JP2015025524A - 動力伝達装置 - Google Patents
動力伝達装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015025524A JP2015025524A JP2013156169A JP2013156169A JP2015025524A JP 2015025524 A JP2015025524 A JP 2015025524A JP 2013156169 A JP2013156169 A JP 2013156169A JP 2013156169 A JP2013156169 A JP 2013156169A JP 2015025524 A JP2015025524 A JP 2015025524A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- torque
- ecu
- clutch
- resonance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/62—Hybrid vehicles
Landscapes
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【課題】係合装置の耐久性の低下を抑制することができる動力伝達装置を提供する。【解決手段】機関と、機関と駆動輪とを接続する変速部と、差動部と、第一回転機と、第二回転機と、を備え、機関の回転数が共振帯にあるとき(S10−Y)に変速部の係合装置のトルク容量を低減し(S30)、機関の回転数が当該共振帯に滞留する時間が所定時間以上(S40−Y、S100−Y))の場合、変速部の係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に変速部を変速する(S50、S110)。【選択図】図1
Description
本発明は、動力伝達装置に関する。
従来、ハイブリッド車両がある。例えば、特許文献1には、車両を、モータからの動力のみにより電気走行させたり、クラッチを経て入力されるエンジン動力、およびモータからの動力によりハイブリッド走行させるハイブリッド変速機を搭載した車両において、電気走行中にクラッチを締結させてエンジンを始動させるに際し、クラッチの締結進行によりエンジン回転数が始動可能回転数になった時にエンジン始動指令を発し、このエンジン始動指令時以後、クラッチの締結力をエンジン始動指令時のクラッチ締結力に保持して該クラッチの締結進行を抑制するハイブリッド変速機搭載車のエンジン始動方法の技術が開示されている。
ここで、エンジンの始動時等にクラッチをスリップさせると、クラッチの熱吸収量が大きくなるという問題がある。熱吸収量が大きくなると、クラッチの耐久性に影響する可能性がある。クラッチの耐久性の低下を抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、係合装置の耐久性の低下を抑制することができる動力伝達装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、機関と、前記機関と駆動輪とを接続する変速部と、差動部と、第一回転機と、第二回転機と、を備え、前記機関の回転数が共振帯にあるときに前記変速部の係合装置のトルク容量を低減し、前記機関の回転数が当該共振帯に滞留する時間が所定時間以上の場合、前記変速部の係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に前記変速部を変速することを特徴とする。
本発明に係る動力伝達装置は、機関の回転数が共振帯にあるときに変速部の係合装置のトルク容量を低減し、機関の回転数が当該共振帯に滞留する時間が所定時間以上の場合、変速部の係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に変速部を変速する。本発明に係る動力伝達装置によれば、係合装置の熱吸収量を低減させ、係合装置の耐久性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施形態に係る動力伝達装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図13を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、動力伝達装置に関する。図1は、本発明の実施形態の制御に係るフローチャート、図2は、実施形態に係る車両のスケルトン図、図3は、実施形態に係る車両の入出力関係図、図4は、実施形態に係る車両の作動係合表を示す図、図5は、単独モータEVモードに係る共線図、図6は、両モータEVモードに係る共線図、図7は、HV走行モードに係る共線図、図8は、実施形態のモード選択に係るマップを示す図、図9は、係合装置の容量低減量を示す図、図10は、HVハイモードの分担トルクの説明図、図11は、HVローモードの分担トルクの説明図、図12は、実施形態の制御に係るタイムチャート、図13は、実施形態の制御に係る他のタイムチャートである。
図1から図13を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、動力伝達装置に関する。図1は、本発明の実施形態の制御に係るフローチャート、図2は、実施形態に係る車両のスケルトン図、図3は、実施形態に係る車両の入出力関係図、図4は、実施形態に係る車両の作動係合表を示す図、図5は、単独モータEVモードに係る共線図、図6は、両モータEVモードに係る共線図、図7は、HV走行モードに係る共線図、図8は、実施形態のモード選択に係るマップを示す図、図9は、係合装置の容量低減量を示す図、図10は、HVハイモードの分担トルクの説明図、図11は、HVローモードの分担トルクの説明図、図12は、実施形態の制御に係るタイムチャート、図13は、実施形態の制御に係る他のタイムチャートである。
本実施形態に係る車両100は、図2に示すように、動力源としてエンジン1、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を有するハイブリッド(HV)車両である。車両100は、外部電源により充電可能なプラグインハイブリッド(PHV)車両であってもよい。図2および図3に示すように、車両100は、エンジン1、第一遊星歯車機構10、第二遊星歯車機構20、第一回転機MG1、第二回転機MG2、クラッチCL1、ブレーキBK1、HV_ECU50、MG_ECU60およびエンジン_ECU70を含んで構成されている。
また、本実施形態に係る動力伝達装置1−1は、エンジン1、第一遊星歯車機構10、第二遊星歯車機構20、第一回転機MG1、第二回転機MG2、クラッチCL1およびブレーキBK1を含んで構成されている。動力伝達装置1−1は、更に、HV_ECU50、MG_ECU60およびエンジン_ECU70を含んで構成されてもよい。
