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JP2015175369A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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JP2015175369A
JP2015175369A JP2014055251A JP2014055251A JP2015175369A JP 2015175369 A JP2015175369 A JP 2015175369A JP 2014055251 A JP2014055251 A JP 2014055251A JP 2014055251 A JP2014055251 A JP 2014055251A JP 2015175369 A JP2015175369 A JP 2015175369A
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寿彦 渥美
Toshihiko Atsumi
寿彦 渥美
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

【課題】エンジンの燃費と出力の向上を図ると共に、エンジンから排出される排気ガスの量を削減する。
【解決手段】本発明は、エンジン14と、エンジン14を制御する制御部81と、を備えたエンジンの制御装置90であって、エンジン14は、燃焼室を開閉するバルブと、バルブを作動させる動弁装置44と、を備え、動弁装置44は、所定の回転軸を中心に回転することでバルブを作動させると共に回転軸方向にカムプロフィールが変化するカム53と、カム53を回転軸方向に移動させる駆動源45と、カム53の回転軸方向の位置を検出するカム位置センサー54と、を備え、制御部81は、エンジン14の始動時にカム53を回転軸方向一方側に最大限移動させた状態でカム位置センサー54の検出値を確認し、この確認した検出値に基づいて算出される制御電圧によって駆動源45を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、自動二輪車等に設けられるエンジンの制御装置に関する。
従来、自動二輪車等に設けられるエンジンは、燃焼室を開閉するバルブと、このバルブを作動させる動弁装置と、を備えている。この動弁装置は、所定の回転軸を中心に回転することでバルブを作動させるカムを備えている。
ところで、上記の動弁装置の中には、回転軸方向にカムプロフィールが変化するカム(所謂「3次元カム」)を用いるものが存在する(例えば、特許文献1参照)。このようなカムを用いる場合には、回転軸方向にカムを移動させることで、カムのうちで運転条件に最適なバルブリフト特性を備えた領域によってバルブを作動させる。そのためには、カムの回転軸方向の位置をカム位置センサーによって精度よく検出することが重要である。
特開2013−238196号公報
しかしながら、動弁装置の構成部品の形状、大きさ、組付け精度等の個体差や動弁装置の構成部品の経時変化等に起因して、カム位置センサーの検出値とカムの実際の位置との間に大きなずれが生じる場合がある。このような場合には、カム位置センサーの検出値に基づいて算出される制御電圧と実際に必要とされる制御電圧の間にも大きなずれが生じてしまう。その結果、カムのうちで運転条件に最適なバルブリフト特性を備えた領域によってバルブを作動させることができなくなる。これに伴って、エンジンの燃費や出力が低下したり、エンジンから排出される排気ガスの量が増大したりする恐れがある。
そこで、本発明は上記の事情を考慮し、エンジンの燃費と出力の向上を図ると共に、エンジンから排出される排気ガスの量を削減することを目的とする。
本発明は、エンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、を備えたエンジンの制御装置であって、前記エンジンは、燃焼室を開閉するバルブと、前記バルブを作動させる動弁装置と、を備え、前記動弁装置は、所定の回転軸を中心に回転することで前記バルブを作動させると共に前記回転軸方向にカムプロフィールが変化するカムと、前記カムを前記回転軸方向に移動させる駆動源と、前記カムの前記回転軸方向の位置を検出するカム位置センサーと、を備え、前記制御部は、前記エンジンの始動時に前記カムを前記回転軸方向一方側に最大限移動させた状態で前記カム位置センサーの検出値を確認し、この確認した検出値に基づいて算出される制御電圧を用いて前記駆動源を制御することを特徴とする。
