JP2015180771A - 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 - Google Patents
低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015180771A JP2015180771A JP2015041051A JP2015041051A JP2015180771A JP 2015180771 A JP2015180771 A JP 2015180771A JP 2015041051 A JP2015041051 A JP 2015041051A JP 2015041051 A JP2015041051 A JP 2015041051A JP 2015180771 A JP2015180771 A JP 2015180771A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- less
- steel sheet
- wear
- resistant steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.175%以上0.250%未満、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.35〜1.50%、P:0.006%未満、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、Cr:0.10〜1.00%、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.005〜0.050%、B:0.0003〜0.0030%、N:0.0010〜0.0080%、特定式1、2を満たし、必要に応じて、Mo、V、Cu、Ni、Ca、Mg、REMの1種または2種以上の成分組成と、板厚の1/4、3/4位置でのミクロ組織が旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイト単相、または、マルテンサイトとベイナイトの混合組織で島状マルテンサイトの面積分率が組織全体に対し5%未満の鋼板。上記組成の鋼を熱間圧延後、直接焼入れする。
【選択図】なし
Description
本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は、
1.質量%で、C:0.175%以上0.250%未満、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.35〜1.50%、P:0.006%未満、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、Cr:0.10〜1.00%、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.005〜0.050%、B:0.0003〜0.0030%、N:0.0010〜0.0080%、さらに(1)式および(2)式を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、板厚の1/4位置および3/4位置でのミクロ組織が旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイト単相組織、または、旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイトとベイナイトの混合組織で、ベイナイト中の島状マルテンサイトが、組織全体に対する面積分率で5%未満であり、表面硬度がブリネル硬さで400HBW10/3000以上450HBW10/3000以下であることを特徴とする低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板。
DIH=33.85×(0.1×C)0.5×(0.7×Si+1)×(3.33×Mn+1)×(0.35×Cu+1)×(0.36×Ni+1)×(2.16×Cr+1)×(3×Mo+1)×(1.75×V+1)≧45・・・(1)
CES=5.5×C4/3+75.5×P+0.90×Mn+0.12×Ni+0.53×Mo≦2.50・・・(2)
各式において、各合金元素は含有量(質量%)とし、添加のない元素の含有量は0とする。
2.上記成分に加えて、質量%でMo:0.05〜0.80%、V:0.005〜0.10%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜2.00%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする1に記載の耐摩耗鋼板。
3.上記成分に加えて、質量%でCa:0.0005〜0.0040%、Mg:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0080%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする1または2に記載の耐摩耗鋼板。
鋼素材を1050℃〜1200℃に加熱後、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、940℃未満の温度域における累積圧下率が30〜65%となる熱間圧延を施し、表面温度がAr3+80℃以上Ar3+180℃以下の温度で熱間圧延を終了し、Ar3点以上の温度から直接焼入れを行い、板厚の1/2位置において2℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却することを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
[成分組成]
以下の説明で%は、いずれも質量%とする。