本実施形態に係る動力伝達装置1−1では、第一遊星歯車機構10、クラッチCL1およびブレーキBK1を含んで変速部が構成されている。変速部は、エンジン1と駆動輪32とを接続する。クラッチCL1およびブレーキBK1は、変速部の係合装置である。本明細書では、クラッチCL1およびブレーキBK1をまとめて示す場合や、クラッチCL1とブレーキBK1を特に区別せずに示す場合等に、「係合装置」と称する。また、本実施形態では、第二遊星歯車機構20が差動部として機能する。また、第二遊星歯車機構20および第一回転機MG1を含んで電気式差動部が構成されている。また、HV_ECU50、MG_ECU60およびエンジン_ECU70は、制御部として機能する。
機関の一例であるエンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを出力軸の回転運動に変換して出力する。エンジン1の出力軸は、入力軸2と接続されている。入力軸2は、動力伝達機構の入力軸である。動力伝達機構は、第一回転機MG1、第二回転機MG2、クラッチCL1、ブレーキBK1、差動装置30等を含んで構成されている。入力軸2は、エンジン1の出力軸と同軸上かつ出力軸の延長線上に配置されている。入力軸2は、第一遊星歯車機構10の第一キャリア14と接続されている。
本実施形態の第一遊星歯車機構10は、エンジン1の回転を変速して出力可能である。第一遊星歯車機構10は、エンジン1と第二遊星歯車機構20とを接続する。第一遊星歯車機構10は、シングルピニオン式であり、第一サンギア11、第一ピニオンギア12、第一リングギア13および第一キャリア14を有する。
第一リングギア13は、第一サンギア11と同軸上であってかつ第一サンギア11の径方向外側に配置されている。第一ピニオンギア12は、第一サンギア11と第一リングギア13との間に配置されており、第一サンギア11および第一リングギア13とそれぞれ噛み合っている。第一ピニオンギア12は、第一キャリア14によって回転自在に支持されている。第一キャリア14は、入力軸2と連結されており、入力軸2と一体回転する。従って、第一ピニオンギア12は、入力軸2と共に入力軸2の中心軸線周りに回転(公転)可能であり、かつ第一キャリア14によって支持されて第一ピニオンギア12の中心軸線周りに回転(自転)可能である。
クラッチCL1は、第一サンギア11と第一キャリア14とを連結可能なクラッチ装置である。本実施形態のクラッチCL1は、摩擦係合式のクラッチ装置である。クラッチCL1は、例えば、油圧によって制御されて係合あるいは開放する。完全係合状態のクラッチCL1は、第一サンギア11と第一キャリア14とを連結し、第一サンギア11と第一キャリア14とを一体回転させることができる。完全係合状態のクラッチCL1は、第一遊星歯車機構10の差動を規制する。一方、開放状態のクラッチCL1は、第一サンギア11と第一キャリア14とを切り離し、第一サンギア11と第一キャリア14との相対回転を許容する。つまり、開放状態のクラッチCL1は、第一遊星歯車機構10の差動を許容する。なお、クラッチCL1は、半係合状態に制御可能である。半係合状態のクラッチCL1は、第一遊星歯車機構10の差動を許容する。
ブレーキBK1は、第一サンギア11の回転を規制することができるブレーキ装置である。ブレーキBK1は、第一サンギア11に接続された係合要素と、車体側、例えば動力伝達機構のケースと接続された係合要素とを有する。ブレーキBK1は、クラッチCL1と同様の摩擦係合式のクラッチ装置とすることができる。ブレーキBK1は、例えば、油圧によって制御されて係合あるいは開放する。完全係合状態のブレーキBK1は、第一サンギア11と車体側とを連結し、第一サンギア11の回転を規制することができる。一方、開放状態のブレーキBK1は、第一サンギア11と車体側とを切り離し、第一サンギア11の回転を許容する。なお、ブレーキBK1は、半係合状態に制御可能である。半係合状態のブレーキBK1は、第一サンギア11の回転を許容する。
本実施形態の第二遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構10と駆動輪32とを接続している。第二遊星歯車機構20は、シングルピニオン式であり、第二サンギア21、第二ピニオンギア22、第二リングギア23および第二キャリア24を有する。第二遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構10と同軸上に配置され、第一遊星歯車機構10を挟んでエンジン1と互いに対向している。
第二リングギア23は、第二サンギア21と同軸上であってかつ第二サンギア21の径方向外側に配置されている。第二ピニオンギア22は、第二サンギア21と第二リングギア23との間に配置されており、第二サンギア21および第二リングギア23とそれぞれ噛み合っている。第二ピニオンギア22は、第二キャリア24によって回転自在に支持されている。第二キャリア24は、第一リングギア13と接続されており、第一リングギア13と一体回転する。第二ピニオンギア22は、第二キャリア24と共に入力軸2の中心軸線周りに回転(公転)可能であり、かつ第二キャリア24によって支持されて第二ピニオンギア22の中心軸線周りに回転(自転)可能である。
第二サンギア21には第一回転機MG1の回転軸33が接続されている。第一回転機MG1の回転軸33は、入力軸2と同軸上に配置されており、第二サンギア21と一体回転する。第二リングギア23には、カウンタドライブギア25が接続されている。
カウンタドライブギア25は、カウンタドリブンギア26と噛み合っている。カウンタドリブンギア26は、カウンタシャフト27を介してドライブピニオンギア28と接続されている。また、カウンタドリブンギア26には、リダクションギア35が噛み合っている。リダクションギア35は、第二回転機MG2の回転軸34に接続されている。リダクションギア35は、カウンタドリブンギア26よりも小径である。
ドライブピニオンギア28は、差動装置30のデフリングギア29と噛み合っている。差動装置30は、左右の駆動軸31を介して駆動輪32と接続されている。第二回転機MG2は、第二リングギア23と駆動輪32との動力伝達経路に対して接続されている。
第一回転機MG1および第二回転機MG2は、それぞれモータ(電動機)としての機能と、発電機としての機能とを備えている。第一回転機MG1および第二回転機MG2は、インバータを介してバッテリ3と接続されている。回転機MG1,MG2によって発電された電力は、バッテリ3に蓄電可能である。第一回転機MG1および第二回転機MG2としては、例えば、三相交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。
