JP2015178120A - 丸鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】CrおよびNiの含有率の合計が高い溶鋼から、簡便に、断面の真円度が高い丸鋳片を製造することが可能な連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】この連続鋳造方法では、25≦I/I0×100を満たすモールドフラックスを用い、横断面が円形の鋳型内の溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が200≦u≦570を満たす撹拌流を与える。ここで、Iは、骨材を除去したモールドフラックスを、1450℃から1000℃まで2K/minで冷却して試料とし、この試料を常温で破砕して得た粉末のX線回折測定で得られる、結晶相によるスペクトルピークのうち最も高いものの強度値であり、I0は、多結晶Siについて、Iと同じX線回折測定で得られる(111)面によるピークの強度値である。
【選択図】図1
【解決手段】この連続鋳造方法では、25≦I/I0×100を満たすモールドフラックスを用い、横断面が円形の鋳型内の溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が200≦u≦570を満たす撹拌流を与える。ここで、Iは、骨材を除去したモールドフラックスを、1450℃から1000℃まで2K/minで冷却して試料とし、この試料を常温で破砕して得た粉末のX線回折測定で得られる、結晶相によるスペクトルピークのうち最も高いものの強度値であり、I0は、多結晶Siについて、Iと同じX線回折測定で得られる(111)面によるピークの強度値である。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、特に、横断面が円形である丸鋳片を連続鋳造する方法に関する。
石油または天然ガスを採掘する油井管、それらを輸送するラインパイプ等の用途に用いられる継目無鋼管は、ユジーン・セジュルネ製管法、またはマンネスマン製管法等によって製造される。より詳細には、それらの製管法によって、横断面が円形の鋳片(以下、「丸鋳片」ともいう。)を中空の素管に加工し、その後、必要に応じて、その素管に、抽伸、熱処理等の処理を施して、継目無鋼管が製造される。
これらの製管法に使用可能な丸鋳片としては、内壁面の横断面が矩形の鋳型(以下、「矩形断面鋳型」という。)を用いて、横断面が矩形の連続鋳造鋳片を製造し、この矩形断面鋳片を分塊圧延して得られるもの、および内壁面の横断面が円形の鋳型(以下、「円形断面鋳型」という。)を用いて連続鋳造したままのものが挙げられる。
矩形断面鋳型を用いる場合は、得られた矩形断面鋳片を分塊圧延によって丸鋳片にする必要がある。この丸鋳片の両端には、非定常部が形成される。非定常部はクロップとして切断除去する必要があり、丸鋳片の製造コストが上昇する一因となっている。これに対して、円形断面鋳型を用いる場合は、分塊圧延を行わないので、矩形断面鋳型を用いた場合に比して、丸鋳片を安価に製造できる。そのため、この安価な丸鋳片を、連続鋳造したままの状態で用いて、不良を発生させることなく継目無鋼管を製造できれば、大幅に製造コストを低減することができる。
しかし、円形断面鋳型を用いて連続鋳造された丸鋳片は、分塊圧延で得られた丸鋳片に比べて、横断面の真円度(以下、単に、「真円度」ともいう。)が低くなることが多い。これは、以下の理由による。
矩形断面鋳型で連続鋳造した場合には、鋳片に形成される凝固殻の横断面が矩形であることから、凝固殻の横断面が円形である場合に比べてバルジングが起こりやすい。そのため、矩形断面鋳型を用いた場合は、凝固収縮に伴って凝固殻が変形して鋳型と凝固殻とが乖離しても、溶鋼の静圧によって凝固殻がバルジングして、鋳型と凝固殻とはすぐに再び密着する。バルジングしやすいことにより、鋳片には冷却が遅れる部分は生じにくい。このような理由により、矩形断面鋳型を用いると、円形断面鋳型を用いる場合と比較して、真円度が高い鋳片が得られる。