このような構成を採用することで、動弁装置の構成部品の形状、大きさ、組付け精度等の個体差や動弁装置の構成部品の経時変化等に起因するカム位置センサーの検出値とカムの実際の位置との間のずれを抑制することができる。これに伴って、カム位置センサーの検出値に基づいて算出される制御電圧と実際に必要とされる制御電圧の間のずれも抑制することができる。そのため、カムのうちで運転条件に最適なバルブリフト特性を備えた領域によってバルブを作動させることが可能となり、エンジンの燃費と出力を向上させることができると共に、エンジンから排出される排気ガスの量を削減することが可能となる。
前記駆動源は、前記エンジンの始動時に前記エンジンの回転数が所定の閾値に到達してから前記カムを前記回転軸方向一方側に最大限移動させても良い。
このような構成を採用することで、エンジンオイルが動弁装置の各部に十分に行き渡った状態でカムを回転軸方向一方側に最大限移動させることができる。これに伴って、カムを回転軸方向一方側にスムーズに移動させることが可能となる。
前記カムは、所定のバルブリフト量を有する低カム部と、前記低カム部よりもバルブリフト量が多い中カム部と、前記中カム部よりもバルブリフト量が多い高カム部と、を備えた多段階式3次元カムであり、前記低カム部によって前記バルブを作動させる低リフト位置と、前記中カム部によって前記バルブを作動させる中リフト位置と、前記高カム部によって前記バルブを作動させる高リフト位置と、前記回転軸方向一方側に最大限移動する確認用位置と、の間で移動可能に設けられ、前記低リフト位置から前記確認用位置までの距離は、前記中リフト位置から前記確認用位置までの距離及び前記高リフト位置から前記確認用位置までの距離よりも短くても良い。
エンジンの始動時には、カムが低リフト位置に保持されているのが通常である。そのため、上記のように低リフト位置から確認用位置までの距離を中リフト位置や高リフト位置から確認用位置までの距離よりも短くすることで、エンジンの始動時にカムを迅速に確認用位置に移動させることが可能となる。これに伴って、カム位置センサーの検出値の確認を短時間で完了することができる。
本発明によれば、エンジンの燃費と出力の向上を図ると共に、エンジンから排出される排気ガスの量を削減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す右側面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車のエンジンを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車のエンジンにおいて、(a)は、カムハウジング、ボールスクリューハウジング及びナットフォークのフォーク本体を示す断面図であり、(b)は、同底面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、吸気側動弁装置及びその周辺部を示す背面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、吸気側動弁装置及びその周辺部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、(a)は、ナットフォークを示す平面図であり、(b)は、同側面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、吸気カム及びその周辺部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、バルブリフト量とクランク角の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、(a)は、吸気カムが低リフト位置にある状態を示す斜視図であり、(b)は、吸気カムが中リフト位置にある状態を示す斜視図であり、(c)は、吸気カムが高リフト位置にある状態を示す斜視図であり、(d)は、吸気カムが確認用位置にある状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車のエンジンにおいて、カム位置の学習制御を示すフローチャートである。
以下、図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。以下の実施形態では、本発明を自動二輪車1に適用した場合について説明する。以下、上下、左右、前後等の方向を示す語は、自動二輪車1の乗員から見た方向を基準として用いる。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、Rは、それぞれ自動二輪車1の前方、後方、左方、右方を示している。
まず、図1を用いて、自動二輪車1の概要について説明する。
