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JP2015142119A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

希土類磁石の製造方法 Download PDF

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基 永沢
前田 徹
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Abstract

【課題】相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の製造方法を提供する。【解決手段】SmとFeとを含有するSm−Fe系化合物を主相とするSm−Fe系合金の粉末を用意する準備工程と、前記Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆する被覆工程と、前記金属材料が被覆された前記Sm−Fe系合金粉末を熱処理して、前記粉末の粒子表層に前記金属材料の金属元素を含有する表面層を形成する熱処理工程と、前記表面層が形成された前記Sm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理して、前記主相のSm−Fe系化合物を窒化することにより、Sm−Fe−N系化合物を主相とするSm−Fe−N系合金の粉末を得る窒化工程と、前記Sm−Fe−N系合金の粉末を磁場中で圧縮成形して、Sm−Fe−N系磁石を得る成形工程と、を備える希土類磁石の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、希土類磁石の製造方法に関する。特に、Sm−Fe−N系磁石であって、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の製造方法に関する。
モータや発電機などの用途に、希土類元素とFeとを含有する希土類−鉄系化合物を主相とする希土類−鉄系合金を用いた希土類磁石が広く使用されている。希土類磁石としては、Nd−Fe−B系化合物(例、NdFe14B)を主相とするNd−Fe−B系合金を用いたNd−Fe−B系磁石(ネオジム磁石)が代表的である。ネオジム磁石以外では、Sm−Fe系化合物(例、SmFe17)を主相とするSm−Fe系合金を原料とし、これを窒化したSm−Fe−N系化合物(例、SmFe17)を主相とするSm−Fe−N系合金を用いたSm−Fe−N系磁石(サマリウム鉄窒素磁石)が実用化されている。
Sm−Fe−N系磁石は、Nd−Fe−B系磁石に次ぐ磁気特性を持っており、Nd−Fe−B系磁石よりも耐熱性に優れることから高温環境下での使用が可能である。しかし、Sm−Fe−N合金(Sm−Fe−N系化合物)は550℃を超える高温で分解して磁気特性が消失することから、Sm−Fe−N系合金の粉末を焼結することが困難である。そのため、一般に、Sm−Fe−N系磁石は、Sm−Fe−N系合金の粉末に樹脂や低融点金属などのバインダを混合し、これを圧縮成形して固化したボンド磁石として使用されている。
特許文献1には、以下に示すようなSm−Fe−N系磁石の製造方法が提案されている。まず、Sm−Fe合金(SmFe17)を窒化処理したSm−Fe−N合金の磁石粉末に、Zn,Sn,Pb,及びBiから選択された少なくとも1種の金属の酸化物粉末と、粒状のCaとを所定の割合で混合する。次に、この混合物を不活性ガス雰囲気中で300℃〜1200℃の温度で加熱した後、この反応生成物を水又は弱酸水溶液で処理することで、粒子表面が上記金属で被覆された磁石粉末を得る。そして、得られた磁石粉末を磁場中で圧縮成形した後、500℃×2時間の条件で焼結することで、Sm−Fe−N系磁石を得る。
特開平5−326229号公報
希土類磁石の磁気特性の更なる向上が望まれている。特に、高耐熱性と高磁力とを実現する観点から、磁石の性能指標である保磁力iHcと残留磁化Brとの向上が求められている。
ボンド磁石は、バインダが必要な分だけ、硬磁性相であるSm−Fe−N系合金(Sm−Fe−N系化合物)の割合(体積比率)が低く、残留磁化といった磁気特性が低い。したがって、Sm−Fe−N系磁石において、Sm−Fe−N系合金の粉末を高い密度で固める技術の開発が望まれる。
特許文献1に記載のSm−Fe−N系磁石の製造方法では、窒化処理したSm−Fe−N合金の粉末に上記金属の酸化物とCaとを混合して加熱した後、この反応生成物を水及び弱酸で処理して、粉末の粒子表面を上記金属で被覆する。上述したようにSm−Fe−N合金は高温で分解するため、特許文献1に記載の製造方法では、Sm−Fe−N合金の粉末を加熱する場合、加熱温度に制限がある。また、特許文献1に記載の製造方法は、酸化物を還元するためにCaを混合したり、合金粉末とCaを含む成分とを分離するために反応生成物を弱酸で処理したりする必要があるため、製造工程が煩雑で高コスト化を招く。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の1つは、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の製造方法を提供することにある。
本発明の希土類磁石の製造方法は、以下の準備工程と、被覆工程と、熱処理工程と、窒化工程と、成形工程と、を備える。
準備工程:SmとFeとを含有するSm−Fe系化合物を主相とするSm−Fe系合金の粉末を用意する工程。
被覆工程:前記Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆する工程。
熱処理工程:前記金属材料が被覆された前記Sm−Fe系合金粉末を熱処理して、前記粉末の粒子表層に前記金属材料の金属元素を含有する表面層を形成する工程。
窒化工程:前記表面層が形成された前記Sm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理して、前記主相のSm−Fe系化合物を窒化することにより、Sm−Fe−N系化合物を主相とするSm−Fe−N系合金の粉末を得る工程。
成形工程:前記Sm−Fe−N系合金の粉末を磁場中で圧縮成形して、Sm−Fe−N系磁石を得る工程。
本発明の希土類磁石の製造方法は、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。
本発明者らは、Sm−Fe系合金の粉末に非磁性の金属材料を被覆し、熱処理して表面層を形成した後、窒化処理し、これを圧縮成形することで、磁石の高密度化と、磁気特性を改善できることを見出した。以上の知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成するに至った。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)実施形態に係る希土類磁石の製造方法は、以下の準備工程と、被覆工程と、熱処理工程と、窒化工程と、成形工程と、を備える。
準備工程:SmとFeとを含有するSm−Fe系化合物を主相とするSm−Fe系合金の粉末を用意する工程。
被覆工程:Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆する工程。
熱処理工程:金属材料が被覆されたSm−Fe系合金粉末を熱処理して、粉末の粒子表層に金属材料の金属元素を含有する表面層を形成する工程。
窒化工程:表面層が形成されたSm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理して、主相のSm−Fe系化合物を窒化することにより、Sm−Fe−N系化合物を主相とするSm−Fe−N系合金の粉末を得る工程。
