性プロピレン重合体(A)は、そのまま単独で使用することも、また、本発明の効果を損なわない範囲で、別のポリプロピレンや、ポリエチレン、各種エラストマーのような別のポリマーを添加して、使用することもできる。
II.樹脂組成物からなるポリプロピレン系シート
本発明のポリプロピレン系シートは、上記樹脂組成物を用い公知の方法で製造することができる。例えば、Tダイ、サーキュラーダイを用いた押出成形等の公知の技術によって製造できる。
本発明で使用される結晶性プロピレン重合体(A)、脂環式炭化水素樹脂成分(B)および造核剤を含む樹脂組成物からなるシートは、少なくとも本発明に係る樹脂組成物を用いた主層からなるシートであり、2層以上の多層構造であっても、なんら差し支えない。
例えば、主層の間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリアミド樹脂といったバリア性樹脂層および接着層を配置したバリアシートを設けても、さらに、最外層に、高光沢層や低光沢層といった意匠性を持たせた層を配置することも可能である。
又、シートの片面および両面に、防曇剤、帯電防止剤、滑剤等の表面処理剤を塗布することもできる。
特に、レトルト処理を行う医療容器、食品容器では、内容物の酸化劣化を防ぐために、バリア性樹脂との多層構成にすることが好ましい。結晶性プロピレン重合体(A)などを含む樹脂組成物のシートは、容器本体部分を構成する主層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、MXD6ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のガスバリアー樹脂,及びそれらのガスバリアー樹脂とポリプロピレン層を接着させる無水マレイン酸変性ポリプロピレン、などからなる各種材料を積層した、5層以上の多層積層体とすることもできる。
MXD6ポリアミドは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸を主成分として用いて得られるポリアミドである。ガスバリヤー性の層としては、前記のうち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)あるいはMXD6ポリアミドが特に好ましい。
本発明で使用されるポリプロピレン系シートの厚みは、0.1〜4mmであることが好ましく、0.2〜3.5mmがさらに好ましく、0.25〜3mmが特に好ましい。厚みが0.1mmを大きく下回る場合は、容器の剛性が損なわれ、一方、厚みが4mmを大きく上回る場合は、シート成形が困難になるおそれがある。
このような結晶性プロピレン重合体(A)を含む樹脂組成物のシートは、単層の他に、通常ポリプロピレンの成形に用いられる複数の押出機を用い、フィードブロックやマルチマニホールドを用いて、複数層のポリプロピレン系シートに成形することができる。
ポリプロピレン系シートの具体的な製造法としては、必要により他の成分を配合した結晶性プロピレン重合体(A)などを含む樹脂組成物を、公知の単軸又は二軸のスクリュー押出機に通して、コートハンダーダイからシート状に押出した後、(内部で冷却水や油が循環している)金属ロール表面に、エアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロールにて、押さえつけ、冷却固化されることによって得ることができる。また、シート両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することもできる。
このようなシートの冷却方法の中では、シート両面に、金属ロール及び/又はスチールベルトを使用する方法が、表面凹凸の少ないシート表面、つまり透明性に優れたシートを得られることから、最も好ましい方法である。
III.熱成形体
本発明の熱成形体は、上記のポリプロピレン系シートを用い、その融解ピーク温度以下で、かつ0.2MPa以上の圧空圧力で、真空圧空成形された熱成形体である。
このような熱成形における加熱方法としては、間接加熱、熱板加熱、熱ロール加熱などが挙げられる。
シートの融解ピーク温度を超える温度で成形を行なうと、得られる熱成形体の透明性、光沢、肉厚均一性が悪化し、成形不能となりやすい。
熱成形は、樹脂組成物またはシートの融解ピーク温度以下で行う際、好ましくは、融解ピーク温度較差5〜30℃の範囲になるような温度で、加熱をすることにより、軟化させ、金型キャビティ側より真空吸引し、反対側より0.2MPa以上の圧空圧力を付加して、該ポリプロピレン系シートを金型キャビティ表面に密着させることにより、成形することができる。
ここで、圧空圧力が0.2MPaを下回ると、金型の形状を忠実に得ることができ難くなる。圧空圧力は、0.2MPa以上、好ましくは0.3MPa以上、さらに好ましくは0.35MPa以上である。
また、アシストプラグを設けることもでき、熱成形体の肉厚均一性が向上するので、好ましい。
IV.熱成形体の用途
本発明の熱成形体は、透明性と剛性に優れ、また、意匠性に優れ、電子レンジ加熱が可能なため、食品包装用蓋、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の製品において、広く用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で用いた物性測定法などは、以下の通りである。
1.樹脂物性の測定方法
(イ)MFR:
結晶性プロピレン重合体(A)は、JIS K7210 A法 条件Mに従い、試験温度:230℃、公称荷重:2.16kg、ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mmで測定した。
(ロ)エチレン含量:
エチレンの含量は、下記の条件の13C−NMR法によって計測された値である。
・装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
・濃度:300mg/2mL
・溶媒:オルソジクロロベンゼン
(ハ)昇温溶出分別(TREF)における40℃以下の温度で溶出する成分量:
本明細書記載の方法で測定した。
(ニ)軟化点:
脂環式炭化水素樹脂成分(B)の軟化点は、JIS K2207に準拠して、測定した。
2.シート物性の測定方法
(イ)厚み:
シートの厚みは、マイクロメーターを使用して測定した。
(ロ)剛性(引張弾性率)(単位:MPa):
シートの引張弾性率は、JIS K7127に準拠して、シートの流れ方向(MD)とその直角方向(TD)の両方を測定した。得られた値が高いほど、剛性に優れていることを意味する。
(ハ)透明性(HAZE):
シートの透明性は、JIS K7136−2000に準拠し、ヘイズメータで測定した。得られた値が小さいほど、透明性がよいことを意味する。
3.熱成形体物性の測定方法
(イ)剛性(引張弾性率):