自動二輪車1には、骨組を構成する車体フレーム2が設けられ、車体フレーム2の前方から下方にかけて設けられたカウリング3により、車両前部が覆われている。車体フレーム2は、例えばツインチューブ型であり、車体フレーム2の前部上端に配置されたヘッドパイプ4と、ヘッドパイプ4から後下方に向かって延びる左右一対のメインフレーム5と、メインフレーム5の後部から後上方に向かって延びる左右一対のシートレール6と、を主体として構成されている。
ヘッドパイプ4には、左右一対のフロントフォーク7が支持されている。フロントフォーク7の下端には前輪8が軸支され、フロントフォーク7の上端にはハンドルバー10が固定され、ハンドルバー10の左右両端部にはハンドルグリップ11が設けられている。
左右一対のメインフレーム5の間には燃料タンク12が設けられ、燃料タンク12の後方には運転者シート13が設けられている。燃料タンク12の下方にはエンジン14が搭載されている。左右一対のメインフレーム5の後下部にはピボット軸15が架設され、ピボット軸15にはスイングアーム16の前端部が上下方向揺動可能に支持されている。スイングアーム16の後端部には後輪17が軸支されている。
次に、図2〜図7を用いて、エンジン14について更に詳細に説明する。エンジン14は、例えば、並列4気筒型エンジンである。
図2に示されるように、エンジン14は、クランクケース20と、クランクケース20から上方に延びるシリンダー21と、シリンダー21から上方に延びるシリンダーヘッド22と、シリンダーヘッド22の上側を覆うヘッドカバー23と、を備えている。なお、図2において、クランクケース20及びシリンダー21は、その概略のみが一点鎖線で表示されている。
クランクケース20内には、クランク軸24が軸支されている。クランク軸24は、シリンダー21内に往復動可能に収納されたピストン25とコンロッド26を介して接続されており、ピストン25の往復動がコンロッド26を介してクランク軸24の回転に変換されるように構成されている。
シリンダー21とシリンダーヘッド22の間には、燃焼室27が形成されている。燃焼室27の後部には、吸気口28が形成されている。吸気口28は、シリンダーヘッド22の後面に開口された吸気ポート30と連通している。吸気ポート30には、エアクリーナー(図示せず)や燃料噴射装置(図示せず)が接続されており、エアクリーナーから導入された空気と燃料噴射装置から噴射された燃料が混合された後、吸気口28を介して燃焼室27に導入されるように構成されている。
燃焼室27の前部には、排気口31が形成されている。排気口31は、シリンダーヘッド22の前面に開口された排気ポート32と連通している。排気ポート32には、排気管(図示せず)が接続されており、燃焼室27からの排気が、排気口31、排気ポート32及び排気管を介して排出されるように構成されている。
シリンダーヘッド22の後部には、吸気バルブ33が気筒ごとに2個ずつ設けられている。吸気バルブ33は、所定の軸方向(本実施形態では、上方に向かって後方に傾斜する方向)に延びている。吸気バルブ33は、その軸方向に移動することで燃焼室27の吸気口28を開閉するように構成されている。吸気バルブ33は、吸気側バルブスプリング34によって燃焼室27の吸気口28を閉止する方向(本実施形態では上方)に付勢されている。
シリンダーヘッド22の前部には、排気バルブ35が気筒ごとに2個ずつ設けられている。排気バルブ35は、所定の軸方向(本実施形態では、上方に向かって前方に傾斜する方向)に延びている。排気バルブ35は、その軸方向に移動することで燃焼室27の排気口31を開閉するように構成されている。排気バルブ35は、排気側バルブスプリング36によって燃焼室27の排気口31を閉止する方向(本実施形態では上方)に付勢されている。
シリンダーヘッド22の上部には、カムハウジング37が設けられ、カムハウジング37の後上方には、ボールスクリューハウジング38が設けられている。図3(a)、図3(b)に示されるように、カムハウジング37には、基部用第1ストッパー40と基部用第2ストッパー41が左右方向に間隔をおいて設けられている。ボールスクリューハウジング38には、前後一対のアーム部用第1ストッパー42と前後一対のアーム部用第2ストッパー43が左右方向に間隔をおいて設けられている。
図2に示されるように、シリンダーヘッド22の後上部には、吸気バルブ33の上方に吸気側動弁装置44が設けられている。図4、図5に示されるように、吸気側動弁装置44は、シリンダーヘッド22の右後隅に設けられる駆動モーター45(駆動源)と、駆動モーター45の左方に設けられるボールスクリュー46と、ボールスクリュー46に支持されるスライドナット47と、スライドナット47に固定されるナットフォーク48と、ボールスクリュー46の前方に配置されるカムフォークシャフト50と、カムフォークシャフト50に固定されるカムフォーク51と、カムフォークシャフト50の下方に配置されるカムシャフト52と、カムシャフト52に支持される吸気カム53と、シリンダーヘッド22の左後隅に設けられるカム位置センサー54と、を備えている。