Cは、マトリクス硬度を高硬度化させ耐摩耗性を向上させる元素である。ブリネル硬さで400HBW10/3000以上の硬さで耐摩耗性を実現するためには、C含有量を0.175%以上にすることが必要である。一方、C含有量が0.250%以上になると、硬さが高くなりすぎ低温靭性が低下する。したがって、C含有量は0.175%以上、0.250%未満とした。なお、好ましくは、0.175〜0.230%である。より好ましくは0.175〜0.220%である。
Siは、脱酸元素として有効な元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上の含有を必要とする。また、Siは、鋼に固溶して固溶強化により高硬度化に寄与する有効な元素であるが、1.00%を超える含有は、延性、靭性を低下させ、さらに介在物量が増加する。このため、Siは0.05〜1.00%の範囲に限定する。なお、好ましくは0.10〜0.40%である。
Mnは、Pの粒界偏析を助長し、遅れ破壊を発生しやすくする。しかしながら、本発明ではP含有量を0.006%未満にすることで、比較的安価な元素であるMnを添加し、焼入性を高めることを可能としている。一方、焼入れ性確保のためには、一定量を添加することが必要であり、また、合金コスト低減の観点からも、Mn添加は望ましく、Mn含有量は0.35〜1.50%に限定する。好ましくは、0.60%〜1.40%である。
Pは粒界に偏析し遅れ破壊発生の起点となる。また、Pは中心偏析部に濃化し、中心偏析部の硬さを高め、低温焼戻し脆化感受性を高める。P含有量を0.006%未満にすることで、溶接やガス切断による熱影響で低温焼戻しを受けた領域における耐低温焼戻し脆化割れ特性が高まるため、P含有量は0.006%未満とする。
Sは、不可避的に混入する不純物であり、0.005%を超えて含有するとMnSを形成し、破壊の発生起点となるため、S含有量は0.005%以下とする。好ましくは、0.0035%以下である。
Alは、溶鋼を脱酸するために添加される元素であり、0.005%以上含有させる必要がある。一方、Al含有量が0.100%を超えると鋼の清浄度を低下させるともに、靭性を低下させるので、Al含有量は0.005〜0.100%とする。好ましくは、0.010〜0.040%である。
Crは、焼入れ性を向上させる効果を有し、このような効果を得るためには、0.10%以上の含有を必要とするが、1.00%を超える含有は、溶接性を低下させる。そのため、Crを添加する場合は、Cr含有量を0.10〜1.00%の範囲に限定する。好ましくは0.10〜0.80%である。
Nbは、炭窒化物あるいは炭化物として析出し、組織を微細化し、遅れ破壊発生を抑制する効果を有する。その効果を得るためには、Nb含有量を0.005%以上にすることが必要である。一方、Nb含有量が0.024%を超えると粗大な炭窒化物が析出し、破壊の起点となることがあるため、Nb含有量は0.005%〜0.024%とする。好ましくは0.010〜0.020%である。
Tiは、Nを固定することにより、BN析出を抑制しBの焼入れ性向上効果を助長する効果を有する。その効果を得るためには、0.005%以上の含有が必要である。一方、0.050%を超えて含有すると、TiCを析出し母材靭性を劣化させるため、Ti含有量は0.005〜0.050%とする。好ましくは0.010〜0.020%である。
Bは、微量添加により、焼入れ性を著しく改善する。その効果を得るためには、B含有量を0.0003%以上にすることが必要である。また、B含有量が0.0003%未満では焼入れ性が十分ではなく、ベイナイト変態が高温で起こるため、ベイナイト中の島状マルテンサイトが増加し靭性が低下する。一方、B含有量が0.0030%を超えると溶接性が劣化するため、B含有量は0.0003%〜0.0030%とする。好ましくは、0.0005〜0.0020%である。より好ましくは0.0010〜0.0020%である。
Nは、Alと反応して析出物を形成することで、結晶粒を微細化し、母材靭性を向上させる効果があるため添加する。N含有量が0.0010%未満では、結晶粒の微細化に必要な析出物が形成されず、N含有量が0.0080%を超えると、母材および溶接部の靭性を低下させることから、N含有量は0.0010〜0.0080%とする。好ましくは0.0010〜0.0050%である。
式(1)において、各合金元素は含有量(質量%)とし、添加のない元素の含有量は0とする。
式(2)において、各合金元素は含有量(質量%)とし、添加のない元素の含有量は0とする。
Moは、焼入れ性を向上させるために特に有効な元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とするが、0.80%を超えて含有すると溶接性を低下させる。そのため、Moを添加する場合は、Mo含有量を0.05〜0.80%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.05〜0.70%である。
Vは、焼入れ性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とするが、0.10%を超えて含有すると溶接性を低下させる。そのため、Vを添加する場合は、V含有量を0.005〜0.10%の範囲に限定することが好ましい。
Cuは、固溶することにより焼入れ性を向上させる元素であり、この効果を得るために0.10%以上の含有を必要とする。一方、1.00%を超える含有は、熱間加工性を低下させる。このため、Cuを添加する場合は、Cu含有量を0.10〜1.00%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.10〜0.50%である。