すなわち、円形断面鋳型を用いると連続鋳造された丸鋳片の真円度が低くなるのは、鋳片に形成される凝固殻の横断面が円形であるため、バルジングが起こりにくいことに起因する。凝固殻がバルジングしないと、鋳型と凝固殻とが乖離しやすく、鋳片において鋳型から乖離した部分では冷却が遅れる。冷却が遅れた部分では、凝固殻の厚さが他よりも薄くなり、凝固に伴う収縮量が小さくなるため、周方向で凝固殻の厚さが不均一となり、鋳片の断面の真円度が低下する。
特に、Crの含有率が高い溶鋼から、円形断面鋳型を用いて連続鋳造すると、得られる鋳片の真円度が、より低くなりやすい。これは、鋼はCrの含有率が高いほど高温強度が高くなるため、凝固収縮により変形した凝固殻が、よりバルジングしにくくなるためである。
さらに、Ni含有率が高い溶鋼から、円形断面鋳型を用いて連続鋳造しても、得られる鋳片の真円度が、より低くなりやすい。これは、Ni含有率が高いほど、初晶として、または凝固過程において、オーステナイト相が晶出しやすいことに起因する。オーステナイト相は、フェライト相と比較して密度が高いため、オーステナイト相が晶出すると、フェライト相が晶出した場合と比較して、凝固収縮が大きくなり、鋳型と凝固殻とが乖離しやすくなる。
一般に、CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上の溶鋼から、円形断面鋳型を用いて連続鋳造すると、真円度が高い鋳片は得られにくい。
真円度の低下は、凝固の初期段階において、凝固殻の収縮に伴って、鋳型と凝固殻とが乖離することにより発生する。そのため、これらの真円度の低下を抑制するには、凝固の初期段階における鋳型と凝固殻との乖離を抑制することが重要である。
一般に、円形断面鋳型を用いた場合は、溶鋼が一旦凝固した後はバルジングしにくく、鋳型と凝固殻とを密着させることが困難である。しかし、メニスカス付近の凝固開始箇所において溶鋼を鋳型に押し付けながら凝固させると、凝固殻の凝固収縮に伴って鋳型と凝固殻とが乖離することを抑制し、鋳型と凝固殻とを密着させることが容易となる。
鋳型と凝固殻とを密着させる方法として、特許文献1には、鋳型内の溶鋼中に設置したローラーによって凝固初期の凝固殻を鋳型に押し付ける方法が開示されている。しかし、この方法では、ローラーの支持棒が溶鋼中および溶鋼上部のモールドフラックス中を通過する際に、その支持棒の後部で発生する渦にモールドフラックスが巻き込まれて、鋳片の内部欠陥となること、および、支持棒によって溶鋼から抜熱されて溶鋼湯面に皮張りが生じ、操業が困難となること等の問題が生じるおそれがある。
ところで、従来から、電磁力によって鋳型中の溶鋼を攪拌する電磁攪拌が、連続鋳造に適用されている。電磁攪拌によって、特許文献2では、鋳片表皮下の欠陥等の形成が、特許文献3では、ホワイトバンド(ビレット表層部の負偏析帯)の形成が、特許文献4では、マクロ偏析および内部欠陥の形成が、それぞれ抑制できるとされている。しかし、電磁攪拌によって鋳型と凝固殻とを密着させることについては、これまでに検討されていない。
また、特許文献5〜8には、様々な結晶相を晶出するモールドフラックスが報告されているが、これらの文献のいずれにおいても、結晶相の有効な晶出量と凝固殻の成長との関係については、検討されていない。
上述のように、CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上の溶鋼から、円形断面鋳型を用いて連続鋳造すると、真円度が高い鋳片は得られない。これは、凝固殻の高温強度が高く、凝固収縮量が大きいため、鋳型と凝固殻との乖離が生じやすいことによる。真円度が低い丸鋳片をそのまま用いて製管することができないので、真円度を高くするために丸鋳片の外削工程が必要となり、作業コストの増加に加えて、歩留まりの低下と言った問題を引き起こす。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、CrおよびNiの含有率の合計が高い溶鋼から鋼を連続鋳造する場合に、簡便に、断面の真円度が高い丸鋳片を製造することが可能な連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(I)の連続鋳造方法を要旨とする。