駆動モーター45には、左方に向かって突出する出力軸55が設けられている。出力軸55の外周には出力ギヤ56が設けられており、駆動モーター45の駆動に伴って出力軸55と出力ギヤ56が一体に回転するように構成されている。
ボールスクリュー46は、左右方向に延びている。ボールスクリュー46の右端部には接続ギヤ57が設けられている。接続ギヤ57は、駆動モーター45の出力ギヤ56と噛合している。これにより、駆動モーター45の駆動に伴ってボールスクリュー46が回転するようになっている。ボールスクリュー46は、ボールスクリューハウジング38(図2等参照)に収容されている。
図4、図5に示されるように、スライドナット47は、ボールスクリュー46の外周に噛合している。スライドナット47は、回転が規制された状態で設けられており、ボールスクリュー46の回転に伴って左右方向に移動するように構成されている。
図6(a)、図6(b)に示されるように、ナットフォーク48は、フォーク本体60と、フォーク本体60から前方に向かって張り出すベースプレート61と、を備えている。フォーク本体60は、スライドナット47の外周面に固定されている。これにより、スライドナット47が左右方向に移動すると、ナットフォーク48がスライドナット47と一体的に左右方向に移動するようになっている。フォーク本体60は、基部62と、基部62から二又に分岐するアーム部63と、を備えており、略C字状を成している。ベースプレート61は、平板状を成しており、左右方向に延びている。
図4、図5に示されるように、カムフォークシャフト50は、左右方向に延びている。カムフォークシャフト50は、カムハウジング37に設けられた複数個(本実施形態では5個)の軸受部64によって左右方向に移動可能に支持されている。
カムフォーク51は、カムフォークシャフト50の外周に固定されており、カムフォークシャフト50と一体的に左右方向に移動するようになっている。カムフォーク51は、左右方向に間隔をおいて4個設けられている。4個のカムフォーク51のうちの左右方向中央の2個は、ナットフォーク48のベースプレート61の左右両端部に固定されている。これにより、ナットフォーク48が左右方向に移動すると、カムフォークシャフト50及びカムフォーク51がナットフォーク48と一体的に左右方向に移動するようになっている。
カムシャフト52は、左右方向に延びている。カムシャフト52の右端部には、カムスプロケット65が設けられている。カムスプロケット65は、クランク軸24(図4、図5では図示せず)とカムチェーン(図示せず)を介して接続されている。
吸気カム53は、カムシャフト52に周設されており、左右方向に延びる回転軸Yを中心にカムシャフト52と一体的に回転するように設けられている。つまり、本実施形態では、左右方向が吸気カム53の回転軸方向である。吸気カム53は、カムシャフト52に対して左右方向に移動可能に設けられている。吸気カム53は、左右方向に間隔をおいて4個設けられている。
図7に示されるように、吸気カム53の右端部は、ベアリング66を介してカムフォーク51に取り付けられている。これにより、吸気カム53がカムフォーク51と一体的に左右方向に移動可能となっている。
吸気カム53は、所謂「3次元カム」であり、左右方向(回転軸方向)にカムプロフィールが変化している。吸気カム53には、外径側に向かって隆起するカムロブ67が設けられている。カムロブ67の右端部(左右方向一端部)には低カム部68が設けられ、カムロブ67の左右方向中央部には中カム部69が設けられ、カムロブ67の左端部(左右方向他端部)には、高カム部70が設けられている。低カム部68、中カム部69及び高カム部70は、左右方向に対して平行に設けられている。カム部68〜70のカムプロフィールは、低カム部68、中カム部69、高カム部70の順に大きくなっている。
吸気カム53のカムロブ67には、低カム部68と中カム部69の間に第1移行部71が設けられ、中カム部69と高カム部70の間に第2移行部72が設けられている。第1移行部71及び第2移行部72は、右方から左方に向かって徐々に拡径しており、左右方向に対して傾斜している。
以上のように、本実施形態の吸気カム53は、左右方向(回転軸方向)の一端部から他端部まで連続的にカムプロフィールが変化する無段階式3次元カムでは無く、カムプロフィールが変化しない部分(低カム部68、中カム部69、高カム部70)の間にカムプロフィールが変化する部分(第1移行部71、第2移行部72)が配置される3段階式3次元カム(多段階式3次元カム)である。