成形工程:Sm−Fe−N系合金の粉末を磁場中で圧縮成形して、Sm−Fe−N系磁石を得る工程。
上記希土類磁石の製造方法によれば、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆した後、熱処理することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表層に金属材料の金属元素を含有する表面層を均一に形成できる。また、窒化処理する前のSm−Fe系合金粉末に対して熱処理することから、熱処理温度がSm−Fe−N合金の熱分解温度に制限されることがない。上記金属材料には、単一の金属元素からなる金属の他、金属元素を含む合金も含まれる。
表面層は、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形する際のバインダとして機能する。表面層に含有する上記金属元素の大部分は、Sm−Fe系合金(Sm−Fe系化合物)の一部のSmやFeと反応して化合物の形で存在すると考えられる。具体的には、上記金属材料が被覆されたSm−Fe系合金粉末を熱処理することによって、粉末の粒子表層に金属材料の金属元素の少なくとも一部が拡散し、Sm−Fe系合金(Sm−Fe系化合物)中のSmやFeと反応して化合物を形成する。表面層が上記金属元素を含有し、表面層に上記金属元素とSmやFeとの化合物が存在することで、表面層が柔らかく変形し易い。そのため、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形した際に表面層が塑性変形して粒子同士を結合でき、高密度化が可能である。例えば、相対密度が85%以上の希土類磁石を得ることができる。したがって、相対密度が高く、硬磁性相の割合が高い緻密な希土類磁石を得ることができる。
また、表面層は、非磁性の上記金属元素を含有しており、最終的な磁石の状態で、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士の磁気的な結合を切る働きがあり、保磁力といった磁気特性を改善する。具体的には、Sm−Fe系合金粉末の粒子が単結晶粒子(単一の主相の結晶粒のみからなる粒子)の場合は、熱処理によって粉末の粒子表層に表面層が形成され、最終的に、表面層がSm−Fe−N系合金粉末の粒子間の境界に介在して粒子同士の磁気的な結合を切る働きをする。一方、Sm−Fe系合金粉末の粒子が多結晶粒子(複数の主相の結晶粒からなる粒子)の場合は、熱処理によって粉末の粒子表層に表面層が形成されると共に、主相の結晶粒界に沿って上記金属元素が拡散して上記金属元素を含有する粒界相が形成される。そして、最終的に、表面層がSm−Fe−N系合金粉末の粒子間の境界に介在して粒子同士の磁気的な結合を切る働きをすると共に、粒界相がSm−Fe−N系化合物の主相の粒界に存在して主相同士の磁気的な結合を切る働きをする。
その他、Sm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理することによって、Nが拡散し易く、主相(Sm−Fe系化合物)の結晶格子におけるFe−Fe原子間にNを選択的に導入し易くなる。その結果、Sm−Fe系化合物の窒化反応が促進され、Sm−Fe系化合物を良好に窒化することができ、磁気異方性が改善される。また、Sm−Fe−N系合金粉末を磁場中で圧縮成形することによって、磁場の方向に主相(Sm−Fe−N系化合物)の結晶方位を揃えて粒子を配向させることができる。その結果、Sm−Fe−N系化合物の磁化容易軸(c軸)を一方向に配向させ易く、磁気異方性が高く、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。
上記被覆工程におけるSm−Fe系合金粉末の粒子表面への上記金属材料の被覆は、例えば、(a)Sm−Fe系合金の粉末の粒子表面に金属材料を気相法により蒸着する、又は、(b)Sm−Fe系合金の粉末と金属材料の粉末とを混合する、ことで行うことが挙げられる。
(2)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記被覆工程において、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への金属材料の被覆は、Sm−Fe系合金の粉末の粒子表面に金属材料を気相法により蒸着することで行うことが挙げられる。
(3)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記被覆工程において、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への金属材料の被覆は、Sm−Fe系合金の粉末と金属材料の粉末とを混合することで行うことが挙げられる。
Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に上記金属材料を気相法により蒸着する、又は、Sm−Fe系合金粉末と上記金属材料の粉末とを混合することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料を良好に被覆できる。Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に上記金属材料を気相法により蒸着する方が、Sm−Fe系合金粉末と上記金属材料の粉末とを混合する場合に比較して、粉末の粒子表面に金属材料を均一に被覆し易い利点がある。
(4)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記金属材料は、Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiから選択される少なくとも1種の金属元素からなる金属又はその金属元素を含む合金であることが挙げられる。
上記金属材料は、金属元素としてCu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiから選択される少なくとも1種を含むことで、表面層の形成材料として好適である。具体的には、上記金属元素は、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への被覆後の熱処理によって、粉末の粒子表層に拡散し易く、均一な表面層を形成し易い。また、上記金属元素は、SmやFeと反応して化合物を形成し易く、比較的柔らかい表面層を形成し易い。更に、上記金属元素は非磁性であり、表面層(多結晶粒子の場合は粒界相も含む)が上記金属元素を含有することで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士(粒界相の場合はSm−Fe−N系化合物の主相同士)の磁気的な結合を効果的に分断することが可能である。
(5)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記合金が、CuSn,CuTi,CuAl,及びTiZnから選択される少なくとも1種の合金であることが挙げられる。
上記合金は、表面層の形成材料として好適である。その他の合金としては、例えば、Smと上記金属元素(Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiのいずれか1種)との合金などが挙げられる。
(6)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記熱処理工程において、表面層の厚さが1nm以上27nm以下となるように熱処理することが挙げられる。