図2に示す各ECU50,60,70は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。HV_ECU50は、車両100全体を統合制御する機能を有している。MG_ECU60およびエンジンECU70は、HV_ECU50と電気的に接続されている。
MG_ECU60は、第一回転機MG1および第二回転機MG2を制御することができる。MG_ECU60は、例えば、第一回転機MG1に対して供給する電流値を調節し、第一回転機MG1の出力トルクを制御すること、および第二回転機MG2に対して供給する電流値を調節し、第二回転機MG2の出力トルクを制御することができる。
エンジンECU70は、例えば、エンジン1の電子スロットル弁の開度を制御すること、点火信号を出力してエンジン1の点火制御を行うこと、エンジン1に対する燃料の噴射制御等を行うことができる。
HV_ECU50には、車速センサ、アクセル開度センサ、MG1回転数センサ、MG2回転数センサ、出力軸回転数センサ、バッテリセンサ、エンジン水温センサ、電池温度センサ等が接続されている。これらのセンサにより、HV_ECU50は、車速、アクセル開度、第一回転機MG1の回転数、第二回転機MG2の回転数、動力伝達機構の出力軸の回転数、バッテリ状態SOC、エンジン水温、バッテリ温度等を取得することができる。
HV_ECU50は、取得する情報に基づいて、車両100に対する要求駆動力や要求パワー、要求トルク等を算出することができる。HV_ECU50は、算出した要求値に基づいて、第一回転機MG1の出力トルク(以下、「MG1トルク」とも記載する。)、第二回転機MG2の出力トルク(以下、「MG2トルク」とも記載する。)およびエンジン1の出力トルク(以下、「エンジントルク」とも記載する。)を決定する。HV_ECU50は、MG1トルクの指令値およびMG2トルクの指令値をMG_ECU60に対して出力する。また、HV_ECU50は、エンジントルクの指令値をエンジンECU70に対して出力する。
HV_ECU50は、後述する走行モード等に基づいて、クラッチCL1およびブレーキBK1をそれぞれ制御する。HV_ECU50は、クラッチCL1に対する供給油圧の指令値(PbCL1)およびブレーキBK1に対する供給油圧の指令値(PbBK1)をそれぞれ出力する。図示しない油圧制御装置は、各指令値PbCL1,PbBK1に応じてクラッチCL1およびブレーキBK1に対する供給油圧を制御する。
車両100では、ハイブリッド(HV)走行あるいはEV走行を選択的に実行可能である。HV走行とは、エンジン1を動力源として車両100を走行させる走行モードである。HV走行では、エンジン1に加えて、更に第二回転機MG2を動力源としてもよい。
EV走行は、第一回転機MG1あるいは第二回転機MG2の少なくともいずれか一方を動力源として走行する走行モードである。EV走行では、エンジン1を停止して走行することが可能である。本実施形態に係る動力伝達装置1−1は、EV走行モードとして、第二回転機MG2を単独の動力源として車両100を走行させる単独モータEVモード(単独駆動EVモード)と、第一回転機MG1および第二回転機MG2を動力源として車両100を走行させる両モータEVモード(両駆動EVモード)を有する。
図4の作動係合表において、クラッチCL1の欄およびブレーキBK1の欄の丸印は、係合を示し、空欄は開放を示す。また、三角印は、クラッチCL1あるいはブレーキBK1のいずれかを係合し、他方を開放することを示す。単独モータEVモードは、例えば、クラッチCL1およびブレーキBK1を共に開放して実行される。図5を含む各共線図において、符号S1,C1,R1は、それぞれ第一サンギア11、第一キャリア14、第一リングギア13を示し、符号S2,C2,R2は、それぞれ第二サンギア21、第二キャリア24、第二リングギア23を示す。
単独モータEVモードでは、クラッチCL1およびブレーキBK1が開放している。ブレーキBK1が開放していることで、第一サンギア11の回転が許容され、クラッチCL1が開放していることで、第一遊星歯車機構10は差動可能である。HV_ECU50は、車両100を前進走行させる場合、MG_ECU60を介して第二回転機MG2に正トルクを出力させて車両100に前進方向の駆動力を発生させる。第二リングギア23は、駆動輪32の回転と連動して正回転する。ここで、正回転とは、車両100の前進時の第二リングギア23の回転方向とする。HV_ECU50は、第一回転機MG1をジェネレータとして作動させて引き摺り損失を低減させる。具体的には、HV_ECU50は、第一回転機MG1にわずかなトルクをかけて発電させ、第一回転機MG1の回転数を0回転とする。これにより、第一回転機MG1の引き摺り損失を低減することができる。また、MG1トルクを0としてもコギングトルクを利用してMG1回転数を0に維持できるときは、MG1トルクを加えないようにしてもよい。あるいは、第一回転機MG1のd軸ロックによってMG1回転数を0としてもよい。
第一リングギア13は、第二キャリア24に連れ回り正回転する。第一遊星歯車機構10では、クラッチCL1およびブレーキBK1が開放されたニュートラルの状態であるため、エンジン1は連れ回されず、第一キャリア14は回転を停止する。よって回生量を大きく取ることが可能である。第一サンギア11は空転して負回転する。
単独モータEVモードでの走行時に、バッテリ3の充電状態がフルとなり、回生エネルギーが取れない場合が発生し得る。この場合、エンジンブレーキを併用することが考えられる。クラッチCL1あるいはブレーキBK1を係合することで、エンジン1を駆動輪32と接続し、エンジンブレーキを駆動輪32に作用させることができる。図4に三角印で示すように、単独モータEVモードでクラッチCL1あるいはブレーキBK1を係合すると、エンジン1を連れ回し状態とし、第一回転機MG1でエンジン回転数を上げてエンジンブレーキ状態とすることができる。
両モータEVモードでは、HV_ECU50は、クラッチCL1およびブレーキBK1を係合する。図6に示すように、クラッチCL1が係合することで、第一遊星歯車機構10の差動は規制され、ブレーキBK1が係合することで、第一サンギア11の回転が規制される。従って、第一遊星歯車機構10の全回転要素の回転が停止する。出力要素である第一リングギア13の回転が規制されることで、これと接続された第二キャリア24が0回転にロックされる。
HV_ECU50は、第一回転機MG1および第二回転機MG2にそれぞれ走行駆動用のトルクを出力させる。第二キャリア24は、回転が規制されていることで、第一回転機MG1のトルクに対して反力を取り、第一回転機MG1のトルクを第二リングギア23から出力させることができる。第一回転機MG1は、前進時に負トルクを出力して負回転することで、第二リングギア23から正のトルクを出力させることができる。一方、後進時には、第一回転機MG1は、正トルクを出力して正回転することで、第二リングギア23から負のトルクを出力させることができる。