吸気カム53の下方には、タペット73が設けられている。タペット73は、タペットガイド74に支持されている。タペット73は、左右方向に延びるタペットアーム75と、タペットアーム75の左右方向中央部に回転可能に支持されるタペットローラー76と、を備えている。タペットアーム75の左右両端部は、吸気バルブ33の上端部の上方に位置している。タペットアーム75の左右両端部と吸気バルブ33の上端部の間には、シム58が介装されている。タペットローラー76は、吸気カム53に当接している。
カム位置センサー54(図4、図5参照)は、ロータリーエンコーダー等によって構成されている。カム位置センサー54は、吸気カム53の左右方向(回転軸方向)の位置を検出するように構成されている。なお、カム位置センサー54は、吸気カム53の左右方向の位置を直接検出しても良いし、吸気カム53と一体的に左右方向に移動する部材(例えば、スライドナット47、ナットフォーク48、カムフォークシャフト50又はカムフォーク51)の位置を検出することで、吸気カム53の左右方向の位置を間接的に検出しても良い。
図2に示されるように、シリンダーヘッド22の前上部には、排気バルブ35の上方に排気側動弁装置77が設けられている。排気側動弁装置77は、排気カムシャフト78と一体に回転する排気カム79を備えている。排気カム79は、3次元カムによって構成される吸気カム53とは異なり、平板状のカムによって構成されている。排気側動弁装置77の詳細については、説明を省略する。
次に、自動二輪車1の構成について、主に図8を用いて更に説明する。
エンジン14は、制御部81に接続されている。制御部81は、例えば、ECU(Engine Control Unit)等によって構成されており、エンジン14を制御している。制御部81は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read-Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶部と、を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する機能を有している。
制御部81は、エンジン14の吸気側動弁装置44に設けられた駆動モーター45と接続されており、制御部81からの信号に基づいて駆動モーター45が駆動するようになっている。
制御部81は、エンジン14の吸気側動弁装置44に設けられたカム位置センサー54に接続されており、カム位置センサー54の検出値が、制御部81に出力されるようになっている。
前述のように、エンジン14にはクランク軸24が設けられている。クランク軸24は、クラッチ82及び変速機83を介して後輪17に接続されており、クランク軸24の回転が後輪17に伝達されることで、後輪17が回転するように構成されている。
制御部81は、アクセルグリップ85に接続されており、アクセルグリップ85の操作量が制御部81に出力されるようになっている。
制御部81は、イグニッションスイッチ86に接続されている。そして、イグニッションスイッチ86がOFFからONに切り替わると、制御部81がエンジン14を始動させ、イグニッションスイッチ86がONからOFFに切り替わると、制御部81がエンジン14を停止させるように構成されている。
上記のように構成された自動二輪車1の走行時には、エンジン14のクランク軸24が回転する。このようにクランク軸24が回転すると、この回転がカムチェーン(図示せず)を介してカムシャフト52に伝達され、カムシャフト52が回転する。このようにカムシャフト52が回転すると、回転軸Yを中心に吸気カム53が回転し、吸気カム53に設けられたカム部68〜70のいずれかがタペット73のタペットローラー76を下方に押圧する。これに伴って、タペット73のタペットアーム75がシム58を介して吸気バルブ33を下方に押圧し、吸気バルブ33が燃焼室27の吸気口28を開放する。以上のようにして、吸気カム53のカム部68〜70のいずれかが吸気バルブ33を作動させる。
図9に示されるように、低カム部68は、所定のバルブリフト量を有し、中カム部69は、低カム部68よりもバルブリフト量が多く、高カム部70は、中カム部69よりもバルブリフト量が更に多い。つまり、吸気カム53のカム部68〜70が吸気バルブ33を作動させるときのバルブリフト量は、低カム部68、中カム部69、高カム部70の順に多くなる。
また、吸気バルブ33が開くタイミング(クランク角)は、低カム部68、中カム部69、高カム部70の順に早くなる。つまり、カム部68〜70のうちで吸気バルブ33が開くタイミングが最も遅いのは低カム部68であり、吸気バルブ33が開くタイミングが最も早いのは高カム部70である。