表面層の厚さが1nm以上であることで、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形した際に表面層が塑性変形し易く、粒子同士を強固に結合し易い。つまり、表面層がSm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形する際のバインダとしての機能を発揮し易く、圧縮成形が容易になり、緻密で相対密度の高い希土類磁石を得易い。また、表面層の厚さが1nm以上であることで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士の磁気的な結合を十分に分断することが可能であり、磁気特性を効果的に改善できる。一方、表面層の厚さが27nm以下であることで、Sm−Fe系合金粉末を窒化処理した際に表面層がNの拡散を阻害し難く、Sm−Fe系化合物を十分に窒化し易い。また、表面層の厚さが27nm以下であることで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子における表面層(上記金属材料の金属元素とSmやFeとの化合物)の割合(体積比率)が増加することによる磁気特性の低下を抑制できる。更に、上記金属材料の金属元素の侵食によるα−Feの生成を抑制でき、α−Feの生成に起因する磁気特性の低下を抑制できる。
表面層の厚さは、熱処理工程における熱処理の条件を制御することによって適宜調節することが可能であり、熱処理温度を高くする、或いは、熱処理時間を長くするほど、表面層の厚さが厚くなる傾向がある。熱処理温度は、Sm−Fe系合金粉末の表面に被覆する上記金属材料の種類に応じて適宜設定することが好ましい。
(7)上記希土類磁石の製造方法の一形態としては、上記窒化処理工程において、磁場の強度を3T以上12T以下とすることが挙げられる。
磁場の強度を3T以上とすることで、Nが表面層を浸透して粒子内部まで拡散し易く、Sm−Fe系化合物の窒化反応が促進され、Sm−Fe系化合物を十分に窒化し易い。一方、磁場の強度を12T以下とすることで、Nの拡散速度が速くなり過ぎることによる窒化反応の阻害を抑制でき、磁気特性の低下を抑制できる。また、過剰窒化によるα−Feやa−Sm(「a−」はアモルファスを意味する)の生成を抑制でき、磁気特性の低下を抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法の具体例を説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<希土類磁石の製造方法>
希土類磁石の製造方法は、準備工程と、被覆工程と、熱処理工程と、窒化工程と、成形工程と、を備える。以下、各工程について詳しく説明する。
(準備工程)
準備工程は、SmとFeとを含有するSm−Fe系化合物を主相とするSm−Fe系合金の粉末を用意する工程である。Sm−Fe系合金は、代表的には、主成分としてSmとFeとを含有し、SmFe17を主相とするSmFe17合金が挙げられる。Sm−Fe系合金は、鋳造法や還元拡散法により製造することができる。鋳造法としては、例えばメルトスパン法やストリップキャスト法などの急冷凝固法が挙げられる。
〈Sm−Fe系合金〉
Sm−Fe系合金は、希土類元素としてSmを必須元素として含む。Smの含有量は25質量%以上26.5質量%以下とすることが好ましい。Smの含有量を上記範囲内とすることで、化学量論組成がSmFe17といったSm−Fe系化合物が得られ易い。また、Smの一部を他の希土類元素で置換してもよい。置換する他の希土類元素としては、例えばNd,Dy,Pr,Tb,Ce及びYから選択される少なくとも1種の希土類元素が挙げられる。Smの一部を他の希土類元素で置換する場合、磁気特性の低下を避けるため、Smに対する置換量は50原子%未満とすることが好ましく、より好ましくは30原子%以下である。
Sm−Fe系合金において、Feの一部を、例えばCo,Ni,Ga,Cu,Al,Si,Ti,Mn及びNbから選択される少なくとも1種以上の元素で置換してもよい。例えば、Feの一部をCoで置換することで、耐熱性を改善できえる。但し、Feの一部を上記元素で置換する場合、置換量が過剰になると磁気特性の低下を招くことから、Feに対する置換量は50原子%未満とすることが好ましく、より好ましくは35原子%以下である。例えば、Feの一部をCoで置換する場合、Sm−Fe系合金におけるCoの含有量は6質量%以下とするが好ましい。
〈Sm−Fe系合金粉末〉
Sm−Fe系合金を適宜粉砕することでSm−Fe系合金の粉末を得ることができる。Sm−Fe系合金の粉砕は、例えばジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ディスクミル、ジョークラッシャーなどの公知の粉砕機を使用できる。Sm−Fe系合金粉末の粒子径は、後工程の窒化工程での窒化処理や成形工程での圧縮成形のし易さの観点から、例えば0.5μm以上50μm以下、特に1μm以上30μm以下とすること好ましい。ここで、Sm−Fe系合金粉末の粒子径とは、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した場合において、体積基準の粒度分布の小径側から累積が50%となる粒径値(D50:50体積%粒径)のことである。また、Sm−Fe系合金粉末を構成する粒子は、単結晶粒子でもよいし、多結晶粒子でもよい。
その他、Sm−Fe系合金又はその粉末をHDDR(Hydrogenation Disproportionation Desorption Recombination;水素化・不均化・脱水素・再結合)処理してもよい。HDDR処理とは、Sm−Fe系合金又はその粉末を水素含有雰囲気中、不均化温度以上で熱処理して、水素化することにより、主相のSm−Fe系化合物(例、SmFe17)をSmの水素化合物(SmH)とFeとの相に分解する。その後、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中、再結合温度以上で熱処理して、脱水素することにより、水素化分解したSm−Fe系化合物を再結合する処理のことである。この処理により、主相の結晶粒が微細化され、平均結晶粒径が500nm以下の微細な主相結晶粒からなる多結晶組織(多結晶粒子)が得られる。HDDR処理したHDDR粉末の場合、通常、主相の結晶粒径は100nm〜300nm程度である。HDDR処理の条件(水素化する熱処理の温度や時間、脱水素する熱処理の温度や時間)は、公知の条件を適用できる。水素化する熱処理の温度は、例えば600℃以上(更に650℃以上)1100℃以下、好ましくは700℃以上(更に750℃以上)950℃以下(更に900℃以下)とすることが挙げられる。水素化する熱処理の時間は、例えば30分以上5時間以下とすることが挙げられる。脱水素する熱処理の温度は、例えば600℃以上(更に650℃以上、特に700℃以上)1000℃以下とすることが挙げられる。脱水素する熱処理の時間は、例えば10分以上10時間以下とすることが挙げられる。
(被覆工程)
被覆工程は、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆する工程である。Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への金属材料の被覆は、例えば、(1)Sm−Fe系合金の粉末の粒子表面に金属材料を気相法により蒸着する、又は、(2)Sm−Fe系合金の粉末と金属材料の粉末とを混合する、ことによって行うことが挙げられる。
〈気相法(蒸着)による被覆〉