(I)CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上で、凝固過程でオーステナイト相を晶出する溶鋼を、単孔下向きの浸漬ノズルを通じて、断面が円形の鋳型に注入し、前記鋳型内の前記溶鋼に前記鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を与えながら、断面が円形の丸鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、
結晶相のX線回折強度比I/I0が下記式(A)を満たすモールドフラックスを用い、前記鋳型内の前記溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が下記式(B)を満たす撹拌流を与えながら連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
25≦I/I0×100 (A)
200≦u≦570 (B)
I:骨材を除去したモールドフラックスを、1450℃から1000℃まで2K/minで冷却して試料とし、この試料を常温で破砕して得た粉末について、X線回折測定で得られる、結晶相によるスペクトルピークのうち最も高いものの強度値(count per second)
I0:多結晶Siについて、Iと同じX線回折測定で得られる(111)面によるスペクトルピークの強度値(count per second)
(I)CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上で、凝固過程でオーステナイト相を晶出する溶鋼を、単孔下向きの浸漬ノズルを通じて、断面が円形の鋳型に注入し、前記鋳型内の前記溶鋼に前記鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を与えながら、断面が円形の丸鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、
結晶相のX線回折強度比I/I0が下記式(A)を満たすモールドフラックスを用い、前記鋳型内の前記溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が下記式(B)を満たす撹拌流を与えながら連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
25≦I/I0×100 (A)
200≦u≦570 (B)
I:骨材を除去したモールドフラックスを、1450℃から1000℃まで2K/minで冷却して試料とし、この試料を常温で破砕して得た粉末について、X線回折測定で得られる、結晶相によるスペクトルピークのうち最も高いものの強度値(count per second)
I0:多結晶Siについて、Iと同じX線回折測定で得られる(111)面によるスペクトルピークの強度値(count per second)
前記モールドフラックスの凝固点が1140℃以上であり、前記X線回折強度比I/I0が、前記式(A)に代えて下記式(C)を満たし、前記周方向最大流速uが、前記式(B)に代えて下記式(D)を満たすことが好ましい。
27≦I/I0×100 (C)
300≦u≦570 (D)
27≦I/I0×100 (C)
300≦u≦570 (D)
本発明の連続鋳造方法によれば、鋼のCrおよびNiの含有率の合計が高い場合に、簡便な方法により、真円度の高い丸鋳片、たとえば、横断面において最も長い厚みと最も短い厚みとの差が10mm以下である丸鋳片を製造することが可能である。ここで、厚みとは、2本の平行線で当該横断面を挟んだときのこれら2本の平行線の間隔をいうものとする。
本発明者らは、鋳型と凝固殻とを密着させるための手段として、溶鋼を水平方向に回転流動させて生じる遠心力と、結晶化しやすいモールドフラックスとに着目し、検討を重ねた。モールドフラックスに関しては、鋳造時に結晶化しやすいものを用いることにより、緩冷却化作用が得られて、凝固殻が均一成長することが期待できる。そして、本発明者らは、CrおよびNiの含有率の合計が高い(20質量%以上)溶鋼から、円形断面鋳型を用いて、丸鋳片を連続鋳造する場合に、モールドフラックスの結晶化量と溶鋼の流速とについて、真円度が高い丸鋳片が得られる範囲が存在することを知見した。