熱成形体の引張弾性率は、JIS K7127に準拠して、熱成形体の平面部分を使用してシート段階での流れ方向(MD)とその直角方向(TD)の両方を測定した。得られた値が高いほど、剛性に優れていることを意味する。
(ロ)透明性(HAZE):
熱成形体の透明性は、JIS K7136−2000に準拠し、ヘイズメータで測定した。得られた値が小さいほど、透明性がよいことを意味する。
[実施例1]
(触媒製造例1)
(1)固体成分の調製
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、Mg(OEt)を200g、TiClを1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。
次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。
更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体成分(a1)のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分(a1)のTi含量は2.7質量%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体成分(a1)のスラリーを固体成分(a1)として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分(a1)の濃度が25g/Lとなるように調整した。SiCl50mlを加え、90℃で1hr反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
その後、精製したn−ヘプタンを導入して液レベルを4Lに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、(i−Pr)Si(OMe)を30ml、トリエチルアルミニウムのn−ヘプタン希釈液をトリエチルアルミニウムとして80g添加し、40℃で2hr反応を行った。
反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄し、得られたスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分には、Tiが1.2質量%、(i−Pr)Si(OMe)が8.8質量%含まれていた。
(2)予備重合
上記で得られた固体成分を用いて、以下の手順により予備重合を行った。
上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が20g/Lとなるように調整した。スラリーを10℃に冷却した後、トリエチルアルミニウムのn−ヘプタン希釈液をトリエチルアルミニウムとして10g添加し、280gのプロピレンを4hrかけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30min反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って固体触媒成分(a)を得た。この固体触媒成分(a)は、固体成分1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。分析したところ、この固体触媒成分(a)のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.0質量%、(i−Pr)Si(OMe)が8.2質量%含まれていた。
(3)プロピレン重合体の製造
内容積2000リットルの流動床式反応槽を用いて重合を行った。
重合温度70℃、全圧3.0MPa、プロピレン分圧1.5MPa、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.0015、となるように、連続的に供給するとともに、固体触媒成分(a)を2.8g/Hr、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEA)を5.1g/Hrにて、連続的に供給した。
得られたプロピレン重合体1のMFRは、2.8g/10分だった。
得られたパウダーの分析結果を表1にまとめて示す。
(4)ポリプロピレン樹脂組成物1の製造
プロピレン重合体1を90重量部に対して、OPPERA PR103J(エクソンモービル(有)社製、軟化点125℃)を10重量部、フェノール系酸化防止剤としてIRGANOX1010(商品名、BASF社製)を0.05重量部、リン系酸化防止剤としてIRGAFOS168(商品名、BASF社)製を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.03重量部、造核剤としてミリケン社製のMillad NX8000Jを0.5重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物1を得た。
得られたペレットについて測定した各種物性を、表1に示す。
(5)ポリプロピレンシート及び熱成形体の製造
上記で得られたペレットを、スクリュー口径50mmの押出機に投入し、樹脂温度230℃にて、加熱溶融可塑化して、T型ダイスより押出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が60℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら、2m/分の速度で連続的に引き取り、幅500mm、厚み0.35mmのシートを得た。
次いで、このシートを用いて、真空圧空熱成形機FSK(株式会社浅野研究所製)で、圧空圧力0.4MPaにて、直径170mmφ、深さが20mmの丸蓋状の熱成形体を成形した。成形直前のシート温度は140℃であった。
このシート及び熱成形体について、各種評価を行った。結果を表1に示す
[実施例2]
実施例1において、固体触媒成分(b)のフィード量を4.2g/hr、水素/プロピレンのモル比で0.0040となるように制御し、エチレンとプロピレン分圧1.8MPa、プロピレンとエチレンをエチレン/プロピレンのモル比で0.0025、として供給したこと以外は、実施例1と同様の方法でエチレン−プロピレン共重合体1を製造した。
得られた製品のMFRは、2.8g/10分、製品中のエチレン含量は、0.44重量%だった。得られたパウダーの分析結果を表1に示す。
このエチレン−プロピレン共重合体について、実施例1と同様にポリプロピレン樹脂組成物2を得、さらに実施例1と同様にシート及び熱成形体を得た。
評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、OPPERA PR103Jを添加せず、プロピレン重合体1を100重量部としたこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン樹脂組成物3を得、さらに、実施例1と同様にシート及び熱成形体を得た。
評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、Millad NX8000Jを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン樹脂組成物4を得、さらに、実施例1と同様にシート及び熱成形体を得た。
評価結果を表1に示す。
[比較例3]
(触媒製造例2)
(1)固体成分の調製
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、Mg(OEt)を200g、TiClを1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体成分(b1)のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分(b1)のTi含量は2.7wt%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体成分(b1)のスラリーを、固体成分(b1)として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分(b1)の濃度が25g/Lとなる様に調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを25ml、(i−Bu)Si(OMe)を20ml、EtAlのn−ヘプタン希釈液をEtAlとして45g添加し、30℃で2hr反応を行った。次いで反応生成物を、そのまま全量予備重合に用いた。
(2)予備重合
上記で得られた固体成分を用いて、以下の手順により予備重合を行った。
上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が20g/Lとなる様に調整した。スラリーを10℃に冷却した後、280gのプロピレンを4hrかけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30min反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って固体触媒成分(b)を得た。
この固体触媒成分(b)は、固体成分1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。分析したところ、この固体触媒成分(b)のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.5wt%、(i−Bu)Si(OMe)が7.5wt%含まれていた。
(3)プロピレン重合体の製造
内容積2000リットルの流動床式反応槽を用いて重合を行った。重合温度65℃、全圧3.0MPa、プロピレン分圧1.5MPa、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.0015、となるように連続的に供給するとともに、固体触媒成分(b)を6.9g/Hr、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEA)を5.2g/Hrにて、連続的に供給した。ここで得られたプロピレン重合体2を分析した結果、MFRは2.6g/10分だった。得られたパウダーの分析結果を表1に示す。
このプロピレン重合体2について、実施例1と同様にポリプロピレン樹脂組成物5を得、さらに実施例1と同様にシート及び熱成形体を得た。
結果を表1に示す。
Figure 2015183065
表1から明らかなように、本発明の実施例1、2の熱成形体は、引張弾性率が高く、透明性も良好であることが判る。一方、比較例1〜3の熱成形体は、引張弾性率が低く、透明性も良好でないことが判る。
本発明の熱成形体は、成形性に優れ、さらに、引張弾性率が高く、透明性も良好であり、また、意匠性に優れ、電子レンジ加熱が可能なため、食品包装用蓋、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の製品に、極めて有用である。

Claims (4)

  1. 下記(a)〜(b)を満足する結晶性プロピレン重合体(A)40〜98重量%と、軟化点温度が110〜160℃である脂環式炭化水素樹脂成分(B)2〜60重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、下記の一般式(1)で表される造核剤を0.05〜1重量部を含有する樹脂組成物を用いてなるシートを、該樹脂組成物の融解ピーク温度以下で、かつ0.2MPa以上の圧空圧力で、真空圧空成形されてなる熱成形体。
    (a)オルトジクロロベンゼンを溶媒として使用した昇温溶出分別(TREF)の測定において、40℃以下の温度で溶出する成分が3重量%以下である。
    (b)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分である。
    Figure 2015183065
    (式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基もしくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。)
  2. 結晶性プロピレン重合体(A)は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(a)と、有機アルミニウム成分(b)からなるプロピレン重合用触媒を用いて重合された結晶性プロピレン重合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱成形体。
  3. 結晶性プロピレン重合体(A)は、さらに、重合時に、Si−OR結合(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基である。)を2つ以上含有する有機ケイ素化合物を供給して製造された結晶性プロピレン重合体であることを特徴とする請求項2に記載の熱成形体。
  4. 固体触媒成分(a)は、下記の成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱成形体。
    (i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
    (ii)Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素残基である。)
    (iii)ビニルシラン化合物
    (iv)周期表第I〜III族金属の有機金属化合物
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