Sm−Fe系合金の粉末の粒子表面に金属材料を気相法により蒸着することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料を被覆することができる。気相法としては、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法といった物理的蒸着(PVD)法や、化学的蒸着(CVD)法が挙げられる。気相法により金属材料を蒸着することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料を均一に被覆し易い。Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に蒸着(被覆)する金属材料の厚さは、後工程の熱処理工程により形成する表面層の厚さに応じて適宜設定すればよく、被覆する金属材料の厚さは、例えば1nm以上27nm以下とすることが挙げられる。また、蒸着は、Sm−Fe系合金粉末の酸化や不純物の侵入を防止する観点から、真空雰囲気中で行うことが好ましい。
〈混合による被覆〉
Sm−Fe系合金の粉末と金属材料の粉末とを混合することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料の粉末の粒子が付着して被覆された状態になる。Sm−Fe系合金の粉末と金属材料の粉末との混合は、例えばボールミル、V型混合機などの各種混合機・ミキサーなどを使用できる。金属材料の粉末の添加量は、後工程の熱処理工程により形成する表面層の厚さに応じて適宜設定すればよく、金属材料の添加量は、例えば3質量%以上10質量%以下とすることが挙げられる。金属材料の粉末の粒子径は、特に限定されないが、Sm−Fe系合金粉末の粒子径以下とすることが挙げられる。金属材料の粉末の粒子径は、Sm−Fe系合金粉末の粒子径と同じように、50体積%粒径(D50)である。混合条件は、Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料の粉末の粒子が均一に付着するように適宜設定すればよく、混合時間は、例えば3時間以上15時間以下とすることが挙げられる。また、混合は、Sm−Fe系合金粉末の酸化を防止する観点から、不活性雰囲気中、具体的にはArやNなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
〈被覆材料〉
被覆材料に用いる金属材料には、単一の金属元素からなる金属でもよいし、金属元素を含む合金でもよい。金属材料としては、Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiから選択される少なくとも1種の金属元素からなる金属又はその金属元素を含む合金が挙げられる。また、合金としては、CuSn,CuTi,CuAl,及びTiZnから選択される少なくとも1種の合金が挙げられる。これらの金属材料は、後述する表面層の形成材料として好適である。
(熱処理工程)
熱処理工程は、金属材料が被覆されたSm−Fe系合金粉末を熱処理して、粉末の粒子表層に金属材料の金属元素を含有する表面層を形成する工程である。Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に金属材料を被覆した後、熱処理することで、Sm−Fe系合金粉末の粒子表層に金属材料の金属元素を含有する表面層を均一に形成できる。
〈表面層〉
表面層に含有する金属元素は、Sm−Fe系合金(Sm−Fe系化合物)の一部のSmやFeと反応して化合物の形で存在すると考えられる。具体的には、熱処理することによって、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子表面に被覆した金属材料の金属元素の少なくとも一部が粉末の粒子表層に拡散し、Sm−Fe系合金(Sm−Fe系化合物)中のSmやFeと反応して化合物を形成する。金属材料が金属元素としてCu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiから選択される少なくとも1種を含むと、熱処理によって、金属元素が粒子表層に拡散し易く、均一な表面層を形成し易い。
表面層は、後工程の成形工程において、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形する際のバインダとして機能する。表面層が金属元素を含有し、表面層に金属元素とSmやFeとの化合物が存在することで、表面層が柔らかく変形し易い。特に、上記金属元素(Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTi)は、SmやFeと反応して化合物を形成し易く、比較的柔らかい表面層を形成し易い。そのため、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形した際に表面層が塑性変形して粒子同士を結合でき、高密度化が可能である。例えば、相対密度が85%以上の希土類磁石を得ることができる。したがって、相対密度が高く、硬磁性相の割合が高い緻密な希土類磁石を得ることができる。
更に、表面層は、非磁性の金属元素を含有しており、最終的な磁石の状態で、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士の磁気的な結合を切る働きがあり、磁気特性を改善する。具体的には、Sm−Fe系合金粉末の粒子が単結晶粒子(単一の主相の結晶粒のみからなる粒子)の場合は、熱処理によって粉末の粒子表層に表面層が形成され、最終的に、表面層がSm−Fe−N系合金粉末の粒子間の境界に介在して粒子同士の磁気的な結合を切る働きをする。一方、Sm−Fe系合金粉末の粒子が多結晶粒子(複数の主相の結晶粒からなる粒子)の場合は、熱処理によって粉末の粒子表層に表面層が形成されると共に、主相の結晶粒界に沿って金属元素が拡散して金属元素を含有する粒界相が形成される。そして、最終的に、表面層がSm−Fe−N系合金粉末の粒子間の境界に介在して粒子同士の磁気的な結合を切る働きをすると共に、粒界相がSm−Fe−N系化合物の主相の粒界に存在して主相同士の磁気的な結合を切る働きをする。特に、上記金属元素(Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTi)はいずれも非磁性であり、表面層(多結晶粒子の場合は粒界相も含む)が上記金属元素を含有することで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士(粒界相の場合はSm−Fe−N系化合物の主相同士)の磁気的な結合を効果的に分断することが可能である。
〈表面層の厚さ〉
表面層の厚さは、1nm以上27nm以下とすることが好ましい。表面層の厚さを1nm以上とすることで、Sm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形した際に表面層が塑性変形し易く、粒子同士を強固に結合し易い。つまり、表面層がSm−Fe−N系合金粉末を圧縮成形する際のバインダとしての機能を発揮し易く、圧縮成形が容易になり、緻密で相対密度の高い希土類磁石を得易い。また、表面層の厚さを1nm以上とすることで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子同士の磁気的な結合を十分に分断することが可能であり、磁気特性を効果的に改善できる。一方、表面層の厚さを27nm以下とすることで、後工程の窒化工程において、Sm−Fe系合金粉末を窒化処理した際に表面層がNの拡散を阻害し難く、Sm−Fe系化合物を十分に窒化し易い。また、表面層の厚さを27nm以下とすることで、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子における表面層(金属材料の金属元素とSmやFeとの化合物)の割合(体積比率)が増加することによる磁気特性の低下を抑制できる。換言すれば、硬磁性相であるSm−Fe−N系化合物(例、SmFe17)の割合が減少することによる磁気特性の低下を抑制できる。更に、金属材料の金属元素の侵食によるα−Feの生成を抑制でき、α−Feの生成に起因する磁気特性の低下を抑制できる。