また、吸気バルブ33が閉じるタイミング(クランク角)は、低カム部68、中カム部69、高カム部70の順に遅くなる。つまり、カム部68〜70のうちで吸気バルブ33が閉じるタイミングが最も早いのは低カム部68であり、吸気バルブ33が閉じるタイミングが最も遅いのは高カム部70である。
以上のように本実施形態では、バルブリフト特性(バルブリフト量及びバルブリフトタイミング)が異なるカム部68〜70によって吸気バルブ33を作動させている。つまり、本実施形態の吸気側動弁装置44は、所謂「可変動弁装置」である。なお、排気バルブ35を作動させる排気カム79については、バルブリフト特性(バルブリフト量及びバルブリフトタイミング)は一定である。
また、上記のように構成された自動二輪車1の走行時には、エンジン14の回転数又はアクセルグリップ85の操作量に応じて制御部81が駆動モーター45を駆動させる。このように駆動モーター45が駆動すると、ボールスクリュー46が回転し、ボールスクリュー46の外周に噛合するスライドナット47が左右方向に移動する。このようにスライドナット47が左右方向に移動すると、ナットフォーク48、カムフォークシャフト50、カムフォーク51及び吸気カム53が左右方向に移動する。以上のようにして、駆動モーター45が吸気カム53を左右方向に移動させる。
図10(a)は、吸気カム53の低カム部68がタペット73のタペットローラー76を押圧する位置、即ち、吸気カム53の低カム部68によって吸気バルブ33を作動させる位置に吸気カム53が保持されている状態を示している。以下、この時の吸気カム53の位置を、「低リフト位置」と称する。
図10(b)に示されるように、駆動モーター45によって吸気カム53を低リフト位置から右側に移動させると、吸気カム53の中カム部69がタペット73のタペットローラー76を押圧する位置、即ち、吸気カム53の中カム部69によって吸気バルブ33を作動させる位置に吸気カム53が保持される。以下、この時の吸気カム53の位置を、「中リフト位置」と称する。
図10(c)に示されるように、駆動モーター45によって吸気カム53を中リフト位置から更に右側に移動させると、吸気カム53の高カム部70がタペット73のタペットローラー76を押圧する位置、即ち、高カム部70によって吸気バルブ33を作動させる位置に吸気カム53が保持される。以下、この時の吸気カム53の位置を、「高リフト位置」と称する。
図10(d)は、駆動モーター45によって吸気カム53を左側(左右方向一方側)に最大限移動させた状態を示している。以下、この時の吸気カム53の位置を、「確認用位置」と称する。
以上のように、本実施形態では、低リフト位置、中リフト位置、高リフト位置及び確認用位置の間で吸気カム53が移動可能となっている。図10の最下部に示されるように、低リフト位置から確認用位置までの距離d1は、中リフト位置から確認用位置までの距離d2及び高リフト位置から確認用位置までの距離d3よりも短い。
次に、上記のように構成された自動二輪車1におけるカム位置の学習制御について、主に図11を用いて説明する。
自動二輪車1の運転が開始される時には、運転者が自動二輪車1のイグニッションスイッチ86をOFFからONに切り替える(ステップS101)。
このようにイグニッションスイッチ86がONになると、制御部81がエンジン14を始動させる(ステップS102)。なお、エンジン14の始動時には、通常、吸気カム53が低リフト位置に保持されている。
エンジン14の始動から一定時間が経過すると、エンジン14の回転数Nが所定の閾値Nthに到達する(ステップS103)。
このようにエンジン14の回転数Nが所定の閾値Nthに到達すると、制御部81は、カム位置の学習制御を開始する。具体的には、制御部81は、駆動モーター45によって吸気カム53を左側(左右方向一方側)に最大限移動させる(ステップS104)。換言すると、制御部81は、駆動モーター45によって吸気カム53を低リフト位置から確認用位置に移動させる。これに伴って、図3に実線で示されるように、ナットフォーク48のフォーク本体60の基部62がカムハウジング37の基部用第1ストッパー40に当接すると共に、ナットフォーク48のフォーク本体60のアーム部63がボールスクリューハウジング38のアーム部用第1ストッパー42に当接する。
次に、制御部81は、上記のように吸気カム53を左側(左右方向一方側)に最大限移動させた状態で、カム位置センサー54の検出値Aを確認する(ステップS105)。