Niは、固溶することにより焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果は0.10%以上の含有で顕著となる。一方、2.00%を超える含有は、材料コストを著しく上昇させる。このため、Niを添加する場合は、Ni含有量を0.10〜2.00%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.10〜1.00%である。
CaやMg、REMは、Sと結合し、MnS生成を抑制する。この効果を得るためには、夫々、0.0005%以上の含有を必要とするが、Caは0.0040%を超えると、Mgは0.0050%を超えると、REMは0.0080%を超えると鋼の清状度を劣化させる。そのため、添加する場合は、Ca含有量は0.0005〜0.0040%、Mg含有量は0.0005〜0.0050%、REM含有量は0.0005〜0.0080%とする。
本発明に係る耐摩耗鋼板は、板厚の1/4位置および3/4位置でのミクロ組織を旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイト単相組織、または、旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイトとベイナイトの混合組織とする。板厚方向で均一な耐摩耗性を確保するため、板厚の1/4位置および3/4位置でのミクロ組織を規定する。さらに、優れた低温靭性を確保するため、旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイト単相組織、または、旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイトとベイナイトの混合組織とし、ベイナイト中の島状マルテンサイトの面積分率を組織全体に対して5%未満に規定する。なお、マルテンサイト、ベイナイトとも、旧オーステナイト平均粒径は20〜60μmとする。
本発明に係る耐摩耗鋼板は、板厚の1/4位置および3/4位置でのミクロ組織を、マルテンサイト単相組織、または、マルテンサイトとベイナイトの混合組織とする。これは、表面の硬度をブリネル硬さで400HBW10/3000以上とし、耐摩耗特性を確保するためである。マルテンサイトは硬度が高く、耐摩耗特性の観点および後述する島状マルテンサイトの生成を抑制する観点からはマルテンサイト単相が好ましいが、ベイナイトも硬度が高く耐摩耗性に優れ、マルテンサイトよりも靭性に優れるため、マルテンサイトとベイナイトの混合組織としてもよい。
旧オーステナイト平均粒径は、本発明の場合、焼入れによりオーステナイトがマルテンサイトあるいはベイナイトに変態する直前のオーステナイトの平均粒径である。オーステナイト粒界はフェライト変態の核生成サイトとして作用するため、オーステナイト粒径が小さくなりオーステナイト粒界の面積が増大すると、フェライト変態が起こりやすくなり、焼入れ性が低下する。このため、旧オーステナイト平均粒径が20μm未満であると、焼入れ性が低下して、所望の硬度が得られなくなる。したがって、旧オーステナイト平均粒径は20μm以上とする。さらに、十分に焼入れ性を確保し板厚の1/4位置および3/4位置の硬度を確保して、板厚の1/4位置および3/4位置の耐摩耗性を向上させるためには、旧オーステナイト平均粒径を30μm以上とすることが好ましい。板厚の1/4位置および3/4位置の硬度はブリネル硬さで350HBW10/3000以上が好ましい。
一般的に島状マルテンサイトは主にベイナイト組織中に生成する。ベイナイトの変態温度が高いと、ベイナイトラス間あるいは粒界に島状マルテンサイト(MA)が生成することがある。島状マルテンサイトが生成するとシャルピー衝撃試験における脆性−延性遷移温度が高温に移動し、十分な低温靭性が得られなくなるので、組織全体に対する面積分率で5%未満とする。島状マルテンサイトは靭性を低下させるので、少ないほど好ましく、全くなくともよい。
本発明に係る耐摩耗鋼板は、上述した成分組成に調整した溶鋼を転炉、電気炉、真空溶解炉などを用いた通常の方法で溶製し、次いで、連続鋳造の工程を経て鋼素材(スラブ)とした後、熱間圧延して製造する。
本発明の場合、圧延時の加熱温度が鋼板の機械的特性に及ぼす影響は小さい。しかしながら、厚肉材において、加熱温度が低すぎる場合や、圧下量が不十分な場合、板厚中央部に鋼塊製造時の初期欠陥が残存し、鋼板の内質が著しく低下する。スラブに存在する鋳造欠陥を熱間圧延によって着実に圧着させるため、加熱温度を1050℃以上とする。
熱間圧延は、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、940℃未満の温度域における累積圧下率が30〜70%とする。950℃以上の温度域における累積圧下率が30%未満であると、引き続き940℃未満の温度域における圧延で、累積圧下率が本発明の範囲である70%以下で、スラブを目的の板厚の鋼板に圧延することが困難となるため、950℃以上の温度域における累積圧下率は30%以上とする。また、950℃以上の高温域では、圧延により導入される転位によって元素の拡散が促進される。このため、中央偏析を低減するためにも、950℃以上の温度域における累積圧下率は30%以上とすることが好ましい。940℃未満の温度域における累積圧下率が30%未満であると旧オーステナイト平均粒径が目標である60μm以下にならないため、30%以上とする。また、940℃未満の温度域における累積圧下率が70%を超えると、旧オーステナイト平均粒径が目標である20μm以上にならないため、70%以下とする。板厚の1/4位置および3/4位置の耐摩耗性を向上させる目的で、旧オーステナイト平均粒径を30μm以上とするためには、940℃未満の温度域における累積圧下率は65%以下とすることが好ましい。