HV走行では、差動部としての第二遊星歯車機構20は差動状態を基本とし、変速部の第一遊星歯車機構10は、ロー/ハイの切り替えがなされる。図7において、一点鎖線は、ロー状態のHV走行モード(以下、「HVローモード」とも記載する。)を示し、実線は、ハイ状態のHV走行モード(以下、「HVハイモード」とも記載する。)を示す。
HVローモード(一点鎖線)では、HV_ECU50は、クラッチCL1を係合し、ブレーキBK1を開放する。クラッチCL1が係合することにより、第一遊星歯車機構10は差動が規制され、各回転要素11,13,14が一体回転する。従って、エンジン1の回転は増速も減速もされず、等速で第一リングギア13から第二キャリア24に伝達される。
一方、HVハイモード(実線)では、HV_ECU50は、クラッチCL1を開放し、ブレーキBK1を係合する。ブレーキBK1が係合することにより、第一サンギア11の回転が規制される。よって、第一遊星歯車機構10は、第一キャリア14に入力されたエンジン1の回転が増速されて第一リングギア13から出力されるオーバドライブ(OD)状態となる。オーバドライブ時の第一遊星歯車機構10の変速比は、例えば、0.7とすることができる。
このように、HV_ECU50は、第一遊星歯車機構10の差動を規制する状態と、第一遊星歯車機構10の差動を許容する状態とを切り替えて第一遊星歯車機構10を変速させる。動力伝達装置1−1は、第一遊星歯車機構10を含む変速部によってHVハイモードとHVローモードとの切り替えが可能であり、車両100の伝達効率を向上させることができる。また、変速部の後段には、直列に差動部としての第二遊星歯車機構20が接続されている。第一遊星歯車機構10がオーバドライブであるため、第一回転機MG1を大きく高トルク化しなくてもよいという利点がある。
HV_ECU50は、例えば、図8を参照して説明するように、高車速ではHVハイモードを選択し、中低車速ではHVローモードを選択する。図8において、横軸は車速、縦軸は要求駆動力を示す。図8に示すように、低車速かつ要求駆動力が小さい低負荷の領域は、モータ走行域である。モータ走行域では、EV走行が選択される。モータ走行域では、例えば、低負荷時は単独モータEVモードが選択され、高負荷時は両駆動EVモードが選択される。
モータ走行域よりも高車速や高負荷の領域は、エンジン走行域である。エンジン走行域は、更に、直結(ロー)領域とOD(ハイ)領域に分割されている。直結領域は、HVローモードが選択されるエンジン走行域である。OD領域は、HVハイモードが選択されるエンジン走行域である。
本実施形態では、HVハイモードとHVローモードとの切り替えによりエンジン1の回転を変速して出力することで、メカニカルポイントが2つとなり、燃費を向上させることができる。なお、メカニカルポイントは、遊星歯車機構10,20に入力される動力が電気パスを介さずに機械的な伝達によって全てカウンタドライブギア25に伝達される高効率な動作点である。
本実施形態に係る動力伝達装置1−1は、第一遊星歯車機構10がエンジン1の回転を増速して第一リングギア13から出力することができる。従って、動力伝達装置1−1は、第一遊星歯車機構10を備えずに第二キャリア24に対して直接エンジン1が接続されている場合のメカニカルポイントに対して、更にハイギア側にもう1つのメカニカルポイントを有する。つまり、動力伝達装置1−1は、ハイギア側に2つのメカニカルポイントを有する。よって、動力伝達装置1−1は、高速走行時の伝達効率向上による燃費の向上を図ることができるハイブリッドシステムを実現できる。
また、動力伝達装置1−1は、クラッチCL1およびブレーキBK1を係合することで、第二遊星歯車機構20の入力要素の回転を規制することができ、両モータEVモードによる走行を可能とできる。このため、両モータEVモードを実現するために別途クラッチ等を設ける必要がなく、構成が簡素化される。本実施形態のレイアウトでは、第二回転機MG2の減速比を大きく取ることができる。また、FFあるいはRRレイアウトによりコンパクトな配置を実現できる。
(協調変速制御)
HV_ECU50は、HVハイモードとHVローモードとの切り替えを行う場合、第一遊星歯車機構10と第二遊星歯車機構20とを同時に変速させる協調変速制御を実行することができる。HV_ECU50は、協調変速制御において、第一遊星歯車機構10および第二遊星歯車機構20の一方の変速比を増加させ、他方の変速比を減少させる。
HV_ECU50は、HVハイモードとHVローモードとの切り替えを行う場合、第一遊星歯車機構10と第二遊星歯車機構20とを同時に変速させる協調変速制御を実行することができる。HV_ECU50は、協調変速制御において、第一遊星歯車機構10および第二遊星歯車機構20の一方の変速比を増加させ、他方の変速比を減少させる。
HV_ECU50は、HVハイモードからHVローモードに切り替える場合、モードの切り替えと同期して第二遊星歯車機構20の変速比をハイギア側に変化させる。これにより、車両100のエンジン1から駆動輪32までの全体での変速比の不連続な変化を抑制または低減し、変速比の変化の度合いを低減することができる。HV_ECU50は、例えば、車両100全体での変速比をロー側に連続的に変化させるように、第一遊星歯車機構10および第二遊星歯車機構20を協調して変速させる。
一方、HV_ECU50は、HVローモードからHVハイモードに切り替える場合、モードの切り替えと同期して第二遊星歯車機構20の変速比をローギア側に変化させる。HV_ECU50は、例えば、車両100全体での変速比をハイ側に連続的に変化させるように、第一遊星歯車機構10および第二遊星歯車機構20を協調して変速させる。
第二遊星歯車機構20の変速比の調節は、例えば、第一回転機MG1の回転数の制御によって行われる。HV_ECU50は、例えば、入力軸2とカウンタドライブギア25との間の変速比を無段階に変化させるように第一回転機MG1を制御する。これにより、遊星歯車機構10,20、第一回転機MG1、クラッチCL1およびブレーキBK1を含む全体、すなわち差動部と変速部を含む変速装置が電気的無段変速機として作動する。差動部と変速部を含む変速装置の変速比幅がワイドであるため、差動部から駆動輪32までの変速比を比較的大きく取れる。また、HV走行モードの高車速走行時の動力循環が低減される。
(エンジン始動制御)
HV_ECU50は、単独モータEVモードからエンジン1を始動する場合、クラッチCL1あるいはブレーキBK1を係合し、エンジン回転数を上昇させて点火を行う。クラッチCL1あるいはブレーキBK1が係合すると、第一リングギア13から第一キャリア14にトルクが伝達され、エンジン1には正トルクが入力される。この正トルクにより、エンジン1が回転を開始し、エンジン回転数が上昇する。本実施形態では、MG1トルクによって、エンジンのクランキングがなされる。HV_ECU50は、エンジン回転数が予め定められた点火回転数以上となると、エンジン1の点火を行ってエンジン1の始動を完了する。