次に、制御部81は、ステップS105で確認したカム位置センサー54の検出値Aに基づいて、低リフト位置における制御電圧Vを算出する。制御電圧Vの具体的な算出手順としては、例えば、制御部81は、予め設定された目標値とステップS105で確認したカム位置センサー54の検出値Aとの偏差を算出し、この偏差の積分値から制御電圧Vを算出する。もちろん、制御部81は、他の算出方法によって制御電圧Vを算出しても良い。制御部81は、制御電圧Vを算出するのと同様の手順によって、中リフト位置における制御電圧V及び高リフト位置における制御電圧Vを算出する(ステップS106)。
これにより、カム位置の学習制御が完了する。このカム位置の学習制御は、イグニッションスイッチ86がONになってエンジン14が始動する度に行われる。
カム位置の学習制御が完了すると、制御部81は、運転条件に応じて、制御電圧V〜Vのいずれかを駆動モーター45に入力する。これに伴って、駆動モーター45が吸気カム53を低リフト位置、中リフト位置又は高リフト位置のいずれかに移動させる(S107)。それ以後は、運転条件に応じて吸気カム53を低リフト位置、中リフト位置、高リフト位置の間で移動させながら、通常運転が行われる(S108)。
本実施形態では上記のように、エンジン14の始動時に吸気カム53を左側(回転軸方向一方側)に最大限移動させた状態でカム位置センサー54の検出値Aを制御部81が確認し、この確認した検出値Aに基づいて算出される制御電圧V〜Vを用いて制御部81が駆動モーター45を制御している。そのため、吸気側動弁装置44の構成部品の形状、大きさ、組付け精度等の個体差や吸気側動弁装置44の構成部品の経時変化等に起因するカム位置センサー54の検出値Aと吸気カム53の実際の位置との間のずれを抑制することができる。これに伴って、カム位置センサー54の検出値Aに基づいて算出される制御電圧V〜Vと実際に必要とされる制御電圧の間のずれも抑制することができる。そのため、吸気カム53のうちで運転条件に最適なバルブリフト特性を備えた領域(低カム部68、中カム部69又は高カム部70)によって吸気バルブ33を作動させることが可能となり、エンジン14の燃費と出力を向上させることができると共に、エンジン14から排出される排気ガスの量を削減することが可能となる。
また、本実施形態では、駆動モーター45によって吸気カム53を左側に最大限移動させると、ナットフォーク48のフォーク本体60の基部62がカムハウジング37の基部用第1ストッパー40に当接すると共に、ナットフォーク48のフォーク本体60のアーム部63がボールスクリューハウジング38のアーム部用第1ストッパー42に当接するようになっている。このような構成を採用することで、吸気カム53の左右方向の位置をより精度良く検出することが可能となる。
特に、本実施形態では前述のように、3段階式3次元カム(多段階式3次元カム)によって吸気カム53を構成している。そのため、無段階式3次元カムによって吸気カム53を構成する場合と比較して、吸気カム53の位置を精度良く検出する要請が大きい。従って、カム位置の学習制御を用いて吸気カム53の位置を精度良く検出する意義が大きい。
また、駆動モーター45は、エンジン14の始動時にエンジン14の回転数Nが所定の閾値Nthに到達してから吸気カム53を左側(回転軸方向一方側)に最大限移動させている。このような構成を採用することで、エンジンオイルが吸気側動弁装置44の各部に十分に行き渡った状態で吸気カム53を左側に最大限移動させることができる。これに伴って、吸気カム53を左側にスムーズに移動させることが可能となる。
また、本実施形態では、低リフト位置から確認用位置までの距離d1が、中リフト位置から確認用位置までの距離d2及び高リフト位置から確認用位置までの距離d3よりも短い。つまり、確認用位置は低リフト位置付近に設定され、中リフト位置から低リフト位置への移動方向で低リフト位置を越えた位置であって、中リフト位置から低リフト位置への移動方向で最大に移動した位置に、確認用位置は設定されている。そのため、エンジン14の始動時に、低リフト位置から確認用位置まで吸気カム53を迅速に移動させることが可能となる。これに伴って、カム位置の学習制御を短時間で完了することができる。
本実施形態では、3段階式3次元カムによって吸気カム53を構成する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、2段階式又は4段階式以上の多段階式3次元カムによって吸気カム53を構成しても良い。また、更に他の異なる実施形態では、左右方向(回転軸方向)の一端部から他端部まで連続的にカムプロフィールが変化する無段階式3次元カムによって吸気カム53を構成しても良い。
本実施形態では、吸気カム53のみを3次元カムによって構成する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、吸気カム53と排気カム79の両方を3次元カムによって構成しても良いし、排気カム79のみを3次元カムによって構成しても良い。