鋼板の表面温度がAr3+80℃以上Ar3+180℃以下の温度で圧延を終了する。鋼板の表面温度がAr3+80℃より低くなると直接焼入れの冷却開始温度を安定してAr3点以上とすることが困難となる。直接焼入れの冷却開始温度がAr3点未満になるとフェライトが生成し、硬さが低下して目標とする表面硬度が得られなくなる。また、圧延終了温度がAr3+180℃を超えると旧オーステナイト粒径が粗大化し、60μmを超えるため靭性が低下する。なお、Ar3は各鋼より熱膨張測定用のサンプルを採取し、オーステナイト温度からの冷却時の熱膨張曲線により測定することができる。
圧延終了後、直ちに、Ar3点以上の温度から直接焼入れを行い、鋼板の板厚の1/2位置で2℃/s以上の冷却速度で板厚の1/2位置の温度が300℃以下まで冷却する。鋼板の板厚の1/2位置の冷却速度が2℃/s未満では、板厚の1/4位置および板厚の3/4位置で島状マルテンサイト(MA)が、組織全体に対する面積分率で5%以上となり、低温靭性が低下する。このため鋼板の板厚の1/2位置の冷却速度は2℃/s以上とする。好ましくは5℃/s以上である。なお、上記冷却速度の上限は特に限定する必要はないが、実現可能な冷却速度である100℃/s以下とすることが好ましい。また、板厚の1/2位置の温度が300℃を超える温度で冷却を停止すると、板厚中央でマルテンサイト組織が得られない上、ベイナイト中のMAが多くなり靭性が低下する。また、板厚の1/4位置および板厚の3/4位置で島状マルテンサイト(MA)が、組織全体に対する面積分率で5%以上となり、低温靭性が低下する。
(1)組織観察
得られた鋼板から、組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨、腐食(ナイタール腐食液)して、光学顕微鏡(倍率:400倍)を用いて位置を鋼板の板厚の1/4位置および3/4位置を中心として、観察し撮像し、画像解析により各相の同定をした。なお、撮像は板厚の1/4位置および3/4位置とも5視野以上で行った。1視野の面積は約250μm(板厚方向)×400μm(圧延方向)であった。
組織観察に用いた試験片を再度、研磨後に、ピクリン酸により腐食して旧オーステナイト粒界を現出させ、板厚の1/4位置および3/4位置における旧オーステナイト粒径を測定した。光学顕微鏡で400倍で観察し、100個の旧オーステナイト粒の各々の円相当粒径を測定し、それらの平均値を旧オーステナイト粒径とした。
[MA分率]
鋼板の板厚の1/4位置および3/4位置において、2段エッチング法により島状マルテンサイト(MA)を現出したのち、ベイナイト組織となっている箇所のSEMの2000倍の写真をトレースし、画像解析により算出した。なお、MAの分率は組織全体に対する面積分率である。
[表面硬度測定]
JIS規格Z2243(1998)に準拠し、表層下の表面硬度を測定した。測定は、10MMのタングステン硬球を使用し、荷重は3000Kgfとした。なお、表層下の表面硬度とは表面の酸化層を除去し、さらに鉄地を表面から板厚方向に0.5mmだけ研削除去した面の表面硬さである。
[シャルピー衝撃試験]
JIS Z2242に準拠し、板厚の1/4位置および3/4位置から各3本試験片を採取し、−40℃で試験を実施した。板厚の1/4位置および3/4位置の試験片の吸収エネルギーの平均値の目標値を50J以上とした。
中心偏析部を含む板厚の中央部からJIS Z2242に規定されたシャルピー衝撃試験片を各3本採取し、400℃で10分間の熱処理を施し、−196℃でシャルピー衝撃試験を実施し、破面観察を行った。一部でも粒界破面が観察されれば、低温焼戻し脆化感受性が高いと判断した。
得られた結果を表3に示す。
[板厚の1/4位置および3/4位置硬度測定]
JIS規格Z2243(1998)に準拠し、板厚の1/4位置および3/4位置の硬度を測定した。測定は、10MMのタングステン硬球を使用し、荷重は3000Kgfとした。板厚の1/4位置および3/4位置の表面硬度は、鋼板表面より板厚方向に切削して板厚の1/4位置の面および3/4位置の面が表面となるようにして、これらの面の表面硬度を測定した。
得られた結果を表5に示す。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.175%以上0.250%未満、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.35〜1.50%、P:0.006%未満、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、Cr:0.10〜1.00%、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.005〜0.050%、B:0.0003〜0.0030%、N:0.0010〜0.0080%、さらに(1)式および(2)式を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚の1/4位置および3/4位置でのミクロ組織が旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイト単相組織、または、旧オーステナイト平均粒径が20〜60μmのマルテンサイトとベイナイトの混合組織で、ベイナイト中の島状マルテンサイトが、組織全体に対する面積分率で5%未満であり、
表面硬度がブリネル硬さで400HBW10/3000以上450HBW10/3000以下であることを特徴とする低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板。
DIH=33.85×(0.1×C)0.5×(0.7×Si+1)×(3.33×Mn+1)×(0.35×Cu+1)×(0.36×Ni+1)×(2.16×Cr+1)×(3×Mo+1)×(1.75×V+1)≧45・・・(1)
CES=5.5×C4/3+75.5×P+0.90×Mn+0.12×Ni+0.53×Mo≦2.50・・・(2)