HV_ECU50は、単独モータEVモードからエンジン1を始動する場合、クラッチCL1あるいはブレーキBK1を係合し、エンジン回転数を上昇させて点火を行う。クラッチCL1あるいはブレーキBK1が係合すると、第一リングギア13から第一キャリア14にトルクが伝達され、エンジン1には正トルクが入力される。この正トルクにより、エンジン1が回転を開始し、エンジン回転数が上昇する。本実施形態では、MG1トルクによって、エンジンのクランキングがなされる。HV_ECU50は、エンジン回転数が予め定められた点火回転数以上となると、エンジン1の点火を行ってエンジン1の始動を完了する。
ここで、エンジン回転数には、共振帯(図12、図13の符号Nr参照)がある。共振帯Nrは、エンジン回転数において共振が発生する回転数域であり、それぞれのエンジン1に固有のものである。共振帯Nrは、例えば、エンジン1と入力軸2との間に介在するダンパの振動特性に対応しており、当該ダンパにおいて共振が発生する回転数域である。共振帯Nrは、例えば、エンジン1のイナーシャと、ダンパのバネと、差動部のイナーシャとにより発生する共振の共振点付近の回転数領域である。エンジン1の始動時等に、エンジン回転数が共振帯Nrにあると、共振の発生により、エンジン回転数が上下に変動してしまうことがある。共振は、車体の振動や騒音の原因となり、ドライバビリティの低下を招く可能性がある。
本実施形態に係る動力伝達装置1−1は、エンジン1の始動時など、エンジン回転数が共振帯Nrにあるときに変速部の係合装置のトルク容量を低下させる。これにより、係合装置をスリップさせて共振が発生している時(以下、単に「共振時」と称する。)のトルク伝達を低減することができる。例えば、クラッチCL1を係合した状態で第一回転機MG1のトルクによってエンジン1を始動する場合、共振時にクラッチCL1のトルク容量が低減される。トルク容量を低減させることにより、共振時にトルク振動が生じたとしても、トルク容量を超えるトルクは第一回転機MG1側に伝達されない。つまり、係合装置のスリップによって、共振時のトルク変動が吸収され、第一遊星歯車機構10を介したトルク変動の伝達が抑制される。
また、動力伝達装置1−1は、図9を参照して説明するように、初期振動トルクに応じて係合装置のトルク容量の低減量を変化させる。よって、トルク容量を適切に決定することが可能となる。図9において、横軸は初期振動トルク、縦軸はトルク容量の低減量を示す。初期振動トルクは、エンジン回転数が上昇していく際に、共振帯Nrでエンジン回転数が変動し始めたときのトルクの変動量である。
初期振動トルクが大きい場合のトルク容量の低減量は、初期振動トルクが小さい場合のトルク容量の低減量よりも大きい。つまり、HV_ECU50は、初期振動トルクが大きい場合には、係合装置のトルク容量をより大きく低下させる。これにより、発生する振動トルクの振幅が大きいとしても、その振幅のうち係合装置のスリップによってカットされる幅が大きくなる。なお、所定トルクT1以上の初期振動トルクの領域では、トルク容量の低減量は一定値である。トルク容量の低減量の上限は、係合装置の耐久性の低下を抑制する観点から定められている。
係合装置をスリップさせることにより共振時のトルク伝達を抑制できるものの、スリップによって係合装置の熱吸収量が大きくなる。係合装置の耐久性を確保する観点からは、係合装置の熱吸収量が大きくなりすぎることは好ましくない。
本実施形態に係る動力伝達装置1−1は、以下に説明するように、エンジン回転数が共振帯Nrにあるときに変速部の係合装置のトルク容量を低減し、エンジン回転数が共振帯Nrに滞留する時間が所定時間ta以上の場合、変速部の係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に変速部を変速する。これにより、係合装置の熱吸収量を小さくし、係合装置の耐久性の低下を抑制することができる。
図10および図11に示すように、HVハイモードとHVローモードとでは、係合装置の分担トルクが異なる。図10に示すように、第一遊星歯車機構10のギア比をρ(ρ<1)とすると、HVハイモードでは、ブレーキBK1の分担トルクTBK1は、下記式(1)で求められる。
TBK1=Te×ρ/(1+ρ)…(1)
ここで、ブレーキBK1の分担トルクTBK1は、エンジントルクTeを第一キャリア14から第一リングギア13に伝達する際にブレーキBK1に入力されるトルクの大きさである。
TBK1=Te×ρ/(1+ρ)…(1)
ここで、ブレーキBK1の分担トルクTBK1は、エンジントルクTeを第一キャリア14から第一リングギア13に伝達する際にブレーキBK1に入力されるトルクの大きさである。
図11に示すように、HVローモードでは、クラッチCL1の分担トルクTCL1は、下記式(2)で求められる。
TCL1=Te×ρ…(2)
ここで、クラッチCL1の分担トルクTCL1は、エンジントルクTeを第一キャリア14から第一リングギア13に伝達する際にクラッチCL1に入力されるトルクの大きさである。
TCL1=Te×ρ…(2)
ここで、クラッチCL1の分担トルクTCL1は、エンジントルクTeを第一キャリア14から第一リングギア13に伝達する際にクラッチCL1に入力されるトルクの大きさである。
上記式(1)および式(2)から分かるように、同じエンジントルクTeを伝達するときに、HVハイモードである場合の方が、HVローモードである場合よりも、係合装置の分担トルクが小さい。つまり、HVハイモードとした場合、HVローモードとした場合よりも、エンジン始動時等に係合装置をスリップさせたときの係合装置の熱吸収量を低減させることが可能である。従って、HVハイモードでは、HVローモードよりもスリップ量やスリップ継続時間を大きくすることが可能となる。
HV_ECU50は、エンジン1の始動時等に、エンジン回転数が共振帯Nrに滞留する時間が所定時間ta以上の場合、HVハイモードを選択してブレーキBK1をスリップさせる。これにより、変速部の係合装置の熱吸収量を低減し、係合装置の耐久性の低下を抑制することができる。
図1、図12および図13を参照して、実施形態の制御について説明する。図1に示す制御フローは、例えば、走行中に所定の間隔で繰り返し実行される。図12には、(a)エンジン回転数、(b)エンジントルクTe、(c)MG1トルク、(d)MG1回転数、(e)MG2トルク、(f)MG2回転数、(g)クラッチCL1に対する油圧、(h)ブレーキBK1に対する油圧が示されている。図12には、エンジン1の始動を開始してからエンジン1の始動が完了するまでHVローモードを維持する場合が示されている。図13には、図12に示す項目に加えて、(i)共振帯Nrに滞留する滞留時間が示されている。図13のタイムチャートには、滞留時間が所定時間taとなって変速部の変速がなされる場合の動作が示されている。