〈熱処理〉
熱処理は、表面層の厚さが1nm以上27nm以下となるように行うことが好ましい。表面層の厚さは、熱処理の条件を制御することによって適宜調節することが可能であり、例えば、熱処理温度を高くする、或いは、熱処理時間を長くするほど、表面層の厚さが厚くなる傾向がある。特に、熱処理温度をある程度高くすると、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子表面に被覆した金属材料の金属元素が粉末の粒子表層に十分に拡散すると共にSmやFeと反応して化合物を形成し易く、表面層が形成され易い。熱処理温度が低過ぎると、金属元素が十分に拡散せず、所定の厚さの表面層を形成することが難しい。一方、熱処理温度を高くし過ぎると、金属元素の拡散が進行し過ぎて表面層の厚さが厚くなり過ぎたり、α−Feが生成され易くなる。
熱処理温度は、Sm−Fe系合金粉末の表面に被覆する金属材料の種類に応じて適宜設定することが好ましい。各種金属材料に応じた熱処理温度の範囲の一例を以下に示す。
Cu:620℃超750℃未満、好ましくは630℃以上730℃以下
Zn:430℃超500℃未満、好ましくは440℃以上490℃以下
Al:680℃超800℃未満、好ましくは700℃以上780℃以下
Sn:650℃超830℃未満、好ましくは660℃以上800℃以下
Nb:700℃超810℃未満、好ましくは720℃以上800℃以下
Zr:660℃超790℃未満、好ましくは680℃以上780℃以下
Ti:710℃超850℃未満、好ましくは730℃以上830℃以下
CuSn:570℃超690℃未満、好ましくは590℃以上670℃以下
CuTi:650℃超770℃未満、好ましくは660℃以上750℃以下
CuAl:640℃超760℃未満、好ましくは650℃以上740℃以下
TiZn:600℃超720℃未満、好ましくは610℃以上700℃以下
熱処理時間は、表面層の厚さが上記範囲内となるように適宜設定すればよく、熱処理温度に応じて、例えば0.5時間以上2時間以下とすることが挙げられる。また、熱処理は、Sm−Fe系合金粉末の酸化を防止する観点から、不活性雰囲気中、具体的にはArなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
(窒化工程)
窒化工程は、表面層が形成されたSm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理して、主相のSm−Fe系化合物を窒化することにより、Sm−Fe−N系化合物を主相とするSm−Fe−N系合金の粉末を得る工程である。代表的には、SmFe17を窒化してSmFe17とする。
〈窒化処理〉
窒化処理は、窒素含有雰囲気中、窒化温度以上で熱処理することで行うことが挙げられる。窒素含有雰囲気としては、例えば、Nガス雰囲気又はNガスとHガスとの混合ガス雰囲気、若しくは、NHガス雰囲気又はNHガスとHガスとの混合ガス雰囲気が挙げられる。また、窒化処理する際の熱処理の温度は、例えば200℃以上(好ましくは300℃以上)550℃以下(好ましくは500℃以下)とすることが挙げられる。
更に、窒化処理を磁場中で行うことで、Nが拡散し易く、主相(Sm−Fe系化合物)の結晶格子におけるFe−Fe原子間にNを選択的に導入し易くなる。その結果、Sm−Fe系化合物の窒化反応が促進され、Sm−Fe系化合物を良好に窒化することができ、磁気異方性が改善される。特に、磁場の強度は3T以上12T以下とすることが好ましい。磁場の強度を3T以上とすることで、Nが表面層を浸透して粒子内部まで拡散し易く、Sm−Fe系化合物の窒化反応が促進され、Sm−Fe系化合物を十分に窒化し易い。また、後工程の成形工程において、Sm−Fe系化合物(例、SmFe17)が残留することによる成形性の低下も抑制できる。一方、磁場の強度を12T以下とすることで、Nの拡散速度が速くなり過ぎることによる窒化反応の阻害を抑制でき、磁気特性の低下を抑制できる。また、過剰窒化によるα−Feやa−Smの生成を抑制でき、磁気特性の低下を抑制できる。加えて、磁場の影響によりSm−Fe−N系合金粉末の結晶相の組成分布に偏りが生じることが少なく、結晶相の組成分布に偏りが生じることによる成形性の低下を抑制できる。磁場の印加は、例えば超電導マグネット、常電導マグネットなどの公知の磁場印加装置を使用できる。超電導マグネットを使用すれば、3T以上の強磁場を印加することも容易である。
(成形工程)
成形工程は、Sm−Fe−N系合金の粉末を磁場中で圧縮成形して、Sm−Fe−N系磁石を得る工程である。
〈圧縮成形〉
圧縮成形の条件は、磁石の高密度化を図る観点から、成形圧力を例えば294MPa(3ton/cm)以上1960MPa(20ton/cm)以下とすることが挙げられる。より好ましい成形圧力は、588MPa(6ton/cm)以上、980MPa(10ton/cm)以上である。成形圧力を高くするほど、相対密度の高い希土類磁石が得られ易い。また、希土類磁石の相対密度は、例えば80%以上とすることが好ましく、より好ましくは85%以上、90%以上である。相対密度が高いほど、緻密で硬磁性相の割合が高い希土類磁石が得られる点で好ましい。ここで、相対密度とは、Sm−Fe−N系合金の真密度(SmFe17の場合、約7.92g/cm)に対する実際の密度([「磁石の嵩密度」/「合金の真密度」]の百分率)のことである。
更に、圧縮成形を磁場中で行うことで、磁場の方向に主相(Sm−Fe−N系化合物)の結晶方位を揃えて粒子を配向させることができる。その結果、Sm−Fe−N系化合物の磁化容易軸(c軸)を一方向に配向させ易く、磁気異方性が高く、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。磁場の磁界強度は、例えば3.99kA/cm以上とすることが好ましく、より好ましくは7.98kA/cm以上、23.9kA/cm以上である。磁界強度を高くするほど、磁界の方向に粒子の結晶方位を揃え易いが、磁界強度を高くし過ぎても、それ以上の効果はあまり期待できないので、磁界強度は、例えば79.8kA/cm以下とすることが挙げられる。磁界の方向は、特に限定されないが、例えば、圧縮方向と平行な方向としたり、垂直な方向とすることが挙げられる。その他、圧縮成形する際に成形用金型を適宜加熱することで、粉末の変形が促進され、高密度化が容易になる。
[実施例1]
Smを25質量%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる組成を有するSm−Fe系合金を製造し、これを粉砕してSm−Fe系合金の粉末を用意した。Sm−Fe系合金は、上記組成となるようにSmとFeとを配合した原料をストリップキャスト法により溶解・鋳造して、合金薄片を製造した。更に、この例では、このSm−Fe系合金をHDDR処理した。その後、このSm−Fe系合金を粉砕した後、篩にかけて、粒子径(D50)が1.0μmのSm−Fe系合金の原料粉末を得た。このSm−Fe系合金は、SmFe17を主相とするSmFe17合金である。
用意したSmFe17合金の粉末を原料粉末として用い、製造条件を変更して希土類磁石(Sm−Fe−N系磁石)を製造し、表1に示す試料No.1−1〜No.1−4及びNo.1−11〜No.1−14を得た。そして、得られた磁石の試料について、磁石特性を評価した。
〈試料No.1−1〉