各式において、各合金元素は含有量(質量%)とし、添加のない元素の含有量は0とする。 - 上記成分に加えて、質量%でMo:0.05〜0.80%、V:0.005〜0.10%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜2.00%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗鋼板。
- 上記成分に加えて、質量%でCa:0.0005〜0.0040%、Mg:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0080%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗鋼板。
- 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の耐磨耗鋼板の製造方法であって、
鋼素材を1050℃〜1200℃に加熱後、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、940℃未満の温度域における累積圧下率が30〜70%となる熱間圧延を施し、表面温度がAr3+80℃以上Ar3+180℃以下の温度で熱間圧延を終了し、Ar3点以上の温度から直接焼入れを行い、板厚の1/2位置において2℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却することを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。 - 板厚の1/4位置および3/4位置での前記ミクロ組織が、旧オーステナイト平均粒径が30〜60μmのマルテンサイト単相組織、または、旧オーステナイト平均粒径が30〜60μmのマルテンサイトとベイナイトの混合組織で、ベイナイト中の島状マルテンサイトが、組織全体に対する面積分率で5%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の耐摩耗鋼板。
- 請求項5に記載の耐磨耗鋼板の製造方法であって、
鋼素材を1050℃〜1200℃に加熱後、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、940℃未満の温度域における累積圧下率が30〜65%となる熱間圧延を施し、表面温度がAr3+80℃以上Ar3+180℃以下の温度で熱間圧延を終了し、Ar3点以上の温度から直接焼入れを行い、板厚の1/2位置において2℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却することを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015041051A JP6135697B2 (ja) | 2014-03-04 | 2015-03-03 | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014041421 | 2014-03-04 | ||
| JP2014041421 | 2014-03-04 | ||
| JP2015041051A JP6135697B2 (ja) | 2014-03-04 | 2015-03-03 | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2015180771A true JP2015180771A (ja) | 2015-10-15 |
| JP6135697B2 JP6135697B2 (ja) | 2017-05-31 |
Family
ID=54329130
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015041051A Active JP6135697B2 (ja) | 2014-03-04 | 2015-03-03 | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6135697B2 (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107675092A (zh) * | 2017-09-29 | 2018-02-09 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种高洁净度抗冲击履带板用钢及其制备方法 |
| CN108866443A (zh) * | 2018-07-19 | 2018-11-23 | 张家港宏昌钢板有限公司 | 正火型低屈强比高强度钢板及制备方法 |
| CN110382723A (zh) * | 2017-02-10 | 2019-10-25 | 奥托库姆普联合股份公司 | 用于通过热成形制造部件的钢以及该部件的用途 |
| CN110964985A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-07 | 唐山中厚板材有限公司 | 一种无钼低合金耐磨钢板及其生产方法 |
| CN112195397A (zh) * | 2020-09-11 | 2021-01-08 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种大厚度低碳当量高韧性耐磨钢板及其制造方法 |
| CN113166833A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-07-23 | 株式会社小松制作所 | 耐冲击磨损零件及其制造方法 |
| CN114622131A (zh) * | 2020-12-14 | 2022-06-14 | 紫荆浆体管道工程股份公司 | 一种半自磨机防断裂和疲劳衬板及其制备方法 |
| CN118326270A (zh) * | 2024-03-28 | 2024-07-12 | 鞍钢股份有限公司 | 一种hb400级别耐磨耐蚀钢板及其生产方法 |