図12では時刻t1に、図13では時刻t10にMG1トルクによるエンジン1のクランキングが開始されている。HV_ECU50は、第一回転機MG1に正トルクを出力させて、MG1トルクによってエンジン回転数を上昇させる。クランキングのためのMG1トルクによって、第二リングギア23には、減速方向のトルクが作用する。HV_ECU50は、この減速方向のトルクを打ち消すように、MG2トルクを増加させる。HV_ECU50は、エンジン回転数が所定回転数まで上昇すると、エンジン1の燃料噴射および点火を開始し、エンジン1を自立運転させる。図12では、時刻t4にファイアリングが開始され、時刻t5にエンジン始動が完了する。
ステップS10では、HV_ECU50により、共振が発生しているか否かが判定される。ここで、ステップS10で判定する共振は、エンジン1から差動部としての第二遊星歯車機構20までの部分での共振である。HV_ECU50は、例えば、MG1回転数の変化から振動トルク(共振トルク)を推定することができる。HV_ECU50は、推定した振動トルク(例えば、トルクの振動幅や振動量)に基づいて共振が発生しているか否かを判定することができる。ステップS10の判定の結果、共振が発生していると判定された場合には、ステップS20に進み、そうでない場合(ステップS10−N)にはステップS90に進む。
ステップS20では、HV_ECU50により、初期容量低減量が決定される。ステップS20では、係合装置のトルク容量の低減量が決定される。HV_ECU50は、例えば、図9に示すマップを参照して、トルク容量の低減量を決定する。本実施形態では、HV_ECU50は、ステップS10で推定された振動トルクに基づいて、クラッチCL1のトルク容量の低減量を決定する。ステップS20が実行されると、ステップS30に進む。
ステップS30では、HV_ECU50により、クラッチCL1のスリップ制御が実行される。HV_ECU50は、ステップS20で決定されたトルク容量の低減量に基づいて、クラッチCL1の係合油圧を低下させる。ここで、低下前のクラッチCL1の係合油圧は、例えば、走行時にクラッチCL1を完全係合に維持できる係合油圧として予め定められたものである。HV_ECU50は、トルク容量の低減量に応じて低下させたクラッチCL1に対する供給油圧の指令値PbCL1を油圧制御装置に対して出力する。これにより、クラッチCL1のトルク容量が低下し、クラッチCL1がスリップする。図12では時刻t2に、図13では、時刻t11にクラッチCL1の係合油圧が低減し始める。また、図12では時刻t3に、図13では時刻t12に、決定された低減量に相当するクラッチCL1の係合油圧の低減が終了する。ステップS30が実行されると、ステップS40に進む。
ステップS40では、HV_ECU50により、共振帯Nrの滞留時間が所定時間ta以上であるか否かが判定される。HV_ECU50は、エンジン回転数が共振帯Nrに滞留している時間である滞留時間をカウントする。滞留時間のカウントアップは、例えば、ステップS10で共振が発生していると最初に判定されたときに開始される。図13では、時刻t13に滞留時間が所定時間ta以上となり、ステップS40で肯定判定がなされる。一方、図12では、ステップS40で肯定判定がなされることなく、エンジン回転数が共振帯Nrを通過する。このように即座に共振帯Nrを通過する場合は、変速がなされないため、変速によるドライバビリティの低下が抑制される。ステップS40の判定の結果、滞留時間が所定時間ta以上であると判定した場合(ステップS40−Y)にはステップS50に進み、そうでない場合(ステップS40−N)にはステップS60に進む。
ステップS50では、HV_ECU50により、分担トルクが小のギア段に変速される。HV_ECU50は、滞留時間が所定時ta以上である場合、係合装置の熱吸収量を低減するため、変速部を分担トルクがより小さい変速段に変速させる。具体的には、HV_ECU50は、変速部をHVローモードの変速段からHVハイモードの変速段に変速させる。図13では、時刻t13にクラッチCL1の開放指令が出力されてクラッチCL1の係合油圧が低減し始める。一方、時刻t13にブレーキBK1の係合指令が出力され、ブレーキBK1の係合油圧が増加し始める。なお、ブレーキBK1の係合油圧の目標値P1は、基本的な変速制御の目標値P2に対して、ステップS20で決定されたトルク容量の低減量だけ低減されている。ステップS50が実行されると、ステップS60に進む。
ステップS60では、HV_ECU50により、振動トルクが所定トルクTL1より低下したか否かが判定される。ステップS60では、トルク容量の低減により振動トルクが低減されたか否かが判定される。HV_ECU50は、振動トルクの振幅が所定トルクTL1より小さい場合にステップS60で肯定判定する。図12では時刻t2に、図13では時刻t11にクラッチCL1のトルク容量が低減され始めることで、MG1回転数の変動が抑制される。ステップS60の判定の結果、振動トルクが所定トルクTL1未満であると判定された場合(ステップS60−Y)にはステップS80に進み、そうでない場合(ステップS60−N)にはステップS70に進む。
ステップS70では、HV_ECU50により、低減量の増加がなされる。HV_ECU50は、係合装置のトルク容量の低減量をそれまでの値に対して増加させる。これにより、それまでの油圧値に対して、係合装置の係合油圧が低減される。現在スリップさせている係合装置がクラッチCL1である場合、クラッチCL1に対する係合油圧の指令値PbCL1が低減される。スリップさせている係合装置がブレーキBK1である場合、ブレーキBK1に対する係合油圧の指令値PbBK1が低減される。ただし、係合油圧は、係合装置の耐久性を低下させないように定められた範囲の値に制限される。ステップS70が実行されると、ステップS60に移行する。
ステップS80では、HV_ECU50により、低減量が維持される。HV_ECU50は、係合装置のトルク容量の低減量を維持する。本実施形態では、振動トルクが所定トルクTL1以上とならなければ、トルク容量の低減量が維持される。よって、係合装置のスリップ量が大きくなりすぎることが抑制され、エネルギーのロスが抑制される。ステップS80が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS10で否定判定がなされてステップS90に進むと、ステップS90では、HV_ECU50により、車両状態が把握される。後述するステップS100では、今後共振の発生が予測される走行状態であるか否かが判定される。共振の発生が予測される走行状態は、例えば、低温時のエンジン始動時や、エンジン1の失火時、波状路走行時などである。ステップS90において、HV_ECU50は、共振の発生可能性を判定することができる走行状態を取得する。HV_ECU50は、例えば、エンジン水温、バッテリ3の放電可能量、エンジン回転数の変動量、エンジントルクの変動量、タイヤ回転数の変動量、アウトプット回転数の変動量等を取得する。ステップS90が実行されると、ステップS100に進む。