本発明は、この知見に基づくもので、上述のように、この連続鋳造方法では、CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上で、凝固過程でオーステナイト相を晶出する溶鋼を、単孔下向きの浸漬ノズルを通じて、断面が円形の鋳型に注入し、鋳型内の溶鋼に鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を与えながら、断面が円形の丸鋳片を鋳造する。
連続鋳造を行う際は、結晶相のX線回折強度比I/I0が上記式(A)を満たすモールドフラックスを用い、鋳型内の溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が上記式(B)を満たす撹拌力を与える。
鋳型内の溶鋼に、鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を与えることによって、溶鋼は遠心力を与えられて鋳型の内壁に押し付けられる。また、I/I0が上記式(A)を満たすことにより、このモールドフラックスからは、十分な量の結晶が晶出し、溶鋼、および凝固殻からの輻射熱の低減、すなわち、緩冷却化作用が十分に得られて、凝固殻が均一成長する。これらの作用により、鋳型と凝固殻とを密着させることができ、真円度が高い鋳片が得られる。
電磁撹拌装置等により、溶鋼に、鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を付与することは、広く行われており、また、上記式(A)(または式(B))を満たすモールドフラックスは、容易に入手できる。したがって、本発明の方法により、簡便に、真円度の高い丸鋳片を得ることができる。
溶鋼に撹拌流を与えるための手段としては、たとえば、公知の電磁撹拌装置を用いることができる。溶鋼は、単孔下向きの浸漬ノズルにより鋳型に注入されるので、このノズルによっては、鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流は、実質的に生じない。このため、溶鋼に撹拌流を与えるための手段によって、撹拌流について、鋳型の周方向に沿う速度成分を、正確に制御することができる。
I0に関して、「Iと同じX線回折測定で」とは、Iを求めるためのX線回折測定に用いたものと同じX線回折測定装置を用い、Iを求めるためのX線回折測定と同じ条件での測定であることを意味する。
I/I0×100<25では、モールドフラックスからの結晶の晶出量が少なく、鋳造時に、この結晶によっては、溶鋼、および凝固殻からの輻射熱を十分には低減できず、鋳型と凝固殻との乖離が生じやすい。溶鋼、および凝固殻からの輻射熱の低減量を、より大きくするためには、27≦I/I0×100とする(上記式(C)を満たす)ことが好ましい。
モールドフラックスの融液から晶出する結晶相の種類は、特に限定されないが、たとえば、akermanite(Ca2MgSi2O7)、または、akermaniteとgehlenite(Ca2Al2SiO7)との全率固溶体であるmeliliteとすることができる。X線回折測定で最も高いスペクトルピークは、これらの結晶相によるものであってもよい。akermanite、およびmeliliteは、通常、溶鋼、および凝固殻を緩冷却するのに適した晶出温度を有している。したがって、X線回折測定で最も高いスペクトルピークがakermanite、またはmeliliteによるものであれば、溶鋼、および凝固殻を緩冷却する効果を得やすい。
また、X線回折測定で2番目に高いスペクトルピークは、たとえば、cuspidine(Ca4Si2O7F2)によるものとすることができる。cuspidineは、akermanite、およびmeliliteと同様に、溶鋼、および凝固殻を緩冷却するのに適した晶出温度を有している。一方、cuspidineは塩基度が高いため、cuspidineが多く晶出すると、akermanite、またはmeliliteの晶出を抑制させてしまう可能性がある。このため、X線回折測定で最も高いスペクトルピークは、cuspidineによるものではないことが好ましい。