本実施形態では、カム位置の学習制御の際に、吸気カム53を左側(低リフト位置に近接する側)に最大限移動させる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、吸気カム53を右側(高リフト位置に近接する側)に最大限移動させても良い。この場合には、図3に二点鎖線で示されるように、ナットフォーク48のフォーク本体60の基部62がカムハウジング37の基部用第2ストッパー41に当接すると共に、ナットフォーク48のフォーク本体60のアーム部63がボールスクリューハウジング38のアーム部用第2ストッパー43に当接することになる。
本実施形態では、吸気カム53を左側(回転軸方向一方側)に最大限移動させた時に、ナットフォーク48の一部がストッパーに当接する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、スライドナット47、カムフォークシャフト50、カムフォーク51又は吸気カム53の一部がストッパーに当接しても良い。つまり、吸気カム53又は吸気カム53と一体的に左右方向に移動する部材のいずれをストッパーに当接させても構わない。
本実施形態では、低リフト位置と確認用位置がずれている場合(低リフト位置から確認用位置までの距離d1が0でない場合)について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、低リフト位置と確認用位置が一致していても良い(低リフト位置から確認用位置までの距離d1が0であっても良い。)
本実施形態では、並列4気筒型エンジンに本発明の構成を適用したが、他の異なる実施形態では、単気筒型エンジンやV型エンジン等の並列4気筒型エンジン以外のエンジンに本発明の構成を適用することも可能である。
本実施形態では、本発明の構成を自動二輪車1のエンジン14に適用したが、他の異なる実施形態では、自動車その他の車両のエンジン等に本発明の構成を適用することも可能である。
14 エンジン
27 燃焼室
33 吸気バルブ(バルブ)
44 吸気側動弁装置(動弁装置)
45 駆動モーター(駆動源)
53 吸気カム(カム)
54 カム位置センサー
68 低カム部
69 中カム部
70 高カム部
81 制御部
Y (吸気カムの)回転軸

Claims (3)

  1. エンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、を備えたエンジンの制御装置であって、
    前記エンジンは、
    燃焼室を開閉するバルブと、
    前記バルブを作動させる動弁装置と、を備え、
    前記動弁装置は、
    所定の回転軸を中心に回転することで前記バルブを作動させると共に前記回転軸方向にカムプロフィールが変化するカムと、
    前記カムを前記回転軸方向に移動させる駆動源と、
    前記カムの前記回転軸方向の位置を検出するカム位置センサーと、を備え、
    前記制御部は、前記エンジンの始動時に前記カムを前記回転軸方向一方側に最大限移動させた状態で前記カム位置センサーの検出値を確認し、この確認した検出値に基づいて算出される制御電圧を用いて前記駆動源を制御することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記駆動源は、前記エンジンの始動時に前記エンジンの回転数が所定の閾値に到達してから前記カムを前記回転軸方向一方側に最大限移動させることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記カムは、
    所定のバルブリフト量を有する低カム部と、
    前記低カム部よりもバルブリフト量が多い中カム部と、
    前記中カム部よりもバルブリフト量が多い高カム部と、を備えた多段階式3次元カムであり、
    前記低カム部によって前記バルブを作動させる低リフト位置と、
    前記中カム部によって前記バルブを作動させる中リフト位置と、
    前記高カム部によって前記バルブを作動させる高リフト位置と、
    前記回転軸方向一方側に最大限移動する確認用位置と、の間で移動可能に設けられ、
    前記低リフト位置から前記確認用位置までの距離は、前記中リフト位置から前記確認用位置までの距離及び前記高リフト位置から前記確認用位置までの距離よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
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