ステップS100では、HV_ECU50により、共振発生の可能性が判定される。HV_ECU50は、例えば、ステップS90で取得した走行状態と、閾値との比較結果に基づいてステップS100の判定を行う。HV_ECU50は、例えば、エンジン水温の検出値が所定水温以下である場合、エンジン始動時に共振の発生が予測されると判定する。低温時には、エンジン1のフリクションが大きく、エンジン回転数の上昇速度が遅くなる可能性がある。こうした場合に、共振発生に備えて変速して係合装置の分担トルクを小さくしておくことで、係合装置の熱吸収量を低減させることができる。
また、HV_ECU50は、バッテリ3の放電可能量(電力)が所定値以下の場合、共振が発生する可能性ありと判定する。第一回転機MG1で使用できる電力が限られてしまうと、エンジン始動時のトルクが不足し、エンジン回転数の上昇速度が遅くなる可能性がある。こうした場合に、共振発生に備えて変速して係合装置の分担トルクを小さくしておくことで、係合装置の熱吸収量を低減させることができる。
また、HV_ECU50は、例えば、検出されたエンジン回転数の変動やエンジントルクの変動がエンジン1の失火を示すものである場合に、今後共振の発生が予測されると判定する。エンジン1の失火は、失火検出用のセンサの検出結果から判定されてもよい。エンジン1において失火が生じると、比較的高回転のエンジン回転数の領域で共振が発生する場合がある。HV_ECU50は、失火が生じている気筒数等に基づいて、今後共振が発生するか否かを判定することができる。失火による共振の発生を予測した場合に、予め変速して係合装置の分担トルクを小さくしておくことで、係合装置の熱吸収量を低減させることができる。
また、HV_ECU50は、タイヤ回転数の変動やプロペラ軸の回転数変動などから波状路を走行中であるか否かを判断することができる。HV_ECU50は、例えば、路面から入力されるトルクの変動を推定し、トルク変動の周波数等に基づいて、今後共振の発生が予測されるか否かを判定する。
なお、本実施形態では、HV_ECU50は、滞留予測時間を算出することができる。滞留予測時間は、エンジン回転数が共振帯Nrに滞留する時間の予測値である。滞留予測時間は、例えば、エンジン水温やバッテリ3の放電可能量に応じて変化する。エンジン水温が低温である場合、高温である場合よりも滞留予測時間は長くなる。バッテリ3の放電可能量が小さい場合、大きい場合よりも滞留予測時間は長くなる。ステップS100では、共振の発生が予測され、かつ滞留予測時間が所定値を上回る場合に肯定判定がなされる。なお、これに代えて、滞留予測時間に関係なく、共振の発生が予測される場合にステップS100で肯定判定がなされてもよい。ステップS100の判定の結果、共振発生の可能性ありと判定された場合(ステップS100−Y)にはステップS110に進み、そうでない場合(ステップS100−N)には本制御フローは終了する。
ステップS110では、HV_ECU50により、分担トルク小のギア段に変速される。それまでのモードが、HVローモードであれば、HVハイモードに変速される。これにより、共振が発生することや滞留時間が長くなることに備えて、予め係合装置の分担トルクが小さいモードに切り替えておくことができる。ステップS110が実行されると、本制御フローは終了する。
以上説明したように、本実施形態の動力伝達装置1−1は、エンジン回転数が共振帯Nrにある場合に係合装置のトルク容量を低減させる。また、エンジン回転数が共振帯Nr以外の領域にある場合、係合装置のトルク容量を低減させない。よって、係合装置のスリップによる燃費の低下を極力抑えることができる。
また、動力伝達装置1−1は、振動トルクに応じて係合装置のトルク容量の低減量をフィードバック制御(ステップS60,S70)する。これにより、適切にトルク容量の低減量を決定し、ドライバビリティの向上と燃費低下の抑制とを両立させることができる。
また、動力伝達装置1−1は、共振の発生が予測される場合(ステップS100−Y)、係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に予め変速する(ステップS110)。よって、共振の発生に備えて変速しておくことができ、係合装置の熱吸収量を低減させることができる。なお、例示した以外の共振が発生しやすい走行状態に基づいて、変速がなされてもよい。
なお、ステップS10の判定において、エンジン回転数が予め定められた共振回転数領域(共振帯Nr)にある場合に、肯定判定がなされてもよい。また、本実施形態では、エンジン始動の開始時にクラッチCL1が係合されていたが、これに代えて、エンジン始動の開始時にブレーキBK1が係合されていてもよい。
蓄電装置はバッテリ3には限定されず、例えばキャパシタ等であってもよい。また、変速部の差動機構は、例示したシングルピニオン式の第一遊星歯車機構10には限定されない。差動機構は、例えば、ダブルピニオン式の遊星歯車機構やその他の差動機構であってもよい。クラッチCL1や入力クラッチC0は、油圧以外の力によって係合あるいは開放するものであってもよい。
以上説明した実施形態によれば、以下の自動変速機の制御方法が開示されている。「機関と、変速部と、電気式差動部とからなる自動変速機の制御方法において、電気式差動部は第一回転機と第二回転機を有し、変速部の係合装置の容量を低下させ、共振を低減する」。
上記の実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1−1 動力伝達装置
1 エンジン(機関)
10 第一遊星歯車機構(変速部)
20 第二遊星歯車機構(差動部)
MG1 第一回転機
MG2 第二回転機
CL1 クラッチ(変速部、係合装置)
BK1 ブレーキ(変速部、係合装置)
32 駆動輪
50 HV_ECU
Nr 共振帯
ta 所定時間
1 エンジン(機関)
10 第一遊星歯車機構(変速部)
20 第二遊星歯車機構(差動部)
MG1 第一回転機
MG2 第二回転機
CL1 クラッチ(変速部、係合装置)
BK1 ブレーキ(変速部、係合装置)
32 駆動輪
50 HV_ECU
Nr 共振帯
ta 所定時間
Claims (1)
- 機関と、前記機関と駆動輪とを接続する変速部と、差動部と、第一回転機と、第二回転機と、を備え、
前記機関の回転数が共振帯にあるときに前記変速部の係合装置のトルク容量を低減し、