u<200であると、溶鋼に十分な遠心力が生じない。そのため、鋳型内のメニスカス付近の凝固開始箇所において溶鋼を鋳型に押し付ける力が不十分となり、鋳型と凝固殻とを密着させることができず、鋳型と凝固殻との乖離が生じやすい。鋳型と凝固殻とを十分に密着させて、鋳型と凝固殻との乖離を、十分に抑制するためには、300≦uであることが好ましい。
一方、570<uであると、溶鋼に生じる遠心力が過剰となり、溶鋼湯面が、浸漬ノズル近傍では低く、鋳型内壁近傍では高くなり、両者の高さの差が著しくなる。これに伴って、溶鋼の湯面上のモールドフラックスの厚さが鋳型内壁に近いほど薄くなる。そのため、モールドフラックスが鋳型と凝固殻との間に流入し難くなり、鋳型と凝固殻との間において潤滑不良が起こりやすくなる。
モールドフラックスの凝固点は、1100℃以上、かつ1250℃以下であることが好ましい。凝固点が1100℃より低いと、モールドフラックスが、鋳型内で、より低い温度の領域に到達するまで、結晶が晶出せず、溶鋼、および凝固殻からの輻射熱を抑制するのに十分な量の結晶が得られない。輻射熱を十分に抑制するために、モールドフラックスの凝固点は、1140℃以上であることが、より好ましい。また、凝固点が1250℃より高い場合には、モールドフラックスが鋳型と凝固殻との間に流入するとすぐに結晶が晶出するので、鋳型と凝固殻との間に、モールドフラックスが十分に流入しないおそれがある。
モールドフラックスの1300℃における粘度(以下、「高温粘度」という。)は、0.2Pa・s以上、かつ0.8Pa・sであることが好ましい。高温粘度が0.2Pa・s未満であると、モールドフラックスが鋳型と凝固殻との間に過剰に流入するおそれがある。モールドフラックスのこのような過剰な流入を十分に抑制するには、高温粘度は、0.3Pa・s以上であることが、より好ましい。一方、高温粘度が0.8Pa・sよりも高いと、モールドフラックスが鋳型と凝固殻との間に十分に流入することができないおそれがある。モールドフラックスを鋳型と凝固殻との間に十分に流入させるためには、高温粘度は、0.7Pa・s以下であることが、より好ましい。
鋳造速度は、0.3m/min以上、かつ2.0m/min以下であることが好ましい。鋳造速度が0.3m/min未満であると、凝固殻が全体に厚くなり過ぎるため、溶鋼に発生する遠心力により鋳型と凝固殻とを密着させる効果が得られない。一方、鋳造速度が2.0m/minよりも大きい場合には、凝固殻が薄くなり過ぎるため、凝固殻の不均一成長が助長される。
鋳型の直径は、160mm以上、かつ380mm以下であることが好ましい。鋳型の内径が小さくなるほど、鋳型内に注入される溶鋼により供給される熱に対して、鋳型を介して放散する熱の割合が大きくなり、鋳型の直径が160mm以下であると、鋳型内の溶鋼を十分高い温度に保持することが困難になる。一方、鋳型内壁に隣接する部分において溶鋼の周方向の速度成分が同じであれば、鋳型の直径が大きくなるほど、溶鋼に働く遠心力は小さくなり、鋳型の直径が380mmより大きいと、溶鋼に働く遠心力による上述の効果が十分得られなくなる。
本発明の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下の試験を行い、その結果を評価した。
1.試験方法
鋳造には、直径が180〜360mmの円形断面鋳型を用い、この鋳型に溶鋼を供給するために、単孔下向きの浸漬ノズルを用いた。
1.試験方法
鋳造には、直径が180〜360mmの円形断面鋳型を用い、この鋳型に溶鋼を供給するために、単孔下向きの浸漬ノズルを用いた。
表1に、溶鋼に対応する鋼のC、Si、Mn、Cr、およびNiの含有率を示す。いずれの鋼種でも、CrおよびNiの含有率の合計は、20質量%以上である。
表2に、用いたモールドフラックスの化学組成、X線回折強度比I/I0、凝固点、および、X線回折測定で最大ピークを示す結晶相を示す。表2に示すように、上記式(A)を、モールドフラックスA〜Dは満たすが、モールドフラックスEは満たさない。
表2のモールドフラックスA〜Eのいずれかを用い、電磁攪拌装置により、鋳型内の溶鋼に撹拌力を付与して、鋳型の周方向に沿う速度成分を有する流れを生じさせながら、丸鋳片を連続鋳造した。表3に、試験条件、および評価結果を示す。試験条件として、溶鋼の周方向の最大流速は、実測が困難であるため、電磁力を考慮した鋳型内流動の数値解析シミュレーションにより算出した。
2.試験結果