SmFe17合金粉末の粒子表面にZnを真空蒸着法により蒸着して、Znを被覆した。被覆したZnの厚さは18nmである。その後、Znが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、450℃で1時間熱処理した。
熱処理後のSmFe17合金粉末の一部を採取し、これをX線回折装置(XRD;株式会社リガク製 SmartLab)により結晶相分析した。分析の結果、SmFe17,FeZn10が存在していた。また、SmFe17合金粉末の一部を樹脂に埋め込んで研磨して観察用試料を作製し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−9500)により観察した。そして、TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)による元素マッピングから、Znを含有する表面層の厚さを求めた。具体的には、粉末の粒子表面から中心に向かってライン分析を行い、Znを含有する表面層の厚さを測定した。ここでは、表面層の厚さは、1つの粒子につき10点以上測定し、少なくとも10個以上の粒子について表面層の厚さを求め、その平均値とした。その結果、表面層の厚さは19nmであった。断面のTEM像とZnの元素マッピングから、表面層は粒子の略全周に亘って均一に形成されていることが確認された。
更に、断面のTEM像とZnの元素マッピングから、このSmFe17合金粉末の粒子は、複数の主相(SmFe17)の結晶粒からなる多結晶粒子であり、結晶粒界にZnを含有する粒界相が形成されていることが確認された。粒界相は、主相結晶粒の周囲に均一に存在していた。また、断面のTEM像から、主相の結晶粒径を求めた。主相の結晶粒径は、少なくとも10個以上の粒子について、各結晶粒の等面積円相当径を算出し、その平均値とした。その結果、主相の結晶粒径は約300nmであった。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:3の混合ガス雰囲気中、400℃で10時間窒化処理した。窒化処理は、3Tの磁場を印加しながら行った。
窒化処理後のSmFe17合金粉末の一部をXRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10が存在していた。つまり、この合金粉末は、SmFe17を主相とするSmFe17合金の粉末である。
最後に、SmFe17合金粉末を、13.5kA/cmの磁界中で、980MPaの面圧を加えて高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−1とした。
〈試料No.1−2〉
被覆材料をCuに変更して、Sm−Fe−N系磁石を製造した。
SmFe17合金粉末の粒子表面にCuを真空蒸着法により蒸着して、Cuを被覆した。被覆したCuの厚さは4.3nmである。その後、Cuが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、700℃で0.5時間熱処理した。試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,SmCuが存在していた。また、TEM分析によりCuを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは5.0nmであった。更に、断面のTEM像とCuの元素マッピングから、試料No.1−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にCuを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:3の混合ガス雰囲気中、450℃で8時間窒化処理した。窒化処理は、5Tの磁場を印加しながら行った。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,SmCu,Cu,a−Smが存在していた。Cu及びa−Smが生成された理由は、窒化処理時にSmCuの一部がNと反応してCuとa−Smとに分解したことに起因するものと考えられる。
最後に、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−2とした。
〈試料No.1−3〉
被覆材料をAlに変更して、Sm−Fe−N系磁石を製造した。
SmFe17合金粉末の粒子表面にAlを真空蒸着法により蒸着して、Alを被覆した。被覆したAlの厚さは1nmである。その後、Alが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、750℃で0.5時間熱処理した。試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeAlが存在していた。また、TEM分析によりAlを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは1.3nmであった。更に、断面のTEM像とAlの元素マッピングから、試料No.1−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にAlを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:4の混合ガス雰囲気中、475℃で12時間窒化処理した。窒化処理は、5Tの磁場を印加しながら行った。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeAlが存在していた。
最後に、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−3とした。
〈試料No.1−4〉
被覆材料をCuSnに変更して、Sm−Fe−N系磁石を製造した。
SmFe17合金粉末の粒子表面にCuSnを真空蒸着法により蒸着して、CuSnを被覆した。被覆したCuSnの厚さは6.5nmである。その後、CuSnが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、630℃で1時間熱処理した。試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,SmCu,CuSnが存在していた。また、TEM分析によりCu又はSnを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは7.2nmであった。更に、断面のTEM像とCu,Snの元素マッピングから、試料No.1−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にCu又はSnを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:3の混合ガス雰囲気中、420℃で8時間窒化処理した。窒化処理は、4Tの磁場を印加しながら行った。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,SmCu,CuSn,Cu,a−Sm,Snが存在していた。Cu,a−Sm及びSnが生成された理由は、窒化処理時にSmCu及びCuSnの一部がNと反応してCuとa−Sm及びCuとSnにそれぞれ分解したことに起因するものと考えられる。
最後に、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−4とした。
〈試料No.1−11,No.1−12〉
熱処理工程における熱処理条件を変更した以外は、試料No.1−1と同じ製造条件でSm−Fe−N系磁石を製造した。