前記機関の回転数が当該共振帯に滞留する時間が所定時間以上の場合、前記変速部の係合装置の分担トルクが小さくなるギア段に前記変速部を変速する
ことを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013156169A JP2015025524A (ja) | 2013-07-26 | 2013-07-26 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013156169A JP2015025524A (ja) | 2013-07-26 | 2013-07-26 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2015025524A true JP2015025524A (ja) | 2015-02-05 |
Family
ID=52490331
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2013156169A Pending JP2015025524A (ja) | 2013-07-26 | 2013-07-26 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2015025524A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021062740A (ja) * | 2019-10-11 | 2021-04-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
| CN112824703A (zh) * | 2019-11-21 | 2021-05-21 | 本田技研工业株式会社 | 车辆的动力传递装置 |
| JP7619046B2 (ja) | 2021-01-12 | 2025-01-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
2013
- 2013-07-26 JP JP2013156169A patent/JP2015025524A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021062740A (ja) * | 2019-10-11 | 2021-04-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
| JP7156237B2 (ja) | 2019-10-11 | 2022-10-19 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
| CN112824703A (zh) * | 2019-11-21 | 2021-05-21 | 本田技研工业株式会社 | 车辆的动力传递装置 |
| JP2021081031A (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 本田技研工業株式会社 | 車両の動力伝達装置 |
| JP7619046B2 (ja) | 2021-01-12 | 2025-01-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6801617B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
| JP4155236B2 (ja) | 車両用駆動装置の制御装置 | |
| CN104093586B (zh) | 混合动力车辆用驱动装置 | |
| JP6075376B2 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP5991374B2 (ja) | ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム | |
| JP6015770B2 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP6888497B2 (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
| JP5884897B2 (ja) | ハイブリッド車両の駆動制御装置 | |
| JP6844479B2 (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
| JPWO2013186924A1 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP6040886B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP6115572B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP6891748B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
| JP2015024764A (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP2014051146A (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP2015025524A (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP6015489B2 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP4225247B2 (ja) | 車両用駆動装置の制御装置 | |
| JP6900861B2 (ja) | 車両 | |
| JP4483892B2 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置の制御装置 | |
| WO2014080530A1 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 | |
| JP6888498B2 (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
| JP6946889B2 (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
| JP6638566B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
| JP6052092B2 (ja) | ハイブリッド車両用駆動装置 |