得られた丸鋳片の評価は、真円度を測定することよって行った。図1に、実施例の試験結果として、X線回折強度比I/I0、および周方向の最大流速uと、真円度との関係を示す。表3、および図1において、記号の意味は以下のとおりである。
○:外削をしなくても、製管工程へ送ることができる高い真円度を有する。
△:径方向に関して10mm以内の外削を必要とする程度の真円度を有する。
×:径方向に関して10mmより多くの外削を必要とする程度の真円度を有する。
◇:真円度が低く、凝固不均一が大きく、連続鋳造の操業自体が困難である。
得られた丸鋳片の評価は、真円度を測定することよって行った。図1に、実施例の試験結果として、X線回折強度比I/I0、および周方向の最大流速uと、真円度との関係を示す。表3、および図1において、記号の意味は以下のとおりである。
○:外削をしなくても、製管工程へ送ることができる高い真円度を有する。
△:径方向に関して10mm以内の外削を必要とする程度の真円度を有する。
×:径方向に関して10mmより多くの外削を必要とする程度の真円度を有する。
◇:真円度が低く、凝固不均一が大きく、連続鋳造の操業自体が困難である。
評価結果を○または△としたものは、丸鋳片の横断面において最も長い直径と最も短い直径との差が10mm以下である。製造条件にもよるが、径方向に関して10mm以内の外削を実施することには、コストメリットがある一方、径方向に関して10mmより多くの外削を実施することには、コストメリットはない。
図1から、結晶相のX線回折強度比I/I0、および周方向の最大流速uが、本発明の要件(上記式(A)および(B))を満たす場合には、評価結果が○または△であり、高い真円度の鋳片が得られることがわかる。X線回折強度比I/I0、および周方向の最大流速uの少なくとも一方が本発明の要件を満たさない場合には、評価結果が×または◇であり、高い真円度の鋳片は得られていない。
27≦I/I0、かつ300≦u≦570の範囲では、大部分の鋳片の評価結果は○となっており、より真円度が高い丸鋳片が得られている。
鋼種I〜IIIのいずれの溶鋼から生じた凝固殻も、高温強度が高く、凝固収縮量が大きいと考えられる。本発明の方法によって、このような凝固殻と鋳型との乖離を抑制することができることがわかる。
本発明は、CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上の溶鋼から、真円度が高い丸鋳片を製造する場合に適用することができる。
Claims (2)
- CrおよびNiの含有率の合計が20質量%以上で、凝固過程でオーステナイト相を晶出する溶鋼を、単孔下向きの浸漬ノズルを通じて、断面が円形の鋳型に注入し、前記鋳型内の前記溶鋼に前記鋳型の周方向に沿う速度成分を有する撹拌流を与えながら、断面が円形の丸鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、
結晶相のX線回折強度比I/I0が下記式(A)を満たすモールドフラックスを用い、前記鋳型内の前記溶鋼に、湯面における周方向最大流速u(mm/s)が下記式(B)を満たす撹拌流を与えながら連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
25≦I/I0×100 (A)
200≦u≦570 (B)
I:骨材を除去したモールドフラックスを、1450℃から1000℃まで2K/minで冷却して試料とし、この試料を常温で破砕して得た粉末について、X線回折測定で得られる、結晶相によるスペクトルピークのうち最も高いものの強度値(count per second)
I0:多結晶Siについて、Iと同じX線回折測定で得られる(111)面によるスペクトルピークの強度値(count per second) - 請求項1に記載の連続鋳造方法であって、
前記モールドフラックスの凝固点が、1140℃以上であり、
前記X線回折強度比I/I0が、前記式(A)に代えて下記式(C)を満たし、
前記周方向最大流速uが、前記式(B)に代えて下記式(D)を満たす、鋼の連続鋳造方法。
27≦I/I0×100 (C)
300≦u≦570 (D)
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