| CN118639144A (zh) * | 2024-08-15 | 2024-09-13 | 鞍钢股份有限公司 | 一种改善1100MPa级工程结构用钢特厚板强韧性的制造方法 |
| US12098450B2 (en) | 2018-08-24 | 2024-09-24 | Komatsu Ltd. | Tracked undercarriage component, and method for producing the same |
| WO2025025309A1 (zh) * | 2023-07-28 | 2025-02-06 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种极寒地区用含稀土的高强度耐磨钢板及其制备方法 |
Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01172514A (ja) * | 1987-12-25 | 1989-07-07 | Nippon Steel Corp | 耐熱亀裂性に優れた高硬度高靭性耐摩耗鋼の製造法 |
| JP2009030093A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | 耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐磨耗鋼板 |
| JP2009030092A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐磨耗鋼板 |
| WO2011061812A1 (ja) * | 2009-11-17 | 2011-05-26 | 住友金属工業株式会社 | 高靱性耐摩耗鋼およびその製造方法 |
| JP2011214120A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-10-27 | Jfe Steel Corp | 低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板 |
| JP2012214890A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-11-08 | Jfe Steel Corp | 耐応力腐食割れ性に優れた耐磨耗鋼板およびその製造方法 |
| CN103146997A (zh) * | 2013-03-28 | 2013-06-12 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种低合金高韧性耐磨钢板及其制造方法 |
-
2015
- 2015-03-03 JP JP2015041051A patent/JP6135697B2/ja active Active
Patent Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01172514A (ja) * | 1987-12-25 | 1989-07-07 | Nippon Steel Corp | 耐熱亀裂性に優れた高硬度高靭性耐摩耗鋼の製造法 |
| JP2009030093A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | 耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐磨耗鋼板 |
| JP2009030092A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐磨耗鋼板 |
| WO2011061812A1 (ja) * | 2009-11-17 | 2011-05-26 | 住友金属工業株式会社 | 高靱性耐摩耗鋼およびその製造方法 |
| JP2011214120A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-10-27 | Jfe Steel Corp | 低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板 |
| JP2012214890A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-11-08 | Jfe Steel Corp | 耐応力腐食割れ性に優れた耐磨耗鋼板およびその製造方法 |
| CN103146997A (zh) * | 2013-03-28 | 2013-06-12 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种低合金高韧性耐磨钢板及其制造方法 |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110382723A (zh) * | 2017-02-10 | 2019-10-25 | 奥托库姆普联合股份公司 | 用于通过热成形制造部件的钢以及该部件的用途 |
| CN110382723B (zh) * | 2017-02-10 | 2022-05-10 | 奥托库姆普联合股份公司 | 用于通过热成形制造部件的钢以及该部件的用途 |
| CN107675092A (zh) * | 2017-09-29 | 2018-02-09 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种高洁净度抗冲击履带板用钢及其制备方法 |
| CN107675092B (zh) * | 2017-09-29 | 2019-12-17 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种高洁净度抗冲击履带板用钢及其制备方法 |