試料No.1−11では、SmFe17合金粉末の粒子表面にZnを真空蒸着法により被覆した後、Znが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、500℃で1時間熱処理した。試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,α−Feが存在していた。また、TEM分析により表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは43nmであった。
次に、試料No.1−1と同じ窒化処理条件で、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を窒化処理した。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,α−Fe,SmFe17が存在していた。
最後に、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−11とした。
試料No.1−12では、SmFe17合金粉末の粒子表面にZnを真空蒸着法により被覆した後、Znが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、430℃で0.5時間熱処理した。試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10が存在していた。また、TEM分析により表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは0.5nmであった。
次に、試料No.1−1と同じ窒化処理条件で、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を窒化処理した。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10が存在していた。
最後に、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−12とした。
〈試料No.1−13,No.1−14〉
窒化工程における窒化処理条件(具体的には、印加する磁場の強度)を変更した以外は、試料No.1−1と同じ製造条件でSm−Fe−N系磁石を製造した。
試料No.1−13,No.1−14では、SmFe17合金粉末の粒子表面にZnを真空蒸着法により被覆した後、試料No.1−1と同じ熱処理条件で、Znが被覆されたSmFe17合金粉末を熱処理した。熱処理後のSmFe17合金粉末のXRDによる結晶相分析の結果は、SmFe17,FeZn10であり、また、表面層の厚さは19nmであった。
試料No.1−13では、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、1Tの磁場を印加しながら、NHガスとHガスの体積濃度比が1:3の混合ガス雰囲気中、400℃で10時間窒化処理した。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,SmFe17が存在していた。そして、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−13とした。
試料No.1−14では、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、17Tの磁場を印加しながら、NHガスとHガスの体積濃度比が1:3の混合ガス雰囲気中、400℃で10時間窒化処理した。試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,SmFe17,α−Fe,a−Smが存在していた。そして、試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.1−14とした。
〈磁石特性の評価〉
試料No.1−1〜No.1−4及びNo.1−11〜No.1−14について、相対密度を求めた。相対密度は、磁石の体積と質量から寸法密度(実測密度)を計算し、真密度をSmFe17合金の真密度(7.92g/cm)と等価として、[「寸法密度」/「真密度」]×100から求めた。その結果を表1に示す。
試料No.1−1〜No.1−4及びNo.1−11〜No.1−14について、磁気特性として保磁力及び残留磁化を測定した。保磁力及び残留磁化の測定は、振動試料型磁力計(東英工業株式会社製 VSM−5SC−5HF型)を使用した。その結果を表1に示す。
Figure 2015142119
表1に示すように、Sm−Fe系合金の粉末に非磁性の金属材料を被覆し、熱処理して表面層を形成した後、窒化処理し、これを圧縮成形する製造方法によって、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石を得られることが分かる。特に、実施例1の製造方法により得られた試料No.1−1〜No.1−4は、相対密度が85%以上で、保磁力が798kA/m(10kOe)以上及び残留磁化が0.8T以上の磁気特性を有しており、高耐熱性と高磁力を兼ね備える。
また、試料No.1−1〜No.1−4と試料No.1−11,No.1−12との比較結果から、熱処理工程において表面層の厚さが1nm以上27nm以下となるように熱処理することで、磁石の高密度化と、磁気特性を大幅に改善できることが分かる。試料No.1−1〜No.1−4と試料No.1−13,No.1−14との比較結果から、窒化工程において窒化処理する際の磁場の強度を3T以上12T以下とすることで、磁石の高密度化と、磁気特性を大幅に改善できることが分かる。試料No.1−13の相対密度が試料No.1−1などと比較して低くなった理由は、SmFe17の残留によりSmFe17合金粉末の変形が阻害され、密度が上がり難かったことが原因と考えられる。また、試料No.1−14の相対密度が試料No.1−1などと比較して低くなった理由は、窒化処理する際の磁場の影響によりSmFe17合金粉末の結晶相の組成分布に偏りが生じたため、密度が上がり難かったことが原因と考えられる。
[実施例2]
実施例1で用いたSmFe17合金の粉末を原料粉末として用い、実施例1と被覆工程における被覆方法を変更して希土類磁石(Sm−Fe−N系磁石)を製造し、表2に示す試料No.2−1〜No.2−3を得た。そして、得られた磁石の試料について、磁石特性を評価した。
〈試料No.2−1〉
SmFe17合金粉末と粒子径(D50)が0.3μmのNb粉末とをボールミルによりトルエン溶媒中で、Arガス雰囲気下、室温で6時間混合して、SmFe17合金粉末の粒子表面にNbを被覆した。Nb粉末の添加量は4.0質量%である。その後、Nbが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、750℃で2時間熱処理した。実施例1の試料No.1−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,NbFeが存在していた。また、TEM分析によりNbを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは1.6nmであった。更に、断面のTEM像とNbの元素マッピングから、試料No.1−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にNbを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:4の混合ガス雰囲気中、500℃で10時間窒化処理した。窒化処理は、6Tの磁場を印加しながら行った。実施例1の試料No.1−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,NbFeが存在していた。
最後に、実施例1の試料No.1−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.2−1とした。
〈試料No.2−2〉
SmFe17合金粉末と粒子径(D50)が0.5μmのZr粉末とをボールミルによりトルエン溶媒中で、Arガス雰囲気下、室温で6時間混合して、SmFe17合金粉末の粒子表面にZrを被覆した。Zr粉末の添加量は3.7質量%である。その後、Zrが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、730℃で1.5時間熱処理した。試料No.2−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,ZrFeが存在していた。また、TEM分析によりZrを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは2.4nmであった。更に、断面のTEM像とCu,Snの元素マッピングから、試料No.2−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にZrを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:4の混合ガス雰囲気中、480℃で12時間窒化処理した。窒化処理は、7Tの磁場を印加しながら行った。試料No.2−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,ZrFeが存在していた。
最後に、試料No.2−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.2−2とした。
〈試料No.2−3〉
SmFe17合金粉末と粒子径(D50)が1.0μmのTiZn粉末とをボールミルによりトルエン溶媒中で、Arガス雰囲気下、室温で6時間混合して、SmFe17合金粉末の粒子表面にTiZnを被覆した。TiZn粉末の添加量は8.0質量%である。その後、TiZnが被覆されたSmFe17合金粉末を、Arガス雰囲気中、650℃で1時間熱処理した。試料No.2−1と同様に、熱処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,TiFeが存在していた。また、TEM分析によりTi又はZnを含有する表面層の厚さを求めたところ、表面層の厚さは23nmであった。更に、断面のTEM像とTi,Znの元素マッピングから、試料No.2−1と同じように、表面層が粒子の略全周に亘って均一に形成されていると共に、結晶粒界にTi又はZnを含有する粒界相が形成されていることが確認された。
次に、上記表面層が形成されたSmFe17合金粉末を、NHガスとHガスの体積濃度比が1:5の混合ガス雰囲気中、405℃で8時間窒化処理した。窒化処理は、10Tの磁場を印加しながら行った。試料No.2−1と同様に、窒化処理後のSmFe17合金粉末について、XRDにより結晶相分析した結果、SmFe17,FeZn10,TiFeが存在していた。
最後に、試料No.2−1と同じ圧縮成形条件で、得られたSmFe17合金粉末を高圧プレス成形し、SmFe17合金粉末を圧縮成形したSm−Fe−N系磁石を製造した。この磁石を試料No.2−3とした。
〈磁石特性の評価〉
実施例1と同様にして、試料No.2−1〜No.2−3について、相対密度を求めた。また、実施例1と同様に、振動試料型磁力計を用いて、試料No.2−1〜No.2−3の保磁力及び残留磁化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2015142119
表2に示すように、Sm−Fe系合金の粉末に非磁性の金属材料を被覆する方法をSm−Fe系合金粉末と金属材料の粉末の混合による被覆に変更しても、実施例1の製造方法と同じように、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石を得られることが分かる。特に、実施例2の製造方法により得られた試料No.2−1〜No.2−3は、相対密度が85%以上で、保磁力が798kA/m(10kOe)以上及び残留磁化が0.8T以上の磁気特性を有しており、高耐熱性と高磁力を兼ね備える。
また、試料No.2−1〜No.2−3と表1に示す実施例1の試料No.1−11,No.1−12との比較結果から、熱処理工程において表面層の厚さが1nm以上27nm以下となるように熱処理することで、磁石の高密度化と、磁気特性を大幅に改善できることが分かる。試料No.2−1〜No.2−3と表1に示す試料No.1−13,No.1−14との比較結果から、窒化工程において窒化処理する際の磁場の強度を3T以上12T以下とすることで、磁石の高密度化と、磁気特性を大幅に改善できることが分かる。
本発明の希土類磁石の製造方法は、相対密度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の製造に好適に利用可能である。

Claims (7)

  1. SmとFeとを含有するSm−Fe系化合物を主相とするSm−Fe系合金の粉末を用意する準備工程と、
    前記Sm−Fe系合金粉末の粒子表面に非磁性の金属材料を被覆する被覆工程と、
    前記金属材料が被覆された前記Sm−Fe系合金粉末を熱処理して、前記粉末の粒子表層に前記金属材料の金属元素を含有する表面層を形成する熱処理工程と、
    前記表面層が形成された前記Sm−Fe系合金粉末を磁場中で窒化処理して、前記主相のSm−Fe系化合物を窒化することにより、Sm−Fe−N系化合物を主相とするSm−Fe−N系合金の粉末を得る窒化工程と、
    前記Sm−Fe−N系合金の粉末を磁場中で圧縮成形して、Sm−Fe−N系磁石を得る成形工程と、
    を備える希土類磁石の製造方法。
  2. 前記被覆工程において、前記Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への前記金属材料の被覆は、前記Sm−Fe系合金の粉末の粒子表面に前記金属材料を気相法により蒸着することで行う請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 前記被覆工程において、前記Sm−Fe系合金粉末の粒子表面への前記金属材料の被覆は、前記Sm−Fe系合金の粉末と前記金属材料の粉末とを混合することで行う請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  4. 前記金属材料は、Cu,Zn,Al,Sn,Nb,Zr,及びTiから選択される少なくとも1種の金属元素からなる金属又はその金属元素を含む合金である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の希土類磁石の製造方法。
  5. 前記合金が、CuSn,CuTi,CuAl,及びTiZnから選択される少なくとも1種の合金である請求項4に記載の希土類磁石の製造方法。
  6. 前記熱処理工程において、表面層の厚さが1nm以上27nm以下となるように熱処理する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の希土類磁石の製造方法。
  7. 前記窒化工程において、前記磁場の強度を3T以上12T以下とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の希土類磁石の製造方法。
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