| CN108866443A (zh) * | 2018-07-19 | 2018-11-23 | 张家港宏昌钢板有限公司 | 正火型低屈强比高强度钢板及制备方法 |
| US12098450B2 (en) | 2018-08-24 | 2024-09-24 | Komatsu Ltd. | Tracked undercarriage component, and method for producing the same |
| CN113166833A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-07-23 | 株式会社小松制作所 | 耐冲击磨损零件及其制造方法 |
| CN110964985A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-07 | 唐山中厚板材有限公司 | 一种无钼低合金耐磨钢板及其生产方法 |
| CN112195397A (zh) * | 2020-09-11 | 2021-01-08 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种大厚度低碳当量高韧性耐磨钢板及其制造方法 |
| CN114622131A (zh) * | 2020-12-14 | 2022-06-14 | 紫荆浆体管道工程股份公司 | 一种半自磨机防断裂和疲劳衬板及其制备方法 |
| WO2025025309A1 (zh) * | 2023-07-28 | 2025-02-06 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种极寒地区用含稀土的高强度耐磨钢板及其制备方法 |
| CN118326270A (zh) * | 2024-03-28 | 2024-07-12 | 鞍钢股份有限公司 | 一种hb400级别耐磨耐蚀钢板及其生产方法 |
| CN118639144A (zh) * | 2024-08-15 | 2024-09-13 | 鞍钢股份有限公司 | 一种改善1100MPa级工程结构用钢特厚板强韧性的制造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP6135697B2 (ja) | 2017-05-31 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6135697B2 (ja) | 低温靭性および耐低温焼戻し脆化割れ特性に優れた耐摩耗鋼板およびその製造方法 | |
| JP5804229B1 (ja) | 耐摩耗鋼板およびその製造方法 | |
| JP5971435B1 (ja) | 油井用高強度継目無鋼管およびその製造方法 | |
| AU2013297928B2 (en) | Wear resistant steel plate and manufacturing process therefor | |
| JP5655356B2 (ja) | 低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板 | |
| WO2014156078A1 (ja) | 低温靭性および耐水素脆性を有する耐磨耗厚鋼板およびその製造方法 | |
| JP4848966B2 (ja) | 厚肉高張力鋼板およびその製造方法 | |
| WO2014156079A1 (ja) | 低温靭性を有する耐磨耗厚鋼板およびその製造方法 | |
| WO2012133910A1 (ja) | 耐応力腐食割れ性に優れた耐磨耗鋼板およびその製造方法 | |
| JP5659758B2 (ja) | 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、PWHT後の落重特性に優れたTMCP−Temper型高強度厚鋼板の製造方法 | |
| JP7211530B2 (ja) | 耐摩耗鋼板および耐摩耗鋼板の製造方法 | |
| WO2015088040A1 (ja) | 鋼板およびその製造方法 | |
| JP5971436B1 (ja) | 油井用高強度継目無鋼管およびその製造方法 | |
| JP2019123945A (ja) | 耐摩耗鋼板およびその製造方法 | |
| JP5272759B2 (ja) | 厚鋼板の製造方法 | |
| JPWO2019050010A1 (ja) | 鋼板およびその製造方法 | |
| CN108603258B (zh) | 低温韧性优异的高强度钢板 | |
| JP6838422B2 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
| CN106605005A (zh) | 高强度钢板 | |
| JP2013076125A (ja) | 強度および靭性に優れた機械構造用鋼材およびその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151027 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160928 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161004 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161205 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170328 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170410 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6135697 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |